Lunatic Moon[Main]

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目次

・<OPフェイズ①/東雲亜梨花>
・<OPフェイズ②/卜部影路>
・<OPフェイズ③/翠簾野夕南>
・<OPフェイズ/合流/卜部影路&翠簾野夕南>
・<OPフェイズ④/神々廻京>
・<OPフェイズ⑤/明花あきる>
・<OPフェイズ/合流/神々廻京&明花あきる>
・<OPフェイズ/合流/全員>
・<マスターパート>
・<ミドルフェイズ①/全員/Hello World>
・<ミドルフェイズ②/東雲亜梨花&卜部影路/それでも世界は変わらない>
・<マスターパート②>
・<ミドルフェイズ③/明花あきる&翠簾野夕南/暗雲に潜むモノ>
・<ミドルフェイズ④/神々廻京/情報収集>
・<ミドルフェイズ⑤/全員/情報整理>
・<ミドルフェイズ⑥/東雲亜梨花&翠簾野夕南/語りなば、月夜もまた遠からず>
・<秘匿通信:翠簾野夕南&前本不亜音>
・<ミドルフェイズ⑦/卜部影路/面影>
・<ミドルフェイズ⑧/東雲亜梨花&明花あきる/天才と天才>
・<ミドルフェイズ⑨/全員/過去からの因縁>
・<小会話①/明花あきる&翠簾野夕南>
・<小会話②/全員>
・<小会話③/東雲亜梨花&翠簾野夕南>
・<小会話④/明花あきる&翠簾野夕南&神々廻京>
・<小会話⑤/東雲亜梨花&卜部影路>
・<小会話⑥/翠簾野夕南&卜部影路>
・<ミドルフェイズ⑩/明花あきる&翠簾野夕南&卜部影路&神々廻京/踏み外して、奈落へ>
・<小会話①/明花あきる&神々廻京>
・<小会話②/明花あきる&卜部影路>
・<小会話③/明花あきる&翠簾野夕南>
・<ミドルフェイズ⑪/東雲亜梨花/月夜の晩に>
・<ミドルフェイズ⑫/翠簾野夕南/ロア>
・<ミドルフェイズ⑬/明花あきる&神々廻京/過去と確執>
・<小会話①/東雲亜梨花&明花あきる>
・<ミドルフェイズ⑭/卜部影路/やがて、月夜が訪れるなら>
・<クライマックスフェイズ①/刻限/戦闘前>
・<マスターパート③>
・<クライマックスフェイズ②/刻限/戦闘開始>
・<クライマックスフェイズ③/刻限/戦闘終了>
・<バックトラックフェイズ>
・<エンディングフェイズ①/マスターパート/同時刻>
・<エンディングフェイズ②/翠簾野夕南/事後処理其の一>
・<エンディングフェイズ③/明花あきる/清算>
・<エンディングフェイズ④/東雲亜梨花/あたらしいいちにち>
・<エンディングフェイズ⑤/卜部影路/次なる路、未解明へと>
・<エンディングフェイズ⑥/神々廻京/仕事の終わり>
・<感想・疑問>



GMのうつしみ : テスト

GMのうつしみ : おひーーー

GMのうつしみ : なるほど。

おさゆく : 新鮮な部屋だぁぁぁぁぁぁぁぁ!!

おさゆく : よし

おさゆく : とりあえず準備していくわね

GMのうつしみ : すまねぇ、とふとほぼ近い要領で使えることは確認したこと以外は……何も手についていない!(ドンッ!!!)

おだ : ちょっとまちな

おだ : https://note.com/uta_ta/n/n194d1a49a4be

おだ : あらかじめテキスト準備しておいたりとか、ワンタッチで準備してた背景とBGMを用意したりとかできる

おだ : べんり

GMのうつしみ : べんりだ……

GMのうつしみ : かの邪智暴虐のつきみそばをオヒーしなければならないと誓った。
しかしおひつごはんにはうどんがわからぬ。

おだ :

GMのうつしみ : なるほど(シナリオテキストで打った)

おだ : ツイッターログインは誰が入力中なのかを把握したい関係でしておくと吉ですかね

おだ : 匿名ユーザーになっちゃう

GMのうつしみ : このシナリオテキストは参加者からは見えないやつ?

おだ : 見えない!

おだ : シーンとかも見れない。BGMも見れないはず

GMのうつしみ : なるほど(今おひつご飯怪文書をシナリオテキスト一覧に入れる実験)

おだ : 部屋作った人にしか見えない仕様ですねそのへん たしか

おだ : GMのうつしみはマップに表示されない状態にすればチャット用のアイコンにもなると

おだ : 隠してれば参加者側には見えないので、立ち絵準備して隠しとくのがいいのかな

おだ : NPCとか

GMのうつしみ : 縦横無尽に動く陰キャだ

卜部影路 : よし

GMのうつしみ : このしまうというやつじゃな?

おだ : 盤面に表示しない!みたいなほう

system : [ 卜部影路 ] HP : 0 → 2

system : [ 卜部影路 ] HP : 2 → 0

おだ : しまうでもいいんだっけな

GMのうつしみ :

GMのうつしみ : 一応、盤面キャラクター一覧に表示しないってやってるからNPCみたくステータスはでてない

おだ : しまえばいいんだっけ マップに見えなければPC側には把握できないので大丈夫

おだ : そうね

卜部影路 : カットインとかどうするんだっけ

おだ : えーと

卜部影路 :
こうかな?

卜部影路 : こうでこう

卜部影路 : こうでこう

おだ : 表情かえか

卜部影路 : ラベル名でいけるのかな

おだ : 先に@なんとかって打つだけで表情かわるから

卜部影路 : 通常

おだ : そのほうがいいかも

卜部影路 : こうか

卜部影路 : こうだな

卜部影路 : よし

卜部影路 : よしよし

おだ : べんり

おだ : 世界の進化感じる

卜部影路 : 照れた顔も作ってもらったけど使う機会あるかな?

卜部影路 : は?ふざけんな!!

カグラ : 血まみれめっちゃいい

おだまき : 健康にいい

卜部影路 : 血まみれ最高だよね

おだまき : カットインはGMにしかできないっぽいな

おだまき : おせないし

卜部影路 : 胸上くらいにしよう、表情見えやすいように

おだまき : 別の卓で使ってたマップ反映させちゃうね

おだまき : おっけい。

GMのうつしみ : ありがとうございます!

おだまき : 白いところは戦闘用マップを入れてたんだけど、

おだまき : 会話中はスクリーンパネル機能使ってその場面の背景とか入れておくのもオシャンかもしれない

おだまき : こういう感じでつかってた

GMのうつしみ : ほむ

おだまき : まあこの画面の黒いところを背景として使えるからそれでいい気もするけども

おだまき : こういうかんじで

おだまき : このちょっとぼやけてる感じ、オシャンですき

おだまき :

GMのうつしみ : なるほど(適当な画像入れた

おだまき : んでBGMは2つ同時再生できるからBGM流しながらSE出したりもできると

卜部影路 : どうだ

おだまき : かわいい

卜部影路 : これくらいがちょうどかな

卜部影路 :

卜部影路 : これでどうだろう、だいたいいけたかな

卜部影路 : まあやってるうちに慣れるか

GMのうつしみ : なるほど、理解(支部長室設定してた)

翠簾野 夕南 : とりあえず仮で

翠簾野 夕南 : 立ち絵来たらいれかえよう

卜部影路 : イケメンじゃん

翠簾野 夕南 : だろ~~?

卜部影路 : 「……顔がいいヤツの相手は気後れするな」

翠簾野 夕南 : 「気後れするかはともかく、イケメンって言われるのは悪い気しないね!」

卜部影路 : 「……しかも陽キャじゃねぇか」

翠簾野 夕南 : 雑談のあいだはぴくるー絵でお茶を濁している暇にほんとの立ち絵がくる予定だぜ

GMのうつしみ : イケメンの陽キャか。きっと順風満帆な人生を送ってきたにちがいない

翠簾野 夕南 : 「世渡りできねーとやってけないからね! 任せろよ、おれの得意技は一気コールを丁寧にスルーして上司に酒を注いで回ること!」

翠簾野 夕南 : それはもう影のない人生を送ってきたオーヴァードですよ

GMのうつしみ : ちなみにこれがP市支部支部長室のイメージ。

翠簾野 夕南 : 和!

GMのうつしみ : 背景選択が直感でできるのはよい

翠簾野 夕南 : UIわかりやすくていいよね

翠簾野 夕南 : 秘密会話はその人の発言をポイントすると出てくる矢印マークをクリック!

GMのうつしみ : これ?

翠簾野 夕南 : そう!

GMのうつしみ : 返信マークみたいなのをクリック。おぼえました。

おだ : https://note.com/ralirule333/n/n81e98167c3f1

翠簾野 夕南 : これもわかりやすそう つかいかた

GMのうつしみ : ああ、なるほど、この「シーン」っていうのは、背景BGMテキスト含めたプリセットみたいなものか。

翠簾野 夕南 : そうそう

翠簾野 夕南 : あらかじめ全部仕込んでおけば本番で楽できると

GMのうつしみ : すばらしい

GMのうつしみ : 全部人力でやってたかにちゃより時代は進歩している。

翠簾野 夕南 : マップもわかりやすいし

卜部影路 : タカキもがんばってるし

GMのうつしみ : タカキやすめ

翠簾野 夕南 : 止まらない限り道は続くからよ

神々廻 京 : テストでございます

翠簾野 夕南 : 7dx+3 《生き字引》使用情報ダイス (7DX10+3) > 8[1,1,3,6,6,7,8]+3 > 11

翠簾野 夕南 : よし

卜部影路 : 7dx+3 (7DX10+3) > 9[1,2,2,3,4,6,9]+3 > 12

卜部影路 : 7dx+3 (7DX8+3) > 10[1,1,3,6,6,6,9]+1[1]+3 > 14

卜部影路 : 7dx+6 (7DX8+6) > 10[1,1,2,6,8,8,10]+10[5,8,9]+10[4,9]+5[5]+6 > 41

卜部影路 : この……ダイス野郎が……

明花あきる : てすてす

卜部影路 : これ、表情変えると駒まで一緒に変わってないか?

明花あきる : そうだよ

明花あきる : 傘いれちゃうとやっぱ小さいな……むう

卜部影路 : 会話パートは胸上くらいでいいんじゃねぇ?

卜部影路 : 俺は両方用意しておいた

明花あきる : そうだねえ、傘途切れちゃうのはしょんもりするけど

明花あきる : てすてす

卜部影路 : まあ、しっくり来る方でやりゃいいだろ
俺も途中で変えるかもしんねーし

明花あきる : てすと

明花あきる : まあこのサイズが限界かなあ

GMのうつしみ : 酒抜けてきたので立ち絵テストもしちゃおう

獅童糸香 : どん

神々廻 京 : おお

獅童糸香 : @面白いね テスト

獅童糸香 : ン 

獅童糸香 : こうか

GMのうつしみ : んでこれで表示が消えるかどうか。

GMのうつしみ : なるほど。

神々廻 京 : やっぱりはぐれメタルなんだ……

GMのうつしみ : にげるのはすばやいキングになれないあいつ

明花あきる : 縦に伸ばすとどうなるかな

明花あきる : あ~これでいいか よし

神々廻 京 : 今ははぐれメタルキングもいるらしい

卜部影路 : あとは表情ラベルを忘れないことと、全角でアットマークを打って誤爆しないようにだけ気をつければいいか

翠簾野 夕南 : あとはパラメータ変更!

翠簾野 夕南 : :変えたいステータス+増やしたい数値 でステータス画面の数値の変更ができる!

明花あきる : 大事~

翠簾野 夕南 : ぜんぶ半角

卜部影路 : 侵食地+50

GMのうつしみ : おひつごはん

明花あきる : このようにね 歴史改竄ビームもうてますのでね

卜部影路 : 値にしろ

卜部影路 : 侵食値+50

翠簾野 夕南 : はんかくカンマいるよ

GMのうつしみ : ほんまや(歴史改ざんビーム)

卜部影路 : 侵食値 +50

卜部影路 : 侵食値,+50

翠簾野 夕南 : : これ

卜部影路 : :

翠簾野 夕南 : のはんかく

翠簾野 夕南 : :

卜部影路 : :D

明花あきる : 笑うな

翠簾野 夕南 : :X

GMのうつしみ : :o

卜部影路 : 侵食値:+300

GMのうつしみ : はいジャーム

卜部影路 : 侵食値:+50

system : [ 翠簾野 夕南 ] 侵蝕率 : 33 → 36

翠簾野 夕南 : こう

system : [ 翠簾野 夕南 ] 侵蝕率 : 36 → 33

明花あきる : てすと

卜部影路 : 侵蝕率:50

卜部影路 : 侵食率:+10

翠簾野 夕南 : : かえたいすうち + すうじ

翠簾野 夕南 : だぞ

卜部影路 : :侵食率+50

翠簾野 夕南 : スペースはいらなくて半角

翠簾野 夕南 : 漢字ちがうのよ

system : [ 卜部影路 ] 侵蝕率 : 29 → 79

卜部影路 : いけたいけた

system : [ 卜部影路 ] 侵蝕率 : 79 → 29

翠簾野 夕南 : ヨシ!

前本不亜音 : NPCだとこの設定だというテスト

卜部影路 : これと

卜部影路 : これお気に入り

翠簾野 夕南 : 好き

卜部影路 : 可愛い子には傷を負わせろってね

GMのうつしみ : わかる

GMのうつしみ : こほん

卜部影路 : 卜部くんはギザギザハートなので、これ以上は傷つかないぜ

卜部影路 : ほんとか?

卜部影路 : 寝っか‼

翠簾野 夕南 : ほんとか?

卜部影路 : おやすみ!!

GMのうつしみ : 永眠させてやるぜ

卜部影路 : みんな、どうもな!!

卜部影路 : おれ、お前らのこと好きだわ!!

神々廻 京 : おやすみなさいませ、卜部様 

GMのうつしみ : 笑顔可愛いな

翠簾野 夕南 : てすと

東雲 亜梨花 : ギャッ

翠簾野 夕南 : あっTwitterログインしておいた方よいですよ 下に誰がかいてるかでてくるから

神々廻 京 : おおっ

翠簾野 夕南 : てすと

翠簾野 夕南 : うむ

東雲 亜梨花 : ミッ

東雲 亜梨花 : ミッ

GM : ミだ

東雲 亜梨花 : あぁ~首が

東雲 亜梨花 : ミミ

東雲 亜梨花 : 東雲の色!

GM : ほむ

GM : (BGM入れた)

GM : あとクラスメイトモブの画像だけ設定したらはじめられる状態です!

GM : よし

GM : ありちゃんいますかー?

東雲 亜梨花 : もうこんな時間ですか

東雲 亜梨花 : @ギャグ泣き 

GM : ついに始まるアレですね。あっ、準備できたら言ってください。

東雲 亜梨花 : 立ち絵の種類忘れてアナログで目もっていましたがもう大丈夫です

GM : ギャグ泣きだ。というわけでOPはじめます。

東雲 亜梨花 : はい!よろしくお願いします

<OPフェイズ①/東雲亜梨花>

GM :

<OPフェイズ①/東雲亜梨花>

GM : というわけで忘れない内に侵食率を増やしておいてください。

system : [ 東雲 亜梨花 ] 侵食値 : 35 → 45

GM : うわっ……(出目10を察する人)

東雲 亜梨花 : あっまって第麩触れなかった

東雲 亜梨花 : チャパレさんがね、ま

GM : なるほどね!

東雲 亜梨花 : いったん戻します

system : [ 東雲 亜梨花 ] 侵食値 : 45 → 35

東雲 亜梨花 : シーン登場 1d10

東雲 亜梨花 : 1d10 シーン登場 (1D10) > 8

東雲 亜梨花 : ヨシ!

system : [ 東雲 亜梨花 ] 侵食値 : 35 → 43

GM : それでも出目が高いな……。ではいきましょか。

東雲亜梨花OP シーン1/4 T市支部長室 :
 ──遡ること三ヶ月前だ。

 あなたはT市支部長、前本不亜音よりとある通達を出されていた。
 すなわち、長期の出張任務命令──噛み砕いて言えば、UGNの事情により一時的に他の学校で過ごすよう辞令が下されるというもの。
 今日はそれの説明を詳しく聞くべく、支部長室へ訪れていた。

前本不亜音 : 「よく来てくれました。亜梨花。さ、座って座って」

東雲 亜梨花 : 「失礼しまーす!」

東雲 亜梨花 : 元気よく挨拶をして入室します。
示された椅子に素直に座って「次の任務のお話ですか?」と自分から切り出しますね、わくわくしている。

前本不亜音 :
この人畜無害の体現とも呼ぶべき笑顔を浮かべたやさしそうな女性は、前本不亜音という。

【パーソナリティー/前本不亜音 オルクス/ノイマン】
 やさしいしぶちょう。
 T市支部にて支部長を務める女性。
 大勢の子供達の面倒を見ており、ときに厳しくもあるものの、皆の成長を見守ってくれている。

前本不亜音 : 「ええ、そのとおり。
 あなたにお仕事をたのみたいのです。少し離れたところの、P市って場所なんですけども」

東雲 亜梨花 : @通常

東雲 亜梨花 : 「P市……そこにジャームがいるんですか?」

東雲 亜梨花 : 仕事は大好きなので前のめりの質問をしつつお茶を飲みます。

前本不亜音 : 「ええ。怖い、こわぁいジャームかもしれませんし。
 もしくは、FHかもしれない。──まぁ、FHなんでしょうけどね」

 そういって、前本はあなたに詳細を伝えます。

「──まだ不確定だから、敵の正体はなんとも言えないんですけども。
 P市支部で支部長だっ"た"夜辺甚五郎というお爺ちゃんが、殺されたのよ」

前本不亜音 : 「そのせいで、支部は大混乱。
 新しい支部長には、翠簾野夕南くんっていう子がついたのだけど……」

前本不亜音 : 「彼、二十歳超えているとはいえ、まだ若いんです。ああ、困ったわ。かの鬼神が殺され、FHがもしかしたらのさばっているかもしれないなかで、脆弱になった隙を突かれたりしたら・・・・・・・・」

前本不亜音 : こんな風に、うーむうーむと悩んでいます。うーむ。

東雲 亜梨花 : []

東雲 亜梨花 : 「そんな……! 大変だ!
支部長! 私、お手伝いできることはありませんか!」

東雲 亜梨花 : 困っている母親代わりの支部長を前に居ても立っても居られない様子。
ハイ!と手を上げて自分から乗せられてゆきます。

前本不亜音 : 「もちろん! あなたに頼みたいのは、すこーしの間だけ、彼の手足になってもらうってことなんです!」

前本不亜音 : 「たとえば──潜入、とか。調査、とか」

東雲 亜梨花 : 「任せてください! 私、潜入とか調査とか、できます!
 新支部長さんの右腕になって潜入とか調査とか、お手伝いしてきたらいいんですね……!」

前本不亜音 : 「そのとおりです。理解が早くて偉いですね、亜梨花(頭を撫でてあげます)」

東雲 亜梨花 : 「へへへ……」

東雲 亜梨花 : @

前本不亜音 : 「夜辺氏の死が、P市に齎した影響は大きい。
 FHがロクでもないことをしでかしそうであれば、手段は問いません。必ず、阻止してください。頼みましたよ」

 ……こうして、あなたは一時的にではあるがP市第一高校に編入されることとなった。
 そしてしばらくの間、P市の支部で働きながら、一方でFHの動向を調べる日々が続く。

前本不亜音 : というわけで特に何も無ければ、時間をキング・クリムゾンして学校のシーンになります。

東雲 亜梨花 : 「はぁい!」と元気に返事をしたところで回想は終わり……飛ぶわよ!します

学校にて :

 ──そして、現在。


「亜梨花さん。今、少し時間いいかな?」

 キミの下にやってきたのは、P市第一高校で生徒会長を務める少女、獅童糸香(しどういとか)であった。
 P市第一高校生徒会といえば天才の集まり(?)として知られる魔窟である。
 そんな彼らを涼しい顔で束ね、同時に様々な活動に乗り出し、成果を上げているのが彼女である。
 この三ヶ月の調査期間で、その実力をまじまじと見る機会も多くあっただろう。

 ……そんな彼女が、キミに持ちかけてきたのは、ある事に関する協力の依頼だった。

獅童糸香 : 【パーソナリティー/獅童糸香】
 P市第一高校生徒会長。
 もともとこのP市は富裕層の多く住む市であったために、当然というべきかここも進学校の気質が強い。
 そんな中、ここの生徒会長を務めている彼女は、各方面に対する影響力が強く、決断力と柔和な施策で多くの生徒たちから支持されている。
 また、そんな彼女の下で働く生徒会役員も、秀才達が多い。

東雲 亜梨花 : ひゃあまぶしい…
ぱっと姿勢を正して気合をいれます。すごい人なので。
「ん……あ、会長! こんにちは!
 時間もぜんぜん大丈夫! 何でも言ってください!」

獅童糸香 : 「ありがとう」 

獅童糸香 : 「……じゃあ、話をする前に、……こんなウワサ、聞いたことないかな。【黒曜山】に浮かぶ月の話なんだけど」

獅童糸香 : あなたは判定の練習がてら、情報噂話で振ってもいいって書こうとしたけど持ってないっぽいので【知識】で振ってもいいし、振らなくてもいい……(?)

東雲 亜梨花 : 知識…知識…ダイス一個!任せてくださいよぉ!

東雲 亜梨花 : (1+{侵蝕率d})dx+0 【精神】<知識>

東雲 亜梨花 : あら

東雲 亜梨花 : 1dx <知識> (1DX10) > 2[2] > 2

東雲 亜梨花 : わたしはまじめなので噂になんて振り回されませんね。

東雲 亜梨花 : 「黒曜山……?」顔にでっかく『初耳です』と書いた表情で復唱します。

獅童糸香 : 「あっそこから?」 噂云々どころではなかったのを察する顔

獅童糸香 :
ではそんな世俗の噂に疎いあなたに、獅童会長は優しく教えてくれます。

【黒曜山】
 P市の名物スポットの山。
 ……とはいえ富士のお山とか北の大地の山々に比べると流石にインパクトは劣る。
 山頂に石碑があるが、これも山っぽいものということになるだろう。

東雲 亜梨花 : 「へ~」

獅童糸香 : 「ここからが本題なんだけど……」

【黒曜山の双子月】

 通常、月は太陽の位置によって姿を変える。
 
 これは常識中の常識だろう。
 だが黒曜山では時折、街では新月であるにも関わらず満月に見えることがある。
 このとき、月が2つ見えたら幸運である。舞い降りる蝶が、あなたの願いを叶えてくれる。

獅童糸香 : 「亜梨花さんはこの話、ほんとだと思う。ウソだと思う?」

東雲 亜梨花 : 「月がない日に月が見える!?
 しかもお願いが叶う……!?」

東雲 亜梨花 : 「願いが叶うなんて夢みたいなお話……ですね!
私はちょっと信じてみたいかも。
ううん、まずは確かめてみたい! 

と、思います!」

獅童糸香 : 「そう。意外とロマンチストなんだね、亜梨花さん」

東雲 亜梨花 : 本当だったらきっとすごいんだろうな、きれいなんだろうな、ということで自前で想像しつつちょっと夢見心地。
ハッとして
「でも噂……なんですよね。会長も興味があるんですか?」
一緒に確かめに行きますか!と誘わんばかりの勢いで聞いてみます

獅童糸香 : シークレットダイス ???

獅童糸香 : 「そうだね。ついでだから、確かめてみたい気もするかな。
 亜梨花さんの言うとおり、夢みたいな光景なんだろうから」

 ついでだから、と言ったのは、本題はこれではないという意思表示なのだろう。
 あくまでそれはそれ、これはこれと言うような彼女は、亜梨花に続けて話す。

「……実は、その件でウチの先生達が快く思ってないらしいことが一つあるの。
 黒曜山は麓はまだ街灯とかあって、夜でも明るいんだけど……」

獅童糸香 : 【先生達が気にしてること】
・深夜の山って月明かり以外暗いやんけ。
・罰しようとかそういうつもりはないけど普通に危ない。
・しかもなんかあの辺で最近不審者情報が寄せられてる。

東雲 亜梨花 : たしかに

獅童糸香 : ロマンはロマンなんだけど、それはそれとして防犯上観点での懸念は強いのだ。

東雲 亜梨花 : 「もしかしてわたしたちよりも先にお山に月を探しに行っちゃった子がいるの?」

獅童糸香 : 「そう。警官も見つけては補導はしてくれてるんだけど、実際に事件があったわけじゃないというのもあって、近頃は消極的な態度なのよね」

獅童糸香 : 「だから、私達の方でも声かけとかやろうと思うんだ。どうかな?」

東雲 亜梨花 : 「なるほど! いいと思うよ!
 つまり生徒だけで夜の危ない山に登って探検しようとする人を止めたらいいんだね!
 そういうことなら私、探すのとか得意だから手伝うよ!」

東雲 亜梨花 : やる気はすでに十分。ノイマンのすごい頭脳を活かしてすでに在校生の顔は覚えているので自信もたっぷり。ぜひ自分も協力させてほしいと会長にお願いしてみます

獅童糸香 : ノイマンの面目躍如だ。

東雲 亜梨花 : とってもかしこい

獅童糸香 :
「ありがとう、亜梨花さん。
 生徒会の役員も、色々と仕事だったり用事入ってたから、駄目もとであなたに声をかけたんだけど、よかった」

 ……世話焼き傾向の強いあなたのことだ。ここ三ヶ月で色々とボランティアに参加してきたに違いない。
 その活動を見て、今回、獅童糸香はあなたに声をかけてきたのだろう。

「じゃあ、早速今日の夜から。
 待ち合わせは、【本山商店】にしよっか。夜8時くらいで、大丈夫かな」

東雲 亜梨花 : 「うんわかった! 危ないから一緒に回ろうね!」

頼られて大変うれしいオーラを飛ばしつつ、元気よく答えます。

東雲 亜梨花 : そういえば声かけられた理由も気にしてなかったな……。

東雲 亜梨花 : ところで本山商店とは

獅童糸香 : 「ありがとう、亜梨花さん」

獅童糸香 : 田舎によくある駄菓子屋みたいなものだと思って大丈夫。

東雲 亜梨花 : じゃあすでに常連ということで

獅童糸香 : >>>常連<<<

東雲 亜梨花 : エージェントKくんから持たされたお小遣いがあるからね。
それもって足しげく通い、近所の子供たちとももうダチ公です。

獅童糸香 : 子供達「ねーちゃん!めんこやろうぜ!」 みたいな感じが休みの日の昼間に繰り広げられてるんですかね。

獅童糸香 : とりあえず、ほかになければ場面すすめましょう。

東雲 亜梨花 : 「私が勝ったら亜梨花先輩と呼びなぁ!」とかなんとか掌握してると思います。でも最終的には呼び捨てになりそう。

東雲 亜梨花 : 場面進行了解です

黒曜山にて :

 ──夜8時。


 獅童会長と黒曜山の調査を行うことなったあなた。神秘的で、しかし重苦しい雰囲気を漂わせる黒曜山の麓は、よく言えば牧歌的で、悪く言えば田舎の光景であった。
 点滅している街灯の真下、今日はもう店を閉まっているためか薄暗い、【本山商店】で待ち合わせすることとなっている。

獅童糸香 : 「ごめんなさい。待たせた?」
 あなたが待っていると、通りの向こうから獅童がやってくる。

東雲 亜梨花 : 「ううん! 全然待ってないよ。ぴったりだね」

東雲 亜梨花 : 会長は制服かな?

獅童糸香 : 制服だね。その上にウィンドブレーカーを羽織ってる。

東雲 亜梨花 : じゃあ亜梨花もそんな感じで、制服にスタジャン羽織ってやってくる会長にぶんぶん手を振って迎えます。

東雲 亜梨花 : 「寒くない? 私カイロ持ってきたんだ」

東雲 亜梨花 : 「あ! ふたつ、ふたつね!」

獅童糸香 : 「ありがとう。でも、大丈夫。これ着てるから」

獅童糸香 : 「夜の山は冷えるから、亜梨花さんが使っていいよ」

東雲 亜梨花 : 「そっか。じゃあ手が冷たくなったら言ってね。ふたつあるから!」

獅童糸香 : 「ん、ありがとう」

東雲 亜梨花 : 「へへ……じゃあいこっか」
やる気のポーズをしてから、会長と並んで見回りを始めます。
ちょっと雑談してもいいかな

獅童糸香 : おーけー。

獅童糸香 :  大通りから外れた方面というだけあってか、街灯の明かりがなければ心もとない。
 しかし、だからこそというべきか。雲ひとつないというのも相まって、満点の星が絨毯のように敷き詰められていた。
 ただしく、それは幻想的な光景というものだろう。……どこか感じる重苦しい空気を除けばいつまでもいられるような大自然が生んだ奇跡。

獅童糸香 : 「亜梨花さんは、出身がT市なんだよね。もう慣れた? このP市は」

東雲 亜梨花 : 「うん、みんな優しいし、最初に会長がいろいろ案内してくれたおかげで友達もすぐできたよ。

会長はすごいね、みんないい人だって言ってたし、今日もこうやって危ないことがないように見回りだってしてるんだから。
不審者とか、暗いのとか、怖くないの?」

獅童糸香 : シークレットダイス ???

獅童糸香 : 「T市とこのP市は色々と文化も違うから、亜梨花さんが大丈夫かどうかはちょっと心配だったけど……そう、それならよかった」

 大丈夫そうだ、と安心したように呟いてから。

「──そうだね。生徒みんなのことを考えて行動するのが生徒会だから。
 身体能力とかのことはたしかにあるけど、そういうのは周りの子達と動いてどうにかするって考えれば、怖くないかな」

 ……動じている様子は一切なく、強がりというわけでもない。
 かといって慢心めいたものも見受けられない。現実に即した妥当なことをやっているだけ。
 だから、"怖くはない"。と彼女は言う。

獅童糸香 : 「それに、私一人でなんとかできていたら、亜梨花さんに声をかけてもいないしね。そういうこと」

東雲 亜梨花 : ひゃぁ頼られる喜び

東雲 亜梨花 : 最後の一言に頼りにされたことを確信し、顔をデレデレにしながら照れます。

東雲 亜梨花 : 「へへ、やっぱりすごいな会長は。不審者が来たら私が何とかするから任せてね!(リザレクトとかで)」

東雲 亜梨花 : 「私も会長と一緒だからかな、こうやって話しながら歩いてると暗い道もあんまり怖くないや。」

獅童糸香 : リザレクトは大丈夫の内にはい、はい……入るか(汚染)

獅童糸香 : 「頼りにしてるね、亜梨花さん」

獅童糸香 : と、いったところで……山道入口に着いたあなた達だが、ふむ

獅童糸香 : <知覚>で判定してください。

東雲 亜梨花 : ()

東雲 亜梨花 : (すでワーディングと間違えましたの札を掲げる)

獅童糸香 : よかった。ボロボロになり再生しながら護るってやりだすありちゃんはいそうだわ。

東雲 亜梨花 : kore

東雲 亜梨花 : これクリティカルの

東雲 亜梨花 : アット8とかつけるんでしたっけ

東雲 亜梨花 : 目の前で砂の手を使うわけにもいかないし普通に振ります。まあ探し物とかとくいですし!?

東雲 亜梨花 : 9dx@8 <知覚> (9DX8) > 10[2,2,4,5,5,5,7,7,9]+5[5] > 15

獅童糸香 : 流石にダイス数の暴力は強いな。当然のように成功だ。

東雲 亜梨花 : @喜び よーしよしよし

GM :

 ──経験を積んだUGNチルドレンのあなたは、たしかにその影を捉えた。

 暗闇に紛れる中で使用された、"異能<エフェクト>"の痕跡。
 否、現在進行系で動いているソレ。
 ……間違いない。山頂へと向けて何かが、進んでいる。

東雲 亜梨花 : うぇ!?

??? :
「……、……」

 それは時折辺りを見回し、何もないことを確認すると先へ進んでいる。
 朧気に見えたその影は、体格的には二十歳前後の男性だろう。

??? :  動きからして、明らかに挙動不審だ。
 フードで顔を覆い隠してもなお、異能<エフェクト>による自身の痕跡の隠蔽を図っているあたり、用心深い性格であるのは見て取れるが……。

獅童糸香 :
 なお、獅童は気づいた素振りはない。当然だ。
 ソイツは亜梨花に見破られているとはいえ、自分の姿を覆い隠しているのだから。

東雲 亜梨花 : エフェクトを使ってるってことはオーヴァードかジャームか……!?
ままままってくださいね、ここで会長に言うわけにはいかない。
だがしかし怪しすぎて追いかけたい。

GM :

 ──……看破したがゆえに感じたのは、明らかにエフェクトの使い方が"素人"であるということだ。

 子供の頃から異能に慣れ親しんできたあなたの眼からすれば、不審者の異能の精度は未熟につきる。
 覚醒したてというわけではないにせよ、だ。

東雲 亜梨花 : 保護対象の可能性も!?
ちょっと脳裏に冷ちゃんがよぎっちゃう

東雲 亜梨花 : ならなおさら声をかけるかつけるかしたいな。
とりあえず近づくために……

GM : おーけー

獅童糸香 : 「……亜梨花さん?」

東雲 亜梨花 : 「!!」
ガキン!と体を硬直させて会長にぎこちなく耳打ちします。

「会長、あっちに誰かいるみたい……
不審者だったら危ないし、でも生徒だったら声かけないと……
だから、そっとたしかめにいこうとおもうんだけど」

東雲 亜梨花 : という感じで会長と一緒にそろりそろりへたくそくんを追い掛けたいです

獅童糸香 :
「……、……」

 一瞬考え込むような素振りを見せてから、

「わかった。後ろは私が見るから、亜梨花さんは前方をお願い」

獅童糸香 : 「何かあったら、合図を出してほしいな。すぐに、然るべき場所に、連絡するから」

東雲 亜梨花 : 「うん! お願い!」
懐中電灯のライトも消しつつ、エンジェルハイロゥのすごい知覚センスを駆使して追っかけていきます!

東雲 亜梨花 :

獅童糸香 : ふむ

GM :

 ──森を進む。

GM :

 ──森を、進む。

GM :

 ──森、を、進、む。

GM :
 あなたはある場所を踏み越えたのを境目に、自分が"迷った"ことを唐突に理解するだろう。
 それは注連縄であった。古来より、何かを封ずるためにある特定の領域を囲うものとして用いられた。
 知ってか知らずかそれを越えてしまったとき、帰る道を見失った。

GM :
 ……そして、後ろを守ってくれていたはずの獅童会長の姿も、どこにもない。

東雲 亜梨花 : あぇ!?

GM :
 そしてあなたが追いかけていた、【自分を隠蔽している者】の姿はないが……草木が倒れている様子から、向かった先は判別出来るだろう。
 当然、"山頂"である。

東雲 亜梨花 : 一周回ってへたくそくんがいてくれてよかった……まって……助けて……
の気持ちで必死で追い掛けます。
いざ山頂へ……!

GM : >>>へたくそくん<<<

東雲 亜梨花 : 女の子だったらごめんねぇ

GM :

 ──その山頂に続く道、木々をかき分けた先からは、黒い光が立ち上っている。

 同時に視界も開けていることから、ここが山頂に続く道であることには間違いない。
 間違いないが──麓で感じていた息苦しさが、徐々に重くなってきているように感じられた。

GM :

 そして山頂にたどり着いたとき、あなたは都市伝説<ロア>を目にすることになるだろう。

GM :
 雲ひとつ無い空には、2つの月が浮かんでいた。
 もし、あなたが星に関する予報を見ていたのならば、不意に思い出すだろう。

   ・・・・・・・・・・・
 ──今日は満月のはずがない。

 だが現に、そこには2つの満月が浮かんでいる。
 神々しい光を放ち、山を照らしている。

GM :
 そして、開けた場所、落下防止用の柵の前には碑石と呼ぶべきものが建てられていた。
 風化しているがゆえに、文字を読むことはかなわない。
 だが、そこには明らかな異常があった。……月の光を受け、内側から何かがときはなたれんとしているが如く、輝いているのだ。

東雲 亜梨花 : 双子月を見、空から振る光を辿って碑石に目を止めて驚きながら、ふらふらと山頂の開けたところに出ます。
とっても驚いてはいますが、圧倒されつつもまずはへたくそ君を探しますね。ついでに蝶々もいるかもしれないし……

東雲 亜梨花 : 怯えるというよりは感動している。
きっときれいなんだろうな。

GM : めちゃめちゃ幻想的な景色です。重苦しさはありますが。

GM : さて、へたくそ君を探していたあなたですが──ここで、分岐路に立たされることになります(後述)

東雲 亜梨花 : はひぇ

GM :

 ……暗い森の中に紛れ、光を指にともしているへたくそくん(通称)をあなたは見つける。
 だが、それが狙う先はあなたではない。照準は、輝いている碑石に向けられていた。
 このまま放たれれば、碑石は異能<エフェクト>によって破壊されるだろう。

??? : しかし、光使いであるならば理解出来るが、撃つこと事態を止めることは適わない。

??? : ゆえに、あなたは碑石を──

①かばう
②見過ごす

東雲 亜梨花 : 碑石だって町の人には大事だろうし壊させるわけにはいかない、かばいます!
うまいこと砂の加護とかで守れないかな

??? : おーけーだ。

東雲 亜梨花 : 「だ、だめー!!!」
狙いを察知した瞬間あわてて砂の加護で障壁を作りつつ割って入ります。
できれば向かい合ったついでに捕まえに走りたいな。タックルも辞さない。

??? :
 ──光の銃弾が、碑石を刺し貫こうとしたとき、砂の壁が間一髪光の矛先をそらした。

 へたくそくんはフードの内側で驚愕の声を漏らしたが、しかしすぐに平静を取り戻そうとして……。

 ・ ・・・・
「き、聞いてな──」

 こちらにタックルしてくる亜梨花は予想外だったらしく、慌てて逃げようとする。

??? :

 逃げる相手。
 追う貴女。
 だが、先の攻防は既に、眠れる運命を目覚めさせていた。

東雲 亜梨花 : 「こらー! 逃げるな!」

??? :

 ──見つけた──


GM :

  
 ──どくん。


GM :
 眠れる運命が、いかなる間違いか、あなたを縫い止めた。

「……は? なんで、なんでだよ、なんでソイツなんだよ!?
 ・・・・・・・
 聞いてないこと、だらけだッ──!!」

 へたくそくん──フードの男の驚愕は、今度こそ本物のものであった。
 碑石は砕け、周囲に発せられる光。

GM :
 そして、東雲亜梨花──あなたの内を支配する、何かの声(総意)

GM :

 高天原ニ御ワシマス八百万ノ神々ヘ我ラハ頭ヲ垂レ、希ウノデアリマス。
 此ノ度我ラガ大日本帝国■■■■■"■■■■■"ハ神風ヲ味方ニツケタノデアリマス。
 此レニヨリ本土防衛決戦ニオイテハ多大ナル力ヲ米英ヘ向ケ発揮スルトトモニ、我ラ大日本帝国ノ底力ヲ知ラシムルコトガデキルデセウ。

GM :

 大日本帝国万歳!

GM :

 大日本帝国万歳!!!

GM :


 大日本帝国万歳!!!!!


Eロイス 孤独の叫び : 【information】
Eロイス《孤独の叫び》(P134参照)が起動しました。

使用者:『???』
対象者:東雲亜梨花
効果:
①「???」に対するロイスを、庇護/遺志で取得してください。
②このロイスは現段階ではタイタス化不可です。
 表記上効果ではロイス取得制限も発生しますが、現段階では無視して構いません。

GM : (どうぞ)(どうぞ)

東雲 亜梨花 : はひ…

東雲 亜梨花 : ???はへたくそ君ですかね

GM : 黒フードはへたくそくんで、女の子は別人です。

東雲 亜梨花 : ???は見つけたちゃんか

GM : いえす!

東雲 亜梨花 : つまりまだあったことない子へのロイスですね承知しました……守らねばならぬ子がいる……ことになった

system : [ 東雲 亜梨花 ] ロイス : 4 → 5

GM : あっ、ロイスの話だったか。そうだね。ぼんやりしたことしか分からないが、とにもかくにもそれを守らなければならない、という衝動を植え付けられます。怖いですね。

東雲 亜梨花 : こわ~い……そしてそれは誰かの遺志でもある感覚がある、ということでいいですかね

GM : いえす。そういうことで大丈夫です。

東雲 亜梨花 : プロフの方にも反映しました。
護るという衝動……!

GM : よろしい。RPがあれば正座して待ちます。

東雲 亜梨花 : とりあえず……タックルは完遂したい気分。
できないしようであれば地面にべちゃっと落ちて、自分の内側に広がる不透明でありながら確信めいた衝動を感じます。
起き上がりながらじわじわと存在感を放つその感情に首を傾げて、またへたくそ君を追い掛けるか彼をしっかり拘束するか(シメ技)の任務に戻ります。

東雲 亜梨花 : 「待ってって、言ってる、でしょ!!」

??? :
「う、わッ──」

 タックルを受けてすっ転ぶものの、へたくそくんは必死に立ち上がり、全力で山を駆け下りようとする。
 シメようとするあなたでしたが、頭の中に叩き込まれたナニカの総意たる情報は、少なからず負担をかけるだろう。
 しかし、不透明かつ確信めいた情報があるゆえに、気持ち悪いとはならない。

 故に──そのまま、気合十分の中で……。

??? : 「くそ、きいてない、きいてない、なんで僕が選ばれない……!?」

GM :

 ……ぷつりと疲労を訴える肉体が、意識のスイッチを強制的に落とすこととなるだろう。

東雲 亜梨花 : キュウ

GM : さて!ありちゃんのOPはここまでです。ここからは、ありちゃんがこの状況にいたるまでに、他のPCはどう関わっていたのかをOPで書きます。

GM : さてつぎ~~

GM : PC4、卜部くん~

卜部影路 : ……よし

<OPフェイズ②/卜部影路>

GM :

<OPフェイズ/卜部影路>

GM :

<回想/三週間前>

GM : 侵食率を上げてください。

卜部影路 : 10DX (10DX10) > 9[1,2,2,4,5,5,5,7,9,9] > 9

卜部影路 : 1D10 (1D10) > 7

system : [ 卜部影路 ] 侵蝕率 : 29 → 36

GM : 元が低いのか。

卜部影路 : テンションも低いからこんくらいも妥当だろ、たぶん

GM :
 ……さて、あなたがUGNに入り、その上で非日常と付き合いはじめてからどの程度経過しただろうか。
 何度か任務に同行する中で、いやというほど目にする物体がいた。
 思い出すものがあるとすれば、バ○キンマンの類だろう。そう、それすなわち、

春日恭二 : 「クソッ、Y市はいまが好機だと入念に調べあげてからきたものの……! とんだ邪魔虫が増えていたようだな!」

春日恭二 : 春日恭二である。

春日恭二 :  性懲りもなくαトランスの類をばら撒こうとしていたところを、あなたは他のエージェントと連携して止めたところからシーンは始まる。

卜部影路 : 「あー……もうそういうの良いから……とっとと大人しくしてくれよ」

軽く眉根にシワを寄せて溜息を一つ。

「いい歳こいて、諦めが悪すぎんだろ……」

春日恭二 :
「諦めだと!? 貴様らUGNが邪魔しなければ、私も余計なことに気を遣わずに済むのだぞ! 目上を労れ若造!」

 余談だが、既に縛られている状態で四方八方監視されている──逃げられる余地はない。
 それを理解していたのか、冷や汗を流しながらも、ふと思いついたように、彼は口にした。

「だが、状況を理解できないほど愚かではない。
 そうだ、ここは一つ、いいことを教えてやろう。その代わりに、この場は手打ちにしてやろうじゃないか」

卜部影路 : 「……まあ、言うだけ言ってみろよ、内容によっちゃ考えてやるぜ」

もう少し時間を稼げば、同僚の猪馬鹿も、頼れる大人もやってくるだろう。ただ聞いてるだけで時間稼ぎが出来るならありがたい。

春日恭二 :
「物分りがよくて何よりだ」

 しめた、と春日は持っている情報を売り払う。
 どうせFHは究極の個人主義。手に入れた分のものならば、同族の情報を売っても構わない。

「──P市に眠る大日本帝国の遺産が、もうじき活性化する。
 そうなれば、私のしでかすことなど比較にならないくらいの災害が起きるだろう」

春日恭二 : 「こんなところで油を売っている暇があったら、調べてみてはいかがかね、UGN?」 フッ……

卜部影路 : 「大日本帝国だぁ……?」

馬鹿な奴が騒ぎ立てる陰謀論の話だろうか、4chとかにありがちなやつだが……

「災害っつっても、色々あんだろ?それに、P市のUGNの奴らも馬鹿じゃねぇんだからそんなのなんとでも出来るだろ?」

それで終わりか?という風に鼻で笑いながらも、多少興味をそそられたように顔を寄せる

春日恭二 :
 喰い付いた──無視して始末してしまえばいいものを、それをしないならば好機!

「……新人だろうから、私から忠告ぐらいはしておいてやろう」

 更に(いいかわるいかはさておいて)興味を惹かせるように話す春日!

「"遺産"と、呼ぶものがある。
 UGNも、FHも出来るさらにその前、戦争で少しでも有利に立とうとした国々は、こぞって奇跡を追い求めた。
 ナチスドイツも、そいつにかぶれたのは有名な話だ──」

「──貴様のような境遇の遺産も、数多くある。
 中でも、P市に封じられているのは、本土決戦に向けた兵器だ!」

春日恭二 :
「無論、リスクがつきまとうものに手を出すほど、私は愚かではない。
 どうかね? UGNの貴様らならば、目覚めるだけで"過去の米英と渡り合える"ものを放っておけるほど、グズではあるまい?」

卜部影路 : 「へぇ……ただの骨董品じゃなきゃ良いけどな」

さて、どの程度の信憑性があるだろうか――頭春日の言葉だということも念頭において考えなければいけないだろうが、この事をコイツに吹き込んだ何者かが裏で糸を引いている可能性もある。

「そこまで言うくらいなんだ、さぞ大層な兵器なんだろ?そんなデカいもんどうやって隠してるってんだよ……ウソを吐くならもっとマシなのにしな」

春日恭二 :

「フン、そんなもの知っていれば、とっくに制御技術を調べ上げて私がこの手にだな──」

 といったところで、先輩エージェント達が到着します。

GM : 先輩エージェントA「卜部! 怪我はないか!?」
先輩エージェントB「春日恭二! 今日という今日は逃げられると思うな!」

春日恭二 : 「っき、貴様、騙したな!?」 ※だましてません

卜部影路 : 「いや、まあ、この状況じゃ流石に怪我しようにも怪我出来ないっスよ……」

後ろのうるさいのはスルーして、小さく頭を下げる。ペコッ

GM :
先輩エージェントA「ならよかった。"不死身<ディアボロス>"はしぶといから、何を最後に仕掛けてくるかわからないが、何もされてないようで安心した」
先輩エージェントB「さぁ立て! 話なら尋問室で聞いてやる!」

春日恭二 : 「き、貴様!!!!男と男の約束だぞ!!! 喋ったら手打ちにすると!!! 裏切ったのかこのダブルクロスがあああ!!!」 ※そんな約束ハナからありません

卜部影路 : 「で、後処理は手伝ったほうがイイっすかね……?つっても、あんまし出来ることなさそうだけど……」

うるさいのはスルー安定、掲示板からの鉄則である。

GM : 先輩エージェントA「いや、大丈夫。後は俺たちでやっておくから、お前は帰って報告しててくれ」

GM : といった感じで、回想の方は終了となります。

卜部影路 : 「……ッス、じゃあ、また支部で」

という感じでその場を後にします

GM :

<現在>

GM :

<Y市支部>

GM :
 あなたの頭の片隅には、春日の妄言がひっかかっていた。
 大日本帝国、遺産、兵器、本土決戦──話のスケールの壮大さ故に嘘くさく感じられる言葉。
 だが、あの土壇場で嘘をつくようならば、ディアボロスはディアボロスではない。

 ……まぁとにもかくにも、続報がないなら忘れるだろうといった矢先に、あなたの下にある人物が訪れる。

江藤 :
「卜部さん、元気にしてましたか?」

 ──"ジョーカー"UGNエージェント、江藤である。

卜部影路 : 「……ウッス、まあ、ぼちぼちっス」

江藤 :

「それはよかった。ああ、起きたときは朝日を浴びた方が健康でいられるそうですよ」

【"ジョーカー"江藤 ノイマン/エグザイル】
 UGN、テレーズ・ブルムの下で動く情報処理班の男。
 テレーズが卜部くんというアンバランスな存在に関して積極的に手を回して保護すべく動いており、その連絡役が彼である。
 それを持ってくるのがこのエージェントである。江藤としか名乗っていないが、普段はO市でパン屋を営んでいるらしい。

卜部影路 : 「……いや、まあ、善処します」

突然ふらっと来るやり手っぽい雰囲気のある相手だ。聞いた話によると結構な偉い人でもあったりなかったりするらしい――とはいえ、フランクに話しかけられたからといってフランクな答えを返せるわけもなく

「んで、今日はどうしたんスか?」

とっとと本題を促して、苦手なやり取りを有耶無耶にする。

江藤 :
「ああ、そうだ。こういうのは苦手でしたね、あなた」

 察したように、からかう調子だった声音を戻す。

「テレーズさんから、あなた向けに"課題"が出ていまして。
 "Luna-02"。このオーヴァードを、追っていただきたいとのことです」

江藤 :
 そう言って、要約をまとめた資料を江藤はあなたに手渡した。

【"Luna-02"】

 素性不明。
 日本各地に、不定期に出現していたオーヴァード。
 活動時期は三年程前からと思われる。

 「月夜の晩」「山」に出没し、ワーディングエフェクトを展開しているのが確認されている。
 UGNはその行動特徴から、ソ連宇宙開発計画の探査機の名をコードネームとした。
 布で体を覆うことで正体を隠しているが、体格や骨格から推定される性別と年齢は、男性、20代。
 上記の特徴を除き、特に日常の境界線を脅かす事案を引き起こすことはないということで放置されていたが……。

江藤 :
「ここ一ヶ月間、P市に出没しているそうで。
 昨今の事件を鑑みて、念の為に調査すると上が決定したようです。……まぁ、あの支部、今色々と面倒なことになっているようですけど」

卜部影路 : 「分かってるんならやめてください……」

どうにも邪険に扱えることも出来ないし、邪険に扱う毒気も抜かれる相手でやりにくい。だから、素直に手渡された資料を受け取って――

「課題、っすか……」

せっかく学校にも行かずに済む身の上になったのに、なんで好き好んで課題なんてしなくちゃいけねぇんだ……という思いはグッと腹の底に沈めて、手渡された資料をペラペラと捲る。

概要だけを信じるなら、能力に目覚めた人間がイタズラや自分の力を試しているだけにも思えるが……

卜部影路 : 「面倒事……はぁ、まあ、課題ってんなら仕方ないですけど……」

江藤 : 「まぁいけばわかりますよ。それで、どうします? 引き受けますか?」

卜部影路 : 「行かない、って選択肢なんて、あってないようなもんでしょうが……一応、俺の戸籍やらなんやらを都合してもらった恩もあるし……行きますよ、使いっぱしりくらいはやりますよ」

ああ、でも、と一つ面倒そうに付け加える。

「知ってると思いますけど、俺は荒ごとはぜんっぜんダメなんで、もしなんかありそうなら誰かしら付けてくださいよ?」

江藤 : 「ご心配なく。向こうの支部には、話は通してあります。"今の”支部長"も"荒ごと専門なので、そこは抜かりありません」

江藤 : 「あの街には腕利きのオーヴァードがいますからね。あなたの懸念は、杞憂に終わりますよ」

江藤 : あとほかに無ければ一旦切って、ゆーなくんOPかな。ゆーなくんOPの途中で合流となります。

卜部影路 : 「……ああ、そっスか、それなら心配はないっスね」

今の言葉でまたいくつも懸念材料が生まれたが、それに突っ込んでたらキリがない。というか、この人、俺のこと分かってて誂ってないか?

GM :

 こうして、P市へ出向することとなったあなた。
 しかし、あなたはまだ知らない。
 P市の"面倒事"は、あなたの予想を越えて根が深かったことを──。

GM : つぎ~~ゆーなくん~

翠簾野 夕南 : あ~~~い。

<OPフェイズ③/翠簾野夕南>

GM :

<OPフェイズ/翠簾野夕南>

GM :

<三ヶ月前>

GM :

 "大戦の鬼神"夜辺甚五郎が死んだ──。


【 "大戦の鬼神"夜辺甚五郎 バロール/ノイマン 】

 第二次世界大戦末期──それこそUGNもFHも存在せず、現在オーヴァードが持つ異能が"奇跡"や"魔術"として語られていた時代においては兵士として活躍した男。
 重力刀を生成する異能を用い、護国のためにあまたの敵を斬り伏せてきた。
 戦後は秘密裏に迫害されていた異能者達の寄り合いを作るなどの保護活動に奔走。
 コードウェル博士によるUGN合流の呼びかけに応じ、UGNの傘下に入った。
 数多の教え子達をエージェントとして送り出す一方、P市から離れることを一切しなかったということでも知られる。

GM :
 P市で働く全ての職員に激震が走った日であり、多かれ少なかれ影響を受けた日でもあった。
 そしてそれは、翠簾野夕南、あなたも無関係ではいられない話だろう。
 一先ずの事後処理や報告、対外報告やその他諸々の処置を済ませた後、浮き上がってきたのが「次の頭決め」の話であった。

 そんな中、あなたの元に訪れたのは、夜辺の傍で秘書官として働いていた"サー・ブルーランス"尾見俊樹だった。

尾見俊樹 :
「翠簾野さん。折り入って、相談があります。
 あなたに、この市の頭を担っていただきたい」

 彼は真剣な表情で、あなたにそう伝える。

翠簾野 夕南 : 遺体って残っていた?

尾見俊樹 : 残っています。

翠簾野 夕南 : じゃあ葬式はおれんちでかな。

翠簾野 夕南 : とかいいつつ、侵蝕振ります。

翠簾野 夕南 : 1d10 登場侵蝕 (1D10) > 5

尾見俊樹 : ですね。望むなら、あなたの実家で葬儀をやることになるでしょう。

system : [ 翠簾野 夕南 ] 侵蝕率 : 33 → 38

翠簾野 夕南 : おけい。

尾見俊樹 :
「……悪名高い"オーレリオの悲劇"。
 あなたの負った傷をふまえれば、再び戦場に出ていきたいなどという言葉は激痛を齎す呪い以外の何者でもないでしょう。僕も、それは承知の上です」

 ですが、あなた以外に頼れる人間は支部にはいないのだと。
 尾身は葬儀を終え、事後処理に追われるあなたに、そう頭を下げるのだった。

翠簾野 夕南 :
(……甚さん)

 神道式の墓に手を合わせて、冥福を祈る。
 事後処理と立て直しと生徒たちのメンタルケアに追われて、これがはじめてのまともな墓参りだった。
 ……冥福なんて、祈るもんじゃないけど。この人はきっと、やり残して死んだのだろうから。

翠簾野 夕南 :
 後ろに立った男に、振り返る。
"サー・ブルーランス"尾身俊樹。この支部の査察官で、甚さんの右腕だった男。
 おれが教官をしている間にも何度か世話になったけど、ひさびさにまともに顔を合わせたと思えばこれだ。
 きっちり頭を下げた彼に、思わず眉尻が下がる。

翠簾野 夕南 : 「あんたがやれる──、わけ、ねーもんな。遅かれ早かれ”ネームオブローズ"のところに戻らなきゃいけないんだし」

翠簾野 夕南 :
「りくつはわかるよ。
 お鉢がおれに回ってくるのも、まあ、わからんでもない。甚さんがいなくなったのは、この支部にとってでっかい痛手だ」

翠簾野 夕南 : 「それに、『その名前』いま出す? その話されちゃ、断りにくいじゃねーか……」

翠簾野 夕南 : 品定めするみたいに瞳を覗き込みます。

尾見俊樹 :
「厳密には日本支部直轄の所属、ということになっていますから。
 滞在は出来ても、"ネームオブローズ"の下には定期的に戻らなければならない。……他の支部も、あまりいい顔をしないでしょう」

 やれるものなら、僕がやりたかったというのは尾見の想いだろう。
 だが、"異端審問官"の元で働く以上は、特定個人に肩入れすることは出来ない。
 身内であれど裁く組織、そこにいて初めて後悔を覚えていた。

 そもそも、尾見が就任すれば"傀儡政権"に繋がりかねないとして、ネームオブローズ自身も難色を示している。

尾見俊樹 :
「──このP市は、戦争とは切っても切れない土地柄にあります。
 旧日本軍の基地然り、そも、……夜辺さん然り」

 つとめて冷静を振る舞いながら、ぽつりぽつりと、尾見は語る。

「他の支部とは違い、否応無しに歴史の暗部も覗き見なければならなくなる。
 ……当然、それに関わろうとする者たちに対しても、です」

 それは、夜辺甚五郎の死が"単なる自然死"ではないということでもあった。

尾見俊樹 : 「無理強いをするつもりは僕にはありません。……ただ、歴も長く、経験も積んでいて、かつ就任が出来る。あなたに、僕は話を通した。それだけのことです」

翠簾野 夕南 : 甚さんの遺言っておれもう聞かされている?

尾見俊樹 : イエス。

翠簾野 夕南 : 「そーね。ただでさえ甚さん、絶対にこのP市から離れなかったし。査察官撒くの大変だったんだろ」

翠簾野 夕南 : 「………」

翠簾野 夕南 :
(……あー)

 だめだな、こりゃ。
 のらりくらり逃げられる気配でもなさそうだ。
 だいいち、生徒や他のエージェントに泣きつかれるならまだしも。こいつにこうやって頭下げて言われるのはけっこー良心が痛む。

翠簾野 夕南 :
「あん時ほど、できるわけじゃねーよ」
 ため息をついて、腰に手を当てた。暗黙の肯定だ。

尾見俊樹 : 「その辺りは承知の上で、僕もフォローさせていただきます」

翠簾野 夕南 : 「そりゃ助かる。あんたなら『あのこと』も知ってるし、おれも気兼ねせずにすむしね」

尾見俊樹 :
「……ええ」

 あのときは、本当に酷かったと溜息とともに回想しながら。

「……では、支部で手続きしましょう。根回しは僕の方でやっておきます」

翠簾野 夕南 : 「ん、さんきゅ。ひさびさにエージェントに戻るってなると、おれもたまには鍛錬参加しなきゃいけねーし。時間たりねんだよな」

翠簾野 夕南 : のびっと身体を伸ばして、墓に背を向けた。戻るのは全部終わってからだ。

尾見俊樹 : 「──ありがとうございます。夕南」

翠簾野 夕南 : 「いーよ。甚さんに世話になったのはお互い様でしょ、俊樹」

尾見俊樹 : 「それも、そうですね。お互い、頑張りましょうか」

翠簾野 夕南 :
「ん。
 それに──おれも、あの人からの宿題が残ってる。済ませてやらないと怒られちゃうしね」

GM : ではそんなこんなで時間を飛ばしまして……

翠簾野 夕南 : ホイ!

卜部影路 : ホイ‼

翠簾野 夕南 : デッデッデデデデッ

GM :

 それからは本当に、時間が経つのが早かった。
 "例のアレ"を思い起こさせる支部長、前本不亜音よりチルドレン"東雲亜梨花"派遣の連絡があったり。
 色々と調べ物をしていたり、鍛錬を積んだり、感覚を取り戻したりなどなど……。

GM : そうして、現在に至る。

翠簾野 夕南 : あの顔見たくねーんだよな……。

GM :
【最近のP市の内情】
①ここ一ヶ月の間、夜に雲のかかる日が少なくなってきている。天候不順はない。
 また、通常であれば新月であるにも関わらず月が出る日がある。
②その月夜の晩にだけ、原因不明のオーヴァードの暴走事案が発生する。
 確証はないが、状況証拠だけ見れば十分である。
③学生の間で【双子月】の都市伝説が流れはじめた。

GM :
 また、整理する内にいくつかわかったこともある。

①夜辺甚五郎の死因は"刺殺"。オーヴァードの<リザレクト>による回復を上回る、完璧な"殺し"の技術によるもの。
②夜辺甚五郎はかつて、陸海軍とやり取りしていた。その影響か、第二次世界大戦渦中の新聞も見つかる。
③彼が持ち歩いていた古手帳と、【勾玉】が無くなっている。

GM : と、こんな感じでわかったところで、軽くRPしたら今日は終わりですね。

翠簾野 夕南 : ホイ!

<OPフェイズ/合流/卜部影路&翠簾野夕南>

翠簾野 夕南 : 合流する?

GM : してもよい。

卜部影路 : どんな感じで合流しますかね

GM : その日に、卜部くんが来るという連絡は、エージェントの方から伝えられている。

卜部影路 : じゃあ支部を尋ねる感じでいいかな

翠簾野 夕南 : そーね。

卜部影路 : こっちから書こう

卜部影路 : 「――ここが、P支部」

独白というよりも、緊張のために言葉が漏れてしまったという方が近い。
だから、その呟きを誰かに拾われていないかチラチラと左右に視線を走らせ――一安心。少なくとも、嫌疑の視線でこちらを見つめるものはいない。

「……あー、っと、こん…ちわ~……」

おずおず、というオノマトペを擬人化した存在がいるのだとすれば、今まさに自分がそうだろう。それが分かっているからまだ自分は冷静だ、冷静なのだ。

と、心のなかで大騒ぎしながら、P支部の扉を開く。とりあえず、どこで誰に手続きなりなんなりの面通りをすれば良いのだろうか……

尾見俊樹 : 「こんにちは。……おや、あなたが、今日からこのP市で勤務する、卜部影路さんですか?」

尾見俊樹 :
 出迎えたのは、理知的な色を漂わせた青年だ。
 書類片手に作業しつつ、同時に受付業務もこなす彼の姿は、まさに"秘書官"と呼ぶに相応しい。

卜部影路 : 「あー、ハイ、そうっス、ハイ」

大丈夫、声はギリギリ裏返っていないし、視線も声をかけられた方向の床を見ることには成功している

尾見俊樹 : 「緊張なさらずとも大丈夫ですよ。支部長室にご案内いたします」

翠簾野 夕南 :
(……刺殺、な)

 あの人に限って夜道を襲われたなんて間抜けな死に方をするはずない。
 あるとしたら、相応にコロシの技術を修めた職業暗殺者で間違いないだろう。
 そもそも肌身離さず持ってたはずの手帳がないのもおかしい──俊樹の言っていた「歴史の暗部」って、もしかしなくてもマジネタか?

翠簾野 夕南 :
 数か月経ってそこそこ慣れた支部長室。
 変えたてのい草にじんわり癒されるわけもなく、頭は詰め込んだ情報の処理で大わらわだ。
 だけど、そんな風にあれこれ準備をしてたのが悪かった。おれの《地獄耳》が、きっちり聞きなれない声を拾い上げる。

翠簾野 夕南 :
「────って、始めての声!
 俊樹、奥通してあげて! おれは茶ァ用意しとくから!」

 よく通る大声で言うだけ言ってから、奥でばたばた準備!

尾見俊樹 : 「はいはい、焦らずとも準備は出来てますよ、支部長。……さ、どうぞ。うちは珍しく和室の支部なので、慣れないかもしれませんが」

尾見俊樹 : そう言って、襖をがらりと開けます。

卜部影路 : 「あー、ハイ、あんがとございます……」

ちょっと噛んだ気がするが、この人笑ってないよな?

などと思っているうちに、奥から元気のいい声がする――なんとも、人当たりの良さそうな声だ。

「あ、いえ、お構いなく……」

モニョモニョと尻すぼみに呟きと会話の中間の声でそう告げて、襖の向こうをこわごわと覗き込む

翠簾野 夕南 : 古めかしい文机を横におしやって、真ん中に用意したちゃぶ台にお茶を3つ置きながらにこにこ待ってます。

卜部影路 : 「あ、えと、今日から暫くお世話になります……卜部、影路、です……よろしく、です」

とりあえず礼、ぺこり、クソ、緊張しているのを自覚して余計に緊張する

翠簾野 夕南 : 「いらっしゃい! 取って食ったりしねーから、こっち座って。お茶でも飲む?」

卜部影路 : 「あ、ハイ……えと、お邪魔します……?」

とりあえず促されたとおり座る。きっちり正座でちょっと足が痛いのは我慢。

翠簾野 夕南 : 「いーよ、楽にして楽にして。おれもあんまりかっちりしたの好きじゃねーし」

翠簾野 夕南 : 「……って言うのも、逆にあれか? どう?」

翠簾野 夕南 : 正座慣れしてるけど、相手に合わせるように雑に体勢を崩してあぐらをかきます。

卜部影路 : 「あ……っと、それじゃあ、はい、お言葉に甘えます」

正座を崩してあぐらをかいて、ここでようやく、ちらりと視線を上げて相手を見つめます

翠簾野 夕南 : 「そーして。支部長なんてすることになったけど、もともとここでセンセやってたんだ。カタいの得意じゃなくってさ」

卜部影路 : 「先生……?ああ、それは、なるほど……」

上から押し付けるのではなく、しゃがみ込んで視線を合わせてくれているような雰囲気。何かを教える立場にいたというのならばそれも納得だ。

「え、っと、俺がここに来た要件なんですけど――」

と、そこでふと思い至る。一応、機密扱いではないのだろうか……?これ、ここで話してしまっても良いのだろうかと案内をしてくれた男性をチラリと盗み見る。

尾見俊樹 : 「構いませんよ。情報漏えいの危険は、可能な限り排除しておりますので」

翠簾野 夕南 : 「そゆこと。おれはともかく、こっちは裏工作得意だからさ」ぱちん、とウインク。

翠簾野 夕南 :
「で、卜部くん──な。うん、事前にもらったデータ通り。
 "ジョーカー"からの斡旋だったよね? テレーズさんも妙な依頼振ってくるよなあ」

尾見俊樹 : 「人聞きの悪い。事務方と言ってください」

卜部影路 : 「えっと、テレーズさんからの『課題』っつーか、依頼というか……資料とかは受け取ってますか?」

"Luna-02"に関して、一からプレゼンしろなんて不可能なことをさせるのであれば、あの江藤を一発しばかなければならないだろう。まあ、実際は出来ないが。

尾見俊樹 : 江藤も流石に鬼ではないので、1d10振って1でもない限りは先方に情報として渡してます。

尾見俊樹 : 1d10 (1D10) > 7

尾見俊樹 : ほらな

翠簾野 夕南 : ヨシ。

卜部影路 : ふざけるなよ……

翠簾野 夕南 : 「聞いてる。『Luna-02』……なあ。月っつーのも不穏なんだよね」

翠簾野 夕南 : 茶をずず~と呑む。

卜部影路 : 「……まあ、はい、俺もちょっと月とは縁があるんで」

脳裏に朔の夜のことがよぎる、あんな長すぎる悪夢は二度とゴメンだ

卜部影路 : 「もしかしたら、そのせいかもしんないっスね」

翠簾野 夕南 :
「そりゃまた。ルナティック……ってやつ?
 あんまり関わり合いになりたいものじゃねーよなあ」

翠簾野 夕南 : 「だけど、今回も残念ながらそういうくちだ。うちの市で、オーヴァードの暴走事件が頻発してる」

卜部影路 : 「……俺も、二度はゴメンだったんスけどね」

熱々のお茶をゆっくりと口につけて、啜る。あつい。

「まあ、一応調査の手伝いって感じでこっち来てるんで、何か手伝えることがあったら言ってください」

移動とかには役立てると思います、どこでもドアなんで――というギャグは、自虐的すぎる、と、ドン引きされたことがあるので呑み込んでおく

翠簾野 夕南 :
「うん、助かる。うちも立て直し真っ最中でさ、それでこの事件だろ? もう猫の手でもパペッターの手でも借りたいぐらいなんだよな」
 にっ、と笑って相好を崩す。

卜部影路 : 「……猫の手、くらいには役立てるようがんばります」

思わず笑顔から視線を逸して、畳を見つめる。畳の目の数が急に気になっただけなんだ。それ以外に理由はない。

翠簾野 夕南 : 「大丈夫、自信もって。テレーズさんが斡旋するってことは、この状況を打開するだけの力があるって認められてるってことだよ」

卜部影路 : 「いや、どうでしょう……ほんと、俺、そこまで大したことは出来ないんで、ほんと……がんばりますけど……あんまり期待しないでください」

そこらのチンピラにも負けるような実力なので、そこまで期待されても困る。なんならずっと資料整理とかで良い。調査とかより、そっちのほうが性に合っている。

翠簾野 夕南 : 「じゃあ、ほどほどに期待しとく。うちも人員不足だからさ、あんまりその言葉どおりの仕事は振ってやれねーけど」

卜部影路 : 「……ッス、出来る限りがんばります」

頼れる、かどうかはさておいて、悪い人ではなさそうだ――少なくとも、今のところは。

「調査は、やっぱり夜っスよね?それまで、なんかしとくことでもありますか?」

卜部影路 : これ、夜まで時間つぶしても大丈夫ですかね?ここで一旦切る感じで

尾見俊樹 : (……そういえば現在時刻伝えるの忘れていたな)

翠簾野 夕南 : 「あ、じゃあ支部の中でも教えとくか。ここ武家屋敷だからさあ、迷うんだよな」

尾見俊樹 : 大体三時くらいに到着して、諸々の手続きや案内を終えて夜になる感じでいきましょう(?)

翠簾野 夕南 : おけい!

翠簾野 夕南 :
「そんで。おれも支部長なりたてだから、なんかあったら言ってな。
 おれ、翠簾野夕南。こっちは尾身俊樹。
 翠簾野さんでもいいけど、ゆーな! って楽に呼んでくれるのが一番うれしいなーおれは」

 うん。あんまり対人には慣れてなさそうだけど、悪い子じゃない。
 たぶんおれみたいな奴にあんまりふれたことがないタイプだろうな──と思いながら、両手を差し出して握手を求める。

尾見俊樹 : 「ご紹介にあずかりました、尾見俊樹です。このP市では、秘書を務めております」

卜部影路 : 「……お願いします」

ぺこり、と頭を下げてお茶を飲む。今度は丁度よい。

「夕南さんに、尾身さん、っスね。呼び方の方は……できるだけ善処します」

一瞬差し出された手を前に首を傾げて――握手を求められていることに気づいて、慌てて手を握る。なんというか、距離感が近い……悪い人では、ないんだろうが……

翠簾野 夕南 : つぶれたまめとたこまみれの手がしっかりうらべくんの手を握ります。

卜部影路 : (顔に似合わず、なんというか……腕っぷしは確かって話はホントらしいな)

怒らせないようにしないと。

GM :

 さて、自己紹介を終えたあなた達二人。
 案内など、色々と巡っているうちに夜になり、住み込みで働く女中達が作ってくれたご飯を食べた。
 時刻は8時前後。調査探索に向けて出発といった矢先のことだ──。

GM :

 information!:Eロイス《衝動侵蝕》(P135参照)が起動しました。
 使用者:『???』
     ・・・・・・・・・・
 対象者:このシーンにおいては卜部影路 翠簾野夕南両名
 効果:
 【衝動判定】を行わせる。
 失敗時に発生する衝動は、「衝動:破壊」。

GM : では最後にこんな感じのダイスを振ってください。メイドさんとあきちゃんも逃しません(対象者の意味)

翠簾野 夕南 : オ゛

卜部影路 : は?

翠簾野 夕南 : 目標値……目標値!

GM : 久々すぎて忘れてた! 7にしましょう。

翠簾野 夕南 : おけい!

翠簾野 夕南 : 5dx+3 (5DX10+3) > 10[2,5,7,7,10]+6[6]+3 > 19

翠簾野 夕南 : 危なげなし!

神々廻 京 : ヴェ!

卜部影路 : 4DX (4DX10) > 10[1,7,8,10]+4[4] > 14

卜部影路 : よし

GM : 当然のごとく成功だな。

翠簾野 夕南 : ヨシ!

翠簾野 夕南 : 侵蝕……ふやす!

翠簾野 夕南 : 2d10 (2D10) > 15[6,9] > 15

翠簾野 夕南 : は?

system : [ 翠簾野 夕南 ] 侵蝕率 : 38 → 53

卜部影路 : 2d10 (2D10) > 13[9,4] > 13

卜部影路 : は?

翠簾野 夕南 :

system : [ 卜部影路 ] 侵蝕率 : 36 → 49

??? : 高いな。……では

卜部影路 : 笑ってやろうかと思ったのに

??? :

 ──歓喜セヨ。
 ──月ノ狂気ガ、此ノ国ニ勝利ヲ齎ス。

神々廻 京 : (1+0)dx+0 【精神】<意志> (1DX10) > 5[5] > 5

翠簾野 夕南 : 50 こえちゃった……

神々廻 京 : 2d10 (2D10) > 7[6,1] > 7

??? :

 ──銃ヲ取レ、刀ヲ掲ゲヨ。
 ──散ッタ英霊ニ報イルノダ。

system : [ 神々廻 京 ] 侵食値 : 32 → 0

GM :
 ずずぅ、と引き込まれるような強烈な悪寒に、此の場にいるオーヴァード全員が襲われるだろう。
 解放されてはいけないものが解放されたことで、それがあなた達にシグナルとして伝わった──という方が正しいのかもしれない。
 衝動に呑まれなかった者たちには、引きずり込むような声を同時に聞くだろう。

system : [ 神々廻 京 ] 侵食値 : 39 → 39

GM :

 何が起きたと、窓を見ても、夜であること以外に何も変化はない。
 いや、一つだけおかしなことがあった。
 それも、隠し通せないほどの違和感だった。


GM :

 ──今日は新月の予報のはずなのに、空には満月が浮かんでいる。

 ──その満月が、気のせいでなければ2つに見える。

 ──そこから放たれる黒い光が、黒曜山の山頂に向けて降り注いでいる。

尾見俊樹 : 「──なに、が……!?」

翠簾野 夕南 : 「……月が!」

翠簾野 夕南 : (……まさかと思うけど──『月の狂気』って文字通りかよ、甚さん……!)

卜部影路 : 「――ったく、もう悪夢は見飽きてるってのによ」

震えそうになる声を悪態で覆い隠して、ポツリと呟く。

翠簾野 夕南 : 「………」

翠簾野 夕南 : 「心配すんな、ここは現実だ。夢じゃないから、おれたちはそれを壊しゃいい」

翠簾野 夕南 : 「それがおれたちだ。それがUGNだ──早速で悪いけど、めちゃくちゃ頼るからね」

卜部影路 : 「壊せばいいなんて、乱暴な……ほどほどに、ほどほどに頼みますよ」

とはいえ、その物言いに少し気が紛れたのも事実だ。

翠簾野 夕南 : にっと笑いかけて、刀を鞘ごとケースから取り出す!

GM :
 やがて、気を狂わせる月の光は収まり、同時に頭の中に鳴り響いていたナニカの囁きも消え去った。
 しかし、あちらこちらで聞こえるのは、これに耐えきれず即座にジャームの路に足を踏み入れてしまったと思しき獣の声だ。


 ──狂気の根源は、黒曜山の山頂に降り注いでいたのは目視で確認済みだ。

卜部影路 : ゆっくり静かに深呼吸――思い出すのは忌々しい男の言葉。

大丈夫、やれる

翠簾野 夕南 : 「山の……頂上か! 影路、行こう! 俊樹、留守頼んだ!」

尾見俊樹 : 「気をつけてくださいよ……!」

翠簾野 夕南 : 「わーってる!」

卜部影路 : 「あー、クソ、まじか……まじかぁ……」

とりあえず、置いて行かれないように目の前の背中を追いかける。

GM :

 護国の鬼神が没するとき、黄泉に墜ちた高天原の神が再臨する。

GM :

 勝利を謳う愚かな祈りとともに、運命は動き出した。
 故に平和を愛する狂気よ、願いに応え、廻りだすがいい。

GM :

 ……その先にきっと、約束は果たされる。

GM : というわけで本日は終わりです。おつかれさまでした。

翠簾野 夕南 : オツカレサマドスエ!

卜部影路 : おつかれ

東雲 亜梨花 : お疲れ様です〜テンション上がっちゃうな

神々廻 京 : お疲れ様ですわ。

東雲 亜梨花 : テンション上がる顔じゃなかったので上げときます

GM : 早いんだよ!!!!!!そのシーンでもう一度振ればあるかもしれないだろ!!!!(?)

翠簾野 夕南 :

神々廻 京 : どうにかしたい人生だった

GM : 正直OPのくせにヒヤっとした場面がいくつかあったが内緒です。

神々廻 京 :

GM : 松岡修造も諦めんなよって言ってるから。

神々廻 京 : バステ自体受けるのが初めて(二回目なので当然)

<OPフェイズ④/神々廻京>

神々廻 京 : とうっ

GM : ハァイ

神々廻 京 : エイシャ……

GM : 諸々やってたら帰投が今になりました。準備よさそうです?

神々廻 京 : オッケーです

GM :

<OPフェイズ/神々廻京>

GM : というわけで、登場時の侵蝕率を振ってくだちぃ。

神々廻 京 : 1d10 (1D10) > 5

system : [ 神々廻 京 ] 侵食値 : 39 → 44

GM : おちついている……

神々廻 京 : メイドなので

GM :

<回想/黒澤邸>

黒澤修平 :

「君が、何でもこなすという出張メイドかね?」

 神々廻京が招かれたのは、O市外れの山中にある黒澤邸だ。
 此処で下働きしている女中たちがうやうやしくあなたに頭を下げたり、あるいは、お付きと思しき屈強な男性があなたを案内するなどして、ここにいるだろう。
 そして目の前にいる壮年の男が、今回あなたに"仕事"を依頼した、黒澤修平である。 

黒澤修平 :
 秘書と思しき男が、流石に眉唾ものであった彼女を前にして、「いいんですか旦那様、このような怪しい人物にご子息の捜索など……」と耳打ちしたりしなかったり、それに対し「構わん。使えるものはなんでも使う」などと言っていたりする。

神々廻 京 :
「──……この度は神々廻家事代行サービスをご利用いただきありがとうございます」

 厳かに、しかし柔らかな雰囲気を漂わせた完璧なお辞儀と共に、微笑みが男に向けられる。
 風変わりなメイド服は屋敷に似合わないだろう、ただ一人異物めいてそこにいる。
 
「……というのが普段のご挨拶なのですが。
 今回は家事代行の方では無いとのことで」

「初めまして。神々廻京(シシベ・ミヤコ)と申します」

神々廻 京 :
「どのような形であれ、わたくしにご依頼頂きましたことを心から感謝いたします。
 ──……それでは改めて、ご依頼の内容をお伺いしたいのですけれど?」

 秘書の耳打ちの内容を聞いて、敢えて尋ねた。
 無論、怪しい人物と思われるのもしょうがないことだし、いつものことなので、そこは気にしなかった。

黒澤修平 :
「ン、ン"ン"ッ。黒澤家当主、黒澤修平という。
 この者が無礼を働いたのは謝罪しよう」

 どこか隠しきれないほどの傲慢さが見て取れるのは、性根の類だろうか。
 訝しげな目を向ける秘書を睨みつけた上で、京に修平は依頼を話す。

「──家のモノを持ち逃げした上、行方を眩ませた馬鹿息子を連れ戻してほしい。
 いや……こう言い換えよう。最悪、盗んだモノさえあればいい」

 その口ぶりは、「馬鹿息子は最悪死んでいてもかまわない」というもの。

黒澤修平 : そう言って、顔写真を見せます。こんな感じのちょっとひ弱な男性です 

黒澤修平 : 「家の"禁忌"を持ち逃げした挙げ句、行方をくらましおった」

神々廻 京 :
「"禁忌"……でございますか。
 ご依頼の内容は、その"禁忌"を持ち出した御子息を連れ戻す。最悪、物品があれば良いと」

 ……あ、これ大変なヤツだ。
 家事代行サービスの傍になんでもやってきたが、この手の人物の依頼はろくなことにならない。
 どことなく上から目線だし、人格的にはあまり好ましくない。

 ……なんて、言うには言うけど。
 依頼を受けないつもりはないし、それは私のモットーに反する。

「まだお若いですね。差し出がましいですが……本当に、ご命は考慮しないと?」

黒澤修平 :
「そうだ。コイツが最後に目撃されたのは、P市らしい。……ああ、このことは内密に頼むぞ。家の名前に"これ以上傷がつく"のは耐えられん」

「構わん。禁忌を持ち出すなどした時点で、勘当を言い渡すつもりだったのだ。野垂れ死んでいれば、それまでだろう。体も弱いしな」

神々廻 京 :
 ……絵に描いたような、名家の当主という感じだ。
 名声や富、権力のためならば血を継いだ息子さえも切り捨てる。
 俄然、その"禁忌"がなんなのか興味が湧くところではあるが。
 
「口約束にはなりますが──ええ、承知致しました」

「……もう1つだけよろしいでしょうか?」

黒澤修平 : 「なんだね?」

神々廻 京 :
「"禁忌"についての詳細を求めるつもりはありません。
 そう呼称されている以上、外部の人間であるわたくしにお伝えするのはタブーでしょう」

「御子息が『持ち出した』というのですから、その"禁忌"は人の手で持ち運べるものなのですね?」

神々廻 京 :
「それさえ分かれば、わたくしからはこれ以上、お尋ねしません。
 デリケートなところに手を染めるほど、無粋ではありませんもの。メイドですから」

黒澤修平 :
 その指摘に眉根を潜め。

「本来ならお前の言う通り答えるつもりはない、が。
 フン、流石にカタチは言っておくべきか」

 人の手で持ち運べるもの──という言葉に、ふむと頷く。
 修平自身もこればかりは譲歩する必要があると悟ったのだろう。

 ・・・・・
「少なくとも書類の類があったのは間違いない。
 ……先代が、鍵をかけた箱にいれて保管していたが、私達にも詳細を伝えなかった」

 その言葉は、修平自身もその禁忌の中身が何であるかを正確に理解していないことを示していた。

神々廻 京 :
 あら。
 案外素直だ、流石に"禁忌"などと呼ぶものを、何処の馬の骨ともわからぬ人間に任せるのだから当然か。
 
「……なるほど、パンドラの箱というわけですか」

 ぽつりと呟く言葉は、その"禁忌"を端的に表していた。

「……承知しました。では、その箱を回収することが最低限の条件と言うことで、依頼をお受けしましょう」

黒澤修平 : 「フン、わかったならば早く行け。全く、忌々しい……」

GM : というわけで回想は終了となります。

GM : で、メイドさん繋がり、あるいは一応は来客であるということで、下働きの女中達がもてなしてくれるようですが、その際にこんな感じのことを話してくれました。

神々廻 京 : お?

GM :
【女中の証言】
①黒澤一族は華族であり、かつて先祖は日露戦争にも出兵している。しかし古い時代の価値観が抜けきっていない。
②黒澤秋人は虚弱であった。運動よりも読書といったように、歴史資料を好んで読んでいた。
③亡くなった先代、黒澤修平とは仲が良かった。

神々廻 京 : オウオウオウ……一気にきな臭くなってきた……

GM : 軍人の家系で、かつそういった思想が抜けきっていないので、黒澤秋人はどちらかといえば異端として扱われていたようですね。

GM : では、他にすることがなければ現在までキング・クリムゾンしましょうか。

神々廻 京 : オッケーです

GM :

<現在/P市>

GM :

 ──時刻は夜。
 
 P市という漠然とした情報だけでは、恐らくどこにいるかも掴めないだろう。
 昼間は顔写真片手に聴き込んだりしていたのだろうが、そのどれも知らない人と首を振るばかり。

GM : というわけで、今、何してます?>神々廻

神々廻 京 : んーと

神々廻 京 : 肩をすくめながら、キャリーバッグをひいて歩いてる感じ……

GM : なるほど……。

神々廻 京 : 歩いてるじゃちょっとアクション足りないって感じです?(?)

GM :
 そういえば、今日は月が出ている。
 随分と綺麗な月だ。ふと、空を見上げ、あなたは異常に気づくだろう。

GM :

   ・・・・・・・・・・・・
 ──そもそも今日は満月だったか?

神々廻 京 :
「……」

神々廻 京 :
「……いやいやいや。
 ……まてまてまて」

「ちょ……ちょっとおかしくない?
 今日は満月じゃないでしょう。わたし、予報しっかり見てきたのに」

神々廻 京 :
「……いやー……見間違い?
 見間違いかな? いや、そんなわけないな?」

GM :

 そう。メイドたるもの、予報は必ず確認するものだ。それは無意識のうちにでもやる日課だろう。
 だからこそ、明らかにおかしいのだ。この地に降り注ぐ月の光が、満月であるなど──絶対に。
 目を擦ろうとも自分で自分を殴ろうとも目が覚めることはない。これは、現実である。

神々廻 京 :
「痛い! 夢じゃない!」
 
 頬を引っ張ってみたがダメだ、これは夢じゃない。
 現実だ、だが現実は満月なのだ。
 ……だがなぜ? なぜという言葉を投げかけても、それに答えてくれる人はいないだろう。

「……」

神々廻 京 :
「写真撮るか……?」

GM :
 更に、異常は続く。
 あなたの視線の先、施設の谷間から覗く山より、黒い光が立ち上る。

神々廻 京 :
「……は?」

 黒い光──……あの方角は確か山だ。
 山から黒い光ってそもそもなんだ?
 そもそも今は夜じゃないか、真っ暗なのに黒い光がどうやって出てくるんだ?

「……いやー」
「いやいやいや、もしかして例のバカ息子さんが何かやらかしたとか?」

神々廻 京 :
「はい、落ち着け神々廻。
 結論づけるには驚きすぎ」

「……とはいえ、冷静に考えても謎に謎が増えただけで、異常事態であることには変わらないわね。
 何も手がかりが得られない以上、あそこに行ってみるか?」

神々廻 京 : 良ければ山の方角へ走ってゆきたい気持ちです

GM : よかろう。しかし……

GM :

 では、明確な異常へ向けて一歩踏み出したそのときだ。

神々廻 京 : ハハッ

GM :
 information!:Eロイス《衝動侵蝕》(P135参照)が起動しました。
 使用者:『???』
 対象者:神々廻 京
 効果:
 【衝動判定】を行わせる。
 失敗時に発生する衝動は、「衝動:破壊」

GM :
 ずぁっ──あなたの内側を、黒い衝動めいた何かが入り込もうとする。
 それはナニカがばら撒く意志であり、抗えぬものを飲み込むもの!

神々廻 京 : 失敗しました(てへぺろ)

GM : さあ!!!!《意志》7で振れ!!!この前のは見なかったことにするから今がラストチャンスよ!!!

神々廻 京 : (1+0)dx+0 【精神】<意志> (1DX10) > 9[9] > 9

GM : 成功だ!!! では……

神々廻 京 : ご慈悲がありがてえ……

??? :

 ──歓喜セヨ。
 ──月ノ狂気ガ、此ノ国ニ勝利ヲ齎ス。

??? :

 ──銃ヲ取レ、刀ヲ掲ゲヨ。
 ──散ッタ英霊ニ報イルノダ。

GM :
 強烈な悪寒をその背に感じながらも、あなたはどうにかこれを跳ね除けるだろう。
 武器を取れ。敵を殺せ。侵略する全てを、灰になるまで破壊しつくせ──。

GM :
 ……端的に言えば、これはそういう"狂気"である。

GM : (あ、それはそれとして衝動判定行ったのでその分の数値、ダイス振って侵蝕率に加算お願いします)

神々廻 京 :

神々廻 京 : ちょっと待ってくださいね、昨日の分を追加しちゃってたので

GM : はーい

system : [ 神々廻 京 ] 侵食値 : 44 → 37

神々廻 京 : 2d10 でしたっけね (2D10) > 8[3,5] > 8

system : [ 神々廻 京 ] 侵食値 : 37 → 45

神々廻 京 :
「……ははあ。
 なんとか保ったけど、これ、まずいわね」

神々廻 京 :
「殺意の増幅? ……いや、そんな生半可なものではないか。
 けど……」

神々廻 京 :
「散った英霊、か。
 これは……あのバカ御子息様が無関係とはちょっと思えなくなってきたわね」

「いかなくっちゃ、あの山に」

GM :

 しかし、コトはそう簡単には運ばない。

 この狂気は、何もあなた個人に向けられているわけではない。
 この地にいる全てのオーヴァード、あるいは適正のあるものに"呼びかけ"ている。
 故に、次に何が起こるかといえばだ──。

ジャーム :

「ショウリ、ヲ、ダイニホンテイコクニ、ショウリヲ、Graaaaarrrr!!!!」

 振りまかれた狂気にあてられたのか、全身が変異し怪物となった存在が、たまたま歩いていたあなたに襲いかかる!

「ダイトウアキョウエイケンヲ、テンノウヘイカヘノリソウヲォォォォオォオ!!!」

神々廻 京 :
(……いや、待って。
 オーヴァードを対象、あるいはその適正……。
 もしかして、まだ目覚めていない者たちにも───)

神々廻 京 :
「…………………………あらあら」

GM : といった感じで、一旦あきちゃんが来るまで切りましょう。

神々廻 京 : 了解で〜す、ピンチだハハハ

<OPフェイズ⑤/明花あきる>

GM :

<OPフェイズ/明花あきる>

GM : というわけで登場侵蝕率どぞ~

明花あきる : 振るぞ

明花あきる : 1d10 (1D10) > 2

明花あきる : ずいぶんと落ち着いてるな

GM : お……落ち着いている!

system : [ 明花あきる ] 侵蝕値 : 31 → 33

GM :

<回想/明花あきる 10歳の頃>

GM :

 ──"冬将軍"がたった一つ、解けなかった難題があるという。

GM :
 伝説の探偵であった彼の死後、まことしやかに囁かれているものだ。
 都市伝説がそうであるように、大抵はそういったものには尾ひれがついており、実際はなんてことはないというのが通説である。
 しかし、晩年の彼の背中を間近で見て、あるいは自らもまた"裏の路"に通ずる今となっては、"ありえない"と否定しきれないであろう。

GM :

 だがそれはまだ、先のこと。幼いあなたは、表の世界も、裏の世界も、まだ十分に知り尽くしてはいなかった。
 晩年の明花冬三郎は書斎にこもり、あるいは常に出かけるなどしていた。
 それでも孫であるあなたに接することを、一時たりとて忘れたことはなかった。
 だが、彼は志半ばで亡くなった。

GM :

 その葬儀に、老人──夜辺甚五郎が参列した際、ぽつりとではあるが、たしかにこう口にしていたのだ。

夜辺甚五郎 :
「──サブちゃんも、間に合わねぇってことがあるんだな。
 いいよ。休んでろ。後は、最悪にならねぇよぅ、なんとかするさ。約束破りには、させねぇよ」

夜辺甚五郎 : 「……しかしまぁ、孫娘一人遺して逝っちまうたぁ。死人の気持ちが分かるとは言えんが、心残りだろうに」

夜辺甚五郎 :
     ・・・・・
「まして、こっちがわの事情も知ることになるとはね。
 ああ、ったく……世界ってのは、どうしてこうもまぁ……」

 夜辺は幼い頃のあなたに視線をあわせるようにしゃがみ、そっと頭を撫でてやる。
 その目に映る感情の意味は、今になってみれば分かるだろう──"遺志"、だ。
 難題を解けずに逝ってしまった友人の遺した、裏の道を知ってしまった孫娘。

「夜辺さん、日本支部査察部の魔犬が──」
「アア、いけねぇ。忘れていた。女狐には適当に言っておいてくれ」
 

夜辺甚五郎 : 「じゃあ、また、明日会おうや。あきちゃん。儂ァ、ちょっと仕事行ってくるからよ──」

GM :

 ……それが、六年前の記憶。
 それから、夜辺甚五郎は"死に"、
 あなたは"名探偵の再来"として、望む望まない関わらず、表舞台と裏の世界を行き来している。

GM : (書くことがあればどぞ~。無ければ現在までキンクリします)

GM :

<現在>

海江田凛音 :
「──あの、貴女があきるさんですか? あの名探偵の……」

 あなたが今いるのは、P市図書館の応接室であった。
 向かいに座っている女性は、今回あなたに事件の捜査を依頼した"海江田凜音"だ。

「表に出せないことも、裏なら出来ることも。
 警察でも解けなかった事件でも解決してみせると、お伺いしました」

海江田凛音 :
「お願いです。盗まれた資料を、取り返してほしいんです!」

明花あきる :
 明花冬三朗────稀代の名探偵と謳われた「冬将軍」、己が祖父たる「ジジイ」に、およそ解けぬ謎などないと思っていた。

明花あきる :
 仮にも「天才」の名を冠する因子を持つ自分など、まるで歯牙にも欠けぬ名推理。犀利と堂々に満ちた背中を、慕っていたし、尊敬していた。仰いでいた。ああなりたいと、心の底から憧れていたのだ。

明花あきる :
 だからそれが亡くなって。
 二十歳までの短いモラトリアムを、どう過ごそうかと考えた時────選択肢を並べるまでも無く、祖父と同じ道を歩むことを選んだ。

明花あきる :
 いいや、選んだのではない。掴んだのではない。
 ・・・・・・・・・・
 それしか無かったのだ。明花の家という座敷牢にて、ただ家系の繁栄のために消費される人形として養育された彼女には、明花冬三朗の姿しか見えてはいなかった。

明花あきる :
 最初は、純粋に憧れて。
 今では、二番煎じだと自嘲して。
 それでも「探偵」と名乗ることを止められないのは────「冬将軍」でさえ解き明かせぬ謎を、この身が暴くことができたのなら。

明花あきる :
 それがせめて、この身の唯一を示す、“証”になるのではないかと思ったから。

 ゆえに。

明花あきる :
「────────ああ、そうだ。そうだとも、私が『探偵』、明花あきるだ」

明花あきる :

「どんなペテンも、どんなトリックも。ご所望なら、全部暴いて幕引きにしてやるよ。
 とは言っても────報酬次第だがな」

明花あきる :
 蒼が鮮やかな扇子を、そのたおやかな手が音を立てて広げ立てる。
 ぶっきらぼうな声が、ただ凛と空気を揺さぶった。

海江田凛音 :
 扇子を広げ、ぶっきらぼうに宣言するあきるの姿。
 そこから放たれる、齢十六の少女とは思えぬ気迫に息を呑みつつも、凜音は礼を述べる。

「あ……ありがとうございます!
 報酬の方は、既に市と掛け合ってあります。手続きの方は、成功したらと言われましたケド……」

海江田凛音 : さて、凜音はあきるに、こんな感じで事件を説明します(要約)

海江田凛音 :
【歴史資料、古書喪失事件】
現場:歴史資料保管室
○ここ2週間の間、データベースに記載されている資料と、保管している資料が一致しないことが度々発生している。
○館長に掛け合い、資料を全て取り出して探したところ、持ち出し記録がないにも関わらず多くの抜けが発覚。
○監視カメラをチェックするも、自分や他の職員、館長の出入りの記録はない。
○最終チェックは館長と、司書長である凜音が行っている。

盗まれた資料は以下の通り
・歴史系資料。第二次世界大戦中のP市の資料。

資料室
・業務終了後は電子ロックがかけられており、職員以外の出入りは基本的に不可能。

明花あきる :
「────ふむ。その資料室、普通の利用者が何か借りたい、ってなった時はどういう手続きを取る? わざわざ電子ロックがあるってこた、それなりに重要な資料の保管場所なんだろ」

海江田凛音 :
「ええっと、まず古い紙であるため、取り扱いや保存には手順がいるんです。
 ですから、私達カウンターの方に直接取り次いでいただくか、電話で連絡していただく……こととなっております」

海江田凛音 : 「それで、こちらに記入していただくという形をとっております」つ《電話番号とかその辺書く紙》

海江田凛音 : 「といっても、適切に扱えば大丈夫な資料であれば、私ども立ち会いのもと、コピーを取ってお渡ししております。何分、原本は貴重なもので……」

海江田凛音 : 「だから困ってるんですよぅ……」はあああああ

明花あきる :
「……ご苦労なこったな。つまり、『原本が貸し出されることは原則ない』、『職員がコピーを取るために一時的に持ち出すだけ』ってことか。

 その言い草じゃ、資料室の資料にも”ランク”があるみてェじゃねェか。『適切に扱えば大丈夫な資料』ってこた、『大丈夫じゃない資料』もある────そう読み解いたが、今回盗まれたのはどっちだ?

 あああと、照合くらいしてあンだろ? 無くなった本のリストも寄越せ。中身の概要もあるとなおイイな」

海江田凛音 :
「はい、そのとおりです」

 こくりと頷いてから……。

「どちらも、ですね。
 大丈夫な方は、戦争体験をまとめた市民向けのパンフレットや学校教育向けのものです。
 こちらは配布しているものを収めているだけで、そこまでの被害ではありません」

「大丈夫じゃない方は、第二次世界大戦下、おおよそ1940~45年前後の資料です。
 こちらは資料のデータ化がまだ済んでないものもあって……」

海江田凛音 :
(要約/特に関係ある部分)
【大丈夫な方】
・戦争体験資料
・P市70年の歩み
(※イメージ:小学校向けの戦争を知る資料、市民向けパンフとかその辺)
【大丈夫じゃない方】
・P市に駐屯していた陸軍の資料(部隊一覧 配置図etc……)
・当時の等高線が記された図
・大本営とのやり取りが記載されたもの(主にどういった物資をやり取りしていたか)
・当時の将校の手紙(検閲による黒塗りが酷く、これから保存修復系の研究施設にまわす予定だった)
※その他、それに纏わる資料諸々

明花あきる :
「そいつぁ、随分と節操無しだな。パンフなんぞ、わざわざ危険を犯さなくともいくらでも手に入るだろうに。
 それに……戦時下の資料の方は、ずいぶんと年代がピンポイントかつ……軍事関係ばっかだな。戦争をやり直そうとでもしてンのかね」

明花あきる :
「聞くだけ聞いてみるが、犯人のアタリは? この二週間での申請履歴もそうだが……内部の犯行って線もある。身内だから無条件に信じる、なんつー甘い考えは捨てといたほうがイイぜ」

明花あきる :
同時に、プロファイリングと熱感知知覚を使いたい。この問いに対する答えで、海江田が嘘を吐いてないか、とかな。

海江田凛音 :
「ないです」

 首を振って答えた。

「その線も一瞬みんなで出てきたんですケド、……全会一致でこう結論を出したんです」

海江田凛音 :

「──どの監視カメラにも映らずに出ていくのは無理、って」

 海江田の表情に嘘はない。

海江田凛音 : 更に言うなら、本に最後に触れる立場にある海江田と館長は、二人揃って仕事終わりに出ている。グルならともかく、確実に相互監視の状況にあったのは間違いない。

海江田凛音 : あとプロファイリングか。ならこれも開示しよう。

海江田凛音 :
【プロファイリング】
○身内の犯行と仮定する場合、そもそも動機がない。
 物盗りに見せかけるなら、市民パンフ以外のものも盗んでいるだろう。
 第一、市民パンフレットなら、そんなことせずとも幾らでも手に入る。

明花あきる :
「(嘘は無い────か。ま、当然だな。館長とやらにも話を聞いてみなきゃ、確定はできねェが……この女と館長がグルなら、そもそもこんな話持ってくる意味がねェ。
 第一、資料室なんてトコに被害を集中させる意味がねェわな)」

 ま、疑うなら徹底しなきゃな。一応一応、と考えつつ、次へ。

明花あきる :
「あとは……そうだな。その盗まれた資料のうち、戦時下の方。アレの直近の閲覧申請……もとい、コピーの申請者を知りたい。そいつなら、中身についても知ってんだろうしな。中身について知っときてェし……ああ、もしかして個人情報か?」

海江田凛音 : 「申し訳ございません、閲覧申請の方は、ええと、依頼しておいてなんですが、令状と手続きがないと……」

海江田凛音 :
調べてみたけど、こんな感じらしいね。
>>
図書館においては、貸出カードに含まれる情報のほか、ゲート等での個人認証による入退館の履歴、防犯カメラの画像、レファレンスなど、様々な場面において個人情報の収集、利用、提供などを行っており、その適切な保護が求められる。特に図書の貸出履歴については、個人の思想や趣味・嗜好を浮き彫りにするため、氏名・住所・電話番号等の単純な個人情報よりも高いプライバシー性を有していると考えられる。

明花あきる :
「だろうな。だろうとも。だから尚更不思議だったんだが────普通、こういう手合いは警察に頼るモンだろ。申請者の開示にしたって、これが警察相手なら自力で調べがつく。

 なんで、わざわざ『探偵』に頼った?
 警察には頼れない、打ち明けられない────もしかして、そんな事情でもあンのか?」

 ある種の、カマかけ。無いなら、それでよし。
 何か後ろ暗い、あるいは、警察などと公的組織に頼れぬ、そんな理由があるのなら。

明花あきる : 依然熱感知とプロファイリングで、嘘ついたら見破るぜ。依頼しようつってンのに後ろ暗いことは言いたくないとか、そういうのはナシだ。

海江田凛音 :
「証拠がないんです。事件性があれば、と思ったのですが。
 世間から見れば失くしたと思われてもおかしくない、けど、私達だけが明らかに盗まれたと確信できる」

「……そういう状況だと、警察で動いてくださる方はいなくて」

鮫島刑事 :
"
「資料が消えるぅ? 失くしたんじゃないんですか。
 は? もう十分内部調べた? 市のお偉いさん辺りにどう説明するんですか」

「……ああもう。そんなものはね、探偵サンあたりに言ってくださいよ。我々だって忙しいんですから!
 ほらあっち行った行った!」
"

海江田凛音 : 「……の、一点張りで……だから、お願いしたんです。駄目元でも、有名ならなんとかなるかなって」

明花あきる :
「……あの野郎かよ……」

 他所を向いて「体よく押し付けやがって」という舌打ちを一つ。今すぐにというわけではないが、いざ本当に資料の内容を精査すべきとなった場合、まああの男を使えば良いだろう、とあきるは判断する。
 人に押し付けたんだ、そんくらいの手間ァ取ってもらわなきゃ困るって話だな。

明花あきる :
「ま、信じてやるよ。依頼されたンだからな、盗まれたって前提で行こうや。
 その資料の“消え方”についても確認させろ。一気に複数が盗まれたのか? それとも、この二週間のうちに日を置いて、断続的に、か?」

海江田凛音 : 「あっ、はい。断続的にかと思われます」

海江田凛音 : 「一気に盗まれたら、翌日のチェックで分かるので、それは間違いないかと」

明花あきる :
「盗んでは中身を確認し、目当てのモンじゃねェと分かって、次にまた盗みに……か? それにしちゃァ、パンフや教材まで盗んでンのが妙だが」
 あまりにも、行き当たりばったりすぎる。

明花あきる :
「もう少し絞ってみないことには、か。あとは現場の検分……と、その前に、これだけ確認させろ」

明花あきる :
「依頼の内容は、『資料を取り戻す』でイイんだな。犯人を引きずり出して成敗────なんつーのは、まァドラマじゃ定番だが。
 ・・・・ ・・・・・・                  ・・
 裁くのは、司法の仕事だ。領分は侵せねェ、探偵に出来ンのは『暴く』ことまでさ。
 首尾よく拘束が叶えばその後ァ、サツに突き出すなり好きにすりゃイイと思うがね……『下手人の確保』まで含めるとなりゃ、値上げしてもらわにゃ釣り合わんところだが」

 どうだ、と。蒼氷の冷ややかな瞳が、静かに海江田の言葉を待つ。

海江田凛音 :
 ごく、と息を呑んで。

「……いえ、私達は、資料が戻ってくればそれでいいのです。
 ただ、その」

 つまりは、そういうことだと悟ってしまう。
 要するに、"下手人をとっ捕まえなければ資料の場所が分からない"というのもあり得るわけで。

「──わかりました。私の方で、交渉します」

 そして、海江田凜音という女性はそういう駆け引きには致命的に弱かった。

明花あきる :
「気前がいーじゃねェの、そうこなくっちゃな。
 ────さて。現場を検分と行こうじゃねェか。案内頼むぜ、海江田サンよ」

 するりと立ち上がり、その手には立てかけていた番傘を掴む。閉じた扇子をひらりと振って、可愛らしい相貌が愉快そうに笑みを零した。

GM : さて、現場検証ですが……ここはざっくりやりつつ、疑問があったら聞いてもらう形を取りましょう。

GM : あ、《プロファイリング》使う?

明花あきる : 使う。

GM : では、こんな感じです

GM :
【資料室】
○犯人に計画性はない。強いて言うならば「この年代の資料を手当たり次第に読んで手がかりを探そうとしている」というもの。
○盗むという手段を使うあたり、少なくともそうした倫理性は抜け落ちている。

【監視カメラ】
○(要《知覚》8)

明花あきる : 知覚ねえ……普通に、監視カメラの映像記録を見せてもらうこととは別に、得られるものがあるってことか?

GM : イエス。監視カメラは海江田の証言通り、「誰も映っていない」

GM : 誰も映っていないにも関わらず資料が消えるカラクリ、その違和感を探るなら、知覚で8を要求するぜ。

明花あきる : ……ンー、まあ1r+1でも理論上は可能、か。一応確認するが、失敗時のデメリットは?

GM : ない!

明花あきる : やるだけやってみよう

明花あきる : 1dx+1>=8 (1DX10+1>=8) > 4[4]+1 > 5 > 失敗

明花あきる : まあそうなるな。

翠簾野 夕南 : まあ後回しかなあ しいて必要な情報かもわからんし

明花あきる : そうさな。あったら嬉しいが、なくても詰められるものと考えるしかねェ

GM :
 ……監視カメラを見ても、専門家でないあなたに分かることは、「確かにこの状況で盗まれるのは違和感がある」ということくらいだ。

GM : (とりあえず結構かかっちゃったので、今日は資料室関連で聞くことなければ開きましょうか)

明花あきる : そ、う、だ、な……ンー、「盗んだ奴の姿は映ってないにせよ、その資料が『持ち出される瞬間』すら確認できない」ってのはもう少し詰めたいとこだが

GM : おっと

GM : そこに気づくか。なら、ラストチャンスだ

明花あきる : まるで、転移でもさせられたみてェじゃねェの?ってな。

GM : 《知覚》5 で振るがいい。

明花あきる : ほお。振ったらァな

明花あきる : 1dx+1>=5 (1DX10+1>=5) > 5[5]+1 > 6 > 成功

明花あきる : よし!

GM :

   ・・
 ──待て。

GM :
 《資料室》の監視カメラに、あなたは強烈な違和感を覚えた。
 録画は普通時刻も普通、だというのに、資料が盗まれる瞬間は確認出来ない。
 ……いや、確認出来ないどころか、"盗まれる前"の映像が繰り返されている。

明花あきる :
「────────…………?」

GM :
あなたは察するだろう。
表舞台には存在しない異能者(オーヴァード)達。
その内の一つ、《ブラックドッグ》によるセキュリティカット、そして《エンジェルハイロウ》による《天使の絵の具》が使われ、そもそも"犯行の様子を映さないよう"細工されていることを。

GM :
恐らくはこうだ。
《セキュリティカット》により警報遮断、その上で電子ロックを解除し侵入。
更に念を入れるためか、監視カメラに貼り付けるようにして、《天使の絵の具》を用いて映像を偽造。

これ以上は流石に解析班に回さなければならないが、……コイツは"逃げ隠れる"ことだけに全神経を使っている。それが、監視カメラのトリックである。

明花あきる :
 すぅ────と、透き通るような蒼の瞳が、事実を見咎めて細く眇められる。

「(こんな芸当、ただの人間にできるわけがねェ。が、常ならざる者ども────オーヴァードのやることにしたって、手が込んじゃいるが稚拙っちゃ稚拙だ。なんせ、こうやって私に見破られてンだからな)」

明花あきる :
「(……とはいえ。単なる窃盗にしちゃ妙だし、盗まれてる資料が資料で、土地柄が土地柄だ。
  夜辺のジジイが死んで、さして時間も経たずに匂わせるようなコレ……きなくせェ。あんまりにも、香ってきやがる)」

GM : 他に確認したいことはあるかな?

明花あきる : 取り立てて。オーヴァードが関わって来てるってあたり、見当はついてもイリーガルの私じゃ絞り込むなんて無理だからな。次の動きとして、UGNあたりに繋ぎをとりたいところだ。

GM : オーケーだ。では、最後に夜の描写と例のアレをやってシメましょう。

明花あきる : ついに来たか……

GM :

<夜>

GM :

 ……図書館での捜査を終えて、食事も摂って出てきたのは夜の七時前後だ。
 明花家は厳格な家庭でこそあれ、"探偵業"というものに対しては義理立てもあってか見逃されている。
 報告を義務付けるなど、適度に縛りつつというのが、あなたの癪に障るところというのはさておくとして。
 

GM :

 ……そういえば、やけに夜が明るい。街灯を抜きにしても、ここまでとは。
 そう、夜空に浮かぶ星々と──。

GM :

    ・・
 ────満月。

GM :

 監視カメラなど比較にならない違和感が、あなたの胸の内を支配するだろう。
 そもそも、今日は満月だったか?
 月の満ち欠けを無視した、明らかな異常現象。

GM :
 ……そして、黒曜山より立ち上る黒い光。
 間違いない。何かが起きている。

GM : (反応見次第進めます)

明花あきる :
 降るような闇の中を、雅やかな番傘と、淑やかで華憐な黒が歩いていく。

 ふと、空を見上げた。

明花あきる :


「────────は?」



明花あきる :
 番傘の三日月越しに、煌々と、真ん丸の白が光を放っていた。

 満月などと、そんなはずがない。独り暮らしの家を出る間際にちらりと見た天気予報、ノイマンの頭脳がそれを忘れるはずがない。
 今宵は、絶対に、────満月などでは、ないはずの夜だった。

 それに、黒曜山の方角だろうか。立ち昇る黒い光────

明花あきる :
「(これは、一体────なんだ?
  何が、起きてる?)」

GM :

 驚愕に目を見開くあなた。
 困惑が胸に広がってゆく中、そこに差し込まれるかのように、

GM :

 ──黒い感情が、シミのように広がるだろう。

GM :
 information!:Eロイス《衝動侵蝕》(P135参照)が起動しました。
 使用者:『???』
 対象者:明花あきる
 効果:
 【衝動判定】を行わせる。
 失敗時に発生する衝動は、「衝動:破壊」

明花あきる :
「────────ッ、…………ッ!?」

明花あきる : 判定目標値は。

GM : 忘れていた! 7です!

明花あきる : 意志だな?よし

明花あきる : 5dx+1>=7 (5DX10+1>=7) > 6[2,5,6,6,6]+1 > 7 > 成功

GM : あ、あぶない。

明花あきる : ギリだろうとなんだろうと成功は成功よ

??? :

 ──歓喜セヨ。
 ──月ノ狂気ガ、此ノ国ニ勝利ヲ齎ス。

??? :

 ──銃ヲ取レ、刀ヲ掲ゲヨ。
 ──散ッタ英霊ニ報イルノダ。

明花あきる :
「チッ、ンだよこの声は…………ッ!!」

??? :

 流れ込む、何者かの号令とも呼ぶべき声。
 それは、勝利を謳うものかもしれない。あるいは破壊を謳うものかもしれない。いずれにせよ、狂的な何かをはらんでいた。
 その呼びかけを必死に退けたあなた。
 同時に直感する。これは、したがってしまえば戻ってこられなくなるものだ。

 

GM :

 ──そう、裏を返せば。

GM :
 どこからか聞こえる獣のような声。
 
"ダイトウアキョウエイケンヲ、テンノウヘイカヘノリソウヲォォォォオォオ!!!"

 日の丸神話を掲げ、狂い叫ぶ怪物がどこかにいる。

ジャーム :

 ──その方角を見れば、メイド服を着た女性が、理性を失った怪物と対峙しているのが見えた。

明花あきる :
「オイオイ、『戦争をやり直そうとしてんのか』なんつー……ほんの冗談を真に受けンじゃねェっつの……」

明花あきる :
 ただごとではない。その予感が全身を覆いつつ────上げた視線の先に、映るメイド服の女。
 時代と、情景にはそぐわない。だけれども、目撃してしまったからには……見ぬふりというのは、あの祖父の孫としてややも相応しい振る舞いとは言えないし。

明花あきる :
 何より。
 背を向けるなど、癪ではないか。

明花あきる :

「────────オイ、そこのメイド!」


 凛とした声が、漆黒の闇夜、異変の始まりの中を直ぐに穿った。

明花あきる : 2d10 (2D10) > 15[10,5] > 15

system : [ 明花あきる ] 侵蝕値 : 33 → 48

<OPフェイズ/合流/神々廻京&明花あきる>

ジャーム : ちなみにこのジャームはエキストラでデータないので、パパパッとRPで処理して大丈夫だぜ・・・

神々廻 京 :
「どうどう、落ち着きなさい、そこの一般ジャームさん。
 落ち着こう? え、落ち着かない? そっかー」

 ダメだ、この結果は分かっていたはずなのに。
 月を撮っている場合じゃなかった、さっさと行く必要があったのだ。
 さて、そんなことで右往左往している間──……ジャームの雄叫びをかき消すような、凛々しい声に思わず振り向く。

「はい、メイドですが! えっと──どこのお嬢様ですか!?」

 ベキ──と、歪な音を立てながら、捲った袖の腕から白く突き出るモノ。
 振り向き、対応すると同時に、神々廻京は臨戦態勢を整えていた。

明花あきる :
「…………案外呑気だな。いや、感心してる場合でもねェっつの!」

 今アイツ、月を撮ろうとしてなかったか? そんな疑問は他所へと追いやり、とかくそのメイド姿の女が、『少なくとも理性を保っているオーヴァードである』ということを認識して。

明花あきる :
「消し炭になりたくなきゃ、屈ンどきな!」

 閉じた扇子を携えた細やかな腕が、ひらりと前へと振られる。その矛先はメイド、ではなくその向こう側で理性を失い牙を剥く獣に対して。
 あれではもう、手遅れだ。元が人間であったとしても────であるならば、灰へと還すがせめてもの慈悲だろう。

明花あきる :

「────────ほむらよ舞われッ!!」


明花あきる :

      ごう
 ────────轟ッ!!


明花あきる :
 蒼めく焔が、嘶きを上げて空を裂く。扇子の周りを彩るようにして浮かび上がった爆炎が、流星の如くたなびいて────一路、メイド越しに怪物へと駆け抜けた。

ジャーム :

「G,ryaaaaaaァァァアアアアッ!?」

 夜を駆ける一条の炎が、理性を失った哀れな被害者(ジャーム)へ直撃。
 紅蓮に包まれ、苦悶の絶叫をあげる。

ジャーム : (メイドさんのムーブ見たら進行します)

神々廻 京 : 「あら──……これはこれは」

 腕が振われた瞬間(とき)には、京は身を屈めていた。
 べき、べきと音を立てていた「異物」は鎧のように腕を覆い隠し、連鎖するように伸びてゆく。
 
 耳を擘く、空を裂いた音と共に、振り抜いた腕──もとい、「骨」は蛇のごとくしなやかに振われた。
 炎がジャームを焼き尽くす、紅蓮に包まれるそれに対する躊躇いはない。

「───」

 先程のおちゃらけた雰囲気をかき消すような表情と共に、ジャームの首に骨の蛇が巻きついていく。
 蛇は口を開けるようにその先端を「剣」へと変じていき───

 ざんっ、と。
 素っ首を叩き落としにかかった。

ジャーム :
 紅蓮に包まれたジャームの肉体に、蛇が絡みつく。
 異形の夜を彩る影絵芸。剣が首を狙い横切り、そして──、

 ──有無を言わせず、叩き落とす。

明花あきる :
「ほぉ。存外、やるじゃねェの」

 くるりと、番傘が路端に影を落とす。その中から歩み出るように、煌々と冴えた月影に照らされた白貌が、にい、と笑みを零した。

神々廻 京 :
「見ず知らずのお嬢様も見事なお手際です、感服いたしました」

 すっかり綺麗に戻った白い手を気恥ずかしそうに隠しながら、柔らかな微笑みが返される。
 

神々廻 京 :
「その様子ですと、先の狂気は跳ね除けたのでしょう?」

 あの炎は常人の出すものではない、当然だ。
 同じ──そう、同じオーヴァードだと断定した上でまずは確認。
 最も、正常な行動ができている以上、疑いようがないことだが。

明花あきる :
「応とも。何処のどいつが仕掛けたもんか知ったことじゃねェが……
     ・・・・・    ・・・
 オマエも気付いたな、そして見たな? あの満月、それから黒曜山の黒い光」

明花あきる :
「おそらくは、それらが、あるいはどちらかがトリガーだ。ったく、帰ろうと思ってたところを挫きやがって……」

 舌打ちを一つ。毒づきながらも、彼女は再びメイドの方を見上げる。

明花あきる :
「私はUGNに行く。『アイツ』ならこの異変にもう気付いてるはずだし、このまま突っ立ってまた同じようなのに絡まれちゃ世話ねェ。
 オマエはどうする」

GM : ……お?

GM : そういうことならあれだ。ここでゆーなくんと卜部くん合流して大丈夫です。

翠簾野 夕南 : あ、待って。

翠簾野 夕南 : このタイミングで通信入れていい? 携帯持ってるよね

明花あきる : 持ってる。

翠簾野 夕南 : なら良いタイミングで通信を入れて合流でどうか 卜部くんはどうか

卜部影路 : 取り敢えず山の麓で落ち合う感じでどうかね?

翠簾野 夕南 : だな。

神々廻 京 :
「ええ、見ちゃいました。
 とても綺麗でしたが──同時に悍ましく」

「ふむ、UGNですか。
 私は山に向かおうと思いまして、どのみちもう動く人は動いてるでしょうから」

明花あきる :
「山────山か。正直、街の状況がどうなってるかわかんねェとこで不用意に動きたくはない、っつーのが本音だが……」

 だが、UGNに向かったところで彼らが把握しきれているか、というのもまた怪しい部分ではある。
 そう、彼女が逡巡したところで。

翠簾野 夕南 : ぴぴぴぴぴ、と携帯が鳴ります。

神々廻 京 :
「では、お互いに連絡先を交換すると言うのは──おや」

明花あきる :
「あん? 何だってンな時に────アイツ」

 取り出したスマホ。画面に表示された名前を見て一瞬だけ目を見開いてから、すぐさま応答する。

明花あきる :
「テメェも気付いたかよ? 夕南」

翠簾野 夕南 :
『あき、無事!?
 電話に出られたってことは正気ってことでいーんだよね、頭とか痛くない!?』

明花あきる :
「キンキン耳元で騒ぐな、鬱陶しい! 余計な心配すんな、正気だ。正気だとも!」

 旧知の声、いつもは明るいそれが、非常時に焦った色をしている────しかし、あくまでもその声音はいつもの彼だ。
 そのことに無意識に安堵して、いや、この程度のことで頭をヤられるような軟弱でないことは把握しつつも……次いで、電話の主に問いかける。

明花あきる :
「……この状況、テメェはどこまで把握できてる? もしかして、市内全域か?」

神々廻 京 :
「(ふむ、どうやらお知り合いの様子。
  ここは彼女の判断に任せましょう、今は流れに身を任せて……)」

翠簾野 夕南 : 電話越しにほ、と息をついた音。

翠簾野 夕南 :
『良かった──外の満月、双子月とお山のアレ以外はおれたちもまだわかってない、今からそこへ行く。
 うちで借りてるチルドレンがあそこまで行ってるんだ、無事の確認もしねーといけない』

GM : 市内の状況は、今尾見くんが無事だったP市エージェントやチルドレンと共に情報収集してますね。

翠簾野 夕南 : おけい!

GM : ただ、火の手があちこちであがるとかそういうレベルではない。裏を返せば、ギリギリカバーストーリーが敷けるレベルだ。月以外

翠簾野 夕南 :
『目下状況確認中! とりあえず動けるエージェントでそのチルドレンを回収して、この暴走事件の収拾が先決!』

明花あきる :
 ちらり、と蒼氷の瞳が、いったんの沈黙を貫くメイドを見やって。

「────分かった。私も一人無事なのを拾った、人手は大いに越したことねェだろ、一緒に山に行く。麓で合流。どうだ」

 UGNイリーガル、チルドレンやエージェントほど使命だとか任務だとかと縁近いものでは無いとはいえ……先に浴びせられたあのおぞましい衝動の根を、放置していられるほどあきるは無神経ではなかった。

明花あきる :
 第一、放っておいてどうにかなるものではない。
 謎を吹っ掛けられたのだ、それを解くのが、探偵なれば。

「手伝ってやるよ、夕南。お代は後で構わねェぜ」

翠簾野 夕南 :
『さんきゅ、あき! 予算はまだ残ってるし弾む!
 もう一人のイリーガルにも、協力ありがとうって伝えといて──じゃあ、後で! 気をつけろよ!』

明花あきる :
「応とも、用意しとけよな。────そっちもヘマこくんじゃねェぞ!」

 こんな軽口じみた言葉を交わすのも、もう久しいようにさえ思える。そんな淡やかな感慨を、通話を切るのと同時に彼女は振り切って、メイドの方に目線をやった。

翠簾野 夕南 : 『わーってる! あ、お山はさみーからあったかくしなよ!』

翠簾野 夕南 : 小言を残して電話を切ります。

明花あきる :
「サラマンダーだと知っての言葉────あの野郎! ったく……。
 ……ああいや。何でもねェ、とかく予定変更だ。私も山に行く。夕南……ここのUGN支部長もむかってるから、麓で合流する手はずだ。
 どうせ行くなら、テメェも手を貸せ。報酬は支部長が出すからよ。異論は?」

神々廻 京 :
「お話は纏まったようですね、お嬢様。
 わたくしは神々廻京(シシベ・ミヤコ)と申します。見ての通りメイドです」

 スカートの裾をつまんで、軽く一礼と共に自己紹介。
 
「異論はございません。
 わたくし、メイド兼ボディーガードですので、大義名分はお嬢様の護衛ということにしましょう」

明花あきる :
「神々廻、神々廻ね────明花あきるだ。好きに呼べ。
 大義名分なんざ、こんなキナくせェ夜に必要があるんだかないんだか怪しいとこだが……テメェが必要なら、それでいいさ」

明花あきる :
「────────行くぞ!」

神々廻 京 :
「───はぁい、レッツらゴーでございます」

<OPフェイズ/合流/全員>

GM :
 さて、自己紹介も終えたところで、君たちは山の麓で合流になるだろう。
 整備された登山道入り口が、異界へ続く門のように思えるほど、重々しい空気が漂っていた。

GM :

 メイド。
 探偵。
 支部長。
 ワケ有りの出張エージェント。
 彼らは、先に向かったという東雲亜梨花を案じつつ、一同に介することとなる。

GM : (というわけでどぞ)

卜部影路 : ずっと、ずっと――

その場で蹲り、下ばかりを見ていた。
顔を上げたとしても、目に入る星の輝きには手が届かないから――目を焼かれないように、そんなものは見ないようにしていた。

だが――

卜部影路 : ――どこまでも己を信じ、前へと進む勇気の煌きを見た。

――己を貫き、己が責務を全うする気高き背中を見た。

――見えない先に迷いながらも、足を踏み出す覚悟を見た。

――どこまでも燃える、太陽が如き炎を見た。

もはや、顔を上げることなどないと、そう思っていた。
己が見上げる夜闇に星など無いと、そう信じていた。

卜部影路 : 覚えている。
俺の目を焼いたその輝きを。
未だ焼き付いて離れない、彼らの姿を。

だから立ち上がり、顔を上げた。

けれど――

けれど、俺はまだ、星へ手をのばすだけで――どこへも歩き出せていない。
星の輝きは遠く、何を標にこの夜を歩いていけばいいか、俺にはまだ分からない。

卜部影路 : 走る。吐息は熱く、しかし乱れはない。
ここ数ヶ月、UGNの基礎訓練にしごかれたおかげだろう。目指すゴールはこれ以上なく分かりやすく、迷いようもなく明らかだ。

けれど、俺はただ、目の前の背中に着いてきただけだ――あの朔の夜も、今夜も、ただただ流されて、俺はここにいる。

そんな、後ろ暗い思いを、頭を振って断ち切る――断ち切ったと、そう思い込む。

「夕南さん、さっきの電話、ですけど」

卜部影路 : 走り出して、すぐに電話で指示を出しながら走る彼は、しかし着いてきただけの自分よりも遥かに余裕を残している。そこに、今更何かを思うことはないが――己が怠惰に過ごしてきた時間、その緩やかな諦めの息遣いを背中に強く感じる。

「後で、って言ってましたよね……もしかして、ここに来るんスか?」

意識的に、大きく息を吸って、吐く。鼓動が落ち着き、感情もまた理性の軛へと戻る。今はネガっている場合ではない――それを理解し、切り替えられるようになったのは数少ない成長の一つだろう。

「そいつ――じゃなくて、その人と合流してから、登る感じっスかね」

首を、ほんの僅かに傾ける。意識せずとも漏れた疑問は――意識していないからこそ、素直な表現として年相応さを感じさせた。

翠簾野 夕南 :
「うん、そう。うちが良く協力を頼んでるイリーガルなんだけど、運よく近くにいたっぽくてね。
 拾った別のオーヴァードとこっち来るってさ」

 麓が見えた段階で足取りを緩めて、卜部くんの隣へ。

翠簾野 夕南 :
「それに──走りながら話したとおり、別の支部から頼んでた応援のチルドレンがここにいるはずなんだよね。
 東雲亜梨花、って子なんだけど……マジで大丈夫か? 連絡こねんだよな」

卜部影路 : 「――最悪、何かに巻き込まれて手が離せない状態かもしれねぇ……しれないですし、その二人と合流したらさっさと大本叩きに行くべき、っスかね?」

己の答えの採点を任せるように、夕南の瞳を覗き込み、そこに宿る光から目を背けるように自ら視線をそらす。

翠簾野 夕南 : 「そーね。ここがあっちのテリトリーって可能性は十分あるし。
 ただ、深追いは禁物。このタイミングで異変を起こすんなら、相手は──」

翠簾野 夕南 :
「──甚さんを、"大戦の鬼神"って呼ばれたとんでもないオーヴァードを殺せる奴の可能性だってゼロじゃない。
 無理せずに、まずいと思ったら亜梨花だけ見つけてとんずらしよう」
 視線を合わせて、一言一言言い含めるように。

卜部影路 : 「…………了解っス」

その言葉に込められた感情を推し量れるほど器用ではない、が――その言葉を聞いて、緊張を緩められるほどは脳天気な性格はしていない。

翠簾野 夕南 : 「うん、さんきゅ。……ってわけで、ぼちぼち来てもいい頃なんだけど──」

明花あきる :
「────────夕南!」

翠簾野 夕南 : 「──っと、早いな」

神々廻 京 : 「お嬢様、この方達が?」

翠簾野 夕南 : (お嬢様?)

明花あきる :
「ったりめェだ、すっとろいことしてられっかよ……ああ、コイツ。コイツが件のUGN支部長、お代はコイツに請求しな。
 ……と、夕南、テメェのツレか?」

 じ、と視線が後ろの青年の方へと向く。

卜部影路 : 「…………」

なんというか、第一印象は兎にも角にも、苛烈なのと素っ頓狂なのがきた、という感じだった。

卜部影路 : 「ぁ……ぇっと、UGNでお世話になってます、卜部影路、です」
向けられた視線に、声をつまらせそうになりながらも、とっさに自己紹介する

翠簾野 夕南 : 「そゆこと。よその支部に頼んでた協力者、なんだけど。あき、その人おまえの新しい使用人──」

翠簾野 夕南 : 「……じゃ、ねーよな。噂の協力者さん? はじめまして、翠簾野夕南っす。よろしくね」

卜部影路 : (使用人……?っつーことは、こいつ結構な金持ちか、名家のお嬢様かなんかか……?お嬢様って呼ばれてたし――違うのかよ!!)

明花あきる :
「……ふうん。エージェントかチルドレンか。ま、どっちだって構わねェさ、使えンならな。私は明花あきる、探偵だ」

明花あきる :
「一人暮らししてんのに今更使用人なんざ雇うかよ。正気だったからそこで拾ってきた。山に行くっつってたモンでな」

卜部影路 : (初対面で使えるなら、とは、なんつーか……なぁ?)

神々廻 京 :
「初めまして、家事代行サービスを営んでおります、神々廻京と申します。
 言わば、雇われメイドです。あきるお嬢様とは、つい先程。成り行きでございます」

「なにぶんメイドですので、旦那様かお嬢様とお呼びできる方がおりますと、しっくりくるのです」

神々廻 京 :
「満月もそうですが、あの黒い光も見ちゃいました。
 わたくし、それを見過ごせるほど薄情でもないので、こうして山へ向かおうと思った次第です」

卜部影路 : (成り行きでメイドと遭遇するのって、ラノベの中だけかと思ってたが……)

翠簾野 夕南 : 「神々廻京? 神々廻京、メイド服……あ、"夜明けの風来坊"! 思い出した、資料で見たことあるな」

卜部影路 : ちらり、と夕南に視線を向ける。

説明その他は全部丸投げするつもりだ。

明花あきる :
「あん? 知り合いか? ……あァまァ、私と同じ手合いならリストに載ってんのか」

翠簾野 夕南 : 「そゆこと。読んでりゃ覚えてるからね」うらべくんに頷いて、目を指先でとんとん叩く。

神々廻 京 :
「くすぐったい呼び名です、嫌いではありませんけれど」

明花あきる :
「なら、なおさらイイ拾いモンしたってこったな。
 で? 確か、山に取り残されてるチルドレンがいるとかなんとか言ってなかったか」

翠簾野 夕南 : 「………そう、それ! なごんでる場合じゃねえ、急ごう! 走りながら説明する!」

卜部影路 : 「……っス」

こくん、と頷いて夕南に続く

明花あきる :
「忘れてんじゃねェよすっとこどっこい! ────私らも行くぞ、神々廻!」

神々廻 京 :
「なんと、一大事ですね。
 ええ、スタミナはまだまだありますので、全力疾走で参りましょう。ゴーゴー!」

翠簾野 夕南 : (コードネームのわりに気の抜けたテンションのひとだな!)

明花あきる :
「……やっぱオマエ、結構愉快なキャラしてるよな……」

GM :

 こうして黒曜山を登るあなた達。
 根源たる山頂へ向かう途中に、まず目にするものは……。

GM :

   ・・・・・ ・・・
 ──切れている、注連縄。

GM :
 神道に通ずる夕南はもちろんのこと、知っているのであればそれが意味するものは何となく察することが出来るだろう。
 此処には結界を用いて何かが封じられていた。そして、何かをきっかけに解き放たれた。
 であるならば、果たしてこの先には何がいるのだろうか。

翠簾野 夕南 : 「…………!」

明花あきる :
「罰当たりなことをするヤツがいたモンだ。ロクでもねェ」

卜部影路 : 「……縁起ワリィ」
ボソッと小声で

翠簾野 夕南 : (……何かを封印してた? 資料にあったか、これ──甚さんの手帳の中?)

神々廻 京 :
「あまり詳しくはないのですが、良くないことであるのは分かります。
 13の数字みたいな」

GM :

 意を決して踏み込んだあなた達は、既に終わったあとの光景を見ることになるだろう。

GM :

 一つ、山頂にあった碑石が、内側から裂けるようにして壊れている。
 二つ、意識を失った東雲亜梨花が倒れている。
 三つ──、

謎の少女 :
「……だいじょうぶですか? 望月は、しんぱいです」

 ゆさゆさと、亜梨花を揺する謎の少女。
 おとぎ話から出てきたような神秘的な雰囲気を漂わせている。
 月は依然満月のままであった。
 彼女はあなた達を見つけると、わたわたという擬音が似合う態度で呼びかける。

謎の少女 :
「この人、倒れてしまって。
 ええと、私、こういうときどうすればいいのかわからなくて……」

東雲 亜梨花 : 「ううん……にげ……むにゃ」

翠簾野 夕南 : 「──亜梨花!」

謎の少女 : 「とてもうなされているみたいです。大丈夫でしょうか……」

卜部影路 : 「…………」

寝てる少女と、ちょっと目のやり場に困る少女、突っ込めないなこれは

明花あきる :
「────────何だ、テメェ。すっとろい顔してやがるが、こんなとこにいるんだ。そこの女も、テメェがやったんじゃねェだろうな」

神々廻 京 :
「……わたくしが言うのもなんですが、実に場に合わないというか。
 わたわたしてるのは可愛いと言うか」

謎の少女 : 「……?」 きょとん、とあきるの言葉に首を傾げ

謎の少女 :

        ・・・・・・
「望月は、さっき起きたばかりです。
 なので、何もわかりません」

翠簾野 夕南 : 「このタイミングで出すか、かわいいって言葉!」

卜部影路 : 「……いや、どう見ても怪しいだろこれは」

明花あきる :
 ・・・
「起きただと? ……オマエ」

謎の少女 : あ、プロファ+熱感知に嘘はない。それどころか、不気味なほどに真っ白だ。

翠簾野 夕南 : どう? と、あきに視線で確認を求めます。

神々廻 京 :
「軽率でした。しかし、そこのチルドレンの方……亜梨花さまはむにゃむにゃと」

卜部影路 : 「……」

切れた注連縄、起きたばかりの少女、さて……散逸的、というには少々纏まりのあるイメージだが

謎の少女 : その間にも、望月と名乗った少女は亜梨花を指でつついている。

明花あきる :
 夕南の視線の意を汲み、分析を行って、……首を振る。嘘はない。疑いようも無く真っ新だと、頷く。

東雲 亜梨花 : 「このぉ…………な……むにゃ、ふぐ」

翠簾野 夕南 : 「……うん、でも、亜梨花のほうは元気に寝てるっぽいね」

卜部影路 : 「とりあえず、両手を挙げてそいつから離れろ……余計なことしねぇなら、こっちからも何もしねぇし、話も続けてやる」

翠簾野 夕南 : あきの反応を見て、ぽりぽりと頭を掻く。まいったなーの仕草。

明花あきる :
「あの女か、例のチルドレンってのは……またずいぶんと呑気な面ァしてやがるが、回収が優先だろ。テメェ的には」
 夕南に囁きかけつつも、視線は望月という少女から離さない。

謎の少女 :
「わかりました。
 "朔"も、あなた達はひとまず信用する、って言ってます」

 両手をばんざーいして、亜梨花から離れるよ。

翠簾野 夕南 : あ、《地獄耳》で周囲の警戒はしておきたい。

謎の少女 : オーケー。《地獄耳》は特に何もない。

明花あきる :
「”朔”? 何だそいつは、テメェの仲間か? 正直に答えといたほうが身のためだぜ」

謎の少女 : 「? 朔は、朔です。望月の友達です」 かくり

卜部影路 : 「朔……朔か……」

二人称か?それにしても朔とは、どうにもこうにも、嫌な縁がある

神々廻 京 :
「イマジナリーフレンド……というわけでもなさそうな雰囲気ですが」

翠簾野 夕南 :
あきの言葉に浅く頷きながらジュラルミンケースから鞘に納められた太刀を引き出して、大地に突き刺す。
目を閉じれば、広がった領域が周囲の音を拾い上げるが──いまのところ、なにもないか。

謎の少女 : 「こう、望月が危ないときに、出てきたり、寂しいときに、お話相手になってくれたりします」

謎の少女 : ……ちなみに。

明花あきる :
「……他に人は? 人じゃなくてもイイが」

神々廻 京 :
「二重人格かあ……?」

卜部影路 : 「…………」
二重人格というやつだろうか、それとも、アイタタタタタというやつか……?

謎の少女 : 望月(満月)と朔(新月)は、対の関係です。

翠簾野 夕南 : ねんのため周りを確認してから、亜梨花に近寄る。

翠簾野 夕南 : 「……亜梨花? 起きれる、亜梨花? 真夜中ですぞ、めちゃくちゃ夜。起きねーと任務に遅刻するよ」しゃがみこんでゆすります。

明花あきる :
「……だからテメェは、兄貴分やりたいのか母親やりたいのかどっちかにしろつってンだよ……」
 いまいち気の抜ける旧知に、開いた扇で口元を覆う。

神々廻 京 : 「世間一般的には大変良い子でございますね」

卜部影路 : (あと、夕南さんに向かって口悪いな、この人……)

謎の少女 :
! ほめられた!

「えへへ」

翠簾野 夕南 : 「兄貴だよ! いいだろ、母ちゃんより友達感覚あって!」

明花あきる :
「そういう基準かよテメェは……ったく」

東雲 亜梨花 : ──声がする。なんだか揺れる。
ああそうだ、わたし起きなきゃ。起きて、あいつをとっ捕まえなくちゃ。

白く照らされた周囲にはまだ焦点が合わない。
人影がいち、に、さん……たくさん。たくさん?
あいつは、あいつ……ひょろっとしていて黒くてなんだか頼りない……

点々と立つ人影は揺れる視界と逆光で良く見えない。
それでも途中で放り投げたことのない使命が照準をあわさせる。
まあ、世間でそれは俗にいう早とちりというものなんだけど。それを反省するのはもう少し後の話。

東雲 亜梨花 : 「──っるな、逃げるなこのぉ”!!!」

卜部影路 : 回避振ります

翠簾野 夕南 : 「え゛」

東雲 亜梨花 : タックル!

明花あきる :
「ッ、起き────────!?」

卜部影路 : 対抗判定だ、白兵で振りな

東雲 亜梨花 : GM!

神々廻 京 :
「ヤンチャガールですね」

謎の少女 : はい

翠簾野 夕南 :

卜部影じ : というわけでいいでしょうかGM

謎の少女 : ええぞ。

卜部影路 : まずはそっちから振りな

卜部影路 : 華麗に避けてやるよ

明花あきる : 容認すんのかよ……

東雲 亜梨花 : 砂の加護を、使う!

謎の少女 : 失敗すると派手にありちゃんが転げ、成功すると卜部くんの腹にタックルが突き刺さり、判定値がブーーーーッ

謎の少女 : い、いいけど!!!

翠簾野 夕南 :

卜部影路 : おい、本気すぎねぇ!?

東雲 亜梨花 : 逃がさないよ!

謎の少女 : あ、判定値に2倍の差が出来た場合はロケットずつきがみぞおちに突き刺さるものとします。

明花あきる : 凝るな!そんなとこで!

卜部影路 : これダメージ入ったりしないだろうな……しなくても精神ダメージが上がるが……

謎の少女 : ダメージロールは振らなくていいよ流石に(

明花あきる : 身内の寝ぼけた言動でダメージとか洒落になんねェわ

卜部影路 : こんな馬鹿の寝ぼけタックルなんか当たるわけねぇだろ

明花あきる : フラグ建築ご苦労なこって

東雲 亜梨花 : ぬかしおる!いくぞ!

卜部影路 : こいよ、猪馬鹿2号

東雲 亜梨花 : 2dx <白兵> (2DX10) > 10[7,10]+2[2] > 12

翠簾野 夕南 : まわっとるわ

明花あきる : クリってんじゃねーよ!

神々廻 京 : >><<

東雲 亜梨花 : へへ

卜部影路 : 1DX+1<回避>

卜部影路 : 1DX+1 (1DX10+1) > 8[8]+1 > 9

卜部影路 : くっ

謎の少女 : はい

翠簾野 夕南 : けっこう惜しい勝負で草だった

明花あきる : 残念だったなァ……

東雲 亜梨花 : 「──でやァ!!!!!!!」

GM :

 対峙する白兵1が二人!
 片一方が執念のタックル!
 その矛先は、もう片一方の腹へ! 見事にシュゥゥゥゥウ。

GM :

>>>超!エキサイティン!!!<<<

明花あきる :
「……はあッ!?」

神々廻 京 :
「いったーっ! 寝起きのチルドレン、華麗に決めたッッ、まさに驚天動地のタックルッッ」

明花あきる :
「実況すんなバカ!」

卜部影路 : 「――は?」

不思議な雰囲気を纏うズレた少女を警戒していたせいだろうか――あるいは、単純にその愚直なまでのひたむきさを知らなかったせいだろうか。

間の抜けた疑問の声は、潰れた苦鳴にすぐに潰されて――そのまま、後ろへとひっくり返る。

神々廻 京 :
「サッカー部のマネージャーだったもので、つい」

翠簾野 夕南 :
          ___
          /ヽ___\    ∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧
          | _ _ ̄|   <          >
          (|-| ・|| ・ |-|)  < うらべくん    >
          |  ̄  ̄ |   <          >
          \ ▽ /    < ふっとばされた!  >
          / ̄ ̄ \    <           >
          | |__| |    ∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨
          ○    ○

謎の少女 :
「わぁ、見た? 朔。あの人、すごいタックル!」
「え? 選ぶ人間間違えたかもしれない? 頭痛くなってきた? なんのハナシか分からないケド……」

東雲 亜梨花 : 「つかまえた!!!!!!!」

翠簾野 夕南 : 「──ち」

卜部影路 : ゴツン、と衝撃、というよりも火花が目の前で爆ぜる。

「ガッ――ぁ」

痛い、意味がわからない、とりあえずの抗議も込めて叫ぶ

謎の少女 : だが捕まえたのは、黒いフードを被ってなよなよしてたあれではない! いやちょっと待て!!!

東雲 亜梨花 : 「──あれ?」

卜部影路 : 「ふっ、ざけんな――!!!!!!!!!」

神々廻 京 : 「寝起きは元気なようで何よりですが、この状況は如何なさいますか?」

翠簾野 夕南 : 「亜梨花さん! 亜梨花さーん!? 違うね! それターゲット違うね!」

謎の少女 : ありちゃんへたくそくんの顔分からない!!!(致命的な問題)

明花あきる :
「そのナリでサッカー部のマネって────ああ、遅かったな……」

卜部影路 : 「んだてめぇ!!いきなり!!」

東雲 亜梨花 : 「あれぇ!? へたくそ君じゃない!?? 
 ごっ、あれっ、えっと」

翠簾野 夕南 : (いや、誰だそれ……!)

明花あきる :
「…………ずいぶんと寝ぼけたことのたまってるが、なァ夕南、ホントにあれがチルドレンか?」半目。

翠簾野 夕南 : 「チルドレンだよ!? "パペッター"のとこの有能なチルドレンって……」

卜部影路 : 間の抜けた声と、見当違い――他の奴らの反応からするに

困惑と怒りは、大差で怒りが勝利を収め、続く言葉に頭が精神的にも痛くなる。

「てめぇ……初対面で下手くそだと……言ってくれるじゃねぇか」

翠簾野 夕南 : 「……そうやって、うん、聞いてたンですケド……」

明花あきる :
「……有能ねェ。敵と味方を間違えてタックルかます奴が? 有能?」

東雲 亜梨花 : きょろきょろとあらためてあたりを見渡せば、
支部長……代理、と知らない人知らない人知らない人、もひとつおまけに知らない子。
それからしっかりと捕まえたまま固めた腕の中の人も──知らない人。

東雲 亜梨花 : 「ご、ごめんなさぁーーーい!!」

翠簾野 夕南 : 「……ほら、ちゃんと謝れるいい子だろ?」くるしまぎれ。

卜部影路 : 「とりあえず俺の上からどいてから謝れ!!!!!」

東雲 亜梨花 : 慌てて離れますシュバッ

明花あきる :
「……夕南、悪ィこと言わねェからよ。もう少し人材は選んだほうがイイぜ」

東雲 亜梨花 : 「あうあうあう、支部長代理、ちがうんですちがわないけど、本当にごめんなさぁい」

神々廻 京 :
「しかし逆に考えましょう。
 気絶する前に、何かを追っていたのでしょう。
 捕まえたと言うのですから、この事件に関わる者でしょうし。
 記憶に異常がないという点でははなまるをあげても良いのでは……ない……でしょうか……」

謎の少女 :
「ほら!ごめんなさいって言ってます……よ? おこるのはめ、です!」

東雲 亜梨花 : 「君も痛いとこない? 大丈夫? ぽっきりどっきりしてない?」

明花あきる :
「味方に大損害与えてる時点で赤点もいいとこだろうがよ」

翠簾野 夕南 : 「いや、有能なんだって、ほら素直! すなおは美徳だぞあき! そのへんは亜梨花を見習った方がいーかなと思うね、おれ!」

卜部影路 : 頭を抑えて痛みに顔をしかめたまま立ち上がり、吐き捨てる。

「そんだけ馬鹿やれるなら、特に怪我とかはねぇみてぇだな……強いて言うなら、頭が痛い、二重の意味でな」

東雲 亜梨花 : 「いやぁ今のは私が悪……誰ぇ!?」

明花あきる :
「燃やされたいか? 夕南」

翠簾野 夕南 : 「せめて終わってからにして!?」

明花あきる :
「……チッ、そうだ、そうだよ。私はコントやりにここにきたわけじゃねェんだ。
 チルドレンは起きたからいいとして……よかないが、いいとしてだ。あの女どうすんだよ」

東雲 亜梨花 : わっちゃわっちゃしてきた空気を横目にひとまず???ちゃんと目を合わせます。

翠簾野 夕南 : 「……そーね、ちょっとおれに状況整理させてくれるかな! ほら亜梨花、泥ついてるから拭いて拭いて」

卜部影路 : (……ああ、クソ、空気がしっちゃかめっちゃかだ)

東雲 亜梨花 : 「ヒン……はぁい」

翠簾野 夕南 : ぱちん、と二回手を叩いて。

謎の少女 :
「──あ、おはようございます。ええと、ええと、こういうときは……"使い手"(マスター)?」

 視線を合わせたありちゃんにはそう答えます。

翠簾野 夕南 : 「マスター!?」

神々廻 京 :
「亜梨花様、ホットレモンをお飲みになってください。落ち着きますよ」

魔法瓶からとくとくと

翠簾野 夕南 : 「用意周到だね!?」

明花あきる :
「どっから出したソレ!?」

卜部影路 : (…………)

思考を放棄している

東雲 亜梨花 : 「わぁい」
ひとまずお茶をうけとって一息つきます。ちょっとだけね。
それから

東雲 亜梨花 : 「マスター!?」

東雲 亜梨花 : 緩急のつけたリアクションでもうひと驚き。

明花あきる :
「テメェも知らねェのかよ……ったく、どうすんだよコレ。頭痛くなってきた」

翠簾野 夕南 : 「君もその反応なのね!?」

謎の少女 :
「"そうそう、状況整理よ。久々に外に出られたんだから"。
 ん、ぅ? ええと、わからないんですけど、言う通りに、自己紹介? わかりました、"朔"」

「私は望月、というらしいです。ええと、ええと……"にほんをへいわにするために"、偉い人達に創られました。
 ……で、いいんですか? 大丈夫? わぁい」

東雲 亜梨花 : 「はへぇ、へいわ。すごいねぇ」

神々廻 京 :
「にほんを」

翠簾野 夕南 : 「へいわに?」

卜部影路 : (とりあえず、落ち着くまで待つか……)

わちゃついている中心をチラ見して溜息をつく

謎の少女 : 「はい! "だいにほんていこく"を、へいわに、です!」

明花あきる :
「…………馬鹿にすんのも大概にしろつったとこで、大真面目なんだろうな」
 プロファイリングと熱感知。
 はあ。

翠簾野 夕南 : 「……大日本帝国!?」

神々廻 京 :
「───」

卜部影路 : (にしても、日本を平和にねぇ………ん?)

謎の少女 : 大真面目です。変な喋り方も、どうやら"朔"が用意した台本を読み上げてるだけみたいですね。

謎の少女 : 「……あの、どうしました?」 不安げに

卜部影路 : 「今、何を平和にするっつった?」

明花あきる :
「……いつの時代の話だよ。チッ、面倒なことに首を突っ込んじまった」

謎の少女 : 「? だいにほんていこく、です」

翠簾野 夕南 : 「………」

卜部影路 : 「――――」

あー……と空を見上げるように仰ぐ

神々廻 京 :
「……鬼畜米帝死すべし、などと言いながら、こんな可愛い子を作るはずもなし。
 とはいえ、この爆心地にいたのですから、妄言の類と切り捨てるのも、少し難しいでしょうか」

翠簾野 夕南 : (……「月の狂気」、大日本帝国、朔と望月、あの注連縄……)

東雲 亜梨花 : 「日本を? えっと望月ちゃん、だっけ。
 私がマスターって……マスターなの?」

明花あきる :
「……まァな。放置するのも気持ち悪ィ、かといって連れ帰るのも素直にゃ賛成できねェが……」

謎の少女 : 「はい。望月は、起きるときに、マスターを決めるそうです。って、朔が」

翠簾野 夕南 : 「……起きる……」

卜部影路 : 「名前が望月と朔で、大日本帝国……んでもって、この異変の一番の中心地にいたとなりゃ無関係とは思えねぇが……この調子だしな」

謎の少女 : ……さて、ここでありちゃん。

東雲 亜梨花 : GM!わたしこれ、しらないうちに望月ちゃんに愛着というか親近感というかぶっちゃけると守らねばという感情が

東雲 亜梨花 : あるのd……はひ

謎の少女 : Eロイス、《孤独の叫び》で取得したロイスの内容を開示します。そうだよそのとおり

明花あきる : 寝ぼけてた割に勘が鋭いなァ

翠簾野 夕南 : 「……そーね。あんまりそのまますぎて、逆に疑っちまうぐらいだ」

卜部影路 : 「あっ……っと、やっぱ夕南さんも、そう思うっスか?」

謎の少女 :
information!:Eロイス《孤独の叫び》(P134参照)が起動しました。
使用者:『???』
対象者:東雲亜梨花
効果:
①「???」に対するロイスを、庇護/遺志で取得してください。
②このロイスは現段階ではタイタス化不可です。
 表記上効果ではロイス取得制限も発生しますが、現段階では無視して構いません。

謎の少女 :

謎の少女 :
information!:Eロイス《孤独の叫び》(P134参照)が起動しました。
使用者:『???』
対象者:東雲亜梨花
効果:
①「”望月"」に対するロイスを、庇護/遺志で取得してください。
②このロイスは現段階ではタイタス化不可です。
 表記上効果ではロイス取得制限も発生しますが、現段階では無視して構いません。

翠簾野 夕南 : 「いーよ、タメ口で」

卜部影路 : 「いや、あの……はい、がんばります」

明花あきる :
「無理そォ」

翠簾野 夕南 : 「そのほうがアレか? じゃあ頑張って慣れよーな。がんばれ」

卜部影路 : 「…ッス」

あと、茶々入れてくるお前、たしかに無理だがお前には言われたくねぇ

謎の少女 :
 東雲亜梨花、あなたは混乱から醒めてくると、不思議と目の前の少女に対する情が湧いてきます。
 護らなければならない。目覚めきるか、あるいは──までは、非力なそれを守り通さねばならない。
 ・・
 遺志と呼ぶべきそれが、あなたの内側を支配します。

神々廻 京 :
「あの謎の声と関係アリ、か……」ぽつん

東雲 亜梨花 : 「う~~ん…………そっかぁ。
 私がマスターでいいの? 支部長みたいにくるくるできないけど。」

謎の少女 :
「? はい、大丈夫です! 朔が、この人ならって言ってました!」

東雲 亜梨花 : 「望月ちゃんもいいの?」

謎の少女 :
「私は、弱いですから。
 だから、朔がいいっていったひとなら、私も大丈夫です! よろしくおねがいします!」 ぺこり

東雲 亜梨花 : 「そっかぁ、うん。
 よくわかんないけど、あとで教えてもらえばいっか。
 よろしくね!」

東雲 亜梨花 : そういってから手を差し出すよ。握手の構え

翠簾野 夕南 : 「──ちょっと待って」

翠簾野 夕南 : 静かに双方の間に割り込みます。

明花あきる :
「…………オイオイ、ずいぶんと不用心だな?」

謎の少女 : 「はい!」あくしゅしようとして、手を止めます。きょとん、と首を傾げます

東雲 亜梨花 : a~

翠簾野 夕南 : 「ごめんな、亜梨花。気持ちはわかるけど、ちょっと待って」

翠簾野 夕南 : 「さすがにUGNとして、なによりこの子を預かってる人間として、突然現れた不審人物をそのまま保護するわけにもいかねーな。君はだれだ?」

謎の少女 : 「? ええと、望月は、望月です。だいにほんていこくをへいわにし、しょうりに導くために、創られました」 こくん、と示してくれと言われた通りに、望月は述べます。

東雲 亜梨花 : 「でも悪い子じゃないよ、たぶん。ほら自己紹介もできる」

おさゆく :

東雲 亜梨花 :

卜部影路 :
「ちょっと能天気が過ぎるだろうが……会って間もない奴にそこまで肩入れすんのは、馬鹿を通り越してあぶねぇ奴だろ」

東雲 亜梨花 : 「ウッ……ごもっとも」

東雲 亜梨花 : 「でも……ウゥ……なにこの……なに」

明花あきる :
「賛成だ。短絡すぎるんだよ、思考が。名前が言えりゃ善人か? そうでなくとも真夜中の山、そのさなかにガキが一人なんて尋常じゃねェんだ────あんなことがあった後じゃ、疑うのが当然ってモンだ」

東雲 亜梨花 : 「でも、なんとなく感じるもん。
 少なくとも、こうやって敵意バシバシで囲まなくても、
 お話はできるよ。……よろしくねはお預けだけど」

翠簾野 夕南 : 「そーね。見知らぬ女の子を保護しようとしたのは、ふつうなら正解だ」問題なければぽん、とありちゃんの頭に掌のっけてなでます。

神々廻 京 :
「まあ、明確に危険だ!というところもありませんからね……今のところは」

東雲 亜梨花 : あったけぇ……支部長に似てる

明花あきる :
「……チ。テメェも存外、能天気になったモンだな。鈍ったか? 夕南」

卜部影路 : (……コイツが単なる阿呆なのか、もしくは、コイツに『守らせてる』のか……敵意はねぇ、とは思うが、どうだろうな)

翠簾野 夕南 : 「言ったな? 純粋でいるのは大事だぞ? いや、ホントに」

翠簾野 夕南 : 「それに──ふつうなら、って言ったろ。ちょっと、今回は状況が別だ。"大日本帝国"と"月"なんて、あんまり単語が一致しすぎる」

卜部影路 : 「推定無罪つっても、どう見ても何かしら関わりはあるでしょうよ、この事件に……なら、少なくともUGNに着くまでは警戒するべきだろ」

東雲 亜梨花 : 「け、警戒ととげとげしさは必ずしも一緒じゃないもん!たぶん」

卜部影路 : 「無警戒と友好も必ずしも一緒じゃねーんだよ、馬鹿」

神々廻 京 :
「体裁という意味でも、逃げられない、あるいは何かしらの行動を起こせない状態にしておくべきだとは思いますが……どうしましょうかね」

東雲 亜梨花 : 「馬鹿っていった!」

謎の少女 : ちなみに、今の段階では、ゆーな支部長がすごみのある顔で聞いても、望月はおろおろとするばかりで、《プロファイリング》にも《熱感知知覚》にも引っかかりません。

明花あきる :
「……ハ。そこまで言うなら勝手にしろ、どうせ私はイリーガル、部外者だしな。テメェらのUGN支部が吹っ飛んだところで関知しねェよ」
 目を眇め、パン、と音を立てて扇子を閉じる。

卜部影路 : 「寝起きで人を押し倒すのが馬鹿じゃなきゃなんだよ」

東雲 亜梨花 : 「それはそう……ごめんなさい」

神々廻 京 :
「……そうでした、私もお嬢様と同じ立場にあります。いっけね」

翠簾野 夕南 : 「こらこら、拗ねねーの。……にしても」

明花あきる :
「拗ねてねーよ!」

翠簾野 夕南 : (いっけねって言ったね)

卜部影路 : 「…………………………それは置いといて、とりあえず、どうすっか」

翠簾野 夕南 : 「……ひとつだけ、教えてくれる? 望月とか言ったっけ」

謎の少女 : 「は、はい!」

翠簾野 夕南 :
 ・・・・・
「夜辺甚五郎って知ってる?」

明花あきる :
「(────────夜辺のジジイ)」

卜部影路 : ちらり、と楽しくおしゃべり(広義)をしていたあきると夕南の方を見やれば、なにやら夕南と望月と名乗った少女が大事そうな話をしている

謎の少女 : 「? ええと、朔、知ってます? ああ、朔が、懐かしいわねって言ってます!」

謎の少女 :

     ・・・・
「──夜辺お兄さんには、いい意味でも、悪い意味でも、世話にはなった、って!」

翠簾野 夕南 : 刀の柄を握った手の力が一瞬強くなります。

明花あきる :
「……………………は?」

謎の少女 : 「え、ええと、朔が、お兄さんがどうかしたの?って言ってます! ……?」

卜部影路 : (夜辺……ってーと、さっき夕南さんが言ってた、殺された凄いオーヴァード、か?)

東雲 亜梨花 : (神妙な顔で話を聞いている)

明花あきる :
「……夕南、ダメだ。知ってるってことは、逃せねェ。そうだろ」

翠簾野 夕南 :
     ・・・・・
「いまは、おじいさん、だ。うん、そーね」

東雲 亜梨花 :

謎の少女 : 「────は?」

謎の少女 :
「まって、待ちなさい、今、何年」

 動揺故か、望月の口調が明らかに変わった。
 否、もはやそれは"切り替わり"に等しい。

明花あきる :
「────────オイ。テメェ、"誰"だ?」

 プロファイリングと熱感知で、その切り替わりを探る。

卜部影路 : (このセリフ、現実で聞くことあるんだな……)

神々廻 京 : (ウラシマカワイコ……にしては……ちょっと不穏な空気ですね)

東雲 亜梨花 : せっかくなので卜部君の隣にスススと移動しておきます。神妙な顔で

翠簾野 夕南 : ススス

卜部影路 : スススススと半歩離れます

東雲 亜梨花 : 私はターンを機敏に感じ取れるすっごい知覚センスの持ち主

謎の少女 :
「────、───」

 あきるの言葉に、無意識に自分が"そうしていた"ことに気がついた。
 そして、考え込むようにしてから、自身を落ち着かせるように呼吸を整え、

「ごめん、抑えられなくなる前に、引っ込むから。あとはできるわね、"望月"」

謎の少女 :  

謎の少女 : 「あ、えっと、はい。おやすみなさい? 朔?」

明花あきる :
「…………今のが、テメェの言う"朔"って野郎か。『抑えられなくなる』なんざ、随分と物騒だな? テメェのオトモダチとやらはよ」

翠簾野 夕南 : 「……ちなみに。いまは、2021年だ」

翠簾野 夕南 : でいいよね

東雲 亜梨花 : おじいちゃん年の感覚が

翠簾野 夕南 : うらしまゆーなです

神々廻 京 : ウラシマイケメン……

明花あきる : ボケてんじゃねーよすっとこどっこい

神々廻 京 : ボケもできます、メイドなので

謎の少女 :
「ええと、朔がごめんなさい……?
 わ、2021ねんなんですね! 朔! ……朔?」

翠簾野 夕南 : (ボケ専じゃね?)

謎の少女 : 「……寝ちゃいました。ごめんなさい」

謎の少女 : ぺこ

東雲 亜梨花 : 「大丈夫?びっくりさせちゃったのかな」

神々廻 京 : 「拗ねたんじゃないですか?」

明花あきる :
「……ダンマリか。寝つきのいいこって」

翠簾野 夕南 : 「拗ねたってテンションだったかあ? ……しっかし」

謎の少女 : 「すごく驚いて、それからずっと考えて、キリないから寝るですって」

卜部影路 : (……ふて寝かよ)

東雲 亜梨花 : わかる~眠くなるよね

翠簾野 夕南 : ノイマン! しっかりしろノイマン!

明花あきる : 同じノイマンとか考えたくねェ……

東雲 亜梨花 : ハッわたしはかしこい!

卜部影路 : 馬鹿は悩みがなくてねつき良さそうだよな

東雲 亜梨花 : 「あ!またばかって!」

翠簾野 夕南 : 「………、…………、………」

卜部影路 : これは地の文だぜ

神々廻 京 :
「……おそらく、その『朔』にとっては衝撃的だったのでしょう。
 考えてキリがないと言うことは、まあ、色々あったのでしょうね? 双方のお話を聞く限りでは」

翠簾野 夕南 : 「……………んんんん~~~~~………!!!!」

明花あきる :
「……どうすンだよ、夕南。コレ。唸るな。うるせェ」

謎の少女 : 「それで、ええと、望月は、皆さんについていけばいいんでしょうか?」

神々廻 京 : 「ホットレモン、飲みますか? 夕南様」

東雲 亜梨花 : 「望月ちゃんはどうしたい?」

翠簾野 夕南 : 「…………、ダメだな、そうするしかなさそーだ。下手をして、別の誰かに回収される方が怖い」

翠簾野 夕南 : 「で、ホットレモンはもらっていい? さっきから気になってたんだよね」

謎の少女 : 「マスターがそれでいいなら、望月は大丈夫です!」

卜部影路 : (もうちょい、緊張感を………いや、良いのか……?)

明花あきる :
「貰うのかよ、テメェも大概だな! ……はあ。まあ、疲れた。これ以上はとやかく言わねェよ」

東雲 亜梨花 : 「??? あえっと、私がしてほしいことでいい、ってことかな?」

謎の少女 : 「はい!」

神々廻 京 :
「わたくし、キャリーバッグに物を詰め込むタイプでして」 お出ししながら

東雲 亜梨花 : おかわり!(サンプルボイス)

翠簾野 夕南 : 「なんでも出てきそ~、すげ~」

翠簾野 夕南 : 「……いや、そうじゃねー、ええと!」

明花あきる :
「感心してる場合か……」

卜部影路 : 「とりあえず、戻りますか……UGNに」

翠簾野 夕南 : 「だな。亜梨花、たしかおれら以外にもオーヴァードがいたんだよね」

卜部影路 : (ここまで走ってきたこと以上に疲れた顔をしている)

東雲 亜梨花 : 「あ! うん! その報告もしたいな。いろいろ、いろいろあって──っくしゅん!」

謎の少女 : クク、しっかりそこに触れたか。

翠簾野 夕南 : 「あーこら、あんなとこで寝てるから。ほい」自分の羽織り脱いでありちゃんにかぶせます。

謎の少女 : では、戻る前に<知覚>で全員振ってもらうとして……

明花あきる :
「報告になってねーっつー……まァでも、するにしたって山ン中でやるこたねェだろ」

謎の少女 : シークレットダイス ???

翠簾野 夕南 : 行くぜ!

明花あきる : ウワ怖

東雲 亜梨花 : じゃあ移動タ~ン前にもっち~に

翠簾野 夕南 : 1dx (1DX10) > 3[3] > 3

翠簾野 夕南 : はい。

謎の少女 : シークレットダイス ???

明花あきる : 夕南……

明花あきる : 1dx+1 (1DX10+1) > 1[1]+1 > 0 (ファンブル)

明花あきる : は?

卜部影路 : 2DX+1 (2DX10+1) > 7[3,7]+1 > 8

翠簾野 夕南 : あき……

卜部影路 : おい

明花あきる : 見んな!テメェ!燃やすぞ!

神々廻 京 : (1+0)dx+1 【感覚】<知覚> (1DX10+1) > 1[1]+1 > 0 (ファンブル)

謎の少女 : 探偵ィーーーッ!!!

明花あきる : メイド!?!?!?!?

卜部影路 : は?

謎の少女 : メイド!?

東雲 亜梨花 : わぁ

翠簾野 夕南 : メイド……

明花あきる : 助けろ夕南

東雲 亜梨花 : 振るの怖いな

翠簾野 夕南 : ままま ここには感覚9が

東雲 亜梨花 : 知覚知覚…

東雲 亜梨花 : あっやめ

明花あきる : フラグやめろ!

卜部影路 : 幾ら気を抜いてたからって、ちょっと気を抜き過ぎじゃねぇか……?

神々廻 京 : 主人と似ているのかもしれません

明花あきる : 勝手に!私を!テメェの主人にすんな!

東雲 亜梨花 : 9dx (9DX10) > 10[1,1,2,4,5,6,6,9,10]+10[10]+5[5] > 25

謎の少女 : ファッ

神々廻 京 : そんな! よよよ……

翠簾野 夕南 : 大回転なのよ

明花あきる : おいその数値よこせや!

神々廻 京 : すっごい回ってる

卜部影路 : 加減をしろ

卜部影路 : 全員の運を一人に収束させるな

東雲 亜梨花 : 全力!

神々廻 京 : これがデルタアクセルシンクロ

明花あきる : やっぱコイツ山おいてこうぜ?吸われてるンだよ私ら

翠簾野 夕南 : この結果は待て次回! な感じでよかか?

卜部影路 : 半だしな

謎の少女 : さ、さて

翠簾野 夕南 : でも捨て美少女は山に捨てると暗殺者に殺されてしまうよ

謎の少女 : 開示してマスターパート入れて待て次回します

翠簾野 夕南 : 待て次回!

明花あきる : まだだっつってんだステイ!夕南!

GM :

(卜部、亜梨花)
 この場にあった足跡は、あなた達と、東雲亜梨花のものを除けば"二つ"。

卜部影路 : 生き残った美少女だけを育てれば強い美少女が育つぜ

翠簾野 夕南 : シューン……

GM :

 一つ、慌てて駆け下りていったのか、隠す様子もなかったヘタクソくん。
 二つ、──巧妙に"偽装"された、年齢性別不明の足跡。

GM :
            ・・
 ……この事態を、誰かが観察していた。
 夕南達が駆けつける頃には立ち去っていたのか、山を下る以降の足跡は見えなくなっている。

GM :

 ……故に、それは、謎の少女との邂逅こそが、始まりにしか過ぎないことを意味していた──。

GM : ◇◆◇◆◇

<マスターパート>

GM :

<マスターパート>

GM :

『──それで、"覚醒"は順調なのでしょうか?』

GM :
 <──>は一人、秘匿回線を使用して情報を送り届けていた。
 今回、事態は大きく動いたのは間違いない。しかし、同時にこれは単なる定期報告である。
 故に声を上擦らせることも、憔悴の色を滲ませることも、あるいはその逆、余裕の色も何も無くありのままを伝えた。

「黒曜山の封印は解除されました。
 やはり仮説通り──が鍵であったようです」

『封印が緩んだところへ、異能(エフェクト)によるレネゲイドウイルスへの干渉。
 その刺激を受けたことで、──は無事この世に戻ってきた。ふふ、上手くいきすぎて怖いくらいです』

 からころと笑う女の瞳に、しかし色はない。
 そういう意味では似たもの同士だとは思う。
 思うだけで、共感を得ることはなかったが。

GM :
「……あの男も、あなたが手引したのですか?」
『まさか。ほんの少し、背中を押してあげただけです。万事全てが掌の上であるならば、"先代"も土の下にはいないでしょうから』

 今回の件は用意周到に仕組まれたように見せかけて、実のところはハッタリを利かせていた部分が多かった。
 要はアプローチの仕方の問題だ。材料がないならば、創らせればいい。レシピがあるなら、それに当て嵌めればいい。
 始まりと終わりさえわかっていれば、あとの過程を作るのは容易い。
 とはいえ──。

GM :
『ですから、今後も不安定要素によるイレギュラーは起きて然るべきです。
 UGNの娘に、例の覚醒個体が渡ったように』
「……それも含めての、今回の作戦でしょうか」

 当然の疑問に、しかし相手はにこりとほほえみかけて、当然のごとく言い放った。

『その通り。出来のいい答えで安心しました』

 当たり前である。必ず、イレギュラーは起きる。
 それも含めての長期作戦であると、部下に告げる女の態度には、傲岸不遜の四文字がありありと見てとれた。
 だが、それに見合う結果を出すのがこの女である。

GM :

 非道も、外道も、なんでも使う。
 自分にとって最高の丸い形に整形さえ出来るならば、全ての出来事を操ることも平然と行う。
 これはそういう女であり、

??? :

『引き続き、刺激と、監視を続けてください。私の可愛いコドモ──"──"』

GM :

 自分はそれの駒だ。

??? :

??? :

「──了解いたしました。"マスターマインド"」

GM :

 ──NEXT:Middle Phase

GM : 大変遅くなりました! 今日はここまでです!

翠簾野 夕南 : オツカレサマドスエ!

明花あきる : お疲れ様。どうなることかと思ったが……まァ

東雲 亜梨花 : おつかれさまです

GM : 次はミドルからです。明日もとい今日やります?

卜部影路 : おつかれ、とっとと寝な

卜部影路 : 俺は昼か夜なら出来るぜ

明花あきる : 構わねェぞ

神々廻 京 : いつでもどうぞ〜

翠簾野 夕南 : やれるぜ!

東雲 亜梨花 : 基本昼からはないと聞いていたのでいつでも大丈夫です

GM : とはいえ私仕事キメてるので……この調子だと望月連れ帰って聞くこと聞くとこからはじめた方がいいかな

東雲 亜梨花 : いっこいっこね、一応聞いておきたいことはいろいろありますます

神々廻 京 : お茶も出します。カツ丼も出します。

GM : よき。では、22:00から全員集合のミドルフェイズはじめませう。

翠簾野 夕南 : おけい!

神々廻 京 : はーい!

卜部影路 : 了解

東雲 亜梨花 : りょ!

明花あきる : 了解。それまでに情報まとめるかな……

卜部影路 : じゃあな、ゆっくり寝な

<ミドルフェイズ①/全員/Hello World>

GM :

<ミドルフェイズ①/Hello World>

GM :
シーンプレイヤー:全員(前回のシーンからの続き)

GM : というわけで侵蝕率ダイスを振ってください。

東雲 亜梨花 : は~い

翠簾野 夕南 : 1d10 (1D10) > 2

卜部影路 : 1d10 (1D10) > 4

翠簾野 夕南 : ヨシ!

明花あきる : 1d10 (1D10) > 1

東雲 亜梨花 : 1dx <シーン登場> (1DX10) > 8[8] > 8

明花あきる : めっちゃくちゃに落ち着いてるな……

system : [ 卜部影路 ] 侵蝕率 : 49 → 53

東雲 亜梨花 : 元気!

system : [ 明花あきる ] 侵蝕値 : 48 → 49

system : [ 翠簾野 夕南 ] 侵蝕率 : 53 → 55

system : [ 東雲 亜梨花 ] 侵食値 : 43 → 51

神々廻 京 : 1d10 (1D10) > 4

system : [ 神々廻 京 ] 侵食値 : 45 → 49

尾見俊樹 :

「──それで」

尾見俊樹 :
 事態を収拾し、一旦自分の部下に現場を任せ支部へと戻った尾見俊樹。
 支部長達が帰還したという報告もあったため、無事を確認するという意味合いもあった。
 あったのだが──。

尾見俊樹 :
「これは、一体、どういう状況ですか?」

 二十歳は越えているが、彼とてまだ若造。
 幼女! メイド! ゴシックロリータの女性! ──目の前に広がる光景をソラリスの幻覚で片付けてしまいたいほど、状況は混沌としていた。

東雲 亜梨花 : 「いっぱい拾った」

GM :
というわけで、あなた達は望月を連れ帰り、ブリーフィングルームにいます。

卜部影路 : (……こっちが聞きてぇ)

尾見俊樹 : 「いつからP市支部は迷子センターになったのですか?」

神々廻 京 : 「迷子じゃなくてメイドです」

system : [ 東雲 亜梨花 ] 侵食値 : 51 → 54

東雲 亜梨花 : (砂の加護分です)

明花あきる :
「迷子扱いすんなら別に、帰ってもいーんだぜ私はよ」

神々廻 京 : 「というわけで、神々廻京と申します。協力者です。よろしくお願いします」

翠簾野 夕南 : 「うん、なんというか、ほら」

尾見俊樹 :
「ああいえ、あなたはわかります。わかりますよええ。うん、はい、まぁ、ハイ……」

 尾見俊樹、23歳。彼女はいない。
 真面目一筋で生きてきた人間には、色々な意味で目に毒というのもまた事実。

明花あきる :
「……煮え切んねェ返事だなまた」

東雲 亜梨花 : (なんで微妙な空気なんだろね~)ともっち~と目を合わせて首傾げておきます。
保護だって立派なお仕事って支部長言ってた(ことにする)

神々廻 京 : 「家事代行サービスもやっておりますので、こちらもご検討を」つ名刺

卜部影路 : OP終わったし、各自ロイス振りてぇとこだけど……キリの良い所まで行ったら振る感じにするか

翠簾野 夕南 : そーね。

翠簾野 夕南 : 「わあ、この状況でも営業を忘れない精神」

明花あきる :
「案外商魂逞しいよな、オマエ……」

尾見俊樹 : 「あ、はい、どうも。ご丁寧に……」(流石にそこは査察部のエージェント。慣れた手付きで名刺を受け取り、自分のも渡します)

翠簾野 夕南 :

望月 : 「? 楽しそうだなって望月は思います!」・ワ・

卜部影路 : (なんでこの馬鹿は他人事みたいに聞き流してるんだ……?)

神々廻 京 : 「メイドなので」

東雲 亜梨花 : 「確かに!」(*'▽')

翠簾野 夕南 : 「……待って、うん、収拾つかないね! 俊樹も流されてどーする!」

明花あきる :
「夕南、オマエがまとめろよコレ」

尾見俊樹 : 「──じゃあなくて! ええ、そうですよ! ええ!」

卜部影路 : 「とりあえず、なんかこう、ミーティングするところとかないんスか?」

明花あきる :
「それがココなんじゃねェの。何度か使ったことがある、ブリーフィングルームだろココ」

東雲 亜梨花 : 「ここつかっていいの?」

翠簾野 夕南 : 「あ。うん、そう。甚さん──前任の趣味でこーなってるんだ」

神々廻 京 : ロイス了解! >卜部様

尾見俊樹 :
「支部長! 説明を求めます! 探偵なら土地柄でまだ通せるものを、幾らなんでも勝手に女中(メイド)を雇いましたなんて不明瞭な支出、本部に通せるわけがないでしょう!」

「大体その子は保護対象者ですか!? さも当然のように拾ってきましたけど!」

神々廻 京 : 「い゛ぇー! 派遣メイドっていう仕事なんですけども!」

明花あきる :
「おォ、綺麗にパニクってんなァアイツ。かわいそ~に」
 まあメイドについては私が拾ったんだが。

東雲 亜梨花 : 派遣メイド……最近の派遣はすごいなぁ

卜部影路 : (勝手についてきただけなら、クーリングオフできそうだけどな……)

望月 : (あれがメイド……メイドってなんでしょう……)・ワ・?

東雲 亜梨花 : (メイドさんみてたらたぶんわかるよ、私もよくわかんないけど)コソコソ

翠簾野 夕南 :
「あっちのメイドさんはイリーガル! あき──うちでたまに頼ってるイリーガルが一緒に拾ってきてて、状況確認はまだ!
 こっちの少女はー、あー」
 

卜部影路 : 「……」

ためらいがちに挙手して、混沌とした場で存在を主張する。というか、そうでもしないと影が薄い自分は忘れ去られてしまいそうだ。

「……とりあえず、自己紹介してもらって良いっスか?夕南さんに全員解説してもらうってのも、夕南さん大変だろうし」

卜部影路 : かぶったな、ちょい待ってくれ

翠簾野 夕南 : おけ。

卜部影路 : (といったものの、最初に自己紹介するのもハードルが高いので夕南さんをちらっと見る)

翠簾野 夕南 : 「や、やさしさが胸に沁みる………………」

翠簾野 夕南 : よよよ。

東雲 亜梨花 : よかったねぇ

明花あきる :
「(……アイツ、アレで本当に支部長やれてんのか?)」
 という目で夕南を見ている。

卜部影路 : (夕南さんも、乗っかるからこんな混沌が加速してるんじゃあ……)

翠簾野 夕南 : 「や、ほんと助かる。ありがとな影路──えーと、そーね」

翠簾野 夕南 :

翠簾野 夕南 :
「夜中に会った組にはもう言ったけど、翠簾野夕南です。
 このP市で、ほんの数か月前に支部長を引き継ぎました。そんなわけで、よろしくな」

東雲 亜梨花 : わ~って感じで拍手をするよ

望月 : じゃあそれにあわせてひよこもわーって拍手します

翠簾野 夕南 : 「すげーな、スクールの自己紹介かこれ?」

東雲 亜梨花 : わ~

明花あきる :
 呑気だなコイツら、という目でノーリアクション。

卜部影路 : (緊張感を持てとは言わねぇが、なんでこんなノリなんだ……)
とちらっと拍手してる二人を見て、溜息をちいさく吐きます

翠簾野 夕南 :
「うちは今、前任の死亡の関係でかなりごたついててね。
 くわえてさっきのお山の件みたいな異常事態も発生してて人手が足りなくってさ、そんなわけで外部からふたりほど借りて来てる」

翠簾野 夕南 : 「そんなもんだから、正直あきと神々廻さんにも協力してもらえるととっても助かるんだけど。それは自己紹介が終わってからの交渉にするか」

翠簾野 夕南 : 「ってことで、おれはこれでいいか。亜梨花、次は頼んでいい?」

東雲 亜梨花 : 「は~い!」

翠簾野 夕南 : あ、一応盗聴対策に《地獄耳》焚いておく。

尾見俊樹 : ぬかりねぇ。《地獄耳》に引っかかるものはいません

神々廻 京 : 尾見さんに紅茶の類がないか聞いておこう(枠外の話)

東雲 亜梨花 : 「さっきは助けに来てくれてありがとうございました。
わたしはT市支部からこっちに応援に来てるうちの一人で、東雲亜梨花っていいます。

得意なことは探し物とか潜入とか! でも一番は戦うことだから何かあったら私にもいってくれると嬉しいな。

それと、これは後で詳しく話したいけど、望月ちゃんのマスターみたいです。
よろしくね」

翠簾野 夕南 : 「マスターって、マジでなんなんだろうな……」ありがとね、と言いつつ。

東雲 亜梨花 : といったところで小さく頭を下げて締め!

明花あきる :
「(……随分と自然に受け入れてやがンな、あの女。単に馬鹿なのか……それとも)」

卜部影路 : (結局そこなんだよな……マスターってなんだよ)

卜部影路 : じゃあ次、ということでおずおずと手を挙げよう

翠簾野 夕南 : サムズアップ。

翠簾野 夕南 : がんばれの意。

東雲 亜梨花 : 真似しとこ b

望月 :
「アリカは、マスターです! 
 ええと……ちゃんと独り立ちできるようになるまで守ってもらいつつ、がんばります! ──言うとおりに読んだよ、え、うん、えらい? えへへ」

 えっへん。

明花あきる :
「…………、…………」
 まだ警戒は解き切っていない。

東雲 亜梨花 : えら~い

翠簾野 夕南 : (その"独り立ち"っていうのが、果てしなく懸念材料なんだよな……)

卜部影路 : 「あー……え、っと、さっき夕南さんが言ってた、協力者のもう片方、卜部影路、です」

サムズアップする二人を、半目で見つつ、言葉を選びながら続ける。

「一応、まだ正式なエージェントってわけではないんスけど、この事件の調査協力として派遣されて、来ました」

そこの猪娘やクチの悪いゴスロリ、良くわからんメイドや、謎少女よりはまともだと思う、という言葉を呑み込んで、

「まあ、力になれるよう頑張ります」

東雲 亜梨花 : 「よろしくね影路くん」
わ~っと拍手

望月 : 同じくわ~っと

卜部影路 : 「……つーわけで、次、そこのゴスロリ」

拍手を意識的にスルー、話をすすめてくれと、視線であきちゃんに自己紹介を振る

明花あきる :
「(本当になりたて、ってことなんだろうな、コイツ。アテになるかは分からんが……まァ)」

 視線を真っ直ぐに受け止めて、ン、と小さく返す。

神々廻 京 : すっすっと紅茶を淹れては置いていく

卜部影路 : ズズ…

東雲 亜梨花 : 「ありがとうございま~す」

東雲 亜梨花 : 望月ちゃんにはやけどしないようにフーフーするように言っておこう

東雲 亜梨花 : 私もする。

翠簾野 夕南 : 「インスタントの紅茶でよくこの味が出せるな~」感心。

東雲 亜梨花 : あったまる~

卜部影路 : (ここは託児所じゃねーんだぞ)

と思ったけど、あついので自分もふーふーしています

明花あきる :
 レースの黒手袋に覆われたたおやかな手が、「パン」という小気味の良い音を立てて扇子を開き、口元を覆う。
 黒髪の中に映えるグラデーションの鮮やか、挿し色の深い青が、顎をついと差し上げた拍子にさらりと流れた。小さな耳を飾る派手なクロスのピアスが、きらりと灯りを反射する。

 蒼氷の澄んだ瞳が、齢とは対照的に堂々と一同を睥睨した。

明花あきる :
                        ミス・ミリオンダラー
「────私は明花あきる、探偵だ。UGN連中にゃ《乱れ舞え纏華の焔》の方が通りがイイか?
 先代、夜辺のジジイには世話ンなったってのもあるし……まァ、レネゲイド絡みの事件に巻き込まれることも多々あったんでな。何度か、イリーガルとして依頼を引き受けてやってる」

明花あきる :
「今は別の依頼を受けてて、その件で夕南に繋ぎを取ろうと思ってたところだったんだが……まさか、こんな面倒そうな事態になるたァな」

 嘆息一つ。
 しかし────開いた扇子を「パン!」と閉じて、慎ましやかな口元がにぃ、と笑みを刻んだ。

明花あきる :
「────けどまァ、結局のところは金次第だな。夕南が『出す』っつゥんなら、正式に依頼として受けてやる。
 こっちで抱えてる依頼とも、どうやら関係ありそうだしな……それに、夜辺のジジイが絡んでンなら、知らん振りもできねェ」

明花あきる :
「ま、そんなトコだ。次、神々廻」

東雲 亜梨花 : ひゃ~かっこいい。
気おされて控えめに拍手します。

東雲 亜梨花 : わ~

神々廻 京 : 「かしこまりました」

卜部影路 : (素直に一枚噛みたいなら一枚噛みたいって言やいいのによ……)

翠簾野 夕南 : (素直じゃないんだよなあ)あたたかい目。

明花あきる :
「……ンだよその目はよ。文句あっか夕南」ぎろり。

翠簾野 夕南 : 「ナンデモナイデース」

明花あきる :
「……チッ」

望月 : 望月ちゃんはふーふーしつつ紅茶を呑み、そしてありちゃんにつられて控えめな拍手

東雲 亜梨花 : ひな鳥~

東雲 亜梨花 : ふたりでおいしいねぇあったまるねぇと話しておきます

卜部影路 : (ミルクと砂糖はねぇもんかな……不味くはないけど)

明花あきる :
 音を立てず、静かで整った挙措で紅茶を一口含む。

東雲 亜梨花 : あ、じゃあ尾身さんに「牛乳みたいなぷちっとするやつありますか?」って聞いちゃおう

東雲 亜梨花 : 主目的はもっち~に味変を教えるためだよ

神々廻 京 :
「神々廻京(シシベ・ミヤコ)と申します。
 見ての通り、メイドでございます。
 神々廻家事代行サービスを営んでおります。言わば、カジタクというやつですね。

 【夜明けの風来坊(アルモニカ・オーブ)】……と、呼ばれているらしいです。わたくし、最近知りました。」

尾見俊樹 : 「ありますよ」 奥の方から取ってきます。

翠簾野 夕南 : 食べ合わせ悪いけど自分の秘蔵のおせんべいなど出します。

神々廻 京 :
「その本業の傍ら、この通りオーヴァードとしての力を駆使したボディーガードも引き受けております。
 まあ、ここに関しては名ばかりで、どちらかと言えばなんでも屋というところなのですが。」

神々廻 京 :
「本業を終えた夜に今回の一件に遭遇した訳で、その時に出会いましたあきるお嬢様についていく形でここへ。

 無辜の市民を巻き込んでいる以上、わたくし自身がそれを見逃すことはできないのです。
 ですので、協力させていただければと思います」

卜部影路 : あ、俺もください…と小さく手を上げてミルクをもらう

東雲 亜梨花 : ! 市民にも被害もう出てるんだ

翠簾野 夕南 : 「正直、助かるよ。うちもさっき言った通りの状況でさ」

明花あきる :
 茶会に来たわけじゃねェんだがな……と思いつつ、自分が引き入れてきた手前、京にこくりと一つ頷きかける。御苦労とでも言いたげ。

東雲 亜梨花 : それはよくないことだね、とおもいつつ
「よろしくおねがいします!」とぱちぱち拍手をするよ

神々廻 京 :
「猫の手も借りたいという状況でしょう? わたくしの手でよろしければ、喜んで。
 ついでと言ってはなんですが、このように紅茶などもお出しいたしますので」

翠簾野 夕南 : 「…………メイドさんのレンタル代、って、やっぱり追加料金?」

神々廻 京 :
「ふむ……普段なら頂くところですが。
 まあ、これに関してはオフレコでいてほしいのですけども」

神々廻 京 :
「わたくしの家事代行、およびボディーガードは、わたくしの方から金額は提示いたしません。
 依頼者の方の満足度で、依頼者自身に判断していたく形になっております。
 ですので、夕南様がお金を支払うべきだと感じましたら、その時はお願いいたしますね?」

翠簾野 夕南 : 「ぐッ」笑顔がひきつった。

尾見俊樹 :
「……一先ず、事情はわかりました。取り乱したことは、謝罪します。
 なにぶん通常の任務とは違い、突然の災害のようなものですから、こういうこともありうるでしょう」

 ……共通して言えることは、全員が双子の月を見て集ったということだけ。
 裏を返せば避難所に集った、パーソナリティーも何もかも違う者たちとしてくくるしかない。
 全員の素性(ジジョウ)を知った尾見は、最後に「P市支部の尾見俊樹です。普段はここの学習塾で事務として働いています」と述べたあと、ちらりと望月をみやった。

「──結論だけ言えば、市中のオーヴァード暴走事案は鎮圧しました。
 幸いにして、一般人に被害はありません。我々の方で把握していたイリーガルのジャーム化による破壊被害が複数」

卜部影路 : (それ、採算取れてんのか……?)

尾見俊樹 :
「体感としては、……僕個人もですが、時間が経つにつれてあの重苦しい雰囲気と、声が消えていったように思えます。
 それと同時に、異変は収まり、あの双子月も消えました。集団ヒステリー、あるいは特殊な天体現象として、後日カバーストーリーを敷く手はずとなっております」

神々廻 京 :
「このご時世、金額次第じゃ「じゃあいいや」って言う方ばかりなのです。かなしい。メイドかなしい。よよよ」

東雲 亜梨花 : (ほっ)暴走事件の単語を聞いて顔を青くして、利被害がなかった話を聞いて安堵するよ。

翠簾野 夕南 : 「………やっぱり、最近起こってた暴走事件のおおもとはあの声なんだろうな」顔をしかめる。

卜部影路 :        ・・・
(逆に言えば、今回はってだけなんだよな……)

東雲 亜梨花 : 「あの、ジャームになった人たちは?」

卜部影路 : 「どっかにある、収容施設でおねんねだろ、治療法がまだ見つかってねぇんだから」

明花あきる :
「……あの双子月は、オーヴァード以外からも確認できた事象かどうか、分かるか? 尾身」

神々廻 京 : (写真撮る前でよかった……)

東雲 亜梨花 : 「そっか、そうだよね……ジャーム化そのものは私たちがしってるものと一緒なんだね」

尾見俊樹 :
「はい。双子月そのものは、以前から黒曜山に伝わる都市伝説として流布していたようです。
 その特性から察するに、恐らくレネゲイドウイルスに対しある程度適応出来る人間が見る、一種の幻覚か、別世界のようなものでしょう」

尾見俊樹 :
「ただ、今回はそれが"山に入っていない一般人の目"にも触れることとなった」

「……そして、ジャーム達が口走る、"えいれい""てんのうへいかばんざい""べいえいしすべし"、といった、時代錯誤の言動。これが、今回起きた暴走事件の特徴です」

翠簾野 夕南 : 「情報は貰ってる。協力要請もしてたイリーガルもちらほらいたんだよな……ほんと参ったよ」頭を掻く。

東雲 亜梨花 : (この間に卜部君つついて寝てる間になにがあったか聞いておくことにしよう。)

明花あきる :
「……そうなるとあの時間、この地域一帯の何処からでも観測できた、っつーのが自然な見方か。
 原因にアタリは?」

神々廻 京 : 「ドイツの少年じゃないんだから……」

卜部影路 : (やめ…やめろ……あとで説明すっから……)

東雲 亜梨花 : 「万歳……?」

翠簾野 夕南 : 「ライトノベルみたいな話だろ? ……だけど、この支部でならそうファンタジーじゃないんだよね」

卜部影路 : と言いつつも、小声でOPの経緯とあったことをボソボソ説明します

東雲 亜梨花 : 副音声解説助かる~

尾見俊樹 :
「現在調査中ゆえに、僕の方からは何も申し上げることが出来ません」

 ……恐らく、六年の付き合いがあった側近であっても知らされていなかったことなのだろう。

「以前から、このような暴走事案は起きていましたが、ここまでハッキリと"異常"だと分かるのは、今回が初めてです」

 そして、そういった暴走事案を、夜辺甚五郎が片付けていたことも然り、だ。

明花あきる :
元々市に住んでいる私は、度々起こるこの暴走事案について知っていてもいいか?それとも知らない?

尾見俊樹 : 知っていていいこととしましょう。それがUGNによって、自然な事故としてカバーストーリーを被せられていることも。

明花あきる :
OK。そういう事件があって、UGNが隠蔽していることまで把握していると。
じゃあ、今まで私はその影響を受けてなかったってことだな?

尾見俊樹 : イエス。衝動判定から察する通り、自我の弱いオーヴァード、あるいはたまたま呑まれたアワレな被害者がジャーム化していました。

翠簾野 夕南 : 「だけど、今回は明確に見える形で異変が現れた……か。亜梨花、確かオーヴァードじゃない一般人がそのことを調べに行っていたんだよね?」

明花あきる :
……成程。これまでのものは、少なくとも私にとっては異変とはカウントできないくらいには弱いものだったわけだな

尾見俊樹 : メタ的に言えば、今までだと<意志>判定難易度が1~3だったりしたのが、今回は突然<意志>判定難易度が7になったことです。

翠簾野 夕南 : ほほー。

明花あきる :
分かりやすくて助かる。

神々廻 京 : なるほどね

明花あきる :
「……そういう現象が起きていて、その度にオマエらが情報操作してることは私も把握してる。が、正確なトコまでは聞いちゃいないんでな……その現象が起き始めたのはいつからだ?」

尾見俊樹 : だから、アワレにもダイスの女神が微笑まなかった一般オーヴァードが、どこからか降り注ぐなにかにアテられてジャーム化……というのが、"今回"との違いでした。

尾見俊樹 :
「僕が把握しているかぎりでは、少なくともこの市に派遣されてきてからです。つまりは、最低でも六年か、もっといえばそれ以上です」

翠簾野 夕南 : あー 冬将軍さんが共同であたってたのってそれか?

明花あきる :
「……それ以前については、遡ってみなきゃわからん、ってところか」

尾見俊樹 : そのことに関しては別のアプローチがいるぜ。今は解答しません>冬将軍との共同

翠簾野 夕南 : おけ。

明花あきる :
ジジイ絡みなら、情報共有後に私も噛ませろ。多分そのほうが話が進むだろ

翠簾野 夕南 : 「おれも、こっちに戻ってくるまでのことはあんまり詳しくねんだよな──この件については甚さんがひとりで当たってたんだ」

翠簾野 夕南 : 「んで、その手がかりになる手帳もあの人が殺された時に盗み出されてる。周到だね」

尾見俊樹 : ただ、今までは甚五郎一人で当たり、そして査察部所属の尾見くんも警戒しつつも問題視しなかったほどには、何も起きていませんでした。

翠簾野 夕南 : そうね。

明花あきる :
「……夜辺のジジイの手帳が?」

明花あきる :
というかアレだ、夜辺のジジイの死因は公開されている?

明花あきる :
懇意にしてもらっていたわけだし、私は把握していてもおかしくないんじゃねェかと思ったんだが

卜部影路 : (ここら辺なんもわかんねぇ……あとで聞いとくか……聞いて良いのか?なんつーかこう、知り合いだったっぽいし、踏み込みすぎることになるんじゃ……でも任務だしな……どうすっかな……)

翠簾野 夕南 : 「……その話はあとにしよう。いまは状況の理解の方が優先だ。いーよね、あき」

東雲 亜梨花 : 「暴走事件が起こったのって、八時過ぎたころなんですよね……ん~もしかしたら……。

明花あきる :
「……ン。進めろ、夕南」こくりと頷く。

尾見俊樹 :
そうね。
いつまでも隠し通せることではないし、知っていてもおかしくないだろう。刺殺だ。

明花あきる :
OK。死因は把握していると。遺言とかは……流石に知らねェか

東雲 亜梨花 : 「今日私が山にいたのはもともと、生徒会長と一緒に双子月のうわさを確かめに行く生徒さんがいないか見回りに行ってたんだよね。そしたら

翠簾野 夕南 : おれは俊樹にしか話してないと思います。

明花あきる :
了解。

卜部影路 : (知らなかったとは言え、あぶねぇことを……)

卜部影路 : (つーか、その生徒会長ってのは巻き込まれてねぇのか……?慌ててねぇところを見ると大丈夫なのか……)

神々廻 京 : 「生徒会長?」

翠簾野 夕南 : 「獅童糸香って生徒。このあたりだとけっこう有名人だな。やり手とかって話だったけど、危険に首を突っ込むぐらいだとは思わなかったな」

明花あきる :
「……また無謀なことを。ソイツは参考人として呼べねェか? 何か見てるかもしんねェし」

尾見俊樹 :
「ああ、彼女なら、ウチの学習塾にも来てくださっております。講師のアルバイトで、評判も高いとのことでした」

卜部影路 : そしたらどうなのか、を聞いてから突っ込もう

卜部影路 : 俺は

東雲 亜梨花 : という感じでつたないエフェクトの痕跡を見つけたこと、追い掛けている途中で会長とはぐれたこと、その時の深みにはまるような違和感、おいかけたへたくそ君が秘跡をエンジェルハイロゥのエフェクトで打ち抜こうとしていたこと、それを防いで捕まえようとしたときに碑石が破壊され「聞いてない」「なんで選ばれないんだ/そいつが選ばれたんだ」といったことをわめく程度にうろたえていたこと、その時に聞いた幻聴と心理的な変化……もろもろを端的に伝えます。ここで経緯の共有だ

翠簾野 夕南 : 「………んー」腕を組んで考え込む。

卜部影路 : 「これまでも、これからも、それくらい真面目に話てくれ……」

神々廻 京 : 「選ばれた、選ばれない……」

明花あきる :
「────エンジェルハイロゥ? ダメ元だが……ソイツ、ブラックドッグのエフェクトも持ってたりしなかったか?」

東雲 亜梨花 : 端的‼端的!仕事モードだよ!

翠簾野 夕南 : さらさらっと持ってきたメモに亜梨花から受けた情報を書きつける。

東雲 亜梨花 : 「ううん、私がわかった範囲ではエンジェルハイロぅの痕跡だけ。山を下りるときにも逃げてった跡がよく分かったよ──あ」

翠簾野 夕南 : 「ん」

卜部影路 : 「ああ、そうだな……その話だとおかしなことが一つある」

東雲 亜梨花 : 卜部君にまかせるよ

卜部影路 : いや、話したくないぜ

東雲 亜梨花 : かしこいせつめいしてくれるんだろ~~な~~~

卜部影路 : (意外と見てるところは見てるんだな……)
と軽い驚きを以てチラチラ見ます

尾見俊樹 : かしこさのたねをたべな

東雲 亜梨花 : 「影路くんも見つけた⁇ 降りるときに『きれいに隠してた方の痕跡』」

翠簾野 夕南 : 「きれいに隠してた方? 音なら拾えてたんだけど、そっちかあ」

明花あきる :
「……痕跡が、二つあったってことか?」

卜部影路 : 「二つ俺たち以外の足跡があって……一つは、お前――あー、東雲が言ってた方のフードの奴だな、んで、もう一つ、こっちは今までの話には出てきてねぇ」

卜部影路 : つまりは、と言葉を区切って、

「あそこに、少なくとももうひとりいた。しかもそいつは、そのフードとは違って多少出来るやつだ」

神々廻 京 : 「……なるほど、仮定するならば「X」、第三の人物がそこにいたと」

翠簾野 夕南 : 「容疑者Xてやつか。すげーな、探偵ぽい」

東雲 亜梨花 : 「うん。そうみたい。ここまでの私の説明で気になることあるかな」

明花あきる :
「……キナくせェな。まさか真夜中の山にハイキング、なんて酔狂な奴もいねェだろうし……あのタイミングを狙って、か?」

明花あきる :
「探偵は私だっつの」

卜部影路 : (でも探偵なのに気付いてなかったみてぇだけどな?って言ったらめんどくさいことになるから言わないでおこう)

東雲 亜梨花 : 「言ってもらえれば多分思い出せるから」

翠簾野 夕南 : 「うん、すげーわかりやすかった。ありがとな、亜梨花」わしゃわしゃ。

神々廻 京 : 「お嬢様の立場を奪いかけました。お許しください。てへ」

卜部影路 : 生暖かい目をこっそりあきちゃんに向けている

東雲 亜梨花 : へへ~

明花あきる :
「……別に怒っちゃいねェ。どうでもイイ。……ンだその目は、卜部」

東雲 亜梨花 : 「へたくそくん追い掛けてるときが一番怖かったなぁ神社のしめ縄もごつかったし」

卜部影路 : 「は?言いがかりと難癖はやめてくれよ『めい』探偵さん」

翠簾野 夕南 : 「ところで、亜梨花。生徒会長さんの安否は確認できてる? まだなら、外のエージェントに一声かけとくよ」

東雲 亜梨花 : 「……」

卜部影路 : 「注連縄……」

東雲 亜梨花 : 「あ゛ー!!????」

神々廻 京 :
(……亜梨花様には申し訳ないが、この「X」が生徒会長である可能性が無くはないかと思うのだけど─)

翠簾野 夕南 : 「マジか……」

明花あきる :
「……いや忘れンなや」呆れ。

東雲 亜梨花 : 「あれっあってない?ほご、あっあっ」

翠簾野 夕南 : ぴぴっと慌てて動けるエージェントに連絡とります。

東雲 亜梨花 : 「支部長代理ぃ~~~」

神々廻 京 : 「メイド見てねっス」

東雲 亜梨花 : 「メイドさん~~~」

明花あきる :
「生きてンなら、参考人招致といきたいとこだがな……」

翠簾野 夕南 : 「いっぱいいっぱいだったもんね、しゃーねーわな……」

卜部影路 : (……やっぱアホなのか?)

東雲 亜梨花 : (私は怪しい人物を逃がした上に同行者の安否確認を忘れていましたの札を下げて正座しておくよ)

尾見俊樹 : ガワ決めてないな。適当に出します

東雲 亜梨花 : 「で……それから……おきたら望月ちゃんとみんなが…いました」

明花あきる :
「そう、ソレだ。その望月って女」

神々廻 京 :
「……しかし。
 『双子月のうわさ』と、それを確かめようとした生徒会長……ですか。
 亜梨花様がいなければ、彼女は一人で調べるつもりだったのでしょうか」

翠簾野 夕南 : 「そーね、そこはちょっと気になる。無事が確認できた後、今後もそうするつもりならしばらくマークしとかないとだ」

東雲 亜梨花 : 「う~~ん、それはどうかな。あくまで噂を調べるというより、生徒さんの夜遊びを心配してるって感じだったよ。話してくれた時はね」

明花あきる :
「確認するが。オマエが気を喪う前、その場にソイツはいなかったんだな?」

東雲 亜梨花 : 「私が一緒に見に行く?ってきいたらやんわりことわられたもん」

エージェント : じゃあ支部長の連絡を受けて、「了解だ!周辺を捜索する!」と返ってきます。

神々廻 京 : >><<

東雲 亜梨花 : 「うん。私が前を見てへたくそくんを追い掛けてて、会長は後ろを見てるって言ってくれてたから、お願いしてたんだけど、気が付いたらいなくなってた。」

翠簾野 夕南 : 「ありがと。思い出の一品持った? くれぐれも気をつけてな──」

翠簾野 夕南 : ぴっ。

東雲 亜梨花 : 「もしいなくなったふりして隠れてたならちょっとわからないな」

卜部影路 : 「……まあ、とりあえず、その生徒会長ってのが見つかればなんか分かるかもしんねぇわけだ」

生死やどんな状態になっているかは置いておいて、だが

東雲 亜梨花 : 「ウッウッ会長~……」

卜部影路 :   ・・・・・・
逆に見つからないということになれば、一気にきな臭くなるわけだが……

GM : 前線に出るタイプのエージェントで普段は教会のシスター。帰化したイギリス人夫婦の娘で、夜辺の教え子のレベッカ・ウィーンだぜ(今考えた)

明花あきる :
「後ろを見てる……ね。シロクロ怪しいとこだが……正直、その生徒会長とやらはともかく。
 私としては、そこの女についても聞きたいトコだな」
 望月をじろりと見つめつつ。

翠簾野 夕南 : レベッカ!

東雲 亜梨花 : ピエ……望月ちゃんの手を握っとこ

東雲 亜梨花 : キュッ

明花あきる :
「……東雲。オマエが気を喪う前、ソイツは確かにいなかったんだな?」

望月 : 「?」 握っておきます

東雲 亜梨花 : 「うん。そっちも本当。望月ちゃんが起きたときには私倒れてた?」

東雲 亜梨花 : 望月ちゃんにも確認するよ

望月 : 「はい。マスターはわたしの目の前で、倒れてました」(こくん)

明花あきる :
 沈思し、ぴ、と閉じた扇子の先を望月に差し向ける。

「……正直、東雲のその入れ込みよう、単にソイツが馬鹿だってだけじゃ納得がいかねェんだよ。
         ・・・ ・・・・・・・・・
 望月とやら────オマエ、コイツに何かしたか?」

望月 : 「?」 ・ワ・? ──"望月"は何も知らないようだ。

東雲 亜梨花 : 「朔ちゃんはなにかしってるかな、まだねてる?」

望月 : 「"朔"は……さくー、さくー? ───答えてくれません(´・ω・`)」

東雲 亜梨花 : 「そっかぁ(´・ω・`)」

翠簾野 夕南 : 「……この子はともかく、"朔"は……何か知ってそうだね」

明花あきる :
「……どうだかな。『寝てると答えろ』って言われたって可能性もねェわけじゃねェんだが」

神々廻 京 :
「……困りましたね。
 お嬢様の仰る通りかもしれませんし」

東雲 亜梨花 : 「そうなの!?」

明花あきる :
「なんせ、テメェは”朔”とやらのオトモダチなんだろ?
 オトモダチの頼み事は聞く、ってのが通例みたいだからなァ、この世界じゃ」

卜部影路 : 「本当なら、自白でも洗脳でもなんでもするべきなんだろうけどな……」

神々廻 京 :
「現時点では、『朔』から情報を引き出すのは難しいかと思われます」

東雲 亜梨花 : あわわわ

東雲 亜梨花 : そっと望月ちゃんを背にかばうよ

東雲 亜梨花 : なんにもないったら

神々廻 京 :
「『望月』がこの状態ですと、彼女からも情報を引き出すのも難しいでしょうね。
 一番怪しい人物が、知らない語らないというのは……大変もどかしいですが」

明花あきる :
「……本心としちゃ、私も卜部に賛成だ。キナくさすぎる。
 が、ンな乱暴な手段、そこの男が許しゃしねェだろうよ」
 夕南をちらり。

卜部影路 : 「……とりあえず、東雲には協力的みてぇだし、東雲が見張るってことでいいんじゃねぇかな」

望月 : 「? なんども呼びかけてるんですけど、朔はだんまりです」

翠簾野 夕南 : 頭ぽりぽり掻いて考え込んでます。

卜部影路 : どうでしょう?問感じに夕南さん見ます

明花あきる :
「東雲が丸め込まれる可能性だってあるぜ? 引き離しとくべきだ」

東雲 亜梨花 : 「でもしってることもあるんじゃないかな!
 ね!?」

尾見俊樹 :
「……一旦、医療班に見せるというのはどうでしょうか?」

 ──と、ここで議事録を作っていた尾見が口をはさみます。

東雲 亜梨花 : 注射は嫌です

明花あきる : オマエじゃねーよオマエじゃ

卜部影路 : おまえはまず頭を見てもらえ

東雲 亜梨花 : 安堵~

尾見俊樹 :
「正直、話を聞いているだけだと糸口が掴めません。
 精神医学に携わる方に診てもらって、詳しい内容を判断する、というのはどうでしょうか」

翠簾野 夕南 : 「うん、同感。ソラリスの子を呼んでおく」

明花あきる :
「……ま、妥当だな。東雲以外の監視はつけるべきだとは思うが……異議なし」

卜部影路 : あくまでも急な気絶したときにどっか打ってないかとかの検査って意味だからな?

東雲 亜梨花 : ノイマンなのですっごく賢いことがわかるだけだよ!

明花あきる :
馬鹿そ~

東雲 亜梨花 :

東雲 亜梨花 :

東雲 亜梨花 : あ、あと私も望月ちゃんにいくつか聞きたいことあるんだけど他の人もある?

卜部影路 : ねぇな

翠簾野 夕南 : おれは伝えておきたいことがあるけど、亜梨花のあとでいいよ。

神々廻 京 : 今のところは私からは何も。

卜部影路 : とりあえず支部についたし、まともな服を渡してやってくれってくらいか

東雲 亜梨花 : 卜部君のえっち!

卜部影路 : は?

東雲 亜梨花 : 言わねばならない気がした

卜部影路 : そういう目で、見てねぇよ!!

尾見俊樹 : 「……(無意識に夕南を見てしまったことに罪悪感を覚えつつ)。幸い、ウチにはそれなりに出来るヒトが揃ってますから」

翠簾野 夕南 : にっと笑いかけます。

明花あきる :
いつからそこにいたのかと、記憶の有無。東雲の傍にいるよりも前の記憶はあるのかは、聞いときてェな

東雲 亜梨花 : お~いえ~

東雲 亜梨花 : じゃあさきにあきちゃんからでいいよ~

明花あきる :

尾見俊樹 : シークレットダイス ???

明花あきる :
……あ?

東雲 亜梨花 : どうして

尾見俊樹 : 安牌なところきたか(なんでもないです)

明花あきる :
……とかく、聞くぞ

明花あきる :
「……最後に二つ聞かせろ、望月とやら────オマエは、一体いつからあの場に居た?
 それと、他に覚えていることは? 家族、友人、仕事、学校……テメェを創ったってヤツ。何でもイイ、教えろ」

望月 : 「えーっと、望月は、望月は……」

東雲 亜梨花 : 「ゆっくりでいいよ~」って手をにぎにぎしておきます

東雲 亜梨花 : 顔間違えた

望月 :

「────あれ? 望月は、いつから? ともだち、がっこう、おかあさん、おとうさん、はたけ……」

明花あきる :
「────────────」

 すぅ、と蒼氷の目が細められて。

望月 :
「────"護国決戦兵装"、"神語"。い、や、いや、なに、なんなのこれ、なにこれ」

望月 : 「いや、おかあさん、おかああさんどこ、おかあさ────」

東雲 亜梨花 : 「望月ちゃん」

東雲 亜梨花 : ギュッと手を握って目線を合わせるよ。望月ちゃんが見てなくても

東雲 亜梨花 : 「大丈夫、私がここにいるからね。怖かったらいっていいよ。言いたくないって言ってもいいよ」

明花あきる :
その動揺が本当のものかプロファイリングと熱感知。

望月 : 「たすけ、たすけて、たすけて、たすけて、わたし、"こんなものになりたくなかった"、ずっとしぬまでひとりぼっち────こわい、こわいよ、こわいよおかああさん」

望月 : 完全な錯乱状態です

東雲 亜梨花 : 落ち着いてもらうのに判定いる?

望月 : で、ある一瞬からふっと冷たいものに戻ろうとしますが……ん、それに使えるエフェクトあります?

東雲 亜梨花 : んん~私もってないかな……

望月 : では、進めますね。

翠簾野 夕南 : 「………!」

望月 : 「────少し、握っていてちょうだい。マスター」

明花あきる :
「────────出たな」

東雲 亜梨花 : 「朔ちゃん?手でいいのかな」

神々廻 京 :
「……おや、ずっと寝たふりをしているのかと思いましたが……」

望月 :
 明花を睨みつけつつ、亜梨花には頷きます。

「悪いけど、望月を落ち着かせるのに、少しの間、こうして頂戴。
 "引っ張られたせいで"このよく分からない建物を消し飛ばす、なんてことになりたくなければ」

東雲 亜梨花 : 「それは大変。でも手だけじゃ寒いでしょ」

翠簾野 夕南 : 「ここ、甚さんの家なんだけどな。頑張って抑えてくれよ」

卜部影路 : 「………」

翠簾野 夕南 : もとだけど、と思いつつ。

神々廻 京 : (脅しにしてはまあ過激な……)

東雲 亜梨花 : というわけでもっち~を引き寄せて手を握りつつ反対の手でせなかぽ~んぽん

明花あきる :
「よう、お寝坊さんだな。”朔”とやらで合ってるか?
 こっちァ色々聞きてェことがあるんだ。眠かろうが、もう少し付き合ってもらうぜ」

 睨みにも動揺せず。笑みさえ浮かべて、パン!と扇子を開く。

翠簾野 夕南 : 剣の間合いに入る場所にはついてると思うので不動!

東雲 亜梨花 : たぶん支部長にやってもらったことがあるからそれを真似するよ

望月/朔 :
 ・・・
「化け物に、分別を期待しないでちょうだい。
 大体ここだって、ようやくああ、なんか名残はあるなって思っただけで──」

神々廻 京 : 手袋だけとっておく

卜部影路 : (……化け物、ねぇ)

東雲 亜梨花 : 「だいじょうぶだよ、私はここにいるからね」と望月ちゃんには話しかけを続けておきますね、質問の方は任せたぜ

明花あきる :
「テメェは一体なんだ? 一体何の目論見が合ってその女に取り入る。
 ────昨日のあの現象は、テメェのせいか?」

望月/朔 :
「……。ありがとう。落ち着いてきた。
 望月(あの子)はぐずると、長いから」

東雲 亜梨花 : 「いいよ~、一人は怖いもんね。朔ちゃんも余裕があればお話し付き合ってくれると嬉しいな」

望月/朔 :
「……はぁ」

 毒気を抜かれたように。

「私個人の目論見なんて、答えるつもりもないけど。
 ただ、そう、あなた達の言う昨夜の現象なら、半分イエスよ」

翠簾野 夕南 : 「あれは、君が力を抑えなかった結果ってこと?」

神々廻 京 : 「半分……」

望月/朔 :
 ・・ ・・
「ええ、そう。
 あの山に封じられていたのは、それが理由。野放しにしておけば、いつまでも狂気をばら撒きかねないって判断されたから」

「だから、半分。アテられて目を覚ましちゃったせいで、寝ぼけたようなものだと思って」

明花あきる :
「注連縄と碑石が封じていたのは、テメェとでも? 寝起きの悪さ如きであんなけったいな現象起こすなんざ、マトモなモンとは思えねェ。

 今度こそ聞く。────テメェは一体なんだ、”朔”」

神々廻 京 :
「……寝ぼけた、ですか」

卜部影路 : 「……」

東雲 亜梨花 : (あっあれは何かをこねている顔だな)

翠簾野 夕南 : コネコネ

望月/朔 :
「特別に、私の口から答えてあげる。
 本土決戦に本来用いられるはずだった、人間の感情に作用する兵器」

「──民衆を神風に追い立てて狂わせ、迫りくる米英には八百万の神の威光を知らしめ狂わせる。
 そうして、神の力によって大日本帝国は勝利万々歳、天皇陛下バンザイ。……それを成すためのもの」

望月/朔 :
「……まぁ、もうお役御免みたいだけど?」

 ハッ、と挑発には挑発を、といった様子で返します。
 純真無垢で聞かれたことは全部素直に答える望月とはだいぶ正反対です。

東雲 亜梨花 : 「はは、起きたら数十年たってたらびっくりするよねぇ」

明花あきる :
「はァん────ずいぶんと古めかしい、過去の遺物、忘れ去られた遺産ってトコか? 時代にそぐわねェにも程がある。
 一応聞くが……もう一回、黙っておネンネする気はあんのかよ?」

望月/朔 :
「そうね。遺物は遺物らしく正直このままずっと夢の中にいたかったわ」

「寝てろって言われたらずっと寝ててあげる。
 望月(この子)に手を出したり、あるいは危険に晒されたりしなければね」

翠簾野 夕南 : (……だけど、暴走事件そのものは以前から散発的に起きてた、か)

明花あきる :
           ソイツ
「……テメェにとっての望月はなんだ? いたく過保護じゃねェか、母親みてェにママゴトの台本まで用意してよ」

東雲 亜梨花 : (ゆ~な支部長カッコ代理もなんかこねてる)

望月/朔 :
「新月がくれば、満月がくる。
 そういうものよ。つまり、片割れってこと」

翠簾野 夕南 : (いっそのこと名前で呼んでくれた方がいいんじゃねーか……?)

望月/朔 : 「片割れなら、どっちかが死なないようにするのは当然のことじゃない?」

東雲 亜梨花 : (この支部長代理……!直接脳内に……!)

翠簾野 夕南 : (せんべい食べる……?)

明花あきる :
「……切っても切れない、離せないってワケか。私にはよくわかんねェけど。
 ま、安心しろよ。今んトコ、ここの連中に危害を加える気はないみてェだからな」

東雲 亜梨花 : (音が……ぬれおかきは?)

翠簾野 夕南 : (あるよ……)スッ

東雲 亜梨花 : ムシャ……

望月/朔 : 「そ」

卜部影路 : (緊張感ねぇな……この二人)

神々廻 京 : 朔のこと見てはいるけど、口は動かさないマン

明花あきる :
「……テメェが叩き起こされる前から、この一帯じゃ似たような事件が散発的に起きてる。強度こそ、昨日ほどのものじゃなかったが……」

明花あきる :
「テメェが起こされたのは、昨日の夜。それは確かだな? だとすると、その前から続いている類似の現象に、テメェは関与してンのか?」

望月/朔 :
「……さあ?
 オンオフで切り替えられる狂気なんてない。言ったでしょ、放置すればとんでもないことになるから封印されたって」

「正直、その時の外の世界なんて分からないし知ったことじゃなかったんだけど、弱まって、漏れ出していたなんてことはあるのかもしれないわね」

明花あきる :
          使われる側
「……無責任だな。ま、 道具  なんてそんなモンか」

 一瞬だけ目を伏せ。

明花あきる :
「テメェが力を抑えていられるのに、限りはあンのか? 封印の修復が叶うまで、そもそも、戦時中の遺物だってンなら封印方法がマトモに残ってンのかもわからねェ。
 ……唯一分かりそうな夜辺のジジイは、もういねェし」

明花あきる :
 少しだけ、付けたした顔には寂寥が過る。

望月/朔 :
「押し付けられた役割に、責任も何も無いわ」

 ハッキリと断定した上で、

「……それも、さあ?とだけ。
 私が、いや、望月が起きたっていうことは、夜辺のお兄さんは死んだ。人間だもの、いずれは死ぬわよ。
 そして、その時に使った封印が、正当な形で伝わらなかったか、あるいは解けてしまった」

「──でも今はまだ、私が起きなければ、狂気を振り撒くことはないわ。それだけは言える」

翠簾野 夕南 : 「……その言い方じゃあ、甚さん自身が君の封印の要だったって聞こえるね」

明花あきる :
「ハ、そればっかりは同感だな」

 押し付けられた役割に、責任も何もない────ああまったく、心の底から賛成だと。
 浮かべる笑みは、どこか皮肉げだった。

望月/朔 :
「そうね。流石に封印の中身は、この子の知識以上を知ることは、私にも無理だけど。
 少なくとも、夜辺のお兄さんの名を聞いて、ああ、関わっていたなとは思い出せた」

明花あきる :
                    ・・・
「……あのジジイが、封印の要ね。ずいぶんとらしいこって。
 私からの質問は以上だ。あとはなんなり、テメェらの好きにしろ」

 パン! と扇子を閉じて、彼女は一方的に口をつぐむ。
 あるいは何か、考え込むように。

東雲 亜梨花 : 卜部君何かこねてたなぁと言葉を待つよ

卜部影路 : 「……あー、いや、あんまし関係ない、というか、個人的な質問だけど、良いか?」

それまでずっと後ろの方で無言で聞いていたので、挙手して主張する

望月/朔 : 「いいわよ。知ってる範囲なら、答えてあげる」

卜部影路 : 「朔、って、俺も呼ばせてもらうけどよ……お前、何がしたいんだ?」

と、問いかけて、自分の言葉の不十分さに頭を振る。

「あー、違う、つまりだな……お前は、ずっと寝ていたいとか、寝てろと言われれば寝てやるとか、あー……つまり、『やらなきゃいけないこと』じゃなくて、お前がこうして、起きて『やりたいこと』ってなんかあんのか?」

望月/朔 : ……あー、それくるかぁ。

卜部影路 : 不穏か?

望月/朔 :

「……やりたいこと、ね」

 思うところがあったのか、その一瞬だけ皮肉げな態度はなりを潜め、考え込みます。

「さあ? 片割れ(望月)が無事に生きて、普通の人間として社会に復帰すること。
 そのための外敵を排除し、滅ぼし尽くすこと。やらなきゃいけないことだし、やりたいことよ」

望月/朔 :

 ──一連の会話で、察する者は察するだろう。
 

望月/朔 :
  ・
 "朔"には、非常に強いジャーム傾向が見られる。
 自覚しているから抑えているといったことも、むやみに振り回せば望月が危ないという点から。
 実社会でどうなるかなどという点を一切考慮している様子が無い。

 まともに会話出来る上に、協力的な姿勢も確かに見受けられる。
 だが、その根っ子の倫理は明らかに狂っていた。
 望月に依存し、彼女のためであれば修羅となることも厭わない姿勢であるがゆえに。

       ・・・
 破壊活動も、必要だと判断すれば徹底的に実行しかねない。

翠簾野 夕南 : (……危険だな。亜梨花には悪いけど、本当の意味で人の間に入れる存在じゃない……」

神々廻 京 :
(……日常にはいられない存在、いてはならない存在、眠っているのが本来必然……だった、というわけですね)

東雲 亜梨花 : 「……」

卜部影路 : 「……そいつはまた、随分と」

深い溜息、その答えを噛み締めて、答える。

明花あきる :
「(────────上手いこと、手綱を取る必要がある、か。
       わたし
  が、それは 探偵 の仕事じゃねェ。……どうすんだかな、夕南は)」

 つい、と静かな横目が幼馴染を見やる。つい数か月前に支部長に据え付けられた男。その力も知恵も、彼女は良く知っている……けれども、頼れる後ろ盾はもう死んだ。
 ……そんな中で、この男は。私の幼馴染は、一体どんな決断をするのだろう。

卜部影路 :      ・・・・
「随分と、人が良いじゃねぇか」

誰かのために、何かのために、己以外の為に、
己を賭けることの出来る存在。それが強い執念にも似た衝動であろうと、崇高な理念の下打ち立てた目標であろうと、そんなものは関係ない。

「……俺は、手伝ってやるよ、お前のやりたいことを」

だから、と、言いよどみ、迷い……どうせ通じない、と、そんな諦念を――逃げる理由を、自ら振り払うように、言う。

「だから、お前も、お前自身を失わせるようなやり方はやめてくれよ……?」

望月/朔 :
「あら、そう? すんなりと、わかってくれるのね。
 ふふ、いいわ。少なくとも、無茶だけはやめてあげる。そもそもわたし(望月)の体に傷がついちゃうから、やらないけど」

東雲 亜梨花 : (おや~)

明花あきる :
「(……甘ちゃんだな。本当にその危険性を分かってるとは思えねェ)」

 この女を、このまま野放しにしておくことはできない。
 どちらにせよ封印されるしかない存在に────やりたいことなど、問うたところで意味などなかろうに。
 どん詰まりの見えている存在に、希望など……与える方が残酷だと、まあ、知らないのだろう。

 きっと。

卜部影路 : どんな人間であれ、誰かが一人いなくなれば、その分世界は寂しくなる。
誰かがいたはずの空席、誰かと出来たはずの会話、誰かと作れたはずの思い出

それが、世界から失われる。
漠然と、だが、それは『嫌なこと』だ。

「別に、誰かを助けたいってのは悪いことじゃねぇだろ……もし、悪いことをしなくちゃ誰かを助けられないってんなら、頼れよ、他の人間を」

東雲 亜梨花 : 「私じゃできないこともあるしね! 支部長代理もすごいよ~頼めば学校にも入れてくれるよ!たぶん!」

翠簾野 夕南 : ついと視線を逸らします。自信ねえ~

神々廻 京 : 「……」 ノーコメント

卜部影路 : 「お前が思っている以上に、世界には馬鹿が多いんだよ――おせっかいにも首を突っ込んで、無理やり肩を貸そうとしてくる馬鹿がな」

だから、そいつらを使え、と、何かを思い出すように、呟く。そして、ちらりと、となりの東雲にも視線を向ける。

「お前一人じゃ出来ねぇことは、あるよ、当たり前だろ――だから、無理だと思ったらまず『助けて』と言えば良いんだ」

俺は誰かを助ける余裕なんて無いがな、と最後にぽつんと呟きます。

東雲 亜梨花 : 「とかいって~、卜部君も手伝ってくれるやつだコレ」

翠簾野 夕南 : 「言ってやるなって、シャイなんだぞ影路は」

東雲 亜梨花 : 「おシャイか~」

明花あきる :
「……『助けて』って言って、助けてもらえるようなコトならイイんだがな」

 ぼそりと。呟いた言葉は、誰に届いたのかさえ定かではない。

卜部影路 : 「俺は自分の出来ることと、俺がやらなきゃいけないことしかやらねぇ……」

東雲 亜梨花 : 「でもそれは朔ちゃんも私もみんな一緒だもんね。ね? 支部長代理」

東雲 亜梨花 : そっとあきちゃんにも視点を移しつつね

翠簾野 夕南 : 「そりゃそうだ。おれたちも、自分のできる範囲でやれることしかやれねーよ。それこそ、一人じゃできないことがある、でしょ」

望月/朔 :
「……。そう。
 どのみち、現代のことを知らないんじゃ、この子が何に晒されるかなんてわかったもんじゃないわね。
 だから、頼ってあげる。そもそも、全能だったら、むざむざと封印なんてされてやらないわよ」

 ──とはいえ、まだ会話出来る余地はある。

 行動の主原理は全て、"望月"だ。
 手綱を握っていれば、積極的に危害を加えるような真似はしないだろう。

「だから、どうしようもなくなったら、言ってあげるわ」

東雲 亜梨花 : 「わ~支部長ぽい」

翠簾野 夕南 : 「支部長だからね!」

明花あきる :
「…………」

 東雲の視線に気づきつつも、ふい、と他所を向く。

東雲 亜梨花 : にこぉ~

明花あきる :
 無視。

卜部影路 : 「……まあ、それだけだよ。関係ないこと聞いて時間取らせて悪かったな。お前は、お前のやりたいことを……自分にとっての『幸い』なことを、やればいいんだ」

東雲 亜梨花 : (手がもう一本あって伸びるやつだったらつついてたのにな)

神々廻 京 : 「まあ、メイドなので。最初の協力に従います。ね、支部長様」

翠簾野 夕南 : じゃあ代わりにつついとく。

翠簾野 夕南 : 「…………」神々廻さんから話を振られると、ちょっとだけ笑顔を翳らせて、うなずく。

明花あきる :
「……………………………………なんだよ」ぱし、と手を退けて、夕南をじろり。

翠簾野 夕南 : 「助かる、ありがとう。だけど……言いたいこともわかるつもりだよ」

東雲 亜梨花 : 「……」

翠簾野 夕南 : 「朔。君の"寝起き"で、犠牲になったオーヴァードが何人もいる。それは事実だ」

望月/朔 : 「……」

翠簾野 夕南 :
「それを理解しろとは言わないよ。言わないけど、いろんな意味で君をまだ野放しにはしておけない。
 君の監視──もとい、お守りかな。それは、亜梨花と影路に任せていいんだよね」

翠簾野 夕南 : それでいいかな、と神々廻さんに視線を向けます。

東雲 亜梨花 : 「……!まかせて!」

明花あきる :
「……ま、東雲だけに任すよかマシか」

神々廻 京 : ぐっじょぶの笑顔と共に「あとで美味しいコーヒー差し上げます」のジェスチャー

卜部影路 : 「……出来る限り、やります」

東雲 亜梨花 : ロイスによる心配だって信じてる

翠簾野 夕南 : 「ありがとな」

望月/朔 :
「いいわよ。どのみち、この子のためを思うなら従う立場だしね、私は」

 余計な口を挟まなかったのは、気遣い──というより、"望月"の立場を考えてのことだろうが。

「……それと、ありがとう。亜梨花。
 望月は、よく眠ってるわ。このまましばらくして起きたら、肉体を明け渡しても問題ない」

東雲 亜梨花 : 「そっか、よかった。
あ、じゃあいまのうちに朔ちゃんにも聞いておきたいんだけど、いいかな」

望月/朔 : 「いいわよ」

明花あきる :
「(”マスター”である東雲が望月の機嫌を取り……二人まとめてその監視を卜部がする。なら、まァ、よっぽどのことにはならねェ……か。采配としちゃ、それが最適だな。
 私や神々廻じゃ、多分ロクなことにはなんねェし)」

東雲 亜梨花 : 「私がマスター?なのはわかったような気がするけど、マスターって何する人? 望月ちゃんが兵器って言われてたなら『使ったり』『使わなかったり』することもできるのかな」

望月/朔 :
「……そうね。いずれ、触れるべきだと思ったから、言うわ。
 まず、その有無を任せる人間というのは合ってる。それと同時に、制御をする人間でもあるの」

東雲 亜梨花 : 「せーぎょ」

望月/朔 :
「間違っても味方の狂気で、同士討ちして自滅したなんてなったら、兵器としては失格もいいところだから。
 ええと、つまり、……面倒を見る?」

 そこだけ妙に釈然としていない。

卜部影路 : 「……一番手綱を握らなきゃいけねぇやつが、手綱を握っちまった、だと」

東雲 亜梨花 : (使ったことないんだろうな)

東雲 亜梨花 : 「人をなんだと」!

翠簾野 夕南 : データ的な話すると、これ朔の近くにいれば衝動判定パスできるって認識でいいのか?

望月/朔 : イエス。

東雲 亜梨花 : はへ~

卜部影路 : 「初対面で勘違いしてタックルしてきた奴」

東雲 亜梨花 : 「はい……そうです」

明花あきる :
「……不安極まるなァ」

卜部影路 : 「……まあ、暴走はしても、進む方向は間違えねぇだろ、たぶんな」

望月/朔 :
データ的にはこうなります。

【特殊データ】
『"大日本帝国決戦兵器"■■■■/素体』

 狂気は制御出来るからこそ、兵器運用が出来る。

効果:望月/朔と同じシーンに登場しているプレイヤーは、『???』が使用した『衝動侵蝕』の効果をスキップできます。

翠簾野 夕南 : なるほど

東雲 亜梨花 : 「うう……心に傷を負ったけど……よよよ。
 とりあえずマスターの意味はわかったよ。
 私がわかってなくてもみんなはわかったよ」

明花あきる :
……朔があの衝動判定を仕掛けたわけじゃねェ、ってこったな。別に意図的に起こした奴がいるのか……

望月/朔 : クク、よく気づいた。

おさゆく : まあ、観察してた三人目いたしな、覚醒なんたら言ってたし

翠簾野 夕南 : しかもマスターマインドなんだよなあ

おさゆく : 誰かが手綱握るまでが予定調和っぽい?

望月/朔 : そもそも朔の行動指針として、「後々望月が殺されかねない無闇矢鱈の狂気振りまき」はありえない。

明花あきる :
双子月の事件は「朔が寝ぼけて起こした」ものだが、あの衝動判定は「望月/朔が起こした者では無い」。確定か

おさゆく :

翠簾野 夕南 : あいつ確定データでナーブジャックあるし

おさゆく :

明花あきる :
黒幕の狙いとしちゃ、自分の傀儡(仮)にへたくそくんに手綱握らせて、兵器の使用権握ろうとしたってとこか?

東雲 亜梨花 : ここメインやで

翠簾野 夕南 : かも。この辺は確認しておいたほうがいいな

神々廻 京 : 依頼者〜依頼者大丈夫か〜

卜部影路 : 今なんか謎の生物が通ったな

翠簾野 夕南 : 「……じゃあ、朔と望月に関する話はこれでいーな?」

東雲 亜梨花 : 「まだあるんだなじつは

東雲 亜梨花 : 「もう一つ、朔ちゃんに聞いてみたいんだけど、
 朔ちゃんはどうして私をマスターに選んだの?
 人間は二人いたよね、起きたときに。」

望月/朔 : 「……。直感」

望月/朔 : 「直感。こればかりは、そうとしか言えないわ」

東雲 亜梨花 : 「あはは、朔ちゃんも直感派なんだ」

望月/朔 : 「ウン」 図星突かれるとだいぶ弱い

東雲 亜梨花 : 「じゃあ納得。私頑張るね。

東雲 亜梨花 : それから──この気持ちは、もともと誰の気持ちなの?」

東雲 亜梨花 : 具体的にはロイスの『遺志』に関してだね

望月/朔 :
「……。……」

 目を伏せて。

「……言われるがまま、私/わたしを創った、バカな誰かの後悔よ。自分勝手も、困るのよね」

望月/朔 : 「もう顔も思い出せないけど」

東雲 亜梨花 : 「ん。聞けて良かった。
 きっと優しい人だったんだね。
 私もあってみたかったな。
 
 望月ちゃんに独り立ちしてほしいのは、朔ちゃんが言ってたんだっけ。」

翠簾野 夕南 : (……植え付けられた気持ち……な)

望月/朔 :
「あなたの方が、よっぽど出来た人間よ。……まぁ、今の時代じゃもう死んでるでしょうし、言わないでおくけど」

「そう。私の感情。独り立ちしてほしいというね」

卜部影路 : 「……願いを託されたんなら、しっかりやらなきゃいけねぇな」

しっかりやってくれよ?ほんとに、これは本気で、マジだからな?フリじゃないからな?という目で東雲を見ている

神々廻 京 :
「……」
 そっと朔の前に温かいお茶(ノット紅茶)を差し出しておく。

明花あきる :
「(……どんなに歪んでいても、どんなに尋常を外れた在り方であっても)」

 一人でなく、誰かに求められている、誰かに認められている、というのは。
 ああ、憎らしくも、認め難くも────うらやましいと、思ってしまう自分を。

 ……ゆるりと頭を振って、追い払った。

望月/朔 :
「……へぇ。気前がいいのね。敵視されてると思ってたのだけど」

 言いつつも、なんやかんや素直に飲む朔。

東雲 亜梨花 : 「へへ、今更一人分増えたって平気だよ。

 じゃああのね、これは私の気持ちなんだけど、
 私も望月ちゃんのこときっといい子だなと思うから、私の気持ちももう一つ上乗せしてあなたたちのことを見てるからね。

 あらためてよろしくね、朔ちゃん」

神々廻 京 : 「その話はもうカタがつきましたからね」

東雲 亜梨花 : というわけでお山でできなかった握手の構えだ!

望月/朔 : 「ええ。……あらためて、よろしく」 握手

東雲 亜梨花 : ぎゅっぎゅ

東雲 亜梨花 : あと卜部君には自信たっぷりに「まかせな!!!」の視線で応えておきます。
まかせな!!!!!!!!

卜部影路 : (逆に不安になってきた……)

卜部影路 : そんじゃま、後は最後にロイス取って今日は終わりかな

翠簾野 夕南 : せやね。

東雲 亜梨花 : ゆ~なさんはいいの?

翠簾野 夕南 : いったん大丈夫。きょうももう遅いしね

卜部影路 : あ、悪い、聞くことあったか

翠簾野 夕南 : 今日はもう寝ようぜ!

東雲 亜梨花 : ういっす~

明花あきる : ン。

卜部影路 : 寝な、ゆっくりとな

神々廻 京 : イチジヨンジュウハップン

望月/朔 : ほい、というわけで今日はここまでかな。だいぶ遅くなっちった。

翠簾野 夕南 : オツカレサマドスエ! あしたは21時!

明花あきる : オツカレサマ。

卜部影路 : 最後にPC5に向けて感情ダイスだけ

卜部影路 : et 感情表(24-50) > ○慈愛(じあい) - 憐憫(れんびん)

翠簾野 夕南 : 慈愛

卜部影路 : は?

東雲 亜梨花 : あら~

明花あきる : っくく ウケる

卜部影路 : チョイスさせてくれ、頼む

神々廻 京 : 私もこれは……お返し? だな!

明花あきる : 最初からそうしろよ

おさゆく : イイヨ

神々廻 京 : et 感情表(55-36) > ○遺志(いし) - 疎外感(そがいかん)

卜部影路 : ありがてぇ

明花あきる : 殺してるんじゃねーよ!

東雲 亜梨花 : なんだいまの

卜部影路 : ちなみにメイドはありちゃんに向けて、だ

東雲 亜梨花 : コロサナイデコロサナイデ

卜部影路 : (一応な)

神々廻 京 : そうだ、ぐるぐると

神々廻 京 : 意志……意志?

神々廻 京 :

神々廻 京 : 妹の面影を感じる…………………………………………………………

東雲 亜梨花 : 私はなんと1256人と1人の遺志を背負っているぜ

東雲 亜梨花 : ところで私、朔ちゃんにロイスとっていい?

望月/朔 : お。

望月/朔 : いいよ。

東雲 亜梨花 : やった~

東雲 亜梨花 : 待ってね選ぶ選ぶ

東雲 亜梨花 : じゃあ朔ちゃんにロイス誠意/憎悪でとりまぁす

東雲 亜梨花 : 勿論誠意が表だよ

望月/朔 : ああ、ジャームだから本能が

東雲 亜梨花 : ふふ…そこはじっくりこねておきます

東雲 亜梨花 : 少なくとも「ジャームだから」ではないかな

望月/朔 : ナルホドネ

望月/朔 : ああ、これは明日改めて言いますが

望月/朔 : 朔からの感触が思ったより良かったので、一時的に孤独の叫びのタイタス化不可は解除されます。

東雲 亜梨花 : ????ハァイ理解した

望月/朔 : 割と朔からの信頼は強めで、強制力高くしなくても大丈夫か……ってやつですね。

<ミドルフェイズ②/東雲亜梨花&卜部影路/それでも世界は変わらない>

GM :

<ミドルフェイズ②/それでも世界は変わらない>

GM : シーンプレイヤー:東雲亜梨花

GM : あきちゃは出ない感じだったっぽいので進めます。他に出たいPCいます?

東雲 亜梨花 : うらきち~がっこういこうぜ

卜部影路 : ……仕方ねぇ、野放しにするよりはマシだ

東雲 亜梨花 : どうして私の方が監視対象になってるのかな!?

卜部影路 : つーわけで、俺は出るぜ

特にないなら、休み時間とかに空間転移でぬるりと出てくる感じで落ち合うが

東雲 亜梨花 : 転校手続きしない?

卜部影路 : 一応、本籍はY市だしな……

GM : あ、先に侵蝕振っておいてくだち

卜部影路 : 1d10 (1D10) > 3

卜部影路 : よし、落ち着いてるな

東雲 亜梨花 : まあ制服は着てるだろうからいいか~

東雲 亜梨花 : 1dx <シーン登場> (1DX10) > 9[9] > 9

system : [ 卜部影路 ] 侵蝕率 : 53 → 56

東雲 亜梨花 : 今日もシャカリキ

卜部影路 : 制服は流石に用意してもらって、パット見部外者だとはわからないようにしてると思うぜ

system : [ 東雲 亜梨花 ] 侵食値 : 54 → 63

GM :
 翌日。
 望月/朔は精密検査、あるいは精神面での分析のために、付き添いのUGN職員と共に病院へ向かった。
 余談だが、不安げな顔をする望月をなだめるのにだいぶ時間を使ったのは言うまでもない。

東雲 亜梨花 : じゃあ会長に聞かれたときは不登校の子ですとせつめいするね

GM :
 ……昨夜の件もあり、亜梨花、あなたもまた検査を受けてからの登校となる。
 学校側には軽い貧血で午後からの登校とあり、生徒たちからは──、
 

GM :
生徒A「バカも風邪を引くのか。世界が終わってしまう……」
生徒B「大丈夫かしら。頑張りすぎた?」
生徒C「ちくわ僕もそう思う大明神にゃ~」

東雲 亜梨花 : 誰だ今の

卜部影路 : 突っ込まねぇからな……!!

獅童糸香 :
「亜梨花さん!」

 ──中でも一番心配そうにしていたのは、昨夜はぐれてから連絡のつかなかった獅童会長だ。

獅童糸香 :
「……山の中で貧血起こして倒れてたって聞いたのだけど、大丈夫?
 病院の関係者っていう人たちが、教えてくれたんだけど……」

東雲 亜梨花 : 「か、会長~!」

獅童糸香 : 「な、泣くほどかな!? ど、どうしよう、行かせちゃった私の罪悪感が更に……!」

東雲 亜梨花 : 「ちがうよ! 無事でよかった~と思って!」

獅童糸香 : 「あっ、私の方かぁ」

東雲 亜梨花 : 「私の方は大丈夫! 心配してくれた知り合いのお兄さんが拾いに来てくれたから!
 会長の方こそ大丈夫だった? 私はぐれてからそのままお家に帰っちゃったから心配で」

獅童糸香 : 「私の方は大丈夫。亜梨花さんを探していたらまよっちゃって、そっちの意味では大変だったんだけど」

獅童糸香 : 「でも、本当に何も無くてよかった。誘ったのは私の方だったから」

東雲 亜梨花 : 「へへ、私も会長とはぐれて一人になっていろいろ探検しちゃった。 あの山神社とかあったんだね。でも山にいたせいか月もやたら明るくて、森の木の影と月の明かりで安心するんだかこわいんだか不思議な気分だったよ」

獅童糸香 :
「よ、夜の山なのに随分アグレッシブだね……」

 あはは、と苦笑いする。

「でも、確かに月は綺麗だったね。
 こう、まんまるとしてて、私もついつい見入っちゃった。こうしてる間も亜梨花さんが一人で山の中にいるっていうのにね」

東雲 亜梨花 : 「へへ、そこはまあ、おたがいさまかな。
 私、森をぐるぐるしてる間に双子月みたいに月が二つに見えてきたりもしてちょっと楽しかったよ。夜の探検。まあ、お医者さんには『疲労からくる幻覚ですねガッコウ休みますか?』って言われちゃったんだけど……」

東雲 亜梨花 : へへへ~とゆるふわ空気を保っておきます。

東雲 亜梨花 : 「会長は私をさがしてくれてたんだっけ」

獅童糸香 : 「たのしそうでよかったね。でもちゃんとねないとからだにわるいよ」 なまあたたかいめ

東雲 亜梨花 : 照れれ

獅童糸香 : 「うん。追いかけていたら、いつのまにか見失っちゃって……」

東雲 亜梨花 : 「一人で戻らせちゃったかな、不審者とかにはあわなかった?」

獅童糸香 : 「大丈夫。何とか明るい場所までは出られたから」

獅童糸香 :
「──あ、そうだ」

 ふと、と話を変える会長。

「亜梨花さんのお友達だったりする? 屋上に、見慣れない人がいたんだけど……」

卜部影路 : 誰だ……?

卜部影路 : いや、ここで下手くそ君が……?

獅童糸香 : あ、いや、書き方おかしいな。

獅童糸香 : 「こんな感じの……」(と、説明する会長。大雑把に聞けば、卜部くんだと分かるだろうわかってくださいお願いします)

東雲 亜梨花 : 「??」
はて、屋上で待つような寂しい友達がこの学校にいただろうかと首を傾げて3秒。
脳裏に浮かんだのはしぶしぶ同行に同意してくれた前髪の伸びすぎた少年の顔。

卜部影路 : 隠密してたのにバレてたのか……

東雲 亜梨花 : たぶんもぶに偽装してたんじゃないかな

卜部影路 : 初対面で、俺が知らいない女子に伝言を頼める、だと……?

東雲 亜梨花 : 任務だから!任務だから!
で、どうせ今頃反省会をしているのでは

獅童糸香 : そうなんだよな。編集前の書き方だと卜部くんが初対面の会長に伝言を頼んだみたくなる

卜部影路 : 書き換えられていた

卜部影路 : じゃあ、とりあえず屋上で色々黄昏れておこう

卜部影路 : 呼んでくれればそこにでも出てくるけどな

獅童糸香 :
「最近まで休んでた子だった、とか……」

 ううん、と思い当たらないという表情。
 余談だがこの生徒会長は生徒会長なので、生徒の顔も覚えていたりするのだ・・・

東雲 亜梨花 : 「あー! そうだった! お昼食べようって約束!
 ありがとう会長! またね!!!!」

獅童糸香 : 「ん、またね。今日は早く寝てね?」

東雲 亜梨花 : 「は~い! 会長も忙しくても無理しないでね!」
というわけで聞きたいこと聞いたしうらきちのところへ走っ……ろうとしてスッと早足になりながらむかいます。

東雲 亜梨花 : デッデッデッ(移動音

卜部影路 : 「……」

生徒たちのにぎやかな喧騒。ついぞ親しむことのなかったそれに耳を傾けながら、ぼんやりと待ち合わせ場所にて待ち人を待つ。

GM : 廊下を通る生徒達が、「今週の金之ツキミの配信みた!?おひつきみだったよね~」とか他愛もない世間話をしている中で、待ち合わせ場所にすたすたと向かう卜部くん。

卜部影路 : ああ、いや、もう屋上待機してるぜ、わかりにくくてわりぃ

GM : おけ。

東雲 亜梨花 : じゃあ私がすたすたさっさかむかうよ

東雲 亜梨花 : こんどれいちゃんにオヒツキミ~が何か聞いておこう

卜部影路 : 知っても良いことはねぇぞ

東雲 亜梨花 : 階段を駆け上がってその先、暗くて気味が悪いからって生徒があんまり近寄らない(って聞いてる)屋上前の踊り場で、重たそうな扉に手をかけて……

東雲 亜梨花 : ……

東雲 亜梨花 : 「あかないよ!!???」

東雲 亜梨花 : そのまま扉をガンガン叩いてあけて~とおして~ってすすり泣くよ

卜部影路 : ……これは、気を使ってもらえたみたいだな

東雲 亜梨花 : ヨヨヨ

卜部影路 : というわけで、ディメンジョンゲートを使おう

東雲 亜梨花 : 助けてもらえない限りずっと地獄の底から這い出たみたいな声で「アケテェ」って言い続けるよ

卜部影路 : あ、一応GM、使っても大丈夫か?

GM : おーけー。周りに人の目はない。

卜部影路 : なら<ディメンジョンゲート>発動

system : [ 卜部影路 ] 侵蝕率 : 56 → 59

卜部影路 : 扉をガンガンと叩く東雲の後ろから、呆れたような、少し引いたような声が投げかけられる。

「……おい、そんなに叩いてると他のやつに見つかるだろ」

ずるり、と屋上へ登る階段の踊り場に、卜部影路の姿が現れる。さっきまではなかったはずの人が通れる大きさの黒い穴――踊り場に現れた、向こう側が見えないそれを通って空間を渡り、陰気な少年が現れた

東雲 亜梨花 : 「  」

東雲 亜梨花 : 「デタァー!!!!」

東雲 亜梨花 : びっくりして跳んで鉄扉にガンッ

卜部影路 : 「……うるせぇ」

顔をしかめて、一人慌ててる東雲を尻目に、早く来いとだけ言いおいて黒い穴の中に消える。

東雲 亜梨花 : 「あっ待っていかないでおいてかないで」
段々しぼんで……いかなさそうだな。開いたまんまの黒い穴の中にえいやっと飛び込むよ

東雲 亜梨花 : 「わあ!ここが屋上か! 空が広い!」

東雲 亜梨花 : 何かよくわからないうちにすっと開けた視界にはのっぺりしたコンクリートの地面と青い空が広がっていた。

卜部影路 : 空はいつでも広いだろ……という顔をしながら、持参したお弁当をなにもない空間に手を突っ込んで取り出す

東雲 亜梨花 : 屋上といえば青春! そんなイメージと期待通りの展開に心が弾む。
「便利だねぇ。あ、私もお弁当! この辺にすわろっか」

東雲 亜梨花 : 先んじて屋上の、一応人目につかない場所にうきうきと向かうよ。
さあ座り給えと地面をたたいて卜部君をよぼう。

卜部影路 : 「………………もう少し離れたところでもいいだろ」

ズリズリと少しだけ距離を取った場所に座る

東雲 亜梨花 : 「……」

東雲 亜梨花 : ズリズリズリ

卜部影路 : 「…………」

ズリズリ

東雲 亜梨花 : 「あ、そうだ。お弁当作ってくれた人から、卜部君の分も預かってきたけど」

東雲 亜梨花 : 負けじと距離を詰めながら二段に乗っかったお弁当の包みを見せよう。手作りはおいしいよ

卜部影路 : 「……貰っとく、後でその人を紹介してくれ」

諦めたように溜息を吐いて、距離を取るのをやめる。コンビニの弁当もあるが……無理をすれば、いける、か……?

東雲 亜梨花 : 「ふふ、はぁい! そっちのお弁当、あとで半分こしようね。ハンバーグ私好きなんだ。卜部君も?」

卜部影路 : 「……嫌いじゃねぇよ」

東雲 亜梨花 : 「? 好きじゃなくて?」

東雲 亜梨花 : と話している間にもお弁当をてきぱき広げてモリモリ食べるよ。早いよ。

卜部影路 : 「…………好きだよ、はぁ、クソ……調子狂うんだよったく」

卜部影路 : 後半はボソボソです

東雲 亜梨花 : 陰キャしぐさ~
「そっか! じゃあ明日の晩御飯はハンバーグにしてもらおう! 影路くんがリクエストしたことにすれば通るねきっと」

卜部影路 : 「あんまし、手間かけさせんなよ……」

はぁ……

東雲 亜梨花 : 「大丈夫、「なんでもいい」は怒られるけど、リクエストはうれしいってしぶt……あ、私がもともといたところの支部長ね、が言ってたもん。私もうれしい、影路くんもおいしい、支部長代理もははっぴーでOKだよ」

卜部影路 : 「……そんなもんか」

自分の記憶にある、夕飯のリクエストなんていうイベントは…………いや、やめておこう。

そのまま、ぶっきらぼうに相槌を打ちながら、二人で昼食を平らげる。

東雲 亜梨花 : ありちゃんはよく動きよく食べるので卜部君のコンビニ弁当も狙うよ

東雲 亜梨花 : ジリ……ジリ……

東雲 亜梨花 : 「おなか一杯ならわたしがたべよっか?」などと口では言うけど、普通に食べたいだけです。食べ盛り

卜部影路 : 「おま、お前……いや、お前が気にしないんならいいけどよ……」
ちょっとだけ手を付けてた弁当をシェアする

GM :
では、そんなこんなで青春していると、ありちゃんのケータイにLINEが届きます。
会長からです。

獅童糸香 : 『念の為にっていう言葉もあるし、今日は亜梨花さんを送ろうと思うんだけど、どうかな?』

東雲 亜梨花 : 「やった!コンビニの美味しいために美味しい食べ物も好きだよわたし……およ?」

東雲 亜梨花 : 卜部君のハンバーグを半分もりっと分けてもらっているところでラインに気が付いて、ことわりを入れてから画面を確認するよ。

卜部影路 : (そういや、俺のLINE、人数二人しかいねぇんだよな……)

東雲 亜梨花 : 「……ふむ、会長には思ったより心配されてるみたい。それにしても責任感じてくれて送ってくれるなんてやっぱりやさしいなぁ」
ということでここで一応うらべくんにも共有するよ。

東雲 亜梨花 : 「というわけで、昨日言ってた会長なんだけど、今日送ってくれるって。影路くんもくる?」

卜部影路 : 「……仲いい奴なら、一緒に帰ればいいと思うぜ、俺は行かねぇ」

とはいえ、呼ばれればすぐに駆けつけられる距離にはいないといけないわけだが――腐ってもオーヴァード、五感や身体能力は一般人の比ではない、そのあたりはなんとかなるだろう

東雲 亜梨花 : 「んぇ、そうか。じゃあライン交換しとこっか!」
陽のもの特有の変化球をなげるよ。突然話が変わるよ!

卜部影路 : 「……ぉぅ」

えっと、どうやって交換するんだったか……振るんだったか?QRコードだったか?最後に交換したのが数ヶ月前だから、どうだったかあまり覚えていない。

東雲 亜梨花 : ぽちぽち画面を手探りしている卜部君の手元を一緒にのぞき込んでココのボタンだよ~ってQRコードを表示するページを教えるね

GM : というわけで、そんなこんなでLINEを交換したら放課後にキンクリするわけだが……。

GM : 卜部くんは後ろをこっそりモブになってついていく感じかな。

卜部影路 : 「………………人の画面を、勝手に、覗き込むな」

スッと距離を取って、でも交換には成功する。

東雲 亜梨花 : その間にゆ~な支部長代理にラインでお誘いを受けた旨と放課後は会長と一緒に帰ることを報告しておくよ。ホウレンソウ!

卜部影路 : そうだな、そういうのは得意だ

東雲 亜梨花 : 「ごめんごめん」
ということで交換!ヨシ!

GM : おーけー。

東雲 亜梨花 : あと二人でちょろっと調べものとかはしなくていいかな。とりあえず卜部君に会長の顔を覚えてもらうことはできたということで

東雲 亜梨花 : 卜部君てきにはどう?

卜部影路 : そうだな……下校までに時間があるなら、図書室の本を全部漁るくらいなら出来るが……

卜部影路 : 司書がいるようなとこじゃなければ、の話だけどな

東雲 亜梨花 : 私は授業があるからね~、卜部君ならできそうとはおもう。

卜部影路 : まあ、鍵なんて無いようなもんだしな……

東雲 亜梨花 : あっ戻るときも送ってもらわないと妖怪ドアヲアケテェになっちゃう

GM : ふむ

卜部影路 : ただ、大事な書物だったりは書庫に入ってる可能性もあるから、なんともな……色々な触りくらいならわかるかもしれねぇけど

卜部影路 : ディメンジョンゲートは据え置きにしてるから大丈夫だぜ

東雲 亜梨花 : 有能~

卜部影路 : 踊り場側の方は一般人からは見えないようにしている

GM :
図書室の本から分かること。
①創設者兼初代校長:"明花"冬三郎
②この学校は、最初は青空教室から始まった。
③戦争を受けて、帰還した兵士が「子供達に未来を討論させる場を」と提案したのが始まり。

東雲 亜梨花 : ジッチャン!

卜部影路 : 例えば、図書室の本全部読み込んでも無理そうか?

卜部影路 : それ以上の情報は

GM : 無理だね。流石に図書館と違って、貸し出しは主に地域の歴史を知ろう!とか、あるいは勉学や教養に役立つものしかない。

GM : 確かに知識を得るには十分だが、求めていたものではない、という感じだ。

卜部影路 : そりゃそうだろうな、とりあえず帝王の時間を使って下校までにその辺りの知識やらを仕入れておこう

GM :

<放課後>

東雲 亜梨花 : じゃあ授業に戻るときに「会長と合流したらラインで連絡するね~」といって別れたことにしておきます。私のターンはいったん終わり!

卜部影路 : 同じく

GM :
 ……さて、校門から出た亜梨花。
 外では獅童会長が先に待っていたのだが、どうやら誰かと話しているようだ。

東雲 亜梨花 : おや……おじゃましないように息をひそめて(当社比)近づくよ

獅童糸香 :
「そ、そうなんですか、レベッカさん。
 亜梨花さんならもうすぐ来ると思いますよ?」

 その相手は、教会服に身を包んだ女性。……三ヶ月間出入りしているなら分かるだろう。

エージェント :
「あ、ありがとうございます、獅童会長。ほら、もうすぐ来ますって?
 検査の方もよく頑張りましたわね~!」

 子供の扱いになれていないのか大変困った様子のエージェント。
 P市に在籍し、表向きは教会のシスターとして活動しているレベッカ・ウィーンだ。
 彼女が手を繋いでいたのは──。

望月/朔 :

「! きました!」・ワ・

 望月だった。

東雲 亜梨花 : もっち~!

望月/朔 : たたた~っと亜梨花の方に駆け寄ります。親鳥を見つけた雛鳥

東雲 亜梨花 : ヨーシャシャシャシャ

東雲 亜梨花 : よくわからないけど手を広げて迎えるよ

卜部影路 : 「…………」

うわぁ、と、遠目に眺めている

望月/朔 : だーーーーいぶ!

東雲 亜梨花 : きゃーっち!
今日はお昼ご飯を1.5倍食べたので安定感があるぞ。もうおなか減ったけど

獅童糸香 :
「……」

 親子かな?

「──あ、亜梨花さん。おつかれさま。ええっと、この方は、近くの教会に在籍されているレベッカさん」

東雲 亜梨花 : いっしょにわちゃわちゃしながら
「ここまで連れてきてもらったの?」と一応聞くよ

望月/朔 : 「はい! れべっかさんにつれてきてもらいました!」

東雲 亜梨花 : シスターだから教会にいる。何もおかしくないな。

エージェント : 「あ、あー、西崎先生が、出来れば一緒にいた方がいいだろうって。この子を送りましたの」

獅童糸香 :
「病院からの帰り、だったんでしょう?
 心細かったと思うから、いっぱいよしよししてあげなきゃね(?)」

 レベッカから先に事情(表向きの)を聞かされていたのだろう。
 特に疑問に思う様子もなく、会長は苦笑します。

東雲 亜梨花 : 言い訳しなくてよさそうだ。助かる。
「うん、そうだね。知らない大人もたくさんいただろうし、よく我慢したよ」
会長の言葉にうなずきながらえらいぞ~ともっちーをわしゃわしゃします。

望月/朔 : 「わたしがんばりました、ほめてください!」 ほめて~>ワ<

東雲 亜梨花 : よぉーしよしよしえらいぞ~

卜部影路 : (……とりあえずは、大丈夫そう、か?)

誰かしらが許可を出したからこそ、ここにいるわけだろうしな……

東雲 亜梨花 : じゃあこれ三人で帰る感じかな

東雲 亜梨花 : (三人+1)

エージェント :
「では、わたくしはこれで。あとのことは、よろしくおねがいします」

「本当はわたくしもみなさんと帰りたかったのですけど、あいにくとお仕事が残っておりまして」

 ぺこり、と頷いて、レベッカは教会に戻って行くよ。

東雲 亜梨花 : もっちーといっしょに手を振って見送ろう。わ~

獅童糸香 :
「そうでしたか。ありがとうございます。
 亜梨花さんの件は本当にお世話になりました。お気をつけて」

 ぺこ、と上品に礼をして見送ります。

望月/朔 : わ~>ワ<

獅童糸香 : 「……さて、帰ろうか?」

東雲 亜梨花 : 「うん。暗くなりすぎる前にね」
というわけでこっそり後方を気にしつつ、歩き出します。
「──あ、そういえばレベッカさんからも……もっちーについて聞いたの?」
とレベッカさんがどういう説明してたかちょっと探りを入れつつ話始めてよいかな。

獅童糸香 :
「親戚の子、なんでしょう? その親御さんが今海外で働いてるから、預かってるって。
 大変だよね、とまでは聞かないけど」

 ──レベッカはそういうこととして、説明しているらしい。
 元々は親の事情で転校してきた(ということになっている)亜梨花。
 望月のことも、その事情に絡んでいるとして、あえて踏み込んでいないのだろう。
 そのあたりは彼女なりの気遣いというべきだろうか。

東雲 亜梨花 : 「うんうん。大体そんな感じ。
 いま寂しいだろうしできるだけ見ててあげたいんだ」

獅童糸香 : 「……。そっか」

 優しさに気づいたのか、ふ、と微笑んで。

「悩み相談なら乗れるから、いつでもいいよ」

東雲 亜梨花 : 「なやみ……育児の?」

獅童糸香 : 「育児の!? う、うーーーん! 相談されたら頑張ってみるけど!」

東雲 亜梨花 : 「ふっ……あはは! じゃあその時は一緒に頑張ろうね。
 会長が一緒ならもっちー安心だね!」

東雲 亜梨花 : というわけでちょっと望月ちゃんの様子も気にかけていくよ

獅童糸香 : 「そうだね。その時は、ね」

望月/朔 : 「? ありかが安心な人なら、望月も安心です!」

東雲 亜梨花 : 「そっか~」

東雲 亜梨花 : よしじゃあ会長にももっちーの反対の手をつないでもらおう。

東雲 亜梨花 : 特に何もなければきゃいきゃい仲良く帰ろうかな

獅童糸香 : 獅童会長は反対の手を繋いで、鼻歌を歌っています。ゆ~やけ、こやけで、ひがくれて。やまのおてらの、かねがなる。

GM : さて

東雲 亜梨花 : ッス

GM : ここで亜梨花と見守る卜部くん、<知覚>で判定だ。

卜部影路 : まあ、何もないことはねぇよな

GM : 達成値は

卜部影路 : 知覚ならどうとでもなるか

GM : 驚愕の3!w

東雲 亜梨花 : まかせて!

卜部影路 : 振るまでもねぇ

東雲 亜梨花 : もう誰かわかったような

GM : 達成値ではない難易度。

東雲 亜梨花 : 一応ね、一応

卜部影路 : 1DX+1 (1DX10+1) > 1[1]+1 > 0 (ファンブル)

卜部影路 : は?

東雲 亜梨花 : あの

GM :

東雲 亜梨花 : まあ、人には運勢があるから、ねっ

卜部影路 : うるせぇ……

東雲 亜梨花 : じゃあ私の分~

東雲 亜梨花 : 9dx <知覚> (9DX10) > 10[3,4,6,7,7,7,8,8,10]+2[2] > 12

東雲 亜梨花 : すっごいわかった!

卜部影路 : ぐっ……突っ込みたいが、突っ込めねぇ……

GM : シークレットダイス ???

GM : では、

GM : 亜梨花、あなたは楽しい日々の途中、背後に気配を感じるだろう。

??? :
突き刺さるような妬みの視線。隠しているつもりなのに、隠せていないそれ。
間違いない。これは──黒曜山にいた、謎のフードの青年だ。

獅童糸香 :
「……」

 同時に、亜梨花は見逃さなかっただろう。
 獅童会長の怜悧な瞳に、色のない知性が宿ったことを。

「……あ、そうだ。亜梨花さん」

獅童糸香 : 「私、美味しいお店知ってるんだ。今から行く?」

東雲 亜梨花 : 「……」

獅童糸香 : 「クレープ」

獅童糸香 : 「パフェ」

東雲 亜梨花 : 「クレープ!?」

獅童糸香 : 「それから美味しいコーヒー」

東雲 亜梨花 : 「お砂糖は……」

獅童糸香 : 「もちろん許されます」

東雲 亜梨花 : 「やった~~~~~~行く~~~~」

東雲 亜梨花 : あ、望月ちゃんの様子はどうかな

東雲 亜梨花 : あそれと

GM : 望月ちゃんですか

望月/朔 : 「おいしいたべもの……」(きらきらきら)

東雲 亜梨花 : そう。怖がってたりしないかな

東雲 亜梨花 : うむ!

望月/朔 : で、卜部くん

卜部影路 :

東雲 亜梨花 : 「じゃあお家の人にちょっと寄り道……ううん、大事な!用事ができたって連絡していいかな」といいつつ感じたことと状況のラインを卜部君と支部長にいれるよ

卜部影路 : まあ、近くで見てるわけだが

東雲 亜梨花 : 振るまでもなんとかかんとか

翠簾野 夕南 : 会長がちょっと怪しい感じの表情の動きも合わせて共有してくれるやつか?

卜部影路 : (一応非常事態なのに、呑気に道草食ってて良いのか……?)

東雲 亜梨花 : うん。「タイミングよく」誘ってくれた旨をね

望月/朔 : もう一度「知覚」で振ってください。

望月/朔 : ここでもファンブル出したらキミのこと美人に弱い人と呼びます。

卜部影路 : あ、俺か

東雲 亜梨花 : ムッツリ!

望月/朔 : イエス

卜部影路 : 1dX+1 (1DX10+1) > 8[8]+1 > 9

翠簾野 夕南 : 了解。『最近の事件のこともあるし、早めに切り上げてな。気をつけろよ』と返信します。

卜部影路 : まあ平均くらいだな

翠簾野 夕南 : まずいと思ったらタイミング見て帰れよ、の意。

望月/朔 : では、ここで宣言を入れよう。

東雲 亜梨花 : 元気なスタンプいっこ返します「りょ!」

GM :
【information!:Dロイスが発動しました】

Dロイス:天才(ジーニアス)
参照ページ:上級P56
フレーバー:才能で全てをこなすエフェクト
効果:判定達成値に+【精神】を入れる。

GM :
    ・・・・
使用者:獅童糸香

卜部影路 : まあ、だろうな

東雲 亜梨花 : ままままだほら私たちも知らないこの市支部のエージェントかも

卜部影路 : 立場を隠す意味がねぇだろ

GM : 描写は後ほど。獅童糸香の対抗判定もとい追跡振り切りロールを振ります。

GM : 1dx@7+8 宣言《天性のひらめき》 (1DX7+8) > 5[5]+8 > 13

卜部影路 : あ、すまん、知覚ダイス一つ少なかったからフリ直していいか?

獅童糸香 : あ、いいよ

卜部影路 : まあ、回らない限り届かないからな……

卜部影路 : 2dx+1 (2DX10+1) > 9[8,9]+1 > 10

卜部影路 : くっ

東雲 亜梨花 : 惜し~

GM :

 ・・・・
 やられた、と、見失ってから卜部は勘づくだろう。

GM :
 獅童糸香の天才性にはカラクリがあった。人間性を失ったような感情と声音。異様なまでの切り替えの早さ。
 それでいて、もっとも"日常に溶け込みやすい"シンドローム──ノイマンの純粋個体(ピュアシンドローム)だ。

卜部影路 : まあ良い……ラインで位置情報流せるしな……多少は早く駆けつけられるだろう

東雲 亜梨花 : 位置情報ボタンぽち!

GM :
 彼女はどちらかは分からないが、追跡者に気づいてからすぐ、最も自然な形で、撒けるようにルートを構築していた。
 望月に勘付かれることもなく、亜梨花に不信感を抱かれることもなく、だ。

卜部影路 : このために、お昼休みにライン交換をしておく必要があったんですね

東雲 亜梨花 : ふっ私たちのクレバーさが早々に露見してしまったようだな

??? :

「く、クソ、どこ行った!? ──ちっ!」

 明らかに不出来である不審者はついていけるはずもない。
 露骨な動揺を見せ、その後に何を思ったのか、その場を逃げ出した。
 ……追う意味を問われれば、優先順位的には後でと言わざるを得ないだろうが。

卜部影路 : とりあえず、撒かれたことに気付いた時点ですぐにLINEを飛ばそう

まあ、駆けつけるまでの間に一人になっちまうが……

GM :

 ──さて、会長の案内に従った亜梨花達は……。

東雲 亜梨花 : 会長に何クレープが好きか聞きながらホイホイついてくよ

GM :

  サ店
<喫茶店>

東雲 亜梨花 : 読みがないる?それ

サ店のマスター :
「いらっしゃいませ。……おや、今日はお友達もお連れですか?」

 出迎えてくれたのは老紳士だった。
 どうやらそれなりに歴史のある場所らしく、彼が一人で切り盛りしているらしい。

東雲 亜梨花 : はえ~すっごい雰囲気

東雲 亜梨花 : それからこんにちは!と挨拶もしておこう。

獅童糸香 :
「そうなんです。……あ、好きなもの頼んでいいよ」

 慣れた様子で座り、おいでおいでとする会長。

東雲 亜梨花 : やた~。じゃあもっちーには奥に座ってもらって。その隣に私が着席!
きっと赤くてなんかふわっとしたいいそふぁあなんだろう。

獅童糸香 : そうそうそんな感じ。レトロなクラシックが流れていたりするんだ。

東雲 亜梨花 : メニューを二つあったらふたつ取り出して会長にわたしつつ、もっちーと一緒にクレープを選びます。

サ店のマスター :
「おやおや。これは、腕によりをかけて作りませんとなぁ。──手始めにパフェで、ぱふぇ~っと驚いてもらう、なんてどうでしょう?」

東雲 亜梨花 : 「 」

獅童糸香 :
「あ、クレープで」 無慈悲

東雲 亜梨花 : メイドさんといい執事(のようなマスター)といいだいたいこんな感じなのかな

東雲 亜梨花 : 「じゃあわたしも!」

東雲 亜梨花 : 「もっちーはどうする?なんでもいいよ~」

望月/朔 : 「あ、じゃあ、……くれーぷ! くれーぷがたべたいです!」

東雲 亜梨花 : 「うんうん。じゃあマスターさん、クレープ三つでおねがいします!」

サ店のマスター :
「相変わらず獅童お嬢様は手厳しい。いつになったらこのわたくしめの渾身の駄洒落が通ずるのやら」

「ええ、かしこまりました。お待ちくださいませ」

東雲 亜梨花 : ほぉん?

東雲 亜梨花 : 会長に聞いてみようかな。

東雲 亜梨花 : 「おじょうさま……? 会長お嬢様で……マスターはもしかして、本物の執事!?」

獅童糸香 :
「……。あ、ないよ、そういうの。
 私は普通の家庭。ただ、しばらく通ってるうちにそう呼ばれはじめちゃった、っていうのが真実かな」

 夢みせちゃったらゴメンね、みたいな顔

獅童糸香 :
「ここはね、昔から来てるんだ。
 一人で色々考えたいときとか、試験が近いときとかね。
 落ち着けるの。こういう場の方が」

東雲 亜梨花 : 「なぁんだ。面白いマスターだね。
 じゃあ私ももしかしたらいつかお嬢様になるかな」

なんて冗談を言いつつ。

卜部影路 : ちなみに俺は今、LINEに鬼電してるぜ

東雲 亜梨花 : 落ち着けるって話を聞いてすこし店内のクラシックに耳を傾けて
「そうかも。不思議な空気だねここは。」

東雲 亜梨花 : すっごいぽっけで振動してそう

サ店のマスター :
「来てくださる方には皆、もてなすことと決めておりましてな。
 いやぁ、はじめてから70年。こうしてぽつぽつと来ていただけて、ありがたいかぎりです」

「……そういえば、知っておりますかな、新しい方のお嬢様がた」

サ店のマスター :

「──数字の3と9を並べると、"サンキュー"になるそうですぞ」

東雲 亜梨花 : ドッ

東雲 亜梨花 : いかん、普通に笑っちゃった

獅童糸香 :
「あー、うん、そうだね。私が来たときも言っていたね」

 糸香は聞き流している!

東雲 亜梨花 : 「──……ンっふ」
真剣な表情でゴクリ、言葉を待っていたらソレ。
理解するのに少しかかって、理解をしたらあんまりにしょうもないことだったから笑ってしまった。

東雲 亜梨花 : それからじわじわと後を引く。
爆笑、とはいかないけど顔はすっかり緩みっぱなしだ

望月/朔 : 「さん、きゅー?」
「ありがとう、って意味だよ。もっちー……ちゃん?」
「そっか! ・ワ・」

東雲 亜梨花 : 「ン゛、ふふ……さんときゅーがならぶからさんきゅーってね、へへへ。いやそれはそうなんだけど」

獅童糸香 : とまぁこんな感じで、和やかな談笑が続くわけですが……何か聞くことありますか?

獅童糸香 : なければ獅童会長が卜部くん鬼コールしてるけど出なくていいの?とします。

東雲 亜梨花 : ん~鬼電にでてもっち~から目を離したくはあんまりないんだよね。

東雲 亜梨花 : えいっ

東雲 亜梨花 : 女子会中(顔文字)とだけ返信するよ

獅童糸香 : 「あっ」 あっ(さっきからずっと鳴ってたんだけど、まぁいいかとします)

卜部影路 : せめて!!!場所を送れ!!

東雲 亜梨花 : 念を受け取ったのでグーグルマップの現在地の紅いやつの写真だけスクショで送っておくか……

東雲 亜梨花 : んでんで聞きたいことね……

獅童糸香 : 「……な、なんかごめんね? 思いつきで来ちゃったけど、送り届けるのはちゃんとやるから」 あはは

卜部影路 : 現住所の座標をおくれよ!!(ここどこだ!?ってなりながら走り出した)

翠簾野 夕南 : 走りながらおれにも状況をくれ! 報連相! 報連相!

獅童糸香 : 下町の入り組んでてなんかグーグルマップだと適当にしか表示されてないせいで、

獅童糸香 : 実際に行ってみると地図と場所の感覚が違うみたいなとこの喫茶店です

東雲 亜梨花 : 一応クレープの話が出たときに卜部君にも一斉送信はしてあるからね~

東雲 亜梨花 : 知る人ぞ知る!

獅童糸香 : 知る人ぞ知るやつ

獅童糸香 : グーグルマップの写真見てもよくわかんない壁しか映ってない(あるある)

神々廻 京 : 厄介なところに連れ込まれましたね……

東雲 亜梨花 : じゃあ会長にお返事で、
「ううん!わたし友達と放課後にクレープってやってみたかったからうれしいな」

卜部影路 : 夕南さん!!オーヴァード(推定)と東雲がどっか行きやがった!!

獅童糸香 :
「……。……そうだね」

東雲 亜梨花 : 「でも秘密の場所だったんじゃないの? 教えてもらってなんだけど、いいの?」

卜部影路 : 念の為に、会長はエージェントじゃないかとか聞いておこう

獅童糸香 :
「わたしも、うれしいかな。
 こういうのするの、なんか久々で」

翠簾野 夕南 : うちの情報にはない! よな。

獅童糸香 : 「……。私、高校を出たら、都内の有名大学に行くんだ。○○ってところなんだけど」

獅童糸香 : 聞けば分かるレベルのトップクラスの大学です

東雲 亜梨花 : 「わ~すごいね! もう決まってるんだ!」

獅童糸香 :
「だから、頻繁にはこれなくなっちゃって。
 気心の知れた人に教えて、通い続けてもらった方が、ほら、マスターのお財布にも優しいし、何より守れるでしょ? こういうところ」

獅童糸香 : 「……。うん。推薦がもう通っててね」

東雲 亜梨花 : 「たしかに、いいよね。こういう隠れ家!私だけ知ってる!なお店。
 ──推薦で! 会長、いっつも頑張ってるもんね。よかったね……よかったやつ?」

獅童糸香 :
「もちろん、よかったと思うよ。
 お父さんにもお母さんにも恩返しできるから」

獅童糸香 : 「日頃の成果、ってやつなのかな」

東雲 亜梨花 : 「そっか、お父さんとお母さん、よろこんでくれてるんだね。
 かいちょ……ううん、あの、糸香ちゃんってよんでいいかな。せっかくお店紹介してくれた友達だし、会長も、ね、ちょっと寂しいから」

獅童糸香 :
「うん。受かったって報告したら、すごく喜んでた。……?」

 きょとん、と首をかしげ、ふふ、と笑ってから。

獅童糸香 : 「いいよ。私も、呼び捨てにしていいかな?」

東雲 亜梨花 :

東雲 亜梨花 : 「へへ、うん!うれしいな。糸香ちゃん」

獅童糸香 : 「ん、よろしくね。亜梨花」 ふふ、と笑顔を浮かべた──

望月/朔 : その様子を、「ともだち……」と望月は眺めていた。

東雲 亜梨花 : 名前を呼び合う友情ムーヴにすこし照れるよ。
「へへへへ……
 糸香ちゃんは大学でどんなこと勉強するの? 私も……そろそろ考えなくちゃいけないけど迷っちゃうんだ」

獅童糸香 : 「医者になるために、医師免許を取ること。そしてみんなを助けられるようなお医者様になるための勉強、かな」

東雲 亜梨花 : ひゃあすごい(素)

東雲 亜梨花 : 「お医者さんになるんだ! かっ……糸香ちゃんすっごくいろんなことに気が付いてくれるから、きっといいお医者さんになるね。
 かっこいいなぁ。私もお医者さんになろうかな」

獅童糸香 : 「ありがと」

「うーん、すっごく勉強しないといけないから、大変だと思うよ?」

東雲 亜梨花 : 「勉強かぁ……」
心の折れる音がするよ。

卜部影路 : お前、一応ノイマンだろうが……

東雲 亜梨花 : 「じゃあ私の分までね、うん、糸香ちゃんに託そう! うん! 大変かもしれないけど、息抜きには付き合うよ!たくさん!」

東雲 亜梨花 : できるとすきはちがうのだよ

獅童糸香 : 「……ん」

獅童糸香 : 「ありがとう、亜梨花」

東雲 亜梨花 : 「へへん、友達だからね。困ったときは、お互い様。頼ってくれたらうれしいよ」

獅童糸香 :
「ふふ。……さっきの私の言葉、そっくりそのまま返っちゃったかな?
 そうだね。悩んだら、相談するね」

東雲 亜梨花 : 「んあ……ばれたか」
あたまをかいてまた照れ笑いで返すよ。
相談するね、と言ってくれたことに安堵してニコニコに戻る。そのまま他愛ない話をつづけるかな

獅童糸香 : おーけー。

GM : では、他愛のない女子会のち、きっちり宣言通り、糸香はあなた達を送り届ける。無論、不審者の影はない。

東雲 亜梨花 : ばいばーい。また明日。
ということでまたもっちーと手を振って見送ろう。姿が見えなくなるまでね

望月/朔 : 「ばいばーい!」>ワ<

卜部影路 : ぜぇぜぇしながら合流しよう

東雲 亜梨花 : キャッキャッ

望月/朔 : 「あ、すごいつかれてるえーっと、」

望月/朔 : 「ずつきされたひと!」

東雲 亜梨花 : [「ちがうよ!うらきちだよ!」

望月/朔 : 「なるほどうらきち!」

卜部影路 : 「…………はぁ」

何事もなく阿呆二人で良かったというべきか、なんというべきか……

東雲 亜梨花 : お土産に喫茶店のレジ横に売ってるクッキー渡すね。
「ごめんね~でも糸香ちゃんこわくなかったよ」

東雲 亜梨花 : 「こんどは影路君も一緒につれてったげるから」

卜部影路 : 「……怖くなかったとしても、心配してくれる人がいるだろうが」

ジロリ、と半目で睨む

卜部影路 : 俺ではないぞ

東雲 亜梨花 : 「ふふ……うん、それもごめん」

望月/朔 : 「おいしかったよ!」

望月/朔 : ぺかー

東雲 亜梨花 : 「いろんな人に守られてるの私知ってるから」

東雲 亜梨花 : 「ね~おいしかったし!」

卜部影路 : 「はぁ……怒るのもアホらしいな」

なにか言いたそうにしながらも、呑み込んで、クソデカ溜息を吐く

東雲 亜梨花 : 「それぐらいでいいんだよ~、それにおなかすいてきたな……早く帰ろ! 支部長代理に怒られるときにはつきあってね!」
といいつつ背中をズンドコ押していこう

卜部影路 : 「なんで……俺が!!」

つーか押すな!!と言いながら帰ろう

東雲 亜梨花 : もっち~と二人で

東雲 亜梨花 : 電車のごとく連結して帰りま~す

望月/朔 : 「しゅっしゅっぽ~! 楽しいね、ありか!」

翠簾野 夕南 : ほうれんそうはして偉かったね。(支部で待っていた満面の笑顔のゆーな)

卜部影路 : ひぇ

東雲 亜梨花 : 「うん! たのしかったn……ヒョワ」

卜部影路 : というところでこのシーンは切る感じで頼むぜ

望月/朔 : おーけー。では、今日はここまでかな

GM :

 夕暮れに少女たちは別れる。
 双子の月が出たのは、逢魔ヶ時の頃だった。
 神秘のベールが剥がれた今、この街を護るモノは無い。
 動き出す者たちに容赦はなく、異能者が創った異邦の街の仮初の平穏が、少しずつ崩れていく。

GM :

 ずっと封じられていた真実(約束)は、果たされるのを待っている。
 いつか、たとえ、それが誰に対する裏切りとなろうとも。

<マスターパート②>

GM :

<マスターパート>

GM :

       ・・・・
「──あれは、ジャーム。下手すれば、覚醒個体を殺しかねません」
『ですね。報告を聞くかぎり、たしかにそうなる可能性もあります。そうなれば、その時はその時でしょう』

GM :

 私が報告したのは、あくまで懸念だ。
 今更迷いなどない。既に後戻りできないところまで来ている以上は、粛々と命令を遂行するのみ。
 だけど、──既に麻痺し壊れてしまった部分が、ちくりと痛みを訴えている。

GM :

 このままでいいのだろうか。
 魔力に取り憑かれた者を狂気に導き、"完全に覚醒"する手助けとさせる。
 それが任務だった。殺しも盗みもいとわず、しかし気取られるな。

GM :

 だから、任務に出るときも、研磨するために"洗礼"を受けた。
 そして今、画面越しに、主はこう言うのだ。

??? :

『こう答えましょう。
 ・・・
 だから? ああ、それとも……また、使います? 例の式を』

??? :
『死ねばそのとき。至高の兵器を手にできないというのは残念ですが、こだわる必要もありません。
 こだわり続けるのはFHの美徳ですが、同時に危うさでもある』

??? :
『──歴史上の人物も、UGNの有名人も、FHの巨悪も、なにかにとらわれたことがきっかけで、破滅していったのです。
 だから、こだわらなければいい。大事なのは結果ですよ』

??? :

『返事は?』
「……はい」
『よろしい』

??? :
『それでは引き続き、報告をよろしくおねがいします。
 アテられたことで、ジャーム化が加速したというのは、サンプルとしてはちょうどいいでしょう。彼に関するものも、引き続き頼みますよ』

??? :

「──了解です。"マスターマインド"」

[雑談] system : [ 東雲 亜梨花 ] 侵食率d : 0 → 1

<ミドルフェイズ③/明花あきる&翠簾野夕南/暗雲に潜むモノ>

GM :

<ミドルフェイズ/暗雲に潜むモノ>

GM : シーンプレイヤー:明花あきる

GM : というわけで、時間軸は亜梨花達が学校へ行っている間のことだ。ゆ~~な支部長は出るかどうか選べるけどどうする?

翠簾野 夕南 : せっかくだし出るぜ。(強欲)

明花あきる :
欲張りィ

GM : 欲張りだぜ。

GM : では登場侵蝕振ってくれ

明花あきる :
あいよ

明花あきる : 1d10 (1D10) > 9

翠簾野 夕南 : 1d10 (1D10) > 4

明花あきる :
……昨日のイロイロが残ってたんだろうな、うん

system : [ 翠簾野 夕南 ] 侵蝕率 : 55 → 59

system : [ 明花あきる ] 侵蝕値 : 49 → 58

明花あきる :
でも夕南のが高ェんだよなァ……

GM : 初期衝動侵蝕の影響があるとはいえ情報収集前でこれかぁ……(

翠簾野 夕南 : 任せな……おれはこれから上がり続けるからよ!

GM : とりあえず、鮫島警部への連絡とかもあるから、P市支部からシーンを始めよう。

GM : 時間は昼時、明花あきるは警察の出勤時間を狙い、スマートフォンの電話帳を開く。
相手はもちろん、鮫島公平警視庁捜査一課刑事だ。

明花あきる :
「…………」

 スマホを開く。手袋はスマホの画面にも反応するものなので、特に外したりはしない。
 さして多くもない電話帳の「さ」行────目当てを見つけて、コール。

鮫島刑事 :
 では、1コールするかしないかの内に鮫島が出る。

『なんですか、探偵殿?』

 絶妙に嫌味ったらしい声。
 ストレスが抜けきっていない不機嫌な口調。
 現場の最前線で働き、警視総監には振り回される警視庁のエリート。

明花あきる :
「はァン、今日も随分とご機嫌だなァ鮫島。すっとぼけんなよ、心当たりくらいあンだろテメェはよ」

 その不機嫌さを意に介さず、むしろ愉快だとでもいいたげに、可愛らしい声がころころと笑う。
 まあ、発言は不良のそれではあるが。

鮫島刑事 :
『こっちは暇じゃないんですよ。名探偵のあなたにだけ分かる言語で話さないでいただけます?
 要件を整理してから電話を──』

 といったところで、電話の向こう側がやや慌ただしくなるのを聞くだろう。

"えっ!?名探偵!? それってあの巷で噂の女子高校生探偵ですか!?"
"うるっせぇぞ木ノ宮ァ! 黙って仕事──あ、おい、ちょ!"

明花あきる :
「…………コイツの周りも大概うるせェなァ」
 私の方まで聞こえてくるぞ。

木ノ宮刑事 : 『あっもしもし! 僕木ノ宮隆二といいます! えっ、先輩が話されてた方ってホントのホントに女子高校生名探偵明花あきるちゃんですよね!?』

 かわった(奪い取った)のは、テンションの高い若い男性であった。

明花あきる :
「…………木ノ宮隆二? 誰だオマエ……鮫島の部下か?」
 はて、今まで現場で遭遇した中で、そんな名前の部下はいただろうか。
 いや、いたなら覚えているはずだ。自分はノイマンだし────何より、こんなバカみたいなテンションなら、絶対悪い方の記憶として残っているはずだから。

木ノ宮刑事 : 『えっ、覚えられてない……ガァ~ン。いやあれですよ、警視庁捜査一課の木ノ宮隆二ですよ!』

 ──そういえば、ああ、いたなと記憶の片隅に引っかかるだろう。
 殺人事件などの現場で、聞き込みや検証を行う鮫島の補佐にまわっていた下っ端の男だ。

『それより、あれですか? 探偵殿が鮫島先輩に電話ということは──もしかして事件?』

[雑談] system : [ 東雲 亜梨花 ] ロイス : 5 → 6

明花あきる :
「……あー、まァ、いたな。そういや。ま、使えンならテメェでもいいや。
 事件だとも。テメェの上司が私に押し付けてきた、図書館の件だよ」

木ノ宮刑事 : 『あ、古書ばっかりが紛失してるっていう例の件ですね? 僕ら一課じゃ取り扱えないってことで手がついていないんですけども、どうかしたんですか?』

明花あきる :
コイツや鮫島はオーヴァードのこと知ってるっけか。

翠簾野 夕南 : ちかくで探し物しながら電話の音きいてます。耳ぴくぴく。

木ノ宮刑事 : 捜査一課の方にはUGNと連携している部署もあり、鮫島達は(信用の有無はさておいて)一応オーヴァードに関する知識はあります。

明花あきる :
オーケー。

明花あきる :
「証拠も事件性も無いから立件できねェ、ってンだろ。それを私が引き受けたわけだが……どうやら、単なる事件じゃないみてェでなァ」

明花あきる :
「────オーヴァードが絡んでる。だからテメェらにゃ、証拠を掴めなかったってコト。
 私がさっぱり解決しても良かったんだが────押し付けたんだから、一つくれェ手伝ってもらわなきゃな、っつってテメェの上司に電話寄越したワケ」

木ノ宮刑事 : 『もっっっちろん! サインくれればいくらだって手伝──あっ、ちょ!』

鮫島刑事 : 『……馬鹿が世話かけましたねェ。で、ええ、なんですか? 何をすればいいんですかね?』

明花あきる :
「盗まれた古書が所蔵されてた資料室……その閲覧履歴、もといコピー申請の履歴を見るにゃ、令状が必要だって渋られてな。まァそりゃそうだ、個人情報だし。
 ただ、その盗られた本の中身がちっと気になってな……現物が無い以上、そのコピーを取ったヤツに当たるしかねェ。テメェに頼みたいのは、その申請履歴の開示請求だよ」

明花あきる :
「……あァ、あの馬鹿のことァ気にすんな。この件聞いてくれたら、チャラにしてやっからよ。なんならサイン送りつけてやろうか?」

 いつも現場で顔を突き合わせれば喧々諤々、協力したり反目したりの関係である刑事に一方的に命令できる立場を楽しみつつも、しっかりと牽制(からかい)をする。

鮫島刑事 :
『……』

 電話越しでは分からないが、こめかみを押さえたような……そんな気がする。

"おい木ノ宮ァ、テメェ自分のケツぐらいは自分で拭けよ!"
"えっ、サイン!?"
"仕事中だ!"

『……いいですよ。市のお偉いさんも、P市の歴史を示すものがないと言って騒ぎはじめてます。
 こっちにクレームが飛んでくる前に片付けてくださいよ! まったく──こっちも忙しいので切りますからね!』

鮫島刑事 :
そう言って彼は電話を切る。
少なくとも警視庁捜査一課、やると言ったことはやる男なのだろう。
それに、話に乗ったということは……警察内部でも何かしらの動きがあり、注目しはじめたのかもしれない。

明花あきる :
 一方的に言うだけ言って、「ブツッ!」と耳元で鳴る切断音。

「っくく、サイン一つでコキ使える手駒ゲットたァな。木ノ宮とか言ったか、次はちゃんと覚えておいてやらねェと」

 それはそれとして、令状の確約は取った。あとは手配が付き次第、印籠よろしく携えて図書館に赴くだけだ。
 そう、彼女は機嫌よさげにスマホをしまい込む。

GM :

 ──さて、これで図書館の手配は済んだ。

 二度と顔も見たくないと言わんばかりに使いっぱしりにした木ノ宮あたりが電話を入れてくれるかもしれないが、まぁそれはそれだ。

GM :
 ……となると、次は映像の解析然り、他の情報然り、だが。

GM : ええと、この後何調べるんだっけか。

明花あきる :
猫川のところに行って、貸しをちらつかせてこの市のオーヴァードの情報を収集。ってトコだな。エンジェルハイロゥとブラックドッグの二つを少なくともシンドロームとして持ってて、きな臭ェ噂のあるヤツ。

GM : オーケー、保護者(夕南くん)も何も無ければそれについていく感じでいいのかな。

翠簾野 夕南 : そーね あとは

明花あきる :
誰が誰の保護者だっつの……。あとは?

翠簾野 夕南 : 片手間で獅童糸香について調べられたりしない?

GM : お……。では、それも含めてかな。

翠簾野 夕南 : やったぜ。

明花あきる :
あー。気になるトコだしな

GM :
ゆ~な
○【獅童糸香】(情報:UGN 10)(情報:噂話 8)
あきる
○【P市の不審なオーヴァード】(情報:UGN 8)

GM : 振ってくれぃ。

翠簾野 夕南 : いくぜ・・・!

明花あきる :
……情報、警察なんだよな、私

翠簾野 夕南 : 《生き字引》と……

翠簾野 夕南 : いちおう《コンセントレイト:ノイマン》使う。

明花あきる :
ま、詰めていきてェもんな。頼むぜ

翠簾野 夕南 : 生き字引あるとコンセを情報に乗せられるの、つよい

GM : 警察で振る場合は難易度……8くらいでいいか。たぶん変わらない

system : [ 翠簾野 夕南 ] 侵蝕率 : 59 → 63

明花あきる :
オーケー。

翠簾野 夕南 : これで1増えて

翠簾野 夕南 : 8dx+3@8 《生き字引》《コンセントレイト:ノイマン》使用情報 (8DX8+3) > 10[1,3,4,5,7,7,8,9]+5[3,5]+3 > 18

明花あきる :
……回ってんなァ

GM : ところで噂話とUGNのどっちで振った?

翠簾野 夕南 : UGN。

GM : OK

GM : あきちゃんの結果見次第進めます。まとめてこっちでやりましょう

明花あきる :
ン。ンー、猫川相手に「貸しがある」っていう点があったうえでの、目標値8って考えてイイか?

GM : イエス。

明花あきる :
……貸しがなかったらもっと高かったと。オーケー、振るか

明花あきる :

明花あきる : 2dx+3>=8 (2DX10+3>=8) > 9[6,9]+3 > 12 > 成功

明花あきる :
ヨシ。

GM : つよい

明花あきる :
やっぱ固定値ってェのは強ェなァ

GM :

<P市外れ/レンタルルーム>

GM :
 ……猫川に連絡をつけると、すぐにレスポンスがある。
 仕事でこちらに来ているらしく、レンタルルームで落ち合おうとのこと。

GM :
 指定された場所に二人が向かい、猫川が指示した番号の部屋へ向かうと、資料とPC、それから機材を置かれている──という、いかにもな光景が広がっていた。

翠簾野 夕南 : 「……おー。いかにもな情報屋の部屋」

明花あきる :
「……アレらしいっちゃアレらしいが。こんな開けっ広げに放置していいモンかねェ……。
 っつか夕南、テメェ支部長の仕事は? 尾身が泣いてんじゃねェの、今頃」

猫川美亜 :
「あいにくと、もてなすものはないけど。
 ……ああ、そこの椅子にでもかけて」

 "ミーアキャット"猫川美亜。
 駆け出し中の情報屋。とあるクラッカーとの対決の際に窮地に陥ったところを、報酬と引き換えに救ったのがはじまりと言えよう。
 その伝手で、夕南支部長も紹介してもらった──というのが流れだ。

翠簾野 夕南 : 「んあ? あ、大丈夫大丈夫。根回ししてるし、あとは肝心の成果が来るのを待つだけ」

翠簾野 夕南 : 「な、猫川さん。ごぶさたっす」

明花あきる :
「我が幼馴染様は用意周到なこって。……ン、ま、テメェにもてなしなんざ期待してねーよ、猫川」
 あくまでもぶっきらぼうに、指し示された椅子に腰かける。

猫川美亜 :
「あと、その点は大丈夫。重要なデータは持ち運んでるから。
 どうも。早くて安くて安心、"ミーアキャット(アナグラの獣)"猫川美亜の掲示板へようこそ──といっても、今回は出張だけどね」

 相変わらずの様子の名探偵もそこそこに、彼女はプロジェクタに映し出す。

猫川美亜 :
「それで、P市のオーヴァード? についてはこんな感じ。
 ……不審な動きをしてるっていうのは見当たらなかった、けど」

 タンッ、とエンターキーが押されるとともに、プロジェクターに映し出されたのはこの名前だ。

「"Luna-02"。
 オーヴァードであるが未熟、レネゲイドウイルス適正も低い。
 "だからこそ"見逃されてた人物が、このP市で頻繁に活動してる」

翠簾野 夕南 : 「……ん……」

翠簾野 夕南 : おれ、心当たりある?

猫川美亜 : ない……といいたいが、なんとなくその名前は卜部くんから聞いているものとしていい。

猫川美亜 : というか話してなかったっけ(あいまい)

翠簾野 夕南 : それ以外で心当たりないかなーと思って チラ見の話でも写真記憶で覚えてるだろうし

猫川美亜 : そういう話か。

猫川美亜 :
「正直、まともに調べられてなかったせいで、手間取ったわ。
 "隠されてた"とか"足取りが掴めない"とかじゃなくて、今まで害意も悪意もなかったせいで、ロクな情報もなかったっていうのが正しいわ」

 ──そう、"今までとるに足らないが、特徴的な行動と痕跡を遺していたオーヴァード"であったはずなのだ。
 翠簾野夕南も支部長として情報を共有しているが、優先順位としては圧倒的に後回しにしてもいい人物だったといえよう。
 だが、ソイツは、観測される限りでは"エンジェルハイロウ/ブラックドッグ"であった。

「"Luna-02"の命名の由来は、ソ連の月面探査機。
 その名の通り、ソイツは月を観測していた。機械を組み立てて、どうにかこうにかして見れないかと試行錯誤していた。
 接触しようとしたエージェントはいたらしいけど、どうも……まぁ、コミュニケーション能力が低かったというか」

明花あきる :
「"Luna-02"……"だからこそ"、ねェ」

 ……なんとなく、合点のいくところはある。
 徹底的なまでの証拠隠滅を図りながら、それでも「エフェクトを使った」という事実の隠匿だけを見落としているという、詰めの甘さだとか。

翠簾野 夕南 : 「……Luna-02……影路が言ってたオーヴァードか。確かそいつ、エンジェルハィロゥとブラックドッグのクロスブリードだったね」

明花あきる :
「何だ夕南、オマエも把握済みな上に、卜部も絡んでんのかよ。
 ……ソイツの面や背格好、拠点なんかは割れてんのか?」

翠簾野 夕南 : 「影路が送り込まれてきた理由のひとつが、それなんだよね。あきが請けてた依頼のオーヴァードと絡んでくるとは意外だけど」

猫川美亜 :
「二十代男性。顔写真はない」

 データを打ち込みながら、美亜は続ける。

「少なくともP市在住の人物ではない。UGN側は、ここ最近P市で頻繁に活動しているって話を受けて、ようやく不審に思い始めたみたいだけど」

明花あきる :
「……ほォ。アイツがねェ」

明花あきる :
「顔写真がねェってのもまた妙だな……テメェなら監視カメラの映像引っこ抜くなりなんなりできンだろ?
 この市で活動してンなら、全く映らず行動するってな流石に無理な話だ」

猫川美亜 :
「……やけに警戒心が強いのよ。
 これ以上はウチの機材じゃ無理。科捜研の映像解析でも持ってこないと、人相割り出しはできない。

 まぁ、そういうのは往々にしてやましいことをしてるって言うのは定石なんだけど」

 猫川曰く──"フードの男は映っていたが、顔を見せる様子はなかった"。
 少なくとも町中の監視カメラの類には映らないようにしていたようで、時折挙動不審に見回していた、という。

翠簾野 夕南 : 「ブラックドッグなら、できないわけじゃない……か」眉を寄せる。

明花あきる :
「……へェ。木ノ宮を上手いこと使って……ンー、科捜研ともなるとあの馬鹿の権力にゃ厳しいか。……能力使われてたらそれこそ無理だしな」

翠簾野 夕南 : 「データってもらっていたんだっけ? うちのエージェントに頼めねーかな」

明花あきる :
「……あー、それなら夕南、図書館の方のカメラの解析も頼めるか? 私でも見破れるほどお粗末なタネだが、だからこそ分かるヤツが見たら何か分かるかもしんねェ」

明花あきる :
「……本来なら、テメェで請け負った仕事の片棒なんざ、オマエに担がせるつもりはなかったんだがな。こんだけ重なってくると、単なる偶然とも思えねェし」

猫川美亜 :
「行動心理学とかは私の専門外だからパス。
 それ以上はそっちで調べてくださいって言いたいけど」

 タン、と叩いて開いたのは、O市支部のデータだ。

「……一個だけ、キナ臭い話がある」

 彼らの管轄内で把握されていたオーヴァードの中に、ここ最近O市市内で目撃されないオーヴァードがいる、という情報だ。

翠簾野 夕南 : 「いーよ、お互い様でしょ。あきの依頼も、まわりまわってうちの仕事とつながってきそうだしな──」ぽん、とあきの頭を叩くように撫でて。

猫川美亜 :
 ・・・・
「黒澤秋人。黒澤家の末っ子。
 届け出が出された中にいたらしいんだけど、一ヶ月少しくらい前から行方がわかってない」

猫川美亜 :
「たびたび放浪する癖があったみたいで、よく家を抜け出してはいたっていうのはエージェントの話みたいだけど。
 それでも、こんなに長期間いないというのは無かったそうよ」

明花あきる :
「……ン。恩に着る」
 撫でる手を、特に嫌がりもせずにこくりと頷いて。

猫川美亜 : 「んで、確認されてるシンドロームは、エンジェルハイロウ/ブラックドッグ」

翠簾野 夕南 : 「……ビンゴか」

明花あきる :
私は黒澤家については把握しててイイか? 同じくらいの階級の家だし、交流があるかはさておき、どういう家柄かくらいは把握してるだろ

猫川美亜 : ……うーーーーーん

明花あきる :
……それとも他市だし、調べりゃ誰でも突き止められそうな、額面の情報くらいか?

猫川美亜 :
<学問:歴史>で難易度10か、それに準ずる判定があれば振っていい。成功したら知ってても構わない。
あきるの家庭事情を鑑みるとこれしかなく、失敗した場合はそうね、額面情報だけだ。

明花あきる :
学問……知識か?

猫川美亜 : 知識で(?)

明花あきる :
オーケー。まァやったらァよ

明花あきる : 5dx>=10 (5DX10>=10) > 10[2,7,7,9,10]+5[5] > 15 > 成功

明花あきる :
ヨッッッッシャ

猫川美亜 : は?

翠簾野 夕南 : おおお~

翠簾野 夕南 : 「黒澤家……って、O市の金持ちだっけ? あき、なんか知ってるかな」

猫川美亜 :
 ──黒澤家。

 あなたはその名前に心当たりがあるだろう。
 だが、あなたの両親はそれについては口を閉ざしており、自力で行き着いたか、祖父の書斎で読んだものを思い出したと言ってもいい。

猫川美亜 :
 何せ、エリートが最も嫌うものは、凡人でも地方人でもない。
 "没落したエリート"だ。自分たちはああはなるまいとタカをくくり、情報を封鎖する。
 ……下手すれば、二十歳になるまで一生知らないということもありえただろう。

猫川美亜 :

 それはそれとして。

猫川美亜 :
 "黒澤"の一族の名は、もともとこのP市に存在していたものである。
 第二次世界大戦終焉後(1946年~)にこのP市を何らかの理由により離れているためか、その名はここにはない。
 恐らく戦後、GHQのメスが入れられたがゆえのものだろうが。

 記述によれば陸軍が設立したとある機関に所属していたことのみが記されている。
 ……ただし、戦災による消失か、それとも隠蔽が図られたのか、素人目に見ても分かるほど欠けが多い。

明花あきる :
「……あァ、知ってる、知ってるとも。ウチの親共は、意図的に情報を隠したがったみてェだけどな。ジジイの書斎で読んだことがある」

明花あきる :
「元はP市にいた、ウチと同じようなお貴族サマだよ。二次大戦終結後に、なんかの理由でココを離れたみてェだが……その理由ってのがまた、意図的に隠されてるっぽいんだよな」

明花あきる :
「────陸軍の設立した、ある機関に所属してたらしい。軍人あがりだって話だから、まァ信憑性はあるわな。
 ただ、ジジイの持ってる情報にしちゃ珍しく穴だらけ。ありゃ、ジジイがしくったってより……集めるべき情報が元々歯抜けだったと、考えるべきだろうな」

明花あきる :
「誰の耳にも入れたくないくらい、恥ずかしい話だったのか……それとも────
 ────誰の耳にも入れたくないくらい、秘密にしたい話だったのか」

 どっちかは、分かんねェけど。

翠簾野 夕南 : 「………」考え込み。

翠簾野 夕南 : 「しかもよりにもよって、大戦の名前が出てくんのか。まいったな……」

明花あきる :
「最近は随分と昔の話と縁があるなァ。東雲にべったりのあの女といい、古臭いったらありゃしねェ」

猫川美亜 :

「……よくわかんないけど」

「戦争犯罪っていつの世も、負ける寸前になると隠蔽されるのよね。
 ナチスの収容所も爆破され、731部隊も負ける寸前に隠蔽工作が図られたらしいし」

 あくまで私見よ、と付け加えた上で、──次、と夕南に視線をやった。

翠簾野 夕南 : 「ん」

猫川美亜 :
「噂の美人生徒会長サマの話?
 ……それはそっちの落ち度ってやつじゃないのかしら」

 忌憚なく、ずけずけと言って、彼女が提示したのはUGNにあげられた"検診報告書"だ。

猫川美亜 :
(情報:UGN)
 UGN医療部門は、定期検診に合わせて秘密裏にレネゲイドウイルスの適正試験を行っている。
 無論厳重に取り扱われる機密事項なのだが、過去の記録に彼女が受けたという記録が存在していない。
 全て自然な形で検診を断っているようだが、それでも不自然な欠けが一部存在している。

明花あきる :
「……言われてるが? 支部長サマ」ちらりと夕南を見上げて。

翠簾野 夕南 : 「あっはっは」

明花あきる :
「誤魔化すのが雑っつー」

猫川美亜 :
「これ、本当は一年間保存しないといけないし、UGN内部では義務のはずよね。
 ……彼女のデータだけ無いのよ。乳幼児健診から今に至るまで、ずっと」

翠簾野 夕南 : ん~~

翠簾野 夕南 : これ、おれはデータ見てる以上気付いてておかしくないよね?

猫川美亜 : イエス。

翠簾野 夕南 : 過去に確認したことはある?

猫川美亜 : 過去にというと。

翠簾野 夕南 : データが回ってきたときにP市支部で抜けがあれば確認するんじゃないかなと思うんだけど、甚さんのほうでそれを検めたことはあったのかなと

猫川美亜 :
ふむ。それならあったが……全て本人の体調不良を理由に、断られている。
甚さんの方でも検めたが、一部の不自然な欠けに関しては証拠も掴めないことから【一先ずミスとして処理されている】。

翠簾野 夕南 : あっやし~~~

翠簾野 夕南 : 「……そー、なんだよね」頭をぽりぽり掻く。

明花あきる :
「検診つったら、私も受けてるアレだろ。UGN内部の機密の扱いがどうなってんのかは知らねェが……オマエ、見たことあったりしねェのか? 夕南」

猫川美亜 : 無論その不自然な欠け自体も、"ミス"として一先ず置いておくぶんには自然な頻度だ。

翠簾野 夕南 : 「あるよ──ないって記録があったこと、おれが覚えてる」とん、とん、と自分の目を叩いて。

翠簾野 夕南 :
「もちろん、確認のために精密検査を申し出たんだ。
 それを彼女は断り続けていたし、証拠もつかめないからってうやむやにされてた」

明花あきる :
「……そうだよなァ、オマエの目が見逃すはずねェもんなァ……。
 そうなると、それが『ミス』として見逃されるよう────証拠をもみ消したヤツがいたとか、か?」

翠簾野 夕南 : 「かも。そのあたり、どうだったかわかる?」

猫川美亜 :
「……あと、彼女の家は相当なエリート志向のようでね。
 潜入した保険医のエージェントが理由つけて面談していたみたいだけど、結局母親が断らせたみたいで」

 それも悪い意味で一役買ったらしく、幾らUGNとて踏み入れば表の司法で争わなければならない。

「──"この子は医者にするんですから、そういう意味では筋の通らない検査になどかけられるはずがないでしょう? だって、健康体のいい子なんですもの"って言われて、お手上げだったそうよ」

翠簾野 夕南 : 「…………」

猫川美亜 :
「もみ消しに関してはちょっと時間(と手間賃)が欲しいわね。
 これだけ自然にやれるなら、私一人だけじゃ骨が折れるのよ」

明花あきる :
「……随分と教育熱心な”ママ”だこって。親近感しかねェわ」淡々と。

翠簾野 夕南 : 「頼める? 必要なものは出すよ」即答。

猫川美亜 : 「よしきた」

翠簾野 夕南 : あきの頭をぽんぽんもっかい叩きます。

明花あきる :
「……良かったのか? 相談もせず。支部長つったって……なんだよ」
 ぽんぽんされて、少しびっくりして夕南を見上げる。

翠簾野 夕南 : 「におうにおう、こういうのは掘っといて損はないんだわ。あとで俊樹にはどやされるかもだけど、結果オーライでしょ」にっ。

明花あきる :
「……ま、私の財布じゃねェからいいけどよ。情報が出るのはありがたいしな、実際」

猫川美亜 : ……ふーむ(メモを見た)

猫川美亜 : シークレットダイス ???

明花あきる :
おォっと?

猫川美亜 : チッ

明花あきる :
舌打ちすな!

猫川美亜 :
「──しばらくはこの市で仕事のためにいるから、何かあったら連絡してちょうだい。
 安くて早くて安心、"ミーアキャット"の穴蔵に、ね」

翠簾野 夕南 : 「ありがと、猫川さん。今回の件がうまいこと片付いたら酒でも呑もう」

明花あきる :
「おォ、またなんかあったら連絡寄越すわ。じゃァな」
 挨拶替わりにひら、と手にした扇子を振る。

明花あきる :
「……酒なんてオマエ、呑んで平気なのか?」ともつぶやきつつ。

猫川美亜 : 「……そもそも17なんだけど?」

翠簾野 夕南 : 「………………………………」

明花あきる :
「ほォら見ろ」

翠簾野 夕南 : 「ちびちび飲めばいけるでしょ!」

明花あきる :
「ダメだっつーの! 馬鹿言ってねェで帰るぞ!」

翠簾野 夕南 : 「なんでえ!? お神酒ぐらい呑むでしょあきだって! そーゆーのと同じでしょこれ! だろ!?」

明花あきる :
「神事と飲み会を一緒くたにすんな、テメェホントに大神社の息子か!? テメェのお袋に言いつけるぞ!」

翠簾野 夕南 : 「母さんはイヤッ!!!! あの人のゲンコツ、リザレクトモノなんだよ!!!!????」

明花あきる :
「……成人した大の男が、母親のカミナリを本気で嫌がんなよ……」
 まあ確かに、……怒らせたくはない部類だとは思うけども。

猫川美亜 : 「あはは、聞かなかったことにしてあげるから早く帰りなさい」

猫川美亜 : というわけで他に何も無ければ今日はここまでかな。

翠簾野 夕南 : 「怖いよ!? めっちゃ怖い! この世で一番怒らせたくないよおれは!」

翠簾野 夕南 : ホイ!

明花あきる :
「そォかい。────邪魔したな」

明花あきる :
私も特になし、だな

翠簾野 夕南 : 「じゃ、引き続きよろしくね猫川さん! なんかあればうちに電話して!」

翠簾野 夕南 : ひっぱられながら手をふりふりします。

猫川美亜 : 「ん」

明花あきる :
夕南の手を引きながらてくてく出ていく。

翠簾野 夕南 : 「あき」引っ張られてたのを早歩きで横に並んで。

明花あきる :
「ン」

翠簾野 夕南 : 「おまえにはおれたちがいるから。な。安心しとけ」

明花あきる :
「…………、…………」
 全く予想だにしなかった幼馴染の言葉に、珍しくもきょとん、と目を丸くして。

明花あきる :
「……どういう、文脈だソレは」

翠簾野 夕南 : 「ん? あれ、ちがったか。あの委員長さんとか、黒澤さんとか、気になってたかと思って」

翠簾野 夕南 : 「違うなら違うでいいや、言うこと変わんないしな。帰ろ、そろそろ亜梨花と影路も戻ってくるでしょ」

明花あきる :
「べつに、気になったって、わけじゃ、」

明花あきる :
「……ン」

 ……気付かれていたのか、と。
 思いはするものの────だけども、この男は、昔からこういう男だった。
 『おまえにはおれたちがいるから』。その言葉に、じんわりと胸の奥が暖かくなるような気がして。

明花あきる :
 けれど。

「(こうやってコイツと話せるのも────────きっと多分、あと、四年)」

 どうしたって脳裏をよぎる諦めが、氷のように胸を突き刺す。
 陰る顔を見られたくなくて。……番傘をくるりと差し、歩調を少しばかり速めた。

翠簾野 夕南 :
 離れた手に、ちょっと苦笑する。
 相変わらずわかりやすく意地を張るから、そうやって顔を隠した時は後ろ暗いことを考えてるなんて筒抜けだ。
 考えてることは──わかってるつもりだけど。
 だからって、それを打破できるのはおれじゃなくってこの子自身だ。この子が自分の力で意思を示さなきゃ、きっと前に進んではゆかない。

翠簾野 夕南 : がんばれよ、のつもりで背中をバンと押して家路を急ぎます。

明花あきる :
「ッて……ェな!? ってオイ、何す……夕南! オイ、夕南!!」

翠簾野 夕南 : 「ほら、行こ行こ。支部まで走るか! こまめな運動の習慣は大事だぞ~あき!」

明花あきる :
「剣道馬鹿のオマエと一緒にすんなや! こっちは頭脳労働……あーもうッ!」
 と、仕方なく走り出しかけたところで。

東雲 亜梨花 : そんな支部長にピロリ♪と通知が。

翠簾野 夕南 : 「──んあ?」キキーッと止まる。

明花あきる :
「ン……っだよ急に止まるなばか!」その背中に危うくぶつかりかける。

東雲 亜梨花 : 『(賢く的確な報告略)ってわけでクレープ食べて帰るのでちょっと遅くなります。』

東雲 亜梨花 : 『晩御飯は食べます』

東雲 亜梨花 : 『(可愛いスタンプ)』

翠簾野 夕南 : 「あ、うん、亜梨花から連絡。きょうは晩飯いらない、っ、て…………」

翠簾野 夕南 : 「…………………」

明花あきる :
「……食い意地張ってんなァ」

翠簾野 夕南 : 「獅童糸香!!!!!!!!!!!!????????????????????????????」ひっくり返りかける。

明花あきる :
「うるッッッッせェ! もう少し抑えろバカ!」

明花あきる :
「……にしたって、ちょうどイイじゃねェか。アイツらが帰ってくんのも楽しみだなァ」
 ……クレープ食ってっけど。

翠簾野 夕南 : 「………………………………帰りが楽しみだね」ほろり。

明花あきる :
「……泣くなよ、そンなら私らもなんか食ってくか?」珍しい心遣い。

翠簾野 夕南 : 「マジで!? 鍋にしよう! しゃぶ鍋!」

翠簾野 夕南 : チェーン店の。

翠簾野 夕南 : 影路も呼ぼう。

明花あきる :
「…………心配した私が馬鹿だった。ま、付き合ってやるよ……オマエ持ちな」

翠簾野 夕南 : 「任せろ! 給料余ってるしな!」

明花あきる :
「喜ぶべきなのか、使う暇がないと捉えるべきか。……どっちでもいいか」
 少しだけ、その口元が綻んで。

翠簾野 夕南 : 「いい豚買ってこよ、いい豚! じゃあなおさら急がねーとな……!」笑い顔を見てつられるみたいににっと笑います。

明花あきる :
「ン。野菜もだぞ、ちゃんとイイヤツ」
 無意識か、なおのことつられてか。珍しくも素直に、年相応の笑顔のかけらを少しだけ零して……てくてくと、帰り路を急ぐ。

猫川美亜 : この辺かな。

翠簾野 夕南 : ホイ!

明花あきる :
ン。オツカレサマ

猫川美亜 : ◇◆◇◆◇

翠簾野 夕南 : 長引かせてすいません! ついやりたかった

猫川美亜 :

<夜/貸し部屋にて>

猫川美亜 :

「……ふぅ」

 さて、色々とキナ臭い話ばかりが引っかかる。
 O市といえば、例の"やしろの大桜"に絡んだ事件が起きていた市だ。
 あの街のエージェント達が解決したようだが──勘が告げている。恐らく、まだまだ終わらない。
 恐らく、この近辺にはそういう都市伝説ばかりが転がっているのだろう。

 過去に封じられた、あるいは何らかの形で執り行われたもの。
 それらを調べ上げて、上に報告をあげる。それが、今の猫川美亜の仕事だった。

猫川美亜 :
「──どーも、引っかかるのよね。
 やりなれてるというか、"隠滅されてる"って言われなきゃ気づけないっていうか」

 これも、新しく就任したP市支部長に言われて気づいたことだ。
 恐らく検診を受けていない理由は"偶然"に近いものだろう。
 エリート志向の母親が、出来のいい頭を、出来の悪いことに使う。UGNとて現代の法に生きるもの。
 間違ってもこれを理由に民事訴訟を起こされてしまえば、立場がなくなってしまう。
 だから、腫れ物として扱われていた。というのが真相に違いない。……くだらないとは思うが。

猫川美亜 :
「まぁ、糸口さえ掴めればいけるでしょ」

 しかし、隠蔽されている部分に関しては、よく考えればおかしい。
 消し去られているデータを改めて洗ってみる。──乳幼児健診、中学生の健康診断……。

「……押し切られたとか、母子の健康とか鑑みれば、ここで受けないという選択肢が出るのはおかしい。
 ううん、しない理由がないのよ。そこは、医者の力が強いはずだから──」

GM :

 ──ノック。

猫川美亜 :
「は~い?」
「あ、頼んでいた獅童ですけども。猫川さん、今よろしいですか?」

 ああ、そうだった。
 黒曜山の信仰体系について調べたいといっていた熱心な高校生がいた、と頭の中で再整理。
 その上で、先に話した不審な点を思い返しつつも──、

「大丈夫。入ってはいって」

 ──調べた資料を取りまとめ、扉を開けた。

??? :
「失礼します。これ、つまらないものですが」

 猫川の目から見ても、表向きは彼女に怪しい点はない。
 流れの情報屋である自分に対しても丁寧にアポイントメントを取り、土産を持ってくる。
 その上で礼儀正しく一礼をする姿勢。だが、それでも嫌味たらしさを覚えさせないという面。

猫川美亜 :

 ……本当にこの子が怪しいって言うの?

         ・・・
 誰がどうみても、いい子だ。
 人間としてよく出来ている。ほぼ初対面だけれども好感を覚える。
 間違ってもソラリスなどのエフェクトを使われてはいない。もしそうなら、分かる程度には痕跡は残るはずだから。

「……それで、黒曜山の信仰だっけ」
「はい、図書館でみても、分からなかったことがあって。もしかしたら、色んなことを各地で研究されている猫川さんなら、知っていることがあるんじゃないかなって思いました」

猫川美亜 : 「ふぅん? 熱心なのね」
「ありがとうございます」
「いいのよ。仕事だし。──はいこれ」

 ──ファイリングした資料を手渡す。

??? :
「ありがとうございます。
 ……それと。猫川さん。もしかして最近、こちらにUGNの方が訪ねてこられませんでしたか?」

猫川美亜 : 「知らない」

??? :
「……。
 ……そうですか。では」

猫川美亜 :
 ──冷や汗がふきでるのを自覚しつつも、彼女は早めに此処を立ち去ろうと、決意する。

 もしかしたら、自分はとんでもない厄ネタに首を突っ込んでしまったかもしれないと、唐突に頭をよぎったのだから。

<ミドルフェイズ④/神々廻京/情報収集>

神々廻 京 : てすと

神々廻 京 : えーと、情報(裏社会)で、コネ:情報屋……

猫川美亜 : 許可するぜ。

翠簾野 夕南 : おれ、あきにロイスとっていい? ○懐旧/悔悟で

翠簾野 夕南 : 宣言忘れてた

猫川美亜 : ただし得られる情報は噂話やUGNとは異なるぜ・・・

神々廻 京 : (2+0+2)dx+1 【社会】<情報:裏社会> (4DX10+1) > 7[5,5,5,7]+1 > 8

猫川美亜 : ギリギリ成功だな。

神々廻 京 : セー……フ!

GM :

<情報収集シーン/神々廻京>

GM :

 ……さて、あなたは日常のツテがほとんどない。
 流浪のメイドであるあなたは、裏を返せば地域性の強い繋がりを持っていないということになる。
 故にこうした、風評というものが弱点であった。

GM :

 故に、どうしても知らなければならない情報は、裏に流れているものに頼ることになる。
 それがどれほどの悪人だろうがなんだろうが、……妹を救うためならばなんだって使うという信念の根源、なのかもしれない。

GM :

「そうか。
 P市に侵入したおぼっちゃんのことを知りたいか」

神々廻 京 :
「ええ。足取りくらいなら知っているのではないかと思いましてね?」

峰崎鷹司 :
「金を払え。いや、お前は金払いも準備もいい。既に振り込んでくれていたようだな」

 "マーチャント"峰崎鷹司。
 金を積まれればなんでもやる男。
 このような世の中になる前は詐欺を働いていたが、最近は詐欺以外にも手元に握ったものを売り買いすれば幾らでも稼げることに気づき、

 ・・・・・・
 二足のわらじを履いた詐欺師である。

峰崎鷹司 : 登場侵蝕は忘れないでね。

神々廻 京 : そうだった

神々廻 京 : 1d10 (1D10) > 7

system : [ 神々廻 京 ] 侵食値 : 49 → 56

峰崎鷹司 :
「ならば教えてやろう。
 黒澤秋人という男は、ほんの三ヶ月前、黒曜山がよく見えるボロアパートに引っ越してきた。
 名義人などは上手いこと使ったらしい。俺の領土で俺以外に悪行を積むやつがいるとは。腹ただしい限りだ」

 限りない棒読みで金の対価を伝えるマーチャント。

「近所の住民はめったに顔を合わせたことはなく、部屋に籠もっているのが日課。
 犬の散歩をしていた年寄が夜に出ていくところを度々目撃しているらしい」

神々廻 京 :
「当然です。
 私も似たようなものですから、お金はスマートな解決方法でしょう?」

神々廻 京 :

神々廻 京 :
「……ふむ、三ヶ月前ですか。
 あからさまな目的をもっての引っ越し……というところですね」

 最後の目撃情報がP市ということから、すでにこの街に住居を構えていたのは間違いない。
 正確な場所までも教えてもらうには追加のペイが必要だろうか。
 それに関しては最後まで取っておこう。

「夜、夜ですか。決まって夜なんですか?」

峰崎鷹司 :
「そうだ。決まって夜だ。月の出ている晩だ。
 月に魅入られたこの市にふさわしく、光に群がる蛾のごとく動きはじめる」

神々廻 京 :
「言い得て妙ですわね、全くもって鬱陶しい。
 とはいえ、裏付けが取れているのなら十分すぎるほどですわね」

「……もう一つ聞きたいことがあるのですけど、追加は必要でして?」

峰崎鷹司 :
「そうか。素晴らしい心がけだ。若いものは金を粗末に扱うが、こうして俺は今も血肉を切り売りしているのだ。
 つまり? 聞きたいか。俺の手元にはまだネタがある。聞きたいなら」

峰崎鷹司 :

「金を払え」

神々廻 京 :
「ま、そんなことだろうと思いました。
 最近収入が少ないので、ちょっと痛いところですが」

「振り込んでおきましょう。知りたいことは、その家の場所です」

峰崎鷹司 :
「いいだろう。信頼とは常に裏切りをはらむものだが、お前は金の払いがいい。
 こと、"契約(メイド)"を生業とするものという意味でも、わかっている」

 ──見越していたのだろう。峰崎が渡してきたのは、地図だ。
 赤丸のついている場所こそが、その場所と言いたいらしい。

「尤も、ここまでの内容が正しいかは一切保証しない。嘘かもしれないし、真実かもしれない。
 しかしお前のやるべきことは、これを確認した上で、本人に問い詰めることだ」

神々廻 京 :
「まあ、当然です。金は払って、払われるものです。
 信頼関係を作るのならば出し惜しみはしないそれが一番です」

 にっこりと微笑みながら、地図を受け取る。
 それらを隅々まで目に焼き付けながら──

「なるほど、徹底していますね。
 情報の真偽を確かめるのは、情報の出どころです。
 あなたはその媒介人でしかない。
 
 ありがとうございます。期待以上の情報を得ることができましたよ」

峰崎鷹司 :
「そうか。妹さんのことは俺からも大変心配している。心の底から治ってほしいと思っていると伝えてくれ」

 限りない棒読みで、思っているんだか思っていないんだかよく分からない台詞を吐きつつ、峰崎はその場を後にする。

峰崎鷹司 : というわけで、他に無ければこれでシーン終了かな。

神々廻 京 : 最後に返事しまウス

峰崎鷹司 : はーい

神々廻 京 :
「……、……、……。
 妹は…………そうですね、良くなればあなたにも吉報を伝えましょう」

 その時の京の表情は──どこか後ろめたいようなものがあった。
 それを見抜けない情報屋ではないだろうが、彼に取ってそれはどうでも良いことだろう。
 地図は掴んだ。ひとまず情報を握り、黒澤秋人の名がUGNで出たら、この地図を提出するとしよう。
 利用できるものは全て利用しろ、だ。

神々廻 京 :

<ミドルフェイズ⑤/全員/情報整理>

GM :

<ミドルフェイズ/情報整理>

GM :
 ……時間は夜。
 あなた達はP市支部に集まり、鍋を突いている頃だろう。

GM :
 隣の寺子屋では、来年受験生向けの授業が行われている。
 少しずつ、動きはじめる頃合いなのだ。

望月/朔 :
「ますたー! このはくさい? おいしいです!・ワ・」

 望月はふわっと開いた鍋にびっくりしたあと、ほくほくあちあちと野菜や肉を食べている。
 ちまちまと小口ではあるものの、たくさん食べているようだ。

東雲 亜梨花 : 「野菜が好きとはえらいなぁ。えらいので私の春菊もあげようね」

卜部影路 : 「……ちゃんと野菜も食え」

翠簾野 夕南 : 「好き嫌いすると立派なエージェントになれねーぞ!」

望月/朔 : 「>ワ<」 もらう。ひたす。たべる。 

東雲 亜梨花 : じぶんの取り皿に盛られた緑のはっぱをもっち~の取り皿にそっと移すよ。おこられたので新しく仕入れるよ……

東雲 亜梨花 : 「ン苦くて美味しいです」

明花あきる :
「…………」
 綺麗に伸びた背筋と箸使いで黙々と食べている。基本野菜ばっかり。

翠簾野 夕南 : 「鍋に春菊、うまいけどなあ。あ、あきは肉も食べろよ」

神々廻 京 : 「美味ですね」

翠簾野 夕南 : めざとい。

卜部影路 : 「…………」
手を出して良いものか……迷いつつ、熱いしのんびり食べている

明花あきる :
「…………だから兄貴なのか母親なのか……はあ」 諦めた。

東雲 亜梨花 : そんなえらいあきちゃんにはっぱの下から掘り出した豚肉をあげるね

東雲 亜梨花 : とてもうまい

明花あきる :
「……人にやってばっかいねェで自分で食えよ」

翠簾野 夕南 : 「ちょっと奮発していいの買ってきたからね! たくさん食えよ〜」

東雲 亜梨花 : 「アザシャス!」

望月/朔 : 「美味しいです! ありがとうございます!」

東雲 亜梨花 : 「こういうのは一緒に食べるのがおいしいんだよ。ね~もっち」

望月/朔 : 「はい! みんなでかこむごはんは、おいしいです!」

東雲 亜梨花 : ちなみにのんびり食べてると取り皿の中身が加速度的に増えていくぜ

明花あきる :
「…………」
 望月をちらり。こうしているとまるでただの童女────とはいえ、まだ警戒や不信自体は解き切ってはいない。

東雲 亜梨花 : 「もっち~はどの具が一番好き?」

望月/朔 : 「しらたきとはくさいです!」

翠簾野 夕南 : とろとろのマロニー救出。

東雲 亜梨花 : 「しぶ~い」

東雲 亜梨花 : 「あきちゃんは野菜が好きなの?」

東雲 亜梨花 : ポン酢がさいこうなのよ

明花あきる :
「ん……まァな。肉はあんまし。脂っこいから好きじゃない」きちんと嚥下してから、そうぶっきらぼうに答える。

翠簾野 夕南 : ぽんずゆずこしょう。

東雲 亜梨花 : 「じゃあ私の春菊……」そっ

明花あきる :
「自分で食え」拒否。

卜部影路 : 「…………アッツ」

とうふ………お前はなぜそんなにも熱いのだ

翠簾野 夕南 : 「亜梨花〜?」

尾見俊樹 :
「……で、」

 いつの間にやら戻ってきていた尾見。
 学習塾の方の仕事も一段落終えたらしく、此処にあがってきたようだ。

「皆さん揃って仲良く鍋を突かれているようですけど、進展はあったんですか?
 ……ああ、シメはうどんで」

東雲 亜梨花 : 「アァ~」そのまま口へ運ぶよ

翠簾野 夕南 : 「あ、おかえり俊樹。ほい、器とポン酢な」

明花あきる :
「オマエもなかなか図太いな、尾身……慣れたって言うべきか?」

東雲 亜梨花 : 大人の味だぁ……
「あ!先生! 学校の中はあんまり。
 でもいろいろきになることはあったかな」

神々廻 京 :
「きのこ、入れて良いですか?」

尾見俊樹 : 「慣れていかないと胃が死ぬんですよ誰のせいですか。
 ……ああ、一口だけ食べて休憩終えたら戻ります。夜番の講師がこれからくるので」

翠簾野 夕南 : 「野菜も足しといて!」

明花あきる :
「……センセーってのは大変だなァ」素知らぬ顔。

望月/朔 : 「あ!えのき! 望月はえのきがたべたいです!」

東雲 亜梨花 : 社畜なのでは?
いたわる心で豚肉掘り出してあげますね

翠簾野 夕南 : 「そんなこと言って、俊樹もうちのメシ好きだろ。おれ、けっこううまくなったんだぞ」

翠簾野 夕南 : 唇尖らせる。

神々廻 京 :

「では追加の野菜もこの場で切って入れてしまいましょう」

明花あきる :
「……こっち帰ってきてからだよな? オマエが作り始めたの。どういう心境の変化かと思ったが」

東雲 亜梨花 : 「へぇ~そうなんだ」

尾見俊樹 : 「好きですが。好きですけども。そんな顔されずとも仕事終わりに食べ──そういう話じゃない」

 こほん、と咳払いして、

「──明花さん、頼まれていた映像記録の解析が終わりましたというのが一つ。
 それと、あなた……というより、このP市宛に伝言が二つ」

翠簾野 夕南 : 「できるメイドさん! たすかるな〜」

明花あきる :
「ほォ。優秀だな」

翠簾野 夕南 : にやにやします。

東雲 亜梨花 : よくわからないのでおんなじ顔しておこう

東雲 亜梨花 : ニヤ

翠簾野 夕南 : 「料理はね、みんなの時間って大事だよな〜って思って。心境の変化ってやつよ」さらっと流します。

翠簾野 夕南 : ニヤ

尾見俊樹 :
 図書館の監視カメラの記録はこうだ。

 ──特に何か大掛かりなものが仕掛けられていたという記録はない。

 ただ、監視カメラの映像をハッキングし、ダミーのものと差し替えただけのもの。
 そしてそれを剥がせば、……動いている様子だけは丸わかりの、透明な人型が動いている映像が出てくる。

明花あきる :
「……ふゥん。そォかよ」
 流されたことに気付きつつも、深追いはしない。そのにやつきは何だ、とは思いつつ。

東雲 亜梨花 : 「で、伝言は?」エノキをもそもそ運びながら聞くよ

尾見俊樹 :
 資料室はわかり易すぎるほどに明らかだ。
 透明な人型が、資料をあさり、めぼしいものを片っ端から服の内側に入れていく。
 普通の人間では物理的に不可能な領域に、同じく物理的に不可能な質量の資料を隠し持っているあたり、何らかの異能が使われているのは明らかだろう。

翠簾野 夕南 : シークレットポケットか

尾見俊樹 : 正解

東雲 亜梨花 : ぽっけないないしたんだ

明花あきる :
「……ソイツぁ、またずいぶんとお粗末っつーか……睨んだ通りだな。やり手のエンジェルハイロゥなら、もっと上手く透明化するだろ。杜撰っつーかなんつーか」

卜部影路 : 「………」

肉、うま……

神々廻 京 : ザクザクと野菜を切りながら静かに聴いている

翠簾野 夕南 : 「いっそ清々しいくらいに狡いやり方は覚えてるっぽいね。実践ができてるかはともかく」

翠簾野 夕南 : いいだろ〜国産牛だぞ〜ってかおします。

東雲 亜梨花 : だれもみてないな……卜部君のお皿にこんどこそ春菊をそぉ……っと運びます

明花あきる :
「知恵に振り回されてる、って感じだなァ。コイツぁ猫川の情報がまんまアタリの可能性ってのも出てきたな……」

東雲 亜梨花 : 一本ずつ食べてるからへらないんだ

尾見俊樹 :
「伝言の方は、一つは"ミーアキャット"と名乗る女性からです」

【データベースの方は調べたが、特に攻撃を受けたことで削除された様子はなかった。
 ……ありえない話だが、この可能性が排除された以上、"UGN職員が自分から消したことになる"のよね】

「──とのこと」

卜部影路 : 「……てめぇ」

すっと器の春菊を返す

明花あきる :
「オマエも懲りねェな、東雲……」

翠簾野 夕南 : 「………そっか」

明花あきる :
「……はァん。成程ね……身内の犯行ってセン、オマエらに心当たりは?」
 夕南と尾身を見て。

東雲 亜梨花 : 「お肉食べてあげるから交換ということでどうだろうか」真面目な顔で交渉もしてみよう

神々廻 京 :
「職員が、ですか……」

尾見俊樹 :
「改めてそのあたりは洗い出してみたいとは思います、が。
 消されているのが数年前なので、あまり期待はしないでください」

翠簾野 夕南 : 「よろしく。……甚さんが見逃すとはちょっと思いにくいけど、あん人の目をかいくぐれるだけのなにかがあったって仮定すべきかもね」

明花あきる :
「ン。まァ頼むわ……あの夜辺のジジイの目を掻い潜れるヤツなんざ、正直考えたくねェってのが本音だけどな。できるとして、私のジジイくらいなモンだろ」
 ……そのどちらも、もう亡くなっているのだけれど。

東雲 亜梨花 : 「それが一つ目の伝言? もういっこあるのかな」

尾見俊樹 :
「今お話しますよ。
 ──しかめっつらの刑事が来て、"P市の関係者か?"って聞いてきたのですが」

尾見俊樹 :
「……あきるさん、あなた、図書館に関して調べていたそうですね。
 そのことに関して、"窃盗の調査"で聞き込みを行ったとのこと」

明花あきる :
「………………」

神々廻 京 : 「刑事?」

東雲 亜梨花 : 「調査?」

翠簾野 夕南 : 「あき、このへんじゃ有名な探偵って言ったろ。警察にもコネがあってな」

鮫島刑事 :
『──どうせ俺たちの手柄に出来ないから素直に渡してやるっきゃありませんよね。探偵どの?』

 ……図書館の貸し出し履歴と、聞き込み調査を行った結果のようだ。
 此処2週間の間、"獅童糸香"がよく歴史資料室に出入りし、色々と調べていたとのこと。
 民俗学から軍事関係まで幅広く──職員が用途を聞くと、"今度学校の発表で使おうと思って"と答えたそうだ。

明花あきる :

東雲 亜梨花 : 「へぇ~すごいねぇ!」

東雲 亜梨花 : 「……」

明花あきる :
「…………ックク、アッハハ! 私が応対したかったなァその”しかめっつらの刑事”! さぞ見ごたえのあるツラだったろうに」
 珍しく堪えきれないというような笑みがこぼれ出て、口元を片手で覆いながらも言葉を続ける。

明花あきる :
「────へェ? ここでも獅童、獅童か。そのお嬢ちゃんはどうにも働き者らしいな。なァ夕南?」

神々廻 京 :
「なるほど、そこでお名前が出ますか。
 興味深いと言いたいところですが……何か他にもありそうですね?」

翠簾野 夕南 : 「……タイミングが良すぎて、ちょっと疑いすぎるのも迷うぐらいにな」

東雲 亜梨花 : 「会長……? んん……でも一応黒曜山の噂について調べてたとか、そういう事情ってこともあるんじゃないかな」

尾見俊樹 :
「? 働き者だとは思いますよ」

 ……意外にも反応したのは、尾見だ。

「彼女、ニ年ほど前からこの学習塾に出入りしているんです。
 土曜に生徒会の仕事がない場合や、翌日学校が閉まっている時とかに、子供達に教えによくいらしてます」

翠簾野 夕南 : 「……その件なんだけど。俊樹」

尾見俊樹 :
「夜辺さんも"ズイブン優秀な教師だな"と褒めていらして。……?」

翠簾野 夕南 : 「おまえ、彼女がオーヴァードである可能性については聞いてないんだよね」

尾見俊樹 : 「いいえ、まったく」

卜部影路 : 「…………アイツ、たぶんオーヴァードっスよ」

明花あきる :
「……皮肉だっつー。だが、あまりにも姿が目立ちすぎるんだよなァ……それこそまさに、『私を見ろ』とでも言いたげだ」

翠簾野 夕南 : 「! 影路、なにか掴めた?」

神々廻 京 : 「……オーヴァード」

卜部影路 : 「いや……恥ずかしい話、『撒かれ』ました……一般人を見失うほど、さすがの俺も無能じゃねぇ」

翠簾野 夕南 : 「………なるほどね」

神々廻 京 :
「あらら……エージェントを出し抜くなんて、そんな真似を一般人ができるはずはありませんものね」

尾見俊樹 : 「……」

卜部影路 : 「……まあ、この阿呆が協力的だったのもあるんスけどね」

ジロリ、と東雲を睥睨する。

「先に言っとけ、ああいうことすんならよ……」

明花あきる :
「……東雲は獅童と一緒にいたんだったな? テメェの私見はどうよ」
 アテになるかわかんねェけど、との思いは胸にしまいつつ。

東雲 亜梨花 : 「へへ、おいしいクレープって言ってたから」

翠簾野 夕南 : 「……ってことは、エフェクトの気配は亜梨花に感じられてないと」

翠簾野 夕南 : 「決めつけもよくねーけど、ノイマンかな。影路はどう思う?」

望月/朔 : 「くれーぷおいしかったです!」

明花あきる :
「……まァ、可能性高いのはノイマンだろうなァ。派手な炎も雷もいらねェ、一番”一般人に紛れられる”シンドロームだし」

東雲 亜梨花 : 「でもそうだね、あの時、後ろの方に例のへたくそ君がいてすっごくとげとげしい気配がしたんだけど、糸香ちゃんも気づいてたと思うんだよね。

だから私たちを誘ったんだと思って。
よくあるでしょ、ナンパに絡まれてる人を助けるために友達の不利をするやつ。そんな感じの流れだし、糸香ちゃんにあの流れで何か事を起こす理由がないと思ったから大丈夫かな~って」

卜部影路 : 「……たぶん、そうかと」

考え込むように器に視線を落とし、思い出しながら続ける。

「エフェクトを使ったような気配はなかったし……俺がよく知ってるシンドロームっぽい感じもなかったし……」

卜部影路 : 「つーか、この阿呆は分かってて着いて行きやがっただろ……」

東雲 亜梨花 : 「方針転換したときは『そういう目』をしてたのは確かだよ。あれはお仕事の目だと思うな」

神々廻 京 : 「……場慣れしている、なおのこと怪しいですね」

翠簾野 夕南 : 全員の見解をひとつずつ聞いて、くいっと麦茶を飲んでから考え込む。

明花あきる :
「だなァ。慣れたオーヴァードの対応の仕方だ。古書泥棒のヘタクソ振りとは比較になんねェ、自分のシンドロームをきちんと使いこなしてる」

東雲 亜梨花 : 「多分目的は後ろのへたくそ君を振り切ることだと思うな。クレープ美味しかったし、マスターもいい人だったし。うん、カフェにいることに悪い空気はなかったよ」

東雲 亜梨花 : 「保護されてる気分だったな」

神々廻 京 : (……)

明花あきる :
「……怪しいヤツは普通、『いかにも怪しいです』なんて雰囲気は出さねェんだよ」

神々廻 京 : 「ところで、可能性の話をするのは許可されておりますか?」

翠簾野 夕南 : 「いいよ、教えてくれるか?」

卜部影路 : (……ゴスロリとメイドがそれを言うのか……?)

明花あきる :
「大事だぜ。……事実との切り分けは必要だが」

神々廻 京 :

神々廻 京 : えんた〜

東雲 亜梨花 : まけないで~

神々廻 京 :
「はい、既に出ている情報から皆様も同じことを思い浮かべたかもしれませんが。
 獅童糸香がオーヴァードであり、かつ万能の天才たるノイマンの疑惑がある。

 ……ここで思い出して欲しいのは、話にも上がっている通り、彼女は黒曜山について調べていた。
 例のジャーム発生の日も、東雲様と共に山に足を運んでいる。
 ……つまり」

東雲 亜梨花 : ごくり

神々廻 京 :

「山頂にあったもう一つの足跡、すなわちXは、獅童糸香ではないか、という可能性です」

翠簾野 夕南 : 「……そーね」

明花あきる :
「ビンゴだろうなァ」

望月/朔 : 「? ?」 きょろきょろ

卜部影路 : 「…………」
さもありなん

東雲 亜梨花 : 「……もっちー、ほら、お肉さめちゃうよ~」

望月/朔 : 「はーい!」(もきゅもきゅ

東雲 亜梨花 : ヨ~シャシャシャ

望月/朔 : ・ワ・

神々廻 京 :
「まあ、確実たる証拠はありません。なので可能性です」

翠簾野 夕南 : 「可能性は高いと思うよ。最低でもうちで存在を確認してなかったオーヴァードは2人いて、お山に入ったのも2人だ。数字がピッタシ」

東雲 亜梨花 : 「仮にそうだとして、何かを見守ってるって感じだね、動向の注意はしておくけど何かをする必要はなさそうなきがするな」

東雲 亜梨花 : 「ああ、すぐには、ね」

翠簾野 夕南 : 「そのうちひとりは、噂の"Luna-02"の可能性も高いね。黒澤秋人って家出息子っぽいが」

明花あきる :
「……どうせ資料の中身当たるにゃ、獅童詰めるしかねェんだ。泥棒働いてた方にもあたりたいところだがなァ……居所が分からないんじゃどうにも、な」

卜部影路 : 「……問題は、その二人が繋がってるかどうか、じゃないんスかね」

チラリ、と東雲の方へと視線を向けて。

「その不審者?と、会長が、別々の思惑があって動いてるのか、手を組んでるのか……」

卜部影路 : "Luna-02"の正体がその不審者なら話は早くて助かるが……

明花あきる :
「────そう、動機だ。この呑気な女のために、なんだって単なる女子高生と黒澤の息子が動いてるのか……ソイツが見えてこねェ」
 望月をちらり、と視界の端に入れつつ。

翠簾野 夕南 : 「……獅童糸香さんが、"不審者くん"を、後ろの影路が捕まえるのを阻止するために目くらましをした可能性も、まだ残ってるからな」

望月/朔 : 「・ワ・?」

神々廻 京 :
「あとは、何を見守っているかですね。
 ……まあ十中八九、そこの望月、あるいは彼女にマスターと認証された東雲様でしょうか?」

神々廻 京 : kぶった

東雲 亜梨花 : 「たしかに。私も別に味方とは思っていないよ。でも彼女はとても賢いから、どちらにせよ準備は必要だと思うな」

東雲 亜梨花 : 「感触と事実じゃ見えるものはちょっとちがうもんね」

翠簾野 夕南 : ちょっと考え込む。

明花あきる :
「泥棒のほうはともかく……確かに獅童のほうは、相当手強そうだな。全く面倒だ。資料の中身なんざわりかし簡単に手に入れられると思ったんだがなァ」
 この調子じゃ、素直に渡してくれるとも思えねェし。

尾見俊樹 :
「──獅童糸香が、オーヴァード。
 ……まさか、"あの時"……いや、しかし──」

 何かに引っ掛かりを覚えたように、尾見が考え込みはじめたときだ。

GM : 生徒「尾見さん~、今大丈夫ですか? 獅童さんがいらしたんですけど、尾見さんがいなくて準備が……」

翠簾野 夕南 : 「……ン」

神々廻 京 :
「……あらま、噂をすれば」

翠簾野 夕南 : 《地獄耳》。生徒のほかに誰か来てないよな?

尾見俊樹 : 「──、あ、ああ! 今行く! 君たちは席について、獅童先生にも待っていてくれと伝えてくれ!」

尾見俊樹 : 来てません。

卜部影路 : 囲んで捕まえるか

翠簾野 夕南 : 「……タイミング良すぎるな。ほんと、疑ってくださいと言いたげだ」

明花あきる :
「影ってヤツだなァ……接触するにゃイイタイミングだが、そう、あまりにも良すぎる。まるでこっちの動きでも読んでるみてェだ」

尾見俊樹 :
「……すみません。この時間から受け入れる生徒達の授業があるので、これで」

 急かされているがゆえに察しろと言いたかったのだろうが──今日のシフトは、"獅童糸香"だ。
 亜梨花なら察しがつくだろうが、推薦入学も決まり、あとは持て余している時間を勉学に注ぎ込んでいるがゆえのことだろう。

翠簾野 夕南 : ……ん-

翠簾野 夕南 : あき、俊樹にプロファイリングしてもらうこと可能?

明花あきる :
オーケー。プロファイリングに熱感知もオマケしてやるよ。

尾見俊樹 : そうだな、結果は「何か致命的に引っかかるものがあったが、"日常"側の生徒の呼びかけで思い出すのを中断してしまった」だ。

卜部影路 : んー……

尾見俊樹 : 思い出せそうだった矢先に別のコトを振られて頭から飛ぶアレ。

明花あきる :
……ホントにイイタイミングだなァ

東雲 亜梨花 : わっかる~

東雲 亜梨花 : あとであの時、のことを聞いたらいいかな

翠簾野 夕南 : 「俊樹、思い出したら早めにメールで教えて。何があるか、しょーじきわからん」

翠簾野 夕南 : 「あと……すごい、引っかかるんだ。嫌な予感が、ずっとする……」

尾見俊樹 : 「了解しました。準備を終えたら事務室に引っ込むので、その時に」

東雲 亜梨花 : まあまだ情報足らんし、この後どうするかってところかな。

明花あきる :
「…………」ぽん、と夕南の背を叩く。

GM : さて。

GM : この後どうしますか?

翠簾野 夕南 : 「ン」

卜部影路 : 未認可のオーヴァードってだけで、一応事情聴取する建前は通ってるよな

翠簾野 夕南 : そーね。

明花あきる :
真正面から詰めて吐くかってとこだがなァ。やってることにゃ、単なる「模範的な学生」でしかねェわけだし。綺麗なくらいに

卜部影路 : とりあえず単語や不審者のことを聞くだけで収穫はあると思うぜ

東雲 亜梨花 : 不審者君との関係について探る方向?

神々廻 京 : このまま泳がすのは流石にまずいし何かとっかかりは欲しいですね

翠簾野 夕南 : だなー。

卜部影路 : それも、だな

明花あきる :
確かな証拠を掴みたいとこだな……そっから引っ張って、吐かせられるかもしれん

翠簾野 夕南 : ゆさぶってとっかかりくれると助かるんだけど

明花あきる :
……私が当たるか?プロファイリングと熱感知で真偽くらいは確かめられる。図書館に行く理由も無くなったからな

卜部影路 : 何人かで行くのが良くねぇか?

明花あきる : それが無難。

GM : 方針は決まったか。

翠簾野 夕南 : 同感ー。

GM : 時間軸は同じなので、侵蝕上昇は見逃すぜ。事情聴取するメンバーが決まったら、授業終了までキンクリします。

明花あきる :
黒澤のボンクラ息子のほうも突いておきたいとこではあるが……このあとで。

東雲 亜梨花 : じゃあ私はちょっと下がっていようかな。顔に出そう

翠簾野 夕南 : 無難だなー もっちーにさわられそうなのもこわいし

望月/朔 : ・ワ・

東雲 亜梨花 : ちなみにこのシーンの浸蝕振り忘れて…?

翠簾野 夕南 : あべべべ。

東雲 亜梨花 : いくぞ~

卜部影路 : 「……俺は、念の為望月を見てます。最悪、逃げるくらいは出来るでしょうし」

卜部影路 : このシーンは無いぞ

東雲 亜梨花 : あれっ?

卜部影路 : 時間軸が同じだというGMの温情だ

翠簾野 夕南 : とてもやさしい。

明花あきる : ヒュ~。

神々廻 京 : んん、地図を出すのはここが無難な気がしてきた

望月/朔 : 情報取りまとめるシーンくらいはね?

東雲 亜梨花 : やった~

東雲 亜梨花 : じゃあ私と卜部くんともっち~はお風呂入った後スマブラしようね

翠簾野 夕南 : 合宿か?

明花あきる :
呑気なこって……

卜部影路 : 俺は強いぜ

東雲 亜梨花 : ずっと背筋伸ばしてたらいざというときは知れないからね~

東雲 亜梨花 : 卜部君強気だね私も負けないよ

望月/朔 : じゃあもっちーはえーっと

望月/朔 : 1d10 10に近いほど無意識に強キャラ選ぶ (1D10) > 8

翠簾野 夕南 :

東雲 亜梨花 : ハワワ

明花あきる :
……嗅覚が

卜部影路 : 1d10 (1D10) > 5

神々廻 京 : ホムラじゃん

卜部影路 : 俺は俺のレベル5でいってやるよ(VIP民)

東雲 亜梨花 : 1d10 10に近いほどすっごくつよい
(1D10) > 7

望月/朔 : 意識の中で目を覚ました朔がそうこれ、これ強いわとかこっそり言ってるのに、「わかった・ワ・」と言って使い出す。

翠簾野 夕南 : 実質ホムヒカ

望月/朔 :

卜部影路 : 封印されながらニンダイ見るな

明花あきる :
なんで朔がンなとこまで知ってんだよ……

東雲 亜梨花 : サークライは悪夢を渡れるからさ

望月/朔 : じゃあ決まったところで、キンクリかな。

東雲 亜梨花 : ジュワッ

GM :

<夜10時>

GM :
「ありがとうございました、先生!」
「先生、さようなら!」

 学習塾の最後のコマが終わり、皆が帰りはじめる頃。
 玄関口に立ち、彼女はその背を見送っていた。

獅童糸香 : 「はい、さようなら。課題は忘れないでくださいね~」

獅童糸香 :
 獅童糸香は、ここの学習塾に講師としてアルバイトしていた。
 理由は、"親に負担をかけないため"。そして夜遅くなるということも、学んだことを教えることで自分の知識にプラスになる──という理由で納得してくれたらしい。

獅童糸香 : ……さて、

獅童糸香 : 誰か獅童監視してた人いる?

明花あきる :
……能力的にできて夕南くらいじゃねェか?私は監視に使えるエフェクトはねェし

翠簾野 夕南 : おれかな。地獄耳使う。

獅童糸香 : OK。

獅童糸香 :

獅童糸香 : 「──早く家、帰らなきゃな。お母さん、心配しているだろうし」

 その声音からは、一切の感情が抜け落ちていた。
 まるで自分に言い聞かせるような声だった。

明花あきる :
「────よう。お疲れのところ悪ィが、ちょっとイイか? 獅童糸香」

明花あきる :
プロファイリングと熱感知。常時探る。

獅童糸香 :
「はい? なんでしょうか」

 ──即座に、プロファイリングと熱感知に得体のしれない"ノイズ"がかかる。

 何かを上から上書きしたかのごとく、あまりにも綺麗に、素早く、彼女は切り替えていた。

獅童糸香 :
「……あれ、その顔。
 もしかして、明花あきるさんですか?」

 ……あきるは飛び級で卒業しているゆえに顔を合わせた機会はない。
 だが、向こう側はコンクールなどに出る上で知る機会もあったのだろう。

明花あきる :
「(────切り替えが速ェ。つくづく”慣れてる”な……ふん、こうしてみると、ますます模範生って様子だ)」
 かかった「ノイズ」に内心では眉を顰めつつも、表面上は変わらない。番傘は玄関の傘立てに立てたままなので、今は黒手袋に覆われた手には扇子だけを持ったまま……ゆったりと歩んでいって、名を呼ばれたことにほう、と眉を上げる。

明花あきる :

「話が早ェな。そうだとも、明花あきるだ。どっかで会ってたか?」

翠簾野 夕南 : おれはちょっと様子見。雲行き怪しそうなら偶然を装って出ます。

獅童糸香 : 「大学教授達の間でも噂になってましたよ。最年少で論文書いて卒業した子がいる、って。
 ふふ、うれしいなぁ。おとぎ話かと思ってたんですけどね」

明花あきる :
「ふゥん、あの偏屈共がねェ……ま、悪い気はしないわな。噂されて、知られてて。
 まだ高校生だろ? だのに教授たちとももう仲良しみてェじゃねェか、羨ましいね。表面上、私はなかなか嫌われてたからよ」

 夕南が「聞いている」ことは気配で把握済み。あくまでも世間話の体を装いつつ、会話を続ける。

獅童糸香 :
「これからお世話になるかもしれない人たちだもん、……って言い方はヘンか。色々と相談しにいったり、課外学習で話す機会も多くて」

 生徒会、学外交流とかよくやるから、と苦笑。

「……それで、えっと、どうしたの? 私、今仕事終わったところなんだけど」

明花あきる :
「はァん、なるほどね……っと悪ィな。世間話もイイとこにして、本題に入らねェと。あんまし付き合わすのは、テメェの親に悪ィし」
 親、というキーワードに、何かしらの反応が無いかを探りつつ。

明花あきる :
「黒曜山のコトについて調べてンだって聞いてな。私も最近、そのヘンの話を仕入れたくて色々足で探し回ってるとこだったんだが……ちょうどオマエが貴重な資料のコピーを持ってるって聞いてよ。
 オマエが良けりゃ、その写し……コピーのコピーを取らしちゃもらえねェか?」

獅童糸香 :
「あはは、お母さんにも無理言ってはじめさせてもらったアルバイトだから。
 すごくありがたいかな。あ、もちろん、長くなりそうなら言ってみるね」

 ──親というワードに、今度は反応を示すことはなかった。
 親を敬い感謝する。そういった、当たり前のことが出来る女子高校生だった。

「へぇ、あきるさんも調べてたんだ。
 う~ん。いいよ。時間さえ合うなら、明日にでもどうかな」

明花あきる :
つーかそういや、一般人は夜辺のジジイが死んだってことは知ってんのか?

獅童糸香 : 死因や状況は伏せられていますが、塾を創った人間が死んだということで知られています。

明花あきる :
オーケー。死んだ事実は知ってンのな。

獅童糸香 : イエス。

明花あきる :
「……イイ親だな。子供のテメェの出来を見ても、それはよく分かるぜ」

 それにしては、先の独り言の無感情ぶりと、今のこの朗らかな笑みの落差は、気のせいで片付けられるようなものではなかったが。
 まるでそう────「きっと親は、心配しているに違いない」とでも言いたげな、思い込ませているかのような口振りだったから。

明花あきる :
「恩に着る。……実はこの調べもの、夜辺のジジイからの頼まれ事でよ。私もあのジジイにゃ世話ンなったからな、半端にしたくなかったんだ。……助かる」

 夜辺からの頼まれごと、などというのはこの場の出まかせだ。だが、彼に世話になったのは本当だ。蒼氷の瞳に憂いを浮かべて、彼女はそう胸の下で腕を組む。

明花あきる :
「時間はテメェの都合に合わせるさ。職業柄、スケジュールにゃ自由が利くんでね」

獅童糸香 :
「そう? ふふ、お母さんに心配かけちゃわないようにってだけだから、そこまで褒められると照れちゃうな」

 ──まんざらでもない、と言いたげに微笑んで返す。

「……そっか。夜辺さんの」

 目を伏せ、亡くなった彼に哀悼の意を示すかのように数秒沈黙。

「わかった。なおさら、協力しなきゃね。
 明日の夕方なら空いてるから、その時間にでもどうかな?」

おさゆく :

獅童糸香 :

明花あきる :
「オーケー。話が早くて助かるぜ。空いたら連絡してくれ」

 満足げに怜悧が微笑み、懐からスマホを取り出す。連絡先交換。

獅童糸香 : 「ありがとう」 LINE交換~

明花あきる :
「……っと、そうだ。最後に一つイイか? 昨晩のことなんだが」

獅童糸香 : 「? 昨晩?」

明花あきる :
 ……はあ、と一つ溜息をついて。
 ・・・・・
「うちの東雲が、どうも世話ンなったらしいな。一緒に黒曜山に行ったんだろ? アイツ、一人で突っ走りやがって……その後は、オマエはちゃんと家に帰れたのか?」

 いかにも『世話の焼ける友人を持つと頭が痛い』とでも言いたげな素振りをしつつ、じっとその目を見る。わずかに獅童を思いやるような色を浮かべて────しかし、理性は冷徹に。

 プロファイリングと熱感知。

獅童糸香 :

獅童糸香 :
「……あの時は、本当にどうなるか心配だったよ。
 私が言い出したことなのに、山で遭難させちゃって。夜の山で、探そうとしたんだけど──私も迷っちゃってさ」

獅童糸香 :
「探してるうちに降りたら、えーっと、たまたま帰る途中だったっていうシスターに会って通報してもらったの。
 ……本当は、私がしないといけなかったんだけどね。無我夢中で、それどころじゃなかったのかも」

獅童糸香 : 「……というより」

獅童糸香 :
 ・・・・
「知り合い、だったんだ。ごめんね、大変なことに巻き込んじゃって。──東雲さんにも、よろしく言っておいてあげて。私がもっとしっかり見ておけば、一人でおいていくなんてことにはならなかったから」

明花あきる :
「(露骨に張り合ってきたな……そのへんについちゃ、切り替えの範疇外だってことか?)」

明花あきる :
「いンや、とんでもねェ。アレが後ろを見ずに突っ走ったのも悪ィからよ。こっちこそ、キツ~く言い含めておくさ。
 ただま、帰れたならよかった。そうじゃなきゃバイトなんざ来てねェって話もあるけどよ。体が無事だからつって、心まで無事とは限らねェ────」

明花あきる :
 トラウマ
「PTSDとか、言うだろ。あんなに綺麗な、澄んだ夜だったんだ。

 ────────"双子月"の幻でも、見ちゃいねェかと、な」

 まァ、要らぬ心配さ。

獅童糸香 : シークレットダイス ???

獅童糸香 : ……お

獅童糸香 : 「──あったね。そんなくだらない都市伝説」

明花あきる :
「(────────ビンゴ、か)」

 すぅ────────と。
 蒼氷の瞳が、少しだけ細められる。
 まるでそう、少しの証拠も見逃すまいとするかのように。

明花あきる :
 プロファイリングと熱感知。

獅童糸香 :
 不意に、冷え込むような気配が漂った。
 獅童糸香という女から、全ての表情が抜け落ちた。それこそ、先の張り合いですら"優等生だから"と言われれば納得できそうだったのに。

獅童糸香 :
 ……それもつかの間、自分で、何かに気づいたように、瞬時に元の表情に戻る。
 笑顔を浮かべ、不快にさせない、いい子の優等生だ。

獅童糸香 :
「……月が二重にブレて見える、とか学者は言ってるみたいだけどね。
 亜梨花さんも、疲れてたのかな。そんなことを言っていたようないないような……」

獅童糸香 : プロファと熱感知ですか。

獅童糸香 : プロファイリングは人間に必要な全感情が抜け落ちているから、まっさらすぎて読み取れず、熱感知はそもそもあきるが経験上理解している"人間はこういうときここに熱があって~"などの理屈全無視して、ニュートラルでした。

というより、感情の抜け落ちに連動して、生理反応も動いていない。

明花あきる :
……ふむ。「異常なくらいフラット」ってところか?
むしろそう、起伏がないこと自体が異常みてェな。

獅童糸香 : フラットっていう超人然とした印象よりかは後者だね。
人間に必要な心の動きの一切が抜け落ちてる。

翠簾野 夕南 : どちらかというと、もともと感情がないものを完全演技でそれっぽく見せかけている感じですか?

獅童糸香 : イエス。

獅童糸香 : (答えブチ抜かれたので素直に答える)

明花あきる :
ほォ……なるほど、「感情が無い顔をする」んじゃなく、「感情があるフリをしてる」ってとこか

神々廻 京 : ロボット……

翠簾野 夕南 : (…………なるほどな)

獅童糸香 : 【キーワード"優等生の仮面"】
使用エフェクト:代謝制御+完全演技+プロファイリング
効果:"感情を上書きし"「世間一般に見れば優等生かついい子、誰からも慕われる完璧人間」を作り出します。

獅童糸香 : プロファイリングで「相手のしてほしいこと、望むこと」を読み取り、代謝制御と完全演技の組み合わせでそのとおりの動きをする。それが、彼女のカラクリでした。

明花あきる :
なるほどねェ……

明花あきる :
「────くだらないなんざ、切り捨てるモンじゃねェよ獅童。
 どんだけ小さく、とりとめもない話であっても。犯人のペテンを暴くにゃ、十分すぎる鋭利を持ってることだってある」

明花あきる :
    ・・・・・・・
「……ま、単なる女子高生にゃ要らん説教だな。忘れてくれて構わねェさ。都市伝説なんて、証拠にもなりゃしねェし」
 それが、異能絡みの事件でない限りは────という付け足しは、内心に留めて。

明花あきる :
「話はそんくれェだ。長々と引き留めて悪かったな。じゃ、資料はヨロシク。
 ────気ィつけて帰れよ」

 扇子を振り、見送る。

翠簾野 夕南 : じゃあ偶然を装ってあきを迎えに来るか。

獅童糸香 : 「ありがとう。じゃ、またあした」

翠簾野 夕南 : 「──あき、いい加減風呂入らないと遅いぞ?」と言いながら小走りで駆け寄ります。

明花あきる :
「……ン。他の連中は?」

 閉じた扇子を口に当てしばらく獅童の後ろ姿を眺めていたものの、自然な風で駆け寄ってきた幼馴染の姿に、つい、と蒼氷の瞳がその背を見上げた。

 淡く金の混じった、透き通るような緑の瞳。懐っこく丸っこく、……時折「疲れ」を溶け込ませては得意の笑顔で誤魔化す、そんな色だ。

翠簾野 夕南 : 「部屋のほうで待ってる。大勢で行ってもなんだしってことでね。……そんで」

翠簾野 夕南 :
「……どうだった?」
そっと声を低めて問いかける。
自然な動作であきの全身を眺めまわし、音だけでは判断できなかったような怪我がないかどうかを念のため確認。

明花あきる :
「どうもこうも。テメェも聞いてたなら分かったろ?
        ・・・・・・・・・・
 ────アレは、相手の望む答えを返す、プログラムみてェなもんだ。
 道理で尻尾の一つも出さねェワケさ。お得意のプロファイリングを返されるたァ、ちっと思わなかったがな……不覚っちゃ不覚だ」

 まあ、「見る」のだから、「見られ」ても文句は言えなかった。体の方は問題ない、安心しろ、とでも言いたげに、彼の視線には好きなだけ検分させつつ、そう考える。

翠簾野 夕南 :
「まーね。途中で、声にイロがなくなった……ちょっと気味が悪いくらいに。
 おれたちの眼から見ても極力自然に見えるように演技してたってわけだ」
 ため息。なにが彼女をそうさせたのか、だとか……考えたいことはいくらでもあるけれど、優先順位をつけるとするなら悲しいかなそう高くはない。

翠簾野 夕南 : ど真ん中で話すのもなんだし、支部のほうに歩きながら話そうと誘導するよ。

翠簾野 夕南 : 「だけど最低でも、彼女がなんらかの思惑をもって動いてるオーヴァードだと見立てても問題ないことがわかっただけで上々かな。おれはそう思うけど、あきはどう?」

明花あきる :
 誘導に乗って自然に歩き出しつつも、同感だ、と相槌を打つ。

 ・・・・・・・・・・・
「単なる女子高生じゃねェってことが分かっただけでも、上々だ。推理するにも、まずは名簿に載せなきゃ話になんねェし……名無しの権兵衛を犯人と名指すのは、流石の名探偵だって無理な話だ」

明花あきる :
「とかく、今ントコは放置するっきゃねェってのが本音だなァ。
 言葉の駆け引きでボロ出させンのが事実上不可能だし、まずもってそもそも────アイツは何ら被害を出してねェ。状況証拠すらねェってんじゃ、どうしたってお手上げだ。
 嫌でもなんでも、後回しにするしかねェだろうな」

 はあ、と嘆息一つ。

明花あきる :
「とりあえず明日もアポは取ったが……まァ、なんのかんのと言い訳つけて、今日と同じようにココで落ち合ったほうがよさそうだな。
 感情がなくて思惑があるなんて、そこらの連続殺人犯より悪質だ。何するかわかったもんじゃねェし、流石の私でもンな奴とタイマンでなんて御免被る」

 ご覧の通り、こちとらかよわいお人形さんなんでな、と唇の端に浮かべる笑みは皮肉気に。

翠簾野 夕南 : 「だな。彼女にかまけて肝心の事件の捜査に手が伸びないなんて、それこそ本末転倒だ。……後ろに何かがいる可能性は、十分ある」

翠簾野 夕南 :
「だけど、うん。それは別に……いま、このタイミングで、絶対に片付けなきゃいけない問題かどうかは別のハナシ。警戒はすべきだけどね。
 寺子屋が始まる前にここを使うといーよ、俊樹に話は通しとく」

翠簾野 夕南 : 「あと」にやっと表情を変えて。

翠簾野 夕南 : 「かよわいお人形さんにしちゃ、ちょっとおまえさんは炎が物騒だと思いませんかねあきるさん?」

GM : えーでは、そんな感じで話をしていると、夕南支部長のスマホにメールが届きます。

GM : 差出人は俊樹からです。

翠簾野 夕南 : 「ン」

GM :

『件名:無題』
・夜辺さんが殺された日、シフトで入っていたのは獅童糸香だった。出勤簿を洗い出してみたのだから、間違いはない。

明花あきる :
「ン、助かる。尾身もガキ共もいるココでなら、滅多なことァならねェだろうし……」

 ふう、と明日の算段をつけたところで、幼馴染のにやつき顔に片眉が上がる。からかいまじりの言葉に、あきるはふい、とそっぽを向いて。

明花あきる :
「なんのことやらわかんねェな、私に出来んのはせいぜいテメェの髪の先焦がすくらいだぜ。
 それに、私にレネゲイドの制御を仕込んだのは誰だと思って……ン? オマエのスマホか?」

 しれ、と返しつつ、耳に届いた着信音に顔を上げる。自分のではない、とすると、供連れて歩くこの男のものだろうと判断し、視線をそちらにやった。

翠簾野 夕南 : 「………………」

明花あきる :
「…………どうした?」

翠簾野 夕南 : すうー、っと深呼吸。

翠簾野 夕南 :
「…………」

 長く長く息を吐き出す。まずいまずい。
 繋がった答えが冷静さをはぎ取って、表情が色をなくしたのが自分でわかった。
 ノイマンで、隠れることができて、殺気を隠せて、この寺子屋にいる。
 そうだ、ヒントはいくらでも転がってた。
 背筋をぴりぴりさせてたいやな予感の正体てのも、きっとこれだ。

GM : ……さて、ここで開示していなかったが、判定無しで知り得てもおかしくない情報を一つ出します。

明花あきる : それは私も夕南もか?

GM : イエス。

GM :
夜辺甚五郎の死因は《リザレクト》を上回る完璧な殺し方でした。
その上で、

翠簾野 夕南 : メール見せたらあきも導き出せる答えってことだな

GM :

 ・・・・
①背後から刺されて殺されている。
②夜辺甚五郎に抵抗した様子はなかった。裏を返せば、抵抗するしないの前に殺し切られていたことになる。

明花あきる :
「────────夕南」

 露骨に、色を失った顔。焦燥というべきそれを、彼女は名探偵としての審美眼、というよりも、幼馴染として付き合ってきたその年月の積み重ねから、敏感に察する。
 反射的に、スマホを持つその手を自身の両手で握る。正面に回って、じ、と見上げた。

 大丈夫だ、とでも、言いたげに。

明花あきる :
「ゆっくりでいい。……教えてくれ」

翠簾野 夕南 : 反射的にディスプレイの電源を落としたスマホを握って、ぎり、と歯をかみ締める。

翠簾野 夕南 : 「……だよな。おまえだって、もう16だ。自分で判断できない年齢じゃないなんて、おれもわかってる」

翠簾野 夕南 :
 だから、これはおれのエゴだ。
 できれば全部落ち着くまでおれと俊樹の間だけで収めておきたかった、現実を隠したいなんて、彼女を苦しめる現実の檻となんにも変わりはしない。
 わかっている。……自分を収めるみたいに、しばらくまぶたを閉じてから、かがんであきに視線を合わせた。

翠簾野 夕南 : 「追い詰めるその瞬間まで冷静でいられるって、おれと約束できる?」

明花あきる :
 眼差しが、交差する。冬の湖面のように凍った蒼と、透き通って金を揺蕩わせる翠とが合わさって、……たじろぐことなく、あきるはその目を見返した。

「(多分、これは。……コイツの、『苦しみ』だ。『葛藤』なんだろう。
  私との『約束』は、裏返せばきっと、コイツ自身が自分を縛るための約定だ)」

明花あきる :
 そして、彼を────彼女を、そこまで追い詰めかねない出来事があるとするならば、それは。

「────────夜辺甚五郎、私にレネゲイドの制御を教え込んで、オマエに戦闘の数多を叩き込んだ、"夜辺のジジイ"にまつわる何か、だな」

明花あきる :
 見つめ合った眼差しに、彼女はややも唇を綻ばせて笑いかける。そうだ、オマエが「あき」と呼んだ童女は、もう十六の女、大人の人間なんだぞと安心させるように……あるいは、それとはまた別の何かを少しだけ含んで。

「……約束するさ。こちとらあの老獪共の孫娘なんだぜ。簡単に取り乱してなぞ堪るモンかよ」

明花あきる :
「だから、私にもオマエの片棒、担がせろ。テメェにだけ持たせるのは筋が通らねェし────それに、何。『お互い様』、だろ?」

翠簾野 夕南 :
 しばらく考え込んでから、自分の頭をがしがし掻く。
 それはそうだ、これぐらいの情報を与えれば彼女だって状況を理解できる。
 本当に、本当に気は進まないけど──仕方ない。今や、あきるは立派なUGNイリーガルなんだし。

翠簾野 夕南 :
 鍋の匂いの残る支部長室にたどり着いて、ドアを後ろ手に閉める。
 念のため周囲を確認してから、おれは重くて仕方ない口を開く。

翠簾野 夕南 :
                  ・・・・・・・・
「……甚さんが死んだ話には続きがある。あの人は殺されたんだ」

翠簾野 夕南 :
「後ろから、リザレクトも間に合わない程完璧に。
 あの人ほどのオーヴァードが、気付かないうちに殺された」

翠簾野 夕南 : そっと、スマホの電源をつけて。消していなかったメールアプリのその文面を、彼女に見せる。

明花あきる :

「────────────────」


明花あきる :
 夜辺甚五郎のことを、「じん」と呼んで慕っていたのは、もうあきるにとっては何年も前だ。彼の親友でありあきるの祖父、明花冬三朗の死去をきっかけとして自立することを決めた彼女は、後援を受けつつもなるだけ自分で生きられるよう、口調と容姿をすっぱり改めることに決めたのだ。

 それ以来、彼女はずっと、夜辺甚五郎のことを「夜辺のジジイ」と呼び続けている。

 今も、なお。

明花あきる :
「…………あのジジイが、殺された、か」
 殺しても死ななそうだな、なんて、生前はよく本人相手に軽口を叩いていたものだけれど。

 驚きと、悲しみと、そして、怒り。
 沸き起こりかけて。

明花あきる :
 ────────パンッ!

 破裂音と見紛うかのように鋭い音が、支部長室の静寂を叩き割る。扇子を開くその音で以て感情を切り替えて、彼女は言葉を継ぐ。

明花あきる :
     ・・・・・ ・・・・・・・
「────獅童糸香が、ジジイを殺した。
 状況証拠的に見れば、そうだな。だが言うなら、同じ日に出勤してた別の講師は? ガキ共は? その親の中には? 尾身自身だって同じ疑いを被ることになる。

 『その日その場に居た』ってだけじゃ、犯人とは立証できねェ。……きな臭ェのは、分かるけどよ」

GM : そう、物的証拠もないし、何より凶器が存在しない(もしこれが仮にモルフェウスシンドロームによる武器作成だった場合は証拠も残らないので焦点にはならないだろうが)。

翠簾野 夕南 : 状況証拠であくまで一番怪しいのが会長ってだけなんだよね

翠簾野 夕南 : ううーんなんかますますスケープゴートっぽい

明花あきる : 逆に言えば、こんだけきなくさい動きを繰り返してたことが、「獅童糸香が犯人だとミスリードさせるため」ってのがありうるんだよな

GM : イエス。エグザイルシンドロームで殺された場合は流石に証拠は残る(骨片、皮脂など体内に残ったものから科学的に割り出しは効く)。

翠簾野 夕南 : 「うん、おれもそう思う。だから証拠が集まるまで黙ってようと思ったんだ──理由はわかるだろ」あきの頭にそっと手を乗っけます。

翠簾野 夕南 : 「あくまでこの話は内部の問題だ。だからあきには話したし──亜梨花と影路にも、そのうち話すよ。神々廻さんは……まだ読み切れないんだけどね」

明花あきる :
「……ま、根拠の曖昧な推理を開陳したくねェって気持ちは分かるよ。探偵だからな」
 ようやく元の調子に戻りつつある幼馴染の表情に、ふん、とやや満更でもなさそうに頷き。

明花あきる :
「エージェントの東雲と卜部はともかく……神々廻は、どうなんだろうな。
 他の市から来たつってたからには、なんか目的があるんだろうが。それ次第じゃねェの? 案外、また何か絡んできたりするかもな」

翠簾野 夕南 : 「かもね。だから、しばらくは様子見。……獅童糸香のバックについてはすっげー引っかかるけど、そっちは後回しだ」

翠簾野 夕南 : 「まずはあの人の遺言を何とかする方が先。おれは、しばらく月について当たってみる」

明花あきる :
「ま、獅童についちゃ要注意とだけチェックつけとくしかねェわな。目を離すわけにはいかねェし。
 ……夜辺のジジイの遺言? そんなしおらしいモン、遺してたのかあのジジイ」

翠簾野 夕南 : 「『どうか、月の狂気に終焉を』──だってさ」

明花あきる :
「『月の狂気』────まるであのジジイにゃ、今のこの状況が見えてたみたいな言い草だな」

明花あきる :
「────いや……『約束』、解けてない謎、……もしかして、"それ"のことなのか……?」

 は、と何かに気付いたような表情。扇子で口元を隠して、まるで零れ落ちたかのように、後半の言葉は独り言じみていた。

翠簾野 夕南 : 「思いあたるとこでもあった?」

明花あきる :
「私のジジイには、名探偵『冬将軍』には、たった一つだけ解けない謎があった。オマエも噂でくらいは知ってンだろ? それは、多分、……本当で。
 そこに加えて、……夜辺のジジイが、私のジジイの葬式ン時に言ってたことが気にかかってな。
 なんでも、『サブちゃんでも間に合わないことがある』、『最悪にならないようどうにかする』『約束破りにはさせない』……だと」

明花あきる :
「……これは、単なる思いつきだ。根拠も証拠もない。だから鵜呑みにはするなよ。
 ────もしかしたら私のジジイも、その『月の狂気』とやらに、関わってたんじゃねェか、ってな」

翠簾野 夕南 : 「…………」

翠簾野 夕南 : ちょっと考え込み。

翠簾野 夕南 : 「調べてみる価値はあるな。つっても、そこを掘り返すってなると……行く場所はお前の実家だね」

翠簾野 夕南 : 「おれは月のほうを調べたいけど、もしかしたら誰かと一緒に行く方が良いかもだ。どうするかはあき次第だけど……」

明花あきる :
「……あァ、」

 いつもは流々と、長広舌も淀みなく言い切る声が、この時ばかりは不自然な間を置いて。

 見目麗しい人形を見るその目が脳裏をよぎる。諦めが全てを包み隠す────その寸前で、ともすれば縋るように、扇子を握る手にわずかに力を込めた。

明花あきる :
「……少し、少しだ。もう少し……時間が欲しい。
     ・・       ・・
 ジジイに迫るにゃ、ジジイに並ぶにゃ、それしかないって……分かってる。分かってるけど……」

 怜悧な顔が、束の間を歪む。他の人間の前では死んだって見せないような、剥き出しの、年相応の、苦悩の顔。

明花あきる :
「────母様と父様に会うのは、まだ、」

 ……その先の言葉は、音にならず。
 居心地の悪い沈黙が、支部長室を満たした。

翠簾野 夕南 :
「うん。わかった。
 もう少し情報が集まるまで、いったんそれは置いとくか」
 あっさりとそのためらいを肯定して、くしゃくしゃとあきるの頭を撫でまわす。

翠簾野 夕南 :
「だけど、あき。おれが言うことじゃないかもしれないけど」

翠簾野 夕南 :
「お前は人間だよ。いくらでも自分の力で未来を選べる人間なんだ。
 あの会長さんだって当然そう。彼女はどうだか知らないけど、お前の周りにはお前を見てる人が山ほどいるよ。とうぜん、おれもだ。わかるでしょ」

翠簾野 夕南 :
「これもさ。かえっていい機会だって、おれは思ってるよ。
 今すぐに会って話せとは言わねーけど、『千秋楽』じゃないお前でいろんな人と関わりながら考えてみな」

明花あきる :
「(人形じゃない私。『千秋楽』じゃない私。二代目じゃない私。
  そんなの、分かんねェよ。だってずっと私は────明花のお人形だった)」

 でも────そうではないと、この男は言うのだ。
 『お前は人間だ』と。自分で決めて、自分で道を決めて、自分で歩ける、操り糸など引き千切るだけの力を持った、人間だと。

明花あきる :
  ミス・ミリオンダラー
「(“ 値千金 ”────皆がそうやって、私に値打ちを付けた。そうじゃなくて、オマエは『自分の値打ちは自分で決めろ』って言うんだろ)」

 そんなの無茶だ、と言い放つのは簡単だ。けれど今となってはもう数少ない、兄貴のような、友人のような、……それとはまた少し、異なったような。
 少なくとも並の人間に比べれば『親しい』とは言い切れるこの男は、きっとそれができない人間にこんな言葉はかけない。夜辺の死の真相についても、彼女が詰めたとて一生腹に抱え込んでおいたままだったに違いない。

明花あきる :
 なら、少しは。
 「できる」と思い込んで。
 「やれる」と信じ込んで。
 踏み出してみるしか、ないのだろう。

 ……怖くても。
 ……恐ろしくても。

明花あきる :
「……うん。そうする。考えてみるよ」

明花あきる :
「オマエを言い訳にしないと、踏ん切りさえつかねェなんてな……情けねェと、笑わば笑え」

 髪を掻き混ぜられて頷く顔は、やや幼くも。
 それを隠すように、自嘲気味の言葉が重ねられた。

翠簾野 夕南 : 「笑った方が良い?」

明花あきる :
「…………そったら髪燃やす」

明花あきる :
「つーか夕南、私まで泊まる流れになっちまってるが……イイのか?
 市外から来てる連中はともかく、私は普通に家あるんだし、帰ろうかと思ってたが。経費嵩むだろ」

翠簾野 夕南 : 「はいはい、じゃあしないよ」わしわし。

翠簾野 夕南 : 「あー、うん。母さんから幾らか物持ってきてもらってるんだ、しばらくはもつっしょ。せっかく同年代と一緒なんだし、親交深めてきな」

東雲 亜梨花 : 「あー!! お話終わった?」ひょっこり

翠簾野 夕南 : 「お、うわさをすれば」

明花あきる :
「……まァな。終わったよ」

東雲 亜梨花 : 「…………」
すっごい知覚センスで何となく何かを察知しつつ、ニッと笑顔になってありちゃんにぱたぱた駆け寄ってその腕に纏わりつくよ。風呂上がりなので大丈夫!

「ん、じゃあスマブラしよう! 私今日すっごく調子がいいんだよね! 今影路くんがもっちーにコツ教えてるからあきちゃんも支部長代理もしよ!!
今日私すっごく調子がいいから!!!!」

望月/朔 : 「やりましょう!!!」・ワ・

翠簾野 夕南 : 「だってさ」

東雲 亜梨花 : ぐいぐい引っ張ってSwitch置いてる部屋まで引きずり込もうとしちゃう

東雲 亜梨花 : 「知ってるかもっちー、こういうのは遊ぶ人が多ければ多いほど楽しいんだぞ。人はそれを阿鼻叫喚と呼ぶ」

望月/朔 : 「アビキョーカン──なるほど、そうなんですね!」

東雲 亜梨花 : 「うむ!!!」

望月/朔 : 「あきるも、あそびましょ!・ワ・」

明花あきる :
「え? あ、すま……? ……あっオイ引っ張るな馬鹿、ちょ、待っ……!!」

 いきなり間合いを詰められることに慣れておらず、ぐいぐいぐいと引っ張られ動揺しきり。望月の無防備な顔に虚をつかれた瞬間、ついにずるずるずると引っ張られ始めて。

明花あきる :
 ……ぎりぎりでどうにか抵抗して、最後にひょこりと支部長室に顔を出した。
                      ・・・・・
「言い忘れてたが────お気遣いドーモ、夕南オニイサマ!

 ────あっちょっ、自分で歩くから袖を……服が伸びるだろ馬鹿ッ!!」

 そう愉快な悲鳴を響かせつつ、だんだんと遠ざかっていく。

翠簾野 夕南 : にやにや。

翠簾野 夕南 : 「おれ、飲み物用意してからそっち行くよ! その間に一戦してな~」手ふりふり。

東雲 亜梨花 : 「はぁ〜い! 」と元気にお返事して、もっちーとは反対の腕をずいずい引っ張りながらあきちゃんとわいきゃいお部屋に行くよ〜!この後大乱闘だ1d10でいちばん高い人が優勝ね!

望月/朔 : 1d10 すまぶら (1D10) > 6

東雲 亜梨花 : 1d10 すっごく調子がいいからね!!! (1D10) > 4

明花あきる : 普通に高いな……

明花あきる : ええ……?

東雲 亜梨花 : 負けた〜!!!!

明花あきる : 1d10 ゲーム自体初めて (1D10) > 5

東雲 亜梨花 : いやまだわからんわから……ナァァ

望月/朔 : >ワ<

翠簾野 夕南 : 1d10 (1D10) > 10

翠簾野 夕南 : フ……

明花あきる : オマエ!!!!!!!!!!!

望月/朔 : 大人げない!!!

東雲 亜梨花 : もっちー……強くなるの早いな……恐ろしい子……!

東雲 亜梨花 : 大人げない!!!

翠簾野 夕南 : 勝負の世界はつねに残酷なんだよ、わかるかね!

明花あきる : ウッワ大人げなやっぱオニイサマつったの取り消すわ、という顔をしている。

翠簾野 夕南 : 遠吠えは心地いいのぉ~~~!

明花あきる : (おもむろに髪を燃やそうとする)

翠簾野 夕南 : ア゛アアアアア

東雲 亜梨花 : キィ〜〜〜!!!
畳の上でじたばたします

明花あきる : 暴れンな、埃立つだろ……悔しいのは分かるが

望月/朔 : こ、これが、くやしい……?ってなってるもっちー

東雲 亜梨花 : じゃあゲーム大会の終わりに

望月/朔 :
"……楽しいね。<わたし>"
"朔?"
"ううん、なんでもない"

東雲 亜梨花 : 「夜中にゲーム、楽しいねあきちゃん」とへらへらしておこう。みんなで結託して支部長代理を攻めながらね。

望月/朔 : 「たのしいね!」 3対1しながら

翠簾野 夕南 : おれは悲鳴を上げてます。

明花あきる :
「……そう、だな。仕事以外でこんなド深夜まで起きてたことなんて初めてだ。それも、年の近い連中となんざ」
 負けず嫌いなので初めてのゲームもちょっと覚えてきた。夕南をボコすために集中攻撃に加わりながら、比較的素直にそう答える。

東雲 亜梨花 : 「ふふ、友達と遊ぶのは楽しいんだよ。起きてるだけでもわくわくしちゃうね」

しれっと友達アピールをしておいて、夜が深けてゆーな母に叱られるまで、ゲームしてみんなで布団敷きつめて寝るまで元気にはね回っておきます。
明日も頑張ろう!

明花あきる :
「(『ともだち』。ともだち、か。そんなん、必要としたことはなかったが。
  ────そういう、モンではねェのかもな。要るとか、要らないとか)」

明花あきる :
「(ジジイにとっての、『じん』も。……そういう、ことだったのかな)」

<ミドルフェイズ⑥/東雲亜梨花&翠簾野夕南/語りなば、月夜もまた遠からず>

GM : ゆ~なとありちゃーん

東雲 亜梨花 : はい!げんきです!

GM : とりあえず、T市に泣きつく(?)ということは、T市支部というわけだ。
その兼ね合いで、「こんな話はなかったか」という感じでゆ~なさんが聞く。それでOK?

翠簾野 夕南 : おっけー。

翠簾野 夕南 : 登場ふるよ。

翠簾野 夕南 : 1d10 (1D10) > 5

東雲 亜梨花 : 1dx <シーン登場> (1DX10) > 10[10]+3[3] > 13

翠簾野 夕南 : うむ

東雲 亜梨花 :

卜部影路 : 10だな

system : [ 翠簾野 夕南 ] 侵蝕率 : 63 → 68

卜部影路 : 登場は1d10だぜ

東雲 亜梨花 : dxだとクリが計算されてしまうのね

卜部影路 : そういうことだ

system : [ 東雲 亜梨花 ] 侵食値 : 63 → 73

GM : 一気に跳ね上がったな

東雲 亜梨花 : 今日も絶好調です

GM : では、それぞれ<噂話>、<UGN>で振ってください。

GM : ○【黒曜山】
(情報:UGN 8)
(情報:噂話 12)

東雲 亜梨花 : は~い。
私は情報<UGN>がもともと1r+1で、
ここにコネを使って+2rに
砂の加護でさらに+1rするよ!

GM : ハァイ

東雲 亜梨花 : まずは加護の分のコストを……3!

system : [ 東雲 亜梨花 ] 侵食値 : 73 → 76

東雲 亜梨花 : あとそうだ、侵食率ボーナスでさらにダイスは一つ増える!!!俺のターン!

東雲 亜梨花 : 5dx+1 助けてエージェントK! (5DX10+1) > 8[3,6,7,8,8]+1 > 9

望月/朔 : たすかったね

東雲 亜梨花 : あぶぶ

翠簾野 夕南 : Kくんのアイコン持ってきます。(いそいそ)

望月/朔 : あっそうだ。望月をこの場に同席させるかは選べます。

東雲 亜梨花 : せっかくなので連れてきていいかな……ごあいさつ。もっちの体調が大丈夫そうならだけど。支部長やメイド長やうらきちてきにはどう?

翠簾野 夕南 : お山のことなら大丈夫じゃないかなーと思った。もし問題あるならこちらでないないしとけば良いんじゃないかな

翠簾野 夕南 : もっちー連れてくと衝動判定のリスクも減らせるしな

卜部影路 : 良いんじゃねぇか?東雲はともかく夕南さんも同行するしな

望月/朔 : と も か く

東雲 亜梨花 : わたしがマスターですが!!!

卜部影路 : つーわけで、夕南さん、コイツら二人の手綱をしっかりお願いします。まあ、俺が言うまでも無いとは思いますけど……

望月/朔 : ゆ~なさんが振ったら進めましょう。

翠簾野 夕南 : まかせとけ、こーゆーの得意だよ。でも影路も気をつけるんだぞ?

翠簾野 夕南 : オーケー。おれも《生き字引》《コンセントレイト:ノイマン》で振って、情報収集チームもつける。

東雲 亜梨花 : そ、そーだよ! 何があるかわからないからね!

卜部影路 : 真っ昼間からなら大丈夫だろ、逃げるだけなら俺だけでもなんとかなるしよ……東雲こそ、夕南さんにあんまし迷惑かけんなよ……?

翠簾野 夕南 : (7+1)dx+4@8 《生き字引》《コンセントレイト:ノイマン》使用情報ダイス (8DX8+4) > 10[1,2,2,3,3,4,6,9]+10[10]+4[4]+4 > 28

翠簾野 夕南 : おおー回る回る。

東雲 亜梨花 : 右腕として存分にはたらウオア

神々廻 京 : 回りまくり

望月/朔 : 本気出してきた……

system : [ 翠簾野 夕南 ] 侵蝕率 : 68 → 72

卜部影路 : とりあえずゲート分は俺もここで増やしておくぜ

卜部影路 : P市へのゲート分

system : [ 卜部影路 ] 侵蝕率 : 59 → 62

東雲 亜梨花 : ありがとううらえもん

望月/朔 :

<ミドルフェイズ/語りなば、月夜もまた遠からず>

翠簾野 夕南 : いいこだ。

GM :
 ……昼。ミーティングルームに集まった亜梨花と夕南。
 彼らが遠隔で繋いだのは、T市支部であった。

望月/朔 : 「いまからなにがはじまるんです?・ワ・」

東雲 亜梨花 : 「ふふふ……わたしがお世話になってるお家の人を紹介するね!」

望月/朔 : 「つまり、つまり……すごいひとなんですね!」

東雲 亜梨花 : 「そう!とてもすっごい!」

翠簾野 夕南 : 「まー、そーね。頭がいいことはたしかだな」

GM :

 ──あー、あー、テストテスト。

東雲 亜梨花 : 「……とそれからもっち~がいた山のことを調べてもらったから、それも聞くんだ。聞きたくないことだったり、胸がぎゅっとすることだったら耳塞いで背中にくっついてていいからね」
ともっち~にはいっておくよ

前本不亜音 :
『映ってます? K、映像機材に乱れはありませんか?』

 ──温和な雰囲気を漂わせた、三十代ほどの女性。
 T市支部支部長にして、亜梨花の上司、前本不亜音だ。

望月/朔 : 「う、うん……」

東雲 亜梨花 : 「し、しぶちょ~~~~~~」

東雲 亜梨花 : ヨヨヨ

Kくん :
『映像に問題ナシ、つながりました。
 ……ごぶさたです、"アレークト"。そちらの支部のかたに迷惑はかけてませんか』

東雲 亜梨花 : 「はぁい! 仕事してます!
 迷惑は……わかんないけどおおむね大丈夫!
 ……?」
ちょっと不安になってゆ~な支部長代理をちらりと振り返っておこう。

翠簾野 夕南 : 「うちの内部事情に付き合わせて、こっちが申し訳ないぐらいだな。おひさっす、前本さん」

前本不亜音 : 『困ったときにはお互い様、というではありませんか』

翠簾野 夕南 : 「へいへい。今回は素直に感謝してますけど」

東雲 亜梨花 : もっち~にも二人を紹介しておこう。

望月/朔 : 「望月っていいます!」

東雲 亜梨花 : 「こっちにやさしそうな人が私がもともと所属してる支部の支部長! 
 こっちのヌンってしてる人が優秀なエージェントのKくんだよ。
 ふたりとも優しいいい人だよ~」

Kくん : 『ケイです。もはやKとしか呼ばれてない気がしますが、最終的な響きが変わらないのでどっちでも好きに呼んでください』

前本不亜音 :
『よろしい。望月さんも、よろしくおねがいします』

 一つうなずいてから、"望月"を見て目を細めるも、すぐに正面を向き直って──、

『──早速、本題に移りましょうか。K、資料を』

東雲 亜梨花 : 「あ!? なにかわかったんですか!」

Kくん : 『了解です』

前本不亜音 : 『亜梨花、今お伝えしますから、落ち着いて』

東雲 亜梨花 : 「はぁい!」着席します

前本不亜音 :
『……さて、黒曜山についてですが』

 ぺら、と資料をめくってから、モニタにも映し出す。

『──過去に、レネゲイドウイルス……というより、"奇跡"について調査していた大日本帝国の機関が、陣取っていたようですね』

東雲 亜梨花 : ふふ……びんごすぎてびっくらぽん

翠簾野 夕南 : 「……奇跡な。レネゲイド拡散以前に、その存在についてつかんでた連中ってわけか」

前本不亜音 : 『そのとおり。ここからはちょっと亜梨花には難しい話ですが、ついてきてくださいね?』

東雲 亜梨花 : 「はい!」背筋を伸ばしてとってもかしこいモードにきりかえるよ

前本不亜音 :

 ──1990年代に発生した輸送機事故をきっかけとし、レネゲイドウイルスが全世界に拡散。

前本不亜音 :
 それをきっかけに、世界人口の9割がレネゲイドウイルスの保持者となった。
 それが何かのきっかけによって目覚め、異能者──オーヴァードとなる。
 これは、UGNやFH、はてはゼノスなどの組織に身を置くものであれば誰もが知る共通事項だろう。

前本不亜音 : 「しかし、それ以前からレネゲイドウイルスの足跡は遺されていた、と研究者達は予測しております。
 賢者の石然り、EXレネゲイド然り、レネゲイドビーイング然り──太古の昔より、それらは"神秘"、"奇跡"、"魔術"……といった非日常を象徴する言語として扱われてきました」

翠簾野 夕南 : 「世界の怪奇現象も、調べたらオーヴァードや遺産のもたらしたものだった……っていうのも、ありがちな話だしな」

東雲 亜梨花 : (*'▽')

翠簾野 夕南 : 具体的にいうと聖母マリアが神の子をくるんでた布が遺産扱いされてるなどしたはず

東雲 亜梨花 : へ~

翠簾野 夕南 : 実際すごい。

東雲 亜梨花 : とてもすごい

前本不亜音 : 「そのとおり。キリストの再臨なんかも、彼がオーヴァードだったから……とまで囁かれている始末です」

 まぁ、物証はないんですけどね。と苦笑しつつ、

「一例としては、O市近辺のやしろ町に根を張っていたという"やしろの大桜"。
 対処にあたったオーヴァード達の報告書によれば、『江戸時代の人柱の意志が、EXレネゲイドウイルスの桜と絡み合って生まれた』とのことです」

東雲 亜梨花 : 「日常だったとまではいわないけど、常に裏に寄り添ってたって感じですね」
うむうむ

前本不亜音 : 「そのとおり。ほとんど全てが科学による説明で成り立つ現代においては、異端と言われたオーヴァードの力も、昔は人とある程度は寄り添っていた……とだけ、覚えておきましょう」

東雲 亜梨花 : 「はぁい(*'▽')」

前本不亜音 :
「──さて、時間を進めます。
 時は1939年、ナチスドイツによるポーランド侵攻によって、第二次世界大戦が引き起こされた年です」

前本不亜音 : 「当然表には出されることはありませんが、その時代、各国の首脳達は自国に残された資料を元に、こんなことを考えていました」

前本不亜音 : 「"──この奇跡の力を軍事利用出来れば、覇権を握れる。あるいは、敵対する国家を破壊することが出来る"と」

翠簾野 夕南 : 「……まあ、そうなるよな」

前本不亜音 : 『ナチスドイツが組織した超人兵団然り、米国が組織したステイツヒーローズ然り、──当然、我が大日本帝国も、例外ではありません』

前本不亜音 : 『満州第七三一部隊、正式名称は関東軍防疫給水部本部。
 彼らから派生したとされる通称、大日本帝国奇跡調査機関"カンガタリ"。……それが、戦時下においてレネゲイドウイルスを研究していた機関として有力視されているものです』

前本不亜音 : シークレットダイス ???

望月/朔 : 「……、……」

翠簾野 夕南 : (……カンガタリ──"神語"? それ、彼女がうわごとで言ってた名前だな)

東雲 亜梨花 : 「もっちー。大丈夫? 別の部屋いく?」

望月/朔 : 「……ううん、大丈夫」

東雲 亜梨花 : 「つらかったら、朔ちゃんや私、支部長代理でもいいから言ってね」とギュッとしておこう。背中をさすさす

前本不亜音 : 『……続けましょう』

『その機関は"カンガタリ六○ニ部隊"という暗号名で呼ばれていましたが、まぁそれはいい。
 終戦間際まで、彼らが基地として使用していたのが、あなた達が依頼した黒曜山です』

翠簾野 夕南 : もっちーの肩を軽く撫でてから視線を戻します。

前本不亜音 : 『……黒曜山には"人身御供"の伝承があったと言われています。
 山の神に捧げ、怒りを鎮める──らしいですが、これね』

東雲 亜梨花 : まさか……

前本不亜音 :

『実のところ、後付(カバーストーリー)なんですよ。"カンガタリ"がやっていたことを、尤もらしく隠蔽するもの。我々UGNのやることと、同じことをしていたわけです』

翠簾野 夕南 : 「………」

東雲 亜梨花 : なおのこともっちーをもちもちしておこう……

前本不亜音 : 『……さて、歴史の事情の説明もしちゃいましょう。
 当時、暴走を開始していた陸軍。彼らからしてみれば、天皇のために戦う自分達以外を地方人と呼び、蔑んでいたそうです」

前本不亜音 : 『"カンガタリ"が目をつけたのは、そこでした。
 お国のために、彼らにも血を捧げてもらおう。鉄砲玉としてしか能のない人間は最前線へ、それ以外の有用な素体は、我々の元へ』

前本不亜音 : 『そうして集めた人間達を使い、彼らは日夜、敵を退けるための研究を繰り返していたそうです。
 人を使って神を降ろし、蹂躙する──それを、最終目標としてね』

前本不亜音 : 『早い話が人体実験ですよ』

翠簾野 夕南 : 「……下衆な話」

望月/朔 : シークレットダイス ???

望月/朔 : 「……。そう、なんだ」

東雲 亜梨花 : スン……という顔をしておきます。無

前本不亜音 : 『……戦争が技術を進歩させる。より強い武器で敵を駆逐する。そのために人体実験を繰り返す。……よくある話です。
 他の国でもよくありました』

前本不亜音 : 『──さて、このカンガタリですが。終戦直後に、三人の立役者によって解体されます。
 一人は鈴木貫太郎総理。彼は、帰還したとある兵士の進言によってこの組織の存在を知るとともに、こんなことを望むはずもなかった天皇をも巻き込んで、解体を決意します』

前本不亜音 : 『……そして、進言した兵士こそが、"夜辺甚五郎"でした』

翠簾野 夕南 : 「……なら、もうひとりは」

前本不亜音 :  ・・
『黒澤修一郎。"カンガタリ"の局長であった男性です』

東雲 亜梨花 : ふむ

翠簾野 夕南 : 「例の、家出息子の実家ってわけ……」

前本不亜音 : 『彼らの間にどのようなやり取りがあったのかは、手元に資料がないのでわかりかねます。
 しかし、カンガタリ局長である黒澤修一郎は、極東軍事裁判にて人道に対する罪を問われ、問答無用で死刑となります』

前本不亜音 : 『……ただし、執行はされませんでした。理由は一つ』

『極東軍事裁判裁判長であるウィリアム・フラッド・ウェブ氏との間に司法取引が成されており、レネゲイド、オーヴァード関連の資料全てを接収し、その上で"超人犯罪"への対抗に一生涯を捧げるという制約の下、見逃されたそうです』

前本不亜音 : 『故にP市にはカンガタリに関する資料はなく、彼らの研究内容は米国に接収されるか、もしくは終戦間際に漏洩を恐れた陸軍による破壊工作で焼失しているかのどちらかです』

翠簾野 夕南 : 「まっとうな手段じゃ探すことは難しい……けど、現にそれが利用されてるんだよな」

東雲 亜梨花 : 「…………」

東雲 亜梨花 : 「そっか、あの山そんなことがあった場所なんだ。
 でも、そのカンガタリのことがわかれば、
 もっちーが『独り立ち』を安定してできる方法もわかるかもしれないね!」

望月/朔 : 「! はい!」

前本不亜音 : 『……山を探せば、残骸が転がっているかもしれませんね』

東雲 亜梨花 : 「そうかも! 支部長さすが!」
わいわい、やる気に満ち溢れている

翠簾野 夕南 : 「いま、影路が行ってるんだよな。ちっと心配だけど……」

東雲 亜梨花 : 「うーーむ、早めに戻って何かあったら何かできるようにする?」

翠簾野 夕南 : 「そうしとくか。幸いゲートは繋げてもらってるから」

東雲 亜梨花 : 「うん!……あ」

翠簾野 夕南 : 「ん?」

前本不亜音 : 『はい! 亜梨花さん(質問はありますか?と聞こうとした矢先)』

東雲 亜梨花 : 「はい!(起立)そういえば、支部長。
 なんであの山がそんな研究所に選ばれたんでしょう!」

東雲 亜梨花 : 「山のうえって通勤するの不便じゃないのかな……?」

翠簾野 夕南 : 「そこ?」

前本不亜音 : 『研究には綺麗な水が必要です。なおかつ、ロクでもない研究を隠しておくにはちょうどいいでしょう?』

東雲 亜梨花 : 「たしかに! 何かを隠すなら森の中!」

東雲 亜梨花 : 「……それから」

東雲 亜梨花 : 「ねえ、支部長。なにかに縛られて自分がないってあきらめている子に私、何かしてあげられるのかな。
してあげたい、気持ちはあるけど、傷つけたくなくて。
『パペッター』の支部長は、糸を切るにはどうしたらいいか、知ってますか?」

前本不亜音 : ………………

前本不亜音 : シークレットダイス ???

前本不亜音 : 『……関わり続けること、ぐらいでしょうかね?
 繋がり(ロイス)が切られれば、当然それはジャーム化へと繋がります』

前本不亜音 : 『尤も、その子のことを私は知りません。どういう家庭環境で、どういう状況で、なおかつ内面がどうなのかも。
 ……だから、最低限やるべきこと、ぐらいですよ。教えられるのは』

東雲 亜梨花 : 「──うん、……うん! わかった!
 私は諦めないよ。その子がいらないっていっても私がいるって言う。
 それだけは諦めない!
 

東雲 亜梨花 : そしたら、あとは状況次第で私が考えて頑張ったらいいんですね! 支部長!」

前本不亜音 : 『はい! その意気ですよ』

前本不亜音 : 『さて、あとは何か聞いておきたいことはありますか?』

東雲 亜梨花 : 「わぁい! 私頑張りまーす!」
ということで満足したよ。やる気が100上がった

東雲 亜梨花 : よくわからないけどやる気に溢れているのでもっちーとえいえいおーをしておきます

翠簾野 夕南 : その姿にちょっと頬をほころばせる。

翠簾野 夕南 : 「できる限りは、おれたちも手伝うよ。あんまり自分ひとりで突っ走りすぎちゃだめだぞ?」

望月/朔 : 「えいえいおー!」

東雲 亜梨花 : 「は~い! ゆーな支部長代理もね!
 一人で頭が突っ走っちゃだめだよ」
えいえいおー!

翠簾野 夕南 : 「切り返された!? でも否定はしにくい! わかってる、わかってるって!」

東雲 亜梨花 : 「支部長がやさしくってできる大人お~らのわかりやすい大人は子どもを信用しているようで大人したがりの大人初心者だから気をつけろっていってたらかね」

東雲 亜梨花 : しらんけど

東雲 亜梨花 : というわけで質問はないでよろしお?

翠簾野 夕南 : 「ひでえ! おれだって結構いろいろあってがんばってるんだぞ~!」

翠簾野 夕南 : あるある! ある!

東雲 亜梨花 : あった!

翠簾野 夕南 : 「つーか、おれもだ! 前本さんのほうで、研究に関する情報を他に掴んでいたりはする?」

前本不亜音 : 『残念ながら掴めていないんですよねぇ。流石に米国と交渉するのは骨が折れますし』

東雲 亜梨花 : ゆ~な支部長代理、コネ<米国>とかないの?

前本不亜音 :

翠簾野 夕南 : さすがにないよ~

翠簾野 夕南 : 「わかった、感謝っす。で、あとひとつだけ。聞き損ねてたんだけどさ」

翠簾野 夕南 :
「あんたがそうまでしてこの件に肩入れするって、あいつの影があるって思っていいの?」

東雲 亜梨花 : (*'▽')

前本不亜音 : 『……』

前本不亜音 : 『亜梨花?』

前本不亜音 : 『席、望月ちゃんと一緒に外してもらえる?』

東雲 亜梨花 : 「……? はぁい!」

望月/朔 : 「は~い!」

翠簾野 夕南 : 「ごめんな、あとで。そんなにかかんねーから」

東雲 亜梨花 : 「ん、いいよ。大人の事情と上司の事情はなれてる。あとでココアのみたいな!」

東雲 亜梨花 : ということですたこらさっさ

翠簾野 夕南 : 「うまいの用意しとくよ」

前本不亜音 : 『よろしい。えらい子で何よりです』

東雲 亜梨花 : 「へふ、エージェントなので!」

前本不亜音 : 『……』

前本不亜音 :

『──ふぅ』

翠簾野 夕南 : 「自分の子どもには聞かれたくなかった? 性格悪いやり方しちってすんません」

前本不亜音 :  ・・・・・ ・・・・
『私はアレで、アレは私。
 私なら、張った網に自分を探る陰を一つでも見出したら、そこを通ってすりつぶします。だからですよ、翠簾野 夕南』

前本不亜音 : 『相手の手持ちを知れば、そこから潰しにかかる。
 ・・
 アレなら、そうやります。だから、その可能性を抑えたまでのこと』

『──ああ、質問の答えになってませんでしたね。"その通り"です』

翠簾野 夕南 :
「……だろうね」

翠簾野 夕南 :
 声に怒りが混ざったことを、否定できない。
 それは眼前の彼女に向けたものでなくて、その彼女と全く同じ顔をした女に向けてのものだ。それを、彼女も知っている。

前本不亜音 : 『あの女がやりそうな手口に行き着いた。だから、あの子に調べさせている。
 ……少しばかり、イレギュラーが起きているようですが』

前本不亜音 : ……さて

翠簾野 夕南 : うす。

<秘匿通信:翠簾野夕南&前本不亜音>

前本不亜音 : 『──"マスターマインドの子供達"が、P市に潜伏している。
 P市に眠るといわれる兵器を狙っての、調査も兼ねたスパイ活動でしょう』

前本不亜音 : 『"Jack pod/Sad X"──あの女が使う、どちらかといえば諜報戦向きのオーヴァード……否、"オーヴァード部隊"です』

翠簾野 夕南 : じゃっくぽっと

前本不亜音 : 『特徴は単純。
 ノイマンシンドローム保有者の内、失感情症<アレキサイミア>の発症者のみで構成されているということ』

前本不亜音 : 『故に彼らは自然な天才であり、気配りの出来るいい人であり、それでいてユーモアも忘れない。
 ……外界からの反応刺激だけで返している個体も少なからずいるという事実さえ無ければ、ですが』

翠簾野 夕南 : 「……それ、一人心当たりがある。そいつか」

前本不亜音 :

【 "Jack pod/Sad X" 】
 以下は、公安部隊の内、UGN関連の手配書に記載されている情報である。
 数年前からUGNが解明せんとしていた個人兵士団、"マスターマインドの子供達"の一人。
 "マスターマインド"天船巴が各地でスカウト(あるいは育て上げた)兵士団であり、個人戦力として運用されている。
 彼女自身が現場に赴く必要性がない場合、あるいは長期の情報収集のために使用されるとされる。

 "Jack pod/Sad X"は個人であるが、同時に群体である。
 推定シンドロームは"ノイマン"ピュアシンドローム。特徴的な仮面を装着している。
 201■年(卓時間より三年前)にUGN■市支部が壊滅した事件に関わっているとして、捜査が続けられていた。

 条件は、失感情症<アレキサイミア>──"感情が分からなくなる病"にかかった者たちであること。
 重い症状に脅かされる代わりに、通常のノイマンよりも高い能力を発揮するとされる。

前本不亜音 : 『……やはり、いたのですか。随分前から、侵入していたようで』

翠簾野 夕南 : 「獅童糸香。甚さん殺しの容疑者にも名前が挙がってる」

前本不亜音 : 『……へぇ』

前本不亜音 : 『まぁ、推察は報告書があがってきたらにしましょう。
 ただ、彼らは他者に取り入ることが上手い。なぜなら、他者の望むことを返す音叉だから』

前本不亜音 : 『もし彼女がそうだというのなら、恐らくバックの方には既に情報が入っているでしょう。
 そして、この地に眠る兵器の詳細や進行度も理解している。……と、考えます』

翠簾野 夕南 : 「甚さんの手帳がなくなってた。犯人が本当に彼女だとしたら、盗みもその子だろうね」

翠簾野 夕南 : 「……獅童糸香との接触は亜梨花とうちの名探偵に任せてるけど、それはあんたとして看過していいこと?」

前本不亜音/span> : 『構いませんよ』

    ・・・・
『半分、あてつけです。あの女へのね』

前本不亜音 : 『私はアレで、アレは私。
 チェスの駒取りゲームでしかない以上は、表舞台には絶対に出てきません。精々が、画面越し』

翠簾野 夕南 : 「……相変わらず性格わりぃな」

前本不亜音 : 『──私の育てた子が、私兵団などとほざくあの女の手駒を取れば、あの女のこめかみにきれいな青筋が浮かぶでしょう。それを想像するだけで、たまらなく愉快なのです』

『褒め言葉として受け取っておきましょう』

翠簾野 夕南 : 「…………」秘匿回線を閉じて、大きなため息をつく。

翠簾野 夕南 :
「だいたいわかった。
 最初からヘンだと思ってたんだ、有事だからってあんたがチルドレンを送り込んでくるなんて。しかも受け入れてみたら、あんた自慢の"アレークト"だ。ホシがいるのは間違いないって思ってたよ」

前本不亜音 : 『生涯、そのために生きているようなものですからね。私』

前本不亜音 : 『内政干渉だってなんだってやりますとも』

翠簾野 夕南 : 「だろーな。あんたの顔は嫌いだけど、あんたのそういう案外シンプルなところはそんなに嫌いじゃないよ」

翠簾野 夕南 : 「それに、あんた本人はともかく育てた子は良い子だしな。そこは別に、疑ってるわけじゃねーから」

前本不亜音 : 『私の方針の賜物と褒めてくださっても構わないんですよ?』

翠簾野 夕南 : 「ま、亜梨花はいい子だ。それはマジだし。あいつと自分を切り離せたのは素直にすげーと思うよ」

東雲 亜梨花 : ヘァッッショイ!!!!

前本不亜音 : 『ここに入ってるの、アレの知識と思考パターンぐらいなものですからねぇ。人格転写されてたら危うかったんですけど』 おほほほほ

翠簾野 夕南 : 「笑いごとじゃねーんだよな……でもなあ」

翠簾野 夕南 :
 ・・・・・・・    ・・・・・・・
「アマフネトモエ、だからマエモトフアネ、なんて。
 当てつけにしちゃあからさまな名前だと思うし、そのあたり元とどっこいだぞ。言われてみちゃ簡単なアナグラムなのに、案外わかんねーし」

前本不亜音 : 『仕方ないじゃないですかぁ。思いつかなかったんですもの』いじけた・・・

翠簾野 夕南 : 「その顔でやってもかわいくねーし、ぜってー騙されねーからな」

翠簾野 夕南 :
「……ともかく、状況は分かった。
 "マスターマインド"の性格悪い罠の可能性はおれも警戒しとく。直接殺せそうにないのは腹立つが」

前本不亜音 : 『お願いしますよ。正義も悪も実のところどうでもいいですが、アレに好き放題させることが、私にとっては我慢ならないことですので』

翠簾野 夕南 : 「よー言うよ。………」

翠簾野 夕南 : 「うん、聞きたいことはそんぐらい。時間とらせてごめんな、前本さん」

前本不亜音 : 『構いませんよ。いずれは話すべきことでしたからね』

翠簾野 夕南 : 「そもそも、話してから亜梨花をこっちに呼べよな……」

前本不亜音 : 『隠し事大好き♡』

翠簾野 夕南 : チャキ。

前本不亜音 : 『──まぁ、P市には家庭環境で随分お悩みの子もいらっしゃると聞きますし、亜梨花にはなんとかしていただきたいのですけどねぇ。生まれてから死ぬまでずーっと道具の運命な私もほら、この通り(この辺テレビショッピング)』

前本不亜音 : 『こわいわぁ(こわいわぁ)。まぁ、ほぼ職権乱用だからバレたら後が面倒という建前があるのは、さておくとしましょう』

翠簾野 夕南 : 「しくったらチクるからね」

前本不亜音 : 『やれるものならやってみてください?』

翠簾野 夕南 : チッッッッッと露骨に舌打ちします。

前本不亜音 : というわけで大人二人の微笑ましい会話で、シーンをシメましょうか

東雲 亜梨花 : やった~ココア~~~~

東雲 亜梨花 : アッ顔が

東雲 亜梨花 : ココア~~~

翠簾野 夕南 : 良かったね~

東雲 亜梨花 : うま~~~い

<ミドルフェイズ⑦/卜部影路/面影>

卜部影路 : つーわけで、判定だけ振るか

GM : OK。調べてから山に向かう感じでいいんだっけか。

卜部影路 : ん?俺は調べてからガサ入れだろ?

GM : OK!

卜部影路 : とりあえず振るだけ振るか

卜部影路 : とりあえず登場振るぜ

卜部影路 : 1d10 (1D10) > 3

system : [ 卜部影路 ] 侵蝕率 : 62 → 65

卜部影路 : 【望月/朔】(情報:UGN 8)(情報or知識:歴史)

知識で振るぜ

GM : OK! 難易度11だ。

卜部影路 : 5DX (5DX10) > 10[4,5,7,8,10]+3[3] > 13

卜部影路 : ほらな?

GM : さすが一人に強い男……

卜部影路 : やっぱ“ソロ”なんだよな

神々廻 京 :

GM :

<ミドルフェイズ/面影>

GM :  ……山へ向かっているあなたの手元に握られていたのは、一枚の古い写真だろう。
 これは、UGNの夜辺の私室を漁っていたときに見つけたものだ。

GM :  研究者と思しき男性と、局長と思しき男。
 そして、そこに立っている、笑顔のない少女。……どことなく、"望月"に似ている。それどころか、瓜二つといっても過言ではない。

GM :
写真裏には、このようなことが書かれていた。

「年代1943年8月」
「撮影場所 黒曜山:神語研究所」
メモ:後に【八尺瓊勾玉】適合実験?

GM :
【八尺瓊勾玉】
 三種の神器が一つ。
 UGNにおいては遺産と見る動きもあるが、手元にないため詳細は不明。

 ……余談だが、護国の神器であると同時に、"ツクヨミノミコト"を象徴するものとして知られている。

卜部影路 : 久しぶりに静かだ。

そう感じるのは、五月蝿い奴が今は出かけているからなのだろう。物理的な五月蝿さもさることながら、グイグイとこちらに踏み込んでくるのはいただけない。距離感も近い、ああいうのが無自覚に勘違いさせて、手酷い心の傷を誰かに残すことになったりするのだ。

お守りもなく、かと言って自分一人でこの街に繰り出せるほどの土地勘もなく――そもそも、外へくり出すという発想自体があまり無いが――残されたことと言えば、訓練か、支部の中を見て回るくらいのものだ。

とはいえ、見知らぬ人達に教えを請えるほどのコミュ力があるわけではなく、自主的に出来る訓練などたかが知れている――自然、足は人が少ない方へ向かう。

そのせいだろうか、ふと、気がつけばそこは、前代の支部長である夜辺甚五郎の私室の前だった。

ある程度の整理や調査はされたのだろう。住人の性質は知らないが、人が暮らしていたとするには質素すぎる部屋だ。あまり褒められた話ではないが、僅かな好奇心に従って部屋の中へ――ここでなら、誰かと出くわすことも無いだろう。

卜部影路 : 考える。
不愉快でない五月蝿さが無い今だからこそ、ここ数ヶ月の付き合いである悩みに向き合える。

記憶にこびりついた声。ふとした時に記憶の海底から浮かび上がる泡。

『何故オマエだけ のうのうと生きている――』

『オマエさえ、いなければよかったんだ
    オマエさえいなければ 俺たちだったかもしれないんだ』

哀しい慟哭にも似た、怨嗟の声にも似たその声。
『俺』がこっち側で、『そいつら』があっち側だったことに理由なんてない。
ただ、偶然選ばれただけ――特別なものなんてなく、ただ、面白半分に振ったダイスに選ばれただけなのだ。

卜部影路 : 選ばれなかった者達に、贖罪をしたいなんて思わない。死んでいなくなった者達を、生者が己を許すために利用するなんて傲慢が過ぎる。

選ばれた俺が、なにか使命を背負っているだなんて思わない。俺は俺を知っているからこそ、何かを為せるなんて思えない。

ならば、俺は――『卜部影路』ですらない、この俺は、どうすればいい?

『卜部影路』の道の先を、勝手に歩いて、『卜部影路』が欲しかったものの中にいる『俺』は――

堂々巡りとなる思考が、ふと、視線の先に気になるものを見つけて切り上がる。

ちょうど棚の隙間、何かの表紙に落ちたのだろう――古いそれは、写真のようだった。
拾い上げ、色の褪せたその写真に視線を落とす――そこには、見知った顔が写っていた。

卜部影路 : 「……望月?」

裏返せば、掠れ気味だが、文字がある。
そこに記されたものを拾い上げれば――東雲へ連絡を一つ残して、空間を跨ぐ『門』を作り出す。

『ちょっと散歩に行ってくる、夜までには帰る……夕南さんにもよろしく』

卜部影路 : 『門』を潜り、降り立った場所は、満月が昇ったあの山――写真の裏に記されていたその場所だった。

GM :
 ……黒曜山:神語研究所。
 あの月夜の番に、ここで何かが起きた。そして、望月という少女は、東雲亜梨花をマスターとして認めた。
 ならば何も残っていないはずがない。──しかし、このP市にそのような建造物があったという記録はない。

GM :  しかし、山の中というのならば必ず何処かにあるはずだろう。
 例の注連縄が近いのだろうか。此処はたしかに、望月/朔を封じ込めていた場所であるのだ。

GM : さて、

GM : <知覚>で振ってもらおう。難易度は6

おさゆく : 3dx+1 (3DX10+1) > 8[3,6,8]+1 > 9

GM : OK

卜部影路 : よし

GM :  登山道を逸れ、横道を行く。微かだが、あなたは横道の中に、かつて"路として使われていた"跡を見出すことが出来るだろう。

GM :

 ──それに従っていくと、見えてきたのは朽ち果てた鳥居。

GM :  その奥に、もう長い間誰にも参拝されていないであろう神社が、襤褸をむき出しにして鎮座していた。

卜部影路 : 「……つっても、ほんとにここらへんになにかあんのかね」

正直、確証があったのならきっちりと夕南さんへと報告した上で調査している。そうしていないのは、こんな不確定な情報で時間を無駄にすることはないからだ。

「……なんて、思ってたんだけどな。無駄足にならずに済んだのはよかったけどよ」

アテもなく歩いた先にあった、朽ち果てた鳥居――雰囲気がありすぎると言っても過言ではないだろう。

GM :  拝殿へ続く扉に鍵がかけられている様子はない。……否、足元に外された南京錠が転がっているあたり、誰かが開けたまま放置しているのだろう。

GM :

 ──その社号は、『月黄泉ノ尊神社』

GM :  八尺瓊勾玉の象徴たる神、ツクヨミノミコトと同じ読みだが、明らかに字が異なる。

卜部影路 : 「……ったく、誰も管理してねぇのか」

少し前……こんな世界に触れる前であれば、オカルトなど一笑に付していたところだが、今となっては多少信心深くなるというものだ。

「えーっと……つく、よみ……?字がなんかおかしくねぇか……?」

勝手に拝殿へと続く扉を開けて中に――そこにある社号を読み上げ、一人首をかしげる。

GM :  ……拝殿の奥には、何かを安置していたと思われる台座がある。
 そのそばに置いてある茶けた書物は、当時この神社を管理していた者によるものだろう。
 

卜部影路 : 「……なんだ、これ」

何かの台座に、古い書物……勝手に拾い上げてペラペラとめくる。

GM :
【 ツクヨミノミコト 】

 ヨモツヨリキタルモウヒトツノツキノカミ。
 コノヤマニネムリシマガタマにネムルカミ。
 ワレラハカミヲオソレナケレバナラナイ。

 サモナクバヒノモトシンワハオワリヲムカエル。

GM :

 ──マガタマニヒトヲクベヨ。サレドヒトノカラダヲアタエテハナラナイ。

GM :  翠簾野夕南の実家は、太陽神天照大神を奉る家系だった。
 だが、それの近縁であるはずの"ツクヨミノミコト"の存在は、彼らに伝わってはいない。

GM :

 ……考えずとも、この神社は密教であると同時に、邪教の類である。

卜部影路 : 「……なんだこれ、もしかして歴史的に価値あったりするもんなのか?」

土着信仰、に近いものなのだろうか……神道、時の権力者が征服した際に、神道に取り込まれた土着信仰。そう言ったものは数多くあるとは聞くが……

「人を捧げろとか、日本神話が終わるとか、物騒なこと書いてんな……」

なんとなく……妄想の類、なんの根拠もない事だが、望月の顔がチラつく。
明らかに古い写真、そこにあった望月と瓜二つの誰か。
そしてこの記述……何か、よくない連想をしてしまうのを、バカな妄想と片付けたかったが……

GM :  拝殿の奥には外に出られる裏口がある。
 また、神社というにはあまりにもものものしすぎる、上に向かって開くタイプの地下へと続く扉がある。

GM :  裏口を開けて確認した場合、更に奥に続く路が見えるだろう。

 ……どちらへ行くかにもよるが、時間を考えるなら──どちらを探るべきだろうか。

卜部影路 : 「……なんつーか、いかにもって感じだな」

さて、とりあえずは……

「……なんか隠すなら、相場は地下だろ」

地下へ続く扉を開ける

GM :  ギィィィ、と重苦しい音をたてて開く扉。ひんやりとした空気が、真っ暗な闇の底から漂ってくる。

GM :  階段があり、そこから奥へ下るようだが。

GM : ところで光源あったっけ。スマホ?

卜部影路 : 「……雰囲気たっぷり、って感じだな」

ポケットディメンジョンから懐中電灯を取り出して点ける。

GM : 便利

GM :  ──階段を下り、最下層へとたどり着く。
 単なる物置と考えるにはあまりにも物々しく、木製でありながら分厚い扉があなたを出迎える。

卜部影路 : 「……単なる床下の収納スペース、ってわけじゃなさそうだな」

ものものしさすら感じる木製の扉を前に、生唾をごくり、と呑み込んで――ゆっくりと扉に手をかける

GM :

 ……開かれた扉の向こうを見て、あなたは息を呑むことだろう。

GM :  いつ死んだかもわからない大量の白骨が、無造作に積み重なる光景。
 脇に備え付けられた戸棚には幾つかの本が残るのみで、そこも半分朽ち果てている。
 その中心に、置かれている、【月黄泉ノ尊】と記された墨字の書物。

卜部影路 : 「…………ッ」

引きつった声を噛み殺して、ゆっくりと歩を進める。本物か偽物かはわからないが、下手なお化け屋敷の数十倍は怖い。

「……さっきもあったけど、字が違う、よな」

静寂に耐えきれず、意識的に独り言をつぶやいて、その本を手に取る。

GM :
【 月黄泉ノ尊 】

 ツクヨミノミコトヨ、キョウキヲモタラシテオクレ。
 イクスウセンマンノイノチニコタエ、ワレラノウラミニムクイテオクレ。
 イズレ、アナタノホウデ、ヨヲ

GM :

   ・・・・・
 ──ヨミノクニヘツキオトシテオクレ。

GM : さて、あなたが察することが出来るのは以下の通り。
①ここは何らかの儀式に用いられ、その結果として大勢の人間が命を落とした(捧げた?)。
②月黄泉ノ尊は文字通り狂気を司る神である。
③儀式によってウラミ(?)が詰め込まれたと思われる何かは、"この場には存在しない"。

卜部影路 : 「おいおい……やべー宗教じゃねぇか」

書かれている物騒さや、そもそもの話、この願っている『神様』は絶対にロクなもんじゃないだろう。

卜部影路 : ちなみに、全部読んだらもうちょい色々分かるか?

GM : お。いいよ。

GM : 帝王の時間は許可しよう

卜部影路 : あとは探索時間の関係だな……これ、帝王の時間で読んでも探索これで終わっちまいそうかな?

GM : 多少考慮しないことはないが、もう一方の方もそれなりに時間はかかると考えてくれていい。

卜部影路 : そうなると夜に参加できない可能性がある、か……

卜部影路 : よし、帝王の時間を発動して読もう

卜部影路 : 「……中身は、どうなってんのかね」

己の中に眠るレネゲイドを励起する。時間の流れから外れ、緩やかな世界へ――すなわち己だけの時の流れを作り出す。舞い落ちるホコリは静止しているのかと錯覚するほどゆっくりになり、止まっているかのような世界の中で本の中身へと目を通していく。

GM : さて、かいつまんでいえばこんなことが分かる。

GM : 詳細
①月黄泉ノ尊は、【月詠尊】になぞらえた疑似神格である。故に、その象徴となるものも"八尺瓊勾玉"である。UGNが指定した遺産と考えて間違いはない。
②月黄泉ノ尊が狂気を司る神である以上、八尺瓊勾玉自体にも精神を蝕む毒のような狂気が内包されている。
③この八尺瓊勾玉を維持するには、オーヴァード(当時は神職などの奇跡が使える関係者と見る方が自然か)の命をくべる必要がある。

GM :

④だからといってこの八尺瓊勾玉を人体に埋め込むことは絶対にやってはならない。

GM : 疑似神格に内包された悪意が人格を持ち、最悪の場合、個人が制御出来ない破壊神を生み出す恐れがある。
そして、勾玉の怨念をダイレクトに受ける以上、術者は即座に発狂し、結果として最悪の事態を引き起こす。
……もっとも、この宗教の関係者はそれが望みのようだが。

卜部影路 : 「……狂気、ね」

さて、ここに書かれていることが全て真実だとして――嫌な想像が、形となってしまったことを誰が責められるだろうか。

「望月……朔……本当にあいつら二人だけか?」

GM : んで、これは書かれていない可能性だが……まぁPCは気づいていい。

GM : 【八尺瓊勾玉】は怨念を凝縮する装置だが、裏を返せばそれを一箇所に封じ込めておくものでもある。

これを破壊した場合、中にある怨念が解放されると考えてもおかしくはない。

卜部影路 : とりあえずこの本をポケットディメンジョンの中に放り込んでもいいか?夕南さんとかに渡したい。裏も取りたいしな。

GM : OK

卜部影路 : 「怨念を集める、ね……」

浄化ではなく、蒐集。すなわちそれは、集まった怨念は消えず、積層し、より強力なものになっていくということだ。

そんなものが内側に封印されている勾玉――それが何かの拍子に破壊されてしまえば、中の怨念ごと壊れて消えてくれるなどという都合のいいようにはならないだろう。

卜部影路 : つーわけで、本をポケットディメンジョンに放り込んでこんな場所さっさと後にするぜ。きみがわりぃ

GM : OK、他の所は探索するかい?

卜部影路 : なんかありそうかどうか分かるか?ちらっと見た感じで

卜部影路 : なんか判定があるなら判定を頼む。

卜部影路 : 死体調べてなにか分かるなら調べるしかねぇが……俺は正直あんまり触りたくねぇな

GM : ちらっと分かる感じか……

卜部影路 : 一秒でも長くいたい場所じゃねぇからな……正直、さっさと出たいぜ

GM : シークレットダイス ???

GM : ──では、あなたは戻る時に何かを踏みつけた。白骨のものではない。

GM :  古びた菊花紋章だった。それも、数十年は経過しているものだ。

卜部影路 : 「……?」

日本政府の紋章……か?なんでこんなところに。

とりあえず、これもポケットディメンジョンに入れておこう

GM : これ意外に目に付くものはない。

卜部影路 : よし、ならここからおさらばしよう

GM : OK

卜部影路 : ここからさっさと出て、裏へ続く扉の方に行こう。まだ時間はありそうだしな

GM : ◇◆◇◆◇

卜部影路 : 「……ふぅ、息が詰まるかと思ったぜ」

GM :  裏門を抜けて再び獣路に入る。歩いていくと、向こう側に見えるのは廃墟だ。

卜部影路 : 「……また廃墟かよ、次はホラゲーみたいなのはやめてくれよ」

うんざりとした口調でポツリと呟く

GM :  ……白い、研究所然とした建造物。既に破壊がされたあとなのか、むき出しになっている箇所も多い。
 しかし、一応中に入るといったことは出来るようだ。

GM : 壁には、【神語研究所】と書かれている。

卜部影路 : 「……まあ、こんだけ壊れてりゃ不法侵入やらで騒がれることもねぇだろ」

完全な廃墟、写真にあった研究所。目当ての場所はどうやらここだったらしい。

GM :  ……中は当然荒れ果てており、区画ごとの区別など存在しない。
 しかし、痕跡から察するに、どうもここは人体実験を行う施設であった──それだけは、間違いなかった。

卜部影路 : 「……嫌な雰囲気だぜ」

脳裏を掠める、見知った雰囲気に眉をひそめる

卜部影路 : とりあえず物色していこう、何かしら読めそうな資料や、なにをやってたのか具体的に分かりそうなものはあるか?

GM : ちょいまちを

GM : 運良く残っていたと思われる書類には、『日誌』とだけ記されている。

GM : 『日誌』
(1)
 あの勾玉を、神社から持って帰ってきてから、何もかも変わった。
 隣で笑っていた同僚が、日に日におかしくなっていく。
 何も無い場所に誰かがいると言ったり、頭を壁に打ち付けたりだ。
 それでも、私達はやらなければならなかった。国の存亡のためならば、幾らでも犠牲を出すという覚悟は出来ていた。

(2)
 黒澤局長が連れて帰ってきたのは、両親に売られた地方人の娘だった。
 曰く、古い神職の家系より分かたれた一族らしく、その手の力にはもしかしたら馴染めるかもしれないとのこと。
 我々は早速、勾玉の適合実験を行うこととなった。

GM : (3)
 許してくれ、とは言えない。
 そも、地獄に言って罰を受け、責め苦を与えられ続ける。それが、禁忌に手を染めた者の義務だからだ。
 しかし、毎日のように泣き叫び、次第におかしくなっていく少女を見て何も思わなくなりはじめている私達が、怖い。

 そして、実験は順調であるという事実も、拍車をかけていた。

GM : (4)
 ──ヒロシマ、ナガサキの原爆を受け、慌ただしくなってきた頃。
 被検体に別の兆候が見受けられた。外国では症例が報告されていた、もうひとつの人格が形成されていた。
 痛み、苦しみ、喪失、それらからの逃避のために生み出されたと推測される。

 ……アレがそうでないということは、勾玉にあるという"怨念"は、今もなお彼女の内にあるということか?

GM :
※ここから先は焼けてしまっている。

卜部影路 : 「……胸糞わりぃ話だぜ」

そして、その内容が指し示す意味も、運悪く理解してしまっている。その犠牲となった少女が、どんな少女であるのかも、だ。

知らなければ他人事でいられたのに、と、苦いものを噛みしめる。
他人事の不幸であれば、心乱されることも無かっただろうに――

卜部影路 : 「……そもそも、俺に誰かを助ける余裕なんてねぇのによ」

自嘲して、深呼吸する。この記述どおりなら、被験者は恐らく望月/朔だ。そして、その身体の内側には未だに『勾玉』が存在することになる。

と、するならば――それだけをどうやって切り離すか、だろう。

卜部影路 : 「その辺り、夕南さんなりに聞けば良いか……」

取り出したところでどうやって処分するか、という問題は残っているが、器として望月/朔が機能している間に解決策を見つけなければいけない。

卜部影路 : というような辺りで、他には何かねぇか?

GM : 他には特に、かな。

卜部影路 : ふむ

卜部影路 : これはちなみに時間はどんなもんだ?

GM : そろそろ陽が傾いてくる頃合いだね。

卜部影路 : 急いで帰れば……ディメンジョンゲート使えば寄りまでに間に合うか?

GM : 確かに間に合う、が。

GM :
 ──建物から出たとき、あなたは物々しい気配に身を隠すことになるだろう。

卜部影路 : 「……ッ!?」

咄嗟に、物陰に身を隠して息を殺す。

特殊部隊 :  数人の男達が、遠慮も何もなく山へと乗り込んできた。
 全員が対オーヴァード用装備を装着している。が、身軽なあたり、恐らくは斥候といったところだろう。

卜部影路 : 「(おいおいおい……どう見てもUGNって感じじゃなさそうだな)」

特殊部隊 : 「──M(マスター)様も妙な指示をされるものだ。ポイントをつけろ、目撃者は排除……この地に眠る遺産絡み、と報告を受けているが」
「……私語は慎め、α2。”Jack pod”による念入りな調査の結果だ。間違いはないだろう」

特殊部隊 : 「……どのみち、俺たちは金をもらって動く身だ。最終的にこの市が滅ぼうが何をしようが、関係はあるまい」
「だがなぁ。こんな装備つけて登らせるかね? 普通」

 卜部に気づいた様子はない。

「──"ナイトフォール"に情報が入る前に、打てる手を打つとのことだ」
「ああ、あの遺産回収チームの。……納得できないこともないが」

特殊部隊 : 「とにかく、ポイントを打て。あとはあっちでなんとかしてはくれるだろう。
 打ったら撤退だ。鬼神が無事に消えてくれたとはいえ、《乱れ舞え纏華の焔(ミス・ミリオンダラー)》と《薄暮の冽剣》、《太陽の娘》がいる市に長居する理由はない」
「──勘付かれてるとかはないよな? なんかオーヴァードも結構流入してるみたいだが」

特殊部隊 : さて、どうするかな?

卜部影路 : こっそりディメンジョンゲートを開いて逃げよう。

まだ緊張しきってないからいけるだろう、たぶんな

特殊部隊 : OK、ではFHと思しき部隊に勘付かれることなく、撤退に成功する。

system : [ 卜部影路 ] 侵蝕率 : 65 → 68

卜部影路 : というわけでディメンジョンゲートを発動して帰宅するぜ

卜部影路 : ああ、ちなみに日誌は回収できてていい感じか?

特殊部隊 : できるできる。ポケットinしな

卜部影路 : よし、入れて帰るぜ

GM : ではシーン終了。

<ミドルフェイズ⑧/東雲亜梨花&明花あきる/天才と天才>

GM : 次~~~会長とデートのたゃ~~~

明花あきる : あいよ。

卜部影路 : どうする?区切りいいとこまでやるか?

GM :

         コドク コドク
<ミドルフェイズ/天才と天才>

GM : シーンプレイヤー:明花あきる

GM : というわけで出たい方はどうぞ。時間軸は夕方です。

明花あきる : ま、区切りいいとこっつーか、最悪私のリアクションのところで止めればどうにでもなりそうだしな。時間的な問題は。

明花あきる : つーわけで先に振るぜ。登場ダイス。

明花あきる : 1d10 (1D10) > 6

明花あきる : 普通。

system : [ 明花あきる ] 侵蝕値 : 58 → 64

GM : で、ありちゃんも出るんだっけか。

東雲 亜梨花 : はぁい!もっち~には支部長代理と一緒に卜部君のことろよろしくおねがいできますか?

翠簾野 夕南 : まかせろ。

東雲 亜梨花 : ご褒美のココアもよろしくね!

翠簾野 夕南 : ちゃっかりしてんな!

GM : というわけでしんしょくふってね~

東雲 亜梨花 : 1d10 <シーン登場> (1D10) > 6

卜部影路 : とりあえずその間に夕南さんには報告その他を済ませておくぜ

翠簾野 夕南 : おっけ~。

東雲 亜梨花 : 5より下だしてないな~今日も元気だ。
よろしくおねがいしま~す。
って感じであきちゃんにくっついてくよ

GM :

 ──約束の時間ぴったりに、探偵(てんさい)の前に彼女(てんさい)は現れた。支部前で、特に何も隠すことはなく、だ。

system : [ 東雲 亜梨花 ] 侵食値 : 76 → 82

明花あきる :

獅童糸香 :
「──おまたせ。って、亜梨花さんも一緒なんだ」

 手にはスクールバッグ。中に、書類や筆記用具が入っている……といった様子だ。

明花あきる :
「よォ。ピッタリだな、獅童。……コイツか、コイツもついてくるって聞かなくてな」
 扇子をひらり、いつものゴスロリ姿が彼女を迎える。

東雲 亜梨花 : 「うん! 糸香ちゃんが来るって聞いたからあきちゃんに言ってご一緒させてもらっちゃった」

すでに勝手知ったる(気がしている)お屋敷。
どうぞどうぞと中に勧めていいかな。

明花あきる :
「ま、立ち話ってのも何だろ。もてなすぜ、入れよ」
 まァ自分の家じゃねェけど。

 と言いながら先導きってさっさか入っていく。

東雲 亜梨花 : じゃあ私が糸香ちゃんの後ろ!

獅童糸香 : 「"優等生"だもん。そりゃあ、時間も守るよ」

 世間話といった風にほほえみかけつつ、いつもの亜梨花の様子には苦笑交じりに、

「な、なるほどね……。私も講師でここに来たことはあるけど、ちゃんと通してもらうのははじめてかな。お邪魔します」

東雲 亜梨花 : 「そっか先生してるんだっけね。
 おじゃまされまぁ~す」

せっせとお茶出しとかの方に回ろうかな。
一応できるよ。

明花あきる :
 「優等生」、ねェ。やっぱ言い聞かせてるっつーか、暗示かけてるみてェな言い草だな。
 考えつつ、あらかじめ夕南に言伝して借りておいた会議室がわりの和室に獅童を通す。呼んだ側なのでするりと上座に落ち着いて、座るよう促した。

獅童糸香 :  中に入った獅童は、促されるままに下座の座布団に礼儀正しく正座。
 弓道部だという彼女の姿勢は美しく、それがすらりとしたボディを際立たせている。
 さながら、日本人形のようであった。

「ありがとう、亜梨花さん。
 さて、えーっと、図書館でとってたコピーだっけ」

明花あきる :
「ン。助かる」

 話を進める方は私に任せた、ということらしい。茶を出す東雲に一つ視線をやり、心得たと一つ頷いて獅童に向き合う。

「そうだ。持ってきてくれたか?」

獅童糸香 : 「覚えてるかぎり集めてみたけど、これでどうかな?」

 スクールバッグから取り出したのは、書類をたくわえ、分厚くなっているファイルの山である。

獅童糸香 :  地域の歴史と銘打たれた資料などといった学校教育向けのものにはじまり、地図などの資料、文献などの歴史書、戦争に纏わるもの、あるいは文化的な資料など様々だ。

東雲 亜梨花 : (人数分のあったかいお茶を並べたら、お菓子入れに芋けんぴとポッキーとチョコを盛ったものを机の真ん中においてターンエンド!
 あきちゃんの隣に座って糸香ちゃんが持ってきたものをしげしげと眺めているよ)

獅童糸香 :  ……見やすいように、そのどれもがふせんつきで分けられている。

東雲 亜梨花 : 「わ~すごいね~」

明花あきる :
「コイツぁまた……随分と分厚いな。ここまで集めンのには苦労したろ」

 思っていた以上の量────しかも、図書館で閲覧できるもの以上と思しき量に、一時は疑いを超えて感嘆を零す。

獅童糸香 : 「宗教一つ調べるのにだって、人の動きや、お祭りなどの文化とかが絡み合うからね。こうなっちゃうんだ」

 ありがとう、と二人に返しつつ、

「調べているのが、土着の宗教に基づいてるものなんだけど……古い時代に、朝鮮から持ち込まれたと思われる密教かな。それが、黒曜山に根付いていたらしいんだけど」

獅童糸香 : 「関連書籍とか漁ってたらこうなっちゃって」

明花あきる :
 手渡された資料をぱらぱらとめくりつつ、ふと思ったことを口に出す。

「……なんで調べようと思ったんだ? 学校の課題だから、つってもこんなに熱心にゃ調べねェだろ、フツー」

東雲 亜梨花 : 「……そんな宿題出てたっけ?」

いもけんぴかじりながらちょっと不安になるよ

明花あきる :
「……オマエはそういうの、すっかり忘れそうだもんなァ」
 チョコの包装を剥きつつ、半目。

獅童糸香 : 「都内の大学に入る前の入学課題なんだ。ざっくり言うと、地域の歴史を提出しろ、ってもの。
 ……あ、だから大丈夫だよ、亜梨花さん」

東雲 亜梨花 : 「メモをちゃんと取るよ!! 
 あとはメモを確認するのを忘れなければ大丈夫。

 ──ならよかった~。そっか大学の合格はもう決まってたもんね糸香ちゃん」

よしなら糸香ちゃんの前にもチョコを置こう。
たべなたべな

獅童糸香 : …………

獅童糸香 : そのチョコ、甘い系?ビター系?

東雲 亜梨花 : スーパーで398円で売ってるアルファベットチョコ

獅童糸香 : シークレットダイス ???

明花あきる :
「あァ、そんなんあったなァ。アレ次第で教授共の待遇が結構変わるんだ、露骨だよなァあのジジイ共も。ま、優秀な生徒を引き抜きたいってンだろうが……頑張るに越したことァねェわな」

 もぐ、とチョコを口に含みつつ、獅童の様子を眺める。

東雲 亜梨花 : 「へぇ~大学ってすごいねぇ」

もっもっ

獅童糸香 : 「ん。美味しい。苦いお茶にあうね、やっぱり」

東雲 亜梨花 : ……

獅童糸香 : 「そうだね。期待されてるぶんは頑張らないと、って感じかな」

獅童糸香 : えープロファイリング使ってるあきたゃ

東雲 亜梨花 : なんかこう……なんかこう真意がきになるな

明花あきる : ほぼ常にプロファイリングと熱感知はしてる。

東雲 亜梨花 : すっごい知覚センスと友情でどうにかなったりしない?

獅童糸香 : お茶飲んでチョコ食べたりしてるとき、その味や温度に対して《完全演技》+《代謝制御》の機能にブレがあるのがわかります。

明花あきる : ……ふむ。

獅童糸香 : もっと言えば、明らかに湯気が立ってて熱そうだなとなっているお茶は演技できていても、チョコの味を一ミリも理解できてないので演技もクソもない状態です。

東雲 亜梨花 : 私苦いお茶だしたっけ……

獅童糸香 : お茶って書いてるからいくらでも出来るだろうけど、ここにあるの日本茶じゃない(???)

東雲 亜梨花 : たぶん緑のお茶!

東雲 亜梨花 : じゃあ芋けんぴも勧めとこ
「そうなんだよね~。で、そのあとにこのちょっとしょっぱい芋けんぴがまたおいしいんだ~」

明花あきる :
「……そうだな。つっても、気張ってばっかじゃシンドイだけだぜ。コイツもいるし、ココでくらい寛いでいけよ。ほれ、茶菓子も食ってけ。甘いぜ」

 「揺らぎ」を見て取って、とかく試してみるべしと────甘い、と言いながら、ビターチョコのものを選んで、自然に獅童の前へと置く。

獅童糸香 : 「ふふ、ありがとう」

 ビターチョコを食べて、

「うん、……安らぐ甘さだね」

東雲 亜梨花 : おいしそうなリアクションだったのでありちゃんは喜んでおきます。
やっぱりお茶と甘いものは正義なんだよね!!

獅童糸香 : なお

東雲 亜梨花 : な゛お゛

明花あきる :
「……っと、悪ィ悪ィ。甘ェとか言っときながら間違っちまった。
 ・・・・・
 苦かったろ? ソレ。ビターだもんな」

 こともなげに。
 確信犯で取り違えておきながら、彼女はさらりとそう言い放った。

明花あきる :
「もう誤魔化さなくたってイイぜ、優等生の演技すンのも大概疲れるだろうし。
 言ったろ、『寛いでイイ』って」

東雲 亜梨花 : 「……?」よくわかっていないのでお話を見守っておきます

獅童糸香 : 「──え? ああ、に、苦かったね……」

 苦笑いで答えつつ、

「ごめんごめん、──ほら、亜梨花さんが気を使ってくれて、苦い緑茶に甘いチョコって用意してくれたからさ」

東雲 亜梨花 : 「あっ!? そんなに苦かった!?」

獅童糸香 : 「ん? 大丈夫だよ。甘いものに苦いものって組み合わせなだけで。
 それに、結構好きだから、苦いお茶。

東雲 亜梨花 : ごめんね~ってことでぽっきーの袋を開けてい糸香ちゃんにあげよう
自分も食べるけど

獅童糸香 : ポッキーか!!!(理解するのに10秒かかった

獅童糸香 : 「ありがとう」 さくさく

東雲 亜梨花 : えっあっ

獅童糸香 : 「……でも、そういうのなら、あきるさんももっと寛いでもいいと思うのに。
 やっぱり、探偵さんって色々調べてるときとかって気は張り詰めるものなのかな」

 不思議そうに首をかしげます。

明花あきる :
「まァな。そりゃ、探偵ってな何するか分かったモンじゃねェ連中を相手にするんだ。言葉運び、足運び、扇子の振る先だって、慎重になるに越したことァねェ」

 揺らいだ。動揺した。まるで痛い腹を探られたようだと、そんな風にあきるは受け取った。
 だがあくまでも振る舞いはいつも通りに。するりと、言葉を返す。

明花あきる : 「────《プロファイリング》で読み取った情報に合わせ、《代謝制御》に《完全演技》で上書きたァな。随分と念入りに、仮面を作るモンじゃねェの。
 そこまでしてでも隠すのは、オマエの親の方針か?」

獅童糸香 : シークレットダイス ???

獅童糸香 : 「──出来の悪い三文小説(ライトノベル)みたいな単語ばかりだね」

 緑茶を口にし、喉の乾きを潤した上で、
 その視線の先は、明花あきるを見据えている。

 ・・・・・
「あなたの親、そういうの読むの許してくれてるんだ?」

明花あきる :
「ハッ、ようやく出したじゃねェの。ソレがオマエの素か?
              フィクション
 だが────今並べた言葉が、創作物くせェって皮肉言えるくらいにゃ、知ってるってことだよなァ。誤魔化せてねェぜ、獅童」

獅童糸香 : 「……質問の答えになってないけど、まぁいいか」

 ──どういう意図を察したかは表情にも表していないが、返された言葉には目を細める。
 逆説的に、恐らくは獅童も何かしら確信に近いものを抱いたのだろうが。

「別に喧嘩しにきたわけじゃないんだから、もう少し楽にしてくれてもいいと思うんだけどな」

明花あきる :
「おっと、そうだったな。私の親? あァ、そもそも教本以外の本なんざ、ロクに私に寄越してこなかったよ。これが答えでイイか?」

明花あきる :
「物言いについちゃ、身内譲りなんだ。諦めてくれや。こっちだって喧嘩したいワケじゃねェ。
 ただ、……そうさな。何のためにンな演技してんのか、気になっただけだ。親のためか、自分のためか」

明花あきる :
 珍しくも、明花あきるの、本心からの好奇心だった。
 ……それはあるいは、無機質にも思える獅童の瞳の中に。
 生家にて人形のように“いい子”を振る舞う自分と同じものを、垣間見てしまったから────だとは、おくびにも出さず。

獅童糸香 : 「──、ああ。そう。まぁ、聞いてみただけだよ」

 答えに対しては淡々と返して。

「……それで、さっきから言ってる演技って、何のことかな」

獅童糸香 : 「意味、よくわからないんだけどな。私には」

明花あきる :
「(あくまでもすっとぼけるか。まァ、そうさな。この程度でボロ出すようじゃ、ただの高校生相手にこんなに突きまわす必要なんざハナからない)」

明花あきる :
「……ふゥん、そうか。じゃあまァ、さっきのは単なる言葉遊びだと思って忘れてくれや。揶揄って悪かったな」

 一つ、間を置いて。

明花あきる :
「……そんなに“優秀な生徒会長”じゃなきゃ、ダメなモンかねェ。
 いや、ダメなんだろうな。オマエにとっちゃ」
 そして多分、……私にとっても。

獅童糸香 : シークレットダイス ???

獅童糸香 : 「──うるさいなぁ。どうせあなたも、日常から消えたがってるくせに」

獅童糸香 : 小声で、ぽつりと、たしかにそう言った

明花あきる :
「────────消えたい、ね」

明花あきる :
「消えたいって思ってるような人間の素振りにゃ、見えなかったけどな。私には」

明花あきる :
 とりたてて音に優れずとも、落とされた囁きの一つを拾う程度造作もない。
 どこか詰るような声音に、しかし────彼女もまた、思うところがあったのか。
 薄氷の眼が、じっとその瞳を見つめた。

獅童糸香 : それには一切答えることなく、ちらりと腕時計を見る。
そして、窓の外の様子も見て、話を遮るように立ち上がった。

獅童糸香 : 「長話になっちゃった。
 ごめん、そろそろお母さんが心配するから、帰るね」

明花あきる :
「────おォ。資料はありがたく借りるぜ。返せるようンなったら連絡するわ。
 東雲、見送りは任せた」

東雲 亜梨花 : 「……ぁ、えっ、あっそんなじかん!?」

東雲 亜梨花 : 「あきちゃんは? こない?」

獅童糸香 : 見れば、夕方3時ころに来たあと、2時間ほど話こんでいたのか、5時になっていた。

獅童糸香 : 「うん。いいよ」 資料に関してはそう答え、帰る準備を済ませる獅童

明花あきる :
「トモダチが帰るんだ、送るのはトモダチの役目だろ。足でも痺れたか? 素っ頓狂な顔しやがって。そら、行った行った」

明花あきる :
「じゃあな、獅童。気を付けて帰れよ。親御さんにヨロシク」

獅童糸香 : 「うん、そっちもね。長く付き合ってもらってありがとう」

東雲 亜梨花 : 「し、しびれてないよ!
 あきちゃんがそういうなら良いけども」

ちょっと後ろ髪惹かれつつササッと帰り始める糸香ちゃんを追い掛け……お土産のポッキーとチョコ……はミルクのを色で判断して掴んで追い掛けるよ

東雲 亜梨花 : 「糸香ちゃん! せっかくだから送るよ、一緒に行こっ」

獅童糸香 : 「あ、ありがとう。亜梨花さん」

東雲 亜梨花 : んじゃあ帰り道は並んで歩きます。
歩き始めて空気が和らいだあたりで
「そういえば、糸香ちゃんレポートってどんなことテーマにしたの?」
という感じでお話はじめてよいかな

獅童糸香 : 「地域の歴史、かな。
 ほら、こういうところから東京に出るわけだから、郷土愛とかが一番わかりやすく伝えられそうって思って」

東雲 亜梨花 : 「なぁるほど、郷土愛を……伝え……?」

獅童糸香 : 「そそ、郷土愛。自分の住んでる場所のことは、自分がよく知ってなきゃ、ってやつ?」

東雲 亜梨花 : 「──なぁるほど! 調べてみると意外と面白かったりするよね」

東雲 亜梨花 : 「面白いこと見つかった?」

獅童糸香 : 「そうなんだよね! 意外と自分の知らなかった部分とか──……面白い、かぁ。探し中、かな?」

 ──その時、糸香の携帯に電話がかかってくる。

「──あ、お母さんからだ。心配してかけてきてくれたのかな。ちょっと出るね」

東雲 亜梨花 : (いいよ! を身振り手振りで表すの図)

東雲 亜梨花 :

獅童糸香 : 「……あ、もしもし、お母さん? うん、今帰るとこ。友達に送ってもらってるから大丈夫だよ」
『──あら、そう。シチューつくって、待ってるわね』
「うん、わかった」

東雲 亜梨花 : (シチューかぁ……おいしいよねぇ)

獅童糸香 : 『そういえば、どうだったのかしら? ──お友達とお勉強するって言ってたけど』
「あ、うん。色々刺激ももらえたし、楽しかったな。わからないところとか、教えあったし」
『そう! それはよかったわ』

東雲 亜梨花 : (……?)

獅童糸香 :

『やっぱり、競える子といるのが一番よね。糸香は優秀なんだから、不出来な子と一緒にやるよりも、その方が伸びるわよ』

東雲 亜梨花 : (私たち勉強したっけ……? あれは勉強……確かに資料を……なんかこう……勉強かもしれないような)

獅童糸香 : 「……。そう、だね」
『大学決まってからあっという間なんだから、今の調子で、自分の時間を有意義に使いなさい。招来役に立つわよ』
「……うん。わかった」

獅童糸香 : 「──じゃあ、また家でね、お母さん」

獅童糸香 : 「……ごめんごめん。それで、えっと、何の話してたっけ」

東雲 亜梨花 : きこえちゃった……ということでばつの悪そうな顔をしておくよ……ややシュンとしている。

「もしかして、出かけてくるの、大変だった?」

獅童糸香 : 「ううん? 大丈夫。こっちこそ聞こえちゃってなんかごめんね?
 お母さんなりのアドバイスだと思うからさ」

東雲 亜梨花 : 「そうだ……う~~~~~~~~~ん……ちょっとまってね……今ちょっと判断に迷っていますのでちょっとだけね」

ぎゅ~っとこめかみに手を当てて目を閉じて考え込むよ3秒くらい。

獅童糸香 : 「えっ、えっ、えっ?」 急にいっきゅ~さんになってしまった亜梨花に困惑する図

東雲 亜梨花 : ぽくぽくぽく

東雲 亜梨花 : ち~~~~~ん!

東雲 亜梨花 : 「ん゛! でもちょっとなんか、こう!
 ちょっと違う気がする! 優しいけど優しくない!
 流行りの歌を歌いたくなる感じ! あれな感じ!

 アドバイス 正しかったらいいって ものじゃない」

一句よんだところでふぅふぅ一呼吸置きます。

東雲 亜梨花 : 「人様のお母さんにいうことじゃないんだけどね、ごめんね糸香ちゃん~~~」

東雲 亜梨花 : 「でも意図をわざわざ糸香ちゃんが汲み取って飲み下してるような気がして我慢できなかったというか、私がムズムズして我慢するのやめちゃった~」

東雲 亜梨花 : ありあまった衝動で目の前で地団太踏んでいます。ズダダダダ

獅童糸香 : 「なにその私が花粉ばら撒いた結果くしゃみさせちゃったみたいなたとえ……?」

 至極冷静に分析しつつ、糸香はほほえみます。

「えーっと、うーんっと……。
 うん、大丈夫だよ。私はいい子だし、お母さんもお父さんも色々してくれたから。ね?」

 だからそのドン○ーコングみたいな地団駄やめよう?

東雲 亜梨花 : スン

東雲 亜梨花 : 「そっ……うなんですよね、そうなんだけどなぁ、なんだろうなぁまとまったら今度提出します……」

宥められるまま少し小さくなりながら萎れます。

「でも、いい子の糸香ちゃんすっごいと思うけど、疲れちゃったら……ううん、いつでもうちに来ていいからね。シッ──神主さんちのご飯もおいしいんだ。それで、お風呂入ったらスマブラしてから寝るの。あきちゃんはすぐ強くなったけど神主さんはもっと強くて、だから、今度糸香ちゃんも一緒にしようね」

獅童糸香 : 「はいはい。出てきたら読んであげます」

 仕方ないなぁ、と微笑んで。

「……。
 そうだね。今度、時間が空いたら、一緒にしようか」

獅童糸香 :  では、そんな感じで仲を温めあっているときのことだ。

「──、亜梨花さん、こっち」

 くい、とあなたの裾を引っ張り、建物の陰へと獅童が誘導する。

東雲 亜梨花 : 「うん! 約束ね。 ──ひょ」

獅童糸香 : 「……少し、静かにしてて」

 しー、っとあなたに告げてから、壁より覗き込むように様子を伺う。

東雲 亜梨花 : コクコク頷いて、糸香ちゃんの下から顔をだそう。

??? : 「……、明日の夜って言ったね。それで、本当にじいちゃんの日記にあった"彼女"が戻ってくると?」

 一人は、フードを被った青年。
 背を向けているせいか、表情は伺えない。

特殊部隊 :  もう一人──否、もう"一組"は、それなりの装備に身を包んだ男達だ。

「俺たちは雇い主からの指示で動いているだけにしかすぎない。
 その雇い主が、アンタにそう伝えろと言ってたんだ。もうまもなく、行動に移すと」

??? : 「……ふ、はははっ、そう、そうか! ヘンな連中とあなどっちゃいたが、使えるな、アンタら!」

 青年はもはや喜悦を隠す様子もない。

「──僕が恋した彼女で、彼女だけしか住めない世界を作り上げる目的、どいつもこいつも馬鹿げてるだなんて言ってたけど、あんたらの雇い主のえーっと……」

??? :

   ・・・・・・・・
「──マスターマインドは納得して、しっかり話しを聞いてくれたんだから、何があるかわからないよな!」

??? : 「オマケに、バックアップまでやってくれると来て、資料を届けるだけでいいってきたものだから、ホンット安いコトだよな! あはははは!」
「……おい」

特殊部隊 : 「……なんでもいいが、声が大きい。聞かれでもしていたらどうする」
「お得意の証拠隠滅、やってくれるんでしょ?」「……」

 やれやれ、といった風に、特殊部隊の男は同僚に視線を向けるも、そっと振った首が解答を示していた。

特殊部隊 : 「……なんでもいいが、決行は明日だ。
 封印の要は壊され、鬼神は消え、誰も封印の周期を知る者はおらず、──もはやツクヨミノミコトの復活は止められない」

 ……男も気が緩んではいたのだろう。
 絶対に覆せないと確信していることの現れでもあるのか、青年にそのことをしっかりと伝える。

「──それまで、余計なことはしてくれるなよ。一年間、この任務のためだけに使われた俺たちの苦労をいっときのジャームの衝動だけで水の泡に帰されては、流石に手が出ないとも言えん」

??? : 「わ、悪かったよ。……とりあえず、山に行くのはいいだろ? 僕が、彼女を見た地だから、それくらいは、な?」
「……構わん。別に、支障は出まい」

 散った散った、と部隊の男は青年にそう伝える。
 それに合わせ、彼もまた何処かへと消えていく。

獅童糸香 : 「……早すぎる」

 冷静に、感情のない言葉で呟いた彼女の声は、虚空に溶けて、

「──ごめん、亜梨花さん。ここまで送ってもらえれば、大丈夫かな」

東雲 亜梨花 : 「…………糸香ちゃん、」

少しだけ目が迷って、息を吸ってからまっすぐ糸香ちゃんを見るよ

東雲 亜梨花 : 「ねえ、糸香ちゃん。
 私と友達になったのは、──『いい子』かな、それとも糸香ちゃんかな」

獅童糸香 : 「今回の作戦は兵器の復活であって……市民を巻き添えにする作戦じゃないはず。
 だけど、明日ってことは、UGN側の避難誘導も間に合わない。間に合うはずがない。
 何かに勘付いた? 私の独断に、それとも、向こうの動きに、──いや、そもそも、最初からこの市全部を潰すつもりで……──」

 獅童自身にも予測のついていないイレギュラーが起きているのだろう。
 ぶつぶつと呟いていた矢先、──亜梨花の言葉に思考を止めた。

獅童糸香 : 「──……それ、『どういう意味かな』」

東雲 亜梨花 : 「そのままといえばそのまま、かな。

 昨日、クレープ美味しかったね。
 あそこにいたのは『いい子』だけじゃない気がして。
 それとも私はまだ糸香ちゃんを見つけられてなかったのかな。

 だから、改めて言いたいの。

東雲 亜梨花 : 私は、『あなたの』友達になるよ。

昨日も、今日も、こうやって助けてくれたんだから、次は私が。
だから糸香ちゃんのこと教えて。
どこかに行くなら一緒に行こう。何かするなら一緒にしよう。

わたし、『いい子』とも『あなた』とも友達になるから」

獅童糸香 : そこ突くかぁ。

東雲 亜梨花 : うぇっ

獅童糸香 :

   ・・・・
「──要らない。私は、ヒトリでも十分やっていける」


獅童糸香 :  それはきっと、ささやかな不幸だ。
 偶然、任務途中の黒幕らしきそれと、特殊部隊のそれを見て、思考が■■のものに切り替わってしまっていた。
 切り替えの早さがノイマンとしての美徳であり、悪徳だ。獅童糸香にとってそれは、作り物の日常と非日常に迎合するためのものを使い分けなければならない場面であり。

 使い分けが出来なければ、ほら、この通り。

獅童糸香 :

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・
 クレープの美味しさなど分からないし、
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 楽しいことがなんだったかも分からない、
 ・・・・・・・・・
 やりたいこともなく、壊れた心(道具)を持ち主が振るうだけ。

獅童糸香 : 「──もう、気づいてるんでしょ?」

 最後に、試すような口調で、問いかける。
 どこまで知っているかを。

東雲 亜梨花 : 「気づいてるのかな、気づいてるのかも。
いろいろ糸香ちゃんのこと見たから。昨日と今日でさ。

でも、

東雲 亜梨花 : まだ足りない!

まだ糸香ちゃんのこと私知らないことたくさんあるよ!
あなたの こころ に私はもっと触りたいし知りたいの。私はすっごい知覚センスがあるし、探し物も突撃も得意だけど諦めも悪いんだから。

だから要らなくない! 私が要る!どっちも!!
何に気づいたかよくわかんないけどそれでも要るの!! 一緒に! 来てほしい! まだ教えてほしい! 友達になる!!!!」

東雲 亜梨花 : 手を掴んでいいかな。グワシ!

東雲 亜梨花 : やっと見つけたその手を掴んで、まっすぐ見るよ。

獅童糸香 : では、

東雲 亜梨花 : おおう

獅童糸香 : その手を振り払います。

東雲 亜梨花 : ウッス

獅童糸香 :
「……伊庭宗一が引き起こした殺戮からの生還者にも関わらず、心が歪まなかった者。
 M(マインド)の継承者の技術を得て、育った者」

「……あなたといれば何かが見つかると思ったけど、見つからなかった」

 FHには、Jack pod/Sad Xと呼ばれる諜報員のみで構成された部隊が存在する。
 彼ら/彼女らの必須条件は、一つ。
 ・・・・・・
 大成功を収め、
 ・・・・・・・・・・・
 代わりに自分を失った者、

「だから、要らない。
 私はヒトリで、私を探し出す」

獅童糸香 :

 そして、彼女は仮面を被る。

獅童糸香/Jack pod :

「──……死にたくないなら、明日の夜までにこの市を出なさい。
 もうすぐここで、神話が繰り返される」

獅童糸香/Jack pod : それは、明花あきるの対極にいる者にして、

獅童糸香/Jack pod :

 ──ありえたかもしれない、東雲亜梨花、あなたのモウヒトツの未来。

東雲 亜梨花 : 「……糸香ちゃんは出ていかないの」

獅童糸香/Jack pod : 「任務を終えるまでは」

東雲 亜梨花 : 「私から何を見つけたかったの」

獅童糸香/Jack pod : 「……。さあ、なんだったんだろうね?」

東雲 亜梨花 : 「何も見つからなかった?」

獅童糸香/Jack pod : 「うん」

東雲 亜梨花 : 「何か見つけたかった?」

獅童糸香/Jack pod : 「……"自分"、かな。それももう、わかんない」

東雲 亜梨花 : 「……」

東雲 亜梨花 : 「じゃあ私出ていかない!
言ったでしょ、私……私たちは諦めがすっごく悪いの。
まだわかんないよ、明日見つかるかもしれないし、自分以外が見つかっちゃうかもしれないし。私もあなたに会ってみたいから。あ、あと神話もヤバそうならどうにかする。

今連れて帰るとなんかいろんなところから怒られそうだからやんないけど、まだやりたいことだってたくさんあるんだから。

糸香ちゃん、

東雲 亜梨花 :  また明日ね! 」

獅童糸香/Jack pod : 「……。そう」

 表情の無い顔で呟いた糸香は、そのままあなたの横を通り過ぎ向こうに歩いていく。

GM :

 夕暮れに、裏切り者が一人去ってゆく。
 この町に既に、護るものはない。
 故に魔の手もまた、忍び寄る。平穏を壊し、戦乱を蘇らせるべく。

明花あきる : GM、獅童糸香にロイス取る。同情/○恥辱で。イイか?

GM : OK

明花あきる : ン。反映しとく

東雲 亜梨花 : かいちょへのロイス更新しま~す
尽力/憤懣で

GM : はーい

GM : はーい

卜部影路 : そういや、メイドにとった感情を言ってなかったから言っておくぜ
好奇心/○隔意

神々廻 京 : 家事代行にご興味が……

卜部影路 : いや、隔意の方だからな、取ってるのは

神々廻 京 : しょんぼり

卜部影路 : 俺はまともな世界の人間なんでな……

神々廻 京 : そんな!わたくし真面目に頑張っておりますがー!?

卜部影路 : 『真面目に』『頑張れば』まともだと思ってる時点で間違いだぞ

卜部影路 : 世の中のテロリストどももまともになっちまうからな……

東雲 亜梨花 : じゃあ帰宅のあれからはじめるよ~

東雲 亜梨花 : てくてく、歩いて支部に帰り着くころには日もずいぶん傾いていた。

「あ、あきちゃんかな」

おそらく、ついさっきまで糸香ちゃんたちと話をしていた部屋にはまだ明かりがついていて、障子を通してぼんやりと窓枠に切り取られた明かりが見える。
待っていてくれていた? それとも資料になにか気になることでもあったのか。
どちらにせよ、もういい時間だ。今日はハンバーグだって聞いた気がする。ここは声をかけていくのが筋というものだろう。

東雲 亜梨花 : 「……よし」

一呼吸。おいて扉を開ける。

東雲 亜梨花 : 「ただいま~!! あきちゃん資料読めた?」

明花あきる :
「……戻ったか。まァな、おおむね目は通せた」

 彼女は背筋をぴんと伸ばしたまま、獅童と東雲が席を立った時と同じ位置で、ずっと資料を読みふけっていた。
 獅童のことを東雲に丸投げした手前、せめて戻るまで待つのが筋だろうと内心で結論付けて、しかしその間を手持ち無沙汰にしているのももったいないという考えからだった。

明花あきる :
「ただまァ、予想通り『調べりゃ誰でもたどり着ける』程度のことしか書いてねェわな。嘘は無いが、誰もがたまげる衝撃の真実、みてェなモンは無い」

 やっぱ原本当たるしかねェか、と呟きつつ、彼女は手にした資料を「ぱたり」と閉じる。

「そっちは? 何も無かったか」

東雲 亜梨花 : 「あ、あはは~、詳しくは支部長代理たちがいるとこで報告もするんだけど」

ありありもおおありすぎて何とも言えない。居心地の悪さで頬をかきながら苦く笑う。
なんといえばいいだろうか。大事なところだけつたえるなら、そう

「ちょっと、喧嘩しちゃって」

明花あきる :
「…………」

 あからさまに居心地の悪そうな、若干の居た堪れなさをにじませた様子に、彼女は一拍の沈黙を置いて。

明花あきる :
「……意外だな。オマエ、喧嘩なんてできたのか」

 皮肉、という声色ではない。ただただ素直な感想が零れ落ちたという風に、彼女は少しだけ首を傾げてそう答える。
 借りた資料を片手にゆったりと立ち上がり、東雲の方へと歩み寄った。

東雲 亜梨花 : 「喧嘩くらいよくやるよ! この間もレ……T市支部の友達に怒られたし……あとは……ありゃ?」

東雲 亜梨花 : 「意外としたことないかも?」

東雲 亜梨花 : 「あっ! いやいやするする!
 ジャームの子とかは特に! 」

東雲 亜梨花 : 「だから、まあ、普通のことだよ。
 友達ってそういうものだし。」

東雲 亜梨花 : と、ここですんすんハンバーグの匂いを察知してあきちゃんの背中にくるりと回るよ。

「あ、いい匂いだね。今日は支部長代理がハンバーグ作ってくれるって言ってた。チーズ入りのやつ! ちょっといいやつ! 

いこっか、報告もあるし、あきちゃんも一緒に食べてくでしょ!」

明花あきる :
「ジャームの子ってなんだよ……喧嘩なんて芸当できるほどの理性、連中にゃ残ってねェだろうに」
 と嘆息気味に言いつつも、少しだけ考え込む顔をして。

明花あきる :
「トモダチ、ねェ……ふゥん、そういうもんなのか。てっきり、仲良しこよしでつるむのをそういう風に呼ぶもんとばっかり思ってたが」

 どうにも違うらしい、と一つ頷いたのも束の間、素早い動きで背後を取られ、蒼氷の瞳が少しだけ驚きに見開かれる。

明花あきる :
「ぉわッ、分かったから押すなっつの! ……っとに食い意地張ってんなァ、オマエ……」

明花あきる :
「……まァ、アイツの飯は美味いしな。どうせ私の分まで作ってンだろうし、残すのも忍びねェし。食ってくよ」

東雲 亜梨花 : 「喧嘩したってちょっと嫌いだって友達は友達だよ~!」

おとなしく押されてくれるあきちゃんの小さな背中を押しているようで押してないようで絶妙な力加減を駆使してずいずい押しながらお話していたお部屋から晩御飯のお部屋へ進むよ。

その途中、晩御飯のお部屋の手前で決心して手を放す。

東雲 亜梨花 : 「ねぇあきちゃん」

背中に当てていた手は、代わりにやんわりとあきちゃんの左腕のふわふわボリューミーなゴスロリの袖をつかむよ。

「一個聞いていいかな」

明花あきる :
 脇に資料を、片手に扇子を持ち、背を押されるがままに歩いていれば、……ふとその暖かな手が背中から外される。
 不思議に思い、どうした、とかけようとした言葉は、どこか意を決したかのような眼差しに留められた。

明花あきる :
「……構わねェけど。獅童のことか」

 自身の袖を掴む掌を見ずとも、なんとなく察しは付いた。
 あの女の「トモダチ」だというコイツには、それを問う理由もある。ならば答えるべきだろうと判断して、こちらから水を向けた。

東雲 亜梨花 : 「う~ん、たぶん、そう。
 あのね、糸香ちゃんが言ってた『日常から消えたい』って、あきちゃんもそう思ってるの?」

明花あきる :
「…………」

 すぐには、答えられなかった。
 てっきり、獅童のことで責められるのだろうと思っていたから。

明花あきる :
 論理的に考えれば、それが当然だろう。目の前で、彼女の「トモダチ」をさも人形であるかのような扱いをして、取り繕うとしているものを暴き立てるような言葉運びをしたのだ。
 「トモダチ」というものについてまだあまり理解の及んでいないあきるであっても、きっとそれは不快だろうと推測することはできたし、だからこそ甘んじてそれを受ける──得心行くかはさておいて──想定くらいはしていたのだ。

明花あきる :
 だが、問われたのは自分のことだった。
 日常から消えたい────その問いは、即答するには難しい。
 さりとて、先の負い目がある以上、ないがしろにはぐらかすことも躊躇われて。
 ……おずおずと、口に出す。

明花あきる :
「……どう、だろうな。そもそも、多分。
 私とオマエとじゃ、『日常』の定義が違う」

明花あきる :
「私のソレは、時限付きだ。ハタチまでの時間制限。リミットを迎えれば鳥籠に戻ンのが定めのそれを、『日常』というのなら。

 いっそのこと消えちまえれば、とも、……思うよ」

東雲 亜梨花 : 「限りのある日常、かぁ……いっそのこと…………」

一寸先しか照らさないろうそくを抱えて恐る恐る踏み出すように明かされる言葉を、反芻し、ゆっくりと飲み込んでいく。照らされないものを推し量るように。

東雲 亜梨花 : 「消えたい……ああ、考えたこと、なかったなぁ」

時限式、『未来』がないというのは、それはきっと考えるだけで眩暈がするような暗闇なのかもしれない。
だからきっと、『いっそ消えてしまえれば』と手放したくなるのかもしれない。

あの子は、糸香ちゃんはきっと『自分』がない。少なくとも探すくらいにはそう思っている。だから『消えたい』のかもしれない。

反芻して、その空虚を想う。想うくらいが限界だ。それは自分にはもう浮かばない気持ちだから。理解できなくても、せめて知ることができれば私にもなにか──

「……」

東雲 亜梨花 : 「ん、ありがとう、教えてくれて」

消えないでいてくれてありがとう。言葉にはしないけれど、袖をつかむ指は温かなその手を今度こそしっかり握った。

「糸香ちゃんも『消えたい』なんだよね、見えないものがあると人はそう思うのかな……きっと見えてないだけでそこにあると思うんだけど。

──ともかく! ちょっとだけなんか見えた気がする!」

東雲 亜梨花 : 「あ~~~~、考えすぎておなか減っちゃった。
 ごめんね~引き留めて。ごはん、こんどこそたべよっか!」

ということで聞きたいことは聞いたよ

東雲 亜梨花 : 迷いはまだそのままに、そっと引っ込めて空気を換えようね。

明花あきる :
 消えてしまえればと思ったことは、嘘ではない。間違いではない。
 “猶予”として与えられたこの六年間何度も何度も考えて、そしておそらくはこの後の四年間も何度も何度も思うことになる言葉だ。

 いずれ鳥籠に戻らねばならないのに、たった十年の歳月を自由に生きたところで何になる。必死に搔き集めたとて、どうせおのずから捨てねばならないのなら、そんなものは全て徒爾だ。

明花あきる :
 ……でも、捨てられなかったのだ。今も、捨てられずにいる。

 それは多分、愛して慕った祖父の面影のせいで。
 厳しくも、様々を教えてくれた祖父の親友の手のせいで。
 こんな自分でも、捨てずに傍に居続けてくれる幼馴染のせいで。
 顔を突き合わす度にいがみあい、時に協力する刑事のせいで。
 
 そして、こうして暖かな手で触れてくれる誰かのせいで。

明花あきる :
「……なァ。その前に、私からも、一つ聞いてイイか」

明花あきる :
「オマエなら、どうする? 『ハタチを迎えたら、今やってることと持ってるものを全部捨て、誰かのモノになれ』って言われたら」

 どうして尋ねる気になったのかといえば、明確な理由は無い。
 ただ自分とはまるで異なった歩みをしてきたのだろうこの少女なら、どういう答えを出すのだろうと────珍しい好奇心を、出しただけだった。

 自分の手を包む掌に視線をやってから、静かにその瞳を見つめ返す。

東雲 亜梨花 : 「うん?」

きょとん、と目と目を合わせてしばし見つめあう。
なんだかその視線は普段の『探偵』のそれとは違う等身大の頼りなさを陰らせているように感じた。

だから、私はここで理想(ウソ)はつけない。直感する。

東雲 亜梨花 : 「──そんなもの、『私たち』には関係ない」

東雲 亜梨花 : 「私には私がやりたいこと、わかってるからかな。言われたって言葉は言葉。ほんとに邪魔してくるならその都度乗り越えるよ」

東雲 亜梨花 : 「だいたい何かな! 捨てるって! そんなのな~~~~んで言われた通りにしなきゃいけないのかな!? 

東雲 亜梨花 : …………って、えー、っとそんな感じで怒っちゃうかな。私なら」

東雲 亜梨花 : 思わずキレ散らかしたのが恥ずかしくて、ヘヘヘと笑ってごまかそう。

明花あきる :
 予想外の答えを返されて、一瞬、彼女は「きょとん」という顔をする。
 大人たちに混じるのを当然として、そして彼女自身、とうに捨てたはずの「年相応」の表情で、……次いで、思わずといった風に吹き出した。

明花あきる :
「……ふは。オマエらしいっちゃ、らしい答えだな」

明花あきる :
 問いかけられたとて、全く以て自分の問題ではなかろうに。
 それでも我がことのように真摯に向き合って、結論を考え出してくれたということが────彼女にとっては、嬉しかったのだ。

明花あきる :
 その結論についても。たった数日ではあるが、この少女の振る舞いを少なからず観察していたから、分かる。
           ・・
 きっと彼女は、本当にそうするのだろう。やることは決まっている。向かうべきところも定まっている。のであれば、それを妨げるものは乗り越える。

 必要があれば、きっと吹き飛ばすことだってしてのけるのだろう────寝ぼけながらも懸命に、自分のやるべきこととして素晴らしいタックルを繰り出した時の光景を思い出せば、自然と納得することができた。

明花あきる :
「(私に、それができるのか。……まだちょっと、自信は無いけど)」

 でも少なくとも、それを可能とする人間が、この世界にはいるのだという事実が────彼女が抱える、足元すらおぼつかぬほど小さな蝋燭の火を、少しだけ大きくしてくれたような気がした。

明花あきる :
「悪かったな、ヘンなこと聞いて。……………ありがとう」

 ふ、と微笑んで。最後の言葉だけ、素直に口にするにはちょっと気恥ずかしかったから、小さな声になってしまったけれど。

明花あきる :
「……入ろうぜ。飯、冷めちまうしな」

 誤魔化すように、少しだけ視線を逸らした。

翠簾野 夕南 : じゃあ、場所は例によっておれの部屋でいいな。ちゃぶ台にはチーズハンバーグ。

卜部影路 : あの、夕南さん……俺はもう少し小さめで……

望月/朔 : 「わぁ~>ワ<」 多分教えられたフォークで切って、とろけるチーズが出てきて感動している。

翠簾野 夕南 : マジで? じゃあおれのよりもちっとちっこくしとくか。

卜部影路 : 「……おい、食うときにチーズで火傷すんなよ」

ちらり、と東雲を探す。面倒見てくれる奴がいないと手間だな

望月/朔 : 「あち、あちち;ワ; 気をつけます!」

翠簾野 夕南 : 「あーらら、言わんこっちゃない。ほい、水飲みな水!」

卜部影路 : 「…………」

コンビニのハンバーグに比べて旨い、気がする……単に出来たてだからだろうか?

望月/朔 : 「はーい!」こきゅこきゅ

翠簾野 夕南 : 「我ながら会心の出来! 母さんとこに持ってっても70点はもらえそーだな」自分でひと口食べてたいへん満足そうな顔をする。

望月/朔 : 「美味しいです!」

翠簾野 夕南 : 「だろ? 食べ終わったらお風呂入ってきちゃえよ」

望月/朔 : 「はーい!」

卜部影路 : 「一人で入れんのか……?もし無理そうなら東雲とかに入れてもらえよ」

エージェント : 「──心配はございませんわ。このわたくし、レベッカ・エーウィンがおりますので!」

 チーズインハンバーグ食いにきただけ。

卜部影路 : 「ああ、それと……夕南さん、この後でちょっと話が」

望月が風呂入ってる間にでも、と言い添えて、こっそり耳打ちする。

翠簾野 夕南 : 「レベッカさん、ハンバーグ食いに来ただけじゃん……? でも任せちゃおうかな、亜梨花たちもまだっぽいし」

翠簾野 夕南 : 影路の耳打ちには軽く頷くだけする。

翠簾野 夕南 : たぶん俊樹の分も作ってるのでけっこうたねはあまってる。レベッカさんが待ってる間に焼いておいてやろう。

エージェント : 「ふふん! この支部の食事の授与はエージェントにとっての当然の権利! というわけで行きましょうね~」
「はーい!」

エージェント : レベッカに連れられて、望月は向こうへ行きます。

翠簾野 夕南 : 「っかしーな、おれ支部長になってからおさんどんみたいになってねーか……?」自業自得。

翠簾野 夕南 : 1d10 (1D10) > 1

system : [ 翠簾野 夕南 ] 侵蝕率 : 72 → 73

翠簾野 夕南 : ほっ。

卜部影路 : 1d10 (1D10) > 7

system : [ 卜部影路 ] 侵蝕率 : 68 → 75

明花あきる : 1d10 (1D10) > 4

明花あきる : フツー。

system : [ 明花あきる ] 侵蝕値 : 64 → 68

神々廻 京 : 1d10 (1D10) > 9

system : [ 神々廻 京 ] 侵食値 : 56 → 65

東雲 亜梨花 : 先にシーンをば

東雲 亜梨花 : 1d10 <シーン登場> (1D10) > 4

system : [ 東雲 亜梨花 ] 侵食値 : 82 → 86

<ミドルフェイズ⑨/全員/過去からの因縁>

GM :

<ミドルフェイズ/過去からの因縁(トレイサー)>

GM :

 ──さて、改めて、あなた達は夕食がてら、情報の共有を行うこととなる。

GM :  しかし、これまでのように整理し、考察……というだけにはいかなかった。
 察する者も多いだろう。卜部が見た男たち、そして、亜梨花が獅童とともに見た男たち。
 
 ……何かが起きている。これまで隠れ潜んで北者たちが、一斉に行動を起こした、そんな違和感だ。

尾見俊樹 : 「──青春っていいですね」

 じとーと亜梨花を見つつ、俊樹はキーボードを叩いている。

翠簾野 夕南 : 「良いことじゃないの。ひがみかあ?」

翠簾野 夕南 : ことっと後から来た組にハンバーグをふるまいつつ。

東雲 亜梨花 : 「よくないですよぉ! すっごい胃が痛い!!」

東雲 亜梨花 : ううはんばーぐおいしい

尾見俊樹 : 「学生時代から勉強漬けだったもので、こちとら」

 いや絆(ロイス)という観点からはおおいに悩みなさいと、霧谷支部長は云々

明花あきる :
「揶揄ってやンなよ、夕南。アイツアレだぜ、真面目すぎて損ばっかしてたタイプ。……ほら、やっぱりな」

尾見俊樹 : 「はいそこやかましいですよ。これでも努力の人で通ってるんですから」

「……それで、獅童糸香は、やはりFHの者ということで?」

神々廻 京 :
「事情はさておき……その努力は今確かに身についているのですから、ポジティブにいきましょう?」

尾見俊樹 : 「あ、ありがとうございます……」 それはそれとして素直な言葉には弱い男

明花あきる :
「(コイツもだいぶ私の扱い、雑になってきたなァ……ま、別にイイけど)」

 綺麗な箸使いでハンバーグを小さく分けながら、ひとつひとつ丁寧に口に運びつつ。

翠簾野 夕南 : 「だな。素が出るってことは、それだけお前の発言に動揺したってことでしょ」

卜部影路 : 「…………」

モソモソ食べてる

東雲 亜梨花 : 「そだね、任務って言ってたし、私のことを良~く知ってるみたいだったから。情報もきっちり集められる組織の一員だと思うな」

翠簾野 夕南 : 特製デミグラスソース(みやこさん協賛)を遠慮なくぶっかけるおれ。

神々廻 京 : 「わたしがてつだいました」の笑顔

東雲 亜梨花 : 「ただ、独断での行動や住民の退避を計算に入れてる素振りがあったのはひっかかるところ。これは片隅に置いとくだけでいいと思うけど」

尾見俊樹 : 「僕がいつまで経っても慣れない初心なヒトだと思ったら大間違いです」

明花あきる :

翠簾野 夕南 : 「……いやあ」

尾見俊樹 : 「……。どうだか。利己主義のFHの言うことですから」

明花あきる :
「……ウワ、心読むなや。ウブみたいな顔してるくせに」どの口がというツッコミは受け付けない。

翠簾野 夕南 : 「そこが読めねんだよな。抜け駆けしようとした奴を本筋が押し戻してんのか? 亜梨花、その子お面したんだよね」

東雲 亜梨花 : 「うん。半分白くて半分黒いピエロみたいな二面の仮面」

卜部影路 : 「……仮面、か」

黒い歴史が……ぐっ

尾見俊樹 : 「はっ、何年鉄の女と顔を突き合わせてると思ってるんですか。顔と視線さえわかれば──……白と、黒のピエロの面?」 夕南を見ます

神々廻 京 : 「お面がどうかされたのですか?」

東雲 亜梨花 :  

明花あきる :
「……仮面ってなまた、凝った小道具だな。まさしく道化役か?」

卜部影路 : 「……俺たちオーヴァードの力は、イメージに依るところも大きいらしいからな、なんかのスイッチなのかもしんねぇぜ」

翠簾野 夕南 : 「……で、しかも、失感情症のノイマンか」

明花あきる :
「スイッチなァ……一理あるが、スイッチなら常にオンオフ切り替えられていたようだし。
 感情のスイッチというよりは、立場のスイッチとみるべきか?」

翠簾野 夕南 : 俊樹の視線には苦笑で返すよ。

東雲 亜梨花 : 「じゃあ、あの『無!』みたいなのもFHとしての立場の糸香ちゃんなのかな……むむ」

卜部影路 : 「もしくは、ギアかなんかじゃねぇか……?ルーティーンなり自己暗示なり、全力を出すって意味なのかもしれねぇ」

明花あきる :
「……いや、アレは。人形としての意識じゃねェかな。つっても、憶測だから証拠はねェけど。それか、人為的に『そういう風に加工された』かねェ……」

翠簾野 夕南 :
「両方だと思うよ」
 話を一度切り分けるように、はっきりした声で。

神々廻 京 : 「……確信があるようで」

明花あきる :
「……ほォ。思い当たりでも?」
 一瞬箸をとめて、うかがうように。

翠簾野 夕南 : 「"Jack pod/Sad X"──っていう、部隊がいる。失感情症のノイマンで構成された、潜入捜査を主に行う奴らだ」

翠簾野 夕南 : 「連中の特徴は、"ノイマンシンドローム"それから"失感情症"と"お面"だ。……マスターマインドって言ってたなら、うん」

翠簾野 夕南 :
「彼女は、ファルスハーツのマスターエージェントの子飼いだ。確定でいいと思うよ」

卜部影路 : 「マスターマインド、ねぇ……少なくとも、裏にいるやつがロクでもねぇことが確定したわけだが」

チラリと東雲を見る。

明花あきる :
「ソレだ。『マスターマインド』、それについての情報を共有しちゃもらえねェか? UGNにとっちゃ常識でも、こっちはイリーガルでよ。そこまで精通してるわけじゃねェンでな」
 メイドのこともちらりと見つつ。

翠簾野 夕南 : 迷うように、こめかみに指を当てます。

明花あきる :
「……言いづらいか? 夕南」

神々廻 京 :
「ええ、お願いいたします。
 大なり小なり、首を突っ込んだ以上は知らないわけにもいかないでしょうから」

「……とはいえ、無理のない範囲でわたくしはかまいません」

翠簾野 夕南 : スイッチを切り替えるように大きく深呼吸。

翠簾野 夕南 : 「……あいつ、性格悪ぃんだ。おれの知る中では一番のクソ女だよ」珍しく、吐き捨てるように口にする。

明花あきる :
「………………」

 いつもの夕南からは考えられないような言葉────それこそ、自分が言い放つべき言い草を、この男の口から聞くとは思っていなくて。
 黙ったまま、少しばかり、虚をつかれる。

卜部影路 : 「…………」
夕南さんが悪感情を顕にするのは珍しいなぁ、と思いながらハンバーグのソースに人参を浸して食べる

神々廻 京 :
「……」

 余程のことですか、と口にするのは抑え、静かに目を閉じて続きを待つ。
 ……京自身は、性格の悪い女という部分に、何か思うところはあったようだが。

翠簾野 夕南 : 「ありがとな、神々廻さん。……神々廻さんとあきは、ファルスハーツの組織構成はわかる?」

明花あきる :
「……おおむね。つっても、仕事で協力する度に断片として聞いてるだけだから、全部正しく把握できてるかは自信がねェってくらいだな。こんな事態にならなきゃ、深入りしようって気もなかったし」
 把握するまでも無く、全部焼き払って仕舞いとした案件も何個かあったし。

神々廻 京 :
「わたくしもお嬢様と似たスタンスでございます。
 ある程度、どのような構造であるかは想像がつかないでもないのですが……憶測も含んでおりますので、聞けるのならばここで」
 
 実際……FH絡みに遭遇する可能性は、自分としてはそう高くない。
 関心がないわけではないが、調べる手段などないようなものだし。

翠簾野 夕南 : 「ん。じゃあ、簡単に話しとくか」

明花あきる :
「頼む」傾聴の姿勢。

神々廻 京 : 「おねがいいたします」

翠簾野 夕南 : 「ファルスハーツってのは、UGNと違って、中心であるセントラルドグマと、それとの繋がりを持ってるリエゾンロード、その下で動くセルっていう感じで構成されてる」

翠簾野 夕南 :
「つっても、UGNよりももっと気合の入った個人主義集団でな?
 同じセルの中にいても蹴落とし合いなんてしょっちゅうなんだが、その中でも特に優れたオーヴァードと認められてる連中がいる。それが、"マスター"だ」

翠簾野 夕南 :
「特定の分野で、下手をすればリエゾンロードすら凌駕する最強のオーヴァード。
 ……"マスターマインド"天船巴っていうのは、情報操作と陰謀と、精神干渉の能力だけでその座を手にした女」

翠簾野 夕南 : 「ニュースになってる国際紛争のいくらかも、こいつが利権目当てで起こした。そういうやつ。……で、ジャックポッドっていうのはその直属の部下なわけだ。"マスターマインドの子どもたち"とか呼ばれてる」

東雲 亜梨花 : 「こども……?」

翠簾野 夕南 :
「あいつの指示で動く、あいつがファルスハーツを支配するための道具だよ」

明花あきる :
「……はァん、なるほどな。情報助かる。その性悪女が、獅童をけしかけて何かしようとしてる……のかと思ったが。
 『独断』ってあたり、そうと決めつけられるわけでもなさそうだな。獅童には、獅童なりの思惑があるらしい」
 人形にも、人形なりの意志があるということだろう。────私のように。

尾見俊樹 : 「国際司法裁判所にかけられれば、人道に対する罪で百回死刑にしても足りないほどの犯罪を繰り返している女です。
 ドラッグ密輸、紛争誘発、兵器売買、詐欺グループ編成、違法売春宿経営、誘拐、虐殺──その裏で、糸を引いている者」

「オーヴァード案件ということでおおっぴらに起訴することも出来ず、手をこまねいている、……というのが現状です」

東雲 亜梨花 : ふむり……納得したように頷いて話を聞きつつまた考えに戻るよ

翠簾野 夕南 : 「……ただ、世界を支配するって、そのためだけにね」

神々廻 京 :
「子飼いの精鋭部隊というワケですか」

 嫌な響きだ、と内心で『クソ女』の評価を下げる。
 一つ首を傾げるように京は答えの出なさそうな質問を重ねる。

「……今回の一件に、その"マスターマインド"が関わっているとして、何の目的があってのことでしょうね。
 金銭の絡むような話でもないですが──……世界を、支配……支配……」

翠簾野 夕南 : 「……わかりやすく考えりゃ、力なんだろうな。最低でも黒曜山の遺産は、封印しなきゃいけない程度に危険なものだったんだ」

神々廻 京 :
(……単純明快に、兵器としての『彼女』──望月を求めているのでしょうか。
 素質のあるものを、ほぼ強制的にジャームにするという意味では、世界を支配するという大それた目的に相応しいのでしょうが……)

神々廻 京 :
「……欲深いにも程がありますわね」

明花あきる :
「やり口が姑息だな。それでいて、人の心理を巧妙に突く手段のラインナップだ」

明花あきる :
「(ただ、それだけじゃコイツが口汚く罵る理由には、足らねェ気はするけど)」
 問うべき時ではないだろう。押し込んで、次の言葉を口にする。

明花あきる :
「そのマスターマインドとやらが獅童のウラにいるとして、止める手立ては限られてくるぜ。そのへん、打てる手はあンのかよ」

尾見俊樹 : 「それを手に入れるためだけに、文字通り何でもやる。それが、彼女です。たとえば──」

尾見俊樹 : 「……名探偵に見つからないようにするためだけに、失感情症の部隊を持ち出した、なんてことも、ありうるでしょう。
 ただの僕の想像でしかないですが」

 その疑念には、あきるも引っかかるものがあるだろう。
 "失感情症<アレキサイミア>"、精神科医であればそう判断できるもの。
 腹に黒いものをしのばせようと、仮面を剥がしてきた探偵達を嘲笑うかのように仕掛けられた、"内面が崩れてしまっている"者たち。

 このP市は、成り立ちからしてオーヴァードの力が強い場所。
 一般協力者も、冬将軍をはじめとした筆頭達によるサポートが行われてきた。
 その網をかいくぐるためだけに、仕込まれていたのだとしたら。

尾見俊樹 : 「……そして、あれは用心深い女です。
 足取りを辿らせはしません。恐らく、部下に任せて、高みの見物と決め込んでいるでしょう」

翠簾野 夕南 : 「だろーね」

明花あきる :
「……御大層な仕込みだな。探偵つったって、しょせんは私人だ。権力とは程遠いっつゥのに、警戒されてるとはまた光栄なこって。
 いや、連中が怖いのは────私のジジイと、夜辺のジジイ。その二人だったんだろう」

神々廻 京 :
(……事の規模が大きくなりすぎてますね。想定以上に。
 わたくしとしては急務、あの頭でっかちの依頼主に是非を問うことが必要なのでしょうが……。
 
 依頼主のプライバシーを守るにしても、そろそろ厳しいでしょうかね)

翠簾野 夕南 : 「ん。逆に言えば、あいつがただそれだけのために獅童糸香を差し向けたんなら、そいつを抑えればマスターマインドの干渉は防げるんだろう」

翠簾野 夕南 : 「おれたちは、望月と黒曜山の異変を主眼に、その異変を解決するための手段を探る。あくまでそれでいいと思うよ。その中でちょっかいをかけてくるのは間違いないんだ」

東雲 亜梨花 : 「 特殊部隊みたいな人の方は……あの人たちもマスターマインドの差し金?」

明花あきる :
「その方針にゃ賛成だが……他に獅童みたいな手先が紛れ込んでる可能性は? アイツだけでも尻尾掴むのに苦労してンだ、他にもいた場合なんざ流石に考えたくねェぜ」

神々廻 京 :
「かしこまりました。
 ……背景にド外道が居て、その子飼いがいる。という前提が増えた、という認識でいったんとどめます」

翠簾野 夕南 : 「そうして。……この市にそれ以上の連中が入り込んできてるなら、甚さんが気づいてないはずないんだ」

尾見俊樹 : 「……裏を返せば、夜辺さんが殺されたあとから、奴らは入りたい放題になっていた、というわけですか。
 後悔ばかりしても仕方ないのはわかっていますが」

翠簾野 夕南 : 「その特殊部隊って連中にしたって、あの人が殺されたあとに入り込んできた末端じゃねーかな。うちの支部の近くで、大声で機密情報を話せるぐらい不用心だったんでしょ」

尾見俊樹 : 不用心は下手くそくんだぞ。

明花あきる :
「……それもそうだな。あのジジイ共の化物ぶりを、死んでから思い知らされるたァ、な」

翠簾野 夕南 : でもツクヨミとか封印とか話してたらしいし……

東雲 亜梨花 : でも道端で井戸端機密するゆるふわなのかもしれない

尾見俊樹 : 「十中八九雇われ、でしょうね」

卜部影路 : そいつとそこで話をしてる時点で不用意だろ、相手の見極めも出来てないんだから

尾見俊樹 :

東雲 亜梨花 : ふるぼっこや

神々廻 京 :
(どれぐらいのお金が支払われているのかちょっと興味が湧いた……)

翠簾野 夕南 : 「……まあ、金はたんまり積まれてるだろーな」

神々廻 京 :
「」あはは

尾見俊樹 : 「それこそ札束でビンタですか?」

卜部影路 : 「………ああ、たぶん、その特殊部隊ってのには会ったな」

尾見俊樹 : 「……そういえば、山に行っていたそうですね。卜部さん。そこにも、彼らが?」

東雲 亜梨花 : 「ま?」

翠簾野 夕南 : 「マジで? ……黒曜山でだよな」

明花あきる :
「剣の腕と金払いじゃ負けてくれるなよ、夕南。後料理の腕も追加しておくか?」軽口を叩きつつ、卜部の言葉に視線を向ける。

翠簾野 夕南 : 「情報収集能力でも負けたくねーなあ」

卜部影路 : 「神語研究所っつーところで……こんな写真見つけたから、行ってみたんだけど、そこで、ですね」

ポケットディメンジョンから写真を取り出す

神々廻 京 :
「……ふむ、段々と役者が揃ってきているようで……と?」

東雲 亜梨花 : 「わ~もっち~そっくり~」目に光がな~い

明花あきる :
「────これ、望月か?」

卜部影路 : 「……そこで見つけた資料っつーか、研究員の日誌みてぇなもんだが、それには『二重人格』のことなんかも書いてたんでな、たぶん望月で間違いねぇだろ」
日記自体の内容は大層ひどいものだったので、オブラートに包んでかいつまんで話す

尾見俊樹 : 「望月と、朔、ですか」

翠簾野 夕南 : 「……なんともまあ」

神々廻 京 : 「……ビンゴというわけですね」

明花あきる :
「証拠が雁首揃えてとは、な。場所的に、フェイクとも思えねェし……」

尾見俊樹 : (話を聞いたうえで)「……一つ、私見、というより、西崎先生から聞かされたことを話しても?」

卜部影路 : 「長居する気はねぇとも言ってたし、ポイントを打つとも言ってたからな、たぶんまた近いうちにあそこに顔を出すだろ……」

翠簾野 夕南 : 「明日の夜って時間は、そこに行くべきだろーな。……俊樹、どうした?」

卜部影路 : 日記は出してないぜ

明花あきる :
「『ポイントを打つ』……か」

尾見俊樹 : あっ

東雲 亜梨花 : なにもなかった

卜部影路 : 後でこっそり夕南さんに渡すつもりだったが……情報開示があるなら、どうしようかな

卜部影路 : 東雲の精神ダメージと引き換えに開示するか

翠簾野 夕南 : お兄さんの胸の中にだけ留めさせてくれてもいいよ。

翠簾野 夕南 : 修正してもらえてるし

卜部影路 : いや、俺ならたぶんしないな……(好感度メーター見つつ)

神々廻 京 : 「…………」

尾見俊樹 : 「──解離性障害、というのは、何もレネゲイドウイルスだけが原因ではない。
 当たり前ですが、表の世界でも起きることはあります」

尾見俊樹 : 「……望月さんが、自身の辛い記憶からの逃避のために、朔を作り出したとしたら。
 そして、朔は彼女が本来引き受けるはずだった苦痛を受けているとしたら」

神々廻 京 :
「……強い心的ショックによって生まれるもの。
 確かに、状況だけ見れば当てはまるものですわね」

明花あきる :
「……自然だな。よくあるパターンだ。離れようとしない、過保護なくらい望月のことを守ろうとするのにも、筋が通る」

卜部影路 : 「……まあ、そこらへんは後で本人に聞こうぜ」
そっと遮る。東雲いるしなぁという

東雲 亜梨花 : 「?」

尾見俊樹 : 「……。そうですね。どのみち、この事実だけあればいいことでしょう」

 事細かな内容は、本人や、専門の研究者に任せればいい。

神々廻 京 : 「ええ」失礼、と目配せ

卜部影路 : 「とりあえず、だ、恐らくその研究所には何かがある……大事な遺物か、あるいは何かをするための装置かはわかんねぇけどな。そして、それをFH――マスターマインドが狙ってるってわけだ」

明花あきる :
「……じゃあ、明日の行動は? そいつらを放置するってわけにもいかねェだろ」

翠簾野 夕南 : 「夜に研究所に行くのは、確定で良いだろ。おれはもう少し情報がないか、甚さんのツテをあたってみるけど──」

翠簾野 夕南 : どうする? 何か知らないか? という視線で全員を見ます。

神々廻 京 :
「情報源についてなら、1つ」

翠簾野 夕南 : 「マジで?」

尾見俊樹 : 「……その研究所は破壊された跡なのでしょう? そして、彼らはそこを起点に仕込みを済ませようとしている。狙いは変わらず──」

 言葉を濁すが、わかっているのだろう?と視線は問いかける。
 紛れもなく、彼らの狙いは望月/朔であり、彼女だ。
 京に、視線を戻した。

卜部影路 : 「そういや、昨日もどっか行ってたな……」

神々廻 京 :
「ええ。かの"子どもたち"を相手するのは骨が折れるでしょうが……、そうでない相手ならば容易でしょう。
 今まで話が上がった中で、御しやすく情報に手に入れやすい相手の所在を掴みました」

神々廻 京 :
「尾見様、地図はありますか? アナログでもデジタルでもかまいません」

尾見俊樹 : 「あ、ええ、こちらに」 タブレットで地図を開きます

神々廻 京 :
「少しお借りします」

 ──と、裏ルートの情報屋から手に入れた地点に座標を置いて

尾見俊樹 : 「……これは?」

神々廻 京 :
「例の証拠を残しちゃうすっとこどっこいの住居です。
 聞き込みですが、証拠もあります」

「夜、ここから出てくるのを犬の散歩をしていたご老人が目撃しております。
 ……確か、名前は───」

神々廻 京 :

「……黒澤秋人、と言いましたかね」

 にこっ、と微笑んで。

翠簾野 夕南 : 「…………マジか」二回目

明花あきる :
「────ほォ! イイ情報持ってんじゃねェの」
 にい、とその麗貌が明らかな笑みを刻む。

神々廻 京 :
「おそらく、こちらの方が簡単でしょう。
 決まって月の見える晩は居ないそうなので、情報だけを調べるならば夜に出向くのが正解だとは思いますが……」

東雲 亜梨花 : 「よる……」
時計を見るよ

翠簾野 夕南 : 「………ちょうど夜だな」

東雲 亜梨花 : 「これはひょっとして」

尾見俊樹 : 「……行くなら、今ですかね」

神々廻 京 :
「フフ!」

明花あきる :
「善は急げ、ってことだなァ」
 綺麗に食べ終わったお椀を置いて、パン、と手を合わせる。

東雲 亜梨花 : 「 カチコミだ~~~~!!!!! 」

尾見俊樹 : さて

明花あきる :
「ご馳走様。行くしかねェだろ、奴には古書泥棒の容疑もかかってンだしな」

卜部影路 : 「…………」

家捜しって言わないか……?いや、まあ、非常事態だしな……

尾見俊樹 : いい時間なので、あと一個描写を挟んで終わりです。

神々廻 京 :
「言い出しっぺなので、私も出向かせていただきます。
 実際、この場所が正しいかどうかは確認しないといけないので」

尾見俊樹 : 「とりあえず、取り繕うのはなんとかしますよ。情報処理班として──」

尾見俊樹 :

 ……夕南、あなたの地獄耳が、この夜遅くの来訪者を捉える。
 ちょうど聞こえたインターホンに、レベッカが応対しているようだ。

翠簾野 夕南 : 「………ン」

明花あきる :
「頼んだぜ尾身。探偵が不法侵入でとか、洒落にしても面白くねェしなァ────夕南?」

GM :  だが、すぐにレベッカはこちらに戻ってきた。

神々廻 京 :
「? どうかされましたか?」

エージェント : 「……あの、支部長。というより、"みなさま"」

翠簾野 夕南 : 「いや、お客さん来た音が」

翠簾野 夕南 : 「……どした?」

東雲 亜梨花 : 「?」

エージェント : 「……お客様が、いらっしゃいました。みなさまに会いたいそうです」

東雲 亜梨花 : 「どなたさま?」

神々廻 京 : 「……私とお嬢様も含まれて?」

エージェント : 「え、ええ」

明花あきる :
「(UGNの客人なのに、宛先が夕南じゃなくて私ら? ────私たちがここにいることを把握しているのは誰だ?)」

東雲 亜梨花 : わかんね!みにいっちゃうか!

エージェント : 「名前の方は、名乗ってくれなくて。とにかく、玄関先で待っているとのことですけど」

明花あきる :
「……どんな奴だ? 風貌は」

東雲 亜梨花 : 「私見てこよっかな!」

翠簾野 夕南 : 「待って、亜梨花」

東雲 亜梨花 :

明花あきる :
「待て、どう見たって怪しいだろうが」

東雲 亜梨花 : えらいので止まる

エージェント :

「──水色の、女の子でした」


 ……ずきり、と夕南の古傷が痛む。

明花あきる :
「……水色?」

GM :

 それは、あなたが救えなかった記憶である。
 それは、魔女の手によって仕立て上げられた、劇場の記憶である。
 それは、あなたに消えない傷をつけた、内戦の記憶である。

翠簾野 夕南 : 「……女の子? どんな子だった」

GM :  水色、あるいは<アクア・ウィタエ>のコードネームを持つ日系人の少女。
 現地で救命活動をしていた彼女は、あなたと共に祖国の平和を祈り続け、その末に──。

エージェント : 「……水色の髪で、巫女服を着てました。でも、日本人というよりかは、血が混ざったアジア人といいますか」

エージェント :

「──その、目に生気がないといいますか」

GM :

 ──爆弾に変えられて、あなたを殺すためだけに使われて死んだ。

翠簾野 夕南 :
「────────────」

翠簾野 夕南 :
 ダン、と立ち上がってウェポンケースを力まかせに引っ掴む。
 壊すほどの勢いで襖を開けて、走りながらウェポンケースを捨てて刀を引き抜く。

東雲 亜梨花 : 「しっ支部長代理!?」

明花あきる :

「────────待て、夕南」

卜部影路 : 「……は?え、ちょっ」

一呼吸遅れて走り出す。

東雲 亜梨花 : うおおお追っかけるよ

エージェント : 「え、あの、ちょっ!」

神々廻 京 :
「……」何も言わずにそそくさと追いかける

GM : ◇◆◇◆◇

翠簾野 夕南 :
 ・ ・・ ・・
「耐、衝撃、準備……!」

 叫びながら、あきの言葉も振り切って突っ走る!

明花あきる :

「────────待て、翠簾野夕南ッ! テメェの本分を忘れるなバカタレッ!!」


卜部影路 : とりあえず背中見えるくらいの位置にはいるぜ、追いかけている。

東雲 亜梨花 : 水色の子は!?見える!?

??? :  その少女はたしかにそこにいた。
 亡霊でもなんでもない。血の気のない表情に、色の無い肌。
 "アクア・ウィタエ"──かつてオーレリオと呼ばれていた小国の内戦で、弄ばれた末に死んだ、殉教の徒。

「お久しぶりですね。夕南さん。
 それに、はじめまして。UGN、P市支部の皆様。本日は、我がマスターより、言伝を預かっております」

 くすり、と彼女はたしかに笑って、パソコンの画面を付けた。

翠簾野 夕南 :
「──大丈夫。大丈夫だよ、あき。おれは、平気だ……」

??? : 玄関先で律儀に待ち、パソコンを開いている。
夕南ならわかっていいことだが、"アクア・ウィタエ"は治療専門のオーヴァードだ。

翠簾野 夕南 : でも、アクアウィタエの言葉には無言のまま引き抜いた刀を突きつけます。

明花あきる :
 扇子を握りしめて、まろぶようにしてその背を追う。ああ、アレと夕南を引きあわせてはいけない────その総毛立つような悪寒にぎり、と歯ぎしりしながら、ただ彼女は幼馴染の名前を呼んだ。

「夕南────何が大丈夫だ、こんの馬鹿……ッ!!」

卜部影路 : 「…………」

レネゲイドの力を励起して、しっかりと青の少女を『視て』おこう

??? : 【"アクア・ウィタエ"水城マリア】
Dロイスは《優しい奇跡(カインドマジック)》。
ヒトと痛みを分かち合い、平和な国を作る。……そう、語って聞かせていた口調は、感情の無い言葉と共に、メッセージを届ける者となっている。

??? : シンドロームはソラリスピュア。
……ただし、明らかに何かがおかしい。
そもそも、死人は蘇らない。

??? : 「……あなたのおかげで、我が国は、平定されました。
 そのことを、マスターも喜んでおられます」

 かちり、とパソコンの画面を立ち上げる。
 そこに、映し出されるのは、一人の女。

翠簾野 夕南 : 「………………」ギリ、と音が鳴るほど歯をかみ締める。

明花あきる :
「やめろ、夕南、見るな、────見なくていい……ッ!」

??? :

「──あら、悲しいですね。せっかくの、再会というのに」

東雲 亜梨花 : 「あれ」

翠簾野 夕南 : 「……前本さんじゃないよ、安心して」

明花あきる :
 夕南と少女の間に、半ば体を割り込ませるようにしてその画面を睨みつける。

??? :

 FH最悪の外道。
 知略と謀略だけで生きてきた者。
 その点に関してはトップクラスに位置する。
 しかし、そこには同じように頭の回転が早かった支部長より醸し出される、精一杯ヒトとして向き合う姿勢など一切ない。

東雲 亜梨花 : 「……ん。へーき。
 この人、

東雲 亜梨花 : 『そういう人』なんだね」

神々廻 京 :
(……噂をすれば、か)

??? : 「……ああ、顔だけで騙せると思っていたのに。やれやれ、さすがに"私"が育ててはいませんか」

明花あきる :
「誰だ、テメェ。尋ねたならテメェから名乗るのが筋だろうが。宛先は私らも込みなんだろ、えェ?」
 女の声に、声を低めて凄む。

東雲 亜梨花 : 「貴方とは違う人だよ。支部長は」

東雲 亜梨花 : 「気にしないで、話、続けてね」

??? : 「──はじめまして、名探偵、剣士、生まれ落ちた者、流浪の者、そして、もうひとりの私によって育てられた者」

 屈託の無い笑顔には、そうですかと興味なさげに切って捨て、じゃあ"この演出も要らないか"と髪を解いた。

卜部影路 : 「…………」

さて、どうするか……恐らく、冷静なのはメイドと俺だけだ。良くも悪くも部外者、しがらみがない――となれば、もしもの時、背負える余地がある俺が……

東雲 亜梨花 : 「う~らきち」(こそこそ)

"マスターマインド"天船巴 :

「──マスターマインド、天船巴と申します。どうぞ、お見知りおきを」

卜部影路 : 「………なんだよ、今真面目な場面だぞ」

東雲 亜梨花 : 「みんな程よく大丈夫だよ。みんなで、ね」

明花あきる :
「────テメェか、件の”マスターマインド”! 黒幕が顔晒すたァいい度胸してやがんじゃねェか」

卜部影路 : 「別に、俺が何かを一人で出来るわけねぇだろ……」

東雲 亜梨花 : 「……」

"マスターマインド"天船巴 : 『ふふ、威勢のよいことで。しかし、あなたの言葉は、私の居場所には届きません』
 

東雲 亜梨花 : 「それはみんなも一緒だよ」

神々廻 京 :
「……はじめまして。神々廻と言いますが……お忘れになることでしょうから一度だけにしておきます」

翠簾野 夕南 : 「……用件はなに。お前の声を聞いてるだけで最高の気分だから、早く言うこと言って帰ってくれねーかな」

明花あきる :
「……届かない?」
 怪訝そうに眉を顰めつつも、蒼氷に宿った敵意だけはくずさない。
 この、幼馴染の顔を────もう、曇らせたくなど。

卜部影路 : 「……ビデオかなんかか?最後は爆発するとか言い出さねぇだろうな」

東雲の言葉からはふいっと視線を逸して

"マスターマインド"天船巴 : 『有能ならば、皆様のことは覚えておきましょう。
 使い捨てにするつもりだった道具も、だいぶ世話になったようですからね』

東雲 亜梨花 : あきちゃんと、ゆ~なさんの手も順番につんつんしてこうかな。こっそりとね。ほんとはつなぎたいけど手が足りんな……

"マスターマインド"天船巴 : 『しかし、まぁ、せっかくの再会を祝して思い出話ともいきたかったのですが、それもそうです。時間は有限ですから』

『それに、解放してくださった兵器の方も、なかなか順調なようですから、これくらいはしてもいいでしょう』

"マスターマインド"天船巴 :

 使い捨ての道具──獅童糸香と、フードの青年。
 兵器──望月/朔。

明花あきる :
 一方的だ。柔和な顔をしておいて、その性根のひん曲がり具合と腹のどす黒さはこれでもかと伝わってくる。
 睨みつけながらも、手をつつかれて少しだけ意識を東雲の方へと向ける。余裕は、ないけれども。

「……何だ」

東雲 亜梨花 : にこーっとだけ。いつもの気の抜けたやつ。

神々廻 京 :
(……あら、もしかすると。
 あのクソ家の依頼も仕込まれてたのかしら?)

翠簾野 夕南 : つんつんされた手と眼前のあきを見て、強張っていた身体から慎重に慎重に力を抜く。

東雲 亜梨花 : うむり

東雲 亜梨花 : 最終的にメイドさんの腕に収まっとこう

"マスターマインド"天船巴 :

『宣戦布告ですよ。明日の零時、我々はツクヨミノミコトを蘇らせる』

明花あきる :
「…………」

 いつもの笑顔。それがちょっとだけ、逆立った心を落ち着かせるのに役立った。わずかに頷き返して、……そして殺気立つばかりだった幼馴染も、いくらか冷静さを取り戻したのを確認して、放たれた言葉を咀嚼する。

神々廻 京 : (頬もちもち)

東雲 亜梨花 : (ウェウェウェ)

"マスターマインド"天船巴 : 『──捨てた道具が、想定にないことを考えようとしていたようですが、どちらでも構いません』

『ただまぁ、兵器の試験運用には、データが必要です。あなた達と、P市の住民で、証明するだけのこと。だから、こうして先を越される前に、挨拶にまいりました』

翠簾野 夕南 : でも、あきにはそっと刀を握ってない方の手で後ろに回りなさいとジェスチャーします。

明花あきる :
「随分とロマンチックな────いや、フィクションじみた言い草だな。
           ・・・
 お宅の教育方針には、ラノベでも盛り込んでたってのか?」

 いつかの獅童の言い草を真似しつつも、夕南のジェスチャーは無視。だってオマエ、放っておいたらまた暴走しそうだし。

卜部影路 : 「ん………?」

"マスターマインド"天船巴 : 『ラノベでも、現実に振るうことの出来る力なら、立派な兵器となるでしょう?
 核兵器ですら、神の雷と形容できますからね。人間というのは、素晴らしいものです』

 嫌味たらしく、そう返して。

『──まぁ、単なる挨拶だと思ってください。これからここで何かをしますから、ほら、どうにかしてごらんなさいというね』

卜部影路 : 「なあ、一つだけ質問良いか……?」

画面の向こう側の女に、張り詰めた空気を纏う皆の後ろから手を挙げる。

"マスターマインド"天船巴 : 『どうぞ?』

卜部影路 : 「なにかするつもりなら、なんで教えてくれるんだ……?普通、邪魔されないほうが成功率は高いだろ?それがどんなに歯牙にかけないものでも」

首をひねる、純粋に疑問だ。

「なんでわざわざ教えて成功率下げようとすんだよ、馬鹿なのか?お前」

東雲 亜梨花 : あおりよる

"マスターマインド"天船巴 :  ・・
『趣味、でしょうか』

 くすり、と微笑んで、言ってのけた。

卜部影路 : 「ノリで計画に不確定要素突っ込むなんて、やっぱバカじゃねぇか……」

うんざりとした顔で呟く。

「めんどくさいおばさん、そういう人に迷惑かける趣味は一人でやってくださいって習わなかったのか?」

東雲 亜梨花 : 「私習ってないな……」小声

"マスターマインド"天船巴 : 『順調に進む物事というのは、ひどく退屈です。
 100%成功させるというのなら、それこそ私以外にも適任がおります。彼らが出張ってきたならば、こんな"遊び"、しなかったでしょうね』

 つまるところ、この女は本気で言っているのだ。

『──既に仕込みも終えて、あとは舞台挨拶。水槽の中を覗いて、誰が生き残るかを眺めるだけ』

明花あきる :
 ……正直、思わぬところからの言葉で、少しだけ虚をつかれた。
 今まであまり主張をしてこなかった青年が、まさかことここに至ってこんなことをいうとは思っておらず。
 ただ、痛快だと少しだけ笑みを浮かべる。

"マスターマインド"天船巴 :

『──ねぇ? 翠簾野夕南? 爆弾の贈り物は、楽しかったですか?』

翠簾野 夕南 : 「……………」

卜部影路 : 「いや、流石にマスターともなればギャグセンスも一流か……」

はあ、と溜息を吐いて、めんどくせーな、と頭をかく。

「遊びでやるにしても、片手間な次点で遊び人としちゃ三流、仕掛け人としても徹底してないせいで三流、おまけに嫌がらせしてしたり顔でほくそ笑んでるとなりゃ三流どころか三下だろ、お前」

卜部影路 : 「イキってドヤ顔できてスゴイでちゅね~wってか?」

"マスターマインド"天船巴 :  慕っていた子供達を誘拐し、全て爆弾に変えて送りつけることでさえ、
 彼女にとっては余興でしかない。
 そんなことをせずとも、彼女ならば資金をつぎ込めば小国を叩き潰せる。

『……ふぅん』

 面白そうに、それを眺め、

明花あきる :
「オイ、クソ女。口上はそンだけか? こっちとしちゃ、とっととお引き取り願いたいんだがな。尋ねるにも時間を考えるのが礼儀ってモンだぜ。

 脚本家気取るのは勝手だが────キャストの全員が全員、テメェの思うように動くとは、思わねェほうがイイ」

 じろり、と。
 最大の敵意を込めて、彼女は天船を睨みつける。
 もうこれ以上、私の幼馴染を傷付ける汚い口を開くな、と。

東雲 亜梨花 : 「……」
もういっかい手をつんつんしにいこうかな。
この熱さもなんだか変。みんな掴まれてる気がする。

卜部影路 : 「初めて気があったかもしれねぇ、そろそろ風呂なんだよ、帰ってくれても良いんだぜ?」

ちらっと明花の方を見やって

"マスターマインド"天船巴 : 『まぁ、それが虚勢か、そうでないか。
 これからを見て、判断させてもらいましょう。──あ、そうそう。"アクア・ウィタエ"』

「はい」

『最後の言葉、話していいですよ』

明花あきる :
「夕南、いい、聞かなくていい」

アクア・ウィタエ :

 ──ぶつん、と映像が途切れる。

神々廻 京 : 「……あら、聞き逃してしまいました」

翠簾野 夕南 : 「……………………」震える息を呑み込む。

おさゆく : 待った

アクア・ウィタエ :

おさゆく : どうぞ

翠簾野 夕南 : 待たなかった

東雲 亜梨花 : 「あきちゃん、」止めようとする秋ちゃんを止めるよ

東雲 亜梨花 : 手をね、握る。気持ちはわかる

卜部影路 : 「……俺達には、関係のないことだろ、お前にも、だ」

ふぅ………と、熱の孕んだ吐息を漏らして、お腹のそこに溢れそうになるものを飲み込む。

アクア・ウィタエ :
『──せめてもの抵抗も、水の泡。ウィタエってなんだっけなぁ。
 ごめん、本当に。最後の最後に、あなたの足を引っ張ることになっちゃって』

 確かに、それは人間の感情だった。
 否、それは爆弾に変えられる前の最後の記録だろう。

『だけど、私は大丈夫だから。
 振り返らなくていい。ニホンに残してきた子だって、いるんでしょう』

明花あきる :
「……ッ、なんで……ッ」

 なんで、そう傷付こうとするんだ。オマエ、帰ってきた時笑えなかっただろ。
 隠そうとしたって分かるんだよ、そんなになるまで苦しんだのに、

「なんでまた、オマエがそんな思いしなきゃいけないんだよ……ッ」

 ぎり、と手を強く握りしめる。

アクア・ウィタエ : 『だから、』

 笑って、涙を流した。

アクア・ウィタエ :


『──元気でね。ユーナ』


翠簾野 夕南 : 斬ります。

卜部影路 : やりな

東雲 亜梨花 : そのあいだにあきちゃんの手をにぎにぎほどいておこうね

GM : OK。

GM : 従者専用エフェクト、《闇夜の呪い》は不発します。

GM :  ……最悪のリフレインだった。
 嫌でもわかってしまう。天船巴は、最後のメッセージを埋め込んだうえで、ご丁寧にも同じ死に方を再現させようとした。

GM :  核を斬られたことで血溜まりに戻っていく。

GM : と、まぁGMからは以上です。大変遅くなりました(土下座)

GM : あとは反応みつつ、今日はお開きです。

東雲 亜梨花 : 土下座するとこそこじゃないと思います先生

GM :

<小会話①/明花あきる&翠簾野夕南>

翠簾野 夕南 :
 その顔で現れた時点で、あいつの考えてることはわかっていた。
 あの子は死んだ。
 思いつく限り最低のやり方で、ただ彼女にかかわったすべての人間を絶望させるために死んだ。
 おれが殺した。
 殺したようなものだ。

翠簾野 夕南 :
「おれの手落ちだったんだ」

 彼女が弾ける前に一歩前に進む。

翠簾野 夕南 :
 水城マリアは、目の前で、内側から弾けて死んだ。
 体に張り付いたあたたかな血肉の感触を憶えている。
 あの戦いの中で何度も浴びた絶望の光を憶えている。
 おれの目は特別製だ。どんなものも一瞬だって忘れられはしない。
 それを。憶えて、いる、から。

 おれの眼前にいる彼女は、偽物だ。
 それが、どれだけ、あの頃見た少女と同じに見えても。

翠簾野 夕南 :
「おまえをあちらの手に落とした、おれのせいだ」

翠簾野 夕南 :
 予備動作なく、あきの身体をすり抜けて走る。頭を切り替えた。
 頭の片隅でごめんな、と思った。
 おれをあの頃と同じに思ってくれてる幼馴染の前で見せていい顔じゃない。
 おれを純粋にそれなりのおとなだと思ってくれてるだろう人たちの前で、出していい焦りじゃなかったけれど。

翠簾野 夕南 :

「……本当に」
「ごめん、マリア」
「おれ。不謹慎だけど……それが聞けて良かったって、思っちゃったよ」

翠簾野 夕南 :
 その胸に、刀を突き立てる。
 一ミリたりともたがわず心臓の位置へはがねが吸い込まれていく。
 肉を貫く感覚は一瞬で終わった。核が消えればなくなるのなら、きっと従者かなにかだったのだろう。
 只の血だまりに戻った、彼女のかたちをしたものの残骸の上へ、祈るように柏手を打つ。
 死の穢れが、おれを濁らせる前に。
 振り返ったらすぐに、おれがいつものおれへ戻れるように。

明花あきる :
 するりと前に現れる背を前に。
 迷いなく突き出される、冷たい鋼の色を前に。

明花あきる :


 ────────止められなかった。



明花あきる :
 その思いだけが、明花あきるの心を浸し、冒していく。

明花あきる :
 そもそも、そもそもだ。あんな女の世迷言、まともに聞く必要などなかった。どちらにせよ明日の夜の行動は決まっていたし、アレとの会話で得られた情報など些末なものだ。
 こちらをいたぶるためにあの娘を送り、露悪もそこそこにコンタクトを取ってきたというアレの思惑は、あまりにも明白。

明花あきる :
「(私はそれに、律儀に付き合う必要なんざなかった。
  そうだ、有無なんて言わせず、何を言われようと、責められようと、問答無用で────丸ごと全部、燃やし尽くせば良かったんだ)」

 そう、まるで、いつものように。
 ほむらよ舞われ、と。

明花あきる :
 そうしたら、こんなにもひどい幼馴染の背中など、きっと見なくて済んだ。
 いや、そう思い込みたいだけに過ぎない。ただ、止められなかったと……自分では彼を、翠簾野夕南を守れなかったと、そんな後悔を慰めたいだけなのは、理解している。
 ……それでもと、伸ばせなかった手を、つかめなかった腕を、恨めしく思うことしか、自分にはできなかった。

明花あきる :
 何が名探偵だ。「千秋楽」などと、幕引きにも程遠い現状では呼ばれることすら恥ずかしい。
 幼馴染一人すら守れない力に、頭脳に、能力に、一体どれほどの価値があるというのか。

明花あきる :
「……チッ、馬鹿野郎がよ。
 冷静でいるって"約束"、テメェが破ってどうするってンだ」

 忌々しげに、舌打ちを一つ。それは先の「クソ女」に対してか、はたまた────己に対してか。
 扇子を握る手には、未だ力の込められたまま。

明花あきる :
 痩身が、ただ頼りなげに立ち竦んだ。

翠簾野 夕南 : 「…………間に合ってよかった。爆弾だったな、やっぱり」

卜部影路 : ――――

その光景を、少年は最初から最後まで、余さず受け止めた。
本人たちだけの思い出で、立ち入ることの出来ない想いを、ただ、あるがまま受け止めた。

憐れむ、心配する、怒る、悲しむ……どれも違う気がして、少年は、ただ眉根にシワを寄せる。

彼女と彼の間に何があったのかは知らないし、どんな言葉を交わし、どんな思いを抱き合っていたかは分からない――想像できる、なんて嘘でも言えるわけがない。

その痛みも、喜びも、彼が抱えていくべきもので、誰かが立ち入るものではない。

ならば――ならば、どうすればよいのだろうか。

少年は、迷い子のように立ちすくむ。戸惑うように、あるいは何かを堪えるように、眉間に皺を刻んで――

失った者に、最初から何も持っていない者が掛ける言葉など、どれだけ悩んでもあるはずがないのに――

翠簾野 夕南 : 「神々廻さん、あきのこと頼んでいい?」

翠簾野 夕南 : 「景観よくねーわ、これだと。掃除してから戻るよ」

エージェント : 「……、あ、あの、わたくしも手伝いますわ」

翠簾野 夕南 : 「ありがとな、レベッカさん。つーか驚かせたよね? ごめんな」

東雲 亜梨花 : 「……」
ありちゃんは立ってたところでプルプルしているよ

エージェント : 「い、いえ、ヨルベの下で育ったのですから、大丈夫ですわ。
 寧ろ、こちらこそ申し訳ないです。さっさと追い返せばよかったものを……」

神々廻 京 : 「かしこまりました。……お嬢様」

卜部影路 : 「……まあ、付き合いますよ」

空元気だろうと、虚勢だろうと、それを支えにしなければあるけないこともあるだろう。

東雲 亜梨花 :
「ッッッだ~~~~~~~~!!!!!」

ビターン! とその場で床にダイブ!
仰向け!!!

明花あきる :
「………………………………」

 神々廻に促されるのに、逆らうことはせずに歩き出しかけながら。

明花あきる :
「…………ばか、………………ばかゆーな。

 ……………………………………ごめん」

 詰ることしかできない己が、悔しくてたまらなかった。
 ぽつりと消え入りそうな声を残して、去っていく。

 去っていこうと、して。

翠簾野 夕南 : 「…………………」

東雲 亜梨花 : 「 なんッ……なんだあいつ腹立つ!!!
すっごい丁寧に地雷踏んでくるじゃん! 地雷でけんけんぱするじゃん!

どうしてそう的確に人の嫌なことするかな~~~~~~嫌い!」

東雲 亜梨花 : 「 とても! 嫌い!!! 」

神々廻 京 : 「お嬢様、こちら紅茶で──……」

東雲 亜梨花 : 「ねぇ!? あきちゃんあれ酷かったね!?」

明花あきる :
「………………………………え? …………あ、あァ」

 流石に予想できず思考停止。

東雲 亜梨花 : 床が抜けんばかりの勢いでジタバタヾ(:3ノシヾ)ノシしていた動きをピタ、と止めて、驚いた猫くらいの勢いで起き上がるとずずいとあきちゃんにつめよるよ

神々廻 京 : 「わッ」すぐ後ろにいるメイドも驚き

東雲 亜梨花 : 「なにも支部長代理にあ~~~~~んなえぐいことしなくていいのにね、ね!!!」

明花あきる :
「え、あ、う、…………うん。…………でも。夕南に、やらせるべきじゃなかった」

 詰め寄られ、思わず素で頷いてしまいながらも、それでも普段の聡明には、隠しきれない後悔が滲んだ。

卜部影路 : 「…………はぁ」

お前が、誰かの分まで文句言ってどーすんだよ。という思いを込めて、しょうがねぇバカだなぁ……と溜息をつく

東雲 亜梨花 : 「それはちがうよ! 誰がやってもだめ! そもそもああいう状況作った性格!が!悪い!」

「──そうでしょ支部長代理!!」

翠簾野 夕南 : 苦笑して頷くだけします。

東雲 亜梨花 : 「も~~~支部長代理もそうやってすぐ笑うから~~~!! なぁんでみんな怒らないの!? 腹立つでしょ!!!」

卜部影路 : 地面で駄々をこねる東雲を覗き込むようにしゃがみ込んで、額にチョップする。

「皆ほどほどに大丈夫なんだろ、もう皆分かってくれてるから、それ以上そんな事しなくても良いんだぜ……」

というか、服が汚れるし、正直周りからの視線とかが気になるし

東雲 亜梨花 : 「んぎゃび」

東雲 亜梨花 : 「んなこといって影路くんだってビビってたじゃん!」

卜部影路 : 「は?べ、別にビビってねぇよ……それに、バカに気を遣われるくらい傷心な乙女探偵よりかはマシだろ!!」

明花あきる :
 一拍置いて、ハッと顔を上げる。

「……そうだ、そうだぞ夕南。テメェいつも笑ってばっかだ。そんでもって顔色変わりそうになるとすぐ隠す。
 ────隠される側にもなれってンだよ、オイ、私の幼馴染」

 一歩を踏み出しながら、扇子をずいと突きつける。
 ずっと、言いたかったことだった。

翠簾野 夕南 : 「感情を動かす方が良くねーの。ほら、さっさと戻る戻る──」

翠簾野 夕南 : 「……って、どした」

神々廻 京 :
「あはは……まあ、私も表情に出るタイプではなかったというか……」

東雲 亜梨花 : 「──カッ、気なんて、つかってないし!」

卜部影路 : 「そうだよな~……バカだもんな~……だからこんなにいい音するんだよな~……」

ベシベシベシベシベシ

明花あきる :
「────夕南、笑って誤魔化すの、……もうやめろよ。
 そんなに私は、頼りないか? 傷ついてるって、苦しいって、言えないくらい……私はまだ、小さい頃の『あき』のままか?」

東雲 亜梨花 : ペペペペって叩かれてる

卜部影路 : 「ほら、早く起きろよ……それ以上服を汚すと叱られるぞ」

東雲 亜梨花 : じゃあ手を引っ張ってもらって起きよう

東雲 亜梨花 : どっこいしょーういち

卜部影路 : いや、起こしてあげないが?????

卜部影路 : 勝手に引っ張るな!!

東雲 亜梨花 : は????そこにうでがあるが????

卜部影路 : うおおおおおおおおおお離せ!!クソ!!

神々廻 京 : 「……」そっと離れてお茶を入れる準備をする

東雲 亜梨花 : ベチーンヾ(x3ノシヾ)ノシ

卜部影路 : あっ………

ちょっとバツが悪い

東雲 亜梨花 : とりあえずうらきちの良心を活用して再び手を捕まえて起きるよ。どっこいしょ

卜部影路 : ……ぐっ

翠簾野 夕南 :
「そういうことじゃないよ」
 結局苦笑いは崩しきれずに、あきの頭を撫でようとして引っ込めた。いくらなんでも、血がついたままの手じゃあよろしくない。

翠簾野 夕南 : 「これは終わったことなんだ。それを蒸し返されて、おれは怒って、必要なことをしただけ。そうでしょ、あき。今更のことなんだよな」

明花あきる :
「ほら、また、そうやって笑う……!
 終わったことだとしても、それが傷付かない理由にはならねェだろうが!」

明花あきる :
「オマエはどうせまた、同じことするんだ。そうやってまた、同じようにそのひょろっちい体で痩せ我慢して、何でもかんでも私には見せまいと背負いこんで────それでまた、気付いた時にはいなくなって。疲れた顔で、帰ってくるんだ」
 六年前のように。

明花あきる :
「……なァ。傷付いた、疲れた、うんざりだ、……そんな風に言えよ、夕南。
 なんだってオマエだけ、痛いのを隠してないといけない?」

翠簾野 夕南 :
「ありがとうな」
 結局、あきが願ってくれているような顔は見せるわけにいかなくて。そんな自分にますます苦笑いが深まっていく。
 この顔が板についたのも、確か六年前だ。そりゃあ確かにきついことだって山ほどあったけれど、あの地獄のような戦場で目に焼き付けられたような「どうしようもなさ」を知らなかったころ。

翠簾野 夕南 :
「そう言ってくれるだけで充分なんだよ、おれ。おまえも、亜梨花も、影路も神々廻さんも、おれがきついなーって思ってることわかってくれてたろ」

翠簾野 夕南 :
        ユニバーサルガーディアン
「でもさ。おれは日常の守護者なんだ。
 背負ってやんなきゃいけないことがある。
 だってあき、おれがこの場で泣いちゃったら焦るでしょ?」

翠簾野 夕南 :
「それはあきだけじゃなくって。おれが預かってるすべてのエージェントも同じことなんだ。偉い人ってそういうことなんだよな。……甚さんが背負ってたものって重いよなあ」

明花あきる :
「……~~~~ッ、」

 ぎり、と歯噛みする。変わらない苦笑い────どころかむしろ、言い募れば言い募るほど積み重なった言葉が彼を困らせていくのだという事実に。
 ……彼はもう、自分の知る翠簾野夕南ではないのだということをまざまざと見せつけられる。

明花あきる :
 そう。彼はもう、一介のエージェントだった頃の彼ではない。
 もう、一つの支部を預かるだけの大任と大役と大権と────そして何よりも、大責を背負っている。

 彼が泣こうが喚こうが、それらの重みが変わることはないのだ。だから嘆くのではなく、せめて笑顔で覆い隠して立とうとするその姿は、きっと「大人」としては────「夜辺甚五郎の後継者」としては、これ以上なく相応しい。

明花あきる :
 ・・・・・ ・・・・・
「そんなこと、分かってる……! 分かってて、でも、それならオマエ自身はどうなるンだつってんだ。
 あァ、オマエは理想的な『支部長』だろうさ。慕われてる。責任感もある。実力もあって、イリーガルを動かす知見だってある。誰だって、『じん』の後継者のオマエを、否定なんざしやしないだろう」

 自分も含めて。

明花あきる :
「────だがそれなら、『翠簾野夕南』はどうなるッ! 傷を負ったままのオマエ自身を、……オマエ自身が蔑ろにして、どうするんだよ。

 こんな心配、テメェでしろよ……」

翠簾野 夕南 :
「……だよなあ」
「甚さんにも言われたよ。足だけは前に行こうとするから駄目だって。
 だけど本当に、おまえが思ってるほど悲惨なんかじゃないんだぞ?」

翠簾野 夕南 :
「泣くならひとりのときに、いくらでもできるんだ。
 おれは六年前にめちゃくちゃ泣いて、甚さんにも母さんにも甘えてこっちに戻ってきて、六年間ここで燻ってた。だから、こうやって立派なふりができるワケだ。それでおしまい。
 でも、おまえがそうやってずっと心配してくれてたことがわかったのはうれしいよ。ごめんな、あき」

翠簾野 夕南 :
「六年前にね。おれ、外国で仕事してたんだ。あきは知ってるよね」
 その代わりみたいに、過去の傷を拡げる。

翠簾野 夕南 :
「東の方、ちっちゃいオーレリオって国がある。
 そこでそのころ、暴動が起きたのは覚えてる? あれな、あの国にあった石油のせいじゃなくて、あの国に山ほどの賢者の石があったからなんだ」

翠簾野 夕南 :
「おれはあの頃あっちこっちに派遣させてもらったから、その確保を狙うFHの鎮圧に向かった。その事件に絡んでたのがあの女だ」

翠簾野 夕南 :
「あの国で、マスターマインドは、子どもを使った。
 表に出にくいスラム街の子どもにレネゲイドの暴走を誘発する薬と精神操作を使って、生きる人間の爆弾を作ったんだ。たくさん、たくさんね」

翠簾野 夕南 :
 オーヴァードとして力の使い方を知りもしない子どもを助けようとして、手を伸ばしたその子が、目の前で爆ぜるのを見た。
 罪もない人間が爆弾にされようとして、それが失敗してぐずぐずに溶けてゆくのを見た。爆弾になりきれずにジャームになった子どもをこの手で殺したことだってある。
 UGNに協力してくれた国軍の仲間も大勢殺された。水城マリアもそのひとりだ。やさしい奇跡を振るいながら絶望的な戦況の中でも笑っていた少女は、おれのための爆弾にされて死んだ。

翠簾野 夕南 :
「結果的に──その爆弾をつくってた"マスターマインド"の子どもは鎮圧できたし。目的の賢者の石も確保できた。任務の結果としては、上々だったんだけどな」

明花あきる :
 ……ああ、多分。
 かさぶたを無理矢理引き剥がされた上から、傷口を更に抉って広げるような真似を、この男が選んだのは。
 紛れもなく────自分の、子供っぽい我儘を宥めるためだった。

明花あきる :
「………………ッ、」

 辛い。痛い。それは所業の惨さだけではなくて、ただ「どうして私の幼馴染がそんな目に遭わなければならなかったのか」という、どうしようもない後悔と。
 せめて触れずにいれば、時間の経過とともにゆっくりと癒えたかもしれないそれを、無惨に引き千切ったあのクソ女に対する怒りと。

 何より、決定的にほじくり返させてしまった、子供っぽい自分に対する苛立ちのせいだった。

明花あきる :
「ごめん、……ごめん夕南、私がオマエに話させた。多分、いや、話さなくたって良かったことだ。現場にいたわけでも、UGNですらない私に、肩代わりすることなんざできっこないのに」

 くしゃりと、怜悧が歪んで。
 目の端に、小さな雫が浮かび上がる。

明花あきる :
「でも。……私だって、痛くて、辛くて、苦しい時に、傍にいてくれたオマエみたいに、オマエにしてやりたいんだ。

 私は、オマエの傍にいる。じんのことも、獅童のことも、望月のことも、朔のことも────全部、オマエだけに預けたりなんかしない」

明花あきる :
「だからせめて、隣にいさせてくれ。笑って誤魔化すんだとしても、……それでもイイ。
 私のこと、頼ってくれよ」
 なァ────夕南。

 告げる言葉。
 拍子に、透明な一滴が白い頬を流れ落ちた。

翠簾野 夕南 : 「……ごめんな。泣かせるつもりはなかったんだけど、そうなっちゃった」

翠簾野 夕南 :
「今回の件だって、おれひとりでなんとかできるなんて思ってないよ。
 頼るのはこれまでもこれからもおんなじだ。な、名探偵」

翠簾野 夕南 :
 本当は救えたはずの人を殺した瞬間の、肉を切り裂く生々しい感覚は消えない。いくら手を洗ったって、ずっと、ずっとだ。
 どんな時でも剣の冴えだけは落とさなかったから"冽剣"だったのに、あれからしばらくの間剣筋がなまった。薄暮なんて余計な頭言葉がついたのもそのせいだ。

翠簾野 夕南 :
 だけど、戻ってきてからこっち、それもだいぶ収まった。
 この街と、ここに住む大切な人たちのお陰だ。
 その中に当然あきだっているってことを、彼女はまだわかってないんだろう。おれがなんにも変わらないって、素直じゃない態度でずっと示してくれていた年下の幼馴染は。
 すなおにずいぶん救われましたなんて言っても、まともに信じてはくれないだろうけど。

翠簾野 夕南 :
「おれは、ほんとに平気だからさ。
 最後のお別れもさせてもらえて、感謝してるぐらいだ。
 そのお礼がわりに、今回の一件きっちり終わらせよう。あいつの鼻っ柱折りたいだろ」

明花あきる :
「は、ぇ、泣い……────────、」

 ぱちり、とその蒼氷が瞬いて。
 一拍遅れて、濡れた感触に気付く。慌ててぐし、と乱暴に手袋で頬を拭えば、擦れたところが少しばかりの赤みを帯びた。

明花あきる :
 まさかこんな、今更涙なんてものが自分に残っているとは、欠片も思っていなくて。
 それをこうして人に見せてしまったことを、相手がたとえ夕南だとしても少なからず気恥ずかしく感じながら────誤魔化すように、彼女は「ふん」と憮然を作った。

明花あきる :
               モノ
「当然だ。……獅童にゃ、借りた資料を返さなきゃなんねェし。
 あの女の仕組んだモノ、全部まとめて焼き払わなきゃ気が済まねェしな」

明花あきる :
 そう、それに、だ。
 「頼るのはこれまでも『これからも』おんなじ」────だと、するならば。
 翠簾野夕南が、名探偵「千秋楽」たる明花あきるを求めるのであれば。

明花あきる :
「……オマエがいつでも頼れるように、私はずっと名探偵でいてやる。仕方がないからな。
 だから呼べ。これまでも、『これからも』。そうしたら、いつだって助けてやるよ。

 ────報酬次第で、な」

明花あきる :
 本当は、報酬なんていらない。
 大事な幼馴染を、大好きなこの男を、助けるのに、理由や題目なんて余計極まる。

           ミス・ミリオンダラー
 けれど、この身は《乱れ舞え纏華の焔》。“値千金”の頭脳と火力を、喜んで差し出すのではあまりにも────そう、あまりにも格好がつかない。
 だから、これは彼女なりの強がりだ。弱音を聞かせるかわりに、オマエの面倒をこちらに寄越せと。そうしたら、私が全部解決してやる、と。

明花あきる :
 パンッ────と、扇子が花開く。

「こちとら、名探偵『千秋楽』だぜ。
 クソ女の企みなんざ全部暴いて、景気よく幕引きにしてやらァ、な」

<小会話②/全員>

東雲 亜梨花 : それではいいところで失礼して

東雲 亜梨花 : 卜部君と戯れ終わってからはメイドさんに掃除のこと聞きながら道具を取りに行ってたということで、このあたりでバケツもって戻ってくるよ~

東雲 亜梨花 : 「ン゛重たい゛」
両手と頭に水をなみなみたたえたバケツもってふらふら~っとあけっぱの玄関から入ってくる

東雲 亜梨花 : 両手と首が固定されてるのでどうしようかな(無計画

卜部影路 : 「…………」

同じくバケツを持ってふらふら歩いている

翠簾野 夕南 : 「…………」

東雲 亜梨花 : あと三秒でこけます

明花あきる :
「オマエ……何で頭にまで……っと危ねェな!」

 頭の上のバケツが傾ぎかけた瞬間、思わず反射的に手を伸ばしてキャッチしてしまう。扇子は夕南に放り出した。

翠簾野 夕南 : 「ふつう頭に乗っけるか!? ほら、貸した貸したって、うおっ」扇子キャッチ!

翠簾野 夕南 : 影路のバケツも奪取!

東雲 亜梨花 : 「あ゛、あぁ~~~~~──あきちゃん!」

卜部影路 : 「……っと、すみません」

明花あきる :
「…………………………っぶねェェ……………………」

 溢れかける寸前で持てたので、そのまま慎重に頭の上から引き去る。両手で持って、重さに体をもっていかれかけつつも、どうにか地面の上に置いた。

翠簾野 夕南 : 「そういう時はありがとうだろ~?」

東雲 亜梨花 : 「ありがとあきちゃん~。たすかった」

翠簾野 夕南 : 「って言いたいけど、そこまで要るか? 重曹ちゃんと持ってきた?」

翠簾野 夕南 : 大量のバケツを見て。

東雲 亜梨花 : 「……言いたいことちゃんと話せた?」

卜部影路 : 「それは、俺が持ってきてます……」
ごそごそともう片方の手に持った袋から洗剤その他を取り出す

明花あきる :
「……ったく。人間にゃ手は二本しかねェってこと、本当に分かって……」

明花あきる :
「……ああ。気を遣わせたな。ちゃんと言えたよ。……ありがとな」

翠簾野 夕南 : 「おー、えらい! おれも手ぇ洗わなきゃだな」

東雲 亜梨花 : 「友達だからね。
気はつかってないけど、気持ちは大事なの」

明花あきる :
「夕南、扇子は適当に置いとけ。後で取るからよ。手、洗って来い」

東雲 亜梨花 : にーっと笑ってお掃除開始だ

明花あきる :
「……ン。トモダチ、な。……私も手伝うよ」

東雲 亜梨花 : 「みんなでやったら早いからね~、宿題と一緒だ」

翠簾野 夕南 : 「ん、そーする。すぐ戻るけど、その前にだな」

明花あきる :
「……宿題ってそういうモンだっけか?」
 なんかちがくね、と思いつつ、この服で掃除はシンドイな、とも考えつつ。

東雲 亜梨花 : まえに

翠簾野 夕南 : 「影路も、ありがとな。気ぃ遣ってくれたでしょ。年下にがんばらせて情けねーよなあ」

東雲 亜梨花 : にやにや

明花あきる : にやにや。

東雲 亜梨花 : まちがえたほほえまほほえま

翠簾野 夕南 : 「だけど気をつけろよ? あのクソ女、頑張るやつの鼻っ柱折るの大好きだからね。ほどほどにな、ほどほどに」

東雲 亜梨花 : 「いや本当に趣味がお悪い!」

卜部影路 : 「いや、まあ、単純に嫌いなタイプの奴だったんで……」
スッと目を逸らし

東雲 亜梨花 : にや~

卜部影路 : そもそも折られるためのものがないから大丈夫だろうと思っている

明花あきる :
「感謝は素直に受け取っとけよ、卜部」にやにや。

翠簾野 夕南 : 「あっちも、泣いたからすがもう笑っちゃってなあ」にやにや。

卜部影路 : 「俺は俺のためにやってるだけだっつーの……」

東雲 亜梨花 : にやにや~

明花あきる :
「っせェな! 泣き虫はテメェもだろうが、チビン時じんに叱られて泣いてたの知ってんだからなこっちは!」

卜部影路 : 「なにニヤついてんだ、さっさと掃除するぞ……」

東雲 亜梨花 : へぇ~?

卜部影路 : あ?

翠簾野 夕南 : 「『ありがとう』のときは『どういたしまして』でいーんだけどなあ。じゃ、すぐ戻るよ」

明花あきる :
「……チッ! 言い逃げしやがって。とっとと行けっつーの」
 派手にしたうちをしつつも、乱暴に手袋を懐に押し込んで袖を捲る。

東雲 亜梨花 : ありちゃんはスカート脱いでささっとたたんでその辺においてる。下が体操ズボンなのはJKのとっけん

明花あきる :
「オマエ、こんなとこで脱ッ……ぐのはやめろ、下履いてても吃驚するだろ……」そんな特権知らん。

東雲 亜梨花 : 「えぇ?」

卜部影路 : 「…………」

バッ、と違う方向を向いたけど、ズボン履いてると知って素知らぬ顔で掃除を始める

明花あきる :
「……次からはせめて部屋移して脱いで来い。イイな」
 一応目は逸らしてやるんだな、アイツ。と思いつつ、東雲の額を人差し指で小突いておく。扇子を手放しているので。

東雲 亜梨花 : 「ヴェ! は~い……」

神々廻 京 : 「皆様、落ち着き次第ミルクティーがありますので、お持ちしますね」遠くから

翠簾野 夕南 : 「ありがと神々廻さん──」

<小会話③/東雲亜梨花&翠簾野夕南>

東雲 亜梨花 : ログ見返してきたんだけど、差し込むならうらきちとありちゃんの会話の前、かなと思う。想定としてはゆ~なさんが血で汚れた手を洗いに行ってる間

翠簾野 夕南 : だな。そこか行く直前かぐらいの

翠簾野 夕南 :
 冷たい水で石鹸を流しながら、我知らずため息を零した。
 思い出すのは泣き出した幼馴染の姿だ──強がりの彼女があんなに取り乱すのはひさびさに見た。

(悪いことしたな)

 いつもの癖で頭を掻いてから、まだ手が濡れていたことを思い出す。ひんやり冷たい。気分は思ったよりも凪いでいるけれど、調子が崩れているな、とは思った。
 ひとりだと、気が緩んで困る。

翠簾野 夕南 :
 ぱちんと頬を叩き、鏡に向かって笑顔を作ってみる。うん、悪くない。

東雲 亜梨花 :  嵐よりもずっと乱暴で、いろんなものをかき乱していったその跡をみんなで片づけ始めたころ、支部長代理があきちゃんに言われて手を洗いに行ったのを視界の端でとらえたから、そのあとをこっそり追った。

 明確な理由があったわけではない。なんとなく気になって。

「……」

 すぐに突撃するのも間が悪い気がして、少し待ってから洗面所を覗いた。鏡ごしにいつもの笑顔の支部長代理を見る。

東雲 亜梨花 : 「……大丈夫? 支部長代理」

東雲 亜梨花 :  あきちゃんほどたまったものがあるわけではないけど、なんとなく口火を切るにはそれしかなくて声をかけた

翠簾野 夕南 : 「ん? あ、亜梨花か」

翠簾野 夕南 : 「平気だよ。……おれはな。見事に泣かせちゃってなあ、悪いことしちまった」

東雲 亜梨花 : 「あれは、なんというか、私も焚きつけちゃったから。それだけちょっと心配で。いろいろあったの、あきちゃんにあんまり話したくなかった?」

翠簾野 夕南 : 「そーね。あんまな。気分のいい話じゃないでしょ」

翠簾野 夕南 : 「ま、それはいいんだ。気遣ってもらってごめんなあ、ありがとうね」

東雲 亜梨花 : 「う~~~~ん、うう゛……そうなんだけど。
そうなのですが、えっと……ううん……」

東雲 亜梨花 : 「ちょっとまってねなんかでてきそう」

翠簾野 夕南 : 「夕飯はがんばれよ」はい、水。

東雲 亜梨花 : 「ちっが~~~~~う! 胃からじゃないよ!
なんかこう、心的な!」

東雲 亜梨花 : 水はもらいます。つめたくておいしい

東雲 亜梨花 : 一息ついて、
「たぶん、あきちゃんが怒ってるのそうやって上手に話を丸くしちゃうところだと思うなぁ」

翠簾野 夕南 : 「ん? んー」

翠簾野 夕南 : 「まあ、怒らせるよなあ。わかってたつもりなんだけど、まさか泣かせちゃうまで行くとは思ってなかったんだって」

翠簾野 夕南 : 「つっても、年上だろおれ。お兄さんって大変なんだよなあ」

東雲 亜梨花 : 「それだけ思うところがあったんだろうね。あきちゃんいじっぱりだからなあ~。

──年上じゃなくてもお兄さんはお兄さんしてたんじゃないの? 支部長代理、そういうかっこつけ好きでしょ」

翠簾野 夕南 : 「あっはっは。いーか亜梨花、おとなってのはだいたい格好つけなんだぞ」

翠簾野 夕南 : 「って言いたいけど、言うほどでもねーな。同い年だったらどうなってたかわからん」腕を組む。

東雲 亜梨花 : 「そうかなぁ。ほんとの年はあんまり気にしてなさそうな気がするけど」

東雲 亜梨花 : 「じゃあかっこいい大人でもいいや。支部長代理にも聞いてみたいことがあるんだよね。いい?」

翠簾野 夕南 : 「ん、いいよ。どした?」

東雲 亜梨花 : 「ん~、といってもそんなに構えるようなことじゃないんだけど。支部長代理は『消えたい』って思ったこと、ある?」

翠簾野 夕南 :
「……消えたい、か」
 すこし真剣な顔になってみせる。

翠簾野 夕南 : 「それって、どういうぐらいの消えたいだ? たとえば、教官に『かあさん!』って言っちゃったりしたときの?」

翠簾野 夕南 : たぶんちがう。

東雲 亜梨花 : ひとがせっかくシリアス保ってたのによぉ!

翠簾野 夕南 : 緩急が大事っていうだろ!

東雲 亜梨花 : そうかもしれない!

東雲 亜梨花 : 「その『消えたい』も初めて聞いたけど……(やや引き)」

東雲 亜梨花 : 「でも、う~ん、どうかな、もっとこう、ずっと思ってるような『日常から消えたい』……なんだと思うんだよね」

東雲 亜梨花 : 腕を組んでまたムムムって顔するよ

翠簾野 夕南 : 「うそだろ、やったことない? おれ、あれやったときマジで消えてえ~って思ったぞ」

翠簾野 夕南 : 「しかし、そーか……『そういう』ほうね。うーん」

東雲 亜梨花 : 「そういえば学校生活の定番なのにやったことないかも! 今度やってみようかな」

東雲 亜梨花 : まあお母さんいないんですけ……支部長……!?

翠簾野 夕南 : 「あのな、わざとやると三倍ぐらい死にたくなるぞ」

翠簾野 夕南 :
「で、その話は……ねえなあ。
 うん、それはない。
 どんなにきつい時も、それだけは真面目に考えたことなかったよ。亜梨花の言うそれは、たぶんかけらも残さずにいなくなってしまいたいってことだろ?」

東雲 亜梨花 : 「うん、たぶん。そうだと思う」

翠簾野 夕南 : 「うん。……そりゃあ、魔が差したって意味じゃないとは言えねーけどな。たぶん亜梨花だってわかるでしょう、そういう気分。一瞬だけ感じて、でもありえないって消しちゃう選択肢だ」

東雲 亜梨花 : 「……そうだね」

東雲 亜梨花 : 「魔がさすときは、あったの?」

東雲 亜梨花 : 「あ!お母さん事件は抜きだよ!!ぬき!」

翠簾野 夕南 : 「わーってるって」

翠簾野 夕南 :
「あったよ」
「全部投げ出してやめときゃ、全部チャラになるかななんて思ったりな。……重くってさ。重くってたまんなくって」
 掌を見た。遠いあの日、なにかが巧くはまれば助けられたはずの命を、この手で斬った時の感覚。いまでもなまなましく思い出せる、あの痛みの記憶だ。

翠簾野 夕南 : 「でもさ、そうしたとこでなんにも変わるわけないんだ。どーしても考えるんだよな……消えちまうことが出来たとして、じゃあその後は? って」

東雲 亜梨花 : 「そのあと?」

翠簾野 夕南 : 「うん。その後。だって、消えちまったらおしまいだろ。ゼロだ。なに掛けたってゼロにしかならねーの」

翠簾野 夕南 :
「もしかしてもうちょっと前に行ったら、少しだけ選択肢を先延ばしにしたら、それをチャラにするほど良いことがあるかもしれないじゃない。
 消えたらなくなっちゃうだろ、それだって」

翠簾野 夕南 :
「……消えたらおしまいだ。
 誰かに何かを託せたとしたって、そこでそいつ自身は終わっちゃうんだ。そいつがなにか掴めたかもしれないこと、やりたいこと、できなかったことだって全部、全部。
 おれは、自分からそれを投げだすことはしたくなかった。だから、しなかった」

東雲 亜梨花 : あきちゃんとは違う答え。多分強い答えだと思う。誰かが消えることを許容しない。わかるような気もするけれど、私のそれは感覚的なものだし、この人はきっと違う。

「支部長代理はどうしてそう思えたの」

翠簾野 夕南 : 「託されたって思って、全部引きずってくって決めた自分が、消えたらおしまいだからだよ」

翠簾野 夕南 : 「……な、亜梨花。それ、誰に言われた? 彼女かな」

東雲 亜梨花 : 「私に言われたんじゃないよ。多分誰かに言ったわけでもないと思う。ただ、私はそれを聞いちゃったから」

東雲 亜梨花 : 「そんなことないっていうのは簡単だけど、それだけじゃ届かないでしょ? だからまずは考えてみようと思ったの」

東雲 亜梨花 : 「それだけなんだけどね」

翠簾野 夕南 : 「……そっか」亜梨花の頭をわしゃわしゃします。

東雲 亜梨花 : 「グワー! 何で!?」

翠簾野 夕南 : 「えらいよ、亜梨花は。その人の傷をちゃんと考えられる」

翠簾野 夕南 : 「……どうだろうな。彼女がどういう生い立ちなのかをおれは知らないから、わからないけど──彼女を育てた女の考えることは、なんとなくわかるつもりだよ」

翠簾野 夕南 :
 ・・・・・・・・・・・
「持たせてもらえなかったのかもな。
 おれの答えは、これまで生きてる中で積み上げたものがあって。それがブレーキになったってことだろう? ようはそれがなかったら、人間って簡単に踏み外せちゃうんだ」

翠簾野 夕南 : 「最後の、一線。ってやつ。やめようって思う理由がなかったら、ちょっと足を出したらそれで奈落の底だ」

翠簾野 夕南 :
「だけど、亜梨花はそれを聞いたんだよな。
 消えたいって口に出せる人は、その言葉になにかを感じてほしい、って。そう思うだけのこころがあるんじゃないかって、おれは思うよ」

東雲 亜梨花 : 「こころ……」

東雲 亜梨花 : 「うん、そうだよね。まだ『なんにもない』じゃないよね。わかんなくなってるだけだきっと」

翠簾野 夕南 : 「ん。つなぐ手があるうちは、まだ連れ戻せるだろ」

東雲 亜梨花 : 「支部長の言う通り私、関わり続けるし、手も離さないよ。絶対!」

東雲 亜梨花 : 「ありがと支部長代理。私まだまだ頑張れそう」

翠簾野 夕南 : 「そりゃ良かった。だけど、亜梨花?」

東雲 亜梨花 : 「うぇ?」

翠簾野 夕南 : 「疲れたって思ったら、ちゃんと寄っかかるんだぞ。自分で付き合えるうちは、なんにも言わねーけどさ」

東雲 亜梨花 : 「なぁんだそんなこと!
私はちゃんと”知ってるよ”。支部長(おかあさん)が教えてくれてるもん。心配性だなぁお兄さんは」

翠簾野 夕南 : 「おまえ、気遣い屋さんだからなあ。影路もそういうとこあるけど、やり方が巧いぶんお兄さんは心配だぞ?」

東雲 亜梨花 : 「私は私たちがやりたいようにやってるだけだよ?」

東雲 亜梨花 : 「ゆ~なさんと一緒。みんなの分までかっこつけて胸張って生きたいの」

翠簾野 夕南 : わしゃわしゃわしゃわしゃ。

東雲 亜梨花 : 「あっこの口で勝てないからってアァ~~~」

翠簾野 夕南 : 「……たく。前本さん、あんななのに子育てには誠実なんだからいけねーよな」

東雲 亜梨花 : 「あんな……?」

翠簾野 夕南 : 「そのうち本人に聞いてみな、たぶん答えるよ。おれが話すのもフェアじゃねーから」

前本不亜音 : あんな?

翠簾野 夕南 : あんな。

東雲 亜梨花 : で、でたーーーーーー

<小会話④/明花あきる&翠簾野夕南&神々廻京>

翠簾野 夕南 : 「というか、まだメシも残ってたよね!? 完全にすっぽ抜けてたな」

東雲 亜梨花 : 「あー! ハンバーグ!」

明花あきる :
「ン。助かるぜ、神々廻。……私はもう飯は食い終わったし、食うなら食って来いよ、東雲」

東雲 亜梨花 : 「最後の一口にとっといたやつが~!
うん、食べてこようかな」

卜部影路 : 「……俺も、まだサラダ食ってないんで」

そっとついていこう

明花あきる :
「……よく食えるなァ。神々廻と夕南は? 片付けしとくけど」

翠簾野 夕南 :
                           ・・
「おれは食い終わったから平気。風呂つけてくるけど、夜の散歩のあとにするか?」

卜部影路 : 「俺は散歩の後にしときます」

東雲 亜梨花 : 「カチコミ!」

明花あきる :
「ン。そうさな、汗を流すのは一日のスケジュールを消化しきってからだ。
 楽しい楽しい『お散歩』の後だな」

卜部影路 : 「カチコミではねぇし、外であんましそんな事言うな……」
一応非合法なことなんだから……

神々廻 京 :
「わたくしはお気になさらず。自分の分もすでに頂きましたし」
 軽やかに微笑みながら

神々廻 京 :  

明花あきる :
「……遣う言葉には気を付けた方がイイぜ。難癖つけてパクろうとしてくるこわ~いオマワリだって、この市にゃいるんだからよ」半目。

東雲 亜梨花 : 「ヒェ」

翠簾野 夕南 : 「あっちだって難癖つけてこちらに手を出しても良いことないさ、そりゃ大丈夫っしょ。ほら、戻るぞ」

神々廻 京 : 「桜の皆様も大変ですわね……」

翠簾野 夕南 : 「あん人たちも、おれたちを合法的になんとかできる手段なんてないからね。複雑なもんだ」

東雲 亜梨花 : じゃあ私は食卓の方に戻りま~す

卜部影路 : 同じく

東雲 亜梨花 : 食べかけのハンバーグのお皿にラップかけてチン!

明花あきる :
「ま、そりゃそうだ。とはいっても私は普通の事件でもかかわりがあるから、過敏になってるだけなんだろうけどな」手袋を付け直しつつ。

翠簾野 夕南 : 「ワーディングって言われちゃえば、対抗できる手段がないってのもなあ」ほい、と扇子手渡して戻ります。

明花あきる :
「連中にとっちゃ、その間のことは『なかったこと』だからな。……ン」扇子を受け取る。

神々廻 京 :
(……メイド服って怪しいのかしら。頻繁に職務質問受けるのよね……)

翠簾野 夕南 : やさしい目をしました。

明花あきる :
「(……まァ、私は認知されてるからいーけど。メイド服は職質されるだろうなァ……)」
 ……木ノ宮経由で言っといてやるか。

神々廻 京 : (しょんもり)

明花あきる :
「……そういや神々廻、オマエが当初この市に来た目的ってなァ、結局何だったんだ? 黒澤絡みか? なし崩しで巻き込んだ形になっちまったが……」

神々廻 京 :
「あら……。
 ……ふむ、この件に首を突っ込んでいるのは、半分は私の私情もあるのですが──……」

 口に指を当てて、首を少しだけ傾げながら。

「……まあ、今更義理立てして隠し通せるような状況でもないですから、正直にお話しいたします」

翠簾野 夕南 : 「ん。打算があってくれたほうが、おれたちとしても安心できるしな」

翠簾野 夕南 : ぎゃくに。

明花あきる :
「……それ言っちまうんだもんなァ、オマエ」

卜部影路 : つーか、これまで謎に着いてきてるメイドだったからな……

神々廻 京 :
「はい、それに皆様ならば、どこかに口外するということも無いでしょう」

「わたくしがこの街に入ったのは、ある依頼を受けてのことです。
 その依頼とは「黒澤秋人」本人を見つけ、連れ戻すことです」

 具体的な依頼主は、まあ言わないでもわかるでしょう、という目つき。

神々廻 京 : 謎の巻き込まれメイドでした。

翠簾野 夕南 : 「…………あー」

明花あきる :
「……依頼主は……黒澤の現当主か。関係ないどころか、標的がまるで渦中じゃねェの。容疑を確定できたワケじゃねェが、それもこれからの『散歩』次第だしな。道理で、素直に巻き込まれてくれたワケだ」

神々廻 京 :
「……まあ、正確には彼が持ち出した「モノ」を奪還することで、黒澤秋人の生死は問わないことになっております。
 わたくしとしては、それが見つかれば良かったのですが……」

神々廻 京 :
「ええ、実にタイミングが良い事でした」
 

神々廻 京 :
「……まあ、こうなると黒澤の思惑も気になってくるところですが。
 わたくし流浪のメイドですので、依頼を受けるときに探りを入れるのは諦めました。さすがに、相手が悪いというか……」

翠簾野 夕南 : 「……黒澤って、例のカンガタリに関係してるって話なんだよな。そのせいだろうなあ」頭ぽりぽり。

明花あきる :
「……仮にも次期当主だろうに、生死問わずとはまた物騒だな。十中八九カンガタリ関係だろうが……」

翠簾野 夕南 : (しかし、流浪のメイドってワードには突っ込んだ方が良いのか? なあ この世界遺産が動いたり喋ったり人間は爆弾になったりするけど メイドも流浪するものなんだな?)

東雲 亜梨花 : ──そうしてゆ~なは考えることを……やめた……

翠簾野 夕南 : うう メイドとはいったい……

卜部影路 : メイドはメイド、それ以上でもそれ以下でもないぜ

明花あきる :  実家には期間を決めて雇われていた女中などもいたので、私は「まあ流れのメイドとかそういうのもいるんだろうな、知らねェけど」という感じ。

神々廻 京 :
「…………まあ、知らなかったなどとは言わせませんし、終わった後でご当主からはふんだくるつもりでいますが──」

神々廻 京 :
「あとは、先ほど口にした通りです。
 私個人の感情で、首を突っ込んでいるだけですよ」

明花あきる :
「……そォかい。なら私と一緒だな。自分の仕事と、自分の感情。
 重なってる奴ァ、早々裏切ったりしねェよ。な、夕南」

翠簾野 夕南 : 「そーね。ご存じの通り人員不足なもんで、善意で手伝ってくれるのはほんとに助かるよ」

神々廻 京 :
「……、「わたし」はどうも、困っている人や、理不尽に襲われる人を、ほっとけない性分なもので。
 その理不尽で人が死ぬなんてことがあれば、もっとです。
 そこは……ええ、ご信頼頂けたようで何よりです」

明花あきる :
「あァ。テメェの腕は信用してる。荒事の方も、家事の方もな」
 一人称が変わった。それに気づきつつも、口にはしない。ただにっと笑って、信だけを露わにする。
 「誰かに仕える者」にとっては、それが多分、一番の報いだろうと知っているから。

神々廻 京 :
「改めまして、わたくし神々廻京は、皆様に全面的に協力いたしますわ」
 にっこりと微笑んで、あきるの言葉に満足そうに頷いた。
 

翠簾野 夕南 : 「じゃあ、改めてよろしく。できればうちのイリーガルとして正式に登録してくれるとすっげ~助かるんだけどな~」

明花あきる :
「『流れ』なんだろ、ソイツぁ難しいんじゃねェの?」

神々廻 京 :
「あら、報酬が頂けるなら、どこにいても依頼があれば飛んでいきますよ。
 このご時世ですから、ご贔屓にしてくださる方がいてもよろしいでしょうし?」

翠簾野 夕南 : 「マジで? じゃあ今回の件が終わったら正式に話させてもらおっかな!」

明花あきる :
「贔屓にするのが増えたからって、個々人への金払いは渋るなよ? 夕南」

翠簾野 夕南 : 「働き次第だな」

神々廻 京 : 「ですってお嬢様、お互いがんばりましょうね」

明花あきる :
「ハ、こんな時だけ支部長ぶりやがって。……ただまァ、応ともよ。私らも仕事だしな、用意はしとけよ? 夕南」

<小会話⑤/東雲亜梨花&卜部影路>

東雲 亜梨花 : 食卓の方では他のみんなのお皿を下げつつハンバーグのお皿にラップしてレンジにお皿をシュー!したよ

東雲 亜梨花 : ブーーーーン

卜部影路 : 片付けを手伝った後、俺はもそもそサラダを食べようとしてるぜ

東雲 亜梨花 : 「…………」

東雲 亜梨花 : 「そーいえばね、影路君、へんなこと聞いてい?」

卜部影路 : 「お前の奇行には割と慣れたぜ……」

東雲 亜梨花 : 「っへへ、なぁにそれ。」

東雲 亜梨花 : 「   」

「あのさ、影路くんは『消えたい』って思ったことある?」

卜部影路 : 「………消えたい、ねぇ」

どういう意味だろうか、少し考え込む。

卜部影路 : 「……そんなもん、しょっちゅうだろ」

考えて、でも、その真意は分からない。だから、額面通りに受け取ることにする。

卜部影路 : 「嫌なことがあったり、しんどい時には全部投げ出して、いなくなっちまいたくなることはよくあるだろ……でも、そんなもんは誰でも思ってる、当たり前のことじゃねぇか」

好かれた嫌われた、仕事に勉強、将来に過去、ほんの小さなことから、どうにもならないような過酷な現実まで――己が持て余すものに直面して、全てを捨てて逃げてしまいたくなるのは特別なことではない。自分もそうだし、きっと皆もそうだ。嫌なことからは逃げてしまいたい、楽に生きていたい、そう願うのは当たり前のことだ。

卜部影路 : ――だから、皆、己の帰る場所を持っている。

「消えてぇ、そう思ったとしても、結局は生きていくしかねぇんだ……だから、そういう生きていくための寄る辺っつーか、目標?信念?みてぇなもんを皆探して、見つけて、大事にしてるんだろ、たぶんな」

己にはないそれを、この眼の前の少女は持っているのだろうか。持っていてくれれば、良いな、となんとなく思うが、それは表には出さない。

卜部影路 : 「消えたいって言ってる奴がいて、本当に消えたいと思ってるなら俺はそいつの好きにやればいいと思うぜ――ただ、何かや、誰かのせいで、消えたいと思ってるなら、それは『違う』と、思う」

あー、話が長くなって、何が言いたいかわからなくなってきた、と、頭をくしゃくしゃとかく。

「つまりは、だ。そんなもんは誰でも思ってることで、特別なことじゃねー……問題なのはなんでそう思ってるか、だと、俺は思う。」

東雲 亜梨花 : ふむ

東雲 亜梨花 : 「……特別なことじゃ、ないのかな」

東雲 亜梨花 : じっと目を閉じて、また想像をしてみる。

『あなた"も"』といったあの子はどんな時に消えたいと思うのだろう。そしてそれを抱えたまま生きていくしかないときに、何を支えにしていたのか、ひょっとして支えなんてなくて、代わりに擦れて削れてなくなってしまったのが『自分』だとしたら。

東雲 亜梨花 : 「なんでそう思うのか、ね。影路くんは難しいことを考えるなぁ」

東雲 亜梨花 : 優等生の仮面はきっと周りの人たちに応えるためのものだ。
あきちゃんの推理を思い出す。
他人の価値観と期待を満たす「いい子」が糸香ちゃんに消えたいと思わせているのだとすれば、それは『違う』に該当すると思った。

あの子は、もう一人でいいって言ってたけど。

それもやっぱり『違う』と思う。

東雲 亜梨花 : 「でもなんとなく、わかったような気がする……かな。少し。
ありがとね、はなしてくれて」

東雲 亜梨花 : チンできたハンバーグを回収して席に戻ろう。
アチチ

卜部影路 : 「…………お前、誰かになんか言われたか?」

名前呼びについてはスルーして、いつもとは少々様子が違うバカに怪訝な目を向ける。

「らしくないことで悩んでんじゃねーよ……苦しいことも、幸せなことも、全部そいつ一人のもんなんだよ」

溜息、そして、軽くチョップする。誰が何を吹き込んだかは知らないが、結局の所、誰かがどう思って、どう感じて、どう考えたかなんて、想像するしか無いのだ。誰かのモノサシを、自分のモノサシで測って、勝手に分かったような気になる――理解できた、理解できるだなんて考えるのは、傲慢だ。

「馬鹿は馬鹿なりに、自分がやりてぇことをやりゃいんだよ……他人なんて知ったことか」

東雲 亜梨花 : 「んまあ、喧嘩もすればほら、悩むもんですし」

東雲 亜梨花 : 「私、一人じゃ知らないことも多いからさ。聞いてみたくて」

東雲 亜梨花 : へへへと笑っていたらチョップを顔面で受けるよ。ライフで受ける!

東雲 亜梨花 : 「イ゛」

東雲 亜梨花 : 顔間違えた

卜部影路 : 「……まあ、参考になったんならそれでいいけどよ」

はぁ……と溜息を吐いて、続ける。

卜部影路 : 「なあ、夕南さんが切ったあの人について、なんか知ってるか……?」

東雲 亜梨花 : 「? ……うーん、私の記憶には、ないかな。
何かあったんだろうなとはあの時思ったけど」

東雲 亜梨花 : 「どうしたの? 気になる?」

卜部影路 : 「…………まあ、気になるっつ―か」

腕を組んで、自分の中に言葉を探す。

卜部影路 : 「なんつーんだろうな……」

失われたもの、無くなってしまったもの、それを前にして、言語化出来ないものが己の裡で渦巻いている。

夕南さんにとって、あの人は失われてしまったものだ。それは間違いない。

だけど、だからといって、失われてしまったことを『悪いこと』だと思いたくない。

「死んで、夢の途中で終わっちまうのは……悪いことか、ちょっとわからなくてよ……」

東雲 亜梨花 : 「終わりでは、ないと思うな」

東雲 亜梨花 : 「たとえ誰にも知られずに死んだとしても、
それまでの関わり一つで、誰かの中に残るものはあると思うから。

だいたいそれは『痛い』と一緒に残るけど。
それだってその人にとって大事なものになるなら、いいか悪いかはともかく、終わりにはならないと私は思ってるよ」

東雲 亜梨花 : 「きっと私たちが知らないところで
あの女の子の話は続いてる。夕南さんがそれをあきらめないでいてくれる限りね」

東雲 亜梨花 : 「私も、私たちを終わらせたくはないって、それだけはしないって決めてるの」

東雲 亜梨花 : 答えになったかなぁ、なんだか語ったみたいで恥ずかしくなってハンバーグ一気に食べちゃう。
もぐ!!!!

卜部影路 : 「…………失われても、終わらない、か」

咀嚼するように東雲の言葉を噛み砕いて、呑み込んで……少し、己の内側が穏やかになった気がする。

東雲 亜梨花 : 「そういうことも、あると思うな」

ほどほどに咀嚼してハンバーグを食べきってから、もう一つ、気になってたことを言っておこう。

東雲 亜梨花 : 「そういえば、お昼の間にもっちーがいたっぽい研究所にいったんだっけ?」

卜部影路 : 「……まあ、そうだな」

東雲 亜梨花 : 「何か、う~~~んそうだな、なんというか
”怖いこと”見つけたりした?」

卜部影路 : 「…………大丈夫だったぜ」

東雲 亜梨花 : 「本当に?」

卜部影路 : 「……ああ」

大丈夫だったし、大丈夫にする。

東雲 亜梨花 : 「……」

東雲 亜梨花 : 「そっか。ならいいや」

東雲 亜梨花 : 「でもね、影路くん

東雲 亜梨花 : 私はなにも知らずに守られるより、
自分で選んで戦いたいよ。悩むのだってそのためだもん。

人の気持ちなんて想像するくらいしかできないけど、たっくさん考えて関わり続けるほうが私は好き! 悩みも痛みも傷も、思っているより悪いもんじゃないって思うな」

東雲 亜梨花 : 「──なんて、それだけ。ごちそうさまでした!!」

卜部影路 : 「……お前はそういう奴だってことくらい、流石に知ってるんだよ」

ボソリと、聞こえないようにつぶやこう。

東雲 亜梨花 : キコエテイナイヨ

東雲 亜梨花 : 「じゃ~お皿洗おうか。冷蔵庫にさっきアイス見つけたんだけどそれ食べてからにする?」

卜部影路 : 「どうせ食うなら風呂上がりにしとけ……あと、望月がいるときにしてやったほうが良いと思うぜ」

東雲 亜梨花 : 「…………でも二個しかなかったんだよね」

東雲 亜梨花 : 「……ね?」

卜部影路 : 「………………仕方ねぇ」

東雲 亜梨花 : 「ヤッター! 道連れ」

卜部影路 : 「バレてゴネられても知らねぇからな……」

<小会話⑥/翠簾野夕南&卜部影路>

翠簾野 夕南 :
 食事のにおいが残る支部長室。
 後片付けをすませたちゃぶ台にパソコンだけ置いて、ここまでの簡単な報告書を書き上げる。
 用意している湯飲みは二人分。あとで来ると言っていた影路のぶんだった。

翠簾野 夕南 :
 ひとりだと、まあ、考えることはいくらかある。
 あの場でじゃなくておれに直接言ってくるとなると、なにかしら隠すべき理由があると判断したことは間違いないんだろうが──

卜部影路 : 「……すみません、失礼します」

静かに、抑え気味な声でそこにいるであろう人物に声をかけて扉を開く。

翠簾野 夕南 : 「いらっしゃい。あ、緑茶で良いよな?」

卜部影路 : 「……っす」

とりあえずあぐらをかいて、向かい合うように座り込む。

翠簾野 夕南 : パソコンを閉じて二人分の緑茶を入れよう。おれが先にひと口頂いてから、タイミングを見て口を開く。

翠簾野 夕南 : 「話したいことがあるって言ってたね。早速その話にするか?」

卜部影路 : 「……まあ、そっすね。時間もあんましなさそうだし」
少し迷うように瞳を揺らして、意を決して口を開く。

卜部影路 : 「今日の昼、神語研究所に行ったって話はしましたが……そこの近くで、こんなもんを拾いました」

と、ポケットディメンジョンからツクヨミ関連の資料を取り出してちゃぶ台の上に並べる。

翠簾野 夕南 : 「…………つくよみのみこと?」

卜部影路 : 「字は、月に読むのほうじゃないっすけどね……中身もどっちかって言うと邪教視てぇな感じですけど」

翠簾野 夕南 : 眉を寄せて首を捻ります。

翠簾野 夕南 : 「……月黄泉ノ尊、ねえ。漢字の不穏さもそうだけど、おれはこの街にうち以外のお社があるって聞いたことねーんだよな」

卜部影路 : 「……ひっそりとやってきたんじゃないっすかね、こんなのおおっぴらには出来ないだろうし」

と、八尺瓊勾玉について記されたページを開いて読むように促す。

翠簾野 夕南 : 「……だろーな。密教ってやつぽいね」内容をざっと読み下す。

卜部影路 : 「しかも、運がわりぃことに……こっちの日誌、さっきは濁したんスけど……」

研究所で得た日記を取り出して、開く。独白のような、懺悔とも悔恨ともつかない研究員の記録を示す。

翠簾野 夕南 : 「…………………」顎に指を添えて、しばらく考え込む。

翠簾野 夕南 : 「……両親に売られた娘、勾玉の適合実験……それに、遺産の怨念か」

翠簾野 夕南 : 「……そっか。あの場で話さなかったのってそういうことね。なんとも、まあ」

卜部影路 : 「……俺は、最悪の場合、望月を連れてディメンションゲートで出来るだけ誰もいない場所へ行こうと思っています」

迷うように言いよどんで、言葉を選んで話を続ける。

「もちろん、俺も死ぬつもりはないんで、ギリギリまで粘ってダメなら始末を付けて帰ってくるつもりッスけど……」

翠簾野 夕南 : 「おれと話したかったのは、もしもの時にどうするか、ってことだな」確認するように、影路の目をしっかり見つめて。

卜部影路 : 「……はい、馬鹿とかにはちょっと聞かせられないんで」

真っ直ぐな視線を、受け止めて……反射的に逸らしそうになるのを、意識して受け止め続ける

翠簾野 夕南 : 「わかった。じゃあ、おれも真面目に答えるよ」

翠簾野 夕南 :
「このバカ。
 何が悲しくて、身内に人間爆弾の処理させなきゃいけねーんだ」

卜部影路 : 「じゃあ、皆で心中しろとでも……?」

翠簾野 夕南 :
「ちがうよ。
 言いたいことはわかったから、もしもの時はおれがついていく。
 最悪の場合を考えておきたい影路の気持ちは、おれもよくわかるからね」

卜部影路 : 「……夕南さんじゃ、もしもの時戻ってこれないでしょうが」

翠簾野 夕南 :
「それを言うなら影路だって同じじゃない。
 ディメンジョンゲートって緊張すると使えないんでしょ、条件はそんなに変わらねーって」

卜部影路 : 「0かそうじゃないかじゃ、天と地ほども違うでしょうが」

はじめから諦めるか、最後まで足掻くか、その0と1の差はとてつもなく大きい

翠簾野 夕南 :
「うん、そうだ。だからお前の提案をおれは止めない。
 最初に知ったのは影路、お前で。もしも最悪の事態が起こった場合、それの対処に向いてるのがお前だってこともわかるからね」

翠簾野 夕南 :
「だけどなあ、ひとりじゃやらせられないよ。おれにもひと口噛ませなさい。
 わかったうえで言っているんだろうけど、きついぞ。すごく」

卜部影路 : 「……少なくとも、夕南さんには絶対帰ってもらいますからね」

きっと、もしもそうなったのなら、死ぬほど後悔して、何度も死にたくなるのかもしれない……それでも

卜部影路 : 「……じゃあ、もしものときはあの馬鹿なんとかしてくださいよ、着いてくるって言いかねないんで」
――皆が失われてしまうのだけは嫌だ

翠簾野 夕南 :
「…………」
 難しい顔をしながら、ごくりと緑茶を飲む。

翠簾野 夕南 :
「なあ、影路。もしそういう最悪の事態が起こったとして。
            ・・・・・
 全部終わった──いいや、終わらせたあとにちゃんと戻ってこれる?」

翠簾野 夕南 : 「ゲートがあるから大丈夫、って、そういうことじゃないからね」

卜部影路 : 「もちろん……俺は、そうしなきゃいけない理由があるんで」

翠簾野 夕南 : 「なんのために、って、おれは訊いていい?」

卜部影路 : 「なんのために、っつーか……責任っスかね」

どんな生き物も、結局の所、全ては己の意志で己の道を選択する。
何も選ばずに逃げ続けることも、困難に立ち向かうことも、誰かの言いなりになって選択を預けることも……全てを諦めて終わることでさえも、己の意志で選んで決める。環境や、天運で、結果が一つしか無いことだってあるだろう――それでも、どんな道を通ってその結果までたどり着きたいか選ぶことは出来る。生まれた瞬間から、その生を終えるまで――全ては己が決めた、己の責任で行うことなのだから。

だが、唯一の例外がある。

それが『生まれる』ことだ。
この世に産み落とされる。それだけは、己ではない誰かによって行われる。


だが――

「……俺は、本当はクソみたいな世界を生きることをやめても良かったんスよ」

俺は、俺だけは、この世に自ら生まれたいと願って生まれ落ちたのだから――

「でも、俺は生きることを選んだ……その責任は絶対に果たさなくちゃならねぇ」

数多の命への贖罪に終わることも選べたのに、己が意志で全てを踏みにじっても生きたいと願ったのだから――俺だけは、自ら生まれることを願った俺だけは、生まれてから死ぬまで、全力で生き抜く義務がある

翠簾野 夕南 :
 彼に関する報告書は読んだ。
 細かい情報は機密にかかわるのか伏せられていたし、それを本当の意味で理解できるとも思えない。思えないけれど、どうしても確認しなければいけないことがある。

「だから、生きることは絶対にやめない。
 だから、最悪の場合は傷つくのを自分だけにする。ってこと?」

卜部影路 : 「……それはちょっと違いますね」

己の中で、まだ定まっていないふわふわしたものを、なんとか形にしようと頭を捻る。

――終わっても、失われない。遺されたものを、誰かが繋いでいくのであれば無くなったことにはならない。

「……俺は、そうやって苦しんで、傷ついたとしても、全部抱えて生きていきたい――そう思えるようになりたいんスよ」

そうして、いつか、そんな悲しく辛い思いでも、幸いな日々があったのだと思い返せるようになっていきたい。

翠簾野 夕南 :
「……積み上げて、かっこつけて、胸張れるようになりたい?」

卜部影路 : 「……そこまでは、まだわかんないっスね」

まあ、と口をつぐんで、視線を伏せる。

「かっこ悪いよか、かっこよくは、なりたいっすけど……」

翠簾野 夕南 : 「……はあ」

翠簾野 夕南 :
「かっこいいよ。悔しいけどちょっとそう思った。
 お前は傷つきに行くとか、そういうことじゃなくって、自分にとって大切なもの──悪くないなって感じたことをちゃんと護りたいって。そう思ってるってことだ。多分そうだよな?」

卜部影路 : 「そう、なんスかね……?たぶん、そんな感じ、だと思います……?」

翠簾野 夕南 : 「ちがった? いい線行ってたと思ったんだがなあ」

卜部影路 : 「いや!たぶんそれであってます!そうです!!」

翠簾野 夕南 : 「ん。ん-」

翠簾野 夕南 :
「……あのさ。うまく言えるか自信ないんだけど」

翠簾野 夕南 :
「いい、影路。
 貰った傷をどうするかはおまえの自由だし。
 それを分けあうのも自分だけのものにするのも、封じるのも糧にするのも地獄への切符にするのも自由だ。
 だって結局、自分の傷は自分だけのものだから。良いも悪いもないだろ。そういうのがおれにだってあるのは、わかったよな。さっきので」

卜部影路 : 「それは、はい……分かります」

翠簾野 夕南 :
「うん。だけど、なんつーのかな。
 だけどそれは、積み上げるために自分から傷つきに行きなさいってことじゃないし。                                                                                                                                                        
 護るためって言って、誰かと分かち合ってもいいものをひとりで背負ってゆくのが、一番良いってことでもないよ」

翠簾野 夕南 :
「あんまりこういうの、言語にするのうまくねーんだけどな。おれもまあやるし。だけどお前がこれから背負おうとしてるのって、この街と望月の問題なんだぞ」

翠簾野 夕南 : 「亜梨花のやつ、多分飛び込んでくるぞ~そんなことあったら。んですごい怒るよ。自分がなんでそうしたいのか、そのあとにどうしたいのか。ちゃんと考えながら行動すること。いいな」

卜部影路 : 「それは、もちろん……はい」

翠簾野 夕南 : 「ま、そもそも最悪の事態にならなきゃいいだけの話だしね。……明日は勾玉の関係のこと洗ってみるか。文献が残ってりゃ良いんだが」

卜部影路 : 「そうっすね、これは絶対にありえない『もしも』の話なんで……」

翠簾野 夕南 : 「……んし。じゃ、ここは男の秘密ってことにするか。考えても仕方ねーし」

GM : よき?

卜部影路 : 良いぜ

翠簾野 夕南 : いいぜ。

東雲 亜梨花 : ぜ~

GM : ぜ~

明花あきる : あ、先ロイス更新だけいいか?

神々廻 京 : ZE

明花あきる : 夕南のロイスを信頼/不快感→○尽力/悔悟に変更したい。

GM : あ、更新はOK

<ミドルフェイズ⑩/明花あきる&翠簾野夕南&卜部影路&神々廻京/踏み外して、奈落へ>

GM :

<ミドルフェイズ/踏み外して、奈落へ>

GM :
 ……深夜。十二時/零時にさしかかる少し前。
 京が手に入れた地図に従いやってきた場所は、何の変哲もないアパートであった。
 その203号室。そこに彼は住んでいる──もとい、潜伏しているらしい。

GM :  というわけでシーン登場するヒトは、侵食振って登場してね~

卜部影路 : 1d10 (1D10) > 9

卜部影路 :

明花あきる : 1d10 (1D10) > 8

明花あきる : ここにきて……

system : [ 卜部影路 ] 侵蝕率 : 75 → 84

system : [ 明花あきる ] 侵蝕値 : 68 → 76

翠簾野 夕南 : 1d10 (1D10) > 7

system : [ 翠簾野 夕南 ] 侵蝕率 : 73 → 80

翠簾野 夕南 : ダイスふえた。

東雲 亜梨花 : 前向き~

明花あきる : 大台のったなオマエら……

明花あきる :
「────夕南、オマエまで来てよかったのか? 私ら三人でも大丈夫だろうに」

卜部影路 : まあ、探索には有利だな

神々廻 京 : 1d10 (1D10) > 10

GM :

神々廻 京 : らしいぜ

system : [ 神々廻 京 ] 侵食値 : 65 → 75

明花あきる : 夜の散歩だからってテンション高すぎるんだよどいつもこいつも

翠簾野 夕南 : 「一応ね。目には見えないようにするのが巧いらしいけど、耳はごまかせねーでしょ」

翠簾野 夕南 : ということで透明対策に地獄耳オン。

明花あきる :
「……まァ、正直助かるけどよ」
 事実だけども、あんなことの後だ。残って東雲や望月といてもよかったのに、と思っていたことは、ひっそりと胸に収める。
 それよりも、目の前のことだ。

神々廻 京 : 「助かりますわ」

明花あきる : そういや熱感知知覚、熱を視覚として持つってことだから熱源探知とか見た範囲でできるよな

??? :  ……しばらく張っていると、扉が開く。
 フードを目深に被り、あたりを慎重に見回していた。
 だが、気の緩みか、それとも別の何かに振り回された結果なのか──、

黒澤秋人 :
「……おおっぴらにバレることやるわけじゃないのに、何をやってるんだか、僕は。ああ、いけない、明日を前にして緊張してるのか。しっかりしろ、僕」

 面倒だと言わんばかりにとり、精一杯空気を吸う。

黒澤秋人 : 「──大丈夫大丈夫、うん、大丈夫だ。今度こそ僕が彼女に選ばれる。大丈夫、だいじょうぶ……今日やることだって、単なる願掛けだ。あいつらだって見逃してくれる」

 自分自身に言い聞かせるように繰り返しつぶやき続けるその姿は、変人を通りこして異質とさえ思えるが……とにもかくにも、彼はあなた達に気づくことなく、階段を降りて何処かへと歩き去っていく。

GM :  ──遠目から見る限りでは、アパートに特殊な鍵がかかっている様子はない。

明花あきる :
「…………行ったみてェだな。夕南、なんか聞けたか?」

翠簾野 夕南 : 「……今度こそ僕が彼女に選ばれる──とか、これから願掛けをしに行くって言ってたね」

翠簾野 夕南 : 「……追う? おれはけっこうその気分」

明花あきる :
「彼女、彼女ねェ……懸想にしちゃやることァ物騒だが。確かに、放っておきたくはねェけどよ」

神々廻 京 : 「……二手に分けるというのは?」

翠簾野 夕南 : 「アリだなあ」

神々廻 京 :
「わたくしとしては、当初の目的通りに捜索したいと思います。
 ……あの様子だと何か持って出たとも思えないので」

翠簾野 夕南 : GM、へたくそくんの歩いていく方向ってわかる?

GM : 黒曜山です。

翠簾野 夕南 : だよなあ。

卜部影路 : それこそ本当に神頼みだったりするんじゃねぇ?

翠簾野 夕南 : 神社かなー

明花あきる : 願掛けつってるしな。また頂上のとこいくんじゃねェか?って思ったりもしたが。

翠簾野 夕南 : ……追うだけ追う? 個人的には二手に分かれる方向推しだな

卜部影路 : 追うとしたら一人か二人だろうな

翠簾野 夕南 : おれ行く。妖精の手あるし。

翠簾野 夕南 : もしもの時は判定ごり押せるしな!

明花あきる : 私はガサ入れだな。当初通り。

神々廻 京 : ならお任せして、私もガサ入れに……

卜部影路 : じゃあ俺も行くか……ディメンションゲートはなんやかんや使えそうだしな

翠簾野 夕南 : よし。

GM : 1d2 偶数ならガサ入れから。 (1D2) > 1

明花あきる : 追跡系は不得手だしなァ、私。走ると胸が揺れて痛いし……

神々廻 京 : あとで肩のマッサージをいたします。

GM : では、何も無ければこのまま追跡組からはじめましょう

明花あきる : マッサージ助かる……任したぜ、そっちは

翠簾野 夕南 : 「……行くか。家のほうは任せていいよな?」

明花あきる :
「応とも。私は証拠の方を押さえるから、ソッチは身柄な。しくんじゃねェぞ」

卜部影路 : 「……俺は夕南さんと行きます」

神々廻 京 :
「家宅捜索はお任せあれ。
 UGNの皆様の手腕、ご期待しております」

翠簾野 夕南 : 「さんきゅな。じゃ、いっちょ行ってくるか」

明花あきる :
「こっちは任せろ。……一応、気を付けていけよ、オマエら」

翠簾野 夕南 : 「はいよ」

GM :

<黒曜山>

黒澤秋人 :  適切な距離を保ち、不用意に姿を晒すといった真似もしなければ、意外とあっさり追跡は出来るだろう。
 そこは山頂。あの日、砕け散った碑石が、野ざらしにされたまま残っている。

「……長かったなぁ。クソ親父と喧嘩して家飛びだして……どのくらいだっけ。
 ま、いいや。爺ちゃんを嫌ってたあいつらのことなんか、もうどうだっていい」

 秋人はごそごそと日誌と思しきものを取り出し、感慨に耽っていた。

黒澤秋人 :
「解放してあげるからね。こんな世の中より、もっといいところがある。
 爺ちゃんだってそれを望んでる。──明日は上手くいきますように」

黒澤秋人 :

 確かにそれはルーチンワークの一貫であり、願掛けだろう。
 特に特別なことはしていない。それにも関わらず、言葉の端々からは狂人特有の狂気がにじみでている。

黒澤秋人 : 「……とりあえず、早く寝なきゃな。天船先生が手はずを整えてくれてるだろうし、しくじったら水の泡だ。頑張れ秋人、お前ならできる、秋人」

翠簾野 夕南 : (……なんとも不用心だなあ)

翠簾野 夕南 : 影路のほうを見ます。で、ジェスチャー。

翠簾野 夕南 : あれに 不意打ちで 捕獲できる? です。

卜部影路 : 「…………」
うなずく

卜部影路 : 「…………」

己の裡のレネゲイドを励起する。本来であれば使うべきワーディング、だが、人気のない夜の山中――一瞬、一撃で決めるのであれば必要ない。

3本の指を立てて、夕南の方をちらりと見る。それだけで分かってくれるだろうという信頼くらいは、もう築けている。

GM : ……では、そこまできたところで、一方その頃といきましょう。

GM :

<203号室>

GM :
 ──あきると京は、扉の前に立っている。
 鍵はかかっているが、破壊すれば侵入はできるだろう。エフェクトが仕掛けられている気配もない。

明花あきる :
「……神々廻、鍵開けできるか? エグザイルだったろ、確か。なるべく痕跡は残したくねェしな、“穏便”に開けられるならそれに越したことァねェ」

神々廻 京 :
「ふむ──……そうですね、ピッキングじみた行動になると思いますが」

 爪剣とかで爪をにゅっと細くして開けたりとか出来るんでしょうか(?)

GM : 出来ますね。金庫の鍵ならともかく、安鍵ならばお手のものだろう。

明花あきる :
「なら、頼む」扉の前から少し退く。

神々廻 京 : カチャカチャと開けちゃい……ますかあ!

GM :  ……京が爪でいじくれば、鍵は簡単に開く。
 中は電気がついていないため、薄暗い。

GM :  ……中は家具などが置いてあるものの、質素といった風の部屋だ。
 床に敷きつめられたカーペットや、本棚の歴史書など──見たところは怪しいと感じるものはない。

<小会話①/明花あきる&神々廻京>

明花あきる :
「────なァ」

  ガサイレ
 家宅捜索中。本棚やらめぼしいところに証拠を見つけるため、二人がかりで黒澤明人の家を探している最中。
 あきるは、ふと思い立ったように声を上げた。

神々廻 京 :
「はい、どうされましたか?」

 振り向くことはないが返事が飛んだ。
 時間が惜しい、捜索の手を緩めることはできないのだ。

明花あきる :
「家探しの片手間、つゥのかな。別段、今してることと関係があるワケじゃねェんだが」

 同じように本を手繰る手と視線だけは進めながら、彼女はぽつりと言葉を継ぐ。
 常に単刀直入、告げるべきはばっさりと告げる彼女が、めずらしく躊躇うような前置きを置いて。

明花あきる :
「一つだけ、問答に付き合っちゃくれねェか」

神々廻 京 :
「…………」

 彼女の芯の強さと人柄はここまでで良く把握している。
 その彼女が躊躇い、呟くような感覚で吐いた言葉に強い意味を感じた。

神々廻 京 :
「どうぞ。わたくしで良ければいくらでも」
「メイドですから」

明花あきる :
「……ふ。プロ意識が高ェな」

 ありがとうと言うのは、早いだろう。「仕える者」とは、「主」と呼ぶ者の求めに応えるものだ。それが、当然の仕事だ。
 あきると神々廻の「主従」は、成り行きで、しかも契約を結んだわけでなく形だけ────いわば言葉遊びの延長線上、「ごっこ」のようなものではあったけれど。
 あくまでも、彼女はそれを重んじた。

明花あきる :
「────オマエはさ。ハタチ……いや、違うな。

 『四年経ったら、今やってることと持ってるもの全て捨てて、誰かのモノになれ』。
 そう言われたら、どうする?」

神々廻 京 :

「…………………………」

神々廻 京 :
しばし沈思黙考に耽り(手は止まらなかったが)、ぱち、と目を開けた。
 彼女はこほん、と咳き込んだあと、人差し指をぴん、と立てながら前置きを口にする。

「わたくし今から、メイドにはあるまじき罵詈雑言を口にします。
 気分を悪くされるかもしれないでしょうが、そこはご理解いただけると助かります」



 すっはっ、すっはっ、と深呼吸を何回か繰り返す。
 手を止め、あきるの方へとむきながら、彼女は屈託のない笑顔で返す。

明花あきる :
「…………おォ」

 メイドにあるまじき罵詈雑言。首を傾げつつも、とかく応えてくれるのならばと、手を止めて彼女もまたそちらを向き。

神々廻 京 :

.
「『お断りします。この(大変な暴言)』」
.


明花あきる :
「………………………………おォ」

神々廻 京 :

「と──返します。
 ……とはいえ、個人的な意見です。これが最適解というわけではございません。
 あくまで、わたくしとしては全力拒否でございます」

神々廻 京 :
「己のこれまでを捨てるというのは、己であることを辞めるということです。
 そしてそれを強いるのは、侮辱するという事です」



 そう語る京の顔は大変に笑顔だった。
 それだけ彼女は反骨の心が強いことがわかるが、そこから続けるように彼女は言葉を続ける。

「侮辱するという行為には、命を賭けて立ち向かうべきだと思います。
 たとえ拒否してもそれを強いるのならば、どんな事をしてでも己を貫きます」



神々廻 京 :
「……お嬢様がどのような立場で、どのような状況であることはお尋ねいたしません。
 この質問にどのような意図と、どのような覚悟があったかも問いません」

「今その時ではないからです。
 いずれ──そうなるかもしれないのならば、ここは一つ、立ち向かうことをお勧めいたしますわ」

神々廻 京 :
「そして───」

神々廻 京 :

「それが己の手に余る時。
 あるいは己だけでは無理だと思った時」

「わたくしはいつでもお嬢様を助けにいきます。
 人の繋がりとは、そういう時のためにあるのではないですか?」

神々廻 京 :
「…………と、事情も知らずに言いすぎましたね。申し訳ない」

明花あきる :
 本当に、メイドにあるまじき暴言だった。いや、メイドどうこうどころではない。
 社会生活を営む人間として、よしんばこれがメディア媒体に乗るような作品であったとするならば────誰であれ伏字にしたくなるような、そんな見事な悪口だった。

明花あきる :
 呆気にとられたのも束の間、寛げられたのは流れるような反骨心だ。
 その意は単純にして明快。「侮られるのであれば殴り飛ばす」「命を張ってでも己を突き通す」────淑やかな見た目と鮮やかな手捌きからは想像もつかぬ、竹を割ったように分かりやすい論理だ。

明花あきる :
「────────…………」

 そして。
 それが、あきる自身の境遇であると、理解した上で。
 彼女は、「ならば自分を呼べ」と淀みなく言い切った。

 己の手に余る時。
 己だけでは、無理だと思った時。
                  ロイス
 それを助け、支えるのが────人の“繋がり”であると。

明花あきる :
「(そんなことを、夜辺のジジイも────言ってた、な)」

 オーヴァードとは、理性と狂気の境に位置する者たちだ。
 文字通り人並外れた強大な力を振るえるかわりに、常に人でなくなるリスクを抱えている。
 それを“此方側”に留める鎹こそが、ロイスなのだと。

明花あきる :
「……いや。突拍子もないことを聞いて悪かった。ご明察だ、問いかけたのは、私自身の未来だよ」

明花あきる :
「四年だ。今が十六。だから、ハタチを迎えた時。
 ピアスを外して、番傘を畳んで。扇子を置いて、ゴスロリを脱いで、……探偵を、やめて。

 それで、『なんでもない』私になって、何処の馬の骨とも分からねェ上流階級の男に嫁ぐ。その“使用用途”は、私が生まれた時にはもう、決まってたことらしい」

明花あきる :
「……諦めてたンだけどなァ。東雲見てっと、それもなんか馬鹿らしくなってきたし……テメェの骨のある言葉聞いてっと、なんか、……なんだろうな。

 できンのかもなァ、なんて。……思えてきたんだよな」

 ちょっとだけ、だけど。

神々廻 京 :
「ふふ、お言葉ですが、実に陳腐なしきたりですね?
 生まれた時からレールを敷かれて、それを進むしかない人生……ああ。
 終わりが見えているともなれば、実に退屈だとわたくしは思います」

「……しかしお嬢様はお強い。
 そういう結末を用意されても、己を貫いて探偵として敏腕を振るう。
 そこにわたくしは、お嬢様の『強さ』を感じましたわ」

神々廻 京 :
 ・・・・・
「できるかも、と可能性を感じたのならば。
 まずは『やってみる』ことが大事です」

「そうしてもがいて、足掻いた先に、結末は必ず見えてくる。
 あまり人のことは言えないのですけどね、わたくしはどちらかというと『諦めた側』ですから」

明花あきる :
 強さ、と断じられて、彼女は浮かべた笑みに自嘲を溶かし込む。
 どうして、探偵などという道を選んだのか。それは、

「……違ェよ。探偵てのは、私が選んだ道じゃない。
 名探偵『冬将軍』、つって分かるか? 私の祖父、明花冬三朗────どんな謎だってたちどころに解き明かした、私の“ジジイ”だ」

明花あきる :
「ジジイだけは、『陳腐なしきたり』に雁字搦めの明花の家でも、私のことを普通の孫娘として可愛がってくれてな。……慕ってた。憧れてた。
     ・・・・・・・・・・・・・・
 だから、その真似しかできなかったんだ。私に見えていたのは、ジジイのデカイ背中だけ。選んだんじゃない、それしか選べなかった」

明花あきる :
「……でも。選ぶしかできなかった道でも、歩いてりゃ愛着は湧く。名探偵『千秋楽』って呼ばれるのなんざ、なんだそりゃとも思ったけど。
 ────捨てるにゃ、やっぱり、惜しいんだよな」
   ミス・ミリオンダラー
 《乱れ舞え纏華の焔》というコードネームにしたって、そうだ。どんな揶揄が込められていたとしても、それは紛れもなく、明花あきるが手にしたもの。

明花あきる :
「……テメェが『諦めた側』なんてのは、まるっきり信じられねェが……でも、テメェとのこの“繋がり”も、『私』が手に入れたモノだし、な」

明花あきる :
「マトモに答えてくれて、ありがとよ。幼馴染の言には従ってみるモンだ、なんて、本人にだけは聞かれたかないが」

明花あきる :
「やってみる、か、────な」

神々廻 京 :
「……ふふ、真似、真似ですか。
 よろしいではありませんか、それほど偉大な方であるならば、真似する事に何の罪がありましょうか」

神々廻 京 :
「ええ、そういうことです。
 お嬢様は『探偵』として、立派に活躍されてるではありませんか。
 敷いたレールだったとしても、それは今日までの己を作り上げてきた糧です」



「その糧を全て捨てろだなんて、ねえ? 全く。
 人間をなんだと思っているのでしょう、馬鹿馬鹿しくてしょうがありません!」

神々廻 京 :
「わたくしとお嬢様、そしてお嬢様と皆様。
 全てお嬢様が作り、手にした絆……繋がりです。
 その心の繋がりは、お家事情などというもので断ち切れるほど脆いものでしょうか?」

「いえ、わたくしはま〜ったくそう思いません。
 だって、お嬢様は今、その話をわたくしにしてくれたんですから」

神々廻 京 :
「……メイドには秘密が多いものです。
 本当ならば、話すのが筋なんですけどもね。今は時間がないので、お許しくださいませ」

明花あきる :
「ふは。そうだ、そうだな。
 私は『人形』じゃなくて────『人間』、なんだもんな」

 彼女にとっては、ついこの間知り合ったばかりの「お嬢様」の家の事情など、知ったことではなかろうに。
 『陳腐なしきたり』を、まるで我がことのように憤ってくれたことが。

 きっと言葉の流れであろうとも、明花あきるを「人間」として扱ってくれたことが。
 何より、彼女にとっては一番嬉しいことだった。

明花あきる :
 一介のメイドに、ある種「恥」とすら言える自分の家の事情を寛げたのは何故かと問われれば────それはむしろ、「一介のメイド」だったからかもしれない。
 この地に根付くしがらみとは無縁で、そしてそれらを知ろうと、決してむやみやたらと吹聴するでなし。

 ただ「主」の求めに、真摯と誠実で以て答える。
 そんな「メイド」だからこそ、きっと彼女は、打ち明けられた。

明花あきる :
          メイド         あるじ
「……いいよ。許す。仕える者の秘密なんざ、仕えられる者が詮索するモンじゃねェからな。
 オマエの答えが聞けて、良かった」

明花あきる :
「さ。続き、とっとと探しちまおうぜ。夕南たちの方も、気になるしよ」

 そう告げて、彼女はまたくるりと本棚に向き直る。
 名探偵「千秋楽」として、彼女にはまだ、全うすべき依頼があるのだから。

GM : では、二人共<知覚>で振ってもらおうか。難易度は6

明花あきる : ン。

神々廻 京 : (1+1)dx+1 【感覚】<知覚> (2DX10+1) > 10[1,10]+3[3]+1 > 14

GM : は?

明花あきる : ……ン~~。熱感知オンにして……えェ

神々廻 京 : ヴェ……………………………………

明花あきる : ……熱感知オンにして目標値さげられたりはするか? 侵蝕ボーナスあってもダイス2個なんでな

GM : ふーむ。では5になるかな。

明花あきる : 下がってくれるだけ御の字だ。振るぜ

明花あきる : 2dx+1>=5 (2DX10+1>=5) > 8[4,8]+1 > 9 > 成功

明花あきる : オーケー。

GM :
 ……京は経験から、あきるは熱の知覚により、下の空間の温度が違うという発見から。
 二人はそれぞれ、このカーペットをめくったフローリングの下、そこに空洞があることに気づける。

GM :
 間違いなく、何かを隠せる。そんな空間だ。

神々廻 京 :
「……あらあらまあまあ」

明花あきる :
「一丁前に改築たァなァ。大家が知ったら泣くぜ、コレ」

GM :  開ければ、中には大量の資料が入っていた。
 ……その内の八割は、あきる、あなたが見た"図書館から盗まれた資料"と一致するだろう。

神々廻 京 : 「これは……」

明花あきる :
「ビンゴだぜ。何よりも雄弁な”古書泥棒”の証拠だ。押収だ押収」機嫌良さそうに扇子を一振り。

神々廻 京 : 「内容、確かめてみますか?」

GM : コピーとってるぶんは、ほとんど一緒だ(とりあえず)

GM : しかし、残りの2割は、図書館にはないものだった。

明花あきる : 図書館からとられたものは全てここにあったってことでいいのか?

明花あきる : 八割分。

GM : イエス

明花あきる : オーケー。上々だ

神々廻 京 : あーじゃあこの2割がアレかな……家から持ち出したやつかな……?

GM : ※残りの2割※
【神語研究所実験記録】
【古びた遺書。黒澤修一郎の名が記されている】
【日誌1 ※黒澤秋人】
【砕け散った勾玉と、"夜辺甚五郎"の名が記載された手帳】

明花あきる :
「いンや。中身検めンのは後だ。タイトルだけ確認してくれ、図書館から盗られた分についちゃこのメモに起こしたからよ。
 夕南たちが身柄抑えてるにせよ、ホシのねぐらなんぞでゆっくり寛ぐ趣味はねェしな」

神々廻 京 :
「ええ──……【神語研究所実験記録】……。
 黒澤修一郎……これは、遺書でしょうか。
 それと日誌……」

 そして最後に見つけたものに、目を丸くして。

「……壊れた勾玉と、手帳……"夜辺甚五郎"──」

明花あきる :
「────────じんの?」

 ぱ、と反射的に顔を上げてしまってから、一瞬気まずそうに視線が泳ぐ。
 ……しかしすぐに神々廻の顔に戻して、一つ頷いた。

GM : とりあえず持ち出した上で、きになるもの……それこそ、図書館にはなかった2割の部分を見ていくことになるだろう。

明花あきる : 一応確認したいが、この部屋にはほかに手がかりになりそうなものはないんだな?

神々廻 京 : 「……え、ええ、そう書かれております」

GM : ないですね。

明花あきる : オーケー。……じゃあちっと検めるか

神々廻 京 : いざ

明花あきる :
「……死人の遺品を、覗くのが趣味の悪ィことだってのは分かってるが」

 それでも────と、内心で亡き人に謝罪を零してから。
 夜辺甚五郎の手帳を、開く。

神々廻 京 :
「……横から失礼します」
 ちら、とあきるの横から手帳の中身を見て──

GM :
【砕け散った勾玉と、"夜辺甚五郎"の名が記載された手帳】
 日誌も兼ねていたようだが、機密事項を記していたために、肌見放さず持ち歩くことになっていたもの。
 あきるや夕南、P市支部に勤めていた者たちを案ずるような記述も多い。

GM :
 風邪引いてないかだの飯食ってるかだの、鬼神と呼ばれた男の印象からは程遠い、好々爺のごとし内容が連ねられていたが……。

GM : ──最初の方、一番古い記述に、【八尺瓊勾玉】に関する内容が記されている。

明花あきる :
「────────…………勾玉」
 自分のことや、夕南のこと。ああ、いかにもあの男らしいと知らず頬を緩ませかけたその時、一番最初の方のページに記されていた単語に息を呑む。

神々廻 京 :
「……」
 ごくりと生唾を飲み込む。
 この先に重大な情報があるという、その緊迫感に身を包みながら。

GM : 【八尺瓊勾玉】
 思うに、あれは"鍵"だ。封じ込めて、化け物を育てるために使うというわけじゃあない。
 カンガタリの奴らは、これを兵器転用すべく埋め込んで使用していたようだが、不完全だろう。
 不完全だから。少女を酷く苦しませていたのだ。胸糞悪い話だが、ひとまず置いておく。

GM :
 育てに育て上げて、壊すことで、中の悪意を宿主に感染させる。
 終戦間際に埋め込んだ勾玉を切り離してもなお紐付けはされたままだ。

 ……だから、眠りにつかせろと朔は言っていた。その間に、封印の手順さえ確立できれば、平和なままだと。
 

神々廻 京 :
「………………………………………………」

GM :  儀式的な手順で、朔の眠りを保つ。
 否、勾玉の悪意が、望月/朔に干渉出来ないようにする。
 だがそこまでやっても不完全だ。俺が持っていても、遠ざけたくなるような狂気にとりつかれることがある。

GM :  ……とにもかくにも、勾玉さえ維持できていればなんとかはなる。
 だが、コイツの中の悪意を欲しがる連中もいるだろう。だから、これは肌見放さず持ち歩くことにする。

GM :
 俺たちは大馬鹿者だ。
 小さな女の子を護るために、逃げたいという感情が作り出したもうひとりの女の子に仮初の平和を護らせる、屑野郎どもだ。
 だからそれを維持し続けなきゃならないが、もしものときにと、俺は朔と契約していた。

GM :

   ・・・・
 ──私を殺せ。私が、私でなくなる前に。

明花あきる :
「────────────ッ、」

 総毛立つ。

 一番最悪なシナリオが推理できてしまって、ああ否、気のせいであったらよかったのにと────けれど、ノイマンの理性が否定証拠も無しに可能性を封殺することを許さない。

明花あきる :

神々廻 京 :
「維持するための勾玉。
 ……それが砕けているということは」

 ……あきるの様子を見ながら、敢えてもう一つの事実を口にする。
 

明花あきる :
                 ・・・・・
「……いや。いや、いや。待て。違う、朔じゃない」

明花あきる :
「『夜辺のジジイが狂いかけたから朔がアイツを殺した。その結果、封印が解けた』────それじゃ因果が逆だ。違う。
  ・・・・・・・・・・・ ・・・・・・
 『ジジイが殺されたあとで、封印が解けた』。時系列から考えればこうであるはずだ。そして加えれば、ジジイ自身が殺されたことが、朔の封印と直接結びついている証拠はない」

明花あきる :
「ジジイそのものが封印の要というより────この勾玉こそが要。そしてそれを守っていた……否、唯一守ることができたのが、ジジイだったんだ。
 守護者たるジジイが死んだから、勾玉が破壊された。そうであるはずだ」

明花あきる :
「それに、ジジイそのものが要だってンなら、朔にそれを壊すよう約束する理由がない。
 ……勾玉が破壊されてる以上、そこを論証したところでどうにもなんねェけど」

神々廻 京 :
「……ええ、勾玉はこの通り破壊されている」

「何か袋はございますか? 遅いですが、この勾玉の残骸は保管しておくべきでしょう」

明花あきる :
「……そうだな。こんなトコに野放しにしとくんじゃ、あのジジイも浮かばれねェ。せめて糸口くらいにはなってくれなきゃ、な」
 ポーチから小さめの巾着を取り出して手渡す。

神々廻 京 :
「それと……他の資料も一応目を通しておきましょう。
 黒澤秋人の動機についてもはっきりするでしょうし、FHとの繋がりも多分、書いてありそうですし」

 巾着をもらって手袋越しに勾玉の残骸を入れながら。

GM :  ……マスターマインドの余裕の理由は、恐らくこれだ。
 否、そもそもマスターマインドの指揮下にあった何者かが夜辺を殺した。

 既に封印が解け、事態は順調に進んでいる。
 堰は切ったのだから、あとは押し流すだけ──といった具合に。

GM : 【神語研究所実験記録】
 黒曜山の山中にかつて構えられていた、大日本帝国奇跡調査部隊"カンガタリ"の研究所で行われていた実験の数々。
 戦時下であったために法も倫理も無視されているものが多い。

 ……被検体番号四○一一/十三歳/女性/【八尺瓊勾玉適合実験】使用。
 そう書かれた書類には、望月にそっくりな少女の顔が映っていた。
 目には生気の光が宿っていないようにも見える。

明花あきる :
「……ン。助かる。オマエが持っててくれ。次は実験記録────」

明花あきる :
「……まァ、分かってたことではあるけどよ」
 ページをめくる。望月にそっくりな、しかしあの無邪気な童女の顔からは思いもつかないような、生気の失われた顔に、眉を顰めた。

神々廻 京 : 「……悍ましいことです」

神々廻 京 :
「ここまで事態が進んでいる以上は、遅れてこれらを知ることになったわけですね。
 ……全く、戦争というのは人をどこまでもおかしくさせるものです」

明花あきる :
「文明の進歩は人道の犠牲無しには不可能だなんて、信じたくねェけどな……」

神々廻 京 :
「そういうのが罷り通ってしまう時代だったというのは、わたくしも信じ難いです。
 さて……それを見てしまった男は如何にして関わったのか」

 へたくそくんの日記を読みたい

GM :

【日誌1 ※黒澤秋人】

GM :
(1)
 ようやく鍵を見つけ、こっそり爺ちゃんの日記を見た。
 そこにあった一人の女の子に、僕は心を奪われた。……って言っても、恋とかじゃない。
 多分、爺ちゃんが最後に悲しそうな顔をして死んだ原因ってやつなんだと思う。
(2)
 調べていくうちに、その子は月に関する何かを秘めているってわかった。
 わかったけど……おとぎ話だろ、そんなの。かぐや姫じゃああるまいし。

GM : (3)
 Jack podとかいうやつに呼び出された。怖かったが、クソ親父を騙すっていう快感にまけたのかもしれない。
 とにもかくにも会って話すと、そこには仮面を被ったやつと、黒髪の女の人がいた。
 その人は、天船巴と名乗っていた。

GM : (4)
 天船巴は、僕に力をくれた。
 そして、知らなかった真実を色々と教えてくれ……【この紙を読めば、邪魔者も蹴散らせるようにしてあげる】と言われた。
 言われるがままに読んだら、なんだか強くなったような気がした。……僕を襲う化け物にも、自然に対応できるようになった。

 軍人や世の中のクソどもに、爺ちゃんは虐められて死んだんだ。
 危険な技術をつくっていた? 決めつけもバカバカしい。爺ちゃんは世の中のためになることをしたんだ。
 だから爺ちゃんのあとを継ぐ。あの子のための世界を創り上げて、夢を叶えるんだ。そうすれば僕だって、認めてもらえるはずだ。

GM :
(5)
 どうやら、"朔"ってやつが邪魔らしい。
 先に手に入れてしまえば、言いくるめられるって言ってたけど。
 でも、天船は最悪の場合はこちらで消すことも出来るって言っていた。──言われたことだけをしていれば、それだけでいいとまで。

GM : (6)
 待ってて。
 僕が、キミのための世界を作ろう。爺ちゃんにできなかったことを、僕がやるんだ。 

GM : ……そして、【この紙を読めば、邪魔者も蹴散らせるようにしてあげる】の内容ですが、ふりがなが振られた意味のない漢字の羅列です。
しかし、オーヴァードとしての本能が、あなた達にそれを読むことを避けさせてきます。

GM : 内容を知りたい場合は、RCで難易度10で判定してください。

神々廻 京 : 10……!

明花あきる : 判定に成功すれば、安全に解読できる。
失敗すれば……衝動判定ってところか?

GM : 無理に読もうとした場合は当然ペナルティです。何とは言わないが

GM : ちなみに、文章的には本当に意味のない言葉の羅列です。暗号というわけでもないらしい。

明花あきる : この場では解読や分析を試みず、持ち帰るのはアリか?文書だし

明花あきる : 正直、ペナありをここでやるのは避けたいな。せめて、妖精の手持ちの夕南がいるところでやりてェ

GM : あ、いや

GM : ペナが出るのは、忌避感の正体を突っ切って読んだ場合ね。

明花あきる : ン?判定に失敗したうえで、なおも読もうとしたら、ってことか?

GM : 言い方が悪いな。解読しようがしまいが、声に出して読み上げた瞬間に私はペナルティを付与します。RCで成功すれば、ペナルティの中身が分かる感じ。

GM : ですね>判定に失敗したうえで~

神々廻 京 : なるほど……

明花あきる : なるほど。失敗したら強行せず、諦めれば大丈夫と。そういうことだな

明花あきる : 無論、声には出さず、な

GM : です。よくわかんないけど怖い、意味の分からない文章になるか、意味の分からない文章だけど忌避感の正体はわかる、みたいなアレ

明花あきる : 成程。ならやってみる価値はある

神々廻 京 : CoC感

神々廻 京 : やるだけやってみますか

明花あきる : オーライ

明花あきる : 6dx>=10 (6DX10>=10) > 8[1,2,4,5,5,8] > 8 > 失敗

神々廻 京 : (1+1)dx+0 【精神】<RC> (2DX10) > 10[8,10]+2[2] > 12

GM : は?

神々廻 京 :

明花あきる : ……おォ

GM : ……えー

GM : では、京、あなたは過去の仕事で、【文章自体に仕込む暗示】などにあたったことがあるのだろう。

GM : これは、読み上げた人間に、文章に仕込んだプログラムを埋め込むウイルスである。
データ的にはこんな感じ。

神々廻 京 : fmfm

GM : 《ブレインジャック》
①"天船巴"の関係者以外に害された場合、意識の外であっても必ず反撃エフェクトを使用する。
②捕縛された場合、必ず自害する。天船巴にとって不利益となる情報を、生死の間際という"人間の底"が見える時に出させないためである。

GM :

 ──この文章の効力に抵抗した場合は、自らの持てる全ての力を使って自死せよ。

GM : 天船巴が、《ブレインジャック》を仕込んだ紙です。読み上げなければ害はありません。
……が、推測できるのは、黒澤秋人にこれを"強くなる魔法"として読ませていること。

GM : 戦闘行動と反撃行動に関してだけは、行動が最適化されているでしょう。本人の意志で動いているように見せかけて、マリオネットの如く操られるのだから。

明花あきる :
「……ダメだ。どうにも気持ち悪ィな……神々廻、オマエは? 平気か?」
 緩く頭を振りつつ、努めてその文章から意識を逸らす。神々廻のほうに頭を巡らせて、顔色に異変がないかどうか見やる。

神々廻 京 : ええと、《ブレインジャック》である、ということを伝えるのは問題ない……?のかな、これ 内容を読み上げるのではなく

神々廻 京 : それともぼかして伝えた方がいいのかしら

GM : あ、文章そのまま読み上げなければ問題ないです。

明花あきる : キーワードを読み上げるのがアウトなんじゃねェの?

神々廻 京 : ヨシ

GM : エフェクト:《ブレインジャック》のトリガーが、これを読み上げたとき、なので。

神々廻 京 :
「……ふむ、気分が良いとは言えませんが。
 しかし幸運でしたね、読み上げなければ問題はありません」

「ただし、懸念事項というか……大変まずいことが1つ」

神々廻 京 :
「黒澤秋人はこれを読んでいます。
 読んだことによって──……おそらく、捕縛に向かったこと事態が徒労に終わるかもしれない、という事です」

明花あきる :
「……は? それは……まさか、暗示か何かか?」

神々廻 京 :
「その通り。
 身に害を与える行動をとれば、黒澤秋人は躊躇いなく反撃するでしょう。
 ……最悪、荒事になる可能性だってある」

神々廻 京 :
「巧妙なものです。クソ女と呼ばれるのも理解できるくらいの用意周到ぶり。
 ……少なくとも、黒澤秋人の命の保障はなくなった、というところですかね」

明花あきる :
「チッ、悠長なことしてらンなくなったな。泥棒野郎の命がどうなろうが正直知ったこっちゃねェが────夕南たちが危ないってンなら、行くしかねェ」

GM : で、最後。遺書の方だ。

GM :

【古びた遺書。黒澤修一郎の名が記されている】

神々廻 京 :
「……ええ、その前にさくっと遺書も読んじゃいますね」

明花あきる :
「そうだな。とっとと目を通そう」

GM :

 朔月は望月を護るために生まれ、狂気に蝕まれ続けながらも、彼女を護るために自我を維持している。
 ゆえに朔月を、壊してはならない。

GM :  彼女が完全に消えてしまえば、この世は狂気という名の闇に閉ざされる。
 私の、否、私達カンガタリがしでかした、おろかな実験のせいで世界が終わるだなどと、あってはならない。

GM : 遺書は以上です

神々廻 京 : さくっと読めたぜ

GM :

 月が沈まなくなればそれは異常だが、
 月が出続けるのもまた、異常。

GM :
 故にその表裏一体の関係性が、悪意という狂気によって壊されれば──日常は非日常へと、容易く裏返りかねない。

GM :
 ……というのが、遺書のざっくりした印象です。

GM : (※今日は反応見てココマデ!です)

明花あきる :
「望月と朔月は、二人で一つ。精神の過負荷からの逃避、もう一つの人格……だからこそ、アレを引き剥がすことはできない。

 ────なら、朔の望んだ『独り立ち』ってのは、一体どういうコトだ……?」

明花あきる :
「……いや、今は考えてる場合じゃねェ。夕南たちが危ない。
 神々廻、行くぞ」

神々廻 京 :
「……」

「……一人の少女に与えた苦しみを、ずっと後悔していたのですね。
 ……全く、後悔してからは遅いというのに。仕方のない、ことです」

 ──……ノイズのように脳裏に写った誰かを、さっと消し去りながら。
 資料その他を纏め、目を閉じた。

神々廻 京 :
「ええ、急ぎましょう。
 まだ、間に合うはずですから」

明花あきる :
 全ての資料を押収し、破壊された勾玉をも収め。
 明かされた事実と、焦燥を胸にして────走る。

GM : ◇◆◇◆◇

卜部影路 : ーーーーーーーー

卜部影路 : 三本立てた指のうちの一つを折る、二

視線を前へ、ただ対象へ向けて集中する。己の裡にあるレネゲイド、励起されたそれは、己のイメージか、あるいは一箇所に集約した副産物か――卜部影路の瞳を紅く染め上げる。

二本のうちの一つを折る、一
彼我の距離など関係ない。

卜部影路 : 裡から溢れ出したレネゲイドの力が、己の意志を受けて世界を歪める――どこにいても、誰であっても、死神の瞳は見逃さない。

不公平な世界で、それでもなお、平等で絶対的なソレ――卜部影路が信じる、最悪の形のヒトツ。

最後の一本が折れる、その瞬間。限界まで己の裡で圧縮されたそれが解き放たれる――

卜部影路 : (本来はセットアップに使うんだが)
加速装置(行動値+12)
因果歪曲LV2+黒星の門LV1+悪魔の影LV1+死神の瞳LV7

卜部影路 : あ、すまん、因果歪曲無しで、単体なら必要ない

卜部影路 : 代わりにコンセ2を積むぜ

黒澤秋人 : 了解だ。

卜部影路 : 10dx8+8 (10DX8+8) > 7[1,2,2,3,5,5,6,6,7,7]+8 > 15

黒澤秋人 : では、特に影響あるものはないので、こちらも演出でセットアップを前倒しに……。……?

黒澤秋人 : ……?(ダイス十個をC8で振って出るあるまじき数値を前に真顔になる)

翠簾野 夕南 : …………

黒澤秋人 : 反応を待ちます(すなお)

翠簾野 夕南 : 《妖精の手》! 一個クリティカルにする。

卜部影路 : 助かる

黒澤秋人 : はいよろしぃ!!!!(見なかったことにして続行)

卜部影路 : 1d10 (1D10) > 8

卜部影路 : よし、26だ

黒澤秋人 : クリティカルですね!!!!つぎ!!!

翠簾野 夕南 : 7を10にして18,で8加算だな うむ

卜部影路 : 1d10 (1D10) > 5

卜部影路 : 合計31だな

黒澤秋人 : 31ですね!!!!よくやった!!!!

system : [ 翠簾野 夕南 ] 妖精の手 : 3 → 2

卜部影路 : というわけで、俺は描写を書いていく……ので、回避判定と夕南さんの攻撃判定等進めておいてくれ

翠簾野 夕南 :
「……影路、視るのはそこだ──おれの剣先に意識を合わせて」

黒澤秋人 : あ、ガードです(すなお)。

卜部影路 : 出来ないぜ

黒澤秋人 : できないっけか。

卜部影路 : いや、しても良いんだが……俺の攻撃はダメージがない

卜部影路 : 正確には意味がない、だな

卜部影路 : とりあえず書いていくぜ

翠簾野 夕南 :
 ささやく小声で示しながら、刀を引き抜いて彼へ差し向ける。
 暗闇に同化するような黒い刀身が、レネゲイドの励起に合わせて掌の中で震えた。寝起きの動物が身じろぎするように。

翠簾野 夕南 :
 剣のささやきが、ひとみを開いた影路が視るべき最適な場所を示す──

黒澤秋人 : ん?でもどのみち命中出してるってことはダメージロールステップ入るんじゃないっけか……

翠簾野 夕南 : あ、いや

卜部影路 : 死神の瞳は組み合わせたエフェクトダメージを0にする射撃攻撃だ

黒澤秋人 : あー、なるほど。

翠簾野 夕南 : で、そのかわりにダメージを増幅するデバフくっつける

黒澤秋人 : なしなしの身のなし人間になったわね

卜部影路 : なのでガードしても良いが、ダメ元回避のほうが良いって感じだな

黒澤秋人 : ダブルクロスで敵にドッジ積んだらクソゲー化する(こだわり)のでガードで。

卜部影路 : よし

黒澤秋人 :
「──ァ?」

 黒澤秋人はその時、己の全神経に何かが命令するのを感じた。
 敵がいる。排除しなさい。それはあなたの大望を邪魔するものであり、この世界には要らないもの。
 まるでそうプログラムされたかのごとく、彼の内側のレネゲイドが増大する。衝動に任せ、光を溢れさせる。

 歪められた世界に認識され、体がひしゃげるような激痛を覚えたとしても、彼は己を邪魔する者を許しはしない。

黒澤秋人 :
「──ハハッ、ここで邪魔が入るんだ。上等だ。僕の悲願を邪魔するなら、殺して通るまでだ!」

 右手を無理やり持ち上げて掲げ、光と稲妻でもって武装を構築する。
 それは、彼が夢見た宇宙の象徴。地球を荒らし尽くしたあと、真っ暗闇と光の世界へ飛び出さんとした、あくなき人類の探究心。

「誰よりも先に辿り着かんと誓ったのならば、あらゆる技術、武装、そしてそれを成す心で以て征服すべし──」

黒澤秋人 :
「顕現せよ我が衝動(いのう)──【 Luna_02 】ッ!」

 召喚といっていいほどの過程をヘて現れるのは、小規模な人工衛星だ。
 だが、その先端には砲口と呼ぶべきものが取り付けられていた。
 まさに戦争。苛烈な宇宙開発を象徴するかのような、歪んだソレが、あなた達に向けられる。

黒澤秋人 : セットアッププロセス:《光の銃》宣言。攻撃力に+6だ。

黒澤秋人 : というわけで次!ゆ~なのターンです!

卜部影路 : よし、とりあえず先に俺が落としちまうか

卜部影路 : そっちのが書きやすそうだしな

翠簾野 夕南 : おす。

卜部影路 : 収束し、極限まで引き絞られた視界がその言葉に導かれる――視覚で見るのではなく、オーヴァードとしての力で『観る』

「――――!!」

瞬間、視界が開ける――否、開けたと錯覚するほどに、対象の姿を完全に捉えている。

――掴んだ。

当たる前に、確信があった。
奔るレネゲイドの力は、形を変えて己が意志を世界へ刻み込むための『力』となる。

現れるのは無形の重力レンズ。二十四枚の積層したそれは、対象へ向けた道標(マーカー)であり、銃身(バレル)であり、加速を促す起爆剤(カタパルト)だ。

道が繋がる。死神が導く、致命の場所へと。

そして――

卜部影路 : 「――逃さねぇ」

ポツリ、と呟いた言葉は、意思表示ではなく宣告だ。既に、憐れな標的は『終わって』いる。
音もなく、匂いもなく、重さも、触感すらなく――死は、影のようにその背中に忍び寄る。

故に、気付いたときにはもう手遅れなのだ。

対象の落とす影。夜闇にあって、なおどこまでも深い闇を落とすそれは――溢れ出し、対象の四肢へと絡みつく。手足、どころか指一つ、髪の毛一本動かせない影の束縛。

――絶対なる平等は、誰にでも追いつき、呑み込んでいく。

卜部影路 : 次の攻撃のダメージが+9d&相手はリアクション不可だ

黒澤秋人 : でかい

翠簾野 夕南 :
(……体が反応する前にレネゲイドが反応した!
 あの女の入れ知恵かな──)

黒澤秋人 : 「ああくっそ、ウッザいなぁ……!
 だけど、ああ、いつもより調子がいい。やっぱりあの呪文は本当だったんだ!」

翠簾野 夕南 :
(……出力はまだしも、身体の使い方は未熟だ。これなら)

翠簾野 夕南 :
(……捉えられる)
 陶酔する少年はきっと気付けていない、足元にいざり寄った影が足を止める。よしんば気付いたとして、もう手遅れだ。
 その瞬間におれは音もなく走り出して、戟尺の距離まで詰めていた。

黒澤秋人 : 「──ッ!?」

翠簾野 夕南 : コンボ我流・稲光! 《コンセントレイト:ノイマン》《コントロールソート:白兵》《コンバットシステム》で攻撃!

黒澤秋人 : うわっ懐かしい名が

黒澤秋人 : ではなくダイスを振りな

翠簾野 夕南 : 11dx (11DX8+4) > 10[2,2,4,6,6,8,10,10,10,10,10]+10[2,4,6,6,8,10]+10[8,9]+10[5,8]+3[3]+4 > 47

翠簾野 夕南 : ッシ!

黒澤秋人 : いたいんだよ!!!!!!!!

黒澤秋人 : ドッジはしない、ガードだ!!!

卜部影路 : それはどうかな?

黒澤秋人 : あ、ごめん、リアクションできないんだった。

卜部影路 : 悪魔の影の効果発動!お前はリアクション出来ない――つまり、ガードすら出来ないぜ

黒澤秋人 : カン☆コーン

翠簾野 夕南 : ダメージロール! 5d+9dで14dだ!

黒澤秋人 : おいなんだあのダメージロール

翠簾野 夕南 : 14d10+9 (14D10+9) > 77[1,1,10,5,10,6,1,5,9,1,4,9,9,6]+9 > 86

卜部影路 : 期待以上、さすが夕南さんだ

黒澤秋人 : 痛いんだよォ!!!!

system : [ 翠簾野 夕南 ] 侵蝕率 : 80 → 87

黒澤秋人 : 黒澤秋人のHPは80、問答無用で0になる数値だ。だが甘いぜ海馬。

system : [ 卜部影路 ] 侵蝕率 : 84 → 98

黒澤秋人 : ──罠カードオープン! 《鏡の盾(マジックシリンダー)》!
HPダメージ算出時、60点を反射する!

卜部影路 : これは……どっちに飛んでくる?両方か?

黒澤秋人 : 殴った方だからゆ~なさんにですね。

黒澤秋人 : まずはこっちから処理しましょう

黒澤秋人 :

「ガッ──」

 実戦の痛み。全神経を襲う危険信号。
 当然肉体など何一つ鍛えていない青年がそれに耐えきれるはずもない。意識を飛ばしかけるが、それを"呪い"は許さない。
 "信号"に応じて励起されるレネゲイドウイルスの狂奔。それが、彼の意志でもって顕現している人工衛星に送られる。

            ブラスト
「調子乗るナァッ──【砲撃/粛清】ッ!!」

 招来した人工衛星が、光と雷撃の砲を至近距離で叩き込む。
 激痛に叫ぶウイルスにより、威力は折込ずみ。やり返すことだけを考えた、逃さないと言いたげな爆撃。

卜部影路 : 「――夕南さん!?」

黒澤秋人 : そしてEロイス《不滅の妄執》を使用! HP1で蘇る!

黒澤秋人 : 【 Eロイス:《不滅の妄執》が発動しました 】
使用者:黒澤秋人
解除条件:現時点では不明。
効果:HP1で蘇生

翠簾野 夕南 :
(“我流”──)

 伸びた影の路を頼りに夜を駆ける。 ブラックドッグ/エンジェルハィロゥ
 顕現した巨大な鉄の塊は、あきらかに電子操作と光操作の能力を示していた。
 知覚に優れる筈のふたつのシンドロームでさえ気付かれない死神の視線は、その刃が届く距離までおれの身体を彼に気付かせずに届ける。
 月明かりに濡れる刃が、血を啜ることを悦ぶように手の中で唸った。

翠簾野 夕南 :
 ──意識を切り替える/適切な位置へ刃を差し込むための計算。
 獣の如く身体を屈める/腰だめに構えた刀は抜き打ちを思わせる体勢で。

翠簾野 夕南 :
(──“稲光”)

 ……斬。
 音を置いてけぼりにして、刃が奔った。
 彼がおれに気付いた瞬間には、もう手遅れだ。

 血色の燐光を纏った愛刀が、彼の身体を容赦なく叩く。

翠簾野 夕南 :
 だが──

「……ッ、く……」

 至近距離から叩き込まれた光は、想定される彼の能力を大幅に超えておれの身体を燃やした。苦悶の声を歯を食いしばって噛み殺し、生きよと叫ぶレネゲイドの声に応えて沈む身体を奮い立たせる。

翠簾野 夕南 : 《リザレクト》!

翠簾野 夕南 : 1d10 (1D10) > 10

system : [ 翠簾野 夕南 ] 侵蝕率 : 87 → 97

system : [ 翠簾野 夕南 ] HP : 27 → 0

system : [ 翠簾野 夕南 ] HP : 0 → 10

黒澤秋人 :
「やったな、よくも、やったな……!
 ああ、クソッ、悠長なことやってないでさっさとぶっ殺すべきだった! 市ごとふっ飛ばせばあの子も手に入るってのに、何やってたんだ僕は!」

 言動が支離滅裂となっていく。
 人間として壊れていることの証明だが、明らかにその進行速度が速すぎる。
 これでは毒を注入されているのと大差はない。血に塗れながらも、癇癪を起こした赤子のごとく叫び散らかしながら立ち上がった。

黒澤秋人 :

 ・・・・・・
「僕が許可するッ!!
 彼女を縛る山ごと焼き払え、【Luna_02】!」

翠簾野 夕南 :
「……ッ」

 名前を呼ぶのは良くない。後ろ手にジェスチャー。
 『大丈夫だから、退避準備』──だ。

翠簾野 夕南 : GM、ここでワーディング挟めるか!?

黒澤秋人 : OK!

卜部影路 : 俺が張ってもいいか?

翠簾野 夕南 : よい!

黒澤秋人 :
 それに合わせ、唸りをあげる衛星砲。
 花弁が開くかのごとく、内蔵されていた機構が顕になった。
 エネルギーを収束するための装置。光を集めるための鏡。砲撃を充填するための機関。
 最早軍事衛星そのものと化した、それこそ天からの眼を思わせる装置が、オーヴァード二人に向けられる。

(マイナー)
《雷の加護》(Lv3)+《主の恩恵》(Lv2)+《シャインブレード》(Lv5)
ダイス:+5
攻撃力:+5

卜部影路 : 「――ッ!!」

一瞬の躊躇い、だが、己がここにいたところで足手まといになるだけなのは目に見えている。光の速さで飛来する攻撃を、先読みして回避できるほどの戦闘技術など己にないことは知っている――むしろ、背中を気遣わせる分、夕南さんのじゃまになる。

「ワーディング……!!」

戦闘が外に漏れないように帳を下ろすと同時に、味方へと戦闘を報せる狼煙を上げる。

黒澤秋人 :

 遠慮は要らないブチ殺せ。
「エネルギー収束、砲門構築」

 あの子をしばり、僕を邪魔するヤツ全て。
「リミッター解除、ターゲットロックオン」

「──発射よォォォォいッ!!」

黒澤秋人 :

「全員焼け融けろォッ、【衛星砲/Владимир Комаров】!!」

《アタックプログラム》(Lv3)+《雷の残滓》(Lv2)+《主の右腕》(Lv3)+《スターダストレイン》(Lv1)+《コンセントレイト:ブラックドッグ》(Lv2)
攻撃力:+6(-15)
命中判定達成値:+4
バステ:邪毒(Lv2)
C値:8
対象:シーン(選択)/範囲:視界

黒澤秋人 : 12dx+7 (12DX8+7) > 7[1,2,3,3,4,4,5,6,6,6,6,7]+7 > 14

黒澤秋人 : は?

翠簾野 夕南 : やっべおれ妖精の手あるから侵蝕100超えてるわ

system : [ 翠簾野 夕南 ] 侵蝕率 : 97 → 101

翠簾野 夕南 : ワンチャン!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

翠簾野 夕南 : ドッジ!

卜部影路 : ドッジ!!

卜部影路 : 3DX+1 (3DX10+1) > 7[3,4,7]+1 > 8

卜部影路 : くっ

翠簾野 夕南 : 4dx+1 (4DX10+1) > 10[7,8,8,10]+1[1]+1 > 12

翠簾野 夕南 : オオオオオオオオオオオオオオン

翠簾野 夕南 : ………………

翠簾野 夕南 : 待てよ?

翠簾野 夕南 : ロイス切るより4点増える方が安い!

翠簾野 夕南 : 《勝利の女神》で回避!

黒澤秋人 : 事故はなかった

system : [ 翠簾野 夕南 ] 侵蝕率 : 101 → 105

翠簾野 夕南 : っぶねえ!

卜部影路 : これを回避するとは、さすが夕南さんだ

黒澤秋人 : オラァ死神の瞳の返礼だ!!!!あ、邪毒はあげる

卜部影路 : いらねぇ!!

黒澤秋人 : 2d10+6 まぁそう言わずに (2D10+6) > 7[6,1]+6 > 13

黒澤秋人 : 2d10振って7とかよく抜かせたな

翠簾野 夕南 : しかもけっこうHP残る感じだ すばらしい

翠簾野 夕南 : 「……っ、っぶ、ねえッ」

翠簾野 夕南 :
 光の奥まで目を凝らして、砲門が燃やす場所を見極める。
 出力ばかりは立派だが、それと技量が明らかに吊り合ってない。いつ、どこを燃やすかが理解れば、回避は不可能じゃなかった。

翠簾野 夕南 : (……紙一重だったけど! 一面燃やされちゃ、攻撃の隙間なんてあってないようなもんじゃねーかッ)

黒澤秋人 : 「ハハッ、ハハハハハッ!!! モう一発ダ! もう一発ブチこんでヤれッ、【Luna_02】!」

 光/雷撃の組み合わせによる、自分の作り出した人工衛星を操る異能。
 得てして、軍事兵器とは"使い方さえわかれば万人に使える"というのがセオリーである。

 これが凶悪たらしめている理由だ。
 撃ってしまえば、本人の技量を度外視して焼き払える。──核ミサイルを撃つのに、まどろっこしいことを考える者などいないように。

黒澤秋人 :  必要情報さえ打ち込んでしまえば、あとは勝手に敵が死ぬ。
 ……暴走や侵蝕率さえ度外視してした火力だけ見れば、強力ではあった。

黒澤秋人 : というわけでたゃ待ちです(せいざ)

卜部影路 : 閃光が瞳を焼くよりも早く、喪失が卜部影路を襲った。

「――――ッ」

己があげた声さえ、光に塗りつぶされる。どこまでも暴力的に、不躾に、夜闇を切り裂く光が己の身体に突き刺さる。

「ぐ、ァ゛――」

腹部が焼ける。頭が衝撃で跳ねる。視界が紅く染まる――

卜部影路 : 「……んの、クソっ」

一瞬の意識の喪失、足元に赤い血溜まりを作りながらも無理矢理に立ち上がる。距離があったからこそ、致命傷を避けることが出来た――ならば、至近距離にいたならば?

ホワイトアウトした視界が夜闇の静けさを取り戻す僅かな時間さえ待つことが出来ず、思わず叫ぶ。

「――夕南さん‼」

大丈夫だ。あの人は俺とは違う。あの太刀捌き、身体の運用方法、最適効率な運動――戦闘においての経験値量が違う。戦う者としての格が違う。

――あの程度の攻撃なんて、切り抜けているに決まっている。

そう己に言い聞かせ、逸る心を落ち着ける。

卜部影路 : 「――…………」

膝から力が抜けたのは、変わらず底に立つあの人を見つけたからだ。安堵に力が抜けただけ、断じて、こんな傷のせいではない。

なんて、強がる余裕くらいはまだ残っているらしかった。

明花あきる :
「ッ、《ワーディング》────戦闘か、言わんこっちゃねェ……ッ!」

 ざわりと揺らめき立つ闇の帳────覚えなど無くとも、方角からすれば誰と誰が何に遭遇しているのかくらいは一瞬で分かる。

 《ワーディング》。オーヴァードのみを舞台に上げる不可視の結界の気配に、あきるは歯噛みしながらも躊躇なくその中に飛び込み往く。

明花あきる :
 その瞬間、炸裂する閃光と爆音。

 目を灼く光の中に、知った背中を二つ。

 それはまだ、頽れてなどいない。

 ざ、と草を踏みつける足音を一つ残して。

 見出したらば────手にした扇子が、鮮やかに振り抜かれる。

明花あきる :


「────────ほむらよ舞われッ!!」



明花あきる :
 ぱ、ぱ、ぱ、と。

 夕南と卜部、そして絶叫する男とを隔てるように、三つの番傘が現れる。
 それはあきるが手にしている三日月と瓜二つ、場違いな淑やかを伴って。

明花あきる :

 花開く。

 一回転。

 刹那。


明花あきる :

 ────────「轟」と、焔が番傘を彩った。

 ────────「蒼」と、青めく劫火が爆発する。


明花あきる :
 それは最前線の二人を守るようにして、外側へと爆風と灼熱を広げる。
 寄るな、触れるな、それ以上手を出したらば、その時はオマエの魂を灰へと還すぞと────声高に叩きつけるような容赦のない蒼が、夜の闇の中を明く照らし出した。

黒澤秋人 :  もう一度充填し、今度こそ山ごと消し飛ばすと意気込んでいた。
 事実、衛生砲【Luna_02】には雷撃と光輝が収束しつつある。
 ターゲットはそこにいる。あとは火力を上げて撃って焼いて滅すればいい──そうしてエネルギーを寄せ集めていた矢先、

黒澤秋人 :
「……ァァ?」

 宣告と共に、宙に浮く番傘という奇妙かつ場違いなモノが現れた。

黒澤秋人 :

 分離する。
  ぱっ

 蒼の炎が
  ぱっ

 一人でに
  ぱっ

黒澤秋人 : 「──あああああああクソッタレッ! 時間かけすぎだ僕は!
 くそ、くそ、くそッ!! お前も邪魔するのかァッ!!!」

 最早理性などない。
 妄執の末に狂乱を繰り返す青年は、レネゲイドウイルスに乗っ取られているといっても過言ではない。

「だったらお前諸共消し飛ばして──」

GM :

 ──戦場にわりこんだのは、冷え切った、染み入る声。

GM :

「──それ以上は許可されていないはず。手を止めなさい、Luna_02」

Jack pod/Sad girl :

 ……仮面の女が、山に登ってきた。
 ごまかしようのない光、何よりも強力なオーヴァード同士の争いが引き起こす、レネゲイドウイルスの励起。
 ざわつくそれに、やってきたのだろう。

Jack pod/Sad girl :

 それは笑顔を浮かべ/血涙を流す。
 何も得られない日常から/何か得られるかもしれないと非日常へ渡りを付けた虚無のひと。

黒澤秋人 : 「──あァ!? テメェ、あの子の邪魔をしてたやつが今更なにを!?」
 ・・・・・・
「どうでもいい。図書館の件は仕事だから協力したけど、あの時のあなたは明らかに狂っていた。
 ……勢い余って幼子を括り殺しかねない殺意を撒き散らしてたひとから離れるのは、とうぜん」

Jack pod/Sad girl :
 口論というモノは起きなかった。
 もはや興味すら抱いていない。仕事に使う道具が反抗したところで、押さえればいいだけと知っているから。
 仮面は、あなた達を向く。

「──宣戦布告を届けた。あのヒトは、そう言った」

Jack pod/Sad girl :
「……朝日が上り、また夜が来る頃に。
 何も見つからなかった世界は、私と一緒に狂って消える」

 声音に感情はない。
 最早仮面を被ることもない少女の内面は、バラバラのパズルが放置されているがために。

「──だから、これは挨拶。
 猶予のあるうちに、市民の避難でも、やっておきなさい」

黒澤秋人 : 「フザけるなよ、僕はまだ終わってないぞ、充填さえ出来れば──」

 なおも喚く黒澤秋人に、容赦のない打撃が、少女の手で加えられる。

system : [ 卜部影路 ] HP : 26 → 13

Jack pod/Sad girl :

「……だから、その日までさようなら。
 なにか見つかれば、また、会いましょう」

Jack pod/Sad girl :

 ──暗い虚ろが、声音の奥から覗いていた。

明花あきる :
        ・・・・
「────────獅童糸香」

 凛とした青が、虚ろの中にこだまする。

明花あきる :
「オマエ、私に『消えたがってる』って言ったよな。ああそうさ、私だって消えたかった。否定はしねェよ。

     ・・・・・・
 でもな、消えたくないに決まってンだろうが! テメェだってそうだろう────だから『想定にないこと』を目論んだ。違うか?」

明花あきる :
 答えは聞かない。求めていない。どうせ口で言っても、あの女はのらりくらりと否定するだけだ。

 しかし、響いていないわけじゃない。そうでなければ、たとえ言い草の上であっても「親しい友人」をとられてムキになったりしないし────都市伝説を「ラノベ」どうこうとヘタクソな誤魔化し方など、しなくてよかったはずだ。

明花あきる :

       そ
「オマエ、『人形』のままでイイのかよ?
 いつまで物分かりのイイ人形のままでいるつもりだ。私はイヤだぜ、もううんざりだ。

 だから、やめる」

 だからこれは、明花あきるの一方的な投げかけ。
 ある種の、宣戦布告だ。

 悔しかったら、羨ましかったら、テメェもやってみろよ。

明花あきる :

 閉じられた扇子が、真っ直ぐに仮面へと差し向けられる。


明花あきる :
            モノ
「────────借りた資料、返しに行くぜ。
 ジャックポッド
 “大当たり” なんざアホくせェ名前の女に、じゃねェ。

 獅童糸香、オマエ自身にな」

明花あきる :
 最後に、言い忘れたとでも言うかのように怜悧がにぃ、と笑みを浮かべて。

「……あァ心配すんな、そん時ゃ東雲も一緒だからよ。
 なんせ私とアイツは────────『トモダチ』、だからな」

Jack pod/Sad girl :
 虚ろの海に、石が投げ入れられた。
 声が波紋となって伝わって、染み入るように広がって、それでも虚構には届かない。
 届いていたとしても、それを理解する能力、あるいは表現する言葉、総じて感情というものを失ってしまっていた。

「……」

 だから、ああ、ずきずきするなぁ、これはなに? としか煩悶出来ないが。
 それを理解する能力はこの場で手に入れることは出来ず、淡々とノイマンの処理能力で上書きして、返す。

Jack pod/Sad girl : 「──そう。返したら、私の世界から出ていって。
 何のつもりか分からないけど、自分の境遇(のろい)に、私を巻き込まないで」

 意図せずして捨て台詞のようになってしまっていたことなど自覚せずに、気絶した黒澤秋人を持ち上げ、山をおりはじめる。

翠簾野 夕南 : 「………獅童糸香さん」

Jack pod/Sad girl : 「……」

翠簾野 夕南 : 「……甚さんを殺したのは、君かな」

Jack pod/Sad girl : 「……。だったら、なに? そ、私」

翠簾野 夕南 : 「…………」

明花あきる :
「────────…………やっぱり、か」

 すぅ、と目が細められて。
 それでも、夕南の背に目を移した。

翠簾野 夕南 : 「そっか。ありがとうな。あの人もお人好しなんだから……拾ったはずの仔猫に手を噛まれることぐらい、考えときゃよかったのに」

翠簾野 夕南 : 肩をすくめて、それ以上は何も言わない。

Jack pod/Sad girl : 「……」

 思うところなど、何もないという様子だった。
 あるいは、思うという言葉さえ崩れた状態で、ただ淡々と仕事を遂行していたのだろう。
 善悪の区別がないわけではない。だが、それを理解していたからといって、何になるのだろうといった風な様子だった。

卜部影路 : 「あー……ちょっと良いか?」

緊迫した空気。親しい人間の仇が目の前の少女だと確定したのだから、それも仕方がないだろう。そんなタイミングで手を挙げるのは大層勇気が必要だったが……消え入りそうな声で、場違いにも挙手する。

「消えたがってる、たぶん東雲の奴にそんな感じのことを吹き込んだのもお前で間違いない、よな……?」

Jack pod/Sad girl : 「……吹き込んだ?」

 ちら、と卜部の方を見る。
 はて、そんなことをしただろうかと言って──ああ、あの日、そんなこと言ったなと思い返す。

「うん、そうだよ」

卜部影路 : 「お前は消えたがってる――そうやって、願うこと自体が、そもそも『いなくなる』ことから遠ざかってるって分かってんのか……?」

睨みつけるように――あるいは、見定めるように、真っ直ぐな視線を向ける。

「呪いに巻き込むなだのなんだの言ってたがよ、『嫌気』ってのも『いなくなる』とは真反対な感情だろうが」

消えたい、ここからいなくなりたい、誰の中からも、世界からも自分なんていなくなってしまえばいい――理解できるだなんて欠片も思わないが、一つだけ言えることがある。

「『いなくなりたい』ってのは、結局のところ誰か私を助けてくださいって言ってるようなもんじゃなぇかよ……そのくせ、傷つくことを怖がって誰とも向き合おうとしてない、お前はそんなガキだ」

卜部影路 : 「お前、そんなんじゃどこまでいっても消えるどころか――ずっと苦しいままだぞ」

明花あきる :
「…………、……」

 ……卜部の言葉を、彼女もまた黙って受け止めた。
 何度も何度も「消えたい」と願ったことのあるあきるには、仮にその切っ先を向けられたとて、否定することはできなかったから。

Jack pod/Sad girl : 「……」

 理解できない、という風に首をかしげるも、ああ、とわらう。
 わらうという行為でさえ、もはや笑みを形作るだけのものに等しい。口角筋を釣り上げて、目尻を下げるだけの行動でしかない。
 もはや傷つくということが何かということさえも忘れてしまった、けれど──。

「──それ、私に言ったところで何になるの?」

 探して、探して、
 探して、探して、
 探し続けた。その果てに、選んだ……否、それしか残されていなかっただけなのだと。

 擦り切れきった感情が応答するのは、定型文だ。

Jack pod/Sad girl : 「──もう、いいよ」

 それ以上は何一つ交わす言葉はないと。
 誰の言葉も届かない暗闇へ、彼女は去っていく。

Jack pod/Sad girl : というわけで、彼女はシーンから退場キメます。

GM : あとは反応ややりたいことがなければ、卓時間翌日とまいりましょう

翠簾野 夕南 : 「…………」詰めていた息を吐きだして、鞘に納めた刀を杖代わりにする。

翠簾野 夕南 : 「あーっ、くそ、いってえ……遠慮なしに燃やしやがって──影路、怪我は平気?」

明花あきる :
「……夕南」

 扇子を懐のポーチに収めて、その体を支えるようにして身を寄せる。
 ……今度は、ぎりぎりで、間に合った。そう、少しだけ安堵の息を内心で吐きながら。

神々廻 京 : 「これは……応急処置をしないと……」

卜部影路 : 「……大丈夫っス、たぶん、そろそろ塞がります」

完治には程遠い――どころか、レネゲイドウイルスが無理矢理に肉体を繋ぎ合わせ、働かせている状態だ。お腹に穴が開いたくらいではオーヴァードは死なないが、だからといって痛くないというわけではない。

冷や汗をかきっぱなしなくらいには痛い。

翠簾野 夕南 : 「さんきゅ」血で汚れた部分があきの服に当たらないようにいい感じにガードしつつ。

翠簾野 夕南 : 「きっついのもらっちまったけど、収穫はあり……だな。支部に連絡するか」

明花あきる :
「そうだな。こっちも収穫アリ、だ。まさかマジで戦闘になってるとは思わなかったが……」
 今更血なんざ気にしなくていいのに、と思いつつ。

卜部影路 : 「そっスね……とりあえず、一旦支部へ」

翠簾野 夕南 : 俊樹に連絡とるよ。

尾見俊樹 : 『──こちらでエフェクトの光を観測しました。悪天候によるものとカバーストーリーを敷いてあります』

尾見俊樹 : 『無茶した件については後でじっっっっっっっくりお話させていただきますので、報告をどうぞ、支部長』

尾見俊樹 : と、通話に出るなり矢継ぎ早にそんな感じのことを伝えます。

翠簾野 夕南 : 「ヘイ………スンマセン………」

明花あきる :
「…………ックク」
 言い訳が大変そうだなァ、と思いながら横で漏れ聞こえる声を聴いている。

神々廻 京 : 「……ふふ、これは、リラックスできる飲み物をご用意した方が良さそうですね」

明花あきる :
「そうだなァ、支部に帰ったら用意してやってくれや。頑張った男二人によ」
 こそ、と神々廻の方を振り返って囁きかける。

尾見俊樹 : かくしかで報告を聞いた俊樹は、
『……ひとまず、エージェント達には顔写真付きで伝えてあります。近く、マスターマインド部隊に備えて応援を要請することも視野に入れております』と答えてくれたりもします。

『副官としての心労(プライド)もございますので、とりあえず"いのちだいじに"とだけお伝えします』

翠簾野 夕南 : 「りょーかい。助かるよ」

翠簾野 夕南 : 「……亜梨花には悪いけど。おれは──おれたちは、彼女のこれまでしてきたことに対して、落とし前をつけないって選択は取れねえな」

明花あきる :
「…………」

 通話中のそれを、遮らないようにしながら。
 ただ、幼馴染の体を支える手だけに、少しだけ力を込めた。

神々廻 京 : 「…………」

翠簾野 夕南 : 「チルドレンが先走らないように釘さしといてくれると助かる。おれも言うつもりだけどさ」

尾見俊樹 : 『了解』

 落とし前、については何も言わなかった。
 そも、チルドレンに対してはまだ伝えるつもりはないようだ。

『この話は、エージェントにしか通していません。……下手に伝えれば、それこそマスターマインドとの全面戦争になりかねませんので』

翠簾野 夕南 : 「さすが俊樹。あのひと人脈広かったからなあ、人望あるのもいいんだか悪いんだか……」

尾見俊樹 : 『日本を内戦状態にする勇気など、僕にはありませんよ。……では、また後ほど』

翠簾野 夕南 : 「はいよ」

翠簾野 夕南 : 通信オフ!

東雲 亜梨花 : ぷち!

明花あきる :
「……下れそうか?」

翠簾野 夕南 : 「だいぶ治ってきてる、わりと元気だよ」

翠簾野 夕南 : ちょっと焦げてるけど。

明花あきる :
「なら結構。……そういや、夕南。『約束』、守れたな。オマエ」

 約束。
 夜辺甚五郎の仇を前にしても、追い詰めるまで、冷静さを失わないこと。
 翠簾野夕南が、明花あきると交わした約束を、彼女はそう振り返って口に出した。

翠簾野 夕南 : 「……言ったろ。おれは冷静だって」

翠簾野 夕南 : にっと笑いかけます。

明花あきる :
「……ン。そうだな。エライエライ」
 先の彼の言葉、自己暗示のようにも思えたそれを思い出しつつも。
 その笑みに安堵した自分を隠すように、少しぞんざいな言葉を掛ける。

翠簾野 夕南 : 「信じられてねーなあ?」

明花あきる :
「ックク、ンなことねェって。な、戻ろうぜ。支部に。
 説教はそれからにしてやるよ。尾身も、たんまり言いたいこと溜めてるだろうしな」

GM :

 ──夜は、更けてゆく。決戦の朝日を、待ち望むがごとく。

GM : ◇◆◇◆◇

<小会話②/明花あきる&卜部影路>

卜部影路 : 血で汚れた服を洗濯に出し、貸し出されたシャツを羽織って救護室の簡易的な長椅子に腰掛ける。

表面上に傷は既に塞がり、失った血液に比例して体調が悪くなるということもない。だが、それはあくまでも体内のレネゲイドウイルスが宿主を生かそうと働いているだけに過ぎず、根本的なダメージは身体に深く根ざしている。

「……便利な身体になったもんだよな」

服の上から、先程開けられたはずの穴があった腹部を撫でて、そう独りごちる。常人であれば死ぬような傷であろうと、命に届くことは殆どない超越者――未だに実感は薄いが、己にも確かにその力が宿っているのだと、そう突きつけられる。

明花あきる :
 コンコン

「────ン。やっぱココだったか、ビンゴだな。邪魔するぜ」

 返事を聞くこともなく、扉を押し開けた華やかな姿が、白で統一された救護室に踏み入る。清潔さを求めすぎていっそ無機質とも言えるこの部屋は、言うまでもなく怪我人を診るための区画だ。
 武家屋敷を改装する形で作られたこの支部も、流石に救護室までを畳張りに留めることは躊躇われたのか、ここだけ洋式を踏襲している。綺麗に磨かれて艶めいた床が、電灯の白い光を照り返した。

明花あきる :
 扇子を右手に、彼女は音も無く青年に向かって歩み寄り、その隣へと腰かけた。長椅子のクッションが少しばかり撓んで、その間隙に小さな唇がつと音を零す。

「……怪我は?」

卜部影路 : 「ん……あ、おう……」

突然の闖入者、そうとしか表現出来ない相手に、驚きと呆け半々の声をあげかける。蒼鈴を思わせる声音と、それに違わぬ容姿の少女――聞けば、その名を知られた名探偵の孫にして、この辺りでは子供でも知っているほどの有名人だという。

そんな少女が、なんの前触れもなく、一対一、しかも隣に座るものだから心臓がよろめきかけるのも致し方ない。

「大丈夫……問題ない、俺よりも、夕南さんはどうだった……?」

躊躇い、敬語を使うかどうかの一瞬の逡巡。初対面であれば即座に敬語を使ったはずだが、他の者達とのやり取りを見知って(勝手に)多少は気心が知れている。なにより、突然の訪問に対して、付け焼き刃な礼儀作法が出るわけもない。

明花あきる :
「ン。そうか、なら結構。……夕南は今、尾身に説教がてら手当されてる。見た目ほど傷は深くねェよ。ひょろく見えても、アレで年季の入った剣士だ。元気だよ、」

 扇子をつい、と扉の方にやった瞬間、「いってぇええええええええええ」と遠くの方から哀れな叫びが聞こえてくる。それにクク、と愉快気な笑みを零し、あきるは「ほらな」と横目を卜部へと差し向けた。

明花あきる :
「今は尾身が説教する番。次は私の番、ってワケだ。あの馬鹿にゃキツく言い聞かせないといけねェが────その前に、オマエとも話がしたくてな。
 平気なら、付き合ってもらっても?」

 笑みをひっこめて、真剣味を帯びた蒼氷が、青年の黒瞳を見つめる。
 彼女は彼を、陰気だと思う。思うが────しかしそれだけではないと、この数日で見立てていた。まだまだ途上ではあれど、そこには確かに気骨がある。
 ゆえにこそ、問うに値すると見定めたのだった。

卜部影路 :

卜部影路 : 「……確かに、やばいのは回避してたしな」

それでも無茶をやったことには変わりはない。となれば、こってり絞られるのも致し方なしというところだろう。背負い立つ者を、しかし心配してくれる者がいるのであればこの支部も安泰だ。

「話、って……なんだよ」

向けられた視線に込められた真剣味に、僅かに怯んだように瞳が揺れる。視線が合ったのは一瞬、すぐに意志を写す蒼氷に負けてこちらから視線を逸らす。おそらく、どうでもいい、に分類される話ではないのだろう――となれば、東雲にそうするように適当にあしらうわけにもいかない。

視線を逸しながらも、意識だけは確かに相手に向き合って、その言葉を待つ。

明花あきる :
 視線はそらされた。しかしそれが拒絶の意ではないことを汲み取って、彼女はつと核心を口に出す。

「『ハタチになったら、今やってることと持ってるもの全て捨てて、誰かのモノになれ』。
 そう言われたら、オマエはどうする?」


明花あきる :
 東雲に問うたこと。神々廻に問うたこと。同様のことを、彼女は彼に問いかけた。
 時間制限付きの自由。さながらのモラトリアム、薄帳に覆われた蝋燭の灯────自由奔放に事件という事件を解決に導く名探偵、しかしその裏側は、実のところ諦念に足を縛られた囚われ人だ。

 けれど、そのままではいられない、いたくないと思った。狭まっていた視野を意志を持って面上げ、「『千秋楽』じゃない自分」で触れて、考える────そのために、彼女は自分から他者に問いかけることを選んだ。
 だからこそ、自分とは性別も、姿かたちも、きっと生い立ちから来歴に至るまですべてが異なるであろうこの男に、問うてみたいと思ったのだ。

卜部影路 : 「……誰かのものになる、ねぇ」

その質問は、きっと眼前の少女の進む道に何かしらの関係があるのだろう。もっとも、そこまで踏み込んで聞けるほどの蛮勇は持ち合わせていないし、そこまで無神経でもない。

考え込む。視線を伏せて、その想定を出来るだけ鮮明に像を結ぶ。

「……まず、当たり前っちゃ当たり前だが、それは悪いもんなのか?」

ものになる、というのがどの程度かは分からないが、最低限の生活が保証されているなら恩の字だと、そう考える者もいるだろう。結局の所、本人がどう感じるか、だが――

卜部影路 : 「上手くは、言えねぇけど……例えば、選択肢がその一つ以外塞がれてたとして、その選択肢を選ぶしかなかったとして……」

その先が、悪いものになるとは決まっていないのではないだろうか。

「今までのモン全部捨てろって言われたら、そりゃ勿体ねぇし、自分から何も無くなっちまうような気はするけどよ……そこで死ぬわけじゃねぇだろ」

それならば、だ。そこまでの『物語』は終わったとしても、人生は終わらない。

「めでたしめでたし、で終われるのなんて本の中だけの話なんだしよ……そこまでの物語がどうだったか、その終わり方がどうだったかは本人しか決められねぇと思う……」

卜部影路 : だけど、と、迷いながら、言葉を探しながら、ためらいがちに吐き出されていた言葉が力を帯びる。

「俺たちは、生きていかなきゃなんねぇ……どんな選択肢を選んでも、選ばされても、その先で不幸になっても、幸せになっても、いつか終わる時まで生き続けるんだ」

だから、と、意識して目の前の少女の瞳を覗き込む。凍った意志の奥深くにあるものを――かつての己を、そこに視た気がして、強く言葉を断定する。

「選択に良し悪しは、ねぇ――その選択の先で、自分がどう生きていくかが、大事なんじゃねぇかと、俺は思う」

卜部影路 : 終わる世界。泡沫に溶けて消える夢に、しかしそここそが己が立ち、生きる場所だと定めた男がいた。

――その背中は、今もまだ俺の中に焼き付いている。

人生の評価基準、幸せと不幸の境界線……そんなものは分からない。
誰であっても、いつか死ぬ。だからこそ人は生まれたときに、その人生は死という終わりを迎える悲劇が確定すると言う者もいるだろう。

だが、

「俺は、これまでも後悔してきたし、これからもきっと後悔し続ける。そんなもんはきっと、誰でもそうなんだ――でも、後悔したくねぇと、そう思いながら、足掻きながら、生き続けるしかねぇ」

屍の山となり、最期の瞬間まで生を願った者達がいたことを知っている。
たとえ、変えられぬ運命が待ち受けていようとも、己の世界を全力で生き抜いた者を知っている。
ただ一人を救うために、世界の全てを敵に回して絶望的な戦いに挑んだ者を知っている。

きっと、皆後悔したくないのだ。だから、最期のその時まで、全力で、後悔しないために生き抜くしかない。

卜部影路 : 「たとえ、これから先にその選択肢しかなかったとしても、そこまででも、そこからでも、諦めて、逃げ出して、後悔するべきじゃねぇと、俺は思う……」

その選択が、どれほど過酷なものなのか、想像ですら及ばないが、ただ一つだけ言えることがある。

「諦めて、逃げて、向き合うことをやめて――救ってもらいたかった、助けてほしかったと、自分を不幸な人間だと、そう思うのはしんどいぜ」

明花あきる :
 思いもよらぬ答えに、「ぱちり」と、覗き込まれた瞳が幼く瞬いた。

 「乗り越える」と答えた東雲と、「立ち向かう」と答えた神々廻。そのどちらとも異なる、「しかしそこで終わるわけではない」という答え────合わさった眼差しの奥、彼女もまた、青年の瞳の奥に己の片鱗を垣間見た。

明花あきる :
「……しんどい、か。そうだな。しんどいよ。とても、……しんどかった」

 ぽつりと、静かな声がむやみに綺麗な床へと降り積もる。きっと彼もまた、そうだったのだろう。
 どうしようもない、ままならない、ならば諦めてしまえば楽になれると夢想して……それで得られたのは、きっと息詰まるような未練だけだった。

明花あきる :
「私にはその道しかない、どれだけジジイの背を追っても、私はジジイみたいに走り切れやしない────探偵としても半端なまま、嫁入りして、子供を産んで。
 死んだように生きていくしかないって、ずっとそう思ってたし……多分、『そうじゃない』連中を、恨んで羨んでいたような気もする」

 ……だから多分、問いかけたし、ずっと皮肉としてあげつらい続けてきた。そうでなければ辛かった。苦しかった。せめてそうやって「辛くもなんともない振り」をしていなければ、この身はすぐにでも頽れてしまいそうだったから。

 けれど、その選択を幸いとする「選択」も、きっとあるにはあるのだろう。母様も父様も、あるいはそれこそを娘の「幸い」と考えて、あてがった未来なのかもしれない。
 そこに価値を見出すかどうか、何を以て「選び抜いた」とするのかは、きっと自分次第。

明花あきる :
「オマエの言う通り、それを受け容れる道もあったんだろう。受け容れて、そういう『女』としての幸せと務めを“道”とする、そんな選択もあったのかもしれねェ」

 けれど彼女にとって、鳥籠とはやはり苦しみだった。定められた人生にはどう足掻いても幸福は見出せず────求めていたのは二番煎じではなく、二代目でもなく、ただ「私」たるを証すための兆しを掴んで、この世界に刻み込むための勇気だった。

明花あきる :
「そう思い込もうとした時もあった。でも、ずっと苦しかったんだ。
 夕南にだけは、……ただでさえ苦しいことばっか引き受けたがる幼馴染には、『助けてくれ』なんて死んでも言いたくなかったし。
 ────ならやっぱ、自分で『選ぶ』しかねェんだよな」

 受け容れるも立ち向かうも、手放すも掴み取るも、きっとそれを「自分の意志で」決めたことに意味がある。
         ミリオンダラー
 己の意志にこそ、“値千金” の価値が付くのだ。立ち向かい、乗り越えると、決めたらば、その選択にせめて後悔だけはしたくない。

明花あきる :
 自分を納得させるかのような、あるいは、貰った言葉を少しずつ滲み込ませていくような。
 呟きを落として、頷きを一つ。

「────そうだな。後悔は、したくねェ。
 何選んだって続いてくなら、せいぜい足掻いてみねェとな」

 ふわりと、しかし彼女本来の勝気を秘めて、微笑みがその唇を彩った。

卜部影路 : 「…………」

安寧のような諦念は、しかしどこまでも体温を奪い、息苦しさを与える泥そのものだ。だからこそ、花開くように――氷ではなく、蒼い炎を思わせるその微笑みに、一瞬目を奪われる。

「ああ、選んだんなら……後悔したくねぇだろ」

須臾のような刹那、見惚れていたことを自覚して顔を背ける。自分には無かったもの、決定的に間違えて、全て終わってようやく気づけたもの。

それを、目の前の少女は自らの手で掴み取った。

その強さを、その微笑みを――心底羨ましいと、そう思うのと同時に、嬉しくも思う。

卜部影路 : だから、照れ隠しのような、皮肉のような言葉が飛び出したのは仕方がない。

「夕南さんにも、あんまし迷惑かけんなよ?なんかあったらすぐに『ゆーなゆーな』だもんな……」

夕南さんも子守りは疲れるだろうからな、と言い捨てるようの顔ごとそっぽを向く。

明花あきる :
 ふい、とそっぽを向かれて呟かれた言葉に、これまた「ぱちり」と目を瞬かせ────今度は淑やかな笑みにいたずらっぽい稚気を溶け込ませて、唇がハ、と吐息を零した。

「アレが無茶しすぎなんだ。私が見てねェとすぐ死にかけるからな、こっちが世話焼いてやってンだよ」

明花あきる :
「それともアレか? オマエも夕南に構ってもらいたいクチか。クク、ならそう言えよ、説教の順番譲ってやるからよ」

 右手の扇子の先でつい、とその腕をつつき身を乗り出す。その拍子に、歳の割に豊かな膨らみが服のレースを押し上げて揺れ、少しばかり距離を詰めたあえかな顔がにやりと微笑んだ。

卜部影路 : 「ちげぇ……!!」

色々と、暴力的な視覚的効果を無視する。無視できているはずだ。というよりも、東雲もそうだが色々と距離が近すぎるんだよ……!!

意図的に嫌気を全面に押し出した顔で、少々大げさに身体を仰け反らせるように逃がす。

「夕南さんは無茶でもやれることとやれねぇことを見極めてるんだよ……それをお前、ったく、夕南さんが優しいからってよ」

卜部影路 : 大丈夫、顔が赤くなったりはしていない。とはいえ、視線を僅かに下げるわけにもいかず、逸らせば舐められる――必然、視線を真正面からぶつけることになるが、悔しいことに世間一般よりもほんの僅かに、顔が良い。

百人に聞けばある程度の人数は美少女だと答える程度でしかないが、その点は認めよう。

「ほら、さっさと行けよ。俺はこの後一応の検診があるんだよ……ガキに構ってる暇はねぇ」

明花あきる :
 挑発するようにしてからかい混じりの上目遣いを寄越せば、何かと視線や顔向きを逸らしがちなこの青年と真正面から眼差しがかち合った。

 長い前髪の奥に隠された、案外にして造形の悪くない細い顔立ち。もう少し覇気さえあれば見栄えもするだろう目付きに、彼女は思いのほか良いものを見た、と内心で呟く。
 その探偵としての観察眼は、プロファイリングや熱感知なぞ使わずとも、彼の動揺と心拍を見て取っていた。

明花あきる :
「クク、どっちがガキだか。……まァでも、ここの職員に迷惑はかけらんねェしなァ。
 ここは大人しく出てってやるよ」

 年上をからかって満足したのか、わずかな香りだけを残して艶冶がするりと身を引く。突きつけていた扇子を口元に当てて、彼女は来た時と同じように静かに部屋の入口へと戻っていった。
 その痩身が、ふと振り向いて。

明花あきる :
「────ありがとな、卜部。じゃ、オヤスミ」

 閉じた扇子のひと振りと、鮮やかな笑みだけを残して、蒼い姿が去って行った。

卜部影路 : 「………おう」

最後にお礼を言われて、皮肉の追撃でもしてやろうかという気勢が削がれてしまった。

一人、残った救護室で、色んな意味で疲れた溜息を吐く。

<小会話③/明花あきる&翠簾野夕南>

翠簾野 夕南 :
 支部長室近くの中庭で、自分と向き合う。

 深く息を吸う。
 目を閉じる。
 剣を振るう。
 剣を振るう。
 剣を振るう。

翠簾野 夕南 :

 ただ無心で棒を振るう時間が、昔から一番冷静になれた。昔からの日課だ。
 体はほとんど実働に問題がないほどになってるし、少しだけ時間を減らせばコンディションには障らない。おれのノイマンシンドロームは、そういう体内の調子を測ることと整えることにとにかく特化していた。
 それに言葉を重ねたおかげで、あんなことの後のわりには思考もクリアだ。
 明日までには、完全に調子を整えないと──

 風切るというよりは風を断ち割るような鋭さで木刀を振りながら、心を清冽に整えてゆく。

明花あきる :
 風呂上がり。リボンもつけていない黒と青の髪をまだ少しだけ湿らせたまま、あきるはある男を探して支部内をうろついていた。
 ぺたぺたと、裸足が小さな音を立てて板張りの廊下を踏み、まさかいないだろうとダメ元で寄ったところで────見つけた。

明花あきる :
「…………オマエさァ。あんな怪我しといて、なんで素振りとかしてンだよ」

 縁側である。
 支部長室にほど近い、中庭である。
 開けたその場所で、あきるの求めの橙色は、あろうことか一心不乱に木刀でもって素振りをしていた。

明花あきる :
「夜辺のジジイもそうだったが、戦人っつゥのはどいつもこいつも馬鹿なのか?
 怪我した時に限って、みィんなこぞって振るいたがるよな。その棒」

 呆れ半分というか、もうほとんどそれだけだ。首元にかけたタオルでくしゃりと髪を拭きながら、彼女はそう、飾ることの無い言葉を投げかける。

翠簾野 夕南 : 「ン」

翠簾野 夕南 :
 刀から意識を離して声の方向を見る。
 リボンもつけない生乾きの髪に貸したパジャマ──あきも無防備な恰好なもんだ。青少年の精神のためにももうちょっとひかえめにしてやったらどうか。
 それはいいのだけど、投げられた言葉はちょっと心外だ。唇を尖らせた。

翠簾野 夕南 : 「剣士は剣振ってるのが一番の治療なの。レネゲイドも元気になるしな」

明花あきる :
「はァん。一生かかってもわかりそうにねェわ、その剣士の生態ってヤツ」
 棒から手が離せなくなってジャームになっても知らねェぞ、とは流石に言わなかった。

明花あきる :
「……まァ、それで落ち着くなら振ってろよ。勝手に話しかけるから」

 そう告げながら、彼女は縁側に腰を下ろす。胸の下で腕を組みつつも、その細い脚がぷらりと揺れた。ある種、「剣術馬鹿には何を言ったところで無駄」という、諦めの境地でもある。

明花あきる :
「オマエらが遭遇したあの男、私の追ってた“古書泥棒”でビンゴだったぜ。盗られたブツのほうは全部押収したが……まさか、こっちの件にも噛んでたとはなァ。
 そのへんの所感はどうよ、翠簾野支部長」

翠簾野 夕南 : 自分の羽織投げます。着てなさい。

明花あきる :
「……サラマンダーだし、別にいらねェっつゥに」でも着ないとうるさそうなのでちゃんと着る。ぶかぶか。

翠簾野 夕南 : よろしい、と何度かうなずいて、表情を引き締める。

翠簾野 夕南 :
 だけど、じゃあ遠慮なく──って気分にもならないので、刀を下ろして座り込んだあきに歩み寄った。
 投げられた言葉に、眉を寄せる。

翠簾野 夕南 :
「まあ……ビンゴだな。
 ずさんなやり口も、レネゲイドの使い方をろくにわかってない未熟さも、聞いてた“古書泥棒”の特徴とおんなじだ。Luna-02……な」

翠簾野 夕南 : 「だけど、出力ばかりは侮れない。ありゃ、なにかしら外付けのブースターでもついてたな」

明花あきる :
「だろうな。アレの家で見つけたよ、おそらくは"マスターマインド"仕込みの暗示ってヤツをな。神々廻が勘付いた。
 ソレを読み上げた人間に強制的に仕掛けて、反撃と戦闘における強力な増幅効果を与える、そういう類だ。ずさんなレネゲイドコントロールの割に出力だけバカげてたのも、それがトリックだったってワケ」

明花あきる :
「……それを知ったから、慌てて追いついたんだがな。間に合わなくて、悪かった」

翠簾野 夕南 : 「あいつの考えそうなやり口だ。ほんと、腹立つな」

翠簾野 夕南 :
 隣に座り込んで、心配するなと笑いかけてやる。
 あんな話をした後だ、気に病んで当然だし心配してくれるのも当然だ。有難くはあるけれど、話したくなかったのはこんな顔を見たくなかったからだったわけで。なんとなく複雑だ。

翠簾野 夕南 : 「やり方がずさんな分確保ができるだろうって、おれたちが考えてるのを先読みしたんだろ。だけどあっちも無傷じゃあないし──多分、ふつうの手段以外で彼の命を繋いでいるナニカがあるのもわかった。止めてくれただけで助かったよ」

明花あきる :
「……ン。まァ、腹が立つのは心の底から同感だ。アイツの目論見、片っ端からひっくり返してやらねェと気が済まねェ。獅童のこともある」

 幼馴染の微笑みに、認めたくはないが心の隅で安堵する自分を見つけてしまって、それを誤魔化すようにして息をついた。

 そして、もう一度息を吸う。

明花あきる :
「────なァ、夕南。オマエに言われてから、色んな人間と話してきた。
 東雲、神々廻、卜部。『千秋楽』じゃない私で、問いかけてきた」

 蝋燭の火を頼りに、恐る恐る踏み出した。そうして目を遣った先にいた彼らは、明花あきるでは到底出し得ない“答え”を教えてくれて────しかしゆえにこそ、それらの選択は自身で行わなければ価値がないということを、あきるは身を以て知った。

明花あきる :
「だから、最後に。オマエにも、教えて欲しい。……聞かせて欲しい。ダメか」

 私の“問い”に対する、オマエなりの答えを。

 蒼く透き通った湖面の瞳が、ついと先を上げて────金の揺らめく鮮やかな緑を、正面から見返した。

翠簾野 夕南 :
「二度も三度も好きに弄ばれるおれじゃあ──おれたちじゃあないってことぐらいは、理解してもらわねーとな。おれもあの時の礼をしたいし」
 まめだらけの手のひらを見つめてから、ぐっと拳を握る。

翠簾野 夕南 :
「………」
 なあ、という呼びかけに振られて、蒼い瞳をいつも通り見つめ返す。いつもどこかに諦念が揺らいでいた色は、少しばかりかたちを変えているように見えた。

翠簾野 夕南 : 「それは、もしおれがおまえの状況に置かれたら、っていう質問でいいんだよね?」

明花あきる :
「────そうだ。その通りだ。

『今やってることと持ってるもの全て捨てて、誰かのモノになれ』。
 そういう風に、道を決められたら。選ぶ間もなく、定められたら。

 オマエなら、どうする?」

明花あきる :
 都合三度も問いかけたこと。
 多分、明花あきるにとって、翠簾野夕南こそが、一番最初に問いかけるべき相手だったのだ。一番身近にいて、一番傍にいたい、他人だったのだから。

 ……ここまで遠回りをしたけれど。
 それでもやっぱり、オマエのことも、聞きたかった。

翠簾野 夕南 :
「おれは納得しないよ」

 わかりきっていた答えを、そっと投げ返す。
 おれはそういう人間だ。
 ふざけた決まり事と闘争するのがおれの衝動で、そして自分に課した最大のミッションだった。

翠簾野 夕南 :
         こいつ
「絶対に納得しない。剣を使ってでも抵抗する」
「これまで拾ってきたもの、掴んだもの──取り戻したもの、捨てたもの、諦めたもの。
 それを、簡単に捨てていい無価値なものみたいに扱われるのだけは、絶対に我慢できない。相手がだれであっても、だ」

「そしたらマシに生きられますよなんて言われて証拠を見せられたとしても、抵抗した結果ぜんぶダメにしても、多分おれは最後までそうする」

翠簾野 夕南 :
「そもそも……そう言われて簡単に捨てられたら、人間誰も困りゃしないよ」

 自分が引きずってきたものが、二束三文の代わりの利くものだなんて絶対に認めない。全身あきらめに浸かっていたあの頃に『消えたい』を考えて、それをすぐに選択肢から外したのだってそれが理由だ。
 これまで手に入れてきたものが、失ったものが、頬についた血と肉片と最期の微笑みが、おれの足を絡めとって、そして背を押す手になっていた。
 捨てろと言われて、簡単にそうできるはずがない。

翠簾野 夕南 :
「20まで時間をつくって、それでどうする?
 本当におまえを自分のお人形にしたいなら、最初から足を掴んで檻に閉じ込めればいいんだ──おまえの母さんも、中途半端に情をかけるからいけない。嫌なら引きちぎれって言われてるみたいじゃねえの」

翠簾野 夕南 :
「……甚さんと、おまえの爺さんがいたからなんだろうけど。
 でもなあ、あんな人なんだから。最悪、あの二人の言うことなんて無視して最初からそうしちゃえばよかったろ? ……あきはどう思う?」

明花あきる :
 ……すべて聞き終えて。
 少女はうん、とかすかな頷きだけを零して、痩身を床の上に投げ出す。普段なら────他の者の前なら絶対にしないような、隙だらけの仕草。
 ただそれは、それだけ、その瞳の奥で渦巻く思考がとめどなく流れているということの証左だった。

明花あきる :
 東雲なら「乗り越える」。
 神々廻なら「立ち向かう」。
 卜部なら「足掻く」。
 夕南なら、「抵抗する」。

 これで四度、問いかけたことになる。
 そしてそれらは、明花あきる一人では十六年かかっても出せなかった結論だった。
 いや、それは正確ではない。頭の片隅にはあっても、ついぞ一人では手に取れなかった、そういう選択肢だった。

明花あきる :
  あのひと
「…… 母様 に、半端にかける情なんざねェよなァ。あんなジジイども、……それがたとえ自分の親だろうと、『そう』と決めたなら何処までもはねのけていけるような人だ。
 ────最初から、試されてたのか。いや、推量だな……」

 そもそも親子らしい会話などまともにしてこなかったのが、明花の母と娘だ。その内心と思索に対して知ったような口を利けるほど、彼女たちは互いを知らない。
 少なくとも、あきるは、母の思いを知らない。

 ずっと、母様が怖かった。
 怖かったから、話すことから逃げ出していた。

明花あきる :
「────話したら、分かるかな。私と、母様でも」

 ぽつりと。真上を見上げていた視線が、ごろりと顔を横に向けて。
 月影が、蒼氷を明るく照らし出した。

翠簾野 夕南 :
「大丈夫だよ。やってみなきゃわからねーでしょ」

 あきに倣うように空を見上げる。
 星の並びは違っても、月明かりばかりはどの国でも変わらない光を照り返していた。

翠簾野 夕南 :
「……ほんとに跳ねのけられてダメだって思ったら、《ワーディング》貼って逃げてきな。おれが許す! たぶん甚さんもおまえの爺さんも許すでしょ」

明花あきる :
「ハ、オーヴァードでもねェ実の親に《ワーディング》ぶち当てて逃げて来いって。オマエ、なかなか発想が過激ンなったなァ。
 あのジジイ共、なんだかんだ私とオマエには甘かったし。多分、……ンな馬鹿なことしても、許してくれるんだろうなァ」

 その笑顔に、あきるの唇もつられて綻ぶ。本当に本当、最後の最後までやってみてどうにもならなくなって、……その末にあきるが切った《ワーディング》であるのなら、この男は言葉の通りに受け容れるのだろう。

明花あきる :
 でも。それに頼るようでは────明花冬三朗の孫としても、明花春の娘としても。
 名探偵「千秋楽」としても……ただの「明花あきる」としても、失格な気がするのだ。

 第一、対等でありたかったはずの翠簾野夕南に泣きつくのでは、もうデカい口は叩けなくなる。
 それはちょっと、業腹だった。

明花あきる :
「立ち向かって、抵抗して。足掻いて、……私が自分で乗り越えてなきゃ、あのジジイ共がいつまでたっても成仏できなさそうだからなァ。そいつァちょっと、哀れでならねェ」

 する、と身を起こす。彼のぶかぶかの羽織を抱き込んで、膝を引き寄せて、いつものように言葉を落とす。

明花あきる :
「────明日、行ってくるよ。会いに行ってくる。そんでもって、ちゃんと言ってくる。
 『私は人形じゃない』、ってよ」

翠簾野 夕南 :
「……そっか」
 かみしめるように相槌を打って、いつもみたいに──と思ったけど、生乾きの髪を奏するのも気が引けた。頭に手を置いて、ぽん、ぽん、と軽く叩いてやる。
 覗き込んだ瞳に、諦観の色は薄かった。ともだちとの出会いって大事だよなあ、とか兄貴ぶって考えてみると、なんだか顔もほころぶというものだ。

翠簾野 夕南 :
「がんばれ、あき。
 大丈夫、今のお前なら全部思ったこと言えるよ。
 あれだけ強く、大きく見えたって、        ・・
 自分のこころひとつ素直に話せないひとを相手にするだけだ。簡単だろ」

明花あきる :
 ・・
「だけってなァ、軽く言ってくれやがる。あの母様相手によ」
 オマエだって、知らねェワケでもないだろうに。

 ……けど、知っているからこそ。
 どちらをも知っているからこそ、翠簾野夕南はきっと、明花あきるを信じてくれている。

明花あきる :
                ミス・ミリオンダラー
 ならば、応えねば名が廃る。《乱れ舞え纏華の焔》も、名探偵「千秋楽」も、全部が全部、明花あきるが「やってきたこと」と「持ってきたもの」だ。
 まさしく────そう容易く、捨てられるようでは人間誰も困りはしない。

明花あきる :
「……私、他人に頭触られンの嫌いだけどよ。リボンが解けるし、髪崩れるし。
 父様と、ジジイと、夜辺のジジイと、……オマエにされんのは、嫌いじゃないンだぜ」

 だからと、その先は言わない。
 微笑み返す。年相応の幼顔よりは大人びて、ただいつもの勝気ぶりが少しだけ鳴りを潜めて。
 親しんだ匂いと傍の温度に、心が安らぐ。……幼馴染の彼の方へと、少しばかりその体が傾いだ。

翠簾野 夕南 :
「言うよ。……こんなこと言ったのバレたら、ほんとに斬られそうだけどな」
 と思ったらあきの母親の無表情が夢に出てくる気がして、首を振って振り払う。やめやめ。あの人怖いんだよな、かあさんと仲悪いんだか悪いんだかわからんし。

翠簾野 夕南 :
「あと、それも知ってる。あきるさんはおれには結構素直だもんね~」
 不器用に距離を縮めてきた小さな頭を、望み通りにわしゃわしゃ撫でまわす。毎度思うけど、なつきにくい猫が寄ってきた気分になるんだよなこれ。思う存分エサやりたくなるけど、それは本人のためにはあんまりならないし。

明花あきる :
「……否定できねー。いやマジで、本当に斬るからなァあの人は」

 下手なオーヴァードでは百人いたとて歯が立たない一般人って何なんだろう、と我が身の親を思いつつも。

明花あきる :
「知ってンのかよ、言って損した……けど、ま。
 言える時に、言っとかねェとな」

 と呟きつつも撫でられるのは拒まないし、ぐり、と頭を押し付ける。まだ少しだけ生乾きのそれを無遠慮に擦り付けて、オマエの服も湿ってしまえと内心でほくそ笑む。

 ……昔は、よくじゃれたものだけれど。互いに社会的立場というものを得てしまった今では、こういう時くらいでしかなかなか息は付けない。
 こうやって、幼馴染を独り占めできる時間が、彼女は昔から好きだった。

翠簾野 夕南 :
 自分の汗を拭くために持ってきてたタオルだけど、まだ綺麗だったので。
 持ち出して、髪の毛の水気をもうちょっと取ってやる。

「まーねえ。おれ以外にももうちょっと素直になれると良いんだけどなあ、それは今後の課題か?」
 亜梨花たちにもそうだけど、弟とか。
 顔突き合わせるたびにケンカするのはどうかと思うんだよなあ──

翠簾野 夕南 :
 まあ、もうちょっとこのままでいいか。
 ぼちぼち良い時間だから寝かせないとだけど。

明花あきる :
「そいつァいくらオマエの頼みでも聞けねェなァ。特にオマエの弟、珊瑚な、アレとはどうもソリが合わねェからよ、私は」

 大人しく髪を拭かれながらも、あの白々しい顔を思い出しかけた途端にふす、と思考を追い出す。あんなのに割くだけのリソースは無い、しっしっ。

明花あきる :
「それに。私にこうすんのは、当面はオマエだけでイイ。
 こんな風に甘えるのは、オマエだけがイイし────こうやって甘やかすのは、私だけでイイ。

 ……なんてな」

 こんな真夜中、月がさやかに輝く夜でくらい、少しの本音を零したって構いやしないだろう。
 彼の手が触れるところが、ほんのりと熱を持つ。鼓動がとくとくと心地よく耳を打って、それに委ねるように、彼女は眼を閉じた。

<ミドルフェイズ⑪/東雲亜梨花/月夜の晩に>

GM :

<ミドルフェイズ/月夜の晩に>

GM : というわけで、一方その頃な時間。
望月、もとい朔と話すんだっけか。

東雲 亜梨花 : はい!色々聞くチャンス!
というわけで登場するよ

東雲 亜梨花 : 1d10 <シーン登場> (1D10) > 2

GM : ここにきて落ち着いてやがる

[雑談] system : [ 東雲 亜梨花 ] 侵食値 : 86 → 88

東雲 亜梨花 : HUHUHU

GM : クライマックスで10出してもギリギリリザレクト圏内。PC1の貫禄ですよ

望月/朔 : 「はふぅ。お風呂あたたかったです……」

 レベッカが遠ざけていたのだろう。
 闇がうごめく外の喧騒の事実など何も知らされないまま、望月はあなたと一緒に遊んでいた。

東雲 亜梨花 : じゃあ一緒にお風呂入ってたことにしようかな

「やっぱりつかるお風呂は極楽だねぇ~」

もっちーの髪をガーッと乾かして、二人でパジャマに着替えてのんびりした時間だね。
アイスはさっき食べて品切れだからそっと心の中にしまってあるよ。

「もっちー、今日も特に体調にわるいとこはなかったかな?」

畳のお部屋でお布団みんなのぶんまで二人で広げながら、一先ず変化はないか聞いてみるよ

望月/朔 : 「う~ん……──夢を見たんです。お昼寝してる間に、すごく怖い夢。でも、私は大丈夫でした」

東雲 亜梨花 : 「ゆめ?」

望月/朔 : 「大きな月から、すごく怖い何かが降りてくる。
 でも、朔が大丈夫よって言ってくれて、その何かを抑え込むんです」

望月/朔 : 「最後は、こう、ぼやや~ってなっててわからなかったんですけど……。そこで目が覚めちゃって」

東雲 亜梨花 : 「大きな月かぁ……月はいっこだった?」

望月/朔 : 「いっこでした! でも、なんかこう、紫の光がぼわわーって出てたような、そんな……」

東雲 亜梨花 : 「紫? わぁ、なんか怖い色だね」 

東雲 亜梨花 : 「でも朔ちゃんが抑えてくれたんだ。そっか、優しいね」

望月/朔 : 「やさしいんです。朔は。ずっと、弱い私を守ってくれていたから……。あ、そうだ」

 紙とえんぴつで、何か書き始めます。

「こんなかんじのが、ふわーって月に浮き出てました!」

東雲 亜梨花 : ほうほう。どんな絵かな

東雲 亜梨花 : わ~まがまがしている

東雲 亜梨花 : わ~、っとふんわりしたリアクションをしながら絵を覚えておくよ。写真記憶ほどじゃないけど、再現できるくらいに覚えておくことはできるかな。

東雲 亜梨花 : 「それにしても、不思議な夢だなぁ……。
いま朔ちゃんは起きてる? 朔ちゃんにも聞いてみたいんだけど」

望月/朔 : 「いいですよ! さく~、さく~」

東雲 亜梨花 : ふふふ

望月/朔 : 「朔~……? え、寝ててって? あ、うん、わかった……」

望月/朔 : 「──夢、ね」

東雲 亜梨花 : 「おはよ~、朔ちゃん」

望月/朔 : 「おはよう、マスター。いいえ、亜梨花」

東雲 亜梨花 : 「えっへへ、名前だ」

望月/朔 : 「名前呼びでもいいかなって思ったのよね」

 嬉しそうにニヤけて……と仕方ないモノを見る目で見ている。

東雲 亜梨花 : マスターもかっこいいけど、やっぱり友達のほうが好きだからね。にこにこしちゃう。

東雲 亜梨花 : 「それでね、もっちーの夢のお話のことなんだけど

東雲 亜梨花 : 山の研究所のことと関係があるのかな」

望月/朔 : 「……。そうね。そこまで知ったなら、話してもいい頃ね」

東雲 亜梨花 : 「ん。おねがい」

望月/朔 : 「今は落ち着いてるし、話すわ。
 知っての通り、"私"は──"そういう存在(ジャーム)"を識別するためのチェックリストで、赤と判定された。
 この子の安寧を妨げる者を皆殺しにするって言ったのがまずかったらしいわね」

 至極どうでもよさそうに語る朔。

「……後悔はないけど、そうなった理由になら心当たりはある。
 人間一人に流し込むにはあまりにも大きすぎる怨念、負念、そうじて"悪意"を引き受けつづけてきたから」

望月/朔 : 「お医者様曰く、それでレネゲイドウイルスが暴走して、自我の侵蝕をはじめただかどーだかって言うけど、……まぁ専門的すぎることを話しても多分理解できないでしょうから、とにかく"悪意の影響を受けてジャームとして扱われる存在になった"ってだけ覚えてくれればいいわ」

東雲 亜梨花 : 「……なるほどね!」

望月/朔 : 「うんわかった最後の言葉だけ通じてるって信じてる」

望月/朔 : 「続けるわよ」

望月/朔 : 「……被検体記号、暗号名"望月"として呼ばれた私の素体は、とある実験の末にこうなった。
 国の未来を左右するためっていう目的のために使おうとして、全員揃って狂人になり、最後は人間をありとあらゆる方法で苦しめる地獄を創った──ってところ」

望月/朔 : 「……田舎にいた頃の名前とかはもう忘れてるでしょうし、父親と母親の顔も名前ももう出てこないけど。"売られた"からこうなりましたって自覚するだけで、私ごと暴走するかもしれないから」

東雲 亜梨花 : 「ヴぇ」

東雲 亜梨花 : 「改めて聞くとなんというか……朔ちゃん、しんどいねぇ……」

望月/朔 : 「……私がしんどい? 望月じゃなくて?」

東雲 亜梨花 : 「や、だってほら、人の悪意でしょ。
自分とは違う人が感じる気持ちに自分が染まるのってしんどいな~ってなるよ。それが悪くて激しい気持ちならなおさらね」

東雲 亜梨花 : 「それを受け止めてきたのは朔ちゃんだし、
実験とかでひどいこととかされたのも、
もっちーだし同時に朔ちゃんでもあるからさ」

東雲 亜梨花 : ヨヨヨ……とめそめそしながら朔ちゃんをもちもちしよう。

東雲 亜梨花 : 「それってすごくしんどいね。朔ちゃんえらかったね」

望月/朔 : 「ちょ、ちょっと、ああもう、なんで泣いてるのおちつきなさ──」 ともちもちされてます。

東雲 亜梨花 : 「だって~~~~」

満足するまでもちもちもちもちしたら、ちょっと落ち着くよ。ふう。

望月/朔 : 「ちょっと、ぬいぐるみみたいに──」 もちもちもちもちされてます。

望月/朔 : 「……ねぇ」

東雲 亜梨花 : 「ん?」

望月/朔 : 「たとえこの子(望月)のために私(朔)が消えて、知らない私(■■■■)が、あなたの大事な世界を壊そうとしたら」

 その目は酷く澄んでいた。
 これからやることの決意を、固めているようだった。

「──殺してでも、止めてくれるかしら?」

東雲 亜梨花 : 「  」

東雲 亜梨花 : 「ばかだなぁ」

望月/朔 : 「ン」

東雲 亜梨花 : ふと、思い出す。
消えたいと思うとき、本当にそう思っているなら好きにさせたらいいと言っていたあの子の顔を。

「朔ちゃんは消えないよ。私があなたの気持ちごと連れて行ってあげる」

東雲 亜梨花 : 「それでね、一緒に頑張ろう。
もっちーが笑ってられる世界を一緒に守ろうね」

東雲 亜梨花 : 「……私と一緒じゃ、いやかな?」

望月/朔 : 「……」

 朔はその言葉に頬を緩め。

「そうね。この子と私の世界になら、アナタはいてもいいわ。
 私はこの子のために生き、この子のために死ぬ。それは変えられないけど──それくらいだったら、余裕はあるわよ」

 酷くジャームらしい、エゴに満ちた言葉で、返した。

望月/朔 : 「だから、私を助けたいなら、精々、頑張ってちょうだい。
 消えるかどうかはその時だし、この子が懐いてるあなたの世界を壊すのは、この子にとっては有益じゃないから。やるわよ。もしも私が塗りつぶされるなんてことがあったら」

 そして、それだけは変わらないから、精々意地を張れとも、告げた。

東雲 亜梨花 : 「へへ、見ててよ。私実は結構すごいんだから」

望月/朔 : 「そうね、楽しみにしてるわ。その時が来るまで、ね」

東雲 亜梨花 : 「……で! 具体的な話だけど。
さっきなんかこわい人から明日なんかするってきいたんだよね! 朔ちゃんなんか感じてる?」

望月/朔 : 「……日に日に、悪意がましているというより、──ざわついている感じがするのよ」

望月/朔 : 「殻を破って、出てきそうな、そんな違和感」

東雲 亜梨花 : 「ふむ、うちがわから?」

望月/朔 : 「そ」

東雲 亜梨花 : 「う~~~ん、気になってたんだよね。『双子月』のこと。
あの日、大きな月が二つ出ててさ、それってもちーと朔ちゃんのことかと思ったんだけど……よく考えたら朔ちゃんは新月だよね。

もう一つ、もう一人の『月』がいるんじゃないかな。
そういうの感じたことある?」

望月/朔 : 「……」

望月/朔 : 「──封印のためだけに、偽物の月が用意された。どうやったかは、資料も燃えてるだろうし、関係者は死んでるでしょうけど」

望月/朔 : 「結界みたいなものね。月に、月の名を関する神を封じ込めるためのもの。
 ……散々騒いでた双子月って、もしかしてそれのことじゃないかしら」

東雲 亜梨花 : 「偽物の、月」

東雲 亜梨花 : 「あれ、誰かが作ったのーーーー!!???」

望月/朔 : 「研究所のやつらは、そういうオカルト──実在するオカルトに傾倒していた。
 そのトップが黒澤で、ソイツが当時あったものを使って、創ったみたいね。私を"眠らせた"そのあとに」

望月/朔 : 「だから、この市では月が二つなのよ。
 もう一つの月に、爆弾を抱えた私ごと、眠らせるためのもの」

東雲 亜梨花 : 「うむむ……なるほどね。あぁびっくりした。
スケールの大きな話で本当にびっくりした。

その朔ちゃん専用ベッドと山のとこにあった碑石がなんやかんや連動してなんやかんやであの日朔ちゃんともっちーが起きることになったのかな……うむうむ……」

東雲 亜梨花 : 「朔ちゃんのうちがわの……なんだろうな悪意さんがざわざわしてきているのは、やっぱりさっきの怖い人とかが言ってた『神話の再現』の準備のせいかもしれないね。それを防げたら……ううん、そのまえに」

望月/朔 : 「そのまえに?」

東雲 亜梨花 : 「聞いておこうと思って。
『消えたい』って思ったことある?」

望月/朔 : 「ない」

東雲 亜梨花 : 「わあ即答」

望月/朔 :  ・・・・
「ジャームに迷いや諦念なんてないって話よ」

望月/朔 : 「消えるくらいなら、お前を殺して道連れにする、……って答えるわね」

東雲 亜梨花 : 「──…………」

東雲 亜梨花 : 「ふ、あははは!」

東雲 亜梨花 : 「それだと困るな! 私もジャームになっちゃう」

望月/朔 : 「似たもの同士ね」

東雲 亜梨花 : 「うん、そうかも。
ああよかった。やっとおんなじこと考えてる子がいた。

迷いがなくても、きっとそれは朔ちゃんだからじゃないかな。ジャームになったからじゃなくて、つらくて苦しいからたくさん守ってきた朔ちゃんだからだよ。私はそう思うな」

望月/朔 : 「……そうかもね」

東雲 亜梨花 : 「もっと早く友達になりたかったな~、でも、あの時目覚めてくれたから今会えてるし、セーフかな?」

東雲 亜梨花 : 「──わたしをマスターに選んでくれてありがとね」

望月/朔 : 「……。こっちこそ、ありがとう」

東雲 亜梨花 : へへへ……照れちゃうな

東雲 亜梨花 : 「……あ! そういえばなんだけど、

望月/朔 : 「?」

東雲 亜梨花 : 「朔ちゃんは、黒澤秋人? ってしってる?
たぶん研究所の局長のやつのなんかなんだけど」

望月/朔 : 「……"黒澤"……」

 目を細めるも、余計な私情は挟むまいとかぶりを振って。

「私を封印した男なら、そいつじゃないけど知ってる。
 ……察するに、多分そいつは、末裔とか、そんな感じなんでしょうね」

東雲 亜梨花 : 「会ったことは?」

望月/朔 : 「ない」

東雲 亜梨花 : 「だ、だよね~」

望月/朔 : 「はじめて、名前も聞いたようなものだし」

東雲 亜梨花 : 「ちなみに、もっち~と糸香ちゃん……あ!私が潜入してる学校の生徒会長ね! と一緒に帰った時に、後ろにいたの知ってる?」

望月/朔 : 「……なんか、ヘンなヤツがつけてきてるなっていうのは、あったけど」

望月/朔 : 「ごめん。その時、多分寝てたからあんまり覚えてないわ。
 望月(この子)は察することはないでしょうし」

東雲 亜梨花 : 「そっか。あの人、無事捕まるといいんだけど。
なんでもっちー起こそうとしたのかとか聞いてみたいんだよね。

ま、あったことないならしょうがないか。
じゃ~明日の決戦(推定)!に向けて英気を養いますか!」

望月/朔 : 「よく分からないけど。……そう。この子に手を出すなら、殺せばいっかって思ってたくらいだから」

「──そうね。そうしましょうか」

東雲 亜梨花 : という感じにあれしたところで、最後にさくっと月読尊について<UGN>で情報判定挑戦したいな。

東雲 亜梨花 : よろし?

望月/朔 : よき。月黄泉ノ尊だよね

東雲 亜梨花 : なちゅらるに字を覚え違えておったわ

東雲 亜梨花 : そうです字が違う方の

東雲 亜梨花 : え~っと(不慣れ)
UGNだから、基礎が1dx+1で、今の侵食率ダイスが+2で

東雲 亜梨花 : せっかくだから砂の加護も使ってお祈りして4dx+1で判定します!

望月/朔 : 侵蝕ボーダー大丈夫か

東雲 亜梨花 : 大丈夫かな……

翠簾野 夕南 : 言うてあと一回ミドルあるだろうし

東雲 亜梨花 : 我慢時?

翠簾野 夕南 : そこ登場するならどっちみち100オーバーするんじゃないかなと思うよ

東雲 亜梨花 : 振り切り時!

明花あきる : まァEロイスいくつか出てるしな

東雲 亜梨花 : せっかくなので全力するぜ。うおお

卜部影路 : ちゃんと帰ってこいよ……

東雲 亜梨花 : フラグ職人!!

東雲 亜梨花 : まずは砂加護分のコストをお支払い

system : [ 東雲 亜梨花 ] ロイス : 6 → 6

system : [ 東雲 亜梨花 ] 侵食値 : 88 → 91

東雲 亜梨花 : へへ、大台

東雲 亜梨花 : ええと目標値は10だっけ

望月/朔 : イエス。

東雲 亜梨花 : いえあ~

東雲 亜梨花 : 4dx+1>=10 (4DX10+1>=10) > 7[2,3,6,7]+1 > 8 > 失敗

東雲 亜梨花 : シュン

卜部影路 : おい

東雲 亜梨花 : いちたりない

望月/朔 : 財産点

東雲 亜梨花 : ないよ”!

望月/朔 : (あくま)

望月/朔 : ないのかーい

翠簾野 夕南 : ありちゃんはないんだよな

翠簾野 夕南 : 拳銃に全部支払ってるから

卜部影路 : 小遣いを全部常備化に使ってんだよな

神々廻 京 : かなしいね

望月/朔 : あっ、ない。ほんとだ。

東雲 亜梨花 : huhuhu

望月/朔 : ま、まぁ、密教で信仰されていた異端の神様だったらしいので、UGNにもデータがあまりない……という形としましょう。

東雲 亜梨花 : コネはもう使ったしね、しかたないね

翠簾野 夕南 : 次のパートでおれが調べるよ

翠簾野 夕南 : 可能なら複数参加して他データももうちょっと調べてえな

東雲 亜梨花 : し、支部長~~!!代理じゃなかった方の支部長~~~

望月/朔 : (これはまだ結構わかってないことがあるという意味なのか、単純に色んな意味で疑われているだけなのか迷う図だけど)とりあえず今日はここまで

望月/朔 : 明日は22:00からで、下手くそパートからです。

東雲 亜梨花 : は~いヨロシャス!

東雲 亜梨花 : ありちゃんはこのあとしばらくPCに向かって格闘してましたとさ。まる。

<ミドルフェイズ⑫/翠簾野夕南/ロア>

GM : というわけで、今日は次の夕南のシーンで終わろう。

翠簾野 夕南 : ほい。

翠簾野 夕南 : たのむよ〜

翠簾野 夕南 : 1d10 登場 (1D10) > 6

GM :

<ミドルフェイズ/ ロア >

GM : ま、まぁ今更……なところ。

system : [ 翠簾野 夕南 ] 侵蝕率 : 105 → 111

GM : さて、知識orUGNで難易度は12だ。

翠簾野 夕南 : 情報収集チーム使う。

翠簾野 夕南 : ここまで来たらもう変わらないな……《生き字引》《コンセントレイト:ノイマン》積む。

GM : 本気だな……

system : [ 翠簾野 夕南 ] 侵蝕率 : 111 → 115

翠簾野 夕南 : (8+3)dx+3@7 《生き字引》《コンセントレイト:ノイマン》使用情報ダイス (11DX7+3) > 10[1,2,4,4,5,5,6,7,8,9,9]+10[4,6,8,8]+6[2,6]+3 > 29

GM : 余裕で成功だ。

翠簾野 夕南 : 情報収集チームいれてない。30だ

GM :

 ……あなたが調査を依頼してからしばらくして、尾身から連絡があった。

尾見俊樹 : 「──支部長、やはり、ツクヨミノミコトはデータベースにはありませんでした」

「……しかし、過去に、これと似た事例と遭遇したオーヴァードと連絡がつきました」

尾見俊樹 : 1d10 1~3 マカロン 4~6 アルマ 7~9 適当に選んだキャラ 10 厄ネタ 情報提供者決めてないので振っていい?いいよ (1D10) > 1

翠簾野 夕南 : おまえかーーーい

翠簾野 夕南 : 「……マジか! 回線つなげた?」

尾見俊樹 : 「──いえ、なんか、しょうゆを呑むレネゲイドビーイングに連絡を依頼したら、こちらに来ると……」

GM :  その時、玄関口から場違いなものが吹き込みます。
 寒気とともに侵入し、降り積もるそれは、雪。──あるいは、吹雪といったところだろう。

翠簾野 夕南 : 「!? なんだなんだ──侵入者対策ってしてたよな!?」

尾見俊樹 : 「してましたけど!?」

GM :  やがてそれは、それぞれが意志を持っているかのごとく、自律して動き出す。

GM :  ヒトの形が出来ていく。手が、足が、顔が。やがて、それは語りかけた──、

シュニー・マカロン : 「──はろーはろーはわゆ? ヒトの子よ。冒険家たるわたしを呼ぶなんてきみはめのつけどころがたかい」

翠簾野 夕南 : 「…………」

シュニー・マカロン : 「あの醤油野郎から連絡がきたときは何事かと思ったけど、面白そうなことあらばとんでいくのがこのわたし。
 さてはて、キミは何を知りたいのかな? いずれにせよ、対価は一つだ心せよ──」

シュニー・マカロン : 「──お菓子よこせ」

【"氷雪幻想(ヨトゥンヘイム)"シュニー・マカロン】
 どこかからやってきては、どこかへ去っていく、旅人の性質を持つレネゲイドビーイング。
 つい最近はT市を根城にしていたようだが、今回同胞の情報屋からの連絡を受け、P市にまで飛んできた。
 金銭対価を要求することはなく、かわりにお菓子を要求する、風変わりな存在。

翠簾野 夕南 : 「……………………」

翠簾野 夕南 : 「アポなし訪問でお菓子要求!!!!????? ちょっとごきげんすぎるよな!?」

シュニー・マカロン : 「礼儀のれの字もないね、招いておいてお菓子のおの字もないなんて。ほら甘いものちょうだい。
 くれないと欲しいものはあげないぞ」

翠簾野 夕南 : 「お互い様ですよね!? くそっ、噂のお菓子娘かこの子……!!」

シュニー・マカロン : 「?」 何を言っているんだいキミはという眼で見ている……

翠簾野 夕南 : 「おかしい………おかしいだろ……!!! おうちに入るときはピンポンしろって教わったろ職員から……!?」

シュニー・マカロン : 「……?」 おまえには常識がないのかという眼で見ている……

翠簾野 夕南 : 「があああああああ話進まねえ〜〜〜ッッ!」頭掻きむしる。

シュニー・マカロン : 「いいからほら、」

シュニー・マカロン :

 お菓子  か  死
「シュガー おあ ダイ?」

翠簾野 夕南 : 「ダイ!?」

翠簾野 夕南 : 「おれそんな命をかけるような交渉の場に放り込まれてた!?」

シュニー・マカロン : 「自覚がないとはうらやましい」 やれやれと肩をすくめた……

翠簾野 夕南 : 「急に意味ありげになるな! ツッコミ法に困るだろ!?」

翠簾野 夕南 : ぜえ、ぜえ、ぜえ

翠簾野 夕南 : 「…………………おれのいちご大福…………」しろあん。

シュニー・マカロン : 「ありがとう(はむ)──うん合格。これ一箱ね」

シュニー・マカロン : 「これ一箱くれたら教えてあげるよ。欲しいモノ(情報)を」

翠簾野 夕南 : 「おひとりさま2個!!!」

シュニー・マカロン : 「……?」 譲歩はない・・・・

翠簾野 夕南 : 「並ぶんだぞ……あさ……わくわくしながら!!」

翠簾野 夕南 : 「…………塩大福で妥協できねーかな……………」ガックリと肩を落とした……

シュニー・マカロン : 「しおだいふく! 甘みを引き立たせる塩味ならわたしは許すことにしているんだ!」

 寛大なので

シュニー・マカロン : 「それを一箱と、あれば豆大福一箱。それがわたしにできる最大限の譲歩だ」

 真顔で

翠簾野 夕南 : 「増えたね? 増えたよね?」

翠簾野 夕南 : 「譲歩みたいな顔してるけど増えたよね?」

シュニー・マカロン : 「お菓子に貴賤はないがランクはある。価値判断はこちらで決める。いちご大福一箱に対し、塩と豆一箱ずつだ……」 横暴

翠簾野 夕南 : (……ダメだッ……ペースに飲まれる!)

翠簾野 夕南 : 「………報酬相談は後でしよう! 実は時間あんまりないんだ!」

シュニー・マカロン : 「……ふぅん? 切羽詰まってるってのはホントみたいだね。
 いいよ。支払いさえしてくれるという約束があれば、信用することにしているんだ」

翠簾野 夕南 : 「ここで事態を収束できねーと、この街はおしまい! そう、昔ながらの和菓子屋さんが潰れちまう!」

シュニー・マカロン : 「それはいけない」

翠簾野 夕南 : 「こまるだろ」

シュニー・マカロン : 「たいへんこまる」

翠簾野 夕南 : (……よし!)

シュニー・マカロン : 「貴重な財産だ。それが破壊されるのはあってはならないさあ話そう今すぐ話そう、それで」

シュニー・マカロン :

「──何が聞きたいのかな? なんでも言いたまえ」

 その時だけは、彼女は魔女であった。
 ときに神格化される吹雪の集合体。自由で気まぐれに領土を凍てつかせる、人間に親しくて、しかし程遠い存在。

翠簾野 夕南 : 「………」
 レネゲイドビーイングって、こういうところあるんだよな。助かるけど、こっちの事情をどこまでわかってくれてるんだか──

翠簾野 夕南 : 「ツクヨミノミコト、ってものがこの街にいるらしい。ようは、精神に働きかけて狂気をもたらすような遺産らしいんだが……」

翠簾野 夕南 : 「これと似た事例に遭遇したことがある、って報告で聞いてる。なにかわかる?」

シュニー・マカロン : 「まず、ツクヨミノミコトについては聞いたことがない。
 が、しかし、まぁ、話を聞いた時点でぴーんときた。仕組みを考えれば、似たようなものだ」

 くるくると魔眼である本を弄びながら、その内側から取り出した金平糖をかじる。

「(はむ)──ときは2008年だったかなぁ。
 確か、あれはヒルコ神だかっていう同胞(レネゲイドビーイング)を崇めてた教団が起こした事件だ」

シュニー・マカロン : 「そいつはエグザイルシンドロームだとかなんだとかっていうのはこの際関係ないのでいい。
 問題は、生まれながらにして、そいつがヒトとは隔絶した世界にいたということ。そして、ヒトの悪意を受け入れ続けてきたということだ」

「わたし達は目的に執着し、探求しつづけ、答えを求めて行動を繰り返す。
 が、ヒルコ神っていうのは、それが形成される前の段階だった。教団は、そんな神に人間の悪意を教え込ませ、こともあろうに日本滅ぶベシなんていうことを唱えたんだそうだ」

シュニー・マカロン : 「で、ヒルコ神がやったのは単純。"教えられた悪意と自分の衝動を、その市にブチ撒けた"。
 あれはまーすごかったねぇ。地獄絵図とはこのことかと。餓鬼道恐るべし、くわばらくわばら・・・」

翠簾野 夕南 : 「………」

シュニー・マカロン : 「──その八尺瓊勾玉、もといツクヨミノミコトも、おんなじだと思うよ。
 プログラミングされた通りに、とびっきりの悪意でもって人類社会を滅ぼそうとするだろうさ。もし目覚めればね」

翠簾野 夕南 : 「……ぞっとしねーな」

シュニー・マカロン : 「で、復活事態を止めるのは人間である以上は無理。
 わたし達、もといゼノスの王は、これを"滅びた伝説(ロア)”と呼んでいる」

翠簾野 夕南 : 「プランナーが?」

シュニー・マカロン : 「そ。わたし達の王は、非常に興味深い事案として、同胞に調べてもらってたり、もらってなかったり」

「この辺じゃあ面白い話もあったね。桜の大樹に宿ったレネゲイドビーイングが、人々の願いを受け止めて、町を再生させていたのを。──やしろ町の大桜、だったかな?」

翠簾野 夕南 : 「聞いたことある。そのときは、核になってた人格を壊すことでなんとかしたって話だったっけ」

シュニー・マカロン : 「らしいねぇ。
 だから、復活はしたとしても、やりようはある。──内側からどうにかするのさ」

シュニー・マカロン : 「また封印するっていう手段もなくはないけど、失われてるんだろう? かしこいからわかるよ。
 たとえ出来たとしても、封印が劣化すれば二の舞だ」

シュニー・マカロン : 「誰かが、創られた悪意を消し飛ばさなければ、禍根ってやつはつづく。
 亡霊はいつまでたってもねむれません。おお、睡眠不足とはなげかわしい」

翠簾野 夕南 : 「……そーね。核になってた少女を使って事態を収束するってのも、イレギュラーが入り込んでる今じゃベターとは言えねーし」

翠簾野 夕南 : 「なにより主義じゃない。そのあたり、詳しく聞かせてもらえるか?」

シュニー・マカロン : 「絆(ロイス)、と呼んでるのさえあれば、たとえ乗っ取られたとしても、呼びかけは届くんじゃないかなぁ。
 精神論だけどね」

シュニー・マカロン : 「得てして、悪意とはそういうものに弱いものだよ。所詮は、亡霊だ」

翠簾野 夕南 : 「………」

翠簾野 夕南 : 「……それは、相手がジャームだとしても?」

シュニー・マカロン : 「たぶん、復活させようとするやつは、すごく悪辣だろう。
 そして、悪意の集合体は、悪辣なヤツとはウマがあう。調子のって、出てくるわけだ」

[雑談] system : [ 東雲 亜梨花 ] ロイス : 6 → 7

シュニー・マカロン : 「だとしても、だよ」

 絆など持ち得ない存在であっても可能か。それに、肯定の意を返した。

「別に、日常に帰ってくるわけじゃない。
 ・・・・・・・・・・・
 お前なんか知ったことかって跳ね除けられる精神力だ。問題はね」

シュニー・マカロン : 「ジャームだろうがなんだろうが、適した環境に生きて、強いのが最終的にはすごいことになる。キミたちヒトがよく言うことだろう?」

翠簾野 夕南 : 「………そっか」

翠簾野 夕南 : 「要は声を届ける側が、望月と朔を──あの二人をどう思ってるか、だもんな。わかる気はする」

シュニー・マカロン : 「そ。話さえ聞いてくれれば、極端な話目覚めることだって出来るものさ」

シュニー・マカロン : 「……まぁ、そのためには仮にもカミを、物理的に弱らせなきゃいけないわけだが。穴を開ける準備は、必要だって話」

翠簾野 夕南 : 「だよなあ。結局、最終的には力技ってわけ……」

翠簾野 夕南 : カミ、Eロイスいっぱいありそう?

翠簾野 夕南 : ??

シュニー・マカロン : いっぱいあります

翠簾野 夕南 : 戻る……戻ってきたい!

シュニー・マカロン : まぁ、話したので一つ開示はしますか。

シュニー・マカロン : 【 Eロイス《究極存在》 】

 カミは、常人の手では下せぬモノである。
 ツクヨミノミコトにダメージを与えることは可能ですが、HPを0以下に出来ません。

解除条件:不明(特定条件満たした上で、HP0時──)

翠簾野 夕南 : あるよなあやっぱり

翠簾野 夕南 : 「………わかった。君から見て、他に何か思い当たることはあった?」

シュニー・マカロン : 「たとえば?」

翠簾野 夕南 : 「……神をおろす媒介にされてる少女がいる。そういう存在について」

シュニー・マカロン : 「ヒトバシラ、ヒトミゴクウ、ヨーロッパじゃあ神の声を聞くものとして奇跡は崇められるけど、ニホンは逆に神の怒りを鎮めるためという意味合いが強い」

シュニー・マカロン : 「──弱かったから、ヒーローが現れるまで運命を地獄に委ねるしかなかったっていうのはあるかもねぇ。わたしが見てきたボーイミーツガールがそんなかんじ」

翠簾野 夕南 : 「うーん、今回はガールミーツガールなんだよな」

東雲 亜梨花 : ぼや~

シュニー・マカロン : 「どっちでもいいね。見ていて楽しければ」

シュニー・マカロン : はむ、と金平糖を一口

翠簾野 夕南 : 「そういう話かあ?」

シュニー・マカロン : 「享楽は全てに勝る」(ぱくぱく)

シュニー・マカロン : 「──ま、適合率とやらが高ければ、カミをおろせるのかもしれないね。そのカミの正体がなんであれど」

シュニー・マカロン : 「キミらもたまにあたるだろう? FHがすごいレネゲイド適合率高いからって狙う子を護るとか。そんなものだよ」

シュニー・マカロン : 「それが、UGNだのFHだのが出来る前は、軍部のお偉方がやっていた、ってだけの話さ」

翠簾野 夕南 : 「……まーな」

シュニー・マカロン : 「まぁもっと昔の時代の話になっちゃうと、たまたま偶然適合率高い子がそんな感じになってあーなってこーなる、みたいなコトもあるが、それはそれ、これはこれ」

シュニー・マカロン : 「とにもかくにも頑張り給え少年少女とわたしはエールを送っておこう」

翠簾野 夕南 : 「実際、すごい参考になったよ。ありがとうな。お代は……」

シュニー・マカロン : 「お代は?」

翠簾野 夕南 : 「…………仕方ねえ」

翠簾野 夕南 : 「いちご大福、豆大福一箱、うちの母親謹製のおはぎ」

翠簾野 夕南 : 「………おれのおやつ………」

シュニー・マカロン : 「すばらしい。お菓子払いのよい依頼主(クライアント)は好きだ」

 眼を輝かせている……!!!!

翠簾野 夕南 : (恨むぞ俊樹……! おれの、おれのおやつ……!!)

尾見俊樹 : (す、すみません。まさか、ヘンなのにつながるとは思っておらず……!!!)

シュニー・マカロン :  箱を受け取ると、魔眼の中にしまいこみ、

「うん。最高。素晴らしい。これでしばらくはおやつタイムが渋る。
 自慢してやろ。s……白石のやつに」

翠簾野 夕南 : (その白石さんって人、自分の上納分が減って嬉しがるんじゃねーかな……)

シュニー・マカロン : 「というわけでまったね~、用心棒契約情報屋なんでもござれ、おやつを提示すれば仕事で払う、シュニー・マカロンちゃんでした~~~」

 吹雪と停滞を支配する魔女など、もうそこにはない。
 未知なる甘いものを求めてどこへでも旅をする一匹のナマモノ(レネゲイドビーイング)がそこにいた。

シュニー・マカロン : というわけであとやることなければシーン終了で、今日は終了!

翠簾野 夕南 : ほい!

翠簾野 夕南 : おつかれさまどすえ!

東雲 亜梨花 : 失ったものはおおきかったな……おつかれさまです

シュニー・マカロン : オツカレサマ~

神々廻 京 : おつかれさまでーす

翠簾野 夕南 : あ、そうだ

GM : ホァイ

翠簾野 夕南 : 望月と朔のふたり一組にロイス取ることできるか?

GM : 可能です

翠簾野 夕南 : ならそれで取ろう。○P遺志/N敵愾心。敵愾心というか、いざというときは本人の望み通りにするという意志かな

GM : なるほどね

翠簾野 夕南 : 「月の狂気」にとるかなやんだけど、甚さんのやり残しはこの二人かなと思うので

GM : 了解した。

<ミドルフェイズ⑬/明花あきる&神々廻京/過去と確執>

GM :

<ミドルフェイズ/過去と確執>

GM :  ……晩年、祖父たる明花冬三郎が解けなかったとされる唯一の難題。
 そこに手がかりがあると見たあきるは、意を決して自宅へと一度戻ることとなる。

 彼女の実家は、山林の内にある武家屋敷。
 華族の血統からはじまる血統主義者であり、かつては政界にも進出していた。
 しかし、戦後の財閥解体にあたりやり玉にあげられた結果、今は遺産を使い、暮らすだけの家となっている。

GM : さて、侵蝕振ったら書きたいとこからはじめてよいよ

明花あきる : あいよ。じゃあまァ、まずは登場侵蝕から。

明花あきる : 1d10 (1D10) > 9

明花あきる : ………………まァ、ずっと避けてたことだからなァ。むべなるかな

神々廻 京 : 1d10 (1D10) > 10

神々廻 京 : w

system : [ 明花あきる ] 侵蝕値 : 76 → 85

明花あきる : オマエもかよ!

GM : 殺気高くないですかね

神々廻 京 : :侵蝕値+10

神々廻 京 : ああん

system : [ 神々廻 京 ] 侵食値 : 75 → 85

system : [ 神々廻 京 ] 侵蝕率d : 1 → 2

明花あきる :
 久しく訪れていない、構えだけは立派な武家屋敷。
 門前にて見上げるのは、いつものように番傘を差し、黒と青を基調としたゴシックロリータを纏う、少女の姿。
 明花一族が末娘、明花あきるだった。

明花あきる :
「────しっかし、改めてこう見ると。いかにもお取壊し寸前、って風情なんだよなァ。
 客人もろくろく来やしねェんじゃ、デケェ邸も伽藍洞が関の山だ」
 ジジイが生きてた頃にゃ、もう少し活気があった気がするんだが……それもまた、感傷なのかもな。

明花あきる :
「私が帰ることも、連れがいることも女中に伝えたから、母様たちには伝わってるはずだが……はてさて、どんな顔をされるやら」

神々廻 京 :
「あはは……まあ、連れてきた人間がメイドというのは中々のインパクトでは無いでしょうか?」

明花あきる :
「ハ、そいつァ違ェねェ。出てった一人娘が、メイド一人連れて帰ってくるたァ思いもしてねェだろうからな。据わった顔の、驚くところが見れそうだ」

神々廻 京 :
「威力は期待できそうです。
 この状況ですからね、わたくしとしても本業のボディーガードとしての名目が持てるので、願ったり叶ったりです」

GM : (やっべ女中キャラ手持ちで出てこなかったからメイド服だとなってるGM)をよそに、インターホンを鳴らすと、「は~い」と少女の声で応対がきます。あなたが実家にいた頃、もといオーヴァードとして覚醒した頃に、明花家に監視、もとい家庭教師として招き入れられたオーヴァードです。

エル・サーミア : 「どちらさまで──あきるお嬢様!? そのメイド様は!?」

 イギリス系の女性オーヴァード。
 ブラックドッグシンドロームであり、コードネームを"戦闘機巧侍女(バトルメイド)"、エル・サーミア。

エル・サーミア : 「はっ、あわわそうだそうだった今日帰られるって聞いてたばかりだった。
 おかえりなさいませ! このエル、お嬢様の部屋は毎日ピッカピカのピカにしておりました!」

神々廻 京 :
(──……これはこれは。
 同業者としては嫉妬してしまうくらいの出来を感じますね)

明花あきる :
「連絡したろ。いつもご苦労さん、まァ今日は、帰宅っつーより用向きがあってな。ジジイの書斎と、……母様たちに」

 自分の家庭教師、昔と変わらぬちょっとしたそそっかしさを漂わせる旧知の顔に、彼女は少しだけ顔をほころばせつつも、そこには少しだけ翳りがある。
 努めていつものように────しようとして、それでも否応なしに自分を捕える「明花令嬢としての自分の影」に、怯えているようでもあった。

明花あきる :
 ……それを振り払うようにして、彼女は後ろに控える神々廻にちらりと目を遣ってから。

「こっちは連れだ。調べるにも人手が必要だってことで、同行してもらってる」

神々廻 京 :
「わたくし、神々廻京と申します。あきるお嬢様とは縁あって、この通り同行させていただいております」つ名刺

エル・サーミア : 「あ、これはどうもご丁寧に、はじめまして。
 UGN本部監査課所属、ならびにアキバハラ支部出張メイド部隊、エル・サーミアと申します。……しかし、神々廻、しんべ……」

 どこかで聞いたことがある、といった風にとんとんとこめかみを叩いたかと思えば、

「あーーーっ!!! 思い出しました!!! "夜明けの風来坊(アルモニカ・オーブ)"さん!!!」

明花あきる :
「知り合いか? ……いや、メイド繋がりか」

エル・サーミア : 「とんでもない! 凄腕ですよ凄腕! 我々の業界では知らぬものはおりません!」

「愛用のハーモニカとともに、日本全国、否、世界各国を旅して回るなんでも出来る風来坊! アキバハラ支部においては謎多き神として語られる、あの! 神々廻様ですか!?」

神々廻 京 :
「……………………」

明花あきる :
「謎多き神」

神々廻 京 :
「はい、ご本人です」

明花あきる :
「動揺のどの字もねェ……」

神々廻 京 :
「まあ、わたくしはあまり自分を見せない・語らないがモットーでして。
 名前とコードネームが一人歩きするのも珍しくは無いのかなと思っておりましたが……」

エル・サーミア : 「う、うおお! 生ける伝説! 我々の立派なメイドになりたいという願望が作り出した一種の都市伝説(ロア)かと思っていた時期もありましたが! なまで、なまでお目にかかれるとは……!」

明花あきる :
「狭い世界というべきか、世界は広いというべきか……よくわかんねェケド。
 これはこれで、一種のミーハーってヤツなのか?」
 なんだろう、「噂の女子高生探偵!」ってテンションブチ上がってた木ノ宮と同じような空気をエルから感じる。

神々廻 京 :
「ところがどっこい、現実です。存在しちゃってます。
 しかしま、出張メイド部隊の皆様にも認知されているのは嬉しく思いますよ」

エル・サーミア : ダブルクロスアキバハラステージ、春日恭二が家電量販店FHをやっていることで有名

明花あきる : 春日本当に何でもやるな……

神々廻 京 :
「どうなのでしょう──……いえ、わたくしとしても同業者と出会うことはそう無いので、初めてではあるのですが」

「──……ま、それはさておき、女中の方からはこの通りですし、わたくしが居ても問題はなさそうですね?」

 後半はあきるへの耳打ち

明花あきる :
         メイド
「まァ、世間的にゃ女中なんざ珍しいモンだからなァ……」
 とのんびり呟きつつ。

明花あきる :
「そうだな。元より私の連れなんだ、文句なんざ言わせねェつもりだったが……母様たちが愚図っても、最悪、エルがどうにかしてくれるさ。
 その辺の信用は、コイツにゃあるからよ」
 耳打ちし返す。

神々廻 京 :
「精神的にとはいえ、味方は一人でも多い方がいいものです。
 間を取り持ってくれそうですし、ここは一つ関門クリアということでしょう」ぼそぼそ終わり

明花あきる :
「……そうだな。エルが残ってくれてて、良かったよ」

エル・サーミア : エルはあきるがオーヴァードだとわかったときに、身内でどうにかしようと考えていた両親を見てられないと、夜辺を通して派遣された監査課ですね。ローザが上司であり、尾見くんとは同期。

エル・サーミア : で、ここまでくると一個決めないといけないことがあるが……ダイスにまかせちゃお

明花あきる : 尾身の同期かァ。

エル・サーミア : シークレットダイス ???

エル・サーミア : 「こーしちゃおられません! 私に出来る最大のもてなしを──」

 興奮はクライマックス。
 実力だとかそういうのはともかく、謎多き存在に出会えたという感動があったのだろう。
 一体アキバハラ支部ではどういう噂が立っているのかが寧ろ謎めいてくるほどの様子であったが、

 ──しん、と空気が冷え込んだ。

GM :

「──騒々しい。何事ですか。エル」

明花あきる :
「………………………………」

神々廻 京 :

(…………噂をすれば)

明花春 :
 氷。
 霜が降り、世界が停滞するとはこのことだろう。
 気丈な少女の心をへし折るには十分すぎるくらいの威圧がそこにある。

「あ、し、失礼致しました、奥様」
「茶と、菓子の用意を」
「はッ」

 興奮気味だったエルは、その指示を受けてメイドとしての本分を果たすために引っ込む。

 磨き抜かれた抜身の刃のような女だった。
 怜悧な瞳は奇妙な来訪者(メイド)を見、──そして、自分の娘を見る。

明花春 : 「……上がりなさい。あきる」

 明花春。
 オーヴァード事案の事実を知らされてもなお、家の本分を全うせんとする刃の女。

明花春 :  あきるがオーヴァードであり、暴走の危険性を孕んでいたとしても──"だから? 家の問題に、お前たちを不用意に上がらせるほど愚かでも、弱くもない"と斬って捨てるほどに、刀だけで生きてきた女でもあった。

明花春 : 「それと、女中が粗相をしでかしたのであれば、申し訳ございません。連れのお方。
 そちらも、よろしければお上がりください」

 メイドの方にも、きっちりと頭を下げる。

明花あきる :
 反射的に、喉が締め付けられた。
 自由だった体に透明な縄が絡みついて、長年に渡り浸透させられてきた「斯く在るべし」との教えの通り、手足が勝手に動く。

明花あきる :
「────はい。母様」

 番傘を静かに畳み、淑やかな礼で以て相対した。我が身の親、目上への礼儀として伏した眼の蒼氷が、反射の行動に少しだけ歪んで、すぐにまた元の怜悧を取り戻す。

 踏み出そうとする足は、……鉛のように重かった。

神々廻 京 :
「──いえ、そのようなことはございませんでした。
 玄関先を騒がせてしまったのは寧ろわたくしの方です、申し訳ございません」

 返事をするように、深々と綺麗な角度でお辞儀と共に謝罪をし──ちらりとあきるの様子を見る。
 そして一息でそれを理解した後に、

「わたくし──神々廻京と申します。縁合って娘様とは親しくさせていただいております。
 お言葉に甘えて、お邪魔いたしますね」

明花春 : 「……なるほど」

 推し量るように、透き通る眼が神々廻を見ていたが、

「──娘が世話になったようです。そのことに関しては、感謝をお伝えいたします。……どうぞ、こちらへ」

明花春 :

◇◆◇◆◇

明花春 :  彼女の立ち振舞に、支配欲だとか、野心だとか、そういったものは一切無い。
 ただ規律に従い、本分を真っ当する鋼。全神経を己を律するためだけに使う、精神面での怪物。

「晩夏は取引先との商談故、夕刻頃までは戻りません。
 ……お前も仕事があるのでしょうし、残って挨拶しろというつもりはありません」

 淡々と、あなたの父親である明花晩夏が戻らないことをあきるに伝える春の背は、一本の芯で固定されているように伸び切っている。

明花あきる :
「……そうですか。父様は、御不在と。
 『御自愛ください』、……あきるがそう云っていたと、お伝えください」

 親子ながらに、他人行儀なものだと自分でも思う。だが、これが明花の家なのだ。
 築いてきた栄華を、捨てられない。先祖連綿から続く「明花」という血統と伝統の廃絶を、死んでも受け入れられない。時代とそぐわぬカタチを保つに、なまなかな鋼ではすぐに手折られる。
 戦後の過酷をたとえ中流だとて生き抜いてきた矜持の体現として、明花春はこの家を守っていた。

明花あきる :
 ……その母を。人として、一抹の尊敬を抱いてはいても。
 親として。愛しているかと言われれば、素直には頷きがたかった。
 だってあきるは、……愛らしい愛を、この人から受けた覚えがない。

 だから、彼女はここに来た。
 縛る呪いを、刃の如く断つために。

明花あきる :
       ・・・
「……ですが、いいえ。
 あきるは、母様にお伝えしたいことがございます」

 震えそうになる声を、懸命にこらえて。
 俯かせそうになる眼を、必死に仰向けて。
 その鋼と、正面から向き合う。

明花あきる :
「────御祖父様の書斎にて用を済ませてから、改めて伺います。母様」

明花春 : 「……そうですか。用が済んだなら、エルを呼びなさい」

明花春 : 「それまで、道場にいます」

 そう告げて、春はそのまま先に廊下を曲がり、姿を消す。
 あなたならばそれが意味するものは分かるだろう──帯刀した状態での瞑想だ。

明花あきる :
「……はい」

 不必要な言葉も未練も一切残さず去っていくその背中に、一つ礼をしてから。
 彼女は、そっと詰めていた息を吐いた。

神々廻 京 :
「……紅茶でも召し上がりますか?」

エル・サーミア :  では、春が去ったあと、ちらーっと厨房の方から手招きする手があります。

エル・サーミア : 「(こちらでございます。伝説のメイド様にもお使いいただけるよう器具は万全でございます!)」

 紙とペンで合図!

明花あきる :
「……用意周到だなァ」
 ふは、と少しだけ頬を緩めてから、彼女は神々廻に向けて頷きかける。

明花あきる :
「あァ、頼む。オマエの紅茶が飲みたい。そこまで悠長にはしていらんねェが、……少し、一息つきたくてな」
 扇子を握りしめる手の、少しの震えを隠すようにして、彼女はそうからりと笑った。

エル・サーミア : (きゅっきゅっきゅ)
「(どのみち客間に招き入れることになったら給仕は私の担当でございますので!b)」

エル・サーミア : ◇◆◇◆◇

エル・サーミア :  厨房では、雇われの料理人達が働いている。全盛期はもっと大勢いたのだろうが、和食はもっと質素でいいという春のお達しにより、最低限栄養があり、美味しいものが作れる料理人が残ることとなっていた。

エル・サーミア :  ……それでまわっているというのだから、普段どれだけ倹約しているのかが眼に見えるほどだが。

エル・サーミア : 「……ぷはーっ! やっと離れられた……」

 張り詰めた息を開放するエル。
 陶磁器はこのあたりで、などとメイドに説明していく。

神々廻 京 :
「……苦労しておられるのですね。いえ、部外者が口にするようなことでも、無いのかもしれませんが」

「あきるお嬢様のあのような顔は、初めて見ました」

 説明を受け、配置を記憶しながら──漏れるように一言。

エル・サーミア : 「そりゃもう。嫌味言われるタイプの職場の方がまだマシですよ」

 お湯を沸かし、茶葉を取り出す。

「私がここに配属されたのは、あきるお嬢様が5歳くらいの時でしたっけ……研修と実地の仕事をこなしていれど、駆け出しだった頃でございます」

エル・サーミア : 「隙も無駄もない。徹底的に削ぎ落とし、必要なものはこれでもかと折り重ねる。
 古臭い通り越して狂気ですよ。いやもう古臭いならどんなにマシだったか。……あ、これはオフレコで」

神々廻 京 :
「……ええ、『そうである』ことは、先の会話で分かりました。
 どこまでも徹底している──……執念、あるいは……仰った通り、狂気を感じさせるほどに」

「こちらもオフレコでお願いいたしますが、このような地獄の環境に配属されて、さぞ苦労したことでしょう。よく、耐えれましたね」

エル・サーミア : 「うわぁメイド神からのお褒めの言葉ッ、ありがたやありがたや……」

「──まー、ぶっちゃけやることやれば何も言われないだけホワイトなんでしょうし、そも、一番ひどいことになってたのあきる様ですからねぇ」

エル・サーミア : 「冬三郎様が亡くなられたあとなんか、それはもう……」

神々廻 京 :
「あはは、神社じゃあないんですから」

「……それは確かに。わたくし、お嬢様に対しては強いお人というイメージを抱いていたのですが。
 お家のことになると、少し身を硬らせていました。……母親との対面の時の様子が、それを感じさせます」

神々廻 京 :
「……ふむ、亡くなられた後ですか。
 少し、聞かせていただいても?」

神々廻 京 :
(……実際に来てわかるが、確かに祖父に愛されていたのですね。
 実母との空気感を見れば当然──……祖父である明花冬三朗がいなければ、お嬢様は……もっと違うお人だったのではないかとすら思ってしまう)

エル・サーミア : 「単純な話です。なつかれてたお祖父様がいなくなったあとも、明花家の方針に揺らぎはありませんでした。
 日本国民として、明花家としての本分を果たし、何かを成せ、何も出来ないならば、後に続く者のために骨を残して死んでゆけ──」

エル・サーミア : 「それが、幼いあきる様にも降り掛かってきただけの話なんです。まして、オーヴァードにも覚醒してしまった」

エル・サーミア : 「本来ならば明かす義務はないし、明かさないままの方がいいのですし、UGNの倫理規定にもあります。
 ……しかし、春様は何ら変わりなく、"それでもって為せることがあるならば、為すのが務めです"と平然と受け入れました。……あれを平然って言っちゃあ怒られると思うんですけど」

神々廻 京 :
「……にも関わらず、ですか。
 それほどまでに『縛る』のには、何か理由がありそうなものです。……憶測ですけどね」

「『生まれを選べないのが子の不幸』とは言うものですが──……なんと言えばいいことやら。
 こうして、家に顔を出すと言う決心をされただけでも、よほど重い覚悟だったのでしょうね」

 自分があきるに『うっせー!そんな縛り蹴っ飛ばせ!』みたいなアドバイスをしたことはそっと伏せた。

エル・サーミア :

エル・サーミア : 「本心なんて知れてたら今頃あんな拗れてませんよ。
 武人であり、公人であり、明花家の実質的なトップは、雇用してる我々にすら指示以外のものを下した様子は見られないんですから」

エル・サーミア : 「っていうか道場で瞑想されてる最中にいったときなんか、声をかけても反応しないってなって近づいたら危うく斬られかけましたからね」

神々廻 京 :
「……現代社会にほんとに生きてらっしゃるんですか……??」

エル・サーミア : 「言ったでしょう、狂気なんです。
 下手なジャームより怖いです。
 オーヴァードの存在があるってUGNから詳しい話がいってから磨きがかかりはじめた気がするといいますか」

エル・サーミア : 「……多分そろそろあきるお嬢様もお待ちかねでしょうし、続きはあちらで話しましょうか」

神々廻 京 :
「……それだと、まるで何かに備えているかのような──……いえ、憶測ですね」

エル・サーミア : 「どーなんでしょうね」

神々廻 京 :
「まあ、メイドには憶測しかできません。奉仕者ですから。……では、お茶はわたくしが持っていきます」

エル・サーミア : 「はわ! お嬢様たってのご指名であったとはいえありがとうございます!」

エル・サーミア : というわけで、居間に場面を移そう。たぶんたゃが座って待ってるんだろう(?)

エル・サーミア : 居間で話すことがなければ、さくっと描写してから書斎になります(念の為

神々廻 京 : ドウシマ=ショ

明花あきる :
「────────」

 無沙汰な時は、瞑想をする。座卓の上座、背筋のぴんと伸びた正座姿で、瞑目したまま。
 そうすると、少しは逆立った心も、凪に近付くことができるから。

 ……いつだったか、彼女がまだ家を出る前のことだ。同じようにして待っていたら、入ってきた女中に「春様とそっくりですね」と言われたことを覚えている。
 望もうと望むまいと、彼女と自分は親と子。きっと振る舞いもまた、望まずとも次第に似通ってきているのだろう。

明花あきる :
 考えながら、待っている。
 ……本当は、一人で来るべきだったのだろうけれど。
 本音は、一人じゃなくて良かったと、思う自分がいた。

神々廻 京 :
「──あきる様、お持ちいたしました」
 すっ、と一式を持って現れる。

明花あきる :
「ン。あァ、ご苦労」
 ぱちりと、閉じた蒼氷が瞼を開けて、現れた彼女に当然の如く頷きかける。

神々廻 京 :
「一度張り詰めたものを元に戻すには紅茶が一番です──どうぞ」
 慣れた手つきで紅茶を淹れ、静かに差し出す。

明花あきる :
「そうだな。この家で飲めるのは、基本緑茶だし。
 ……驚かせたろ、"アレ"が私の母様だ。父様も、まァ。今日はいねェが、似たようなモンだ」

 眼前に置かれたそれを、白い指がついと持ち上げる。音を立てずに、細い喉がこくりと一口を嚥下した。美味いな、と一言を零して。

神々廻 京 :
「……ええ、本心を言えば驚きです。
 なんというか……本当に、帰ってくるには、よほどの覚悟をしたでしょうね」

「それに……お嬢様を取り巻く状況に関して、理解が一歩進みました」

神々廻 京 :
「エル様からも、色々お聞きいたしました。
 聞けば聞くほど、事情を話してくれたことに感謝を申し上げたいくらいです」

明花あきる :
「話したのは私の我儘でもある、気にすンな。ま、ご理解いただけたところでどうにもなんねェ類の病気だけどな、ありゃ。偏執、妄執だよ、あそこまで来たら。
 ……『務め』を全うしよう、っていう考えは分かるンだよ。これでも明花の娘で、明花冬三朗の孫だからな。『オーヴァードだろうとなんだろうと、自分にできることで人様の役に立つべし』────それを強いられるだけならまだ、納得も出来た」

明花あきる :
                ・・・・・
「……けど。あまりにも、この家は行き過ぎた。頑固なンだよ、ようはな。
 娘の私にさえ、武人たる顔を崩さない人だ。人間、合理や矜持だけじゃ動いちゃいられねェ。女中にやる情もねェのに、続くはずがない」

明花あきる :
「それでも、……ここはジジイが見捨てなかった家で、私の生家だ。このまま時代錯誤の妄執に囚われて、おめおめ沈んでくのを見るのは……ちょっと嫌だなァ、とも思うのさ」
 だから、ここで────娘の自分が、そこに一石を投じられたならば。
 祖父もきっと、彼岸で少しは安心してくれるのではないかと、思ったから。

神々廻 京 :
「…………」ニコッ!

明花あきる :
「……夕南のトコを見た今じゃ、なおさら居心地のいい場所とは言えねェが。
 少しばかり付き合ってくれると助かるよ。神々廻」
 向けられる微笑みに、同じように笑みを返す。

エル・サーミア : 「で、では、調べモノが終わりましたら、奥様をお呼びいたしますので、そのときまでまた!」

明花あきる :
「応。ご苦労、下がってイイぞ。……ありがとな、エル」

神々廻 京 :
「もちろんです。
 ──……それに、どんなに辛い過去があっても、自分の生まれた家を守ろうと思えるのは素晴らしいことです」

「逆に言えば──……ここで、お嬢様の成長を見せる時でしょう。
 たとえ狂気、妄執と称されるものに取り憑かれていようと」

「おそらくは……人の親、であるのは間違い無いと、わたくしは思います」

エル・サーミア : 「い、いえ! あきるお嬢様も、ご武運を!」

神々廻 京 :
「こちらも、ありがとうございました、エル様。
 後ほどお時間ありましたら、そちらの支部のことについてもちょっとお聞かせ願えたら嬉しく思いますね」

エル・サーミア : 「モチのロンです!メイド神の依頼とあらばよろこんで!」

神々廻 京 :
「……ゴッドはちょっと恥ずかしいので、神々廻で大丈夫です!」

エル・サーミア : とまぁそんな感じで和気あいあいとしつつ、まずは書斎に向かうわけだね。

神々廻 京 : GOGO

GM : ◇◆◇◆◇

GM :

<書斎>

GM :  名探偵、明花冬三郎が解けなかったという最後の難題。
 志半ばで力尽きたのか、それとも能力を越えていたのか──噂は噂を呼び、憶測は広まっていく。
 だからこそ確かめる必要があったのかもしれない。彼が最期、何を思っていたのかを。

GM :  書斎は文学、外国語にはじまり、歴史、医学、科学、生物学、心理学、と様々な書物が並んでいた。
 エルが毎日清掃しているためか、埃っぽいような様子は見受けられない。
 中央には小さな机と、生前彼が使用していたスタンドライトがあり、真ん中にはぽつんと手帳が一冊置かれている。……どうやら、忘備録のようだ。

明花あきる :
「……身内ったって他人だ。死人に口無し、その遺した手記や手帳なんざこぞって見るモンじゃねェと、前来た時は見ないふりしてたんだけどな」

 夜辺のジジイの手帳にしたってそうだ。こんな事件でもなければ、開こうと思うことは無かっただろう。

明花あきる :
 ……祖父の書斎。机と、椅子。小さい頃は、ここに腰かけた彼の膝の上に乗って、あれやそれやと話をせがんで、本をせがんでいた。その時ばかりが唯一、明花あきるが単なる童女でいられる時間だった。
 だがもう、その時間は遠い。机の前に立って、在りし日の祖父の幻を対面する椅子に見ながら……瞼を閉じて、そしてまた開く。

明花あきる :
「────悪ィな、ジジイ。孫娘の、最後の我儘だ。
 ……テメェの考えてたこと、教えてくれや」

 手を伸ばして。
 手帳を、手に取った。

GM :

<冬三郎の手帳>

GM :
 ──各種関わった事件や、それに関するものなどが記されている。
 【にじり坂童歌連続殺人】、【人体消失事件】などといった、祖父が関わった様々なものがあるだろう。

GM : その最後、【夜辺甚五郎を狙うモノ】──それだけが、解決の赤印をつけられずに終わっている。

GM :

【夜辺甚五郎を狙うモノ】

GM : 「そう遠くない内に、儂は死ぬ」

 飲み屋で飲み交わしたとき、不意にアイツはそう言った。
 信じねぇぞ俺はと。せめて老衰で、何もかもやりきったあとに魂だけ出てってから死にやがれと言ったが、ヤツはそれに言い返すことなく、ただ俺を見つめるばかりだった。

GM : 「──UGNや、FHが出来てから、オーヴァード情勢は変わりすぎた。
 恐らく、俺は力を求める奴らによって殺されるだろう。俺の想像もつかないようなやり方で、だ」
「テメェが? 誰に」
「完璧なんざいねぇし、終わりはいつかくるんだよ、サブちゃん」

GM : 「だから、お前には儂を狙う奴らの調査を。……ああ、いや。この町が、俺抜きでやってけるようにしてほしい」
「縁起でもねぇこと言ってんじゃねぇぞ。その自分が死ぬこと前提で話すのをやめろっつってんだ。テメェではじめたことはテメェで終わらせろ」
「…………頼む」

GM : 「──儂は、些か目立ちすぎた。儂ありきで回ってるような支部なんざ、儂が死んだ瞬間に全部瓦解しちまう。ツクヨミノミコトの件なんざ、特にそうだ」

「黒澤のやつも、なんとかP市が自力でやってけるようになることを願って死んでいった。一般人のお前にしか、コイツは頼めないことなんだ」

GM : 「……引き受けてやるよ。だが、一つだけ俺は仕事を増やさせてもらうぜ」
「なんだ」
「──テメェを狙ってるヤツを暴き立ててやる」

GM :

「──そんでもって、一発顔面に入れてやるのさ。どうだい。いい話だろう?」

GM : 「……いい話だ。じゃあ、その時までサブちゃんは長生きしろよ。
 お前さん、酒もタバコもやるんだからよ」
「あれは百薬の長であってだな」
「それで儂より先に死んだら世話ないだろうがよ」

GM :


 ──最後のページに、走り書きがされている。

GM : ・"マスターマインド"天船巴。
・機密扱いされていたツクヨミノミコトの情報を得ることが出来る理由は、スパイを紛れ込ませていたこと以外にもあるだろう。恐らくは、陸軍にツテがあったのだ。

GM : ・やつの居場所を暴き立てたいが、体がもう限界だ。
・せめて、あきるだけでも巻き込まれないようにするには、どうするべきか。

GM : (ここでページは終わっている。忘備録の日付は、昏睡状態に陥る二日前だ)

明花あきる :
 ……細く、長く、息を吐く。
 己に優しくしてくれた老獪たちの、しかし可愛がる孫娘には見せまいとした矜持の一端を覗き込んでしまったことへの、わずかな後ろめたさと。
 逝去の寸前まで己を慮って、そしておそらくはその幸を願ってくれたであろう祖父への祈りと。

 ────その途次を、一体己が継がずして誰が継ぐのか、という。
 まるでほむらのような、胸を満たし燃え広がる思いだった。

明花あきる :
「本当に、なァ。啖呵切って、先に死んだらよ。……世話ねェっつゥのに」

 手帳を、ぱたりと閉じる。
 その背表紙をなぞる眼差しに、過日を懐かしむ色を浮かべながら、彼女はぽつりと呟いた。

明花あきる :
「……“謎”自体は、解けてたんだ。マスターマインド・天船巴が、夜辺甚五郎……そしてそれが封じていたモノを狙ってるってことまでを、ジジイは突き止めてた。
 けど、それだけじゃ足らねェ。探偵ってのァ、犯人のトリックとペテンをつまびらかにするまでが仕事だ。居場所を突き止められず、幕引きできてないんじゃ、コイツはまだ『未解決』なんだ」

明花あきる :
 ……ジジイが六年前、間に合っていれば。あるいはこんなことになど、なってはいなかったのだろうが。
 その無念に想いを馳せても、今更だ。死人に口無し、「オマエが犯人だ」と名指ししようと、彼岸からでは声は届かない。
 ならば此岸の自分が。生きている自分が、継がなければならなかった。

GM :  明花冬三郎は"マスターマインド"が裏にいることまでは突き止めていましたが、彼女の悪辣さと、10歳の孫娘がいることも鑑みて、手帳にだけ残していたようです。
 しかし、マスターマインド自身も、探偵に探られないために失感情症を患った少女を使ったので……というのが、卓始まる前までの顛末でした。

神々廻 京 : 「……時間とは、残酷なものですね。けど……時計の針は、止まったならば……また動かせばいい」

明花あきる :
                          ジャックポッド
「……そうだな。しっかし、……悔しいよ。あのクソ女が"大当たり"なんざ面白くもねェ名前の部隊を使ってたのは、手駒ってこと以上に、ジジイへの警戒だったんだ。私が獅童から情報を引きずり出せなかったように、探偵じゃあの仮面は剥がせねェ」

明花あきる :
「……ジジイは、私がいたからあのクソ女に手を出せなかったんだろう。名探偵『冬将軍』つったって、しょせんは普通の人間だ。夜辺のジジイならともかく、オーヴァード相手じゃどう立ち回ったって限界がある。人質に取られて、……いや、もっと悪辣なことをされてた可能性は十分ある。
 それが、嫌だったんだ。……本当に、孫煩悩なジジイだよなァ」

神々廻 京 : 「愛は時に人を縛る、か。
 それにしても、マスターマインドは陸軍との繋がりがあった…………ですか」

GM : 【オーレリオ内戦資料】
使用された兵器は二つ。
・「αトランス」と呼ばれる「レネゲイド活性剤」の薬物。
・「βウェーブ」と呼ばれる音波装置。レネゲイドウイルスに働きかけ、活性化させる装置。特定のポイントに設置して、使用する。

GM : こんな感じのものも、見つかります。

GM : ・「βウェーブ」と呼ばれる音波装置。レネゲイドウイルスに働きかけ、活性化させる装置。特定のポイントに設置して、使用する。

要するに、特定のエフェクトの効果を増幅させたり、侵蝕率を上げたりするなんてことが可能です。尤も、エキストラに限りますが。
この辺の兵器が、「眠れるレネゲイドウイルスを励起させる」ことに使われていた……ということを、読み取れるでしょう。

明花あきる :
「FH内にも軍人上がり、崩れってのァはいただろうからなァ。辿り着くのは必然っつーか、こんだけキナ臭い話なら避けて通る方が難しいってトコロだ。
 ……『オーレリオ内戦資料』」

 オーレリオの名に、昨夜のことを思い出して眉を顰める。が、首を振って、資料に目を通す。

神々廻 京 :
「…………これ。
 我々が邂逅した時の出来事と、まるで驚くほど似ていらっしゃる」

GM : 極端な話、朔の目覚めを止められないのみならず、これを八尺瓊勾玉の内にいるという悪意が覚醒するタイミングで使われれば、瞬時にP市は地獄に変わります。

明花あきる : 勾玉も破壊されてるしな……その悪意が覚醒した時に装置と薬物で増幅させられれば詰みってワケか……双子月の時の衝動侵蝕も関係あったりするか?

神々廻 京 :
「……………………………………………全く。
 これが『趣味』ですか。ははあ。正真正銘のクソ女だ、いえ、そう呼ぶことすら慈悲かもしれませんね。
  
 ……最悪なのは、勾玉が既に破壊されているということですか」

GM : 特に関係はない、ですが……まぁ、βウェーブを使われた場合、

GM : 確かあの時は難易度6だったのが、12になります(断言)

明花あきる : ウッッッワ。

神々廻 京 : ぴゃ……………

GM : 単体では意味をなしませんが、メガホンみたいにレネゲイドに対する干渉力を強めるものと思ってください。

明花あきる : 増幅に特化したモノってワケだな……ンー。タスクとしては、
・朔の覚醒(=ツクヨミノミコト降臨?)→憎悪の覚醒を止めること
・それを広げようとする連中を阻止すること
ってところか?

GM : イエス

明花あきる : 後者は多分、天船指揮下のあのFHの連中と獅童らへん。メタな話クライマックスでブッ倒せば止められそうだが、まずは前者を止めなきゃどうにもなんねェからなァ

神々廻 京 : んんんん……前者に関してはなんとなく、私たちの手でどうのこうの、というわけでもない気がしなくもなく。東雲様にかかっているのかもしれませんが……

明花あきる : まァなァ。朔ないし望月へのロイスをとってること、が条件だったはずだが、これについてはpc全員が……ってのは流石にねェと信じたい

神々廻 京 : 二つのことを同時にやらなくっちゃあならないのが、中々、中々ですわね。逆に言えば、目的がかなり明確になってきたのは儲け物というところでしょうが

明花あきる : そうだなァ……他、書斎で得られそうな情報はあるか? マスターマインド関係はないとすりゃ、ツクヨミ関係、軍部関係……あたりか

GM : あとは特にないですね。今までわかっている情報だったりします。

神々廻 京 : 結構情報自体は、わたくしたち自前で手に入れられていたようですわね

明花あきる : そうだなァ。裏付けって感じだ。……あるいは、この家自体に何かしら関係がないか……母様が知ってないか、とかな。そのへんは深読みか?

神々廻 京 : 意外と後ほどのお話で何か引き出せたり……?

GM : うーん、深読みと断言はします。とはいえ面白そうだと思う話があったら拾います。

GM : 最初から関係あったら多分もっと前に情報出てます。

明花あきる : まァ確かに。それもそうだ。とはいえ、関係ないって言質が取れてるのはデカイ。

明花あきる : ……会話の方に集中できるからなァ

神々廻 京 : おお、断言された。たすかる。

GM : 反応見て、キリのいいところでお母様に移りましょう。

明花あきる :
「────ジジイの遺したモンからは、このくらいか。他の資料は、全部昔に目を通したからなァ……目新しいモンは無かったが、やるべきこと、止めるべきモノを明確にできたのは収穫だ」

 一つ頷き、……少しだけ迷って、手帳を手に取る。これはあきるのものではなく、あくまでも祖父のものではあるが。
 猶予のあまりない中では、今回の事件にまつわる部分しか精査できなかった。この事件が解決して、……家との確執に決着を付けて。

明花あきる :
 そうしたら、改めてその足跡を追いたかった。名探偵「冬将軍」の解決した謎を。
 二番煎じと自嘲するのでなく、今度は自分の、名探偵「千秋楽」だけの道を歩むために。

GM : ◇◆◇◆◇

エル・サーミア :  エルに、呼ぶように伝えると、すぐに場を設けてくれるだろう。

「どうぞ。こちら、さくらの煎茶となっております。
 さくらの葉の風味をお楽しみいただけます。こちらに、羊羹と、せんべいを置かせていただきますね」

 客間。
 正座で座る春の真向かいに、あきると神々廻は座ることとなるだろう。
 そこに、上品な振る舞いで、エルが茶請けと茶を置いていく。

明花春 : 「──それで」

 茶を一口含み、こくりと喉奥へと流してから。

「話とは、何でしょうか」

 変わらぬ表情のまま、透き通る瞳があきるを射抜く。

明花あきる :
 話。ここまで、どう伝えるか、どうしたいのか。さんざん考えてきた。
 夕南に「『千秋楽』じゃないおまえで考えてみな」と言われてから、少しだけ周りを見るようにして────東雲と話して。神々廻と話して。卜部と話して。
 自分が大事に抱えていた蝋燭の火が、いかに黒くしめやかな諦観に覆われていたかを知った。
 同時に────そのままではいられないと、ようやく覚悟を持つことができたのだ。

明花あきる :
 怖くても。恐ろしくても。叶わないと、心の隅では思っていても。
 それでも、言葉にしなければ伝わらない。
 始まらないから、口にする。

明花あきる :
「────────母様」

明花あきる :
「あきるは、人形では御座いません」

明花あきる :
「往く道を。歩む先を。抱く志を。自分で決められる、人間で御座います。
 ゆえに────────二十の刻限を、撤回していただきたい」

明花春 : 「……」

 娘の、畏怖を越えた上での覚悟の言葉。
 様々なものに悩み苦しみ、ずっと諦め続けてきたすえに、絞り出すように告げられた人間宣言を、春は黙って聞いていた。

 そして言い終えたと見るやいなや、瞑目した。何かを考えているにも関わらず、鞘に収められた刀のようにしんとしていたが──、

「──あきる」

 ゆっくりと眼を開いた。

明花春 : 「撤回を願い出るというのであれば、相応の成果を持ってきなさい。
 望む、望まざる、関係ない。力あるものが、それ相応のものを成し得ること、それが世の理」

明花春 : 「おまえは、力ある側の人間です。出来るものが、世のために出来ることをする。
 二十歳の縁談も、単にお前の体をアテにする輩を選んでなどはいないつもりです。が、あくまでこれはしきたり」

「──出来ぬと言うのならば、そのような心構えで私の前に立ったことを不問に称し、今の嘆願も、聞かなかったことにいたします」

明花春 :

「──異論は?」

明花春 :  そう告げる明花家の実質的な当主の瞳に、一切の感情はなかった。
 明鏡止水、どこまでも揺らがぬ心。武人として自分を磨き続け、武力でもって明花家に対し誓いを建てた女の姿がそこにある。
 あきるに対し告げた条件も、"他のやり方で誓いを建てられるというのであればやってみろ"ということでしかない。

 裏を返せば、

明花春 :

 ・・・・・・・・・・・・・・
 出来なければ骨だけ残して死ねと暗に告げたに等しく、
 そもそもそれすら答えずにこの場から逃げ出せば、二度とお前の嘆願を聞くつもりはないという、最後通告。

明花あきる :
 苛烈な眼差しが、刃の如きそれが、彼女を射貫く。
 たじろいではいけない。怖気づいてはいけない。
     ・・・・・・・・・・・・・・
 それは、力あるものの振る舞いではない。
 だから、ぐっと肚に力を込めて、彼女は真正面から母の目を見返す。

明花あきる :
 明花春の瞳の澄みは、獅童糸香のような、無感情症のそれではない。
 生まれもっての矜持。鍛え上げた武人としての構え。明鏡止水、剣を取る者に相通ずる、特有の“冴え”と呼ばれるものだ。
 幼いころから明花あきるは、それが恐ろしかった。常、どんな時にどんな人間と相対しようと揺らがぬそこに、人間味というものは一切ない。ただ、御家のため。己が生きるこの国のため。

明花あきる :
 強きがゆえに、その身を賭して、奉仕する。
 ただ、それだけ。

 よって────────結果が出せるのであれば、道は問わない。
 それが、明花春の思想だ。

明花あきる :
「相応の成果────探偵としてあきるが解決してきた事件の数々では、なお、足らぬと仰るのでしょう。
 ……今あきるは、二つの事件を抱えております。そのうちの一つはこの市の、……いえ。
 世界の“先”さえ左右しかねない、悪意と憎悪に満ちたものです」

明花あきる :
「それをあきるは、解決してみせましょう。今日のこの夜を超えてなおも、変わらぬ平穏を。
 あまねくを照らす暁を守ることで、無辜の民の────そして、この家の。母様と、父様の」

明花あきる :

「“明日”を、あきるが守りましょう」


明花あきる :
「……叶わぬならば、そも二十の刻限など迎えようもなく。この地は、きっと地獄となりましょうや。
 しかしそうならなかったならば────“相応の成果”として、迎えていただけますか」

 母様。

明花あきる :
 関係者でも、オーヴァードでもない母に告げたところで、その言葉の裏にある「事件」を汲み取ることはできないだろう。これが、母に輪を掛けてわからずやの父であったならば、一笑に付していたことかもしれない。

 けれど、明花春は彼女の母で、明花あきるは彼女の娘だ。くだらない冗談やその場しのぎの言い訳で、斯様なことをのたまうなどとは────きっと考えてはいないだろうし。
 実力主義も結果主義も、上等だ。どれだけ情が薄くとも、どれだけ愛を見つけられずとも────受け継いだ気質がそれであれば、受けて立つのが定めというものだった。

明花春 : 「──報告は、お前が登録している支部からいただきます。
 それでもって、判断いたします」

 感情に訴えかけるようなやり取りは、そこにはない。
 ただ、結果を示せ。何に関わっているのかは知らないが、そうだというのなら、それなりのカタチで終わらせたことを証明せよと。

 明花春は当主としてそれを受理し、その問答を終える。

明花あきる :
「無論。今の支部長は若造ですが、終幕の暁にはきっと、私情に囚われぬ評価を下すことでしょう。
 それを以て、御判断くださいませ」

 パン、と形見の扇子を開いて、そして閉じる。問答は終わりという意を汲んで、彼女はするりと立ち上がった。

明花あきる :
「それでは、失礼致します。人事を尽くさば、天運に身を任せるべからず────
 まだあきるには、やるべきことがありますゆえ」

 背筋をぴんと伸ばしたまま。スカートのフレアを靡かせ、横髪を除けた丸い耳にはぎらついたピアスを差して。
 退室の間際に、……彼女は一歩だけ立ち止まった。

明花あきる :
「もっと早く、こうして話せば良かった。まあ、話したところでと、お思いかもしれましょうが。

 ……それでは、母様。どうか息災で。────行こうぜ、神々廻」


 娘が母に差し向けるには、あまりにもそっけない別れ言葉だ。しかし、今更接し方など変えようがないし。
 これが、明花の母娘(おやこ)なのだ。ならばせめてと、零した心だった。
 
 痩身が、振り返らずに和室を出る。

神々廻 京 :  
「分かりました、あきる様。
 ……それでは失礼致しますね」

 振り返らないあきるに対して、
 神々廻は最初に出会った時と同じように深くお辞儀をして後に続いた。

明花春 :
 送る言葉はない。
 ただ、京の礼儀に対してはそれ相応のもので返す、と、立ち上がり、深く礼をして見送る。

エル・サーミア :

「……よかったのですか、奥様。
 久々の娘との再会で、しかも、あんな、絶縁宣言ともとれる約束なんて」

明花春 : 「お前には関係のない話でしょう。ここが潰れても、行くアテはある」

 玉鋼、何百にも折り重ねて創られる究極系。
 オーヴァードの存在を知ったとき、"そうですか"と唯一頷いた女は、下手なジャーム程度ならば斬り捨てられるほどにまで成長していた。
 すべては家の、あるいは日本国のため。富国強兵を忠実に守り続け、力あるものが世の為にそれを使うことを守り続けているだけ。

明花春 :

 それ以外に、明花春にはない。

明花春 : 「あきるはお父様譲りの才覚と、オーヴァードとしての力を得た。
 この家が、私諸共いずれ朽ちて死ぬことだけが分かりきっているならば、さっさと試してこの家から出した方が早い」
「しかし、それじゃあ、奥様があんまりにも」

明花春 :
「お前には関係ない、と言っています」

 明花春は、それ以外の生き方など知らない。
 早々に知力では勝ることは出来ないと悟った幼子の自分から、刀を取り始めた。
 情も捨てた。欲も捨てた。邪魔なものをすべて削ぎ落として、完成したのが明花春という女傑だ。
 家の本分に乗っ取れなければ娘ですらも必ず"跡に残せる死に方"をさせる。無能な死体を作るならば、それを撒いて肥料にし、新たな大樹を作り出そうとするだろう。
 かつて自分がそうしたように、呪われているとも言えるしきたりを延々と繰り返し続けるのだ。

明花春 :
「炎を出されようが、熱がらなければいい。
 凍らされようが寒がらず進めばいい。
 雷にうたれようが進み続ければいい。
 押しつぶされようが無理やり跳ね除ければいい。
 そして、再生するのならば、死にたくなるまで殺せばいい──オーヴァードに覚醒して何かが出来た、といわれたならば、幾らでも反証を提示する用意はありました」

 だからこそ、エル・サーミアは彼女がオーヴァードでなくてよかったと心底思う。
 ただの人間が強いと、夜辺甚五郎などの英雄を見て、本気で確信し、本気で出来てしまう部類の異常者。

明花春 : 「力には、期待が伴います。義務も、伴います。
 それを背負う覚悟もなければ、話を終えるつもりでしたが。あると見做しただけの話です。無論、出来なければこれまでと同じこと」

 実の父親が探偵として隆盛した際にその背中を見て、そして、母親からこの家の呪い(しきたり)を聞かされた。
 それを考えた結果、刀として完成させることが彼女なりの結論であった。

明花春 : 「……報告書が来るまでは、待ちましょう。
 エル、夕餉の用意が出来たら連絡してください」

 そして春自身も、再び鍛錬に戻る。
 "力"でもって明花家に誓いを建てると決めた以上は、超常現象など一息で斬って捨てねばならない──ずっと昔から背負っている覚悟を、息を吸うように実行し続けるだけだった。

GM : というわけでシーン終了。続きは卜部くんが仕事から解放された10:30からで、朔とのお話ですね

<小会話①/東雲亜梨花&明花あきる>

明花あきる :
 ────啖呵と共に明花邸を辞し、そうして支部の会議室代わりの和室を勝手に借り受けて一息。

 思っていたよりは、心は淀んでいなかった。むしろ、ずっと溜め込んでいたものを吐き出したかのように、帰り路を踏む足は軽やかだった。
 あの場にいたのが父ではなく母であったこと、その母が、思っていた以上に物分かりの良さを示してくれたことが、その原因の大部分を占めていたように思える。

明花あきる :
 黒いレースの手袋に包まれたたおやかな手が、ペラ、と手帳のページを手繰る。慎重に、丁重に。あるいは貴重な文献を捲るよりも一層の注意と尊重を払いながら、彼女がつまびらくのは亡き祖父の手帳だった。

「(伝統と格式、貴族たる風格に雁字搦めの明花の中で、……本当にあのジジイだけが特異点だったんだな。変異種みてェなモンだ。あのジジイから、あの母様が産まれたなんて、未だに信じられねェ)」

明花あきる :
 だがだからこそ、母様も私のあれこれを赦してくれたのかもしれない、とあきるは思う。
 「明花の人間」としての義務、国に尽くし、人に報うための貴族の責務を果たすという大前提を経たうえで────母にとっての「父」、その背を追う「娘」の、様々の「不相応」については、目を瞑ってくれたのだろう。

 番傘と扇子はともかく、ピアスに、ゴスロリ。粗暴な口調と、無鉄砲な家出。およそ格式ある家の出とは思えぬ装いのまま、各地の事件に首を突っ込んでは暴き立て幕を引くという行いを、黙認してきたのは紛れもなく母だった。

明花あきる :
「(……娘が何を言おうと、頑ななんだもんなァ。まァでも、そうすぐに分かり合えるわけもない。話をしようと、向き合えば向き合ってくれる。
  それが分かっただけでも、御の字、かな)」

 とにもかくにも、結果を出さなければ話のしようもない。唯一未解決のまま放置されていた「夜辺甚五郎を狙うモノ」という記述を指でそっとなぞって、彼女はひとり、部屋で沈思する。

東雲 亜梨花 : 「……」

風通しのためか、半分ほど開かれたふすまよりなかをうかがう。部屋にいるのは小さな背中。

彼女の未来を澱(オリ)で閉ざしていた生家へと言っていたと聞いて気をもんでいた午前中。ようやく帰ってきた気配を察知してこうして様子を見に来たのだが。

懸念していた重く苦々しい色はない。表情こそこちらからでは見えないがどちらかといえば凪いだ湖面が空を映したような澄んだ蒼を感じた。いったいどんな話をしたのだろう。心配は薄れ和らいだが、彼女の変化に惹かれて声をかけることにする。

東雲 亜梨花 : 「おかえり! あきちゃん」

手にはお茶菓子とあったかい日本茶。なぜだか生菓子はまったく見当たらなかったので先日の残りのポッキーを拝借してきた。それらを丸い盆にのせて敷居をまたぐ。

東雲 亜梨花 : 「その、おうち、言ってきたんだよね。大丈夫だった?」

明花あきる :
 明るい声に手帳から顔を上げれば、快い香りと共に入ってきたのは東雲だった。ぱたん、と開いていた手帳を閉じて、あァ、と彼女は一つ相槌を返す。

「大丈夫……まァ、大丈夫、だったかな。居たのが母様だったから、母様と話をしてきた。
 『相応の成果を示せ』と、要求されたよ」

明花あきる :
 正直、十二分に予想できていたことではあった。外回りの多い父様ではなく、十中八九家にいるのは母様であろうこと。
 武人であり公人であることを貫き体現するあの人であれば、「意志を貫きたいなら結果を出せ」と言い放つであろうこと。

 だのにそれらを想定できなかったのは、それほどまでに自身の心身が追い詰められていたと、そういうことだったのだろう。

明花あきる :
「人間だろうとオーヴァードだろうと関係ない。力を持つならば、その力と責任に見合うだけの結果を出せ、ってな。結果を出すなら、道程は関係ない。
 そういう人だからな、母様は」

東雲 亜梨花 : 「あきちゃんのお母さんと? そっか、お話できたんだね。よかった」

話の内容そのものはずいぶんと厳しく冷たいようにも思えるが、それはまあ、家独特の空気というか、家族の色にもいろいろあるうちの範疇なのだろう。現に回想する彼女の表情はまとう空気と同様に柔らかくなっていた。

「示す……ってことは、あれかな。
いまのもっちーたちのことを何とかすればあきちゃんは──」

たしかめるために、というよりは彼女の口から直接聞きたくて言葉を切った。

明花あきる :
「……あァ。少なくとも、有無を言わせず突っ撥ねる、なんてコトにはならなかったよ。まァ、そういう不義理と不合理を一番嫌うのもまた、あの人なんだが」
 父様だったら、そうなりかねなかったからなァ。

明花あきる :
「────そうだな。そうだ。望月と朔、双子月。狂気と憎悪、大戦の遺産にまつわる事件を収束させる。その結果を以て、裁定とする。
 そういう約束を、取り交わしてきたよ」

東雲 亜梨花 : 「そっか、そっかぁ! よかったね!」

東雲 亜梨花 : 「あきちゃん、これで消えなくていいんだね!」

東雲 亜梨花 : 「……あっちがうな。まずはこの事件だね!」

東雲 亜梨花 : あきちゃんの言葉を聞いて腰を浮かせて喜びつつ、それでもちゃんと我に返るよ。よりより気合が入るというもの。

「じゃあなおのこと頑張ろうね。もっちーの未来もあきちゃんの未来も、私たちみんなでばっちりぶちやぶっていこうね」

明花あきる :
 消えなくていい。その言葉に、彼女は一瞬だけきょとん、と瞳を瞬かせて。
 ……次いで、思わず噴き出した。

「……気の早ェヤツ。まだ終わったわけじゃないってのによ。
 だがまァ、同感だ。これまでは夕南のため、イリーガルとして乞われたから……っていうのがメインだったが」

明花あきる :
 だが、今はもう違う。

「この事件は、『強き者』としての私自身の義務のために、何が何でも今夜で幕引きにしなきゃなんねェ。
 それは同時に、ジジイのために。そして、私自身のために。

 理由ができたんだ、────負けらんねェよな」

明花あきる :
 閃く笑みは、次いで問い返すような光を帯びる。

「で? オマエのことだ、どうせ“本題”があるンだろ。今の私はそこそこ機嫌がイイ、聞いてみたらどうだ」
 この、名探偵「千秋楽」によ。

東雲 亜梨花 : 「みゃ……あ~、いや。たいしたことではないんだけどね」

東雲 亜梨花 : わざわざお茶まで用意していたからだろうか。
水を向けられてどきりとする。

「えーっとね、聞きたかったのはもっちーと朔ちゃんのこと。あきちゃんは二人のことどう思ってる?」

明花あきる :
「どう……どう、ねェ。随分と曖昧な聞き方だな」

 茶を一口すすり込んで、ポッキーを一本手に取る。ぽき、と唇で折って飲み込んでから、

明花あきる :
「……正直、何が何でも助けたいとか、絶対に救うとか。言うには、危険すぎると思ってる。私が手ずからの幕引きを選んだのは、あくまでも『普通の人間に被害が及びかねない』からで、『それしか手段がない』からだ。

 もし、安全かつ確実な封印で、望月も朔もまるごと無力化することで脅威をなくす、そんな手段を見つけることができたのなら────私は、そうすべきだと思っていたし。

 今でも、思ってる」

東雲 亜梨花 : 「そう。冷静だね、あきちゃんは」

すっと目を閉じて数秒。すぐに顔をあげる。

東雲 亜梨花 : 「朔ちゃんも、これからもっちーが生きていくこの世界が壊れること望んでない。だから私もできること、やらなきゃいけないことはやるつもり。

でもそれは、危険性と対策、結末のお話。

東雲 亜梨花 : ──ねぇあきちゃん、あきちゃんはこの数日あのこたちと過ごしてどうだったかな。あの子たちのこと、好き?」

明花あきる :
「……オマエ、馬鹿だけどそういうとこは聡いよな」

明花あきる :
「うん、まァ。好きだよ。朔にはまァ……嫌われてるんだろうから、ともかく。
 あんなにも無防備に、無垢に。接せられて、嫌いになれるワケない」
 その辺は多分、父様の血だ。などと、なんとなしに責任をなすりつけつつ。

明花あきる :
「論理と合理を取るなら、傷つけることなく二人を封印するべきだ。その意見は変わらねェ。
 ……けど、できることなら。最上の幕引きを諦めないというのなら」

明花あきる :
「……また、アイツにリベンジしてェよなァ。勝ち逃げされるとか、悔しいからよ。スマブラ」

東雲 亜梨花 : 「聡い? フフン ノイマンでトライブリードだからねすっごく賢いよ

東雲 亜梨花 : ……馬鹿だけど!? 馬鹿じゃないよ!!」

東雲 亜梨花 : 「も~せっかくかっこよくお姉さんしようと思ったのに」

東雲 亜梨花 : お茶を飲んでシリアスを取り戻すよ

東雲 亜梨花 : 「……でもよかった。あきちゃん優しいからそうだろうなって思ってたけど」

「朔ちゃんが抑えてる月黄泉がとっても危ないのも事実で、それでついこのあいだ人が死んだのも事実だから。それを許せないって思うのもわかるんだ。……でも、もうちゃんとあの子たちは愛されてるね」

東雲 亜梨花 : 「それに最後はとにかく気合だからね! 頭のいいあきちゃんが気合まで手に入れたらあとは無敵だ! きっと何もかもうまくいくよ」

明花あきる :
 カッコよくお姉さんとか、その口でよく言えたな……という呆れ気味の言葉は茶と共に飲み込みつつ。

「優しかねェよ。私は単に、自分の中で『優先順位』を決めてるだけだ。過去の遺物、昔の人間二人のために、今の人間が何百人と死ぬことになるのなら────私は、その二人を切り捨てる決断をするよ。オマエを止めてでもな。

 その二人の犠牲を、私は『良し』とする。多のために少を切り捨てる、その決断の責を負う。
 それが、明花の女、母様の娘としての覚悟だ」

明花あきる :
「……ただまァ、何の足掻きもせずにそんな短絡に走ンのもまた、趣味じゃねェってだけの話だよ。人事を尽くさば、天運に身を任せるべからず。やれるまではやる。
 応とも、気合と根性の見せ所だ。火力の出し惜しみはしねェぜ」

明花あきる :
「それで、東雲。────私からも、聞いておきたいことがある。獅童のことだ」

明花あきる :
「オマエ、獅童と今度再会したら、どうする?」

東雲 亜梨花 : 「糸香ちゃんと?」

東雲 亜梨花 : それを彼女から問われると思っていなかったから、つい聞き返してしまった。あの子のことは自分でなにかしらのケリをつけるつもりだったから。

でも、そうもいかないか。先代の支部長はあきちゃんたちにとって大事な人。そんな人を手にかけたかもしれないのが糸香ちゃんなわけで。

納得して返事を練る。正直なところまだはっきりとどうしたいか決められたわけではない。決めていないわけでもないが、具体的にはっきりとはしていない。 

東雲 亜梨花 : 「う~ん、なんていえばいいのかな。
どうするって決めてるわけじゃないんだけど……私は糸香ちゃんとまた話をしようと思う。消えてほしくないから、消えないように話をする」

東雲 亜梨花 : 「また明日、って言ったからね。もう一回また明日って言えるように、したいな」

東雲 亜梨花 : 自分でも要領を得ていない答えだってわかるから、ポッキーをかじってごまかすようにへへへと笑ってみせるよ。

明花あきる :
 そんな要領を得ないごまかし混じりの返答であっても、あきるは茶化しも馬鹿にしたりもせず、こくりと頷いて受け取る。
 まるで、「オマエならそういうと思っていた」と、ややも安堵したような色さえ唇の端に滲ませて。

明花あきる :
「────きっと出来る。本当に心の底から『消えたい』と思ってるなら、そもそもあんなこと言わねェよ。言うってこた、まだ諦めきれないってことだ」
 卜部が投げかけていたこと。私が、そうだったこと。

 だから。

明花あきる :
「私も、それに付き合うよ。アレと私はトモダチなんて間柄じゃねェし、どっちかっつったら嫌われてそうだけど。
    モノ
 借りた資料は返す。そんでもって、言ってやるのさ。『私は出来たぞ、今度はテメェの番だ』ってな。
 あんなクソ女の操り糸なんざ、引き千切っちまえ、って」

明花あきる :
 それが本当に可能なことか、《Jack Pod/Sad X》の実態の隅々までをも知っているわけではない彼女には、到底判断できないことだ。
 それでも。気恥ずかしそうにへへへと笑う、この底抜けに明るいあきるの「トモダチ」が、同じように「親友」と認めた女なのだ。
 きっとできないはずがないだろうと、あきるは信じていた。
 
 天才と天才、しかしどちらも、もう「コドク」ではないのだから。

東雲 亜梨花 : 「ほんと!? あきちゃんも手を引いてくれるならすっごい大丈夫な気がしてきた!

あきちゃんは勇気出したもんね。それを伝えてあげてほしいな。そしたら、あきちゃんと糸香ちゃんも今度こそ友達になれると思う! というか、友達の友達は、もう友達みたいなものだし! うん!」

東雲 亜梨花 : 「……ほんとうに、みんながいてくれるから私なんでもがんばれちゃう気がするな。ありがとね、あきちゃん」

東雲 亜梨花 : 嫌われ役をわかってて買うような人が優しくないはずがないのに。それを言えばつっけんどんで意地っ張りなこの友人はきっとまた扇で口元をかくしてしまうだろうから。嫌われている、優しくないなんて言葉の否定は感謝のそれに代わった。

明花あきる :
「トモダチ判定、雑だよなァ……まァでも、そんくらい気軽で、気楽で。イイもんなのかもな、人との繋がりって」

 自分と他人は、利害か血縁でしか繋がれないのだと、思い込んでいたけど。
 それは多分、ごくごく狭い世界の、凝り固まった考え方だったのだろう。

明花あきる :
「……私こそ。オマエの言葉のおかげで、母様と話ができた。オマエだけじゃねェけど、オマエがきっかけだったことは確かだ。だから、ありがとう」

 ふわりと、その蒼氷が年相応の柔らかな微笑みを浮かべる。
 それはあるいは無意識だったのだろう、次にはふっと解けてしまっても、そういう表情を作れるようになったということそのものが、明花あきるの「人間」たる証明だった。

明花あきる :
「────今夜が大一番だ。絶対、獅童もそこに現れる。
 全部、完璧に。完全に、幕引きにしてやろうぜ」
 私たちの手で。

東雲 亜梨花 : 「……────。」

東雲 亜梨花 : 「えへ、へへへ。いえいえ私なんてとんでもないです」

蕾が解けるようにゆるやかに、けれどたしかに垣間見えた笑顔。どこか廃れることに諦めを漂わせていた彼女のその笑顔を見られただけでもよかったと本当に思う。

「うん。みんなで頑張ればきっとなんとか……ううん、ばっちりだね」

そう、夜への決意を確かめた。

東雲 亜梨花 : ────。

────────。

笑顔が見られてうれしい。きっとみんななら大丈夫。そう思ったのはホントにホント。だからこそなんだろう。はじめて胸がちくりと痛んだ。

「ごめんね」

部屋を出た後に自然と口にした言葉は誰にあてたのか何を指しているのか自分でもよくわからなかった。

<ミドルフェイズ⑭/卜部影路/やがて、月夜が訪れるなら>

GM :

<ミドルフェイズ/やがて、月夜が訪れるなら>

GM : というわけで、望月/朔は多分今居間で皆と遊んでいる頃だろう。
侵蝕振ったら出てきてよいぜ。

卜部影路 : 1d10 (1D10) > 10

卜部影路 : おい

GM :

system : [ 卜部影路 ] 侵蝕率 : 98 → 108

卜部影路 : くそ……これは、中々まずいな……

GM : 衝動侵蝕なくても今回ひっどいな。

エージェント : 「こう、ここ! ここで! あーーーっ崖下復帰そしやめてください!!!」

望月/朔 : 「わーいわーいおとしたー>ワ<」

卜部影路 : 「…………」

どうにも収まらないものがある。形にできず、けれど確かにおさまりの悪さを感じるソレを、どうにも消化できずにいる。

「……あの、ちょっと、その……良いですか?」

子守りとして望月の面倒を見ているシスター姿の職員に声をかける。頭の中でこの後どう話すか十数パターンの会話パターンを想定してから話しかける。

エージェント : 「いぇーーやっはーーそれやめt──あ、はい、なんでしょうか?」

 こほんこほん、と咳払いをして、望月にちょっと待ってねとポーズ画面にします。

卜部影路 : 「あぁー……いや、えっと、望月と、ちょっと話したいんすけど、その、いいっすかね?」

視線が右へいったり左へいったり、緊張させていると、相手に理解されてしまうことくらいは理解できるせいで余計に緊張してしまう悪循環に陥っている。もっとも、それが分かったところで打開策などないのだが……

エージェント : 「あ、なるほど。了解いたしました。ほら、望月ちゃん? 卜部くんのところ行こうね~」

望月/朔 : 「は~い・ワ・」

卜部影路 : 「あ~………えっと、その、えーっと、出来れば、望月と二人で話したい、なー……と、思った、んすけど、不味いっすかね……?」

エージェント : 「──(何かを察したのか)大丈夫ですよ! 特にこのあと予定もございませんし」

望月/朔 : 「どこへいくの? ゆめのくに?」 ・ワ・?

卜部影路 : 「あー……いや、悪いな望月……朔の奴は起きてるか……?」

望月/朔 : 「? あ、朔? うん、起きてるよ! 眠る時間がちょっと長かったけど、ようやくおきたみたい。おねぼうさんなんだね! ・ワ・」

望月/朔 : 「かわる?」

卜部影路 : 「……そうか、ちょっと変わってもらってもいいか?話してぇことがあるんだ」

頼む、と頭を下げて頼み込む。

望月/朔 : 「いいよ!」

GM :  

望月/朔 : 「──なに? 眠いんだけど」

 望月が瞳を閉じると、纏う気配が180度反転する。
 月は沈み、光のない夜が来る。

卜部影路 : 「…………眠い、ねぇ」

その言葉を反芻するように口の中で転がし、飲み込む。

「それは、アレか?もう時間がねぇ……ってことで良いんだな?」

望月/朔 : 「……まぁね。抑えるのにそろそろ疲れてきたってところ」

卜部影路 : 「ぶっちゃけ、あとどれくらい保つんだ……?」

覚悟と予想はしていた。だからこそ、その答えにも表面上はこゆるぎもさせずに応対できる。

――出来ている、はずだ。

望月/朔 : 「夜が更けるまで。今はだいたいお昼どきぐらいだから……十二時間くらい?」

望月/朔 :  時計を見て、だいたいそうだと朔は伝えます。

卜部影路 : 「……今晩、か」

チラリ、と己もまた時計に視線を走らせる。もっとも、昨夜の出来事や共有した情報から今晩であることは予想できていたことではあるが……

「なあ、お前、なんかしたいことはあるか?」

望月/朔 : 「……したいこと?」

卜部影路 : 「お前、望月の中から色々見てるんだろ……?望月に生きてほしい、以外でなんかやりたいことねーのかよ」

そのとぼけたような疑問に、なぜだが胸の奥がざわつく。何かを堪えるために、固く拳を握りしめ、荒くなりそうになる語気を深く息を吸って宥める。

望月/朔 : 「なるほど、ねぇ」

 うーん、と考える。
 はてさて、あったかどうか。そんなこと考えたことなど一度もなかった。
 よくジャームになれば、最優先行動以外はすべてそっち側に行くというが、どうもわたしもその類だったらしい。

 ・・
「ない。
 ……ああ、未練がないって意味ではないわ。全部カタ付くまでは、創らないことにしているの。亜梨花と話した結果よ」

望月/朔 : 「都合のいい話をするわ。
 もしも、わたしが生き残ったとして、その時は多分抑えてるやつは消えてるでしょう。
 だから、多分ジャームのわたしが執着していた望月(この子)の安全も、ある程度は担保される」

 ひどく、客観視して答える朔。

「そのときに、ゆっくり探すわ」

卜部影路 : 「……………」

睨みつけるように、揺れる瞳が真っ直ぐに眼前の少女を捉える。

「――それは、『生きてたら』するってだけで、『生きていたい』って意味じゃねぇんじゃねぇのか?」

結果的に、流れでそうなったのであればそうすると、そう言ったように聞こえた。もちろん最大限努力はするだろう、出し惜しみもしないだろう、だが、それではきっと、どこかで己に見切りを付けてしまうのではないか……?

望月/朔 :  ただならぬ気配を感じたのか、眼を閉じる朔。望月に、寝ているようにと伝えたのか、もう一度眼を開いて──、

 ・・・・・・・・・
「そりゃあそうでしょ」

 至極、当然のように朔は答えた。

「最優先は、望月(この子)よ。
 この子のためになら生きていたいけど、この子を脅かすものを潰せるなら、あんまり惜しくはないわ」

望月/朔 :  一切の迷いはない。倫理の軸がズレている以上は、そこに死に対する恐怖だとか、未練だとか、そういうものが差し込まれる余地はない。

 ……いや、たとえ差し込まれていたとしても、ジャームであるがゆえに、己の欲望(エゴ)が一番前にいるのだ。

望月/朔 : 「生きていたい、っていうのは私の欲望(エゴ)じゃない。
 望月(この子)が呪いから解放されて、まっとうに生きられれば、それでいい。満足できちゃう。わたし」

卜部影路 : 「……それは、望月に全部背負わせて、自分は逃げちまうって事だろうが」

望月は朔の事をどう思っているかは分からない――だが、少なくとも、疎ましく思っていないことだけは確かだ。

「お前は勝手に満足してさようなら、で良いだろうがよ……遺された望月はどうなるんだ」

それは、自分勝手だと――自分勝手な暴論を相手に押し付ける。

「……遺されちまった、俺達は、どうなるんだよ」

望月/朔 : 「さあ? 知らない。
 全部やることやって別れも伝えちゃうわ、万が一私が地獄に道連れにしないといけないことになったらね」

 当然のように、言う。
 望月(この子)に手を出すやつ全員揃って皆殺しだ一人も生かして帰すな。
 長い年月をヘて、純化された欲望(エゴ)だけがそこに残っている。

「──で、今度は逆にこちらが聞くのだけど」

望月/朔 :

「そんなに私に死んでほしくないのかしら? だとしたら求められすぎてきゃーはずかしーってなるけど」

卜部影路 : 「死んでほしいわけ、ねぇだろうが……!!」

現実はどこまでも平等で、不公平だ。どれだけ努力しようとも、運が、環境が、時期が、何かが悪ければ報われない。それなのに、努力もしない奴らが甘い汁を啜っている。

知っている――勇気を出しても、それを容赦なく叩き潰されることを
知っている――希望を信じても、そんなものは現実には存在しないということを
知っている――絶望という諦念に浸り、仕方がないと痛みから目を逸らすことでしか己を守れないような状況を

卜部影路 :
  ・・・・・
――だからこそ

どこまでも、ずっと一人で、ただ一人の少女を守ってきた存在が失われることが我慢ならない。
孤独に戦い続けた果てに、一人満足して消えてしまうなど許せない。
たくさんの人々から願いを託されて――それでも、勝手に消えてしまおうとするなんて許せない。

卜部影路 : 「お前は、もっと手を伸ばすべきなんだよ……!!
・・・
望んでも良いんだ……!!」

勝手に消えることを受け入れていることが我慢ならない。自分とは違って、頑張り続けた者が報われないだなんて間違っている。

望月/朔 : 「ふぅん」

 眼を細め、しばらくじっと観察していた朔だが、やがて何か納得したように頷いた。
 その熱意を確認したのだろう。根っこ、あるいは己の根幹たる欲望を変えることはないが。

「あなたはもっと、世界を知るべきね。
 何があったかは知らないけど、そこまでお人好しじゃないの、わたし」

望月/朔 :

「わたしの望みは望月の生だけ──それでも死なせたくないって言うんだったら、力づくでやりなさい。そっちの方が好みなの、わたしは」

望月/朔 :
「亜梨花にも言ったわ、これ。
 別にあなた達のいる世界にいてもいいって余裕はあるけど、望月(この子)の世界を壊そうとする輩は地獄に道連れにしてでも排除する」

 そこには殺意があった。
 並ならぬ決意と覚悟を平然と決める、日常を生きるものにはない何かがあった。

  エゴイスト
「自己満足主義者よ。
 殺して排除して消して、そして無事だったらそれでよしって言っちゃうタイプなの、わたし。
 だから頑張りが足りなかったら、そのままお前を殺してわたしも死ぬ、しちゃうかもね」

 恐らく、卜部影路の叫びによって動くことはないだろう。
 それがジャームだ。黒澤秋人もその類だ。あなたが初めて相対する、欲望(エゴ)だけで生きる者たちだ。
 執着していることがあって、その根っこだけで生きている、日常には要られなくなった存在。
 ジャーム(エゴによって生きる怪物)と化してより純化された守護への執着だけで生きる亡霊は、今を生きる人間に伝える。

卜部影路 : 「何年も引きこもって寝てやがった奴が何言ってんだ……」

ならば、良いだろう。自分にはあらゆるものが足りていないことを、自分自身が一番良く知っている。力もなければ、経験も、知能だって高いわけではない。ならば、目の前の少女と同じ――ただ一つを為すためならば、手段など選ぶ余裕はない。

「全部が終わったとお前が、消えていなくなってれば――」

多くの欲望を持てないのなら――唯一残った/削ぎ落とされきった欲望を、より研いでやればいい。

卜部影路 :
 ・・ ・・・・・
「俺が、望月を殺す」

そう、宣言する。そして、目の前の少女が望月を生かすことだけを望んでいるのであれば――この場所、この瞬間で卜部影路を殺すことは叶わない。

少なくとも、今晩を乗り切るまでは――望月を生かすために、UGNと協力する必要がある。

朔にとって、誰かにとっての『卜部影路』の価値などタカが知れている。
だから、その人物にとっての『最も大事なもの』を守るためのハードルを上げる。

「俺が、お前に協力するんじゃねぇ――」

自分も救えない者が、誰かを救えるわけがない。だから、

「――お前が、俺に協力しろ」

脅迫であろうと、朔を助けるためには、朔自身の助けを借りる必要がある。

望月/朔 :

──その言葉を口に出した瞬間に、高速で錬成された鎌が首元に突きつけられる。

望月/朔 : が、本能的なものだったのだろう。やがて静かに降ろし、炎と共に消える鎌を眺めながら言った。

望月/朔 : 「大きく出たわね。
 そもそも、私が消えるのは、望月(この子)を苦しめる呪いを地獄に道連れにしなきゃ、世界ごと消し飛びかねないってなったときって説明したんだけど──ま、いいわ」

 殺気が霧散し、くすくす笑う朔月がそこにいる。

「相手はカミサマ。
 わたしも頑張るけど、そっちも精々がんばりなさい。手を抜いてしくじって、わたしが消えたあとにこの子に手を出したらお前をあの世から殺しにきちゃうかも」

卜部影路 : 「来れるもんなら、来てみろよ……」

それに、と、ぎこちないが、たしかに口の端を上げて言う。

「カミサマって奴なら、生まれる前にぶん殴り飛ばしてるんだよ……お前も、そんな雑魚瞬殺しちまえ」

卜部影路 : このタイミングでロイスを取ろう

望月/朔 : おk

卜部影路 : 執着/○憤懣

望月/朔 : 「言うじゃない。
 全部終わるまで強がれるのを、楽しみにしているわ」

卜部影路 : 「……全部終わった後に、改めて煽ってやるよ」

望月/朔 : 「あら楽しみ。精々いい口説き文句でも考えておきなさい」

望月/朔 : と、こんな感じでシーン終了になるのかな。

卜部影路 : んー……最後に、望月とちょっとだけ話したい

望月/朔 : ホァイ

望月/朔 : 「じゃ、そろそろ休む、わ──……」

GM :  

望月/朔 : 「おはようございます・ワ・」

卜部影路 : 「……おう、おはよう」

はぁ、と深く溜息を吐いて、望月と視線を合わせるように覗き込む。

「なあ、望月は、朔のこと好きか?」

例えば、と、出来るだけ幼子に理解しやすいように噛み砕いて、

「勝手にいなくなったり、誰かをさびしくさせるようなことをしたら、叱ってやれるか……?」

望月/朔 : 「すきですよ、朔のことは」

 とーぜん!と答える。

「でも、朔はたぶん、いずれはどこかにいくんだとおもいます。望月が大人になったら、自然とはなれる。それは、仕方ないことなんです」

 幼い心なりに、"経緯"を理解していたのだろう。
 人格障害とはいずれは折り合いをつけねばならないし、向き合う時もやってくる。朔が、望月には酷すぎると隠し続けてきた痛みもすべて、だ。

「だけど、それが、誰かを泣かせるのなら、たぶん私が怒ってあげなくちゃいけないんだと思います。
 朔がきちんとお話を聞いてくれるのは、私だけなんだと思いますから」

卜部影路 : 「……望月はいい子だな」

ためらいがちに手を伸ばし、ぎこちないながらも望月の頭を撫でる。
望月がいるのであれば、朔はきっと大丈夫だ。
本当の意味で、きっと望月は卜部影路よりもずっと強い。だからこそ、一つ、安堵の溜息を吐く。

「ゲームしてたのに邪魔して悪かったな……ありがとう、望月のおかげでなんとかなりそうだ」

望月/朔 : 「だいじょうぶです・ワ・」

 撫でられて、少しくすぐったそうにしつつ、

「卜部も、がんばってください」

卜部影路 : 「……まあ、俺にはそれしかできねぇからな」

そう言って、自嘲気味に笑おうとして、やめる。

「じゃあな、望月。今晩は出かけることになるから、昼寝でもしっかりしとけよ」

卜部影路 : と言って退室しよう

望月/朔 : 「は~い・ワ・」

望月/朔 : というわけで今日はここまで

卜部影路 : おつかれさん

東雲 亜梨花 : おつかれさまです!よかったよ~

望月/朔 : 4/1からクライマックス直前SPなので、四日間の間だったりで交流を温めるヨロシ

明花あきる : オツカレサマ。

神々廻 京 : オツドス

<クライマックスフェイズ①/刻限/戦闘前>

明花あきる : あ、先に宣言しておこう。神々廻にロイス取る。感情は……○憧憬/隔意だな。

system : [ 東雲 亜梨花 ] 侵食率d : 1 → 2

神々廻 京 : わたくしもあきるお嬢様に取ります ○感服/嫉妬で……

GM :

<クライマックスフェイズ/刻限>

GM :

 ──タイムリミット/作戦開始は夜が更ける頃。

GM :  

 高天原ニ御ワシマス八百万ノ神々ヘ我ラハ頭ヲ垂レ、希ウノデアリマス。

GM :

 此ノ度我ラガ大日本帝国奇跡調査機関"カンガタリ"ハ神風ヲ味方ニツケタノデアリマス。

GM :

 此レニヨリ本土防衛決戦ニオイテハ多大ナル力ヲ米英ヘ向ケ発揮スルトトモニ、我ラ大日本帝国ノ底力ヲ知ラシムルコトガデキルデセウ。

GM :

 大日本帝国万歳!
 大日本帝国万歳!!!
 大日本帝国万歳!!!!!

??? :

 ──よかろう。その祈り(怨念)、我が叶えてやろうぞ。

GM :
 ……夜の帳が降りた。
 重く、のしかかるような気配が、あたりに充満する。

GM :

<P市支部>

GM : というわけで、全員まずは侵蝕どうぞ

翠簾野 夕南 : 1d10 (1D10) > 6

明花あきる : 1d10 (1D10) > 5

system : [ 翠簾野 夕南 ] 侵蝕率 : 115 → 121

神々廻 京 : 1d10 (1D10) > 7

東雲 亜梨花 : 1d10 <シーン登場> (1D10) > 8

system : [ 明花あきる ] 侵蝕値 : 85 → 90

卜部影路 : 1d10
(1D10) > 7

東雲 亜梨花 : あぶぶぶ

system : [ 神々廻 京 ] 侵食値 : 85 → 92

system : [ 東雲 亜梨花 ] 侵食値 : 91 → 99

卜部影路 :

明花あきる : 低いなァ私 プラズマカノン撃てるかな……撃てるか

翠簾野 夕南 : 二倍振りは確定だな……

翠簾野 夕南 : ジェネシフトしな!

明花あきる : ある。

卜部影路 : 俺、そろそろやばくないか?

卜部影路 : 普通に150見えてるぞ

明花あきる : オマエらなかなかヤバいな……

東雲 亜梨花 : 160こえるようなシナリオは高難易度って聞いたんすけど

system : [ 卜部影路 ] 侵蝕率 : 108 → 115

卜部影路 : まあ、前回の卓でも超えそうになってたヤツいたし、わりとそんなもんだろ、たぶん

東雲 亜梨花 : ほんとぉ? ちゃんともどってきてよね

GM :  今晩、何かが起こる。
 散りばめられたすべてのパーツが、たった一つの悪夢だけを指し示している。
 故に、思い思いにどうしているか──だが。

翠簾野 夕南 : 衝動判定もあるしおれは150確定でしょう……(ふふ……)

明花あきる : ……頼むから戻って来いよ

GM : さて、ぶっちゃけどうしてます。今

卜部影路 : 精神統一

東雲 亜梨花 : わたしはね~、集合時間までもらったお部屋でパソコンカタカタしてます。今はちょうど印刷してるかな。コピー機の紙詰まりと戦ってる。

翠簾野 夕南 : 応急手当キット買いたい。

東雲 亜梨花 : お金ある人だ!

GM : OK、購入ふりな

翠簾野 夕南 : (3+3)dx+1 (6DX10+1) > 8[1,1,2,3,3,8]+1 > 9

翠簾野 夕南 : うん、問題なし。

GM : 使ってよいよ。

翠簾野 夕南 : では失礼して。

翠簾野 夕南 : 2d10 応急手当キット (2D10) > 12[4,8] > 12

翠簾野 夕南 : うんうん。

system : [ 翠簾野 夕南 ] HP : 10 → 22

東雲 亜梨花 : まずまず~

卜部影路 : そういや俺も財産点ならあるな……

明花あきる : ンー。私はジジイの手帳や、今まで収集した資料と情報を全部洗い直してる。探偵の基本は情報なんでな。

翠簾野 夕南 : 購入判定は財産点いらないよ

翠簾野 夕南 : いらんよな? いらんいらん

東雲 亜梨花 : あえ、そうなのか

GM : いらん。足りない時に金を積むだけで

東雲 亜梨花 : つまり、経費?

神々廻 京 : お茶を入れています、今……

卜部影路 : いや、小遣いを使いそこねたと思ってな……

翠簾野 夕南 : [調達]で振って足りなかったら財産点で達成値足せる。

卜部影路 : クライマックスでも振れたっけか?

翠簾野 夕南 : GM裁定!

GM : トラックとか高級品とか振るのは許可しないけど軽いものならゆるすよ

東雲 亜梨花 : とらっく

卜部影路 : そうだな……UGNってことで応急キットくらいないか?

GM : 振りな

GM : 調達判定難易度8だね。

卜部影路 : ちょうど見つけたぜ、8だな、余裕だぜこんなの

卜部影路 : 3DX (3DX10) > 9[2,4,9] > 9

卜部影路 : ………

GM : そのまま使ってよいよ

卜部影路 : 嘘だろ………?

翠簾野 夕南 :

東雲 亜梨花 : 自分でフラグたてといて自分でおどろくんか~い

卜部影路 : 2d10 (2D10) > 12[10,2] > 12

卜部影路 : よし

GM : しかも期待値

明花あきる : やっとコミュ力ついてきたか?

system : [ 卜部影路 ] HP : 13 → 25

GM : えー、では、諸々出揃ったかんじのところで

GM : シークレットダイス ???

GM : ふーーーーーーーん

東雲 亜梨花 : そうやって~~~

卜部影路 : ビビるこたぁねぇ、どうせはったりさ……

卜部影路 : よし

神々廻 京 : にゅ……

GM :

──玄関先で、雷撃のような爆撃音が聞こえた。

GM : 地獄耳を展開していた夕南にとっては、それが昨夜戦闘した、黒澤秋人のものであるとすぐにわかるだろう。

翠簾野 夕南 : 「(……来たか!)」

翠簾野 夕南 : 《ワーディング》する!

東雲 亜梨花 : ワーディングと爆撃音でだいたい理解してとびだすよ! あ、コピー機から印刷した紙も持って!

明花あきる :
「ッ、何事だッ!」

 手帳を懐にしまい込んで、扇子をひったくるようにして廊下へとまろびでる。夕南の《ワーディング》に呼応するようにして、油断なく扇子を玄関口へと突きつけながら様子を窺った。

黒澤秋人 : 「──こい、よ、こいよこいよこいよUGN!! ああ、こい、こい、こい!!! いるのはわかってるんだぞ、匿うとロクなことにならないぞぉ!?」

 《ワーディング》影響下の中でも叫び散らす黒澤秋人だが、明らかに様子がおかしい。
 昨夜もこの状態であったのは確かだが、それよりも悪化している様子すら見受けられる。

黒澤秋人 :  爆撃の連続だ。召喚した衛星砲の光をあたりに撒き散らす、ジャーム。

東雲 亜梨花 : あ!もっちーのとこに行く!あの子は大丈夫!?

黒澤秋人 : 全員分の行動を見たら、一旦進めましょうか。

黒澤秋人 : 「来なけりゃ──ああ、そうだ、テメェらの大事なもんを、こうだァ!」

 その矛先は、明らかに町の方角にも向けられていた。

翠簾野 夕南 : ん-……

翠簾野 夕南 : レベッカさんと俊樹ってここにいる?

黒澤秋人 : 夕南の指示次第

卜部影路 : 仮にも望月がいる支部をフリーにすることはないだろう、夕南さんなら

翠簾野 夕南 : さすがにタイムリミットがわかりきってる状態で中核メンバーを帰したりはしないかな。

エージェント : では、普通に二人ともいます。

レベッカ : シークレットダイス ???

レベッカ : ふむ

尾見俊樹 : 「──なりふり構わないってところですか」

尾見俊樹 : 「レベッカさん。望月さんについていてください。
 マスターマインドのやることだ。アレを使い捨てにしてる間に、何か仕掛けてくる可能性がある」

「ほかの皆さんは……」

翠簾野 夕南 : 望月、どうする?

翠簾野 夕南 : おれはお山に連れて行くのがいいと思っています。

卜部影路 : 俺も安全圏まで連れていきてぇな

望月/朔 : 「──う、うん!」

 俊樹の言葉にはうなずきます。

翠簾野 夕南 : GM!

望月/朔 : はい

翠簾野 夕南 : この状況に対して、おれは「彼が囮かもしれない」という可能性について思いあたることはできる?

翠簾野 夕南 : これまでのマスターマインドのやり口から類推するやり方で。

卜部影路 : 俺からの報告を受けてるから行けるんじゃないか?

卜部影路 : 山が本命っぽいってことは

望月/朔 : ふむ。思い当たっても不自然ではない。

翠簾野 夕南 : んー。だよな。

翠簾野 夕南 : 「……これまでのあいつのやり方からして──」

翠簾野 夕南 : 「……囮、だな。こっちにかまわせてる間に、黒曜山で本命をなんとかする……ってのが濃厚か」

明花あきる :
「夕南、他のエージェントは?」

卜部影路 : その間に俺も皆のところに合流したってことにしておこう

卜部影路 : 「ワーディング張ってんだ、すぐに来るだろ………たぶん、数分もありゃ抑え込める」

翠簾野 夕南 : 「支部にある程度の人数は残してるよ。ここにおれたちがいることはわかりきってるわけだし、こうなる可能性は予想してた」

明花あきる :
「アレにかかずらってる時間で、ホシを叩いたほうが賢明だな。────黒曜山だ」

東雲 亜梨花 : 「……もっちー、大丈夫? 一緒に来れるかな」
もっちーを見つけたところで合流。開いてるほうの手を握っときます

望月/朔 : 「……。う、うん」 こく

翠簾野 夕南 : 「…………んんん」

翠簾野 夕南 : 「こうすることも読まれてる気がするけど──虎穴に入らずんばナントカってやつだ、あっちさんの思惑に乗ってやるとするか。いいね?」

東雲 亜梨花 : 「よーしよし、一緒だからね。大丈夫」

「わたしはいいよ! 決着つけにいこう!」

明花あきる :
「思惑を暴くのが探偵の仕事だよ。黒幕とご対面と行こうじゃねェの。
 ────神々廻!」

神々廻 京 :
「こちらに」
 伸縮する腕であきるの傘を手に取り、丁寧な動作で渡す。

明花あきる :
「ン。流石優秀だな」
 にっと笑んで、その労苦に報いる。番傘と扇子、揃えば己に────燃やせぬものなどない。

卜部影路 : 「……雑魚に構ってる暇はねぇってことで、とりあえずここは他の人に任せて、俺達は本命に向かいましょうか」

神々廻 京 :
「黒澤秋人の脅しは、小規模な""揺らし""でしょうからね。
 無論、『彼にとっては』やると言えばやるという凄みがあるのかもしれませんが」
 

卜部影路 : というわけでディメンションゲートを開きたい、が……その前に何か合ったりするか?

望月/朔 : PCがなければ特にない。

翠簾野 夕南 : ねんのため確認するけど、黒澤秋人以外の人の音はした?

望月/朔 : ない。

翠簾野 夕南 : オーケー。

望月/朔 : これは赤で宣言します。ここに来たのは黒澤秋人一人です

明花あきる : マジで陽動用に差し向けられた感じが濃いな……

翠簾野 夕南 : 「ん。……俊樹、レベッカさん。留守番の子たちと協力して、彼を適当に抑え込んでおける? 多分、防戦に徹すればそう厳しい相手じゃないと思う」

望月/朔 : で、ディメンジョンってことは外に出るってことなんだが……まぁどのみちエージェント二人が抑え込む描写でやれるでしょう。

尾見俊樹 : 「お任せを」

卜部影路 : ん?室内で使えば良くないか?

レベッカ : いや違う

レベッカ : マスターパートの話

翠簾野 夕南 : ああ。

卜部影路 : ああ

レベッカ : 「確か、倒れても起き上がるとのことでしたけど──」

レベッカ :

レベッカ : 「──そういうことならお安い御用だ。肉片になっても動かないようにしてやる!」

翠簾野 夕南 : 「支部と街は壊さないよーにな……」

東雲 亜梨花 : ひょわ

明花あきる :
「ヒュウ、骨のあるエージェントじゃねェの。────頼んだぞ」

神々廻 京 : 「あら、よいお顔で……」

レベッカ : 衝動は闘争。モルフェウスによるギガモーで迫撃砲作ってぶっぱが戦闘スタイルです。

東雲 亜梨花 : ひゃ~つよそう。いいな

卜部影路 : 「そいつ、ブッパばっかの雑魚なんで怪我だけはしないよう気をつけてくださいね……」

尾見俊樹 : 「流れ弾は、僕が止めますよ。一応、これでも"蒼騎士卿(サー・ブルーランス)"なので」

明花あきる :
「尾身、テメェの手並みも拝見だ。期待してるぜ」

尾見俊樹 : 「そちらこそ、しくじらないでください。《乱れ舞え纏華の焔(ミス・ミリオンダラー)》。いえ、明花あきる」

明花あきる :
「────ハ! 応ともよ。きっちり綺麗に幕を引いてやるから、そっちは任したぜ、《蒼騎士卿(サー・ブルーランス)》。
 騎士の矜持、見せてみな!」

卜部影路 : それじゃあ、言い残すことはないな?

翠簾野 夕南 : ナシ!

東雲 亜梨花 : ぬ!

神々廻 京 : ナッシン

明花あきる : 御託は十分だ。決着付けようぜ

卜部影路 : よし

卜部影路 : 行くぜ

尾見俊樹 : 「バスカヴィルの走狗に名を連ねてる以上は、しくじりは許されませんからね。
 ご武運を、皆さん。──行きますよ、"爆撃修道女(ブラストシスター)"」
「行くぞ。もたもたしてると本当に町を燃やされそうだからな!」

GM : ◇◆◇◆◇

卜部影路 : 「……本命は、十中八九黒曜山だ」

右手を前に伸ばし、あちらとこちらを歪めてつなげる。

卜部影路 : 眼前に現れるのは黒の虚穴。
空間を無視して二点を結ぶ扉を作り出す。

卜部影路 : 「それじゃあ、行きましょうか……東雲、お前は望月と朔から目ぇ離すなよ」

翠簾野 夕南 : 「"彼女"の気配もなかったしな──それでビンゴだと思うよ」

東雲 亜梨花 : 「りょ~かい。うらきちもうっかりはぐれないようにね」

東雲 亜梨花 : 「ああ、そうだもっちー」

望月/朔 : 「……。?」

東雲 亜梨花 : 「きっとね、今日の夜たくさんのことがあると思うんだ。もっちーは賢いから少しわかってそうだけど」

東雲 亜梨花 : 「それでも、忘れないでいてほしいの。どんなことがあっても、ここには貴方を愛している人がもうたくさんいるからね。ね、望月、朔。覚えていてね」

望月/朔 : 「……。うん!」

東雲 亜梨花 : 「お返事よし! がんばろうね!」

東雲 亜梨花 : えいえいおーしておきます。気合いだ~

明花あきる :
「種明かしだ。獅童も黒曜山にいるんだろうし────クソ女の企みなんざ、全部まとめて景気よく、打ち上げ花火と洒落こもうや」

東雲 亜梨花 : おー!

卜部影路 : 「とっと済ませて、ちゃっちゃと寝てぇ……満月二つの夜は眩しすぎるんだよ」

翠簾野 夕南 : 「もとはといえば、甚さんのやり残しだ。きっちり終わらせねーとな」

神々廻 京 :
(……この出会いと、この一行もおそらくはこれが最後でしょうか。私にとっては。
 流離の中で、これほど居心地の良かったことはなかったですが──)

「……ええ、気張っていきましょう!」

卜部影路 : つーわけで、研究所まで場面変転だ

望月/朔 : OK

GM : ◇◆◇◆◇

黒澤秋人 :
「は、ははァーハハ! こいよ、こいよ、テメェらのだいじなモン、ぜーんぶ、ぜぇーんぶ焼いてやるからよォ!」

 吠えたける哀れな青年。
 彼は月女神に微笑まれることもなく、ただ、"真っ赤な世界"の中で狂気の限りを叫んでいる。
 光が乱れ飛び、庭が削れ、空間が吹き飛んでいく。
 そこに立つは、騎士と修道女。

尾見俊樹 : 「──異変は敵だけかと思いましたが、これは」

レベッカ : 「……月が、赤いな。ワインの血のようだ」

GM :
「呑めたんですか」
「これでも二十歳越えだ!」

 世界に異変が起きている。
 空が真っ赤に染まり、血染めの月が浮かんでいる。
 覆われていた膜が剥がれおち、真なる世界の姿があらわとなっている。

GM : 【 Eロイス:《悪意の伝染》 】
使用者:???
対象:P市全域
効果:以降P市に、外部からNPCが侵入することはできなくなる。

尾見俊樹 : 「……結界、のようなものでしょうか」
「知らん。それより、まずは──」

黒澤秋人 : 「──ああ、彼女がミている! """蘇った"""!!!テメェらを生贄にささげて、振り向いてもらうんだよォ!」

レベッカ : 「──見向きもされなかったコイツを、どうにかする!」

GM : ◇◆◇◆◇

GM :

<カンガタリ研究所跡地>

特殊部隊 : 「──き、貴様ら、何者だ!」

 ディメンジョンゲートで出た先では、何かの装置を取り付け、起動させんとしている特殊部隊の隊員達の姿があった。

特殊部隊 : A「クソッ、もうかぎつけられたのか……あと少しってところに!」
B「"Luna-02"も役に立たんな!」

翠簾野 夕南 : おれ、装置に見覚えは?

Jack pod/Sad girl : ある。

明花あきる : オーレリオのアレか

卜部影路 : とりあえず装置を壊すが第一目標でいいか?

卜部影路 : 現状は

東雲 亜梨花 : 悪い人の悪い装置!?

明花あきる : 私も文献から装置に見当はついてイイか?

卜部影路 : 頭まで悪くなるな

Jack pod/Sad girl : 「──あなた達は、装置の起動を急いでください」

 無感情にそう告げ、去っていく司令塔。
 その背中は、仮面をつけたJack pod──獅童糸香だ。

東雲 亜梨花 : 「──!! 糸香ちゃん!」

特殊部隊 : 「「「了解いたしました!」」」

 部隊は銃を向ける。
 音波兵器のようなその装置は、オーレリオ内戦でも用いられた、レネゲイドウイルス増幅装置だ。

明花あきる :
「設置型増幅機、βウェーブってヤツか……ジジイの置き土産は役に立ったな。
 もっとも、歓べるような状況じゃねェが!」

Jack pod/Sad girl : 「……」

 言葉には応えず、一歩引いて様子を見るのみだ。

翠簾野 夕南 : 「(……β、ウェーブ……ッ!)」
 全身の血が沸騰するような感覚を覚えて、そのまま声を上げようとするのを堪える。

神々廻 京 :
「あれがお嬢様のお爺様が残した情報にあった……。
 ……これほど悍ましいとは」

特殊部隊 : この部隊とβウェーブは、エキストラで破壊しても大丈夫です(ほがらか)

明花あきる : オッシャ。

翠簾野 夕南 : 「────邪、魔、だァッ……!!」

卜部影路 : はかねぇ……

明花あきる : 夕南の援護で焔をお見舞いしてやろう。

翠簾野 夕南 : βウェーブを斬る!

卜部影路 : 東雲とメイドもなんか打っとけ

神々廻 京 : 隊員たちを伸縮腕と骨の剣ですっころばせよう……

東雲 亜梨花 : よし!なんかビームを悪い人にうっとく

卜部影路 : 俺は……見てるぜ

卜部影路 : 攻撃技がないからな!

東雲 亜梨花 : うらきちもやろ~よ!!!

東雲 亜梨花 : なんかこう……めしゃぁと

特殊部隊 : 一通りみたらすすめませう

卜部影路 : いや、殴るくらいしかできねぇんだよ……

東雲 亜梨花 : 拳で?

卜部影路 : 俺だってそんなかっこいい技使いてぇよ!!

卜部影路 : 拳で

翠簾野 夕南 :
 ──斬!
 走りながら刀を抜き放ち、部隊をすり抜けてその装置だけを切り裂く!

明花あきる :
「オラ、退きな! 小物はお呼びじゃねェんだよ────ほむらよ舞われッ!」

 扇子が振り抜かれて、蒼き焔がひた走る。

 それらは先頭駆けて往く橙色、その先行きを言祝ぎ、あるいは導くようにして、邪魔を試みる男たちを軒並み炎に巻いていった。

東雲 亜梨花 : 「……どいて! 私の道を邪魔しないで!」

わたしがあけるのは道。糸香ちゃんのとこまで駆け寄るだけの道をあけるために部隊の人にエンジェルハイロゥの光弾をぶちこむよ!殺しはしない!たぶん!

神々廻 京 :
「──邪魔です」

 する、と脱げた手袋から見える白い手。
 異形の音を立てながら骨を纏い、そこからヘビの如く伸びた「剣」が隊員たちの足を斬りつけ、行動を封じんとする。

卜部影路 : 「……ほら、お前のお仲間は全滅したし、切り札っぽい装置もぶっ壊れちまったぞ?」

チラリ、と瞬殺された装置と部隊を横目に、しかし口ぶりとはまるで裏腹に警戒心に満ちた視線を仮面の少女へ向ける。

「んで、お前が切れる札はあと幾つある?全部ぶっ潰してやるよ……」

翠簾野 夕南 : 装置の残骸を蹴り飛ばして全員がいる位置まで飛び退る。

明花あきる :
「よォ獅童。また会ったな。────言った通り、東雲も連れて会いに来たぜ。
 ちっとばかり大所帯にはなっちまったが、まァんな細かいコトは気にするなよ。なァ、獅童糸香」

特殊部隊 :
「く、クソッ、うて、撃てェー!」

 副隊長らしき男の必死の指示。
 それも虚しく、辺りに響き渡る絶叫。
 乱射される銃弾は、炎が、光が、防ぎ、あるいは蹴散らしていく。
 それでも抵抗を試みようとする者たちを転ばせ、そして──、

「速い、速すぎる……!」

 生き残った隊員達をすり抜けて、夕南の刃が狂気の装置を一刀両断!

特殊部隊 : 「じ、Jack pod! どうするつもりだ! こんなことなら戦略兵器でも持ち出して侵攻すべきだった!」
「……それで対策を打たれれば、同じこと」

Jack pod/Sad girl :  副長らしき男の糾弾にも、あるいは、東雲やあきるの言葉に対しても、一切動じる様子を見せない。
 失った感情をそのままに、ノイマンの卓越した理性制御でもって、淡々と返すのみ。

 そう、まるで、全てわかっているかのように。

特殊部隊 : 「き、貴様。これだからあの女狐は信用ならん──俺たちは引き上げるぞ!」

 まだ意識のある者に声をかけ、あなた達を他所にこの場を立ち去ろうとしたときだった。

GM :

  ・・・
──ズブり。

特殊部隊 : 「──は? ァ……?」

 地面から伸びた、鎖のような骨。
 倒れていた人間達が、まとめて貫かれ、宙に打ち上げられた。
 当然、逃げ遅れた部隊長も例外ではない。

GM : そして。

GM :  卜部。あなたの背中目掛けて、骨のような何かが射出される。
 間一髪、その音を、夕南は気づくことができるだろうが。

卜部影路 : これは……俺は何か振れるのか?

翠簾野 夕南 : かばえますか?

卜部影路 : 庇うな

望月/朔 : ・・・・
至近距離なので、ドッジ難易度は12としておきましょう。庇うのはありです。

卜部影路 : よし、受けるぜ

卜部影路 : 朔だな

東雲 亜梨花 : ん~~~

東雲 亜梨花 : 知覚はだめかな? 地面の揺れ、小さな音、気配とか

翠簾野 夕南 : うーんPC的に無視できんな。おれが受けたい。

明花あきる : 熱感知起動してて予兆読めたりできないか?ダメ元だが……

翠簾野 夕南 : PL的にはこれ以上侵蝕食いたくないんだけど……突き飛ばしたりできる?

望月/朔 : 熱感知は流石に無理だが。知覚は……難易度8だ。

卜部影路 : 待ちな、そもそも俺が回避しよう

卜部影路 : 無理だったら頼む

明花あきる : 熱を持って動いてるモンじゃねェってことか……

翠簾野 夕南 : オッケー。そうしよう。

東雲 亜梨花 : がんばれ!まじで

卜部影路 : でも団体行動中だからな……

卜部影路 : 振るぜ

卜部影路 : 3DX+1 (3DX10+1) > 10[5,6,10]+5[5]+1 > 16

翠簾野 夕南 : マジか。

東雲 亜梨花 : こやつ

卜部影路 : ふん

翠簾野 夕南 : おれRPで声だけかけていい?

東雲 亜梨花 : ヨーシャシャシャ

明花あきる : ヒュー!

卜部影路 : 良いですよ

GM : 土壇場で強い男

神々廻 京 : イイ

卜部影路 : 対人戦だけはやたら強いとの評価を受けているぜ

翠簾野 夕南 :
「────影路ッッッ!」

卜部影路 : ちなみにこれは誰からの攻撃だ?

卜部影路 : それによって反応は変わってくる

翠簾野 夕南 : もしかしておれはわかる?

GM : 望月です。

卜部影路 : よし

東雲 亜梨花 : なんて?

卜部影路 :     ・・・・
「……俺が目を離すとでも思ったのかよ」

夕南さんの叫び声と同時に、備えていた身体は動き出している。完全な死角からの一撃――裏を返すなら、攻撃の軌道は限りなく限定される。

「裏の取り方が甘ぇんだよ……!!」

どれだけ不意を突こうとも、どこから来るか分かっているのであればいくらでも回避のしようはある。振り向くように身体を回し、攻撃の軌道から身体を押し出す。

正確であるがゆえに、その一撃は瞬き一つ前に俺の身体が合った場所を通り抜けていく

望月/朔 :  骨の槍めいたものを解き放ったその下手人。
 そして、地中より噴出する槍でもって部隊を刺し貫いたのは、"望月"。

望月/朔 :
 彼女は、笑っている。
 否、

望月/朔 :

「──ふ、クク、……、ああ、残念。人間は容易くやれたが、奇跡に魅入られてる者が相手では、さすがにこうはいかんか」

卜部影路 :
「それ以前の問題なんだよ……朔は今晩が限界つってたからな、そんなお前に、チキンの俺が警戒を解くわきゃねぇだろ」

望月/朔 : 「そうか。邪魔な異分子が、またも我の邪魔をするか。
 これだから、自我持ちは困る。速やかに体を明け渡させればいいものを」

卜部影路 : 「その自我を持ってる奴らから生まれた癖によく言うぜ……」

呆れたように溜息を吐いて、睨みつける。

「悪いが、その器からは出ていってもらうぜ……お前を入れておくには勿体ねぇ容れ物なんでな」

翠簾野 夕南 : 「…………」

翠簾野 夕南 :
 ロ   ア
「滅びた伝説……って、やつか──」

東雲 亜梨花 : 「もっちー……?」

翠簾野 夕南 : 地獄耳は発動止めない。両方の様子見るよ。

神々廻 京 : 「……限界」

卜部影路 : この場合の両方ってのは望月(仮)と仮面だな

翠簾野 夕南 : だな。

望月/朔 :
 そこに、少女の姿はない。
 邪悪な気配を纏い、世を滅ぼさんとする伝説がそこにいる。
 封印され、本来は表舞台にすら出てくることのない邪教のカミが、人々の前で笑っている。

??? : 「──もっちー? ああ、器の名か。
 我を蘇らせた者も、皮肉な名をつけるものだ。月の名を関する我の器に、満月の名をつけるとは」

??? :  容姿(テクスチャ)が、不気味な紋様とともに上書きされ、塗りつぶされてゆく。

「我を邪魔していた者なら、とっくのとうに食いつぶしたよ。
 器の自我も、我が覆い尽くした」

Jack pod/Sad girl :
「──すべて、生贄のおかげだ。そこの小娘が率いていたのかは知らないが、供物だというのならば、褒めて遣わそう。
 あの狂える男でもよかったが、別段、そこらの人間数人でも十分足りる」
「……。ありがたきお言葉」

東雲 亜梨花 : 「うそ、わたしたちが倒したせいだっていうの」

卜部影路 : 「……俺達が来なくても、そこの仮面野郎が生贄にしてただろ、たぶんな」

神々廻 京 : 「プランBを考えないほど詰めない人でもないでしょうからね、あの女は」

東雲 亜梨花 : 「でも……でも、違う、そのまえにもっちーを取り戻さないと。あの子たちはそう簡単に負けるはずないもん」

卜部影路 :       ・・・・・
「にしても、ちっせぇな……」

たった数人で腹がふくれる、邪魔者は食いつぶした?人格は覆った?

「……小者じゃねぇか、こんな奴に朔が負けると思うのか?あの望月大好きな朔が、だ」

「望月が覆われた?だからなんだってんだ、アイツの強さは、東雲、お前がよく知ってるだろ……ほっといても出てくると思うぜ」

卜部影路 : でも、と続ける

卜部影路 : 「それじゃあ、俺達が格好悪すぎるからな……ちっとばかし、格好つけて迎えに行こうぜ」

望月も、朔も、どちらも助ける。元よりこんな雑魚など前菜でしかない。

卜部影路 : 「で、どうすんだ東雲?お前が行かねぇなら、俺一人で助けて、格好つけさせてもらうぜ?」

東雲 亜梨花 : 来るときに握ってた手のひらを見て、握りしめるよ。

東雲 亜梨花 : 「もう、そうやってすぐかっこつけようとするんだから」

東雲 亜梨花 : 「大丈夫、でもありがとう」

東雲 亜梨花 : 「もっちろん私だってマスターですし!? 迎えに行きますけど!??」

東雲 亜梨花 : 「────もっちーだけにね!!!!!」

明花あきる :
 望月の変容。突然の反旗────それらに面喰いはしていたものの、元より考慮に入れていた現象だ。
 望月/朔を単なる兵器として扱うには情が移ってしまってはいても、それでも彼女は、最後まで彼女たちの自由意志を封じてでも“現代(いま)”を生かそうとした人間である。当然、これまでの話の流れを鑑みて、第三者によって「毒性」を加えられることだって警戒していた。
 卜部が狙われたことには、正直肝を冷やしたが────それも回避ができたならば重畳。

 何も、問題は無い。
 そう、何も、だ。

明花あきる :
「────そういうワケだ。生憎と、御降臨如きでハイソウデスカと諦められるほど、人間出来てないンでな。
         ・・・・・
 カミサマなんざ、クソ喰らえだ。偉そうな肩書きばっか引っ提げてる割に、苦しい時になんかしてくれた試しは一度もねェ。だから私は、テメェが嫌いだよ」

明花あきる :
「嫌いだが、憎悪のためにこの焔を使うなんて死んでも御免だね。憎悪を、厭悪を、悪徳を好んで喰らうテメェなんかが相手ならなおさらだ。
         ・・
 あくまでも私は、救うためにこの力を使う。望月と朔を。そしてこの市を。
 明花の娘、その末子、義務としてテメェを討ち滅ぼす」

明花あきる :
 蒼き瞳、氷が如く凍てついて眦を厳に吊り上げる白貌が、現れたカミに堂々と言い放つ。
 次いで、たおやかな腕がゆらりと扇子を持ち上げて────仮面の女を差した。
 閃くのは、優雅を纏った勝気な笑み。

明花あきる :
「そうそう、言い忘れてたがな。私のレネゲイドは少しばかり狂暴なんだ。
 それこそ、扇子と傘がなきゃ制御もままならねェじゃじゃ馬なんだわ。

 だからよ。テメェが後生大事に縋ってるその操り糸、手繰ってる人形師までまとめて焔が喰らっても────メソメソ泣くんじゃねェぞ、獅童糸香ッ!」

明花あきる :
 感情が無くとも、意志ならば在るはずだった。どちらもなければ、その体が何かを“成す”など────まして人を殺すなどという大業、行えるはずがない。

 ならば焚きつけてやれ。あえて挑発的で、挑戦的で、燃え上がらせるような言葉遣いで、その身に宿る意志の力を奮わせろ。

 それがたとえ暴力的なものであったとしても、「自分の意志のままに振るった」という事実はきっと、その心の在処を知らせる狼煙になる。
 振り切った拳が、いつかその操り糸を引きちぎるための力になるのなら────明花あきるは、いつだってオマエにとっての“悪役”を演じてみせよう。

明花あきる :
「(東雲のトモダチなんだ、だからもう、私もテメェのこと『トモダチ』って呼ぶぜ。
  だがなァ────お手手繋いで仲良しこよしだけがトモダチってワケじゃねェんだ。
  その冷めた面ァ引っぺがすためなら、私はいくらだってテメェに嫌われてやる。

  だからそう────早くとっとと、引き千切ってみせろ!)」

 コドク コドク
 天才と天才。されど、もうどちらも孤独ではないのだ。
 孤独になんか、させない。繋ぐロイスで無理矢理に繋ぎ止めて、嫌がったって自由を掴ませる。
 それが、明花あきるなりの「トモダチ」の仕方だ。

明花あきる :

「テメェのトリックは全部暴いた。
 後は『千秋楽』だ、とくとご覧じな────!」


Jack pod/Sad girl : 「──また、そうやって、踏み込んでくる」

 胸の奥がちくりとする。
 この感情の正体が、獅童糸香にはわからない。否、昔はわかっていたはずなのに、擦り切れた結果、わからなくなってしまった。

 だから、子供の癇癪のように、吐き捨てるのみだ。

??? :

 ──そして、カミは。

??? :

「──ふむ。御国の為とはいえ、羽虫を蹴散らすのは、正直手間だ」

 じゃらり、と鎖のような骨が展開されると共に、波動めいたものが放出される。
 それはまさしく、カミに相応しき力。身振り手振りの一つが、常人にとっては死に値する行動となって降り注ぐ。

??? :
「カミ、私も、協力いたします」
「殊勝な心がけだ。許そう。我の尖兵を貸し与える」

 まるで、最初からそう計画に組み込まれていたように。
 邪神に傅く仮面の使徒。その横で、血煙より湧いて出てくるのは、創りあげた兵士だ。

翠簾野 夕南 : 「……!」

神々廻 京 : 「……これは」

従者 :
「──、──」

 ソイツは、作成者の命令通りに獅童糸香に傅くように顕現した。
 意志無き暴性の塊。この地、あるいは戦前の科学者、──否、邪教が創られた頃にまでさかのぼり、あらゆる悪性を吸い尽くした存在が生み出す、"理想の暴力装置"。

明花あきる :
「ハ。信者にだけは事欠かねェってか?」

従者 : データ上では以下の処理を行います。
①イニシアティブ30で、ツクヨミノミコトのメジャーアクション:《赤色の従者》+《声なき者ども》+《ライフブラッド》で、従者作成。一体召喚します。

翠簾野 夕南 :
(新手か……! まいったな、これ──ッ)

東雲 亜梨花 : 「──ッ! 糸香ちゃん! 待ってよ!
やめようよ! 糸香ちゃんだってこんなことこのまま続けたらたくさんの人が死ぬってわかってるんでしょ!」

従者 :
「──」

 ・・・・・・
 かかってこい、と挑発への返礼として、指を折り曲げた。
 ソイツに言葉はないが、暴性の体現者である以上は、やることは単純だ。
 研ぎ澄まされきった狂気は、一周回って純粋な意志となる。

神々廻 京 :
「……織り込み済みということですか、全く!』

Jack pod/Sad girl : 「──だから、どうしたの?」

 要らない。
 いらない。何も見つけられなかった。だから、こんな世界、壊れてしまえ。

卜部影路 : 「駄々こねてるガキは手がつけらんねぇな……」

溜息を吐く。自己嫌悪、自嘲に近い言葉を吐いて、けれど、そこはもう通り過ぎた場所だ――

明花あきる :
「意気地なし。そうやってずっと、閉じこもって目を逸らしてばっかりだ。
 ────少し前の私と同じで、だからこそ腹が立つンだよ」

翠簾野 夕南 : (……遺産を抱えたジャームが1人とその従者、マスターマインドの子ども……ちょっと分が悪いのは、マジだな)

翠簾野 夕南 : 刀を正眼に構えて呼吸を整える。

東雲 亜梨花 : 「言われたとおりに鏡を見て、言われたとおりに世界を壊したら見つからないどころか可能性も何もかも潰れちゃうよ! 

──そう、だから
だから、ねえ、選んでみてよ。

貴方はどうして世界を壊そうとするの」

[雑談] system : [ 従者 ] HP : 40 → 41

[雑談] system : [ 従者 ] HP : 41 → 40

東雲 亜梨花 : 「ちゃんと口に出して言ってよ、教えて、あなたの言葉で」

Jack pod/Sad girl : 「──何も、見つけられなかった。
 もうどこにも、ないなら。壊すしかない。そうでしょう?」

 その眼に光はない。
 マスターマインドの子供達として選ばれ/親からは自分達の理想だけを押し付けられ、鶏が先か卵が先か、結果として壊れきってしまった人格。

東雲 亜梨花 : 「──それに関しては言いたいことたくさん用意してきた。けど、今はいいよ。

糸香ちゃん、あなたは壊したいから壊すの?」

Jack pod/Sad girl : 「……壊したい? ああ、うん、言われると、そうなのかもね」

東雲 亜梨花 : 「言い方が!甘い! 私はどうなのと聞いてるの! ほんとは余計な被害は出したくなかったんじゃないの? 一人じゃそっちにいるしかないから壊れてもいいやって思うようにしてるんじゃないの?」

Jack pod/Sad girl : 「──私は!」
「もうよいではないか」

ツクヨミノミコト :

 ・・ ・・・・・
「我が、蘇ったのだ」

ツクヨミノミコト : 「地を這う虫が創り上げた、蟻塚は、滅びるのみなのだ。
 故に、今更、滅ぶ、滅ばないの言葉をかわして、何になる?」

東雲 亜梨花 : 「……おまえだって、戦わなくて、いいんじゃないの」

東雲 亜梨花 : 「国を護るために作られたんでしょ。ここだって守るべき人たちなんじゃないの……!」

ツクヨミノミコト :
「何を勘違いしている? 小娘。
 これは、天命だ。天の命令、それすなわち、この我、ツクヨミノミコトの命令である」

 ・・・ ・・・・・・
 ヒトよ、さっさと滅べ。
 怨念をつぎ込んで創られた勾玉に、今や護国の願いなどない。
 長い年月をかけて蓄積されつづけた悪意、憎悪、負の感情、それらが入り混じり、おかしくなっている。

 否──材料からして、もはや護国の願いなどではない。
 元はといえば、ヒトよ滅ぶべしと崇められた邪神だ。

「守護? 恩恵? いいとも、与えてやろう。
 お主らの敵を根絶やしにするカタチで叶えてくれよう、──その次は貴様らである」

ツクヨミノミコト : 「──故に、異論は我が許可しない。天が命じたのだ、ならば速やかに死ぬのが道理であろう。クフ、フハハハハッ……!!!」

卜部影路 : 「俺ルール持ち出すガキには何言っても無駄ってことだろ……ったく」

そもそも、だ。生まれからして恨みつらみの集合体だ、こいつの元が願いだったとしても、そこから産み落とされたものが呪いとならない道理はない。

「結局、お前が俺たち人間のこと嫌いなだけなんだろ?大層な言葉で誤魔化すなよ……お前は俺たちが気に食わない、だからいなくなってくださいって正直に言えば考えてやってもいいぜ?」

翠簾野 夕南 : 「……驚いた。本当にただの子どもだ」

卜部影路 : 「言っちまえば、思念の集合体……そんなもんに理性なんてあるわきゃねぇ」

翠簾野 夕南 :
 体を震わせる圧は消えない。
 体内のレネゲイドが震えて畏れを感じているのがわかる。
 恨みによって磨かれたふるきもの──本当の意味でこの世に出てしまえば、世界を壊すだけの出力を出しかねないかいぶつが。
 間違いなく大一番だ──身体の奥に潜む異能の種と生存本能がささやく恐怖を、おれはひとつの感情で握りつぶした。

翠簾野 夕南 :
「そうね。
 そりゃそうだ。
 苦しむだけ苦しんだのだから、お前たちもってこった。

 こんなもの、よく残ってた……     ガ キ
 揃いもそろって、かんしゃくを起こした子どもだってのに」

翠簾野 夕南 :
「だけど……」

 ただ──
 ただ、これだけの、こんなものたちのために?

翠簾野 夕南 :
「──だけど、」
 そんなくだらねえ、思春期のガキのわがままのために?

翠簾野 夕南 :

      ・・・・・        ・・・・・
「……そんなつまらねえ癇癪のためにッ、ありふれたわがままのために、
 夜辺甚五郎は死んだ!」

 怒りは制御できている。
 腹の底から震えあがるような衝動も飼いならせてる。だけど、だけどだ。

翠簾野 夕南 :
「感情がわからない!?
 何も感じないからこうしても意味はねえと思うか! 無意味だって!?
 そんなのおれがあんたたちを殴るのを止める理由になるわきゃねーだろうがッ、この世界はそんな簡単なもんじゃねえんだよ!」

翠簾野 夕南 :
「その、無駄におきれいな顔の形が!
 一生かけても治らなくなるほどブン殴られる準備ぐらい!
 出来てンだろうな、クソガキどもッ……!」

神々廻 京 :
「ふゥ──────」

 そういえば──……子供の世話をしたことがある。
 大層な悪ガキでなんとも手に余ったものだ。
 自分はその悪ガキと一つしか歳が違わないのに、心はずっと私の方が年上だった。
 今はそれと似たような気分だ。

 あの悪ガキはあの■■■に似ている。
 思い出したくもない、憎んですらいる、血を分けたアレに。

「ヒトよ滅べですか」

 どうしようもなく──神々廻はアレを白けた目で見た。

神々廻 京 :
、     、      ・・・・
「滅ぶのはお前の方ですよ、カミサマ。
 それが嫌なら、躾の時間です」

 どうしようもなく今、神々廻京はあのカミを叩きのめしたかった。
 ただ、それだけを吐き出す。
 

明花あきる :
「人の会話に横槍入れるたァ無粋だな、カミサマ風情がよ。何年も何年も放置されて、忘れ去られて、寂しかったから今度は御託並べて全部ぶっ壊すってか?」

 ハ、とあえかな美し貌に、けざやかな挑発が浮かぶ。
 そこに恐れの色など、あるはずがなかった。

明花あきる :
     ・・・・・・・・・・・
「────テメェも獅童と同じだよ。
 諦めて、憎しに身を投げ出して、易きに流れてるだけだ」


明花あきる :
 旧きもの。大いなるもの。
 よこしまに穢れど、それが比類なき神格であることは、疑いようがない。

 されど。
 この身は、ただの人の身で凛として威を放つ“怪物”の剣を、知っている。
 古く、巨きく、守護のために立つ背を、知っている。
 柳のように飄として、いずれにも屈さず多くの闇を暴いた手を、知っている。

 それらは、幼い己には時として恐ろしかった。
 こんな、カミサマを名乗るまがいものの慄然よりもなお、その畏怖は心の芯にまで刺さっている。

明花あきる :
     ・・・・・
 ────だからこそ。

 明花あきるにとっては、カミなどと恐るるには足らない。
 もっとずっと、永い間を怯えてきた。恐れてきた。諦観に足を取られ、伏せる眼を凍てつかせて、モラトリアムの間を揺蕩ってきた。

明花あきる :
     ・・・・・
 ────なればこそ。

 明花あきるは、カミですら暴き燃やし尽くす。誰よりも、己がそう決めた。
 花開くは蒼き焔。氷の奥より揺らぎ出でて芯を震わせ、心の奥まで奮わせる決意の蒼。

明花あきる :
「壊されて堪るかってンだよ、
 ジジイが遺したモノを、
 ジジイが生きた世界をッ!

 そしてこれから、私が生きる世界に────私はまだ、何も残してない!
 刻んでない!
 だってのに、それをカミサマ風情の癇癪で引っ掻き回されちゃ堪らねェッ!」

明花あきる :


 パンッ!



明花あきる :
 扇子が鮮やかに蒼を夜に刻み。
 番傘の三日月が、紅き夜を冴え冴えと遮る。

明花あきる :
   ミス・ミリオンダラー
「《乱れ舞え纏華の焔》、そして────名探偵『千秋楽』の名に懸けて、
 テメェの汚ェ目論見は全部ここで燃やし尽くすッ!


 ────────灰すら遺せると思うなッ!!」


 憎悪でなく。瞋恚でなく。ただそれは、敬愛し尊敬したジジイ共の遺志を全うし。
 何よりも己が歩む軌跡の邪魔をするなと、そういう類の宣言だった。

明花あきる :

 道は私が決める。
 母様にも、
 カミサマにも、
 誰にだって、

 邪魔などさせやしないッ!


東雲 亜梨花 : 「みんな…………ん、私もまけてらんないな」

東雲 亜梨花 : 「たくさんの人の後悔、口惜しさ……生きたかった気持ち。たぶん少しわかるよ。

でも、その怨念は生きている人に託されるべきだ。だから私が持っていく。私があなたたちの分まで生きて幸せになる。だから、私は負けない。

それから──、
糸香ちゃん、やっぱり私あなたの口からききたい。ちゃんと聞けるまであきらめない。もっちーのこともあきらめない。

見てて、すぐあなたの手を掴んで見せるから。
見てて、私は私の決めたことをするから!!」

卜部影路 : 「…………」

Jack pod/Sad girl :
「……そう」

 もはや、語る言葉はない。
 愛用のナイフを手にとり、精神を戦闘用のものに組み立て直す。
    ・・・
 もう、疲れた。抗うのも考えるのも仮面を付け外しするのも何もかも。
 だから、纏めて滅んで死んだって、なんだっていい──いいのだ。それしか、ないのだから。

従者 :
「──」

 鬼の面をつけた従者は、面白いという風に体を揺らして笑った。
 そうか。そういうのであれば、やってみせろよ。力を示せ、でなければ即座に殺す。
 この地に記された血の記憶を吸って出来上がった、従者は、自らの骨で創り上げた刃を、ゆっくりと引き抜いた。

ツクヨミノミコト :
          ・・・・・
「──ふむ。これが、くだらないというものか」

 退屈そうに欠伸をしてみせたツクヨミノミコトは、今の所何かする様子はない。
 尖兵をけしかけたのは様子見のつもりでもあるのだろう。
 だから、せせら笑うこともない。羽虫潰しは、自分の手足にやらせておけばいい。

「なぜ、我が虫の劇に付き合う必要がある?
 くだらぬ者同士、勝手に茶番を演じておけばよいではないか」

 癇癪? 子供のなんとやら? ふむ、結構。
 自らより位階の低いニンゲンの囀りなぞ、構うに値しない。

ツクヨミノミコト :

「──では手始めに、我の手足よ。目の前の虫を、潰してみせよ」

翠簾野 夕南 : 「……戦闘準備!」

東雲 亜梨花 : 「負けない、絶対に!」

スカートの下のホルスターから拳銃を出すよ!お小遣いのやつ!

明花あきる :
「ハ、端っからそのつもりだ。いつでもイイぜ、出し惜しみなんざしねェ────

 のっけから、最大火力だ」

神々廻 京 :
、 おそうじ
「──"神殺し"を始めます」

 号令と共に手袋を取る。それが合図だ。

卜部影路 : 俺は、誰かのために戦えない。
『卜部影路』の経験を、苦しみを、絶望を――歩くはずだった未来を、俺が掠め取っている、そんな思いが捨てられない。人は自分で勝手に助かるだけだと嘯きながら、今でも心のなかでは誰かに助けてほしいと叫ぶ自分もいる。

卜部影路 : 俺は、誰かの想いを背負えない。
獅童の諦めを、いなくなった者達が遺した想いを――生きたいと願い、死んでいった『失敗作』達の願いを、けれど、本心から理解はしていないだろうから。誰も俺のことなんてわからない、分かってもらうつもりなんてないと吐きながら、誰かを理解したい、誰かに理解してほしいと願う自分もいる。

卜部影路 : 俺は、明日を信じられない。
東雲に希望を謳い、けれど、これまで一度も経験したことがないソレをどうして信じることが出来る?『卜部影路』が知っているのは絶望だけ――希望を信じる者達を知り、けれど、俺自身が希望を見出せたことはない。今だって、冷めた自分が彼我の力の差を見比べて、失敗したときのことを考えている。

卜部影路 : 諦めて蹲ることををやめて、進むことを受け入れて――けれど、どこへ進めばいいかなんてわからない。

意志がある。覚悟がある。願いがある。信念がある。
並ぶ者達には、きっとそれがある。

けれど、俺にそれがあるのだろうか?
『卜部影路』の記憶を引き継いで、知った気になっている薄っぺらいこの俺に?

きっと、そんなものはない。

卜部影路 :



  ・・・
――だから




卜部影路 : 「そいつを、見つけたいと……そう思えた」

誰にも聞こえないような独白は、けれど、俺にだけは聞こえている。

卜部影路 : かつてを想う。
生きたいと願った者達を。この街を護りたいと願った者達を。実験体の少女へと願いを託した者達を。いなくなってしまった全ての奴らを想う。

卜部影路 : 明日を想う。
『卜部影路』が生きたいと願った明日を。平和が続くこの街を。望月と朔が生きている明日を。俺が生きていく明日を想う。

卜部影路 : 今を想う。
立ちはだかる困難を。諦めて、全てを壊そうとする者を。隣に立つ者たちの事を――強く想う。

卜部影路 : 「――少しだけ」

答えはまだ出ない。己の中に灯ったこの炎に名前をつけることはまだ出来ない。

けれど、ああ、認めよう。

卜部影路 :    ・・・・・・
「――燃えてきたぜ」

これまでと、これからと、今この瞬間の全てが。
俺の中で確かに燃えている。

卜部影路 : 『卜部影路』ではない。

――俺が、今、ここから全てを始めよう。

「俺の名前は『卜部影路』……俺が、卜部影路だ。覚えとけよ、出来損ないのカミサマと獅童――今からお前らをぶっ倒すやつの名前をよ!!」

GM : ◇◆◇◆◇

<マスターパート③>

GM :
<マスターパート/同時刻>

レベッカ :
         ドン・フランキー
「ぶっ放せ、異能【炸裂式超弩級砲】──蒼騎士! 射線どけろォッ!」

 飛び退くと同時に、撃ち出される砲弾。これでもかと言わんばかりにブチ撒けられる破壊の嵐が、黒澤秋人を覆い尽くす。

尾見俊樹 :
「相変わらずですね修道女! 庭の修繕費は教会から出るんでしょうか!?」
「……こいつが早々に黙ってくれてて、私達が生き残れたらな」

 闘争に支配されていれど、レベッカの眼は冷静に目の前の状況を分析していた。
 煙の向こうでむせ返る男。視線の光が、矢となってこちらを射抜いてくるのがよく分かる。

黒澤秋人 :
「ああああああァッ、邪魔なんだよテメェらァッ──【天より下る極熱<アトミックレーザー>】ァッ!!!」

 憎悪。たった一つだけのものごと以外に眼すらいかなくなる、そうしたドロドロとしたものに支配された男は、叫び返すと同時にお返しだと光線を射出する。

尾見俊樹 :
   デザード・ブルー   シェルド
「異能【熱砂の蒼騎士】──【盾】!」

 レベッカに襲いかかろうとしていた光の洗礼は、砂の盾によって間一髪阻まれた。

「でしたら、せいぜい油断なさらぬよう!」
「わかっている!」

 ……確かに支部長のアドバイス通り、防戦一方である分には問題はない。
 だが、いつ例の月が狂気を振り撒くか。そして、湧き出るジャームに対処するのが誰になるのか。
 コイツに足止めされている限り、他には後手に回るしかないのだ。
 信じているだけで済めば、どんなにいいだろう。だが、現状は時間が経てば経つほど不利になっていく。

尾見俊樹 :
(──どうする。どちらかといえば、レベッカはアタッカーだ。
 対して僕はディフェンダー。……防衛戦なら、僕が残ればいい。だが、相手は不死身という一点ならば化け物だ。マスターマインドの強化は、ホンモノというわけか)

 こういうとき、夜辺ならばどうすると。
 攻撃の手を緩めることは出来ない。今にも放たれんとしている、衛星砲。

GM :

「──退役軍人どもの教え子にしては、随分と、渋い面をしているじゃないですか」

GM :
 和装が、赤い月を背に踊った。
 尾身とレベッカの前にひらりと、彼女は立った。

GM :  カ
「喝ァッ──!!!」

 大気を射抜く、喝発とともに、銀が閃いた。

GM :
 ・・・
 ずどん。
 もはやそれは、鋼の太刀が放ってよい音ではない。
 それは、手首の微妙な動きだけで、少年少女に降り注ぐはずだった暴虐を、左右にそらして霧消させる。

明花春 :
「業腹だが、……"ぜのす"の《鍛冶師》とやらも、いい仕事をする。
 幾ら私が死なずとも、武器が融けるのは少々、困っていたものです」

 明花春。非公式に、"鋼"の名で呼ばれている女傑。
 レネゲイドにゆかりのある地において、唯一レネゲイドウイルスの実態を知りながら、オーヴァードでない者。
 その彼女の右手には、対オーヴァードにのみ持ち出している、特注品の鋼の刀があった。
 かつて死合を挑んできた"戦神<ミネルヴァ>"と名乗るオーヴァードとの戦闘に際し、譲り渡された品。

 ──そして、"""余っていた"""(本人談)金をすべて注ぎ込み、一般人が受ければ昏倒、あるいは忌避に突き動かされるワーディングエフェクトへの耐性を持つ布で織り込んだ、袴を纏っていた。

尾見俊樹 :
「──明花、春」
「何を惚けているのです。お前達は、このような愚物にかまっている暇などないでしょう」

 人間の限界値を目指した結果、ヒトが本来持ちうるはずだった精神支柱を幾つか削り取ってしまった存在。
 オーヴァードに覚醒しようものならば、それこそ折戸静馬、伊庭宗一といった、戦闘にのみ長けた存在となっていた可能性を持つ女。
 その彼女は、鏡のような瞳で、若人を叱咤する。

明花春 :

「──あの子への試練にすらならない虫は、ここで潰しておきます。お前達は、町へ。やるべきことを、成しなさい」

レベッカ : 「り、了解致しました!」

 逆らえぬ凄みが、そこにあった。
 だからこそ、自分達は自分達のやること──非日常を知らぬ人間に、刃が降りかかるのを抑えることに専念できるという、確信さえあった。

尾見俊樹 : 「──お願いします!」

黒澤秋人 : 「──ぁ? テメェら、逃げ──」

 追いうとうとした矢先に、黒澤に突き刺さる殺気。
 こっちを向け。行けると思うか。そう言わんばかりの、武人にだけ許されたソレ。

黒澤秋人 : 「──上等だ。クソババアッ、テメェから焼いてやる。起動しろ、【Luna-02】ゥッ!!!」

GM :
 充填される死の光。
 問題はない。斬ればいい。この身は鍛え上げられた鋼の刃であり、武器も、防具も、超人相手には不足しないものを持ち出している。
 ならばあとは詰将棋だ。正眼にかまえて、一刀両断せんとしたところで──。

GM :

「──まったくもう。最近の若い子ったら、年上にたいしてババア呼ばわりだなんて……」

GM :

 ・・・
 どごん。
 刀など振るだけ無駄だ。殴ればいいといった具合の、純然たる暴力が、砲撃を文字通りねじ伏せた。

明花春 : 「……相変わらず、素直じゃないんですから。春? それだからあきちゃんに怖がられるんですよ? 笑うときれいなんですから」
「──お前を呼んだ覚えはありませんが」

翠簾野叶耶 :

「──叶耶」

 アマテラス
 "太陽の娘"翠簾野叶耶。

翠簾野叶耶 : 「悪い子にはきちんと躾しなくちゃと思って」
「山の方に行ったらいかがですか。あなたの言う悪い子が大勢行ったような気がしますが」
「こっちの躾をあなたに任せたら、どうせこういうでしょう?」

明花春 :
  ・・・・・・・
「──死ぬまで殺して心を折れば何も問題はない。それをやるだけのことですが?」

翠簾野叶耶 : 「ほらやっぱり」
「やっぱりとは」
「変わってないなぁ、って」

翠簾野叶耶 : 「あなたにだけ任せると、愉快な人形が出来上がるんですよ。……それに、バックには、息子が大変お世話になったらしくって、それのお礼もしなくちゃって」

明花春 : 「──邪魔だけはしないように」
「あなたこそ。久しぶりに刀をとって、なまった姿見せたら根性叩き直してさしあげますから」

黒澤秋人 :

「──上等だ。纏めて焼き払ってやるよ……!!!」

GM : というわけでマスターパートはこんな感じでした。

<クライマックスフェイズ②/刻限/戦闘開始>

GM : さて、戦闘開始だ。
従者&獅童は同一エンゲージで、PCとは10m離れている。
ツクヨミノミコトは、さらにそこから10m離れてる感じだね。

翠簾野 夕南 : まふゆ言って草

GM : 行動順はツクヨミノミコトが30だが……行動の一切は放棄する。

GM : 混ざったわ

東雲 亜梨花 : ガワがでとるんよ

明花あきる : 引っ張られてやがる

卜部影路 : とりあえず各々は誰をどうしたい?

東雲 亜梨花 : 戦闘ひさびさ2回目なので優しくしてほしい

神々廻 京 : わたくしも

明花あきる : 同じく

明花あきる : ツクヨミぶっ飛ばしたいとこだが、前に獅童と従者がいる関係上狙えねェよな、まず

東雲 亜梨花 : 私はとりあえず従者から丁寧につぶしていきたいという大まかな方針と、1Rは庇う目当てにパス?もありかと考えているがいかがっしょ

卜部影路 : 一応狙える技を持ってるなら狙える、はずだ

GM : そうだね。狙える技を持っていたら狙える。

東雲 亜梨花 : 私狙える気がするな

明花あきる : 狙えるっつゥと……射程:視界はイケるか?

卜部影路 : 従者と獅童の行動値は幾つだ……?

GM : 獅童が8で、従者が7だ

卜部影路 : 先に行動できるなら、最低でも従者くらいは潰せそうだな……

神々廻 京 : 10m……は視界に入るんでしょうか(伸縮腕の射程)

明花あきる : それだとエンゲージして獅童か従者のどっちかじゃねェ?

翠簾野 夕南 : 伸縮腕ならそもそも移動の必要がないな

明花あきる : 行動値的に先に従者を潰して、少しでも向こうにターンが回ってくるのを抑えたいところではあるな つっても次のイニシアチブでまた従者呼び出してくるんだっけか?

卜部影路 : 俺は誰が相手だろうがやることは決まってるからな……

卜部影路 : あと、行動値の問題はそこまで気にしなくてもいいぜ、そのために俺がいる

東雲 亜梨花 : うらきちのデバフはいつしっかりかかる?

翠簾野 夕南 : 従者生んだエフェクトに制限なかったかな? ないか

神々廻 京 : 移動の必要がない! なるほど

GM : 従者はエフェクトの使用自体に制限はない。

GM : ただし使用回数は本体と共有される。

卜部影路 : 当たればしっかりかかるぜ

GM : 極端な例を出すと、黒星粉砕を従者が使うと、本体が使えなくなる。

翠簾野 夕南 : あとカバーリングの関係で行動遅らせる必要はないですわよ! あれオートアクション

翠簾野 夕南 : 殴るためにエンゲージ必須なのはおれだけなのでおれだけ前に行く予定だけど、そうするとメイドにかばってもらえなくなるんだよなあ

翠簾野 夕南 : 命のカーテンなかったですよね ないはず ないな

東雲 亜梨花 : オートアクションだけど、カバーリングって行動済だとできないよね?

神々廻 京 : サンプルキャラ丸パクなので……ない!はず

翠簾野 夕南 : そもそもメイドさんの構成ガード値増加エフェクトないのか!

卜部影路 : とりあえず俺の行動は一択、行動値20でデバフを敵全体に撒く、だな

神々廻 京 : ない

翠簾野 夕南 : できまぁす!

東雲 亜梨花 : 私の行動値超えてる!ずるい!

神々廻 京 : 死神の手です(白状)

明花あきる : オマエは素がなァ……

卜部影路 : エンゲージを選ばないから、侵食率に余裕がある奴のそばにいたいな

翠簾野 夕南 : 行動済みでも宣言できるって但し書きに書いてあるエフェクトが多いのです

東雲 亜梨花 : できるの~!?

翠簾野 夕南 : カバーリングは

翠簾野 夕南 : 軍神の守りだからあってますよね? 自信なくなってきた

東雲 亜梨花 : あ、カバーリングするエフェクトを使うときはというはなしか

神々廻 京 :
>このカバーリングによって、あなたは行動済みにならず、行動済みでも使用できる

翠簾野 夕南 : メジャーアクションの行動かなんかで『かばう』の行動はメジャー消費でしたっけ

翠簾野 夕南 : それと混同しちゃった感じかな

東雲 亜梨花 : 私が見てたのはそれ~基本ルルブ上巻P262

翠簾野 夕南 : かばうビルドはエフェクトでカバーリングするんですね

東雲 亜梨花 : ふぇ~

翠簾野 夕南 : まあそれはそれとして

東雲 亜梨花 : 私は届きそうだし月詠さんをねらってよいか

翠簾野 夕南 : まっ……た!

東雲 亜梨花 : まつ

翠簾野 夕南 : 神様Eロイス究極存在なかったか!

東雲 亜梨花 : あれはHPまったくとどかないやつ!?

卜部影路 : あったな、たしか……

卜部影路 : 条件を満たさないとダメージが入らない

翠簾野 夕南 : 条件達成しないと攻撃がそもそも通らない!

明花あきる : どうだっけか。悪ィ、まだクライマックス前の会話ログにまとめてねェわ。それより前に出てたっけか

東雲 亜梨花 : イイン(地団太 あきらめます

GM : 【Eロイス《究極存在》】
保有者:ツクヨミノミコト

 カミを下すことは、ヒトの理においては不可能である。

○いかなる攻撃においても『ツクヨミノミコト』のHPを「1」以下に出来ません。
 ただし条件を満たした場合──

明花あきる : 再掲優秀。

翠簾野 夕南 : んっ削ってもいいけどって感じか

翠簾野 夕南 : えらし

GM : 違う1以下だ。0だと死んじゃう

東雲 亜梨花 : うまし

翠簾野 夕南 : ン〜〜

神々廻 京 : あばし

GM : 削ってもいいけど1以下には条件満たさない限りは出来ません

卜部影路 : 削っても条件を満たしていないと、相手に行動されるわけだ

明花あきる : けど先に獅童とか落としときたい……よなァ 条件が取り巻きの排除である可能性もあるし

翠簾野 夕南 : なら一度前の二人優先しようか

東雲 亜梨花 : ふむり。つまり私も前衛狙った方が良い?

GM : あっ、そもそもバステ、ステータスダウンはツクヨミノミコトに現在通りません。究極存在によるものです。
ただし現状あっちも、今の所は動いてこない。そういう感じです。

翠簾野 夕南 : だよね よかた

明花あきる : ……アレが動き出したら、互いに通る。ってコトか

ツクヨミノミコト : クク、どうだろう。お口チャックしておきます。

翠簾野 夕南 : んでその上で確認なんだけど

ツクヨミノミコト : ほい

翠簾野 夕南 : 行動消費して望月と朔に呼びかけたりすることは可能ですか?

ツクヨミノミコト : ほう。

東雲 亜梨花 : かしこい

ツクヨミノミコト : ロイス持ってたっけ>ゆ~な

明花あきる : そうなんだよなァ 多分望月と朔のロイス持ちの行動が必要だと思う

卜部影路 : 呼びかけるコマンドか

翠簾野 夕南 : おれはある。

ツクヨミノミコト : よい。結果は行動見てから開示します。

翠簾野 夕南 : とりあえずコマンドの存在を確認しておきたい。

翠簾野 夕南 : よし。

翠簾野 夕南 : メジャーとマイナー、どちらの消費になる? 

ツクヨミノミコト : 流石にメジャー消費とさせてもらう!

明花あきる : だろうな

翠簾野 夕南 : どちらにせよ獅童を転がしてからが丸いかな……

卜部影路 : 前衛、特に獅童を削るのが一番丸いな

明花あきる : リザされる可能性……は、どうだろうな ありそうだが

翠簾野 夕南 : ありうる でも逆に言えばリザレクトしてくるならまだジャームじゃないことも確認できるね

翠簾野 夕南 : あとノイマンなので最後っ屁のラストアクション積んでるかも

神々廻 京 : fmn……

明花あきる : そうだな。ジャームじゃないなら連れ戻せる

明花あきる : どちらにせよ、一発入れとかなきゃとは思ってンだ。私はよ

翠簾野 夕南 : だな

翠簾野 夕南 : とりあえず獅童優先でいいよな? 従者がかばう可能性もあるし

明花あきる : オーライ。

翠簾野 夕南 : 行動方針は

翠簾野 夕南 : ではそのように!

神々廻 京 : OK

東雲 亜梨花 : なるほどね!

明花あきる : 正念場だ。鮮やかに、幕引きと行こうぜ

卜部影路 : とりあえずイニシアチブ、敵は何かあるか?

翠簾野 夕南 : セットアップ!

ツクヨミノミコト : イニシアチブは特にない

翠簾野 夕南 : イニシアチブもセットアップもなにもないよ

卜部影路 : 俺は加速装置をセットアップに使うぜ

翠簾野 夕南 : カン★コーン

東雲 亜梨花 : カードバトルはじめないで

卜部影路 : デュエルをするな

ツクヨミノミコト : 何もなければ、次はメインプロセスだな(間違えた)

東雲 亜梨花 :

東雲 亜梨花 : なんでもないです

卜部影路 : ロルか?

神々廻 京 : お……す!

ツクヨミノミコト : ロルなら待つわぞ。

東雲 亜梨花 : ちがうの……ちがうの……マイナーアクション不安になっただけ(調べてた

卜部影路 : よし

明花あきる : ま、どうせ卜部のRPがあるしそう焦ンなって。

ツクヨミノミコト : なるほどね。

翠簾野 夕南 : おもむろにありちゃんの脳内にささやく三下の声……!

ツクヨミノミコト : あらためてツクヨミノミコトは30だが、卜部くんのRP見てからあることやります(宣言)。

翠簾野 夕南 : 『俺の教えを思い出せ……俺の教えを思い出せ……』

ツクヨミノミコト : ンッ

神々廻 京 : うう……わたくしも教えを受けた気がする……

東雲 亜梨花 : (ハッ……おじさん……! 私、がんばるね!)

明花あきる : 教え受けたヤツ多くね?

卜部影路 : なら俺はセットアップに《加速装置》を使う、行動値をエフェクトレベル×4分プラスする

ツクヨミノミコト : 春日おじさん今Y市支部から脱走してるよ

ツクヨミノミコト : OK

ツクヨミノミコト : 書くなら正座待機します。

system : [ 卜部影路 ] 侵蝕率 : 115 → 119

卜部影路 : これで俺の行動値は………20!!

神々廻 京 : 魔王の数字だ……

翠簾野 夕南 : なにィ!? 一気にトップまで躍り出ただと!

明花あきる : やるなァ

東雲 亜梨花 : ずるい!ずるい!

明花あきる : 素がぶっ飛んでるオマエは文句言うのやめといてやれよ

system : [ 卜部影路 ] 侵蝕率 : 119 → 116

卜部影路 : とりあえず、判定を見た後にロルは考えるぜ
俺は全部のせでいく
因果歪曲+黒星の門+停滞空間+死神の瞳+悪魔の影+コンセントレイトLV2を発動

system : [ 卜部影路 ] 侵蝕率 : 116 → 130

翠簾野 夕南 : 130乗った

ツクヨミノミコト :
「──イカズチか。ヒトも、雷を自在に手繰れるようになったとはなぁ。つくづく、時代を感じてしまう」

 からころと笑うツクヨミノミコトが視線を向けているのは、獅童糸香だ。
 まるで、"仕込み"と言わんばかりにパチンと指を鳴らせば、細く変形したツクヨミノミコトの骨触手が獅童の内に

「《月華ノ病》をくれてやろう、ヒトの子よ。
 我の手足だというのならば、せいぜい働いてくれ」

ツクヨミノミコト : 【ツクヨミノミコト/メジャー】
《伸縮腕》+《メンタルインベイジョン》

ツクヨミノミコト : ・・・・・・・・・・・・・・・・・
これを、対象:獅童糸香で発動します。

Jack pod/Sad girl : 「──、──」

 思考が放棄される。
 鈍麻された側から上書きされていくこの感覚。ああ、いつもどおりだ。
 何も、変わらない。

明花あきる :
                ・・・・
「────────テメェ、獅童に何を仕込んだッ……!!」


東雲 亜梨花 : 「──! 糸香ちゃん!」
思わず叫ぶよ。心配どころではないけど。

卜部影路 : 黒星で3D+、更に侵蝕率で4d+で命中判定行くぜ

ツクヨミノミコト :
 カミ  ヒト
「上と、下の違い、と言っておこうか。何を怒ることがある。
 ただ、カミの宣託を受諾できる、巫女にしただけのことよ」

卜部影路 : 11DX8+8 (11DX8+8) > 10[1,1,1,2,6,7,7,8,9,10,10]+10[1,6,9,10]+10[5,10]+6[6]+8 > 44

卜部影路 : まあまあだな

ツクヨミノミコト : メンタルイベイジョンにより、この戦闘中、【ツクヨミノミコト】が【獅童糸香】に対して行う命令、エフェクトに、互いの同意という過程を排除することができます。

ツクヨミノミコト : さてうらきちどうぞ(キレてる)(デバフの嵐)

翠簾野 夕南 : 「………」刀を握る手の力を強くする。

明花あきる :
「傀儡師が尤もらしい理屈を吼えんなや、カミサマつってもやることは下種だな……!」

卜部影路 : 回避はしないのか?

ツクヨミノミコト : ツクヨミは究極存在でデバフ受けないので、とりあえず振らないけど数値は回避。

ツクヨミノミコト : で、従者と獅童……一か八か

Jack pod/Sad girl : 2dx (2DX10) > 2[2,2] > 2

翠簾野 夕南 : 2

従者 : 3dx (3DX10) > 7[3,7,7] > 7

明花あきる : ……ファンブらなくてよかったな……というべきか?

東雲 亜梨花 : 糸ついちゃってるからね今ね(フォロー

明花あきる : だから千切っとけつったのによォ

卜部影路 : よし、なら二人に
『リアクション不可』+『次ダメージ+10d』+『行動値0』のデバフだ

明花あきる : ヒュー!

卜部影路 : とりあえず俺は書いていくから、次の行動や判定があるならやっておいてくれ

翠簾野 夕南 : これで従者がまんいちカバーリングしてきてもガードができないというわけだ!

明花あきる : 顔面で受けるしかねェと

ツクヨミノミコト : そもそもカバーリングはリアクションなんだよね(キレてる)

明花あきる : ちなみにこの「次ダメージ+10d」ってのは、次にうける初撃の、って認識でイイんだっけか?これ

東雲 亜梨花 : キレッキレ

卜部影路 : そうだ

明花あきる : 成程

東雲 亜梨花 : 次となると、ウウ……私か

東雲 亜梨花 : まずマイナーアクション【ハンドレッドガンズ】を使用。拳銃を複製して両手持ちするよ。

東雲 亜梨花 : コストは3。これで100を超える

system : [ 東雲 亜梨花 ] 侵食値 : 99 → 102

東雲 亜梨花 : で、コンボは【コンセントレイト】【砂の加護】【小さな塵】【ペネトレイト】【マルチウェポン】
[装甲値を無視して10d+3d+4]で命中判定するよ。

ツクヨミノミコト : 来な! 対象はどっち?

東雲 亜梨花 : うう……

翠簾野 夕南 : RPはさんでいい?

ツクヨミノミコト : よい

明花あきる : その間に悩んどけ

東雲 亜梨花 : よい……

翠簾野 夕南 : 「……亜梨花、撃てる?」眼前から目を離さないまま、ささやくように問いかける。

東雲 亜梨花 : 「気持ちはね、撃ちたくない。手が重い。とても」

両手の銃を構えて、私の【砂の加護】──光の粒子を広げながら正直に答える。嘘をつくのはよくないこと。少なくともここでは。

「でもわかってるよ。大丈夫。戦わないとどちらにせよ誰も助けられない。もっと被害が出る。私はみんなにも傷付いてほしくないし、これ以上ひどいことさせたくない」

だから、撃てないわけではないとチルドレンとしての正論でもってこの重い腕は下げずに続けた。

明花あきる :
「なァ、東雲」

 怜悧な声が、畳まれたままの番傘と扇子を片手に、視線だけはあの操り人形を見定めながら、静かに言葉を落とす。

明花あきる :
「私は、まだ。『トモダチ』がまだ、どんなモンなのか────ちゃんと掴めたワケじゃねェけどよ。
 でも。間違ったことをしているソイツを、止めずに見過ごすことが『トモダチ』だとは、思わねェ」

 明花あきるは、苛烈だ。
 その小さな体には、明花の血が流れている。伝統と格式、頑ななまでにその使命を抱き続け、時代に迎合することもできぬまま、ゆっくりと衰退の途を辿りつつある血が。

明花あきる :
 しかれども、それは現代に至るまで生き延び続けてきた、「強さ」と「剛さ」の裏返しでもある。
 こうと決めたら後には引かぬ。やると決めたら意地でも通す。たとえ「トモダチ」でも、筋が通らぬのであれば正面から立ち塞がる。

明花あきる :
 言って聞かぬなら、殴って聞かせる。
    ・・・・・・・
 そう、聞くまで殴ってこちらを向かせれば、何も問題は無いのだから。

明花あきる :
「今のアイツにゃ、多分言葉より『こっち』のが届く。あの澄まし顔を一発張って、アレの糸とクソ女の糸を全部引きちぎって、それでもって────アイツの腕を引っ張ってやろう。こっちに来い、ってよ」

明花あきる :
「私も当然、手伝うぜ。アイツの腕はお誂え向きに二本あるんだ。
 だってンなら、二人で引っ張ってやりゃイイ。なァ、そう思わねェ?」

 にぃ、と視線を遣る笑みはいつもの勝気に────扇子が「パンッ」と、鮮やかに夜を彩った。

東雲 亜梨花 : 「まちがったこと……『トモダチ』として……」

線香花火のようにどん詰まりで最後の絢爛を生きようとしていた少女の、その変化ごと言葉を噛み砕いて飲み込む。

その波紋(きっかけ)を水面に作った一人が間違いなく自分であるという実感は未だ燃える心のどこかに渦を作る。ああでも、ここで逆立つのは”ちがう”。

聞く耳をもたないのなら、持つまで張り倒すとは、実に気風が良くて彼女らしい。明朗で明快、紐解かれたあとの謎のよう。

(多少気は引けるが、乗るか)

「──そう、だね。『トモダチ』だもん」

今度こそ、きゅっと手に力を入れて体中のレネゲイドウイルスを滾らせる。憎悪ではなく、覚悟で。

「夕南さん、私、いけます」

翠簾野 夕南 :
「わかった」
 亜梨花の構えた拳銃に自分の刀の柄を当てる。かちり、と音がする。

翠簾野 夕南 :
「現実考えるのはおとなの仕事だ。
 おまえは前を見て、やりたいことすりゃいいよ」

東雲 亜梨花 : 「まぁたかっこつけ。わたしだって現実見れるよ、一緒に戦ってね」

明花あきる :
「カッコつけるのがソイツの習性なんだ、許してやれや」

翠簾野 夕南 : 「馬鹿言うな。おれがガキのころ、爺さんたちにやってもらったから言うんだよ──行っといで!」

卜部影路 : 相対する者達を見る。
人を超越した存在、その下僕たる力のカタチ、カミの加護を受けた『天才』

――勝てるわけがねぇ。

本能が、理性が、突きつけられた現実に警鐘を鳴らす。『卜部影路』の記憶が、頑張ることなんで無駄だと俺に教えている。それはきっと、事実なのだろう。

俺が本気を、全力を、全霊を、持てる全てを賭けたとしても、目の前の相手には届かない。だから、諦めて受け入れるべきだと、『卜部影路』はそう言っている。

: 『君の才覚は素晴らしいものがある。純性(ピュアブリード)のバロールシンドローム……練度は足りずとも、既に一般的なオーヴァードを上回っている。大したものだよ。
 君の力は重力、闇、影。魔眼を通して行使される時間と空間の覇者だ。』

卜部影路 :

  ・・・
――そうだ。

俺は強くはない。出来ることも多くはない。だが、俺を生み出したジャームの言葉を信じるのであるのであれば。


:
『やはり君は天才だ。世が世であれば、FHであれUGNであれ、いずれであろうと高い地位を目指せただろうに。
 だが残念だな、君に未来はない。天は二物を与えず、才あるものほど劇的な末路を迎えると相場が決まっている』

卜部影路 : かの真理の探究者が宣ったその言葉を、俺をモルモットとしてしか見ていなかった者の勝手な決めつけを、与えられた運命を、終わるはずだった結末を、俺は超えた。

卜部影路 :

     オーヴァード
――俺は『超える者』だ。

これまでも、これからも、与えられた運命を超えていく。超えていける筈だ。


卜部影路 :
「――俺を、見てろよ」

隣に立つ東雲に、相対するカミに連なる者に――そして、失われてしまった者たちに。
ただ一方的に誓うように――宣言するように、呟く。

限界、全力、そんなもの出すだけ無駄だと思っていたし、今でもそう思っている自分はいる。頑張っても、努力しても、現実は非情だし、報われることなんてないと、そう嘯いてきた。

違う。

俺は怖かっただけだ。
全力を出して、打ちのめされることが、ではない。

――もう、全力の出し方がわからなくなっていたら?

全てを賭けられないことが、全霊で走れないことが、怖い。
それは、全てを出し切って、折れるよりもずっとずっと、怖い。

――全力を出して、恥ずかしい想いをしたら?

失敗が怖いのではない。失敗して、失望の目を向けられるのが怖い。申し訳無さに消えてしまいたいような思いをするのが怖い。

卜部影路 :
        ・・
「そういうのは、ヤメだ」

今だって怖い。俺のミスで、隣の仲間が、この街に住む人達が、未来へ希望を遺そうとした人たちが、全て台無しになってしまうのではないか、そんな想いに囚われそうになる。

――練り上げる。

恐怖を捨てることなんて出来ない。

――力を励起する。

だから、俺は、怖がって、怯えて、迷いながらも進んでいく。進んでいくしか無い。

――想起しろ。

俺はきっと、この選択を何度も何度も後悔することになる。けれど、

――絶望の形を。

それと同じくらい、この選択をしたことを誇れるようになりたいと、今はそう願っている。

卜部影路 : 影に奥行きを。闇に形を。力のカタチをイメージする。
俺が知る絶望を、諦念を、嫌気を、痛みを、カタチとしてこの世界に産み落とす。

昇る満月でも、照らせぬほどに――その闇は深く、濃く、相対する者達へと襲いかかる。

衝撃はなく、痛みもなく、ただ死神の視線が合せられる。

卜部影路 : 「――俺は、手伝うなんていわねぇ」

東雲へ、視線も向けずにそう宣言する。

「お前は、俺の手助けなんていらねぇだろ――」

一人で立ち上がれる強さがある。前を向いて進んでいける意志がある。俺が信じることが出来ないものを、いともたやすく信じることが出来る。俺とは違う、強さを持っている。

卜部影路 :
 ・・・ ・・
「だから、俺を手伝え東雲――!!」

卜部影路 : 死神の瞳は、決して相手を逃さない。
諦念という絶望が、相手の時を空間ごと停める。
悪魔の影が、抵抗する力すら奪う。

どこまでも残酷な現実に、俺の力でカタチを与える。

「お膳立てはしたぜ――バカは難しいこと考えずに、行けよ」

 バカ
『お前』は、希望だけを信じていればいい。

東雲 亜梨花 : 「……」

東雲 亜梨花 : 「──いいよ、あなたがそう信じるならば。どこまでも」

東雲 亜梨花 : どこまでも、暗闇と影より生きると決めた少年の昏くて強い意思を目の当たりにする。

なら、自分は”原点”がどうであれその光を貫こう。

「糸香ちゃん……糸香ちゃん! 私あなたに言いたいことたくさん考えてきたんだ! だから世界が終わってもらっちゃ困るの! あとそのそれ! 邪魔! 操られてるんじゃ言いたいこともいえないんだから! 容赦しないからね! 怒ってるんだからね!」

東雲 亜梨花 : というわけで狙いは糸香ちゃん!

翠簾野 夕南 : 行けっ!

明花あきる : ぶちかませ!

ツクヨミノミコト : シークレットダイス ???

ツクヨミノミコト : ほーん。

ツクヨミノミコト : とりあえず判定振るがよいや。

東雲 亜梨花 : んのまえにお支払い

Jack pod/Sad girl : 「……」

 仮面の向こうの虚ろな意志は、ただあなたを見つめている。

東雲 亜梨花 : コストは13!

ツクヨミノミコト : 派手にいったな。これでリザレクト不可か。

東雲 亜梨花 : 銃作った時点でうっかりこえちゃったしね

system : [ 東雲 亜梨花 ] 侵食値 : 102 → 115

東雲 亜梨花 : ダイスは13dx+4©7! いくよ!

ツクヨミノミコト : 「……」

 ツクヨミノミコトといえば、興味なさげに、その様子を見守るのみだ。
 あるいは、自分には攻撃は届かないという慢心もあるのだろう。

ツクヨミノミコト : 来な!

東雲 亜梨花 : 13DX+4 (13DX7+4) > 10[1,1,2,3,3,4,4,6,7,8,8,10,10]+5[2,4,5,5,5]+4 > 19

翠簾野 夕南 : 妖精の手だ!

ツクヨミノミコト : おてて!!

翠簾野 夕南 : 二回目の5を10にしてさらにクリティカルを追加!

翠簾野 夕南 :
「────1ミリ左だ、亜梨花!」

Jack pod/Sad girl : つまり24+(1d10(C値7))です。(わかりやすくなおす)

東雲 亜梨花 : 「──ッ!」

東雲 亜梨花 : というわけで

東雲 亜梨花 : 1dx (1DX7) > 10[8]+3[3] > 13

system : [ 翠簾野 夕南 ] 侵蝕率 : 121 → 125

Jack pod/Sad girl : うわっ乗った。

翠簾野 夕南 : よっし!

Jack pod/Sad girl : 獅童はリアクションが取れず、従者とツクヨミも特に何か反応することはない。ダメージロールどうぞ!

Jack pod/Sad girl : うらきちのバフ(デバフ)忘れないでね

[雑談] system : [ 翠簾野 夕南 ] 妖精の手 : 2 → 2

東雲 亜梨花 : ルルブぺらって脳内のおじさん思い出してるからちょっと待ってね

東雲 亜梨花 : えーっとまずはダイスを割る10して1足して……4D!

東雲 亜梨花 : ここにもろもろの攻撃力あわせて17を足すので

卜部影路 : 自分のダメージに死神の瞳分の10dを加えな

東雲 亜梨花 : あとうらきちが……10d!? いまさらながらにヤバさを痛感した

東雲 亜梨花 : つまり14D+17!

東雲 亜梨花 : 14d+17 [ダメージ算出] (14D6+17) > 38[2,1,3,2,2,4,2,2,4,2,1,4,4,5]+17 > 55

翠簾野 夕南 : ほぼ削った!

東雲 亜梨花 : くそがしょっぱい

東雲 亜梨花 : こほん!

Jack pod/Sad girl : 何か書くかな

東雲 亜梨花 : ほんの一言だけ

東雲 亜梨花 :

東雲 亜梨花 : 事故でした!もっかい!

東雲 亜梨花 : (1D10+17) > 3[3]+17 > 20

翠簾野 夕南 : おちついて

東雲 亜梨花 : つかれているのかもしれない

東雲 亜梨花 : もっっっかい

東雲 亜梨花 : 13d10+17 (13D10+17) > 60[2,9,7,7,1,1,8,1,1,9,9,3,2]+17 > 77

東雲 亜梨花 : かっこいい言葉も添えます

東雲 亜梨花 : 構える──武器が二つだって関係ない。

知覚強化──小さな塵一つ逃さないように。

集中──誰より上手く光を集められるように。

ミえる──散らばった粒子はすべて私の道を示す。

「私は、すべてを貫く朝焼けの光、嵐の先の虹を望む者。

貴方を操るものがカミサマだっていうのなら、貴方の糸を貫く私だってカミサマなんだから。

今は、言葉の代わりに私の全力を届けるよ。
ちょっと痛いけど我慢してよね!!」

放つ──全身全霊。夕南さんのぶんも、影路君のぶんも、私が背負うありったけを込めて!

Jack pod/Sad girl :
 ありったけの弾丸が、動かない獅童糸香の肉体に突き刺さっていく。
 苛烈なまでの光の乱舞は、しかし邪悪な夜の渦中においては酷く幻想的に映った。
 それを撃つ者のことも、後ろにいる者のことも、仲間であろうもののことも。
 ついぞ、獅童は理解できなかったが。だが、何かこう、欲っするようなもののことさえ感じていた。

「──疲れたの、もう」

Jack pod/Sad girl :
「──なにかよくわからないけど、ずきずきした!」

「あなたが来たとき、救われるかもしれないって思った。でも見つからなかった!」

Jack pod/Sad girl :  それは、完璧な天才の、吐露であった。

「探して、探して、ずっっっっっと探して探し続けてきた!!! 子供のわがままだっていうなら、私はずっとわがままでいい!!! もう疲れたのよ!!」

翠簾野 夕南 : 「…………」

東雲 亜梨花 : 「一人で探して、見つかるものか! 他人と比べるだけで見つかるものか!!」

勢い任せの慟哭に勢いで返す。
幸いにも、大声を出すのだって得意だ。

東雲 亜梨花 : 「自分なんてものはねぇ! 周りに認めてもらって初めてここにあったってわかっちゃうもんなんだよ!」

「それを、自分一人で勝手に探して見比べて欲しがったって……そりゃ疲れるだろうよ、そりゃあ消えたくなりたくなりますとも!」

東雲 亜梨花 : 「あ゛ぁもう! これもいいや! 要らねぇ! 今言う!」

東雲 亜梨花 : 勢いでここまで抱えてきたクリアファイルとそれに入ったコピー用紙を焼きます。ジュ!

東雲 亜梨花 : 「いっこだけ私からおしえてあげよっか!
糸香ちゃんはねぇ! そうやって一人で勝手に解決しようとするところとか、あとじわっと他人を見下すところとか、一人で投げやりになるところとか! 
そういうヤなところも実はあると思うんだよね!」

燃やした書類はそういった類の考察を書き連ねてました。一晩かけて必死に書いたんだぞ。

「たぶん、糸香ちゃんの探してる自分ってそういうのでしょう。優等生じゃなくったって、誰にも望まれなくったって、そこにある自分。

何も感じないというならばそうなんでしょう。
そういう全部ない、の気持ち、心当たりがないわけじゃないよ。でもそれはナニモナイじゃない。
空っぽになってしまった糸香ちゃんがいる。少なくとも私にはそう見える。だから、手を伸ばすよ。

獅童糸香はここにいる。いい人でもない、会長でもない、いい子でもない、"カラッポの獅童糸香"が私には見えてる」 

翠簾野 夕南 : (言った! 言っちゃったよ……!)

東雲 亜梨花 : 「疲れたんなら私が引っ張ったげるよ。だから今度こそ一緒に、ねえ、行こう糸香ちゃん!」

東雲 亜梨花 : 言っちゃった

卜部影路 : 「……バカに目をつけられたのがお終いだぜ、嫌だっつっても、無理やりひっぱてかれるんだからよ」

だから、と、呆れたように、けれど、笑う

「諦めちまえよ、そんでもって、バカに振り回されちまえ」

Jack pod/Sad girl :

Jack pod/Sad girl :

Jack pod/Sad girl :

翠簾野 夕南 : GM~~ここでとめてもらっていいですか!

ツクヨミノミコト : ん……なにかしますか?

翠簾野 夕南 : あきの挟む余地がマジでなくなってしまうのでここで今日はやめにしたい

ツクヨミノミコト : おっと

GM : OK、ちょっとここまでだと実は一個やることあったんだけど、そういうことならそうしましょう。

明花あきる :
 獅童糸香、仮面を被った人形の吐露を聞いた「元」人形は。


「呆れた」


 そう、たった一言を吐き捨てた。

明花あきる :
「探した探したって言っといて、ただひたすらに自分の胸の『穴』を覗き込んでただけじゃねェか。
 ・・・・・・・・
 あるわけねェだろ、そんなトコに。あったらそもそも、私たちは探す必要なんざなかったんだから」

 浮かべていた笑みが、興覚めだと言わんばかりに白けた様相を呈する。
 つまらなそうな表情のそれは、まるで少し前までの自分を見るかのように、わずかな憐憫さえ滲ませた。

明花あきる :
「……だから私たちはそんなトコを凝視する前に、まずは鳥籠の外を見るべきだった。
 その点で言やァ、オマエが東雲に目を付けたのはこれ以上ない正解なんだよ。けど、『救われ待ち』じゃァ、どうやったって進めやしない」

明花あきる :
「それは結局のところ────『変わらない自分』に縋ってるだけなんだ。『飼われてる自分』に委ねてるだけ。
 鳥籠の中で、ただただ助けてくれる誰かを求めて、それが現れないことをひっそりと恨んで。少なくとも、そうしてりゃそれ以上悪くなることァねェからな」

 たとえ、真綿で首を絞められるように苦しくとも────己が瓦解しかねない、決定的な破滅の一撃からは逃れられる。
 それが結局のところ、泥濘の中にゆっくりと沈んでいくだけであったとしても、だ。

明花あきる :
「臆病者なんだよ、ようは私もオマエも。
 だから、同じ臆病者の人形だったからこそ。
 私はオマエに、こう言うよ」

明花あきる :
 ・・・・・・
「こっちを見ろ。
 変わりたいなら、
 飼われたくないなら、
 救われたいなら」

明花あきる :
「甘えンな。テメェが知りたいモノ、テメェで掴まなくてどうする。
 泣き言喚くな。カラッポのオマエの心ン中、オマエが満たしてやろうとしなくて誰が詰め込むってンだ。

 出たいと言わなきゃ、出たいと思わなきゃ、
 ・・・・・・・・・・・・
 テメェが手を伸ばさなきゃ、誰だってテメェの手を掴んではやれねェンだよ」

明花あきる :
 想う。
 明花あきるが投げかけた問いに、おずおずと伸べた手に、思い思いの形で応えてくれた四人のことを。
 少し視線を上げた先にはこんなにも色んなモノが転がっている。たとえ自分の中に何もなくとも、そのひとつひとつに手を伸ばして、摘んで、抱えていけば────それはきっと、いつのまにかカラッポではなくなるはずだから。

 明花あきるは、ずっと祖父に与えられていた。夜辺甚五郎にも、翠簾野夕南にも、エルにも、翠簾野叶耶にも、────明花晩夏にも、明花春にも。
 人はきっと、出会って、そうやって欠片をやりとりしながら、「自分」というものを作っていく。

明花あきる :
 だから今度は、私がオマエに分ける番だ。
 オマエがイヤだと言っても、そのカラッポの中身を、カラッポでなくしてやる。
 たった一つでも詰め込めば、そんな駄々は云えなくなるだろうと。

 決めて、眼差しが蒼く、決意の色を帯びた。

Jack pod/Sad girl :
「……あ、ああ、ああ……」

 そうか。
 そうだったんだ、と納得がいった。真正面から嫌なところをぶつけられたにも関わらず、奇妙なほどに獅童糸香の心は澄んでいた。
 あるいは子供の駄々こねであったということを、真正面からぶつけられた。

 それはきっと、虚無的なものではない。
 ほしかったものが、ようやくそこにあった。否、見ようとしなかっただけで、あったのだ。世界には何もない。そう思い込んでいるだけだと、ハッキリと突きつけられた。

Jack pod/Sad girl :

 ──私はきっと、見つけてもらいたかったんだ。

GM :

 手を伸ばした。

GM :

「では、のぞみ通り、諸共滅び去るといい──【 蝕ノ夜 】」

翠簾野 夕南 : 「!」

GM : 【メンタルイベイジョン】により、獅童糸香に強制的に「ラストアクション」を宣言させます。

神々廻 京 : 「……支部長様、これは?」

ツクヨミノミコト :  だが、それを黙って見逃すほど、邪神の内側に慈悲や敬意、ましてやその手の誇りはなかった。
 強いていえば、暇だったからというのが正しいのだろう。茶番でも見せられていたかのごとく、欠伸をしながら鳴らした指が、埋め込んだ神経に命令を与える。

「火に、くべてやろう。ヒトの子よ。
 ・・・・・・
 誰か一人でも、殺してから死ね」

翠簾野 夕南 : 「────ッッ!」

明花あきる :
「テメェ、何しやが────────いや、
 ・・・・・・・・・・・
 獅童に何させるつもりだッ……!!」

Jack pod/Sad girl : 「──、──」

 意識が落とされる。
 突き立てられた呪いの鏃が、命令通りに物事を遂行せよと邪念を流し込んだ。

東雲 亜梨花 : 「……!」

ツクヨミノミコト : 「ふむ? もう満足だというのなら、そのとおりに望みを叶えさせてやるだけだが……」

神々廻 京 :
「…………そう来るか、クソ野郎ッ!」

ツクヨミノミコト : 「ああ、実に退屈な茶番だった──さあ、刃を突き立てよォ!」

演出上、アイコンはこのままで獅童糸香のメインプロセス。

ツクヨミノミコト : 対象は……うん、公平にいこう!

ツクヨミノミコト : choice[亜梨花,あきる] (choice[亜梨花,あきる]) > あきる

明花あきる : そうだろうな。

東雲 亜梨花 : あきちゃん~

明花あきる : 少なくともその二択だろうとは思ってた。

ツクヨミノミコト : 「だが、すべての力を持ってぶつかり合う、という趣向は戦争にも通ずるものがある。
 ならば、我もこう命令をくだそう」

ツクヨミノミコト :  ・・・・・・
「出し惜しむな」

ツクヨミノミコト : 《コンセントレイト:ノイマン》+《コントロールソート》+《コンバットシステム》+《マルチウェポン》+《急所狙い》

ツクヨミノミコト : 対象は明花あきる。

翠簾野 夕南 : 「………あき!」

神々廻 京 : 「──お嬢様ッ!」

ツクヨミノミコト : 諸々宣言した段階で、獅童も100%超えている。エフェクトレベルには修正をかけさせてもらうぞジョージ。

東雲 亜梨花 : おのれ邪神~~

Jack pod/Sad girl : 12dx+3@7  (12DX7+3) > 10[1,3,3,5,5,6,7,8,8,9,10,10]+10[1,1,3,6,9,10]+6[4,6]+3 > 29

明花あきる : うわあ。

翠簾野 夕南 : 思ったよりしょっぺえ

Jack pod/Sad girl : ここで、ツクヨミノミコトの命令通り、オートアクション同時宣言、

Jack pod/Sad girl : 《勝利の女神》+《天才》で、合計+17

Jack pod/Sad girl : 合計数値は46だ。

Jack pod/Sad girl : あとマイナーアクションで接近です(完全に忘れていた)

Jack pod/Sad girl :

「────」

 技巧が迫る。
 出し惜しみをするなという命令の下、レネゲイドウイルスによって活性化した脳が判断をくだした、"もっとも効率的に強者を殺す方法"に基づいて振るわれるは二本のナイフ。
 人体の急所を切り裂くだけなどではない。逃げても、追い詰め、反撃しても食い込ませて殺す。そうした、殺すためだけに磨き上げられた何かが、明花あきるの肢体を切り刻まんと迫る。

卜部影路 : 目の前で、絶対遵守の呪いが行使される。空っぽの何もかもを燃やし尽くして、その身命すらも燃やし尽くして、戯れのように全てを擲つことを強制させる。

「――――ッ」

・・・・
許せない。

誰であろうとも『失わされる』ことを強制されることを、『卜部影路』を知る己は許容することなど出来はしない。

それは、魂に刻まれた傷痕だ。

どんな人間であろうと、世界から失われることを許せない。たとえ、変えられぬ運命であろうと、そこを受け入れて、呑み込んでしまえば二度と立ち上がれなくなる。

――諦念の安寧に沈んで、己を慰めるのはもうんざりだ。


卜部影路 : だから、想起する。運命を覆す力を。己が一度だけ発言した、世界の理すら捻じ曲げる力を。

練り上げる。磨き抜く。
これまでに得た知識を、技術を、努力を、ここで吐き出さずにどこで吐き出すというのだ。

心血を注げ。全霊を賭けろ。

かつて見た、あの炎のように。神すらも焼き尽くす、あの輝きのように、己を燃え上がらせろ。

「――――ッ!!」

許容量を超えたレネゲイドが溢れ出し、闇を伴い己の影を膨らませる。積み上げる、どこまでも、どこまでも、頂に届くために。

希望を見た。俺でも、空に輝く星に手が届くのではないかと、そう勘違いしてしまう希望を。仲間たちのような、誰かを背負える強さを。真実を切り開く強さを。現実と戦う強さを。逆境に抗う強さを。

その欠片だけでいい。俺にも希望というものがあるのであれば――今、ここで、全てを吐き出せ。

卜部影路 :
             ・・・
どこまでも、手を伸ばし――プツリ、と大切な何かが切れた音がした。


卜部影路 : 「――ぁ」

掠れた呟きをトリガーに、かき集めたレネゲイドの闇が霧散する。届かない。
集中力が、収束したレネゲイドが、己の全霊が掌から零れ落ちていく。どれだけ高く、どれだけ手を伸ばしても――天に煌く星に手は届かないのだというように。

あの、凍った時の世界には、どれだけ手を伸ばしても届かない。

――冷酷な現実は、どこまでも希望を嘲笑っていた。

明花あきる :
 向けられる刃。意識を落とした────否、無理矢理に遮断させられ駆動させられている人形の体が、ただ操り糸の通りに一路、駆け抜けてくる。

 それを差し向けられた痩身に、怯えはない。震えはない。こんなもの、恐るるには足らない。
                      ・・・・・・・・・
 あんな細い腕の一突きなど、そう、きっとただ死ぬほど痛いだけだ。

明花あきる :
「────ハ! 望むところだ、獅童ッ!
 無粋な真似、すンじゃねェぞテメェら!」

 だから彼女は、呼ばう二人の声と、霧散するレネゲイドの気配に威勢よく返す。
 閉じた扇子を真横に伸べて、この身を庇うことは断じて許さぬと気迫が夜闇に響き渡った。

明花あきる : というわけで、回避もガードもしない。素受けしてやろうじゃねェの。

Jack pod/Sad girl : オーケーだ。

東雲 亜梨花 : ひゅ~(つらい

Jack pod/Sad girl : 5d10+12 ダメージロール (5D10+12) > 38[8,5,7,9,9]+12 > 50

明花あきる : というか回避もガードも試みたところでなしのつぶてっていうのが本当のトコロだが……

卜部影路 : もしかしたら死ぬほど回って回避するかもしれねぇし、記念コロコロしても良いんだぜ?

明花あきる : 私的には真正面から受け止めたいってのもある。ヘタに身を捩って、予想外のところ抉られても困るしな。

東雲 亜梨花 : オトコマエ!

Jack pod/Sad girl : では、ナイフは的確に、あきるの内蔵をえぐる。更に、ひねりを加えることで傷を深くするという行為まで、的確に行われた。

神々廻 京 : 胸を張りましょう(ウルトラマン)

卜部影路 : 漢立ち……

明花あきる : ヒュー、念入りだねェ。

明花あきる : 当然リザレクトだ。まだ100にゃ届いちゃいねェんでな。

東雲 亜梨花 : 私は制された扇の先でぐっとつんのめって「あきちゃん!」って叫んでるよ。すごいいたそうでつらい

卜部影路 : 「…………っ」

ただ見ていることしか出来ない。

明花あきる : 1d10 リザレクト (1D10) > 9

system : [ 明花あきる ] HP : 29 → 0

system : [ 明花あきる ] HP : 0 → 9

system : [ 明花あきる ] 侵蝕値 : 90 → 99

翠簾野 夕南 :
 あの時の、焼き直しを見ているようだった。
 駆けつけたおれの前、止まらない血と消えそうな吐息。
 こと切れる瞬間おれの身体を引き寄せた腕の力と、死にかけだとは思えない程はっきりとした言葉。

『やり残したことを──』

翠簾野 夕南 : 「……ッ」
 腹の底から震えあがるような感覚、全身の血が煮えたぎるほどの激情と恐怖を、血が滲むほど刀を強く握って収める──低く唸り声をあげた愛刀は、落ち着けと語っているようだった。それに冷や水を掛けられた気がして、腹を固めて震える呼吸を押しとどめる。
 大丈夫だ、あきは生きてる。

神々廻 京 :
「…………」
 狼狽えない。確かに傷は刻まれた。
 だとしても……明花あきるが"こんなところ"で死ぬものか!

翠簾野 夕南 : 「──この、アホっ!」

明花あきる :

 そして、その胸を貫く衝撃。
 細い背中が「びくり」と跳ねて。
 左手から番傘が、右手から扇子が滑り落ちる。


明花あきる :

 しかし、しかしだ。
 その体は、決して膝を着かない。
 頽れない。
 一時、確実に鼓動を止めた痩身は。
 それでも絶対に、折れなどしない。


明花あきる :
 その柔らかな唇が、「ごぼり」と溢れた血の塊で鮮やかな赤に染め上げられる。
 繊細なレースが染み出した紅で瞬く間に覆われていき、その色は黒の衣裳と闇の帳の中でも否応なしに周囲の目を引き付けた。
 痛覚が、脳内が、火が付いたように泣き喚く。ああ、痛い、痛い、いたい、いたい────「けれど」と、ただ一つ、震えるレネゲイドの力が無理矢理に理性を掴み、引き戻して。

明花あきる :

「つ、かまえた、」


明花あきる :

「やっとテメェの手、掴んだぜ────獅童……ッ!!」


明花あきる :
 ああ、死ぬことが一体、何ほどのものだというのか。この身はオーヴァード、尋常ならざるにして、人常ならざる異能の体。
 そして何よりも────明花春の娘が、たったナイフの二振り程度で崩れ落ちるほどヤワな心だなどと、思ってもらっては困るというものだ。
 
 呻き声や悲鳴など捻じ伏せて、血の滴る音の間隙に絞り出されたのは────閃くような笑み。白貌を赤に濡らして、それでもけざやかに煌めくのは蒼氷の眼だ。
 その掌は、小さな体からは考えられぬほどの強い力で以て、獅童糸香の両腕を掴んでいる。

明花あきる :

 レネゲイドの指揮棒でも、祖父の形見でもなく。
 ただ、「友」と呼んだ一人の少女の腕を。


明花あきる :
「どんな形であれ、伸ばされた腕を逃すほど、私は殊勝な女じゃねェンでな……!

 このまま、引き千切らせてもらうぜ────!!」

明花あきる :
 掌が、獅童糸香の首元、まざまざと突き刺さる楔へと伸びる。
 それによってより深く刃が刺さろうと、構いやしない。
 ただ、テメェの体を縛り操ろうとするクソみたいな操り糸を、全部全部、台無しにしてやるだけさ!

Jack pod/Sad girl : 「──、──」

 骨の楔は、力を入れれば引っこ抜くことができる。
 それが解き放たれたとき、ぷつりと獅童糸香は糸が切れたように明花あきるへともたれ掛かった。
 安らかな、寝顔だった。

神々廻 京 : 「……」

ツクヨミノミコト : 「……崩れ落ちんか。我が尖兵、重圧ごとき跳ね除けて、首を飛ばしてもよい。我が許可する」

 心底つまらなさそうにその結果を見届けたツクヨミノミコトは、従者にそう指示を出す。

従者 : 「──カカ、キ、キキキキィィィ……!!!」

 鬼の面の修羅はその命令を受けて、嗤った。
 怨念を詰め込まれ、肥大化した衝動のままにあなた達に刃を向けている。
 かかってこい。
 さもなくば殺す。来たとしても殺すと。

明花あきる :
 伸べた手に力を込めて、引き抜く。
 ……そして力の抜けた安らかな寝顔に、すんでのところで体を叱咤して、どうにか彼女の体を抱きとめた。

明花あきる :
「ハ、手間ァかけさせやがって……────ッ、」

 少し唇の端を綻ばせたのも束の間、すかさず飛んだ従者への下知に彼女は顔を歪める。

ツクヨミノミコト : というわけで、諸々終わったらたゃorゆーなのターンです。

東雲 亜梨花 : (まだやるべきことは残ってる)

二人が無事……一応生存はしているということでほっとしつつ気を引き締めるよ。もっちーまっててね。

神々廻 京 :
「……うるさいですわね、アレ」

翠簾野 夕南 : 「…………、………~~~~~ッ」

卜部影路 : 「……やるじゃねぇか」

結果だけを見れば、そう言わざるを得ない。己の無力を噛みしめるのも、後悔するのも後回しだ。今は、目の前だけを見据える。

翠簾野 夕南 : 先行きます。

明花春 : OK

神々廻 京 :
「(……まあちょっとはヒヤヒヤしましたが。
  あの母親にしてこの娘あり、ということでしょう。
  どれだけ確執やわだかまりがあったとしても、親と子は似るものですね。
  ……今はそれに助けられた、というところでしょうか。
  一目見ておいて正解だった……)」

明花あきる : 頼む。流石に直後じゃ動けねェわ

翠簾野 夕南 : マイナーアクションで戦闘移動。従者にエンゲージ。

従者 : こい

翠簾野 夕南 :
「……………」
 音もなく静かに距離を詰める。
 心があんなに荒れ狂ってたのに、いやに冷静だ。あの頃を思い出す。

翠簾野 夕南 : 《コンセントレイト:ノイマン》+《コントロールソート:白兵》+《コンバットシステム》で従者を殴る。

従者 : 来な。

翠簾野 夕南 : (10+3)dx+4 (13DX7+4) > 10[1,2,3,3,3,5,5,6,7,8,9,9,10]+10[4,4,7,8,10]+10[1,7,7]+10[3,8]+10[10]+5[5]+4 > 59

従者 : むりだが?

翠簾野 夕南 : 加算も必要ないな。

東雲 亜梨花 : あきらめないで

従者 : リアクションできないんだが?????

翠簾野 夕南 : ダメージロールする。

卜部影路 : おまけに10dも持って行きな

翠簾野 夕南 : 脅威の16dだ。

翠簾野 夕南 : 16d10+9 (16D10+9) > 108[1,1,10,9,5,10,4,9,7,9,9,9,3,8,8,6]+9 > 117

従者 : HP40なんだぞこっちはよ!!!!

東雲 亜梨花 : げんきだして

従者 : イヤーーーーッ!!!!(当然のように死ぬ

明花あきる : ダブルスコア超えだなァ。愉快愉快。

卜部影路 : 上振れしすぎじゃね??

神々廻 京 : ナムサン

翠簾野 夕南 : 1二回出てる代わりに上振れえげつなくて草だ

卜部影路 : 10も二回出てるからな……

翠簾野 夕南 :
 我流・無拍子。

 眼前の武者にも神にすら。
 刀を振る前の筋肉の動き、そんなほんの予備動作すら見えちゃいないだろう。
 必要な動きを極限まで省略したシンプルな一斬は、ただそれだけだからこそ必殺足り得るのだ。おれは知っている。
 彼女が、甚さんを殺した時の手口とそっくりおんなじだ。

翠簾野 夕南 :
 鋼で覆われた身体のその隙間、軟らかな場所を刃が深々と裂く。
 力あるものの血を吸い対魔の感覚に震える愛刀の喜びはひとしおのようで、しゃらりと鈴鳴るように音を立てた。

従者 :
 鬼は肉体で出来た刃を抜いている。
 来るか。今か。だが、来い。来ればここで斬り伏せる。刀のやり口は知っているぞと、鬼は仮面の内側にある異形の口を釣り上げて嗤っている。
 礼に始まり礼に終わるのが剣術の真髄。その間に噛ませられる、立ち、構え、を含めて、"拍子"と呼ぶものだ。

 鬼はその拍子を、一拍子にまで抑えることが出来ていた──それすなわち、一つ拍手をする間に、全行程が終わっているのだ。
 そしてそれは、武人の間合いにおいても役に立つ。どちらが先に、自分の間合いで斬り捨てることができるか。
 摺り足で距離を縮めんとする鬼、それに対して、青年は穏やかだった。

従者 :

 ──穏や/かであった。

従者 :

 ──穏や / かであった。

GM : 「──ミゴト」

 瞬きする間もない。修羅であると同時に武人であった鬼は、"だからこそ嵌る道理"に見事なまでに嵌っていた。
 筋肉の動き。血流。動作。なまじブラム=ストーカーの異能によって作られた存在だからこそ理解できる挙動。

 それに焦点をあてすぎた結果、"一切の殺気も闘気もなく、予備動作もないただの一閃"によって斬り捨てられることとなった。

GM :
 どちゅりと崩れ落ちた死骸は溶け崩れ、血の海に消えてゆく。

GM : さて、従者は消滅。次はあきたゃのターンかな。

翠簾野 夕南 :
「あき。……死ぬところだったの、わかってるよな」

 礼の動作は瞑目ひとつで良かった。武人へのたむけはそれで十分だ。
 どうと倒れ伏して血の塊になったもの残骸を踏みつけて。
 カミに切っ先を向けたまま、できるかぎり冷静な声で話す。
 こんな話をしてる暇が本当はないことぐらい、おれも良く知っているからだ。

翠簾野 夕南 :
「根性でどうとか、勝算がどうとか、レネゲイドがどうとか、そういう話をしてるんじゃねえぞ」

明花あきる :
「鬼面の信者も形無しだな。……ごほっ、」

 血混じりの咳を零しながらも、すぐに微笑みが唇を彩る。腕はしかと獅童を抱き止めながらも、その瞳はただ、つぶさに幼馴染の剣閃を視ていた。
 母のものとは違う。全てを薙ぎ倒す大嵐のようなそれとは対極に位置する、瞬きの間に全てを終わらせる“凪”のような一閃だ。

明花あきる :
 しかし凪いでいるからといって、怒っていないわけではない。
 逆だ。翠簾野夕南の激烈な怒りを、空気に滲み渡って静かに振動させるような嚇怒を、受けながら。
 彼女は、細く柔らかい、人形“だった”体を抱く手に、確かに力を込める。

明花あきる :
 ・・・・
「知ってる。分かった上で、こうした。
 するべきだと思ったから、やっただけだ」


明花あきる :
「つか、テメェにだけは言われる筋合いはねェからな、夕南。
 オマエだって、絶対私と同じことをするだろうが」

明花あきる :
 口の端に垂れる血を鬱陶しく思いながらも、彼女はそう憮然と切り返す。
 すべきことを全うして、何が悪いと。できる手段をとって、何が悪いと。

 獅童糸香とて、明花あきるが守るべき人間の一人であることには変わりない。
 務めを果たすべく決行した無茶など────オマエが一番、咎められやしないだろうに。

翠簾野 夕南 :
 ・・・・・・・・
「するわけねえだろ。少しでも急所を外すし逃げる。
 無茶ってのは、勝算がある時にしかしねえんだ」

 静かな口調で、それでも語気を僅かに強める。その間にだって油断はしてない。場違いな説教だってわかっちゃいるが、これだけは言っておかないと収まらない。

翠簾野 夕南 :
 ・・・・            ・・・・
「たまたまリザレクトが間に合って、たまたま楔を引っこ抜けたからセーフだって言いてえの?
 アホ抜かせよ。
 いまさっきの一撃で、夜辺甚五郎は死んだんだぞ」

明花あきる :
 吹き荒ぶ冷雪のように、凍った口振りが彼女を叩く。他でもない幼馴染の彼女に対して、彼がこうして一切の手抜きも手心もない怒りをぶつけてくるのは、一体何時ぶりだろうか?
 しかしそれを受けてなお、少女は凛とした姿勢を崩さない。

明花あきる :
「ハ、そうか、そうかよ。ならその“勝算”があったと言や、テメェは納得すンのか? ならイイぜ、並べてやる。

 夜辺のジジイは真後ろから不意打ち。対してコイツの吶喊は真正面。気構えしてりゃ《リザレクト》は出来るし、何よりコイツは卜部の『影』と東雲の攻撃両方受けてるンだ。万全じゃない」

明花あきる :
「操られてるつったって、スペックはその人形側に依るンだからよ────
  ラストアクション
 “最後の一撃”と見て。証拠を並べて、推理して。そんでもって、開陳した。

 そンだけの話だよ」

明花あきる :
 推理にしたって、お粗末であることは彼女自身分かっている。名探偵にしてはあまりにも杜撰だと理解して、しかし一縷の賭けに踏み切った。
 ただ、その腕を捕えるならば今しかないと。こればかりは、譲れぬ機会であると。
 死線を超えて、掴むに値する間隙であると────根性と言われればそれまでだから、巧妙な彼女は口にはしなかったが。

翠簾野 夕南 :
「その計算式に、相手のスペックを観測しきれてないって但し書きが入ってねえよな。
 いちばん大事なポイントを願望で埋めて、それが御開帳した推理ですって?
 ちょっと甘いんじゃねえの、名探偵」

翠簾野 夕南 :
「それに、………──ああ、くそ」
 ぐしゃ、と頭を掻く。
 マジでこんなことしてる場合じゃないってのに、収まらん。大人失格かもだ。

翠簾野 夕南 :
      ・・・・
「……目の前で同じもの見せるんじゃねえ。
 見てるこっちが死ぬかと思った。あいつブッ倒してから、説教再開な」

東雲 亜梨花 : 遺される方と進まなくてはいけない方、どっちの気持ちもわかるから怒気への恐怖だけじゃなくて心臓がキュッと痛くなる。

譲れないものって、いろいろだ。

だからほんの少しのお節介。ほんとはきっと余計な事。いつものことだけど。

東雲 亜梨花 :
「あきちゃん、こういうときはごめんなさいとありがとう、だよ」

東雲 亜梨花 : こっそりと耳打ちついでに近づいて、それはそれってことで私からは「糸香ちゃんをたすけてくれてありがとう」を伝える。まだ、やることはあるけれどお礼はなんかいいったってなくならないし、踏ん切りって大事だから。

神々廻 京 :
「だ、そうですよお嬢様。推理披露は、もう少しカッコつけたいですね?」
 にゅっと傘と扇子を取って目の前に差し出す。

神々廻 京 :
「メイドにエプロンドレスとホワイトブリムが必要なように、
 明花あきるにはこれが必要でしょう。さ、仕切り直しです」

ツクヨミノミコト : 「茶番は終わったかぁ?
 クク、クヒヒ、……ああ、まったく、つまらんうえに、馬鹿にもしたくなる。貴様らは、刺された程度で死ぬとか、死なないとか、そういう話になるものかと、嗤ってしまった」

卜部影路 :       ・・・・・・
「……ああ、てめぇの茶番ももう終わりだ」

ジロリ、と見上げながら睨みつける

「お前の巫女も、従者も、もういねぇ……ようやくお前をぶっ飛ばせるってもんだ」

明花あきる :
「────────ッ、」

 推理の穴を突かれて、彼女はぐ、と歯噛みする。

 だったらどうすればよかった? 回避は間に合わない、防ぐにも手元の番傘と扇子では半紙一枚ほどの盾にすらならないだろう。他人に庇わせるなど論外だ。であれば、自分が受ける以外にないではないか。

 精一杯の論理武装をしてはみたものの、結局のところ賭けに賭けを重ねた末の寸差で掠め取った生であることには変わりなく。けれども、ならばどうしろというのかと、声が喉を突き上げかけて。

明花あきる :
 そう反駁しようとしたところで。
 はっとして────朗らかな声と、淑やかな声に怒気を遮られる。

明花あきる :
 また自分は、幼馴染の傷を深く深く抉り、掘り返すような真似をした。
 意図的にではないにせよ、それは確かに、後悔だった。生死の間際に沸騰したレネゲイドウイルスが、やはり脳髄を少なからず灼熱させていたのだろう。
 沈着冷静な探偵にしては珍しく、無茶をしでかしたと────その自覚はある。申し訳ないとも、……思った。

 だから。

明花あきる :
「…………チッ。悪かったよ。無茶した私が悪かった。
 テメェの説教も、受けてやる。
 アレ
 鬼面を止めてくれたのも、助かった。けど。

 すべきだと思ったから、そうした。それだけは、譲らねェぞ」

明花あきる :
 ばつの悪そうに背けられて歪んだ唇から、ややも小さな声が言葉を紡ぐ。
 馬鹿な真似をしたのは認めるが。二度もやりたいような芸当ではないし……だけども、己が「すべきだと思った」その事実だけは、曲げたくなかった。
 誰のせいにも、したくなかったから。

明花あきる :
「こっちこそ。テメェがいたから、手が届いた。ありがとな。
 ……獅童を、頼む」

 多分、東雲の“焚きつけ”がなければ、声は届かなかった。私だけではきっと不足だった。だからこそ、あきるは彼女の「ありがとう」に対しては「ありがとう」で返した。
 まるで夢見る幼子のような獅童糸香を、そっと彼女に譲り渡す。その寸暇に引き抜かれたナイフが内臓を抉ったものの、痛みは母様譲りの根性で噛み殺した。

明花あきる :
「……メイドに言われちゃ、私の方こそ形無しだな。御苦労」

 そこに、恭しく差し出された番傘と扇子。神々廻の言葉に、ぎりぎりのところで苦笑を返してから、内心でその気回しに言葉以上の礼を込めた。
 レネゲイドの力で治癒に向かっているとはいえ、腹の傷は深い。一度しゃがみこめば二度と立ち上がれなくなるという予感の前に、彼女のその気遣いはいっとう有難かった。

明花あきる :
「そうだ、そうだとも。終わるのはテメェの茶番の方だよ。
 ごちゃごちゃすンのもしゃらくせェ、テメェの薄汚れたご神性をとっとと燃やし尽くして、元の持ち主にその体、返してもらおうじゃねェか!」


 バッ────と、手にした扇子が夜闇を引き裂いて開かれる。
        ミス・ミリオンダラー
 蒼き鮮烈。《乱れ舞え纏華の焔》は健在であると、たとえ痩せ我慢でも張るのが名探偵の────明花冬三朗の孫というものだ。

明花あきる :
 チリ、チリ、と。
 意志の拍動に呼応して、薄暗がりでけざやかな蒼き火花が瞬く。
 それは今か今かと、咲き乱れる時を待ち望んでいた。

東雲 亜梨花 : 「ん、まかせて。安全なとこ探してくるよ」

って感じで受け取ってなんかこう、うまいことします。

ツクヨミノミコト :
「──ふむ? ああ、なんだ、まだそのことに拘っているのか。つくづく、暇なものよなぁ」

 カミはその態度を崩すことはない。
 獅童糸香なぞ、たまたま見つけた有能な駒だったから扱っていたにすぎなく、従者にせよ、また生み出せばいい。
 蟻や羽虫は、手で潰せばいいだけの話だ。数が多ければ鬱陶しいが、焼き払ってしまえば何も問題はない。

「この器はいいぞ。楽しかったか? ああ、楽しかったよなァ、つかの間のなんとやらというものだ。
 だがそれも、終わり」

ツクヨミノミコト : 「──さて、どいつからすり潰してくれようか。ああ、まとめてかかってきてもいいぞ」

 ぞるん、と血液と共に大量の骨がツクヨミノミコトより這い出してくる。
 一、十、百、千──そのすべてが、ヒトを殺すことのみに用いられる殺戮の楔だ。

「足掻けば足掻くほど、より無惨に潰してしまうかもしれんがなぁ!」

ツクヨミノミコト :
 沈黙を守っていたカミの力が解き放たれんとしていた──。

明花あきる : 私のターンだな。当然、そこのカミサマ風情の顔面に一発ブチ込むぜ。

明花あきる :
マイナー:
《炎の加護》

メジャー:
《灼熱の砦》
《コンセントレイト:サラマンダー》
《結合粉砕》
《クロスバースト》
《プラズマカノン》

バフ:
侵蝕率ダイス+3
エフェクトレベル+1

増加侵蝕値:19
ダイス合計:11R7+1
攻撃力:45(装甲値無視)

ツクヨミノミコト : 来るがいい

明花あきる : いくぜ!

明花あきる : 11dx7+1 (11DX7+1) > 10[2,2,3,3,3,4,4,5,5,6,7]+10[10]+10[10]+3[3]+1 > 34

明花あきる : クリってる割に結構しょっぱくねェ?

ツクヨミノミコト : ガード……は意味ないな。ドッジで。

明花あきる : 無視だからな。

ツクヨミノミコト : いや判定放棄できるんだっけか。放棄でいこう。

ツクヨミノミコト : 書くならマツヨ

明花あきる : 先にダメージ判定までしたほうがよくね?と思ったが

ツクヨミノミコト : タイミング:リアクション発動するかどうかの兼ね合いがあるのでそれは任せる。

明花あきる : ……ほォ?ふむ。じゃあ先に書いちまおうか

明花あきる :
 開いた扇子と、閉じられたままの番傘。明花あきるにとって、それらは「祖父の形見」「名探偵としてのトレードマーク」であること以上に────レネゲイドコントロールの制御を司る、重要な小道具だった。

 その痩身は、傷を受け血を滴らせながらも依然直ぐに立っている。
 無数の後悔を抱えながら、数多の間違った選択肢を取りながら、それでもなお、己が身の務めを果たし────己が身の「自由」を真実のものとするために。
 彼女はただ、神に対しも「凛」と立ち向かう。

明花あきる :
 ────────パンッ

 鋭く響く扇子の閉じる破裂音。共に現れ出でるのは、彼らを円形に囲い込むが如きに配置された、番傘の群れだ。
 閉じられたままのそれらは、少女が左手に持つ番傘とまるで同じものである。昨夜の戦闘に割り込んだ折にも現れたそれらは、紛れもなく明花あきるの能力による具現に他ならない。

明花あきる :

          ワーディング
「────────《千秋楽だ》」



明花あきる :
 主が号令をかけた瞬間。
 一つ、二つ、三つ、四つ────無数の番傘が音を立てて開いた。真白い三日月が冴え冴えとした蒼に仄光を放ち、一斉に「くるり」と円を描く。

 そして彼らは、否応なしに目撃することだろう。
 禍々しく輝く紅月を遮るようにして、天にさんざめく蒼き三日月が架かるさまが。

明花あきる :
 それはたった一瞬の出来事だ。浮かんだ番傘もしょせんは彼女のシンドロームが生み出した陽炎、幻に過ぎず、実体を持つことは無い。
 だがそれで十分なのだ。これは彼女にとっての“舞台”の宣誓であり、ある種のマインドセット。
 「ここは私の舞台だ」と、「オマエの舞台じゃない」と、華々しくも見せびらかすことによって己のレネゲイドウイルスを励起させる、そういうセットアップだった。

明花あきる :
 黒いレースの手袋に包まれたたおやかな手が、手元の番傘を静かに開く。
 少女はそれを、華奢な肩にかけて。
 つい、と扇子の先が神に差し向けられた。

明花あきる :
 ────呼ぶようにして、あきるの番傘が「くるり」と回る。
 ────応じるようにして、無数の番傘が「くるり」と回る。

明花あきる :
 三日月から薫るようにして、柔らかな陽炎が蒼の尾をたなびかせて立ち昇った。一つ、二つ、三つ、四つ────数えるのも馬鹿らしくなるほどの番傘から、熱量が扇子の先へと収束していく。

明花あきる :
 明花あきるのサラマンダーシンドロームは、同じシンドロームを持つこの市のどんなオーヴァードよりもいっとう狂暴だ。
 常人ならば間違いなく制御困難に陥るであろうそれを、この歳に至るまでただの一度も暴走させずに済んだのは、夜辺甚五郎による「教育」の賜物であると同時に────彼女を支える、様々なもののおかげである。

 一つは、その身が持つノイマンシンドローム。意志を以て言葉を振るい、束ねた言葉で想像をカタチにし、具現で以て力を統率する────“言霊”だ。

 二つは、扇子と番傘。「祖父の形見」であると同時に、それらは彼女のレネゲイドを統率する「指揮棒」と「媒介」としての役割を持つ。扇子で以て終着点を示し、番傘に暴れる熱を仮託することで、“じゃじゃ馬”を暴発させることなく安全に運用する。
 ここまでが、夜辺甚五郎の教育であるが。

 三つ。先の二つを補強するようにして、彼女の中に息衝く祖父の教え。過日、幼い彼女が投げかけた『探偵に必要なものって、なに?』という問いに対する、明花冬三朗の答えだ。
 曰く。

明花冬三朗 :
『いいかあき、探偵やンのに必要なのはな。頭の良さじゃなくて、度胸だ。
 何をしでかすかわかんねェ奴相手に、偉そうに、居丈高に、堂々と大見得切る度胸。
 「ここはオマエの舞台でなく、俺の舞台だ」と言い張るのが、探偵にいッちばん必要なコトなんだよ』

明花あきる :
 ゆえの、“千秋楽”。
 ここはオマエの舞台ではない。私が幕を開けて、私が幕を下ろす、私が大見得を切るための舞台だ。
 端役如きが、デカイ面をするな。

    わたし
 今は、“主役”が世界の中心だ。

明花あきる :
 そう意識し、そう思い込み、そう主張するための《ワーディング》。
 それらが揃ってこそ、明花あきるの熱量は最大を迎える。

明花あきる :
「纏い、纏えや、暮のかぎろい、」

 陽炎が、徐々に温度を上げていく。青の火花が「ばち」「ばち」と瞬いて、そのあえかな横顔を刹那に映し出しす。
 凛とした声が朗々を謳い上げ、言の葉に呼応するようにして番傘が「くるり」「くるり」と回り続けた。
 その度に、くゆる陽炎が霧のように立ち込め、扇子の先に揺蕩って。

明花あきる :
「乱り、乱れて────」

 それはさながら深冬の薄氷。しんしんと雪の降り積もる夜闇の帳のように、静やかで淡やかな蒼の薄絹が、やがて蕾の形を模っていく。

 中に熱を湛えた蒼氷の蕾。それは今か今かと、咲き乱れる時を期待して。

明花あきる :


「────ほむらよ舞われ」



明花あきる :
 花開く。
 熱が、花弁となって舞い踊る。
 その一枚一枚が、けざやかな蒼、鮮やかな熱を伴って、
 神へと牙を剥いた。

明花あきる :

          ごう
 ──────── 轟



明花あきる :
 この世の何よりも絢爛で、あの世の何よりも豪華な熱の華。
 その身に宿る冷徹を、この身に宿る情熱を、併せ重ねることで生まれる刹那の象徴。
 三日月という未完成で以て、彼岸と此岸の境さえ踏み超える。

 ゆえにひとは、この炎を以て彼女を“纏華”と呼ぶのだ。
 彼女は神を恐れない。たとえどんな相手であろうと、この道を遮るのならば、世界を芳しくするためだけにその華は苛烈に咲き誇る。

    さ
 そう、明やかに。あるいは、凛と。

明花あきる : 4d10+45 ダメージロール (4D10+45) > 25[4,6,6,9]+45 > 70

明花あきる : 固定値ってなやっぱ正義だな。

system : [ 明花あきる ] 侵蝕値 : 99 → 118

ツクヨミノミコト : 中々痛いが、ちょうどいい。ここで【赤河の支配者(Lv5)】を宣言だ。

神々廻 京 : オン

ツクヨミノミコト : 受けるダメージから固定値10+1d10分、引かせてもらおう。

ツクヨミノミコト : 1d10+10 (1D10+10) > 5[5]+10 > 15

明花あきる : チッ、狡いことを

ツクヨミノミコト :  天が瞬時に、膨大な熱蕾によって埋め尽くされるものの、ツクヨミノミコトの表情に変化はない。
 こんなものかと。見慣れているぞ人類と。尊大な態度のままに、開かれ、爆発した花弁の発する超熱量に飲み込まれる。

「温いなぁ」

 爆風晴れた場所にいたのは、確かに傷こそ負っていれど、常人が喰らえば百回焼け融ける光線を前に平然と立っているツクヨミノミコトだ。
 ぞぞぞ、とうごめく血──吹き溜まった怨念のように──が彼女の衣服を、肉体を、そして神格を補填していく。

ツクヨミノミコト :

ツクヨミノミコト :

ツクヨミノミコト : 「──実に、温い。こんなものかと、嗤ってしまったわ。……この地に根付いた超人の家系のようだが、所詮、こんなものよ」

ツクヨミノミコト : 「羽虫のあがきも、いつまで持つか見ものだな」

ツクヨミノミコト : では次、京のターン。

神々廻 京 :
・マイナー
 骨の剣

・メジャー&オート
 コンセントレイト:エグザイル
 伸縮腕
 爪剣

神々廻 京 : えーと……

system : [ 神々廻 京 ] 侵蝕率d : 2 → 3

神々廻 京 : 2+2+3+3で10増加

system : [ 神々廻 京 ] 侵食値 : 92 → 102

神々廻 京 : ((8-1)+3)dx+1 【肉体】<白兵> (10DX10+1) > 10[1,2,3,4,4,6,6,7,7,10]+8[8]+1 > 19

神々廻 京 : なんか違う気がするな……

卜部影路 : コンセを忘れているぜ

神々廻 京 : そうだ

神々廻 京 : (8+3)dx7+1 【肉体】<白兵> (11DX7+1) > 10[2,2,5,5,6,6,7,8,9,10,10]+10[2,4,4,7,10]+6[3,6]+1 > 27

ツクヨミノミコト : 無論リアクションは放棄だ。

神々廻 京 : 4d10+19 (4D10+19) > 26[8,5,9,4]+19 > 45

ツクヨミノミコト : こっちもこっちでやっぱでかいが……赤河の支配者だ。さっきと同じ要領で受けるダメージを減らさせてもらう。

ツクヨミノミコト : 1d10+10 せきが (1D10+10) > 6[6]+10 > 16

神々廻 京 : 結構減ったな……

明花あきる :
「ハ、これで打ち止めだとでも思うのかよ? カミサマとやらも随分お気楽な発想してンだなァ。
 まだまだお眠だってンなら、とっととウチに帰りな。さもなきゃ、今度はウチのメイドの痛い一撃が飛ぶぜ」

 嘲笑には冷笑で返す。軋む内臓の痛みなど少しも顔には出さずに、凛然が堂々を言い放った。
 ……とはいえ、軽減されたというのもなかなかに業腹だ。次こそ燃やし尽くすと、彼女は肚の中で再度意志を決める。

翠簾野 夕南 : (いつの間にか自分のメイド扱いしてるじゃねーか…… いいことか? いいことだな、たぶん)

ツクヨミノミコト : いつ専属雇用したんですかね

神々廻 京 :
 見れば見るほどあいつにそっくりだ。
 容姿がというわけじゃない、あの偉そうな態度がそっくりにも程がある。
 それに対して──らしくもない怒りと、どうしようもなさを感じて、ひどくひどく息を荒げた。

「───っつゥわけだクソ野郎」
 ・・・・
「上を見ろ」

 全身の骨が軋む音がする。
 痛みを伴う様子はない。
 ベキボキと気持ちの悪い音を立てて、右腕が変異する。

 上へ飛び上がった神々廻が手を伸ばす。 
 変異した右腕──すなわち、骨に包まれた蛇が一直線にカミを食い殺さんと迫る。

神々廻 京 :
「──……なぁんて、わざわざ言うと思いますか?」

「馬鹿正直に信じてくれたのならお礼を言います。
 ──喰い破れッ!」

 ……と。
 神々廻の腕は見えてる範囲内ならどこへでも伸ばせる。
 故に一直線に伸ばすだけじゃなく──形が変異するという特性を活かし、
 真っ直ぐにカミに向かった蛇は、その目の前でぎゅんっ!と音を立てて急角度で曲がった。

 カミの背から突き破るためにだ。

ツクヨミノミコト :
「ほぅ、異形か。ヒルコの力と見受けるが……」

 次に飛来し、この身を狙うのは憤怒に塗れた大蛇だ。
 同系統の力であるというにも関わらず、真っ直ぐで豪胆だ。
 だが、そうであるがゆえに、カミはただ嘲笑うのみだ。

 しかしすぐにはならなかった。

ツクヨミノミコト :
「なに──」

 不意を打たれ、背中から食い破られる。
 驚愕したように目を見開くツクヨミノミコトだったが──。

神々廻 京 : (──……どうだッ)

ツクヨミノミコト :

「とでも言うと期待していたかァ? バァァァッッカ!」

 カミはやはり、何もしない。
 己より下の位階に存在する人間の行動など、羽虫の戯れでしかないと知っているのだから。

ツクヨミノミコト :
「同じ力であるからこそ、通じんと知れ。
 喰われたところで、どうでもよい。羽虫の戯れにしかすぎないんだからな」

 喰われた血肉を補填するかのように、やはりうごめくのは膨大な量の鮮血。
 怨念で自らを補強し続けるサマは、まさにこの地に遺されている伝承通りの邪神だ。

神々廻 京 :
「……なんだ、人並みの罵倒はできるんじゃあないの。
 安心したわ、一生偉そうな口調だったら、クソ妹を思い出してもっと怒ってたもの」

明花あきる :
「────────…………」

 すぅ、と目が細められた。伊達にカミを名乗るのではない。ないが────しかし、その素体はあくまでもヒトのものだ。
 望月の器を元にしているのならば……あるいはと、蒼氷が思索を巡らす。

翠簾野 夕南 :
(効いて……るが、あの様子じゃあなにか要素が足りないと見た!
 カミを名乗るだけあって、リソースは無限大ってか!)

神々廻 京 :
「──……と。……失礼」
「見ての通り、攻撃を加えたところで、再生……あるいは別の何かで押し戻されますね」
「このままだと、おそらくはジリ貧になりかねませんわ、皆様」

ツクヨミノミコト : では、これで1R目は終了だ。

東雲 亜梨花 : ぐ~~ナニモされないのすっごい舐めプされてる

ツクヨミノミコト : おっと、クリンナップでなにかするひとはいるかな。ツクヨミはしないです

翠簾野 夕南 : 「ン! なにかのからくりがあることは間違いねーだろうが……」

東雲 亜梨花 : 私は特にないよ~

卜部影路 : 呼びかけはメジャー消費だったか

ツクヨミノミコト : イエス

翠簾野 夕南 :
                ・・・・・・・
「考えつくところがあるとすれば、中にいる子たちぐらいじゃねえのかな! どう思う!」

東雲 亜梨花 : 「……朔ちゃん……もっちー」

神々廻 京 :
「……なるほど、となれば。役割分担は自ずと見えてきますかね?」

明花あきる :
「同感だ。今はけたくそ悪ィ部外者が乗っ取ってるワケだが、追い出せるとしたら、だ。
 望月と朔────アイツらに賭けるっきゃねェ。同時に、アイツらと深い”繋がり”がある連中にな」

ツクヨミノミコト : あ、セットアップからイニシアチブまでどうぞ。ちなみに宣言通り、ツクヨミノミコトは行動値30です。

東雲 亜梨花 : ずるい!!はやい!

神々廻 京 :
「では、わたくしはサポートに回りましょう。
 ある程度までならカバーできます」

翠簾野 夕南 : 「同じく!」

卜部影路 : 「……」

明花あきる :
「ハ、勢い余って燃やし過ぎたら悪ィな」

翠簾野 夕南 :
「最後のギリギリまで付き合ってやるから──お前がやりたいように、やってみな!」
 にっ、と影路に笑いかける。

ツクヨミノミコト : シークレットダイス ???

system : [ 東雲 亜梨花 ] 侵食率d : 2 → 3

卜部影路 : 「――ありがとうございます」

つぶやくような返答は、どこか上の空だ。だが、気を抜いているわけではないのは、その瞳に宿る剣呑なまでの光を見れば察して余りある。
ただ、どこまでも、唯一を掴むために、その他を削り落とすように――ひたすらに、その視線はカミ僭称する少女へと向けられている。

卜部影路 : 結末は、一つだけだ。

皆で、生きて帰る。そのためならば――

東雲 亜梨花 : 「影路君……」

まっすぐ見据えてる横顔に目を向けるよ。
こういう顔するんだなぁという何とも言えないしみじみとした感覚。

ツクヨミノミコト : キリのいいところで、メインプロセスかな。

東雲 亜梨花 : りょ~

翠簾野 夕南 : ホイ!

明花あきる : あいよ。

卜部影路 : さて

神々廻 京 : 押忍

ツクヨミノミコト :
「謀りゴトは終わったかァ? 無意味とも知らず、よく足掻くものよ」

 カミが動き出す。
 無力なヒトを皆殺しにする、狂気によって構成されたカミの目が向いているのは、無数の塵芥だ。
 これらは潰して更地にしてやらなければ気がすまない。もとより、彼女を構成しているのはそうした怨念だ。
 だからこそ、それに従い、望み通りに人類社会を廃絶すべく──戯れのように力を振るうのだ。

ツクヨミノミコト : 「精々、苦しまないように死ねることを、祈ることだ。我はこれでもカミ、それくらいなら、聞いてやらんでもないがなァ!」

ツクヨミノミコト : メインプロセス、ツクヨミノミコト。マイナーアクションで《骨の剣》を精製。

ツクヨミノミコト : そして、メジャーアクションだ。

ツクヨミノミコト :
 パン、と拍手が打ち鳴らされた。

「【 怨国滅亡ノ祈リ 】」

 その瞬間、世界のすべてが血溜まりに塗り替えられた。
 そして、カミに抗う者を皆全て、多大な暴力が呑み込んでいった。

(以下のエフェクトを宣言)
《コンセントレイト:エグザイル》《異形の祭典》+《伸縮腕》+《命の剣》+《爪剣》+《貪欲なる拳》+《鮮血の一撃》+《血族》+《ブラッドバーン》

ツクヨミノミコト : 範囲は視界、異形の祭典で攻撃力が減る代わりに対象は五人……全員殴らせてもらうぞ。

ツクヨミノミコト : 13dx+3 (13DX7+3) > 10[2,3,4,4,5,5,7,7,8,8,8,10,10]+10[3,4,5,5,7,7,9]+10[2,5,8]+10[10]+1[1]+3 > 44

ツクヨミノミコト :
 解き放たれたのは、不快害虫を模した骨の波だ。
 鋭利なそれらは肉をえぐり、心をえぐり、魂までをも陵辱し尽くす汚辱の軍勢。
 触れれば死、ただそれだけが結果として存在している悪夢のような光景。地獄の責め苦にも使われるほどのもの。

「──去ね!」

 常人は精神(ココロ)を壊さねば、正気すらも放り出したくなる──そうした、蹂躙であった。

卜部影路 : 「――なあ、東雲」

視線は前へ。隆起する魑魅魍魎の百鬼夜行を向きながら、問を一つ。

「奇跡とか、夢とか、叶うと思うか……?」

東雲 亜梨花 : 「……」

同じく視線はもう前からずらさない。

東雲 亜梨花 : 考える、必要は無かった。
それは、私にとっての生であり、
それは、私にとっての虹である。

東雲 亜梨花 :
「とーぜん! あなたも、みんなも、信じる限りなんだって叶うよ!」

卜部影路 :

「――そうか、ありがとう」

卜部影路 :
いつだって、諦めは『卜部影路』を支えてきた。

孤独の痛みも、排斥の苦しみも、拒絶の寂しさも、諦めという名の安寧だけが癒やしてくれた。
向き合わず逃げ出すことへの言い訳を。
全てを出しきらない怠惰への言い訳を。
無理解を押し付け合う無為への言い訳を。

どうせダメなんだと、諦めて、目をそらして、呑み込んで、己を守ってきた。

卜部影路 : ――知っている。

孤独を感じる心があるくせに、孤独では完成されない生き物を。孤独など感じるまでもなく、一人で完成するべきだった彼らのことを。

卜部影路 : ――知っている。

己の世界に閉じこもり、けれど外の世界と繋がりたいという矛盾を抱えた生き物を。諦めに閉じこもりながら、それでも奇跡が舞い降りてこないか願っていた愚かな子供を。

卜部影路 : ――知っている。

この世界は残酷で、一つの夢が叶う裏で、幾つもの夢が潰えていることを。
この現実は冷徹で、努力した者は報われず、悪人がのさばっていることを。
本当の絶望とは、数え切れない小さな諦念の集まりで出来ていることを。

卜部影路 : 俺は、希望を信じることなんて出来ない。
俺は、自分の夢を叶えることなんて出来ない。
俺は、諦めを捨てることなんて――きっと、出来ない。

今だって、そうだ。

俺の手は希望に届かなかった。
当たり前だ――俺は、本心から希望なんてものを信じているわけではない。見たことがないものを、一度も触れたことがないものを、どうして信じられる?
それこそ、空の遥か彼方で輝く星と同じだ。そこに確かに『ある』のだろう。
けれど、俺には届かないし、本当に存在するのか確かめられない。
見たことはあっても、現実感がない。俺が掴めるとは思わない、思えない。

――俺のこの手は、希望に向けて伸ばすためにあるわけじゃあ、ない。

卜部影路 :
「俺は――」

己すらも救えない、どちらへ進めばいいかわからない、闇夜に惑う迷い子は、星の輝きを標には出来ない。

「俺は、誰も救えない」

誰かの遺したものを背負うなんて、出来ない。誰かのために、何かを遺すなんて、出来ない。誰かの手を取ることも出来ないし、自分自身を救うことで精一杯だ。

「だけど、俺は――忘れたくねぇ」

かつていた人々のことを。己の足の下に積み上がった死体の山を。泡沫の夢と消えたあの背中を。

責務を果たさんと刀を握る背中を。
真実と向き合おうとする強さを。
逆境すら蹴り飛ばす精神を。

奇跡も、夢も、信じると言ったその言葉を。

卜部影路 :
「俺は、これまでの全部と、これからの全部を、忘れたくねぇ――そう思ったことは、本当だから」

後悔も、怒りも、悲しみも、痛みも。
希望も、喜びも、楽しみも、嬉しさも。

全て、刻みつけて生きていきたいと、そう思う。

「ここで、終わるわけには――いかねぇよなぁ」

抱えていくことなんて出来ないから、もう己が以外に知る者がいない人々に、別れの言葉を一つ。

――じゃあな、『卜部影路』。お前のことを、俺だけは覚えておいてやるよ。

胸中で済ませた決別は、進むことを定めるための契機だ。

さあ、前を向こう。
目の前には絶体絶命。迫るは絶死の魍魎。
隣には仲間達、俺なんかよりもよっぽど生きるべき奴らがそこにいる。

そして、俺がここにいる。

誰でもない、何者にもなれない、卜部影路が、ここにいる。

卜部影路 :

   ・・・・
「――借りるぜ」



卜部影路 :
何者にもなれない。
希望を信じられない。夢は叶えられない。

卜部影路 :
  ・・・
――だから

これから、何にだってなっていける。
絶望を信じ、諦めを友に、どこまでだって歩いていける。

卜部影路 :
――俺のこの手は、希望を掴むためのものじゃない。
――俺のこの手は、絶望の中、全てを拾いながら足掻くためにある。


叫ぶ、その名を。
最低最悪、目の前の悪神にすら届く邪神の名を。

卜部影路 :
   メッセンジャー
「――ク ソ 野 郎 !!」

卜部影路  :
闇が溢れる。
星の光が届かぬ闇が。
月の光すら飲み込む影が。
太陽すら呑み干す深淵が。

ソラ
宇宙の彼方、大いなる深淵が顕現する。

卜部影路  : ソレを、世界は知覚していない。
ソレを、この場にいる誰もが近くできていない。
ソレは、純粋なレネゲイドの塊にして、邪悪な神性を依り代に生まれ落ちた外なる神。

卜部影路 : 魑魅魍魎、絶死の群れ。

・・
ヌルい。

ただ、暗闇に覗くその三眼。
彼の神の視線だけで事足りる。

太陽よりも、なお紅く燃えるその瞳。時の理すら、その手に収めて弄ぶ道化。

遠くから、全てを――神ですら嘲弄する哄笑が聞こえた気がした。

卜部影路 : 全てが終わるまで、瞬き一つ。それを知覚出来たものは、この場にはいない。
ただ、限界を超えた能力使用に、身体から力が抜ける、崩れ落ちる。
寒くてたまらないのに、汗が吹き出す。どれだけ息を吸っても肺が酸素を求めている。

けれど、笑う。

「で、ソレで終わりか?」

卜部影路 : 目の前に迫る、軍勢。
その全てが、時と共に消し飛ばされたという結果だけがそこにはあった。

翠簾野 夕南 : 「────ッ」

翠簾野 夕南 : 「……影路、いまの」

卜部影路 : 「……ゴホッ、なんの、ことっスかね」

ツクヨミノミコト :
「……貴様」

 無限の怨念と屍より生み出される魑魅魍魎の軍勢は、瞬きする間に消し飛んでいた。
 誰もが知覚できておらず、時の理はツクヨミノミコトですら"何をされたか"を遅れて理解するほどだ。
 目を細める彼女は、ようやく塵芥の存在を認識した。

明花あきる :
「────はァん。なかなかやるじゃねェの、卜部。
 だがまだ気張れよ、終わったわけじゃねェ」

 何が起きたか、知覚することはできなかった。
 ただ、瞬きの間に全てが終わっていた。
 全てが、一掃されていた。

 素直に感嘆する。何が起きたかわからなくても、この青年が何かをしたことだけは理解ができた。
 だから彼女は、笑みと共に叱咤を零す。手は貸さない。だが、最大限の評価を言葉の端に込めた。

翠簾野 夕南 :
 あっけにとられたように口を開いて、振り向きかけて……堪える。
 挑発的な態度は、たぶん振り向けばそのからくりを曝させてしまうだろう。それはさせたくなかったし、気張りに気張った彼にも悪い。

ツクヨミノミコト : 「……器の知覚だけでは限界があるか。
 だが、地の記憶は覚えていよう。カミの目はごまかせんぞ──【夜より生まれ落ちよ】!」

翠簾野 夕南 :
「………じゃあ、そういうことにするか! 次来るぞ!」

神々廻 京 : 「……」ふふ、と微笑む。

東雲 亜梨花 : 「ど、どゆこと!?」

ツクヨミノミコト : オートアクション、異世界の因子!
刻の棺をコピーする!

卜部影路 : 「……楽勝ォ」

震える膝に叱咤激励して立ち上がる。

ツクヨミノミコト :
「──言ったであろう、羽虫は徹底的にすり潰してくれると!」

ツクヨミノミコト : というわけで次ありちゃんだな。

ツクヨミノミコト :  血の海より、カミの理を吸収してゆく。
 低次の者にカミは下せない。絶対的な理屈だ。故に遠い空の邪神の業であろうとも、ヒトの身で行使されたならば、再現することは出来る。

system : [ 卜部影路 ] 侵蝕率 : 130 → 141

卜部影路 : 「おい、東雲……行けるか?」

極度の疲労状態にある身体をレネゲイドを励起して無理矢理に働かせる。

「寝コケてるアイツらを……叩き起こして、やれ……」

東雲 亜梨花 : 「影路くん……」

東雲 亜梨花 : 「ひっどい顔!」

ふらふらと立ち上がる少年の顔を振り返って一笑。

「でも、かっこよかったよ。ちょっとだけ」

卜部影路 :
「……バカなこと言ってる暇あったら、前見ろバカ」

東雲 亜梨花 : よーし、というわけでGM,マイナーアクションで【戦闘移動】します!

東雲 亜梨花 : 移動距離は19+5=24!

ツクヨミノミコト : よき!

東雲 亜梨花 : ツクヨミ……ううん、もっちーがいるエンゲージまで突っ込みます

東雲 亜梨花 : で、正面から駆け込んでその服ひっつかんでぎゅってする!

東雲 亜梨花 : したい!

ツクヨミノミコト : どうぞ!

東雲 亜梨花 : そしてメジャーアクションでツクヨミノミコトの憎悪の内側にいる二人に声を掛けます!

東雲 亜梨花 : 内容まで書いちゃった方がいい?

ツクヨミノミコト : 掴む部分からやりたければ書いてよい!

翠簾野 夕南 : ちなみになにか判定は挟まるか?

ツクヨミノミコト : ない!

東雲 亜梨花 : やったー!勢い重視で進めます

ツクヨミノミコト : メジャー消費してるからこれくらいはゆるすよ(寛大なGM)

東雲 亜梨花 : 憎悪というには粘ついて想いという個の形が崩れた怨念の群れは神に等しき所業によって一度は消え去った。

それでも恨みつらみの具現が尽きることはない。
地の底から湧き出すように再び生み出された骨の波が再び怒涛にならんと蠢き始める。

(──届けるなら、今だ)

少年の皮肉っぽい強がりを耳にするのと、駆けだしたのはほぼ同時。勿論ちゃんと聞いてたよ。馬鹿じゃないってまた言っとかないと。

月明かりと骨の波をかき分け踏みしめて一気に距離を詰める。目指すのは目覚めたばっかりなのにまた眠ってしまった二人。そろそろ疲れてるんだろうけど、休ませてあげたいけど、最後のひと踏ん張りだけはしてもらわなくちゃ。

私は掴むために手を伸ばす。

東雲 亜梨花 : 「もっちー! 朔ちゃん!
 まだいるんでしょ! これくらいで負けたりなんかしないでしょ!」

東雲 亜梨花 : 伸ばした手で服を掴んで、引き寄せて、抱きしめた。

東雲 亜梨花 : 「まだ二人にはたくさん食べてもらいたいものだって一緒に行きたいところだってあるんだから!」

東雲 亜梨花 : 「起きないとあなたがこれから生きてく世界は壊れちゃうし、……それから、明日のおやつだって食べられないよ!」

東雲 亜梨花 : という感じでまずはロイスを頼りにもっちーとさくちゃんに呼びかけるよ!

ツクヨミノミコト : OK!

ツクヨミノミコト :
「ハ、何をするかと思えば」

 やろうと思えばいつでも殺せる距離に、塵芥はいる。だが抵抗手段を持つため、徹底的にすり潰してやらなければならない。
 それが、現在のツクヨミノミコトの評価であり、同時に本心であった。確かに一度視線を向け、認識さえしたものの、本質的には何も変わっていない。
 もの皆死すべし。呪われてあれと。滅亡の祈りに従って、狂気を振りまき殺戮を繰り返すだけの化身だ。
 だから何の小細工もなしに服を掴まれ抱きしめられようが、薄気味悪い笑みが止まることはない。

ツクヨミノミコト : 「遺言は、それだけかァ?」

 ぞわり、と無数の触手めいた骨が這い出たかと思えば、東雲亜梨花を取り囲むように蠢いている。
 あとは号令一つで、突き刺し、オーヴァードとしての命も完全に消し飛ばす──。

東雲 亜梨花 : 「──!!」

信じる!ので!離れない!!

卜部影路 : 紫電、魂に刻まれた『造りもの』の証。純粋なバロールでありながら、雷の片鱗に手をかけていることが、己の足の下に築かれた『失敗作』の存在証明でもある。

「――おい」

ボロボロの身体に鞭打って、身体能力を限界まで無理矢理引き出して――回避も何も考えずに、先に飛び出したバカの背中を追う――追える。

この力が、拭えぬ咎の証だとしても、それを今、こうして幸いに思えることが出来ている。

卜部影路 : 「いつまで寝てんだよ、朔――」

駈ける、自ら絶死の圏内へ。
先に届いたそのバカの後ろへ、届く。

「東雲は、バカだからお前達を助けに来たぞ――」

俺とは違って、と、笑いながら、けれどそこに卑屈さはない。

「きっと、東雲は一人でもお前らを助けちまうだろう――でも、それはちょっとばかし大変だからよ」

だから、俺とは違って強いお前なら――ずっと一人で戦い続けたお前なら、この声はまだ届くと、そう確信して、叫ぶ。

「――起きろよ朔!!んでもって、お前も手伝え!!」

ツクヨミノミコト : 「揃いも揃って愚かなものだ!!! もういない存在に、必死になって声をかける。
 ああ、つまらんとは思っていたが、最後に愉快なものを見させてもらったぞ──!」

 広がる骨は、あとすこしで少女の肢体を抱き潰し、刺し貫く。

「──去ねぇ!」

 ツクヨミノミコトの嘲笑う号令と共に、死が一つ発生し──。

GM :

──ない。

ツクヨミノミコト : 「──なんだ……?」

 死ねと命ずるのは呪術でも魔術でも、またはシンドロームエフェクトによる作用でもない。
 異能でもない。死ねと言うのは殺意の発露。すなわち物理的に、"死ぬまで殺す"という宣告のはずだ。

ツクヨミノミコト :  だからそのとおりに、東雲亜梨花を殺すはずだった。
 だが、触腕とも呼ぶべき骨が、"時が止まってしまったかのように"言うことを利かない。

「──き、貴様……」

ツクヨミノミコト :

「何をしたァァァアアア!!? """勝手に使っていい"""とは、言ってないだろうがァァアアア!!!」

ツクヨミノミコト : では、ここでデータ処理。

ツクヨミノミコト : 東雲亜梨花の行動に対し、ツクヨミノミコトは自動触手で反撃を試みますが、朔/望月が内側から干渉し、【時の棺】で腕の動きを止めます!

東雲 亜梨花 : 朔ちゃん!!! もっちー!!!!

望月/朔 : "ねぇ、まちがってなかったね。朔"

望月/朔 : "そうね。私達の体だもの。私も、使わせてもらわなきゃ、不公平でしょう?"

ツクヨミノミコト : 「──く、クソがァ……! ふ、ふざけるな、滅ぼしたはずだぞ貴様らは!
 器は器らしく黙って死んでいればいいものをよォ!」

 亜梨花を振りほどき、喚き始めたツクヨミノミコトは、ひたすらに怨嗟を振りまき続けている。

「何をした、我の力に、何をしたァ!!!」

東雲 亜梨花 : ミ˝ュッ

卜部影路 : とりあえず東雲の首根っこをひっつかんでちょっとだけ距離を取ろう

望月/朔 : "声は──うん。出せないか。流石に。そこまで余裕はないわね"
"頭の中に?"
"お前はどこでそれを覚えたの、望月。流石に無理よ"

翠簾野 夕南 : 「……このガキどもっ、揃いも揃ってっ!」

東雲 亜梨花 : う~ん、ごめんするっと逃げてもっちーの手を掴みたいな

望月/朔 : "まぁ、──引きずり降ろせば、いいかな。カミサマ名乗るっていうなら、人間の世界に"

卜部影路 : ゲーム処理的にはエンゲージは同一だぜ

ツクヨミノミコト : あ、今度こそ反撃が飛んできます>手掴み

卜部影路 : まあそうだろうな

神々廻 京 : 「………これは」

東雲 亜梨花 : ウワ近寄れなかった

明花あきる :
「いや……今、一瞬動きが止まった。主導権の奪り合い……?
 ────望月と朔が、目覚め始めてる……のか?」

翠簾野 夕南 : 「離れろ亜梨花っ、今度こそなんとかしてくれる保障はねーぞ!」

望月/朔 : "うん。頑張れば、引き摺り下ろせるね。やろ、朔?"
"ええ、望月"

東雲 亜梨花 : せめて応援します。その手を掴んで手伝いたかった
「うぅ……うぅ~!!! 頑張ってもっちー!朔ちゃん!」

ツクヨミノミコト :  怒り狂うツクヨミノミコトからは、かつてそこにあった神気と呼ぶべきものがなくなっている。
 何かがきっかけとなって、地上に存在が"引きずり降ろされた"のだろう。

ツクヨミノミコト :  神格とも呼ぶべきエフェクトの恩恵ももはやそこにはない。
 叩くならば、今しかない──!

ツクヨミノミコト : 【 Eロイス《究極存在》 】

 カミは、常人の手では下せぬモノである。
 ツクヨミノミコトにダメージを与えることは可能ですが、HPを0以下に出来ません。

解除条件:不明(特定条件満たした上で、HP0時──)

卜部影路 : 「バカやるなら、先に言えよバカ……!!」

そうすりゃ、こっちだって心構えが出来たってのに……

「ったく、とりあえず、早く外側からも起こしてやろうぜ」

ツクヨミノミコト :
【 Eロイス《究極存在》 】

 解除!

神々廻 京 :
「……月が、堕ちたか」

ツクヨミノミコト : ちなみに時の棺は、勝手に使わされたため使用不可能です。

東雲 亜梨花 : やったぜ

東雲 亜梨花 : じゃあ願いを込めて呼ぼう、一人じゃないからね

東雲 亜梨花 : 「……あきちゃん、ゆーなさん、京さん、お願い!」

翠簾野 夕南 : 「あとで説教だかんな!」

卜部影路 : そうだぞ、後で説教だぞ、という顔で頷いておこう

ツクヨミノミコト : お前もやぞ

卜部影路 : は?

翠簾野 夕南 : お前もだぞ。って顔します。

卜部影路 : フォローしに行っただけです、俺は悪くない

東雲 亜梨花 : こいつぅ

明花あきる :
「クク、だとよ。後で一緒に説教受けようぜ。みーんな一緒にな。

 ────────応ともッ! 後は私に任せな、全部全部、灰に還してやるよッ!」


神々廻 京 :
「さて……うら若き少年少女が希望を掴んだのですから、
 わたくしたち『大人』は、応えなくてはなりませんね?」

翠簾野 夕南 : 「……まあ──しゃーねーわな!」

翠簾野 夕南 :
「ガキどもの尻ぬぐいをするのが大人の仕事ってもんだ。
 いまは、とりあえず……乗ってやるしかねーか!」

神々廻 京 :
「ええ、しゃーないことです。
 悪いところはお叱りになっても──良いところは、しっかり背中を押してあげましょう!」

翠簾野 夕南 : 「違いない! 神々廻さん、フォローよろしく! あきも、まだやれるね!」

神々廻 京 : 「合点承知!」

明花あきる :
「ったりめェだ、誰にモノ言ってやがるッ! 『千秋楽』の名が懸かってンだからよ、こっちは。
 綺麗さっぱり全部のペテンとトリックを暴き立てて────────

 幕引きといこうや!」

明花あきる : つーワケで、次手は私だ。カマすぜ!

ツクヨミノミコト : 来るがよいわ!

明花あきる :
タイタス化:
《"古書泥棒"》

マイナー:
《炎の加護》

メジャー:
《灼熱の砦》
《コンセントレイト:サラマンダー》
《結合粉砕》
《クロスバースト》
《プラズマカノン》

バフ:
侵蝕率ダイス+4
エフェクトレベル+2
タイタス《"古書泥棒"》クリ-1

増加侵蝕値:19
ダイス合計:15dx6+1
攻撃力:57(装甲値無視)

ツクヨミノミコト : すでに確定攻撃力57とか書いてるんですけど。

明花あきる : 応。

ツクヨミノミコト : ふ、ふるがよいわ

明花あきる : 15dx6+1 (15DX6+1) > 10[1,2,2,2,4,4,6,6,7,7,7,7,9,9,10]+10[2,3,3,6,8,8,10,10,10]+10[1,3,4,7,8,9]+10[2,9,10]+3[1,3]+1 > 44

翠簾野 夕南 : 《妖精の手》だ!

明花あきる : ナイス。

system : [ 翠簾野 夕南 ] 侵蝕率 : 125 → 129

system : [ 翠簾野 夕南 ] 妖精の手 : 2 → 1

明花あきる : 1dx6+44 (1DX6+44) > 2[2]+44 > 46

明花あきる : ここで下振れるのやめろよオマエ!

翠簾野 夕南 : 3を10にしてから加算だぜ!

東雲 亜梨花 : つまり?

ツクヨミノミコト : なので56

ツクヨミノミコト : 違う53か。

翠簾野 夕南 : だがまだだ!

ツクヨミノミコト :

東雲 亜梨花 : なに!?

翠簾野 夕南 : 《勝利の女神》! 53に9加算!

明花あきる : ヒュー!愛してるぜ幼馴染!

system : [ 翠簾野 夕南 ] 侵蝕率 : 129 → 133

ツクヨミノミコト : ア"ーーーーーッ!!!!

卜部影路 : これで62……大台に乗ったな

ツクヨミノミコト : な、なけなしの1dxでドッジ振ってやる!!!!

ツクヨミノミコト : 1dx (1DX10) > 9[9] > 9

ツクヨミノミコト : おしい!

明花あきる : イイトコまでいったな

明花あきる : まあこっちは62だが

神々廻 京 : だが1足りないっ・・・! これが現実っ・・・!

system : [ 明花あきる ] 侵蝕値 : 118 → 137

明花あきる : 攻撃力算出、7d10+57。……イイな?

ツクヨミノミコト : OK!

明花あきる : 顔面で受けな!

明花あきる : 7d10+57 (7D10+57) > 35[8,4,6,9,4,1,3]+57 > 92

明花あきる : ちッと惜しい。三桁大台乗らなかったな。

ツクヨミノミコト : 《赤河の支配者》!!!! 10+1d10受ダメージから減らさせてもらう!!!

明花あきる : ハ、悪あがきを!

ツクヨミノミコト : 1d10+10 (1D10+10) > 10[10]+10 > 20

明花あきる : テメー!!!!!!!!!!!!!!

翠簾野 夕南 : ここで!?

ツクヨミノミコト :

神々廻 京 : コイツ!!!!!!!

明花あきる : 二コマオチさせんなや!

ツクヨミノミコト : ダイスの女神は我に微笑んでいたようだな!!! あ、書く場合はまちます(しおれる)

翠簾野 夕南 :
            ストレイト・フォワード
「あきッ──撃ち抜け、そのまま真っ直ぐ!」

翠簾野 夕南 : ではおれも判定するぞ!

ツクヨミノミコト : く、くるがよいわ!!!

翠簾野 夕南 : 《コンセ:ノイマン》《コントロールソート:白兵》《コンバットシステム》のいつものコンボに、くわえて……

翠簾野 夕南 : 夜辺甚五郎のロイスをタイタスにして昇華! C値ひとつ下げて判定する!

ツクヨミノミコト : こ、こいつ……

翠簾野 夕南 : 行くぞ判定!

翠簾野 夕南 : (9+4)dx+4 (13DX6+4) > 10[2,2,2,3,3,4,5,6,6,7,8,8,9]+10[1,2,4,5,5,9]+10[8]+10[9]+2[2]+4 > 46

ツクヨミノミコト : こ、こいよ無理です

ツクヨミノミコト : ドッジ……いや、ガード!!!

翠簾野 夕南 : …………最後の妖精の手!

翠簾野 夕南 : 54スタート!

翠簾野 夕南 : 1dx (1DX6) > 10[9]+10[6]+2[2] > 22

翠簾野 夕南 : ッシャオラ!

ツクヨミノミコト : 畜生がよ!!!!!!

ツクヨミノミコト : 振りな!!!ダメージロールはくれてやる!

翠簾野 夕南 : 行くぞ!

翠簾野 夕南 : 8d10+9 (8D10+9) > 40[8,3,3,7,4,3,2,10]+9 > 49

翠簾野 夕南 : うーんダメージは微妙だな!

ツクヨミノミコト : 《赤河の支配者》ァ!!!

ツクヨミノミコト : 1d10+10 (1D10+10) > 4[4]+10 > 14

ツクヨミノミコト : あ、あるだけ十分! まだ生き残れる!

[雑談] system : [ 翠簾野 夕南 ] 妖精の手 : 1 → 0

system : [ 翠簾野 夕南 ] 侵蝕率 : 133 → 140

system : [ 翠簾野 夕南 ] 侵蝕率 : 140 → 144

神々廻 京 :
・メジャー&オート
 コンセントレイト:エグザイル
 伸縮腕
 爪剣

神々廻 京 : で、タイタス。黒澤秋人へのロイスを昇華。C値下げます。

神々廻 京 : (8+3)dx6+1 【肉体】<白兵> (11DX6+1) > 10[2,2,5,6,8,8,9,9,10,10,10]+10[2,2,2,3,5,5,5,6]+10[8]+4[4]+1 > 35

ツクヨミノミコト : ガード!!!

神々廻 京 : 神様のくせに小賢しいぜ

東雲 亜梨花 : メイドお口がお口が

神々廻 京 : 5d10+19 (5D10+19) > 28[4,1,6,8,9]+19 > 47

ツクヨミノミコト : 《赤河の支配者》ァ!!!

ツクヨミノミコト : 1d10+10  (1D10+10) > 3[3]+10 > 13

ツクヨミノミコト : どんどんやる気なくしてくんじゃねーー!!!

明花あきる :

「────────応ッ!!」


明花あきる :
 幼馴染への返答は、簡潔に。
 応える動作は、単純に。
 然れども、華開く焔は爛々と。

明花あきる :
 扇子を突き付ける。オマエのペテンは見切ったぞと、オマエのトリックは暴いたぞと。
 幕引きの前の一瞬、目の前の邪神を吹き飛ばすに足る“溜め”を成すまでの間、名探偵が滔々と語る。

「全部全部、私のこの事件は“古書泥棒”から始まった。
 なんでもねェ、いつも通りの、チャチな事件だとハナっから決めてつけてたし……実際、犯人はなんともまァ暴き甲斐のねェ小物だったがなッ!」

明花あきる :
「追っかけてみたらコレだ。いやはやとんだ大物だよ、こんなロクでもねェモン遺してちゃ、ジジイどもも浮かばれねェに違いねェ。

 だから、今ここで私たちがケリをつけるッ!
 あのジジイどもが、私たちを愛してくれたあのジジイどもが────
 
 『じい』と『じん』が、あの世でよろしく、酒盛りでも交わしてやれるようになッ!」

明花あきる :
「それにこっちァよ、“名”が懸かってンだッ!
         ミス・ミリオンダラー
 明花の名が、《乱れ舞え纏華の焔》の名が、名探偵『千秋楽』の名が────
 
 “明花あきる”の名がッ!!」

明花あきる :
「名を、存在を、軌跡をッ! 証すためにテメェを燃やし尽くす────

 それが私にできる、ジジイどもへの最後の孝行なんだからよ……ッ!!」

明花あきる :
 囲む番傘の群れが、一様に「ぐるり」と円を描く。
 見せつけるような勿体ぶりはもう要らない。
 “溜め”はもう十二分。

 熱く、蒼く、滾り、燃える、
 『絢爛劫火』なるは『鮮麗鮮烈』が咲き誇る様を、
 ただ、ただ、まざまざと────見せつけてやればいい。

明花あきる :

「巡り、巡れや、明のかぎろいッ!」


明花あきる :
 指し示すのは神を気取るその顔面。
 揺らめいて容を取るのは夜をけざやかに照らす蒼の焔。
          ストレイト・フォワード
 辿る軌跡は────そのまま真っ直ぐッ!

明花あきる :

「咲いて咲かせて────────ほむらよ、舞われェッ!!」


明花あきる :


 ────────────────轟ッ!!!!!



明花あきる :
 搔き集められた熱という熱が、
 紅に穢された夜を蒼く、白く、清く、明やかに照らし出す。
 もう遮るものなど何もない。躊躇う理由も一つとしてない。

 独りなどと、もう思わない。

 だから。

明花あきる :

「テメェの剣、お見舞いしてやれ夕南ッ!
         ストレイト・フォワード
 ────────“一太刀ぶちかませ”ッ!!」


明花あきる :

 奔るのは蒼焔。
 託すのは言霊。
 なれば斃せぬものなど一つとて無いと────
 
 凛然たる声が、炎の嘶きが、
 不浄で満たされた夜を鮮烈に引き裂き駆け抜けるッ!!


翠簾野 夕南 :

「──はいよ」

翠簾野 夕南 :
 幼馴染のつくりだした熱を追うように駆ける。
 その炎がおれを傷つけることなどないと知っているから、残火くゆる中心へ迷いなく飛び込んだ。

翠簾野 夕南 :
 思考へ没入する。
 勝利へ。勝利のために脳が計算を重ねていく。
 踏んだ足元に光が灯る。そういうふうに視えている。
 勝利への道筋を照らし出す気まぐれな妖精の手が創り出す幻創をたどり懐へ潜り込む。
 戟尺の距離に入った。
 深い呼吸とともに刃が滑る。

翠簾野 夕南 :
 それでも──
 月を墜とすにはもう少し足りない。
 衝動にひたる頭のかたすみが清冽にそうささやく。
 闘争の昂奮にいざなわれるように、記憶を、
 夜辺甚五郎を、ここに辿り着く前に奪われたひとのことを思い出す。

翠簾野 夕南 :

 振り払う力が欲しくて、
 剣を振って、
 剣を振って、
 剣を振って。
 それだけでいい、そんな日々を用意してくれたひとだった。

翠簾野 夕南 :
 あの戦いが終わって、疲れた身体をひきずって次の戦地に向かおうとした時、なかば引きずられるようにこの街にもどったあの日のことを思い出す。
 剣を振って言葉を交わして寝る。ただそれだけの生活をしていたとき、あえてなにも言ってくれなかった人。
 支部長という立場を手渡され、すこし遠い場所から支部を俯瞰する視点を身につけるようになって、気付いたのはあの人の存在の大きさだった。
 干渉をたくらむUGN上層部との折衝に、いま思えばここに眠った遺産の管理。
 FHの起こす事件だって何度も起こって、気の休まる暇などなかったはずだ。動けるエージェントとしておれを使ったっていいはずなのに、それをしなかった。

翠簾野 夕南 :
 その甚さんが、いまわの際におれに託した。
 答えなければいけないんだ──それが、おれがたったひとつしてやれる礼だから。
 燻る怒りはきっと消えないけれど、それをこの刃に託したらきっと、後悔するのはおれだから。すべてを、怒りを悲しみを恨みをそのぜんぶ。この一斬に託してたむけにしてやるほかなかった。

翠簾野 夕南 :
 刀の唸りが強くなる。まるで叫ぶように。
 その声に応えるように、記憶を振り払う。
 二度と振り返ることはしてやらないと、その想いを込めて。

翠簾野 夕南 :


「"我流"──"稲光"!」

 闇を切り裂く、雷鳴のように──斬。

翠簾野 夕南 :
 手ごたえはあった。
 あったが、刀の悦びがどこか淡い。
 理解できる。まだ足りない。
 あと一打、いいやあと二打。

翠簾野 夕南 :


「──神々廻さんッ!」

 ──なら、次だ。このよるを終わらせる刃は、おれひとりのものでは、けしてなかった。

神々廻 京 :
「──かしこまりました、夕南様」

 主人が照らし、導き、輝かせた道を、
 その”友”が、雷鳴の如く繋げたそれを、
 わたしは見つめていた──ただ真っ直ぐ。

神々廻 京 :
……ふと一人の名前を思い出した。 
 そういえば彼は、もう既に人ならざる理性なき怪物と化してしまったのだろうか。
 そんな”情”を抱いたのは、何故だったか。
 決してそれを語ることもなかったが──京は彼に対して同情心を抱いていた。

 “家”という地獄の中で過ごし、自分を自分と認識してくれない親とのすれ違い。
 相互不理解は家が豊かだろうか貧しかろうが、起きる時は起きるのだ。
 

神々廻 京 :
 彼は───あの遺書を見て、何を思ったのだろう。
 自分を認めさせたかったのだろうか。
 それとも、自分が自分であることを証明したかったのだろうか。
 方法についての是非はあれど、京はその奥底にあった感情を否定するつもりはなかった。

 彼との細い接点を──ついぞ顔を合わせることすら無かったが──自ら切り離したとしても。
 彼をあわよくば救おうと思って、何もしなかった自分への戒めとして。
 “”認めて欲しかったであろう””彼の名前を、覚えておこう。

神々廻 京 :

 だから。
 彼が望んで、
 彼を謀った者が望んだ、    いもうと
 目の前の──■したくてたまらない””神””にそっくりな””ヒト””を。
 あの道の先にいる、アレを。

 斃すのだ、何をやっても。

神々廻 京 :
「……ずいぶん焦ってるじゃないの。
 よっぽど想定外? ご自慢の護りはどうしたのよ」

神々廻 京 :
「あ──それとも。
 ・・・・・・・・・・  ・・・・・・・・・・・・・・・
 効かないとでも思った? 羽虫に刺されるよりも痛くないと?」

神々廻 京 :
 
 神々廻京は意地が悪い。
 されたことをし返すのが大好きだ。
 それが良いことだろうと、悪いことだろうと──


「ばぁ──────か。 何期待してんのよ、気づくの遅えよ」

神々廻 京 :
 ・・・・・・・・・・・・
「同じ力だからこそ通じるし、
 ・・・・・・・・・・
 だからこそ喰らいつく。
、   、・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・
 おまえが羽虫の戯れと思ってたのは、おまえを喰らい尽くす蛇──」

 否。 
 増殖し──変形し、変異し、組み替えて、互いに絡み合って、
 重なっていく””密度””が描き出すは鱗。
 骨どもが、ヒトの体から強き意志を以て神に牙向く姿はまさしく

、     、     、   ・
「いいや───カミを喰らい尽くす龍よ」

神々廻 京 :
 カミ──いいやカミですら無くなったヒトを見下ろすは、神々廻京の右腕から顕現した龍の爪だ。
 無数の骨が絡み合い、カタチを変え、爪の剣のイメージを最大限まで膨らませた渾身の一撃。
 
 構えて、見て、最後にもう一つ、かっこつけた。

神々廻 京 :
「これは当たり前の話だけど」

神々廻 京 :

,


「夜は永遠に続かないし、空は永久に黒いわけじゃない。
、   、 ・・・・・・・・
 夜はね──明けるものなのよ」


,

神々廻 京 :
「そうして日はまた昇って明日が来る───必ず、ねッ!!」

 ・
 風が吹いた。
 
 腕を振り下ろす。
 カミを穿つ、ヒトを穿つ、ツキを穿つ──龍爪を!

ツクヨミノミコト :  黒き夜を白く染め上げる炎の輝きは、先に放たれたものよりもより大きい。
 だが防ぎきれるという確証が、不思議となかった。そうであらねばならないと言い聞かせはするものの、不可能だ。
 人間のものと同じ位階に引きずり降ろされた権能、──内なる器が抱く感服といった感情が鎖となり、道理を解せぬカミを縛り付けている。

「何を、わけの分からぬ戯言をォ!」

 焦熱に飲み込まれてもなお、カミは健在。
 滅びゆく肉体に、地に満ちる怨念を寄せ集めて補肉していくさなか、踏み込まれていた。
 剣士の一太刀だ。驚愕の声をあげるよりも前に、切り裂かれた彼女の肉体からは、さらなる鮮血が吹き出す。

 ドス黒い血があたりを染める。
 苦痛に呻く声をあげながら、咆哮と同時刃を振りかざそうとしたとき──龍の爪が、矮小なその体躯を叩き潰した。

ツクヨミノミコト : ◇◆◇◆◇

ツクヨミノミコト : (《不死不滅》使用。HP30点回復)
(R終了)

 ありえない。
 ありえない。
 なぜここまで、追い詰められている。
 カミであるこの身が滅びることなどありえない。そも、人間の手の届く場所に引きずり降ろされているのすらも、ありえない。

ツクヨミノミコト : というわけで次R、セットアッププロセス、宣言する人はいるかな。

東雲 亜梨花 : ない!

翠簾野 夕南 : なし!

卜部影路 : 加速装置だけ使おう

ツクヨミノミコト : OK

明花あきる : 無し。

卜部影路 : 加速装置発動、行動値をLV×3+する

system : [ 卜部影路 ] 侵蝕率 : 141 → 142

神々廻 京 : ナシ

ツクヨミノミコト : 究極存在解除ともちさくの抵抗で、行動値もセットで下がってはいるが……。次、イニシアチブプロセスだ。

卜部影路 : ちなみに行動値はいくつなんだ?

明花あきる : 20じゃねェ?書いてある

ツクヨミノミコト : 20にまで低下した。

ツクヨミノミコト : だが!《加速する刻》を宣言する!

卜部影路 : よし、なら俺が先に動けるな

卜部影路 : だろうな!!

ツクヨミノミコト : 最後のあがきだ!

東雲 亜梨花 : あ!ボスが良く使うやつ!

ツクヨミノミコト :
 その肉体から滴る黒き血が止まる様子はなく、再生も明らかに追いついていない。
 平然としていたであろう攻撃ですらも、受け止めきれていないのは目に見えて明らかだ。

 だからこそカミは動くのだ。
 このままでは終わらない、終われないという怨念に、突き動かされるように。

「舐めるなよ。
 怨国のカミたる我を滅ぼすことなど適わないってことを、その身でもって思い知るがよいわ!!!」

ツクヨミノミコト :
《伸縮腕》+《命の剣》+《爪剣》(Lv3)+《貪欲なる拳》+《鮮血の一撃》+《血族》+《ジャイアントグロウス》+《ブラッドバーン》+《コンセントレイト:エグザイル》を宣言!

ツクヨミノミコト :

「後悔する間隙さえも与えん! 悔やみながら死ね!」

 ぞわりと骨の渦が広がってゆく。
 今度は不快害虫が連なって出来上がった、巨大な触腕であった。
 この一撃で決着をつけるつもりだ。カミの視線にある塵芥、者皆すべてを消し飛ばすべく、単純な暴力として発揮される。

[雑談] system : [ 神々廻 京 ] 侵食値 : 102 → 112

ツクヨミノミコト : 13dx7+3 (13DX7+3) > 10[3,4,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10]+10[2,2,4,5,7,8,10,10]+5[2,2,3,5]+3 > 28

ツクヨミノミコト : 低いわ!!!!!

system : [ ツクヨミノミコト ] HP : 30 → 28

翠簾野 夕南 : ドッジ!振るだけ振る!

卜部影路 : いけるいける

翠簾野 夕南 : ダイス増えてるしできらあ!

翠簾野 夕南 : 5dx+1 (5DX10+1) > 8[2,4,5,6,8]+1 > 9

翠簾野 夕南 : ありがとうございました。

ツクヨミノミコト : なんて?

東雲 亜梨花 : ふらぐたてるから

明花あきる : 泣くなよ……

神々廻 京 : (8+3)dx+1 【肉体】<回避> (11DX10+1) > 7[1,2,3,5,5,5,6,6,6,6,7]+1 > 8

卜部影路 : ………

ツクヨミノミコト : ……

翠簾野 夕南 : はい。

神々廻 京 : あの、ツクヨミノミコトさん

ツクヨミノミコト : はい

神々廻 京 : デバフ伝染(うつ)さないでいただけます?

翠簾野 夕南 : そもそもガードにしないとG値意味ないからいまのは記念振りにしかならないよ、神々廻さん……

神々廻 京 : 記念ってことで……

ツクヨミノミコト : あらそいはていれべるどうしでしかはつどうせんぞ(突然ゴルフ時空になる

卜部影路 : とりあえず……そうだな、俺はゆーなさん庇うかな

卜部影路 : 東雲が庇いたいなら譲るぜ?

東雲 亜梨花 : じゃあ私はメイドさんを

神々廻 京 : どうやらわたくしと同じ次元に落ちてきたようだな、貴様をパリピにしてやる

東雲 亜梨花 : うらきち懐いてる人の方にいきたいでしょ

卜部影路 : 正直、そこまで考えてる余裕はねぇぜ(ギリギリなので)

翠簾野 夕南 : すまん!

卜部影路 : ロイス取りタイミング来たな……

東雲 亜梨花 : まあここまでしてもらってるからね、私たちも戦友ってこと見といてもらわないと

卜部影路 : このためのラストロイス枠

卜部影路 : 問題はツクヨミかゆーなさんのどっちに取るか、だが……

卜部影路 : choice[ゆーなさん,ツクヨミ] (choice[ゆーなさん,ツクヨミ]) > ゆーなさん

卜部影路 : よし

翠簾野 夕南 : おれだ!

卜部影路 : とりあえずダメージ判定だけ頼むぜ

東雲 亜梨花 : ぜ!

ツクヨミノミコト : 了解だ。

ツクヨミノミコト : グロウス補正で2d10増えてるぜ

ツクヨミノミコト : 5d10+28 ダメージロール (5D10+28) > 27[5,10,1,3,8]+28 > 55

卜部影路 : うーん

東雲 亜梨花 : ふふ

卜部影路 : 庇うなので110ダメージ

翠簾野 夕南 : いってええ

神々廻 京 : いてえなあ……

東雲 亜梨花 : 致命傷なので実質80のガードよ

卜部影路 : どうする?とりあえずここで切るか?

卜部影路 : 次回GMの攻撃描写からってことで

翠簾野 夕南 : そうだな。

神々廻 京 : ジュウニジハン!

ツクヨミノミコト : ですね。

ツクヨミノミコト : 続きは4/21!それまでお休み期間!

ツクヨミノミコト : 確実にそこでツクヨミは滅ぶのでゆっくりやすみましょう

明花あきる : オツカレサマ。書き溜めておくぜ。

東雲 亜梨花 : タイタス昇華のぶん練っておきます

神々廻 京 : Take

ツクヨミノミコト :

明花あきる :
「────────ッ!!」

 骨の渦が拡散する。
 見るも悍ましく身の毛もよだつ害虫の群れ────それが、薙ぎ払うべく剣の形を取るのを、ただ一人最初の立ち位置より動くことなく、彼女は目撃していた。

明花あきる :
 開かれた眼が、演算に特化された脳髄が、その軌跡の行き着くところを瞬時に導き出す。
 即ち────前線の彼らだ。挙動の直後、間隙を衝かれた夕南と神々廻もそうだが、東雲と卜部もまた、距離を鑑みるに躱すことは難しいだろう。
 一歩たりとも動くことのなかった彼女だけが、その禍々しき剣の振り抜かれる全景を見ていた。

 ゆえに。

明花あきる :

 バッ


明花あきる :

「────────ほむらよ舞われッ!!」


明花あきる :
 扇子が開かれる。

 それは伸べるのではなく、今度は祓い去るように振り払われた。その動きに呼応するようにして、周囲を囲む番傘が瞬きの間に閉じ────再び開く。

明花あきる :
 刹那────前線の彼らを守るようにして、焔の帳が中空に降り落ちた。爆ぜるでなく、吹き飛ばすでなく、ただ煌々と灯る蒼き炎。
 間に合えと、私だって守れると、奮起したレネゲイドが生み出したそれは、盾、あるいは天蓋のようにして、振り切られる剣の前に立ち塞がった。

明花あきる :

 そして、激突。


明花あきる :
「ぐ、ぅ…………ッ!!」

 「轟」と蒼が紅い夜に燃え盛るも、急ごしらえの帳では手負いの獣が如き決死の一撃を跳ね返すことはできない。

 昨日の一幕、夕南と卜部が交戦しているところに割って入った時の「威嚇」とは、今あきるの焔に必要とされる性質は全く異なっていた。
 元々あきるの領分は攻撃、それも詠唱と小道具によって支えられた大火力砲撃である。最低限自分を守るための応用はできても、遠隔地の複数人を守り切るなどという運用にはとことん不向きだ。

明花あきる :
 「それでも」と、間隙を作るべく焔が足掻く。
 流動と烈火、瞬間の爆発こそ真髄とするあきるの焔では、一撃が振り抜かれるまでの時間を遅延させるだけで精一杯であり。
 せめてアイツらが立て直す時間だけでも作らなければ────その思いも虚しく、焔の帳に、裂け目が生じる。

明花あきる :
「────────ッぁあ……ッ!」

 哭くが如くの喘鳴と共に、限界は訪れる。

 突き立てられて、引き裂かれるように。
 ついに、帳が火の粉となって────────舞い散った。

ツクヨミノミコト :
 それはまさに、質量の暴力。
 濁流のような面攻撃とは違い、速度を乗せている分より速く、より重い。

「無駄だァ! たかが一でしかない炎が、那由多の悪夢に勝てるとは笑止千万よ!」

 権能を奪われ地に引きずり降ろされようとも、カミはカミだ。
 この地に眠る怨念と憎悪を引きずり出すことによって振るわれる力は、レネゲイドによって力を得たキミたちを吹き飛ばすには十分すぎるほどだ。
 まして、カミの力には一切の小細工が存在しない。おぞましいように見えて単純、恐ろしいように見えて単調。
 いかなる邪魔が入ろうとも、物量という暴力でもって、捻じ伏せる。

ツクヨミノミコト :  滅んでしまえ。
 朽ち果ててしまえ。
 我らが怨敵に死を。

 もはや取り繕うこともなくなった、無限に奏でられる狂的なまでの叫びが結集し、"""同じ目的、同じ思いを共有する"""という、悪しき信念の元で増幅。

「滅ぶがいい!」

 ──炎を突き破り、振り薙がれた。

 山を叩き割り、海を干上がらせる。
 骨と血で組み立てられた、無数の巨人の腕が、キミたちを蹂躙する!

翠簾野 夕南 : 「──ッ!」

神々廻 京 : 「ッ──」

卜部影路 : 「――東雲」

本能が危険を叫び、視界の景色が色あせてゆっくりと流れていく。そんな中で、ちらりと、隣の少女へと声をかける

卜部影路 : 「――そっちは任せたぜ」

東雲 亜梨花 : 「うん!」

何が起こるか、そんなものを言葉で理解する前に、死が肌を撫でる。

東雲 亜梨花 : どうするかは決まっていた。
それをされることが何を残すかも少しは。

押し寄せる死の気配を割り裂くように、反射的に地を蹴っていた。
影路君が何を言わんとしたのかだって、返事をした後で理解する。でも間違ってない。

東雲 亜梨花 : (でもきっと、怒られるなぁ)

東雲 亜梨花 : というわけで京さんをかばいます!バッ

神々廻 京 : 「……な、ッ!」

東雲 亜梨花 : ロイスの数と、私のDロイス的にね!ごめんね!

卜部影路 : 「夕南さん――!!」

これから、無茶をやる。けれどそれは、無理ではない。

――『自分がなんでそうしたいのか、そのあとにどうしたいのか。ちゃんと考えながら行動すること。いいな』

分かってます、夕南さん。ちゃんと考えて、皆で『帰る』ために、これが一番良いって、そう思ったからやるんです。

俺も、東雲も、絶対に戻ってきます。こんなところで死にたくないし、死ぬわけにはいかないから――

「後、頼みます!!」

卜部影路 : というわけでロイスを取るぜ

卜部影路 : 夕南さんに
○誠意/不信感を取得するぜ

卜部影路 : なけなしの己のレネゲイドを励起する。
バロール、重力を操るシンドローム――その真髄は、己の思うがままに時空間すら操り、森羅万象を自在に弄ぶことにある。

ならば、出来ないはずがない――振り下ろされる腕を収束させること程度、時を停めることに比べれば朝飯前だ。

揺らぎ、ブレる。瞬き一つほどの時間、そこにあったはずの空間が、確かに創り変えられる。二人に向けて振り下ろされた腕――それが、己一人に向かう軌道へと変わっていることに相手が気付いた頃にはもう遅い。二人に振り下ろされるはずだったその多腕は、強かに己の身体を打ち抜いた。

東雲 亜梨花 : 迫る死の群れが到達するより早く、踏み込んだ体は京さんの前に飛び込んで、勢いのまま突き飛ばす。

(私なら大丈夫)

戻ってこれる、戻ってこなきゃいけない、戻って──

ごう、と音がした。
肉も骨もお構いなしに飲み込むソレが貫いて、それの一部にされるみたい。
痛くてびっくりした。初めてではないけれど。
自分から自分をもぎ取られる感覚に意識が遠のく。痛い。

痛いけど、

東雲 亜梨花 : (こんなもんじゃない、私たちが味わったのはもっと、だから)

身体の痛みを執着が凌駕する。
砕けた肉と骨が飲み込まれても、魂はここで燃えている。
無事を祈って待ってくれている人には悪いけれど、私が戻ってこられるのは、戻ってくるのは

ここ
戦場 だ。

東雲 亜梨花 : 京さんをカバーして、
ダメージは50くらいだったよね、
父親へのロイスをきってリザレクト!

東雲 亜梨花 : あっまちがえた

東雲 亜梨花 : ロイス切って復活です

卜部影路 : 同じく、舘川さんのロイスをタイタスに、昇華して復活しよう

ツクヨミノミコト : OK!

翠簾野 夕南 :
 衝撃に身構える。
 レネゲイドは最高に燃え上がっていた。
 それを理性で呑み下すのはこれまでだってしてきたことだ──避けられないと見るや、痛みにだけ対処するべく身体を固めて、

翠簾野 夕南 :
 衝撃を──
 逃そう、と。
 して。

翠簾野 夕南 :
『後、頼みます!!』

 あまりに真っ直ぐな声とともに。
 視界がはじける。
 一秒と一秒の狭間、一瞬の"ゆらぎ"。
 それを操るシンドロームを持って自在に操れるのは、この場にひとりしかいなかった。

翠簾野 夕南 :
「……影、路……!!」

 絞り出すように名を呼ぶ。

明花あきる :
「ッ、馬鹿、野郎ども……ッ、ごほッ、……!」

 叫ぼうとした声は、「ごぼり」と喉奥から迫り上がってきた血の塊に掻き消された。
 濁った咳とともにそれを吐き捨てるあきるの目には、火の粉の淡やかな燐光と、薙がれる一閃と、────身を呈する少年と少女の姿が、まざまざと映っていた。

明花あきる :

 違う。

 そんなことのために────
 自己犠牲をさせるために、私は焔を放ったワケじゃない!


卜部影路  :   
どこまでも、どこまでも黒が続く空間に、立ち竦んでいる。
今まで何をしていたのか、これから何をしなければならないのか、頭にモヤが掛かったように思い出せない。
どこかへ行かなければならないような――けれど、もう良いじゃないか、と、諦めにも安堵にも似た思いがあってずっとずっとその場に立ち竦んでいる。

卜部影路  : ずっと、ずっと――こうしていた気がする。

その場で蹲り、下ばかりを見ていた。
顔を上げたとしても、目に入る星の輝きには手が届かないから――目を焼かれないように、そんなものは見ないようにしていた。

だが――

――希望を、夢を、信じると言った言葉を聞いた。

――蹲る者が立ち上がるまで、傍らで待ち続けてくれる優しさを知った。

――己の弱さを認め、強い己を信じて立ち向かう勇気を知った。

――どれほどの困難が相手でも、己が信念を貫く強さを知った。

卜部影路 :
もはや、顔を上げることなどないと、そう思っていた。
己が見上げる夜闇に星など無いと、そう信じていた。

知っている。
俺の目を焼いたその輝きを。
未だ焼き付いて離れない、彼らの姿を。

だから立ち上がり、けれど――


――もう、夜空を見上げることはない。

卜部影路 :
そこには星があることを知っている。
その星には手が届かずとも、色褪せることなく輝いていることを信じている。
俺が往くこの道は、きっと、苦しくて、辛くて、何度も立ち止まるだろう。
何度も挫けて、何度も蹲り、何度も何度も歩き出したことを後悔するだろう。


――けれど、決めた。

この世界には、幾つもの星が輝いている。見上げれば、きっといつでも、それはそこにある。

卜部影路 : 認めよう。斜に構えて、捻くれて、世界には冷たい現実しかないのだと嘯いていたのは間違いだったと。諦めこそが己を守る唯一の方法だったと、そう信じ込んでいたことは誤りだったと。

――俺は、この世界で生きていく。

俺が終わる、その瞬間まで。この世界こそが、俺の現実だと。
己の生きる場所を決めて、最期まで『生き抜いた』あの人のように――

卜部影路 :

俺は、生きていく。ずっと、最期のその時まで――もう、二度と蹲ることはない。

卜部影路 :

卜部影路 : 「――ッ」

痛み。寝ぼけた意識が全身を走るソレに叩き起こされる。
血に塗れ、全身あちこちがおかしくなっている。オーヴァードでなければ、すぐにでも死んでしまうような傷を、全身に幾つも負っている。

けれど、生きている。

――これからも、この先もずっと、生きるために。

痛みこそが、この世界へ戻ってきたことの証明だった。

東雲 亜梨花 : 「い˝、きてるか……ァ!」

還ってきたついでにうらきちに声をかけておきまぁす

東雲 亜梨花 : 処理をしまぁす

system : [ 卜部影路 ] HP : 25 → -85

system : [ 卜部影路 ] HP : -85 → 11

卜部影路 : 「ったり、前だろうが……そっちこそ、もうヘバッてんのか」

system : [ 東雲 亜梨花 ] HP : 23 → -87

system : [ 東雲 亜梨花 ] HP : -87 → -76

system : [ 東雲 亜梨花 ] HP : -76 → 11

東雲 亜梨花 : ヨシ!

東雲 亜梨花 : 「ンなわけ、ないでしょ……! 影路君よりは頑丈な自信が、ありますが!!?」

ぼろんちょ

卜部影路 : 「……そんだけ、口が回るなら、そっちも大丈夫っぽいな」

けれど、と口の端を吊り上げて言う。

「――まあ、もう俺たちの出番はなさそうだけどな」

東雲 亜梨花 : 「……へへ──あきちゃん、私たちの分までドカンとやっちゃって!」

明花あきる :

 チッ


明花あきる :
 これ見よがしな舌打ちを一つ。

「────────テメェら、説教と言わず後でゲンコツだからなッ!」

 言いたいことは山ほどある。どの口がとか言われても、こればかりは言わずにはいられない。
 しかれども────まずは目の前の、死に損ないのカミサマ風情を冥途に叩き返さねば、夜は明けない!

明花あきる : メジャー:
《コンセントレイト:サラマンダー》
《結合粉砕》
《プラズマカノン》

バフ:
侵蝕率ダイス+4
エフェクトレベル+2

増加侵蝕値:10
ダイス合計:12dx7+1
攻撃力:25(装甲値無視)

ツクヨミノミコト : ドッジ!!!!

ツクヨミノミコト : 1dx (1DX10) > 4[4] > 4

ツクヨミノミコト : さよなら

明花あきる : 哀しいな。まァ容赦なく吹き飛ばすが。

明花あきる : 分かり切ってはいるが────振るぜ!

明花あきる : 12dx7+1 (12DX7+1) > 10[1,1,2,4,4,6,7,7,8,8,10,10]+10[1,4,4,5,9,9]+6[2,6]+1 > 27

翠簾野 夕南 : 《勝利の女神》だ!

ツクヨミノミコト : 12 dxになっているぞ!!!!

ツクヨミノミコト : あ、まだ振ってなかった(ダメージロール

明花あきる : クロスバースト分抜いてダイス二つ増えてるからな。

明花あきる : ダメージは……3d10+25 に勝利の女神加えて 3d10+34 OK?

翠簾野 夕南 : OK!

ツクヨミノミコト : ん?

翠簾野 夕南 : ん?

翠簾野 夕南 : 待って

翠簾野 夕南 : ダメージロールじゃないぞ勝利の女神は

ツクヨミノミコト : 4d10+25では(勝利の女神は判定値足すだけ

東雲 亜梨花 : ほあ

明花あきる : ああそうだ、そうだった。悪ィ悪ィ

明花あきる : いくぜ!

明花あきる : 4d10+25 (4D10+25) > 30[3,7,10,10]+25 > 55

明花あきる : ヒュー。

ツクヨミノミコト : せ、《赤河の支配者》でも、確定で無理……!

ツクヨミノミコト : 倒した! RPどうぞ!

system : [ 明花あきる ] 侵蝕値 : 137 → 147

system : [ 翠簾野 夕南 ] 侵蝕率 : 144 → 292

翠簾野 夕南 :

明花あきる :
 限界だ。いい加減、この体も、心の方も。

 イイか────私は、私はな。自分のために誰かが傷つくのなんてイヤだし。
 自分のした行いを、ソイツの自己満足のために消費されるのも、イヤだ。

 絶対イヤだ。御免被る。

明花あきる :
 きっと多分、オマエらは清々しいカオでもしてるンだろうが……私としては正直、オマエらの頭もまとめて焼き払ってやりたいくらいなンだよ。ああ、もう、ムシャクシャする。
 どの口がとか、言われても。でも、こればっかりは我慢ならない。

 私が命を賭けて土壇場張るのは良くっても、
 ────私の焔で他人がそれをやるのは、全く以て許し難い!

 だから全部、あの死に損ないにぶつけてやるッ!

明花あきる :

        はざま
「歌い、歌えや、 間 のかぎろいッ!」



明花あきる :
 ────────扇子が開く。
 ────────番傘が開く。


 ────────バッ
 ────────パッ

明花あきる :

「廻り、廻って────────」


明花あきる :
 ────────扇子が閉じる。
 ────────番傘が閉じる。


 ────────パチンッ!
 ────────バサササササササササササッ!

明花あきる :


「────────ほむらよ、舞われェッ!!!」



明花あきる :

            轟


明花あきる :
 裂帛の声。
 烈火の嘶き。

 意志に呼応して、掲げられた扇子の先に、散ったはずの燐光が形を作る。
 無数の番傘がその三日月を揺らして、なおもって未だかつてない熱量を急速に収束させ────

明花あきる :
 そうして放たれたのは、幾筋もの閃光だ。
 鋭く、熱く、研がれた、されど嚇熱で以て穿たんとする彼女の「刃」。

 爆ぜるだけが能ではない。ましてや派手なだけが取り柄ではない。明花あきるの焔は変幻自在、流動は稲光が如き閃きを伴い、捉えきることさえ叶わずにその胸を貫く。
 しからば、触れた瞬間の爆発を以て、その真髄たるをカミなる身に叩き込むのだ。

明花あきる :
 そして────────怒涛の絶叫は、
 三日月が冴え冴えと放つ蒼き光の号砲は、
 ただその“声”を痩身に叩きつける。

明花あきる :

「目覚めろ望月、出て来い朔ッ!

 私じゃねェ、テメェらの手で、
 
 ────────その穢れたカミに、引導を渡せッ!」


ツクヨミノミコト :
「──ハハ、ハハハ! 今、貴様らも黄泉路へ送ってくれる!」

 蠢く屍と、不快害虫の群れ。骨と血だけで作り上げられる、死の兵器はもう止まらない。
 庇われたことによって生き残ったようだが、それも無意味。すぐにまた、物量の暴力は展開される。

 一度破った焔など、最早恐るるに足らず。
 打ち鳴らされる扇子/番傘の瞬きの音。それより繰り出される焔の刃など意にも介さず、真っ直ぐに──皮肉にも、最後のぶつかりあいとしては上等な手段で──巨腕を振るった。

ツクヨミノミコト :


「これで、終わ──」

GM :

  ・・・
──ぴしり

ツクヨミノミコト :

「──り……?」

GM :
 ……焔の刃は、呆気なく核と呼べる悪夢を貫いた。
 轟々と黒い瘴気があがり、彼女"たち"に取り憑いていたナニカが噴き上がった──。

望月/朔 : 「───……」

 ありがとう。
 そう口にして、解放された望月/朔は、意識を手放して──。

<クライマックスフェイズ③/刻限/戦闘終了>

GM : さて

GM : ありちゃん!

東雲 亜梨花 : あい!

怨念の集合体 : "──にがす、ものか……"

怨念の集合体 : ”怨みつらみなら、まだある。きさまだ……!"

 轟々と吹き出す黒い瘴気が最後のあがきと言わんばかりに、亜梨花へと取り憑かんと殺到する!

"その体、貰い受けるぞ……!"

怨念の集合体 : Eロイス《愚者の契約》を宣言。対象は亜梨花。

東雲 亜梨花 : うぇ

怨念の集合体 :
 受け入れて憎き敵を滅ぼす力を手に入れるか。
 拒否するか。

選んでください。

東雲 亜梨花 : あ~……あぁ~~~~

東雲 亜梨花 : う~~~ん、契約書確認していいですか

卜部影路 : 受け入れてもいいぜ

卜部影路 : 俺も契約したしな

怨念の集合体 : >>>契約書確認していいですか<<<

怨念の集合体 : えっ、えーっと

明花あきる : 破り捨てろンなもん!馬鹿かオマエは!

卜部影路 : 契約内容確認は大事だろ

東雲 亜梨花 : 受け入れた場合のリスクいかんによっては……だって……

東雲 亜梨花 : う~~~~ん

明花あきる : リスクしかねェだろうがこの節穴ァ!

卜部影路 : まあ、それで何かが起きるなら俺達が改めて止めるだけだしな

怨念の集合体 : 【 Eロイス《愚者の契約》 】
使用者:怨念の集合体
対象:東雲亜梨花

 かつて《月黄泉ノ尊》と呼ばれていた、古代より続く怨念の集合体。
 その身に受け入れた場合、常に自身を苛む負の感情、怨念の声が聞こえるようになる。
 ただし、それを利用することで強い力を引き出すことが可能。

 しかし、日常とは程遠い血塗れの力であるがゆえに、表に出すのは慎重な判断が迫られる。
 さらに封じ込められているとはいえ、以前として衝動に訴えかけるような呪いは健在。
 故に暴走しようものならば──。

①基本侵食率に「+3」されます。
②以下のエフェクトを経験点枠以外で取得します

怨念の集合体 : 【エフェクト《怨恨の鎖》】
最大レベル:1
タイミング:オートアクション
技能:-
難易度:自動成功
対象:単体
射程:至近
侵食値:1~10
制限:Eロイス(※1)
このエフェクトは1シナリオに1度のみ使用可能。
侵食率によるボーナス、エフェクトによる使用回数増加を受けない。
自分が何らかの判定を行ったあとに宣言できる。「1~10」までの数値を宣言し、その数値分を追加できる。
その後、宣言した数値分自身の侵食率を上昇させる。

※1ただしこのエフェクトはEロイスによって取得したものであることには十分に留意すること。

怨念の集合体 : はい(契約書)

東雲 亜梨花 : ほんとに契約書出てきちゃった

明花あきる : 律儀かよ……

怨念の集合体 : 一行解説:ジャーム化するまでは抵抗できるけどジャーム化したらお前の意志を怨念が乗っ取るぜ

卜部影路 : ちなみにこいつ使った場合、侵蝕率以外のデメリットは不明な感じか

怨念の集合体 : イエス

明花あきる : まァそりゃワケわからんチカラだしな

怨念の集合体 : まぁ最後に書いた通り、事実上のFHエフェクトなので、そこらへんのリスクは把握してねってやつ。

東雲 亜梨花 : ……素直に選んでいい?GM

怨念の集合体 : どうぞ

東雲 亜梨花 : ほんとに?

怨念の集合体 : ほんとです

東雲 亜梨花 : うお~~~感謝します

東雲 亜梨花 : では

卜部影路 : まあ、使わなきゃいい話だしな

東雲 亜梨花 : では、向かってくる瘴気に銃を構えかけて、やめます。

東雲 亜梨花 : 「そっか、私が憎いか」

東雲 亜梨花 : 「ならちょうどいいね。

いいよ。一緒に生きよう。私たちと一緒に連れてってあげる」

東雲 亜梨花 : というわけで、腕を広げてウェルカム!
瘴気が入ってくるのに任せます。

どんな感じになるかな

怨念の集合体 : "ッハハハハ! もらいうけるぞ──!!!"

 狂的な笑いを響かせながら、黒い瘴気の集合体が東雲亜梨花を取り込みにかかった。

GM :
 内側に声が響く。
 憎悪の音色が、自我を蝕まんとにじりよってくる。
 気を抜けば、即座に蝕まれ、取り込まれる。

GM : では、意志で振ってもらおう。難易度は8

東雲 亜梨花 : ういす

東雲 亜梨花 : 意思!?

GM : はい

東雲 亜梨花 : 確認なんですけど、ここでタイタス昇華ってできますか

GM : できます

東雲 亜梨花 : いったん素の出目確認してからタイタス昇華でもよい?

GM : 許そう。

東雲 亜梨花 : あざす!じゃあいったん意志で判定するよ

東雲 亜梨花 : 4dx <意志> (4DX10) > 8[1,3,3,8] > 8

翠簾野 夕南 : いった!

東雲 亜梨花 : あぁ!

東雲 亜梨花 : びっくりした

GM : おお

明花あきる : 使わずに済んだな

卜部影路 : そんくらいの覚悟見せてもらわねぇとな

GM :

 ──憎い、滅ぼしたい、壊したい。

GM :
 流れ込む無量大数の悪意染みたものに、しかしなんとかあなたは抗うことが出来た。

東雲 亜梨花 : ──うん、そうだね。許せない、何もかも、何もかも。

東雲 亜梨花 : ──どうして私たちが、奪われて、踏みにじられて、失って。

東雲 亜梨花 : ずっと、それが焼き付いていた。
私はきっと焼けて今もずっと燃えている。

怒り。憎しみ。

私にとってそれは背負うもので、魂だ。

東雲 亜梨花 : だから。

東雲 亜梨花 : 蝕む狂気も悪意も、燃える魂に触れれば焼けて一部になる。
太陽だって所詮星が燃えているだけ。
結果として人を照らせるならそれでいい。

── 一緒に行けるよ。貴方は私、私たち。


東雲 亜梨花 : というわけでグッと堪えてぎゅっと飲み込みます

GM : では、そんな感じで、古くより伝わる怨念の集合体は飲み込まれます。
しかし、気を抜けば、すぐににじりよってくるでしょう。

東雲 亜梨花 : むん!大丈夫だ!背負っていきます

東雲 亜梨花 : 多分もやっと包まれてスゥ~~~っと取り込んで目をつむってたのがゆっくり体から力が抜けてく感じなんですけど、目を開けて自分の意志がちゃんと残ってることを確認します

翠簾野 夕南 : GM! ありちゃんの基本情報って支部長から聞いてるってことで良いんだよな

GM : イエス! 大丈夫です

翠簾野 夕南 : 経歴の話とか

卜部影路 : 「――――」

ソレを、ただ見ていた。呑み込み、背負い、共に行こうとするその姿を。

――人々の願いから生まれた神が、呪いとなり、その呪いすら祝福とするその姿を。

「――東雲」

掌を強く、強く握りしめ――意識して拳を解く。心配、その強さへの嫉妬、無事なことへの安心、自分でも把握しきれない綯い交ぜになった感情を、呑み込む。
   ・・・
「……大丈夫なんだな?」

ただ、強く、胸の奥底で燻るこの炎はきっと――俺は、東雲亜梨花には負けたくないと、そう思っている。

負けていられない――誇れる己になりたいと、そう思っている。



東雲 亜梨花 : 「ン……そう、みたい。もともと大丈夫とは思ってたけどね!」

振り返って、いつものように笑う。
怒られるだろうなとは思っていたから、いやきっと怒られるんだろうけど。間違いない。ちょっとそっち見れないな。

少なくとも今の影路君は怒るというより、信じてくれているのがわかるから、笑った。

東雲 亜梨花 : 「なぁに、心配してくれたの?」

卜部影路 : 「……元々、バカの心配なんかしてねぇよ」

溜息を吐く。思ったよりも熱いそれを吐き出して、力の入らない右腕を上げる。

「お前が、そう決めたんなら、それで良いんだろうよ……」

まだ遠いその背中に、軽く握った拳をぽすんとぶつける。届く場所にいることを確認する。

――一人で先になど行かせないし、絶対に追いついてやる。

翠簾野 夕南 : じゃあそこで……GM、敵の気配はもう残ってないですか?

GM : ない。

GM : 怨念の集合体が取り込まれた時点で、不気味な気配はなくなっている。

翠簾野 夕南 : 《地獄耳》使って慎重に周囲を確認してから、携帯で支部のメンバーを呼びます。

GM : 夜空には我々の知る満月が映っています。

翠簾野 夕南 : 「……………」空を見上げて、目を伏せて、長い長いため息をつく。

尾見俊樹 : 『もしもし! 街の方のジャームの鎮圧は、既に完了しています!』

翠簾野 夕南 : 「了解、助かる。負傷者大量。担架と……」

翠簾野 夕南 : 「手錠と拘束具。よろしく」

尾見俊樹 : 『了解(ラジャー)』

東雲 亜梨花 : 「ひ、ひゃぁ」ちいさくなっておきます

レベッカ : 電話の向こうではエフェクトを解いたレベッカが巻き込まれた一般人の救護を行っているのが聞こえてくる。

翠簾野 夕南 :

尾見俊樹 : 『──例のLuna-02に関しては、叶那さんと、春さんが対応にあたっているようですが……』

翠簾野 夕南 : 「あー、そーか。母さんと春さんが……」

翠簾野 夕南 : 「…………母ちゃん!?」

翠簾野 夕南 : 「い、いや、後で話す! あとで! じゃ、いったん切るぞ!」

尾見俊樹 : 『り、了解』

明花あきる :
「……かあ、さま……?」実母の名前が聞こえた気がして、少しだけ顔を上げる。

翠簾野 夕南 : とにかく。大股で二人に近付きます。

東雲 亜梨花 :

翠簾野 夕南 : ふたりの頭にゲンコツ。

卜部影路 : ぐぇ

東雲 亜梨花 : 「ミ˝!!!!!」

神々廻 京 : 「あら痛そう」

東雲 亜梨花 : 頭抑えてしゃがみますとてもいたい

明花あきる :
「…………」弁護人になる気は無し。

翠簾野 夕南 : 「……。……お蔭さんで、月の狂気は完全に終わらなくなっちまった。なあ、亜梨花?」

東雲 亜梨花 : 「……ひゃい」

翠簾野 夕南 : 「影路。いくら戦略的に正しいからって、あれ二度はすんなよ。……心臓に悪ぃから」

卜部影路 : 「…………俺も、進んではしたくないッス」

父親にもぶたれたことないのに……

翠簾野 夕南 : 「よろしい。よくねーが」

東雲 亜梨花 : 「そうだぞそうだぞ」

翠簾野 夕南 : ごっちん。

翠簾野 夕南 : もっかいげんこつ。

卜部影路 : 「…………」

賢いので黙っておく

東雲 亜梨花 : 「ミ˝ギュ!!!!!」

翠簾野 夕南 : 「………………はあ」

東雲 亜梨花 : 「いやあの……へへ」

東雲 亜梨花 : 「ごめんなさい」

翠簾野 夕南 : 「"アレークト"。今回起きたことの顛末を、全部おれにあとで報告しろ。いいな」

東雲 亜梨花 :

翠簾野 夕南 : 「いいな?」嚙んで含めるように。

東雲 亜梨花 : 「……はい。またのちほど」

翠簾野 夕南 : 「ん」でっかいため息ついてから、最後にふたりの頭をわしわし撫でまわす。

東雲 亜梨花 : 「ウォワワワ」

東雲 亜梨花 : 「ゆ~なさん……?」

卜部影路 : 「…………ぁ、ぅ」

乱暴に感じるのに、不快感は感じない

翠簾野 夕南 :
「怒ってるぞー。おれは怒ってる。すっげえ怒ってる。
 いくら絆(ロイス)があったからって、ちと短絡的すぎだ。
 今回の一件はひとつ残らず報告するからね。だけど、」

翠簾野 夕南 :
「……よく頑張った。おつかれさん」

東雲 亜梨花 : 「   」

卜部影路 : 「…………っす」

東雲 亜梨花 : 「えへへ」

神々廻 京 :
、  ・・
「東雲さん」

東雲 亜梨花 : 「ホァイ?」
褒められたので無警戒で振り返ります

神々廻 京 :
「大体のことは夕南様が仰られたので、わたくしからは一つだけ。
 
 ──もう少し、「賭け事」を学ぶと良いでしょう。
 命はチップじゃない、なんてことは、言わずともでしょうけど」

 余計なお世話だし、的外れと言われればそうなのかもしれないが、
 「なんとかなると思う」というのは、京にとっては「危ない橋を渡る」ことと同じだ。

「……ごめんなさい、わかりづらいかも。
 もうちょっと橋を叩いて渡るって言えば良いかしら……」

東雲 亜梨花 : 「まあ、うん。わかってるつもり、だけど」

神々廻 京 :
「……ここにいない誰かが、あなたが生きることを望んでいる。
 それだけは、忘れないでください。自分の命を天秤にかけるときは、特に」

 自分はそうではない、と言うことを敢えて隠しながら。

神々廻 京 :
「……ふふ、分かってる事を、分かってますから。そこはお気になさらず。
 メイドですので、心配性なんです」

東雲 亜梨花 : 「ふふ、そうだね。ありがとう。京さん。
忘れないようにするよ。お互いにね」

神々廻 京 :
「……」

「……ええ、そうですね」
 微笑みは……少しだけ翳りがあったが。どこか、安堵していた。

明花あきる :
 ……東雲亜梨花が、“選択”をした、あの時。あの瞬間のことだ。

 彼女の焔は、閃光は、ついにカミを名乗る怨念をその器から引きずり出した。紅い月は姿を消し、どろりと濁ったような空気が薄まっていくのを肌で感じて。

 しかし、最早妄執としか表現しようのない狂気が、消え去ることなく東雲へとひた駆ける。
 あきるは、今一度、それを打ち払おうと扇子を振りかけて────

明花あきる :
「ッづ、ァ……ッ!」

 ずぐりと、腹にねじ込まれた痛みが許容範囲を超え、上げかけた腕がびきりとひきつった。
 如何なオーヴァードの身とて、念入りに掻き回された内臓まではすぐには治らない。気力と根性だけでここまで立ち続けていた彼女の体は、もうとうに限界を超えていた。

明花あきる :
 成す術なく、その呪いが飲み込まれていく様を見つめていた。
 初めての「トモダチ」の馬鹿な選択を、
 絶対に、張り倒してでも止めるべきだった愚かな行動を。

明花あきる :
      ・・・・
 ……ああ、それでもコイツはやるんだろうな、と。
 なんとなく、察せられてしまった自分が、心底恨めしかった。


明花あきる :
「この、馬鹿共が! ……あー、もう、クソッ……っとに、!」

 夕南が慌ただしく動き始めたことから、もう周囲に脅威はない、とあきるもまたかろうじて判断した。震える手で手元の番傘を畳めば、《ワーディング》と同時に展開されていた番傘の群れもまた、月光に融けるようにして消えていく。

 しかし、同時に緊張の糸が途切れた。根性と気合で抑えつけてきた痛みがぶり返してきたことで、失血と併せて意識が明滅しかける────それを、悪態をつくことでどうにか保たせた。

明花あきる :
「(ふらつくザマなんざ、アイツらには見られたくねェし────母様にも、デカい口叩いたんだ。
  気絶してぶっ倒れましたなんて報告が行った日にゃ、絶対、呆れられるに決まってる)」

 だから、死んだって倒れない。
 死んだって倒れないから、無茶くらいする。
 怖気づいた結果後悔だけ残るなんて、そっちのほうがよっぽど、死んだ方がマシだ。

明花あきる :
 多分このあと、私も例に漏れず叱り飛ばされるのだろうけども。
 それでも、これだけは譲れない。
 
 痛くても、血が滴っていても、ぼろぼろでも。
 それでも、倒れないのが、明花あきるの矜持だった。

東雲 亜梨花 : 「──! あきちゃん!」

あわわわということで駆け寄るよ

明花あきる :
「……ンだよ、馬鹿野郎一号」

 じと、と目を上げつつも、どうにか気丈さを保つ。それでも声の端に滲んだ疲労は隠しきれなかったことに、内心で舌打ちした。

翠簾野 夕南 : 一号はおまえでしょうが、って顔する。

明花あきる : 無視。

東雲 亜梨花 : 「ば、馬鹿じゃないよ! そっちだってぶすぶすになってるじゃん。ほらぁ!!」

卜部影路 : バカがバカにバカって言ってるな、という顔

明花あきる : 二号の視線も無視。

東雲 亜梨花 : 「みんな、頑張ったんだよ。で、一緒に怒られよ」

東雲 亜梨花 : 「ね?」

東雲 亜梨花 : ふらふらあきちゃんの隣にスッと潜り込んで肩を貸しに行こう

神々廻 京 : 「……支部長って役職、大変でございますね」

翠簾野 夕南 : 「だろ? おれもこうなってから、しみじみ思ったよ」

東雲 亜梨花 : 「」

神々廻 京 : 「お腹に優しい飲み物、探しておきます」

明花あきる :
「…………チッ。上等だ、どうせ私の足じゃ夕南の追っかけは躱せねェし。
 けどな東雲、私からも……あークソ。とかく、言いたいことはヤマほどあるんだ。あそこの死にかけの馬鹿野郎二号にもな」

 回りかけた視界を誤魔化すようにしつつ、言葉を続ける。

明花あきる :
「────報告まで終わりました。で、勝手に消えたら燃やすからな。
 覚悟しとけよ」

 じとりと睨みつけながらも、痩身が貸される肩に抗うことは無かった。

卜部影路 : 「…………」
一番最初に死にかけたやつが言うと説得力が違うなぁと思っている顔

翠簾野 夕南 : 「……そーして。できるメイドさん雇っといてよかったよ」苦笑する。

東雲 亜梨花 : 「それができたら苦労しないよ~、大事な友達たくさんいるもの」

よっこいせ。
あきちゃんの身長に合わせて控えめにかつごう。

明花あきる :
「そうかよ。つゥか、望月と朔はイイのかよ。ほっといて」

神々廻 京 : 「恐れ入ります」 >夕南様宛

卜部影路 : ひとまずはバックトラックだな

東雲 亜梨花 : 「な! そうだ! もちさく!!!いこうあきちゃん」

というわけで半ばひこずってむかいつつ~~~というところかな

明花あきる :
「略してやンなや……忙しねェな、ったく」

望月/朔 : 「zzz……」

東雲 亜梨花 : すややか~~~あんしんした

<バックトラックフェイズ>

GM : と、いうわけで。

GM : ばっくとらっくちゃん「みんな~~~まった~~~~?」

翠簾野 夕南 : まってな~~~~~~~~~い

東雲 亜梨花 : ううんぜんぜ~ん

GM : そんなこと言わずに

GM : (ツクヨミノミコト、Eロイス一覧)
・《衝動侵蝕》
・《究極存在》
・《悪意の伝染》
・《愚者の契約》
・《ありえざる存在》(>>>ナープジャック<<<)
・《ありえざる存在》(>>>領域の盾<<<)

卜部影路 : 6つか、ありがたいな

翠簾野 夕南 : いっぱいあるじゃん! 神! 神だけに!

明花あきる : なんとか戻ってこれそうだな、これなら

東雲 亜梨花 : なのじゃ

明花あきる : オイ出てねェか飲み込んだヤツ

翠簾野 夕南 : 領域の盾もってたんか

卜部影路 : PC1から順番に行くか

GM : イエス

翠簾野 夕南 : へたくそ分は倒してないから加算なしだよな?

GM : あらゆる前提条件無視してツクヨミ殴りかかろうとした場合、問答無用で糸香を盾にするつもりでした。

GM : ないね>へたくそ

翠簾野 夕南 : ヒエエ

GM : メンタルインベイジョンはそのヒントでした。

東雲 亜梨花 : え~~~っと、Eロイスが6つ、所持ロイスが5つ、生還者で3つ……(そろばんぱちぱち

東雲 亜梨花 : 14こ……?

東雲 亜梨花 : ほあ

GM : ナープジャックはシナリオフック用

翠簾野 夕南 : Eロイス分の侵蝕減少ダイスは振らなくてもいいよ。振らなかった分はいっこにつき1点経験点加算だ

翠簾野 夕南 : ロイスの分の侵蝕減少ダイスは絶対に振らなきゃだめだけど

卜部影路 : Eロイス使用しなくてもいいと思うぜ

翠簾野 夕南 : 亜梨花の場合は120%で戻ってこれるからな

明花あきる : 東雲は十分戻れるだろ

GM : それは不死者では?

GM : >120%

翠簾野 夕南 : あそっか

翠簾野 夕南 : それは春日だった

明花あきる : ヤベーのは私と夕南と卜部。

翠簾野 夕南 : さきにおれがやろうか? お手本的に

東雲 亜梨花 : たすかり

神々廻 京 : たすかり

明花あきる : いんじゃね?夕南センセー。

翠簾野 夕南 : まあこれが……一番問題なんだけどな!

翠簾野 夕南 : Eロイス……これ全振りだな。

翠簾野 夕南 : ん-……

翠簾野 夕南 : Eロイス分は5個振る。行くぞ。

翠簾野 夕南 : 5d10 (5D10) > 16[7,6,1,1,1] > 16

明花あきる : ウワ

GM : ひっく

system : [ 翠簾野 夕南 ] 侵蝕率 : 148 → 132

卜部影路 : 夕南さん……

東雲 亜梨花 : ヒィ

翠簾野 夕南 : 二倍振りする。

翠簾野 夕南 : 5個だから、10個になるわけだな。いくぞ。

翠簾野 夕南 : 10d10 (10D10) > 44[6,5,2,5,9,1,5,7,2,2] > 44

翠簾野 夕南 : あっぶね

卜部影路 : ギリギリだな……

東雲 亜梨花 : これがおてほんですか

system : [ 翠簾野 夕南 ] 侵蝕率 : 132 → 88

GM : Eロイス5個もあって1三つは運命に呪われてると言わざるを得ない

翠簾野 夕南 : 追加振りしなかっただけよしとする! というわけで帰還成功だ。

明花あきる : ヒュー。

卜部影路 : よし、次は俺がいこう

卜部影路 : 俺も……Eロイスは全部振らないときついな

卜部影路 : 6d10 (6D10) > 37[3,7,3,9,7,8] > 37

翠簾野 夕南 : 逆に減りすぎそうな数値だな!

GM : 勝ったな。風呂はいってくる

卜部影路 : くっ、俺はいつもこうだ……戻り過ぎちまう

system : [ 卜部影路 ] 侵蝕率 : 142 → 105

明花あきる : 戻らねェよりマシと考えるべきか、微妙なラインだよなァ

卜部影路 : mou

卜部影路 : もう確定だな

卜部影路 : 5d10 (5D10) > 23[2,8,1,2,10] > 23

明花あきる : いきすぎだな……

system : [ 卜部影路 ] 侵蝕率 : 105 → 82

GM : 別の意味でギリギリだな

明花あきる : じゃあ次私イイか?

翠簾野 夕南 : いいぞ!

卜部影路 : いいぜ

明花あきる : 侵蝕値激ヤバ三連星。イヤだな……

明花あきる : Eロイスは……ンー。5個で行くか

明花あきる : 5d10 (5D10) > 24[7,1,8,5,3] > 24

明花あきる : 期待値!

system : [ 明花あきる ] 侵蝕値 : 147 → 123

卜部影路 : 期待値は……危ないぞ

GM : 期待値は危ないぞってゆーなさんのダイスが

翠簾野 夕南 : そうだぜ!

卜部影路 : 追加振りするよりは、二倍のほうが良いぜ

明花あきる : もう振っちまったモンはしゃあねェだろ。なるようになるさ

卜部影路 : この後の話だぜ

明花あきる : ……ホントだ。2倍だと3保証だが、追加振りだと0なんだな

翠簾野 夕南 : そうだぜ。

GM : イエス。

明花あきる : これもし30以下になったとして、経験点3から2に下がったりはするのか?ちなみに。

GM : 優先度は倍振り追加振りの方が高いんだっけ

翠簾野 夕南 : そのはず

GM : じゃあないです>30以下で2に下がる

明花あきる : オッケー。じゃあまァ、追加振りするよりマシだな。Eロイス1個残してるし、2倍振りで10個。

明花あきる : 10d10 (10D10) > 52[5,6,4,5,2,5,3,10,10,2] > 52

翠簾野 夕南 : 期待値!

system : [ 明花あきる ] 侵蝕値 : 123 → 71

明花あきる : ってワケで、Eロイス1個余らせて無事帰還だ。上々。

神々廻 京 : わたくし

明花あきる :

翠簾野 夕南 : 顔顔

神々廻 京 : スッ

神々廻 京 : ロイスは……へたくそさんをタイタスにしたので4つ、ですか

神々廻 京 : 先に素振り!でよろしいでしょうか

卜部影路 : これはロイスをむしろ取らないというウマウマプレイングをしてきたな

翠簾野 夕南 : Eロイスはどうするんだ?

卜部影路 : 素振りで戻りきれそうだが

神々廻 京 : んん〜〜〜〜

卜部影路 : Eロイス温存の素振り、よほど下振れしない限りはイケルと思うぜ

神々廻 京 : ……温存、行きますかッ

神々廻 京 : 4d10 (4D10) > 29[10,4,6,9] > 29

翠簾野 夕南 : よきよき

明花あきる : 余裕だな。

卜部影路 : さすがの瀟洒なメイドだ、余裕だぜ

system : [ 神々廻 京 ] 侵食値 : 112 → 83

東雲 亜梨花 : よお~~~し私も素振りだ

神々廻 京 : 楽ちんでございます。いぇい

東雲 亜梨花 : ぴすぴす

東雲 亜梨花 : 8d10 帰るぞ (8D10) > 40[8,8,4,2,1,5,10,2] > 40

明花あきる : ……回ったなァ

GM : 余裕だな

卜部影路 : ちょうど期待値だな

GM : というわけで全員無事帰還ですね!

翠簾野 夕南 : わぁい

東雲 亜梨花 : [浸食値]-40

卜部影路 : :これの半角だ

神々廻 京 : やったぜ

東雲 亜梨花 : 侵食値:-40

東雲 亜梨花 : gili

明花あきる : 前前

卜部影路 : :侵蝕率 だぜ

system : [ 東雲 亜梨花 ] 侵食値 : 115 → 75

東雲 亜梨花 : できた~~~

明花あきる : エライエライ

system : [ GM ] おひつごはん : 10000 → 9900

GM : なるほどね

翠簾野 夕南 : ????

明花あきる : なに?

GM : では、エンディングフェイズです

GM : ◇◆◇◆◇

<エンディングフェイズ①/マスターパート/同時刻>

GM :

<エンディングフェイズ①/同時刻>

翠簾野叶耶 :
「ふーーーーー……」

 月の狂気が消え去った。
 赤い月が解けると同時に、これまで保っていた黒澤秋人の妄執が砕け散った。
 大方、何かの精神的作用によって増幅させられていたのだろう。精神的支柱が折れてしまえば、こうも脆いものかと、嘆息せざるを得なかった。

「少し、悲しくもありますね。ねぇ? 春」

明花春 :

「どうでもいいことです」

 何度切り刻んだかなど数えていないが、最後の方ではほぼ消化試合だった。
 叶那が防御にまわりながらも攻撃し、春が攻撃しながらも防御に回る。
 形成は完全にひっくり返り、追い詰められていた秋人に限界が来た。ただそれだけのことだ。

明花春 : 「……私は帰ります。エルの茶が冷める。どうせすぐ帰るだろうと根拠のない予測を建てているに違いない」

 やることが終われば、此の通りだ。
 眼前で意識を失い、転がるそれには目もくれない。それどころか視線で、「連絡をつけてください。叶那。それの処理はお前たちの担当でしょう」とまで促すほどだ。

翠簾野叶耶 : 「あら、もう少しゆっくりしていけばいいのに。あきちゃんに挨拶とか」
「必要ありません。どのみち、向こうから報告に来る。その時に、交わせばいい」

 ほんとに、素直じゃない人なんだから──ああいや、素直さを感じる部分を削ぎ落としてしまった? などと考えながらも、叶那はスマートフォンで一報を入れる──。

GM : ◇◆◇◆◇

<エンディングフェイズ②/翠簾野夕南/事後処理其の一>

GM :

<エンディングフェイズ②/事後処理其の一>

GM : 確定登場PC:翠簾野 夕南
他:自由

翠簾野 夕南 : うっす!

GM :  ……結局、治療、及び夜も更けているということで、一旦休息の運びとなった。
 街での被害状況の整理、その過程で捕縛されたというLuna-02──黒澤秋人がUGNに連行されたこと。
 その他諸々を含めた事務的な処理を終えた上での翌朝である。

尾見俊樹 : 「支部長。──ひとまず、望月/朔に関しては精密検査のため入院。
 レネゲイド濃度が安定していると判断した上で、カウンセリングの結果如何では、UGNの管理下の元で、ある程度自由にさせてよい。……というのが、霧谷支部長の判断でした」

尾見俊樹 :  望月/朔に関してだが、彼女らを蝕んでいたツクヨミノミコトの、東雲亜梨花への移譲による脅威の喪失。
 それにともない、望月への害がひとまず消えたことによる朔の態度の軟化──ないし、ジャームの危険度を判断する「欲望数値」の低下も相まって、そのような判断が下された。

尾見俊樹 : 「とはいえ、表向きは朔はジャーム。僕らの支部で一旦預かり、という形を取るのが最善と思われます。いかがでしょうか?」

翠簾野 夕南 : 「………………」のそ、と資料の山から顔をあげる。

尾見俊樹 : 「起きてます? そもそも生きてます?」

翠簾野 夕南 : 手をひらひらする。

翠簾野 夕南 : 「……裏工作、がんばったもんなあ……」突っ伏す。

尾見俊樹 : 「……」 遠い目

翠簾野 夕南 : 「朔の処遇に関しては、当初決めてた通りだ。それでいいと……思うんだけどさあ」

翠簾野 夕南 : 「……問題は亜梨花だ。……あいつの中にある、月の狂気」

翠簾野 夕南 : 突っ伏したままもごもご言います。

尾見俊樹 : 「……月の狂気、もとい遺産(レガシー)《八尺瓊勾玉》については判明していない部分も多い。
 UGN内では、昭和初期に破壊された結果、甚大な被害を撒き散らしたという遺産(レガシー)《両面宿儺》の件を挙げる者も多い」

尾見俊樹 : 「しばらくは監視が必要になるでしょう。そして、最悪の事態に備える必要も、同じく」

翠簾野 夕南 : 前本支部長のことについては知ってるんだよな?

尾見俊樹 : 知ってますね

翠簾野 夕南 : おけ。

翠簾野 夕南 :
「……それを、マスターマインドの器の傍にいさせるのはリスクが高ぇな。
 あの人がっつーより、その采配をした霧谷さんを叩く勢力が出てくる。でしょ」
 ローザ・バスカヴィルの部下であることを理解しながら。のそりと顔だけちょっと上げて視線を俊樹に向ける。

尾見俊樹 : 「──"バスカヴィルの魔犬"は公平だ。リスクだけを見てリターンを無視することはなく、その逆も然り。その気になれば"異端審問官"を送り込むことも視野に入れるでしょうが……問題は、評議会の連中ですかね」

尾見俊樹 : 「遺産絡みに関して、タカ派の連中が動き出したとの話もある」

翠簾野 夕南 : 「……遺産と言えばナイトフォールだけど、あっちさんも連中に目をつけられてる。遺産がらみで、必要以上に刺激させるのもリスクたけーな」

翠簾野 夕南 : 「…………」

翠簾野 夕南 : 「……なー、俊樹。あの子のこと、うちにいったん引っ張りたいつったら怒る?」

尾見俊樹 : 「構いませんよ」

尾見俊樹 : 「元より、無茶には慣れている」

翠簾野 夕南 : ぱちくり。

尾見俊樹 : 「なにか」

翠簾野 夕南 : 「………おれがこう言うの、予想してた?」

尾見俊樹 : 「どうせ、関わった以上は自分の見えるとこで守りたい、というのが本音なのでしょう?」 はぁ

翠簾野 夕南 : 「…………………」

尾見俊樹 : 「それに、O市の《イワナガヒメ》の一件において、別の組織の活動が確認されている。
 ……手元に置いておく方が、やりやすくていい」

 前本支部長だとふとしたときに何が起きるかわからないという顔。

翠簾野 夕南 : 「…………、…………」頭がしがし掻く。

翠簾野 夕南 : 「……さんきゅ、俊樹。おまえがそーゆーやつで助かったよ、マジ」

尾見俊樹 : 「長い付き合いですから」

翠簾野 夕南 : じゃ、そーゆーことで、と顔をあげてバシバシキーボード叩き始める。良い感じの言い訳を錬成!

尾見俊樹 : 「それで、獅童糸香に関してですが──」 といった感じのところで、インチャ~ホンが鳴るのかな。

翠簾野 夕南 : そーね。

東雲 亜梨花 : 「おじゃましまぁ!」

東雲 亜梨花 : あっかお

東雲 亜梨花 : 「おじゃましまぁす!!」

東雲 亜梨花 : げんきもりもりなので元気に入ってきます。
入り口でちゃんとゆ~なさんに用があることも伝えます

尾見俊樹 : 「ああ、噂をすると重要人物」

尾見俊樹 : 「どうぞ。今、執務室で缶詰ですよ」

東雲 亜梨花 : 「わ~支部長っぽい」

翠簾野 夕南 : いいよー、と手ぇふりふりする。

東雲 亜梨花 : 「こんにちは、ゆ~なさん!
身体の方はもう大丈夫?」

翠簾野 夕南 : 「そりゃこっちのセリフな。経過は聞いてるけど、どこもなんともないよね?」

東雲 亜梨花 : 「そりゃもう!とくにかわりなく!
ご飯もおいしい!」

尾見俊樹 : 「やかましいくらいに元気そうでよかった」

翠簾野 夕南 : 「あ、なんか飲むか。麦茶で良いよね」といいつつ魔法瓶からコップに注いで麦茶だすぞ。

東雲 亜梨花 : 「やった~ここまで走ってきたからちょっと喉が」

尾見俊樹 : 「──で、我々としては、ちょうどよかったといいたいのですが、あなたの方はどういう要件でしょうか」

東雲 亜梨花 : 「んとね、糸香ちゃんのことなんだけど」
尾身君の方をちらっと

翠簾野 夕南 : 「……………」

翠簾野 夕南 : 「……俊樹、人払いしといてくれる?」

尾見俊樹 : 「ああ、その話の途中でしたね。ええ」

尾見俊樹 : では、外にいる者たちにどこか別な場所で仕事するようにと伝え、戻ってきます。

東雲 亜梨花 : 「ありがとう、支部長助手さん」

尾見俊樹 : 「……」 支部長助手……

東雲 亜梨花 : 「」

翠簾野 夕南 : 「まあ、意味的には間違ってねーから……」

東雲 亜梨花 : いけないまだぎゃぐ落ちの時間ではない

翠簾野 夕南 : もうちょいがんばれ

東雲 亜梨花 : こほん、と咳払い。
ゆ~なさんに真面目な顔で向いて居ずまいを正すよ

東雲 亜梨花 : がんばる

尾見俊樹 : 「──獅童糸香に関してですが、ひとまずは検査入院とさせていただいております。
 報告書を読ませていただいたところ、肉体から精神に作用する異能に暴露したということもあり、その点も含めて後遺症がないか検査中です」

東雲 亜梨花 :

東雲 亜梨花 : 「そっか。今のところはよかったのかな。
うん、生きててくれてよかった」

東雲 亜梨花 : 「一応、前置きをします。
私はこれでも支部長の指示には従うよ……おおむね。

だからこれからどういう判断をしてもきっと納得すると思う。」

東雲 亜梨花 : 「でも、ゆ~なさん。大事な人を2度も殺されたあなたには聞いておきたいの。いい?」

尾見俊樹 :

翠簾野 夕南 : あストップ。

翠簾野 夕南 : 亜梨花の話聞いてから処遇の話入れたい。いいか?

尾見俊樹 : あ、了解です。

東雲 亜梨花 : たすかり

尾見俊樹 : であるならば、一応今の所はこんな感じで固まってるということだけ覚えておいてください。

東雲 亜梨花 : は~~い

翠簾野 夕南 : 「……聞くよ。亜梨花はどうしたい」

東雲 亜梨花 : 「私が決められるのは友達としてだけ。でも、貴方は違う……少なくとも私にとっては」

東雲 亜梨花 : 「夕南さん、獅童糸香のことを怒ってる?」

翠簾野 夕南 : 「……………」

翠簾野 夕南 : 「…………そーね。ごまかすほうが、おまえには悪いか」

翠簾野 夕南 :
 重いため息をつく。
 自分のいやなところを直視するのは、あんまり気持ちいいことじゃない。それをする相手が年下なら、なおのことだ。
 だけど……彼女は"アレークト"だ。誤魔化せることじゃなかった。

翠簾野 夕南 :
「心の底から怒ってるよ」

東雲 亜梨花 : 「うん」

東雲 亜梨花 : 「……憎い?」

翠簾野 夕南 : 「どう、かな。わからん。そこは自信ねーや。恨みを叫ぶのも楽じゃねーの」

翠簾野 夕南 : 「わかるでしょう、亜梨花。そういうの、まわりのことを取っ払わないとつくるのがちょっと大変なんだ」

東雲 亜梨花 : 「そうだね、夕南さんの周りには、たくさんのものがあるから。いろんな積み上げてきたものも、気持ちも、大事なものも、優しい人も」

東雲 亜梨花 : 「復讐したいって思う?」

翠簾野 夕南 : 「そりゃ、ねーな。…………」

翠簾野 夕南 :
「一度。やったことあるよ。
 気持ち良くはなかったし、すっきりもしなかった。それで全部だ。だから、もうやらないかな」

東雲 亜梨花 : 「…………そう。安心した。糸香ちゃんのこともそうだけど、夕南さんならきっとゆっくり弔っていけるね。その気持ちごと、いつか」

翠簾野 夕南 : 「……ま、今回の彼女の采配については納得してないけどね」

翠簾野 夕南 : 肩をすくめます。

東雲 亜梨花 : 「でしょうとも、たくさん怒ってあげて。あの子のためにも、みんなのためにも。

気持ちはぶつけ合ってなんぼだもんね!河原で決闘するとか……水に石投げるやつで!」

東雲 亜梨花 : 満足と安堵したのでお茶をのみまぁす

尾見俊樹 : 「決闘と水切りを等価にしないでいただけますか?」

翠簾野 夕南 : 「しねーよ。そーゆーのはおれがやることじゃねーでしょ」

東雲 亜梨花 : 「水切りできないの!!?」

翠簾野 夕南 : 「そっちにかかった話でもねーから……」

尾見俊樹 : 「は?」 やれるがという顔

翠簾野 夕南 : 「そこでムキになるなっつの」

東雲 亜梨花 : 「そ。お兄さんも大変だね」

翠簾野 夕南 : 「そーだぞ、弟よ」

尾見俊樹 : 「上等だアレークト。この辺りにいい河が流れてるんですそこで勝負といこうじゃないですか──」

明花あきる :
「────なァにガキみてェな話してンだ、丸聞こえだぞオマエら」

尾見俊樹 : 「──コホン」

翠簾野 夕南 : 「アホめ」

明花あきる :
「水切りがなんだって、騎士殿?」

尾見俊樹 : 「なんの用ですか探偵殿?」

東雲 亜梨花 : 「うおおおまあ私は水切りやったことないけ──あきちゃん!」

翠簾野 夕南 : 「で、あき。人払いしてたつもりだったんだけど、わざわざ来た理由は亜梨花と同じか?」

東雲 亜梨花 : 「」

翠簾野 夕南 : たぶん地獄耳つけてるからきこえてた。

明花あきる :
「ックク、誤魔化すのヘタクソだなァオマエ────応とも。獅童のことと、あとはまァ、イリーガルとしてな。邪魔するぜ」猫のごとく入り込んでするりと座り込む。

尾見俊樹 : 「……そういえば、まだ言ってませんでしたね。処遇については」

明花あきる :
「グッドタイミングってところか? この感じ」

翠簾野 夕南 : GM!

尾見俊樹 : はい

翠簾野 夕南 : ゆーなは会長の処遇についてあんまりローザにくっつけるのを避けたいと判断してそう進言した……はずだ! ねんのため!

尾見俊樹 : あれ? ありちゃんともちさくの話じゃなくて?

翠簾野 夕南 : あっちがう ありちゃんともちさくもそうなんだけど

翠簾野 夕南 : 会長についてはエージェントにすぐ転身させちゃう方針をゆーなはあまり受け入れたくないかなという

翠簾野 夕南 : そういう話をしそこねてた

東雲 亜梨花 : するがよい

尾見俊樹 : ああ、なるほど。

尾見俊樹 : 「マスターマインドの精神暗示に関しては、これから西崎先生がカウンセリングと異能療法で解除していく。治療プランとしてはこうなっています──それで、完全に治療が完了したらですが」

東雲 亜梨花 : ごくり

明花あきる :
「…………」

尾見俊樹 : 「家族に記憶処理を施した上で、P市を離れさせて人間関係に一度整理をかける。行動療法としての、西崎先生の治療プランです。
 おそらく予定どおりにいくならば、首都圏から少し離れた大学にそのまま進学、でしょう。このことに関しては本人とも了承済みのことです」

西崎夢 : "……彼女の場合、精神的な問題で、絆(ロイス)を絆(ロイス)と取れない状態が続いている。長い時間をかけてゆっくり治療するしかないが、現状があんまりにもあんまりでね──"

 UGNの方針は、基本的にはジャームの討滅と、ジャーム化を食い止めることだ。
 本人との面談の結果、新しい関係性を築くことを優先するということで纏まった。

 其の上で──。

尾見俊樹 : 「──ノイマンシンドローム故に発症した病を治療するのは、身近にオーヴァードがいる環境に置くに限るとあります。
 保護観察付きでUGNに起用するという案も、持ち上がっている、とだけお伝えしておきます」

翠簾野 夕南 : 無言で肩をすくめます。

東雲 亜梨花 : ソワ

明花あきる :
「────ふゥん、そうか。まァ妥当だな。ジャームじゃねェ以上凍結も通らない、かといって罪状に囚われて腐らせておくには人手が足りなすぎる。
 なら、監視しつつコキ使うってのは、症例が症例なだけにイイ建前だとは思うぜ」

尾見俊樹 : へたくそは凍結です

明花あきる : カワイソー。

尾見俊樹 : 「オーヴァードの存在を露呈させずに確実に裁く司法は現状存在しない上に、ジャームでない者に対し凍結処分や処刑といった手段をとるのは、倫理機関にかけられる。
 かといって野放しにしておけば"神の報復(フラガラッハ)"や"異端審問官(アンチ・キリスト)"の派遣を招きかねない。
 ……現状、これがもっとも有効である正しい裁きです」

明花あきる :
「すこぶる理性的だ。否やは無い。────けどよ、これだけは言っておこうか」

 閉じた扇子が一振り。正した姿勢が、すぅ、と小さく息を吸い込んで。

明花あきる :
「アレを、飼い殺しにはするなよ。それは“マスターマインド”────
 ・・・・・・・
 天船巴と同じだ。分かるな」

翠簾野 夕南 : 「……………」

翠簾野 夕南 : 「罪に罰を与えることは、社会の道理だよ。あき」

明花あきる :
「そりゃそうだ、当然だ。罰は必ず罪に追いつく。償いは、必然だ。
 だから、獅童糸香は。
 夜辺甚五郎を殺した罪を、贖わなきゃいけない」

 一生かけてでも。
 その心が、いつか罪の重さを識ったとしても。
 潰されかけたとしても。

明花あきる :
「────けどよ。
 罪は、個人の意志を殺して、道を閉ざしてイイ理由にはならない」

東雲 亜梨花 : 「あきちゃん」

明花あきる :
「何だ」

東雲 亜梨花 : 「だいじょーぶだよ。ゆ~なさんは痛みを知ってる人だから。私たちにはおしえてくんないけど……」

じと~なのかにや~なのかよくわからない視線を送って

東雲 亜梨花 : 「でも、信じていいんじゃないかな
 あきちゃんの幼馴染だもん」

東雲 亜梨花 : 「あと代理じゃなくてものほんの支部長だし、あ!助手もいるし!」

明花あきる :
「……ついでみたいに言ってやンな、そこの激務で潰されかけてる騎士殿を」

東雲 亜梨花 : 「激務の騎士」

尾見俊樹 : 「そうですけど?」 中間管理職特有の今この場での板挟みの心労を優しい奇跡辺りで押し付けたい顔

東雲 亜梨花 : 「えへへ~信じてるぞ~とってもしんじているからな」

明花あきる :
「カワイソ。……別に、信用してねェワケじゃねェよ、オマエらのこと。
 ただ、こればかりは。元人形として、言っときたかっただけだよ。
                 ・・
 ────『生かす』と決めたらば、人間として扱え。
 それが道義だ、それが人道だろう、ユニバーサルガーディアン。

 ……ってな」

 まァ、オマエらに言ったとこでどうこうなる話なのかまでは、知んねェケド。

翠簾野 夕南 : そっと苦笑します。

翠簾野 夕南 : 「おれの判断で、彼女の処遇をどうにかできるわけじゃないよ。残念ながらね。これはUGN(うち)の総意だし。人間として扱わずにおれたちは動けない」

明花あきる :
「そォかい、そりゃ結構。糸が人に絡みつくトコなんざ、例え他人でももう見たくねェからな。
 ……一回この市から出すってンなら、その前に面会は出来るか? 預かり物を、返さなくちゃなんねェ」

尾見俊樹 : 「ひとまず、話は纏まったみたいですね。
 面会については、可能ですよ。まだしばらく治療のため、この市にはいますから」

東雲 亜梨花 : やった~~~~

明花あきる :
「ン。じゃァまた、日を改めてだな」

翠簾野 夕南 : 「……あ、そうだ。あき」

尾見俊樹 : 「──それと、例の報告書に関しては、あなたご自身の手で渡せと、あなたの母上からのお達しでした」(手渡します)

翠簾野 夕南 : 「甚さんの手帳ってまだ持ってる? 貰っていいかな」

明花あきる :
「……ま、そう来ると思ってたさ。だから母様ンとこ行く前に寄ったんだ。助かるぜ、尾身」

 肩を竦めつつ、扇子を膝の上に置いて受け取って。

明花あきる :
「あァ、それについても渡そうと思ってたトコだ。つゥか、図書館からガメられたモノ以外についちゃ、正直処分に困る。それも込で引き取ってくれ、手配はしてあるからよ。

 ……ただ。『じん』の手帳だけは、オマエに直で渡したかったから。
 持ってきた。夕南」

 懐のポシェットから、二冊あるうちの一冊を取り出して、手渡す。夜辺甚五郎の手帳。
 ……もう一冊は、明花冬三朗の手帳。

翠簾野 夕南 :
「ん。さんきゅ。
 これはさすがに警察に知られちゃまずいし、うちで貰った方が良いね」
 にっこり笑って、手帳を受け取ってから。

翠簾野 夕南 : 離れる前にあきの手をつかみます。

明花あきる :
「……あンだよ」きょとり。

翠簾野 夕南 :
「……甚さんを、後ろからナイフで一突き」

翠簾野 夕南 :
「おまえを、正面からナイフで一突きだ」

尾見俊樹 : 「……」

翠簾野 夕南 :
「おれは、おれの大事なものを無責任に奪って、奪いかけた彼女のことを許すつもりはないし。
 おれ以外の大事なものを、きっとそうやって無責任に奪った彼女の罪状を、軽くとらえるつもりはないよ。ひとりの人間として」

東雲 亜梨花 : 「……」

翠簾野 夕南 :
「いくら背景がどうあれ、その行為を続けたのは彼女自身の意思だ。
 人形なんかじゃない。当然でしょう。彼女は人間なんだから」

翠簾野 夕南 :
「重ねたつもりは、きっとないんだろうけど。おまえが刺された時……おれは、甚さんの死に際のことしか思い出せなかったよ。あき」

翠簾野 夕南 : ぎゅっと手を握る。

翠簾野 夕南 :
「それだけ。
 彼女はしかるべき手段で、彼女の罪を償う。おれが許せる、許せないの話じゃないし、彼女が人形かどうかじゃなくって。彼女自身がつけるべき落とし前として。それに、おれは納得しているつもりだよ」

明花あきる :
 ぱちり、と蒼氷の瞳が一つ瞬いて。
 ……握る手を、それごと包むように。
 膝立ちして、彼女は彼を、抱き締めた。

明花あきる :
「……悪かった。けどよ、私はちゃんと生きてる。心臓が動いてるの、温度があるの、分かるだろ。サラマンダーの生み出す熱じゃなくて、私本来の熱が。

 生きてるよ、夕南」

明花あきる :
「ケド。無茶を二度としない、なんてことァ確約できねェ。テメェがそうであるようにな。
 “やらねば”と断じたならば。
 “できる”と信じたらば。

 私は、“やる”よ」

明花あきる :
「……でも、オマエが獅童を『人形』扱いしなかったのは、嬉しかった」

明花あきる :
 この幼馴染は。
 私を「人間」として扱ったように。
 どれだけ怒りを抱いていても────
 獅童糸香を、「人間」として扱ってくれるのだと分かったから。

明花あきる :
「なら、それでイイ。それだけでイイ。赦せなんざ、言わねェよ」

 な。

明花あきる :
 にこりと一つ笑みを零して、そのまま抱え込んだ橙色の頭をわしゃわしゃと掻き回す。
 身長差的になかなかできないから、こういう時にやっとかないとな。

翠簾野 夕南 :
「…………」

翠簾野 夕南 :
「お前と彼女は別人だって。
 だけど、うん。まあ、そうだな。境遇としてそう思ったのは、わからなくもねーかな」
 苦笑しつつ甘んじて受けます。

翠簾野 夕南 : じゃあ、ここでいったん切っていいか? どうだ。

明花あきる : 問題無し。

翠簾野 夕南 : あとは~っおれもやり残しを終える!

翠簾野 夕南 : 具体的には甚さんの墓参りをひとりでやる!

尾見俊樹 : ホァイ!

翠簾野 夕南 : ヨシ!

翠簾野 夕南 : 考えながらかきやす。場所は翠簾野んちの神社、P市支部の共同墓地にある甚さんの墓前だ。

翠簾野 夕南 :

 夜、月明かりが見守る共同墓地。伴は誰もいない。

翠簾野 夕南 :
 かちり。金属の擦れる音と火薬のにおい。火をつけた煙草の煙を見送る。
 あの人の好きだった軍用たばこだ。モルフェウスのオーヴァードに頼みこんで、つくってもらうのも相当苦労した。
 ちょっと考えながらそいつに口をつけて、あんまり煙かったからやめる。やっぱり趣味じゃあなかった。あきらめて、そっと墓前に供えた。

翠簾野 夕南 :
「これで、あんたのやり残しはきっと終わりだ。
 亜梨花はきっと、彼女なりのやり方で恨みと付き合ってゆける子で。
 あれと同じ狂気に呑まれそうになっても、おれたちが止めるから」

翠簾野 夕南 :
 それから。ジッポライターで、そっと甚さんの手帳に火をつける。
 弔いのほむらが天に昇って、彼のやり残しが灰になって流れてゆく。
 中身はばっちり覚えて、1ページも忘れちゃいない。神社の様式とはちょっと違うが、神様だって大目に見てくれるだろう。

翠簾野 夕南 :
 慎重に炎の行き先を辿って、燃え移らないよう確認してから数刻。
 灰を拾い上げた。持ち込んでいた小さな瓶に、可能なかぎり詰め込む。
 あの戦争で受け取ったドッグタグと同じチェーンに繋いで、ぎゅっと握った。

翠簾野 夕南 :
 上ってゆく煙を目で追いながら、ささやきかける。
 声になっているかもあやしい、この墓の主にだけ聞こえていればいい言葉。

翠簾野 夕南 :

「……おれさ、支部長、ちゃんとやれてるよ」
「剣、ちゃんと振れるようになったんだ」
「戻ってきたばかりのころは、本当にひどかったのにな。あぶねえからって、あんたに止められて。ろくに振らせてもらえなくってさ」

翠簾野 夕南 :

 だけど、痛みは消えない。

 あの日夕暮れにこびりついた彼女の肉と血も、
 おれが切り裂いた命の重みが、おれ自身に牙をむいたあの日も、
 おれを日常に留めてくれた大きな陽だまり──いいや、おれを夜に沈めてくれたやさしい人の影が、ある日突然前触れもなく消えたあの日だって、同じ刃が幼馴染の腹を抉った日だってそうだ。

 忘れられはしない。一生、この目は忘れやしない。

翠簾野 夕南 :
「あんたを殺した人を、殺したいって言わずに済んだよ」

「マリアを殺した奴に、怒って斬りかからずに済んだ」

「……ちっとは、大人になったって思う? それとも、ガキが背伸びするんじゃねえって怒るかな」

翠簾野 夕南 :

 もう一度起き上がるには、やっぱりちょっとは無理しなきゃいけなかった。

 厭だ、
 怒れ、
 斬れ、
 おれの陽だまりを奪ったものと壊れるまで闘争しろ。
 暴れまわる子どものかんしゃくを収めたときは痛くって仕方なかったけど、だけどやり切れた時には少しだけ前に進めたような気がしたんだ。
 それを、あの人はどう思ったろうか。神のみもとに返ったあの人は、おれを見下ろして笑っているだろうか。

翠簾野 夕南 :
 夜辺家。彫られた名前を指でなぞって、たえきれなくなってうつむいた。
 なあ。
 一度ぐらいは、いいだろ?
 ここ、誰もいねえし。子どもに戻ったって、見守るのは神ばかり。

翠簾野 夕南 :
「……もう、あんたに稽古をつけてもらえない」
「あんたと酒盛りして、くだらない話で笑えもしない」
「もう、あんたと子どもたちの教育方針で揉めることもなければ、
 こっそりおやつをねこばばしたあんたをしかり飛ばすことも、できないよ」

翠簾野 夕南 :
 ぽとりと雫が落ちた。たったひと粒。
 落とした甘えを、いまだけはゆるされると信じて。そっと目を閉じた。喉がきゅっと縮まった感じがして、身体が冷える。

翠簾野 夕南 :

「──さみしいよ、甚さん」

翠簾野 夕南 :
「でも……でも。あんたは、きっと笑い飛ばしてさ。
 酒飲んでぶっ倒れて起きたら笑って前向けって、そう言うんだ」

翠簾野 夕南 :

「……うん。だから、そうする。
 あんたの遺したもの引きずって、笑って前向くよ」

 つくった笑みは不格好だったけど、気持ちは伝わったはずだった。遠い空の向こう、神のみもと。いつかたどり着くその場所まで、きっと。

GM : ◇◆◇◆◇

<エンディングフェイズ③/明花あきる/清算>

GM :

<エンディングフェイズ③/清算>

GM : えーっと、まず面会からだっけ。

明花あきる : そうだな。やりたいこととしては、獅童への面会。海江田への報告。それから、母様への報告。そんなトコだ。

明花あきる : ……結構多いな

GM : OK

GM : では、P市市立総合病院、裏ではUGNと連携して治療に当たっている病院に、獅童は入院していると伝えられます。

GM : 所属を面会受付に言えば、通してくれるようです。5階だね。

明花あきる : ちなみに、東雲は一緒に来るか?

東雲 亜梨花 : ここはあえていかない!前は二人で一緒におやつしたから対比でね

GM : ほぁい

明花あきる : オッケー。

GM : 受付の案内に従っていくと、504号室の個人病室に、獅童糸香のプレートが書かれているのが発見できます。

明花あきる :
 コツ、コツ、コツ、と。
 いつもの扇子を右手に、閉じた番傘を左手に。白い病棟には黒い衣装は異質ながら、真っ直ぐに歩いて行って、ノックしよう。

GM : では、中から「どうぞ」と、小さくも、よく通る声で返事が来ます。

明花あきる :
「失礼するぜ。────具合はどうだ、獅童」

 躊躇いも気負いもなく、返事を受けた黒いレースの手袋ががらりと病室の戸を開けて、真っ直ぐにベッドの主の下へ歩み寄る。

獅童糸香 :
「別に。後遺症になるような怪我じゃないから。刺された部分が跡になって残るくらいだけ」

 ベッドに横たわり、出迎えたのは病院着を身にまとった獅童糸香だ。
 やはり表情はなかったが、以前のような虚無的なものというより、憑き物が落ちたような印象を与える。

明花あきる : GM、一応確認だが、獅童には全部件の記憶は残ってるんだよな

獅童糸香 : 残ってます

明花あきる : オーケー。

明花あきる :
「そォかい、なら結構。っと、先に返すモン返しておかねェとな。ほらよ」

 ベッド脇のパイプ椅子に腰かけつつ、手元の布袋から例のファイルを取り出して手渡す。

明花あきる :
「よくまとまってた。地元民つっても、案外キッチリ調べたりはしねェからなァ……教授陣への手土産にしちゃ、十分すぎるくらいだと思うぜ。

 助かったよ。ありがとう、獅童」

獅童糸香 : 「別に。土着信仰を調べれば、何か出てくるかもと思っただけだから。教授への提出は、そのついで。
 ……まぁ、今となってはどっちも有耶無耶になりそうだけど」

獅童糸香 :  受け取りながら、あけすけと語る彼女に後悔したような様子は見受けられない。
 ……そも、後悔とはどういうものかさえ、まだ探している最中なのだろう。

明花あきる :
「(……罪の意識なんてのァ、しばらくは字面を追うだけになりそうだな。ああは言ってたが、夕南に近付かせるのだけはマズそうだ。アレコレ聞くにしたって、尾身経由にするのが無難だろうなァ)」

 せめて────せめて、そう、いのちを奪うことの重みとまでは言わずとも。
 何かが喪われることの哀しみと痛みの、その一片だけでも理解できるようになるまでは、接触させない方が互いのためだろう。

 そう判断しつつも、一方で。妄執じみたものから解き放たれたかのような彼女の様子に、安堵している自分もいた。

明花あきる :
「オマエも、自分の今後のことについてはもう把握してンだよな。
 『先』に、どんな選択肢があるのか。オマエは、どうしたいと思った。
 ────何を、選びたいと思った」

獅童糸香 : 「……。
 さぁ、まだ、わかんない。西崎先生も、まだ焦らなくていいっては言ってくれている。自立するにしても下地がない、って」

 操り人形の糸はまだ切られたばかりだ。
 知識としては様々なものを蓄えていれども、それを選ぶ機会など与えられず、選んでいたとしても、選ばされていたの繰り返しだった。
 そうした、非常に歪な家庭環境の下、最後にマスターマインドに利用されていたのだ。

獅童糸香 : 「何が美味しくて、たのしいのか。何が辛くて、悲しいのか。
 それを、集めるのが、先だって言うのだけは、わかっている」

明花あきる :
 少女の訥々とした返答の一つ一つに、あきるはうん、うん、と頷きを返す。
 そして、ふ、と微笑みを零した。
 ……ああ、ちゃんと。ちゃんと言葉は、届いていたのだと。
 そう思えばこそ、心にはふわりと、小さく花が咲く。

明花あきる :
「なんだ、分かってるじゃねェの。そんだけ分かってりゃ十分だよ。
 『分からない』『何もない』って言わなくなったのが……それが、まず第一歩だ。
 一個一個、集めてったらイイさ。焦ること、ねェ」

獅童糸香 : 「そう。そういうものなの。なら、そうする」

 ……以前のような歪さがなくなった代わりに、どこか子供っぽくなっているような節もあるにはあったが。

明花あきる :
「……やりたいことだって、いつかどっかで見つかるよ。最初は誰かの真似でイイ、それがいつの間にか、自分のモノになってたりするし。
 もしかしたら見つからねェかもしんねェけど────それでも、道は続いてくンだ。どうにか折り合いつけて、生きてくっきゃねェ。
 せめて後悔だけはしないように……ってな」

 コイツについちゃ、ちっと受け売りだが。などと悪びれずに付け足しつつ、組んでいた足を組み替えた。

獅童糸香 : 「……」

 静かに、その言葉を聞きながら、じっと自分の手を見つめる。

「……そう。そうする」

明花あきる :
「だからまァ、とりあえず大学いってみンのもアリなんじゃねェの。UGNのお偉方が許すかはさておきだ、結構面白いトコだぜ。興味のあるモンちょっとずつでも齧ってみて、ちょっとでも『ぴん』と来たら掘ってみりゃイイ。
 それがたとえ、医学じゃなくてもな」
 道なんて、いくらでもあるモンさ。目さえ閉じなきゃ、な。

獅童糸香 : 「……。
 そう、そういうものなの。じゃあ、『ぴん』と来るものを、探してみる」

明花あきる :
「……あんまりに吸収が良すぎて少し不安になってくるな。変なモン教え込まされねェとイイが……そうだ、オマエもなんか気になることねェの。聞いときたいこととか。
 縁がこれっきりとか、言うつもりは毛頭ねェケド。当面はドタバタで会いにこれるかわかんねェし、オマエも市外に出るかもだしな。聞ける時に、聞いとけ」

獅童糸香 : 「……聞きたいこと。
 ……ああ、そうだ」

明花あきる :
「ン」

獅童糸香 :
「あなたは、"見つけられた"の?」

 ひどく澄んだ瞳で、そう問いかけた。

獅童糸香 : 「わたしに、探せって言ってたけど。あなたは見つけられたの?」

明花あきる :
 「見つけた」と、言おうとして。
 ……少し考えて、首を振る。

明花あきる :
「いンや。まだ探し途中だ。つゥか、そう簡単に見つけられたら苦労しねェって────”自分”、なんてのはよ」

明花あきる :
「それらしいものは、見つけたよ。
 『これが多分自分だ』と名乗れるような代名詞は、いくつかある。
   ミス・ミリオンダラー
 《乱れ舞え纏華の焔》。名探偵『千秋楽』……」

明花あきる :
「ケド別に、それらだけが私ってワケじゃねェ。そうじゃない私だってあるんだから、いつまで経ったって、多分『見つけた』とは言いきれねェのさ」
 それが、私の答えだ。

獅童糸香 : 「……そう」

 表情は変わらなかったが、どこか得心した様子で静かに話を聞いていた獅童。
 それが、かつて自分に突っかかってきた者の答えであると理解した上で、

「わかった。あとはもう、大丈夫」

明花あきる :
「────ン。良し。いい子だ」

 こくりと頷くさまが、どこか幼い頃の自分に似ていて。
 だから祖父がそうしてくれたように────あきるもまた、手を伸ばして。
 彼女の髪を、くしゃりと撫ぜ回した。

獅童糸香 : 「……」

 静かに、撫でられるのを受け入れた。

獅童糸香 : さて、こんなところかな。あとは何もなければ、明花邸です。

明花あきる : できたら先海江田ンとこに報告いきたいんだよな。実家には、ジジイの墓参りもしたい関係で。

獅童糸香 : 了解~

明花あきる : 助かる。獅童のところは特にやり残しは無い。

GM : ◇◆◇◆◇

GM :

<P市図書館>

GM :
 さて、アポイントメントを取ったうえで、あなたは海江田凛音に報告することとなるだろう。
 提示された書類と、それから盗まれたものすべてに目を通して、全部帰ってきたのを確認してから──。

海江田凛音 : 「ありがとうございましたッ!!! 後ほど口座の方に、成功報酬を振り込みます!!!」

 深々と、頭を下げた。

明花あきる :
「応とも、話が早くて助かる。一応こっちでも検めたが、ページの歯抜けやら破損やらは無いな? 後からクレーム付けられて減額ってのァ堪らないんでな」

 依頼を受けた時と同じく、足を組んで閉じた扇子をひらり。気品漂わせた堂々で、しかし仕事には真摯たるべしと、瑕疵がないかどうかだけを確認する。

海江田凛音 : 「ええ! 早期に取り戻せたおかげで、あったとしてもこちらで修復できるようなものばかりです! 破損も何もありませんでした! ああっ、泣いている古紙が戻ってきてよかったぁ……」

 精々が、保存環境が影響するものばかりで、ほぼほぼ無事らしい。

明花あきる :
「そいつァ結構。いつも通り上々な仕事ってな、今後もぜひご贔屓にしてくれや。
 ま、贔屓にするような事件が起こらねェのが────一番だがね」

海江田凛音 : 「ですよねぇ。まぁ、終わりよければなんとやら、です!」

明花あきる :
「そうだとも。色々あってちっとばかし骨が折れたが……古書窃盗事件についてはこれで仕舞いだ。
 また何か頼りたいことがあれば、この名探偵『千秋楽』に連絡しな」

海江田凛音 : 「了解しました! 今後も何かあれば、連絡させていただきます!」

明花あきる : ってトコで、特に何もなければそのまま一件落着って感じだ。後日謝礼金の振り込みを確認するぜ。

海江田凛音 : 了解。では、後日無事に、謝礼金は振り込められます。

GM : ◇◆◇◆◇

GM :

<明花邸>

GM :  ……最後。
 尾身より渡された報告書を手に、あなたは実家を訪れることとなるだろう。
 玄関を開けると、やはりというべきか「無事でよ"がっ"だでずぅ"」とエルに出迎えられ、居間に通されるだろう。

明花あきる :
 べっそべそのエルを宥めすかしつつ、報告書片手に居間に入る。姿勢を正して、

「────────ただいま帰りました」

 凛とした声で、相対した。

明花春 : 「……」

 そこにいたのは、いつもどおりの凛とした佇まいで座る明花春だ。
 時折、茶を飲んで喉を潤している。

「……それで」

明花春 : 「報告は?」

明花あきる :
 あきるは一つ「はい」と返事をして、一連の事実を斯々然々、整然と並べていく。

 その肩は、以前赴いた時とは異なって、身動き一つできないような重圧に押しつぶされてはいなかった。
 もう恐れることはないという確証は、彼女の心に「芯」を持たせたし────何より、この場にいなくとも、“繋がり(ロイス)”は常に、彼女と共に在るのだから。

明花あきる :
「────────斯くして。
 一連の事件は、千秋楽と相成りまして御座います。母様」

明花あきる :
「これを以て、”成果”としていただけるのか。御裁可を」

明花春 :  並べられていく報告を黙して聞いていく春。
 その姿からは、彼女が何を考えているかなど読み取ることは出来ない。
 しかしながら、報告を聞いた上で、報告書に目を通し──、

「宜しい」

明花春 :
「これを以て、明花の婚約の縛りを解消と致します。明日にでも、先方には破棄の連絡を入れます」

 それは、当主である彼女に、認められたということの証明であった。

明花あきる :
 「宜しい」、という、たった四文字だ。
 それに、心震わせてしまった自分を見つけて。
 ……自分は存外、親というものの承認に飢えていたのかもしれない────と、彼女は内心で息を吐く。

明花あきる :
「────────はい。宜しくお伝えくださいませ、母様」

 しかし、あくまでもその表情は凛と。
 明花の女なれば、常に泰然を心掛けるのが務めというものだ。

 家系の存続、道を定められた人形でなく。
 「一人」として、認められたこと。
 それがこそ、今度は明花あきるの、新たなる誇りとして胸に宿る。

明花春 : 「以上です」

 では、しばらくの間、自分の茶がなくなるまでは春は無言で正座しています。

明花あきる : ……時に、GM。

明花春 : はい

明花あきる : 母様たちが黒澤の相手をしたこと、私は把握してるか?尾身から伝え聞くなり……

明花春 : 聞いていてもよいものとします。

明花あきる : ヨシ。

明花あきる :
「……ところで。母様」

 話は終わりだ無駄口を慎めと言わんばかりの実母の態度に、しかしそんなもの今更だと────彼女は、おずおずと次の言葉を紡ぐ。

明花あきる :
「昨晩の戦闘に母様も参じてくださったことを、UGNの者からお聞き致しました。翠簾野家の方と共に、被害拡大阻止に一役買ってくださったと。
 《ワーディング》の影響下だったと思うのですが、その。
 ……お体に、差し障りなどは」

 尋ねるほうが、不躾かとも思った。
 けれど何より、彼女は母で、彼女は娘なのだ。娘が、母の身を慮って何が悪いと────ある種開き直り、もしくはやけくそのような心持ちで、その静かな顔を見つめる。

明花春 : 「特に何も」

 至って平然と──一切表情を動かさず、態度だけで語る。

明花あきる :
「………………………………ご健勝のようで、何よりです」

 他に言えることが無かった。
 いかに母が武芸に優れた人であっても、一般人が《ワーディング》下を活動して無事で済むわけが、などと考えていた数秒前の自分が馬鹿らしくなるくらい、それはすっぱりとした回答だった。
 この血を継いでいるのだから、無茶をやろうがまあ早々死んだりはするまい。そんな、根拠のない楽観が湧いて出てくる程度には。

明花春 : 「…………」

 終わったあとなので、もはやどうでもいいという顔。

明花あきる :
「……また、季節の折々には帰ります。自立しようと、あきるは明花の娘で、貴女の娘ですから。
 それに、たまには顔を見せてやらないと、エルも寂しがりますゆえ」

 母の仏頂面も、慣れてくれば不思議とそう怖くはなかった。自然と表情を和らげて、それでも姿勢の緊だけは崩さぬまま、暇を乞う。

明花春 : 「そうですか」

 拒否はしない、と。茶で喉を潤してから、一言だけ答えた。

明花あきる :
「父様にも、宜しくお伝えください。あきるは自分で、道を歩みます、と。
 ────出る前に、御祖父様にもご挨拶していきます」

明花あきる :
「それでは、母様。どうか息災で。────また、次の季節に」

 以前同じ言葉を口にした時は、死地に赴く前。
 次などあるやもわからぬと、あえて口にしなかったことを。
 今度は、ちゃんと言えた。
 言えたのだ。

明花春 : 「……では、また」

 静かに立ち上がり、一礼する。
 それが、春なりの見送りだった。相変わらずであったが、その意味合いは大きく異なっていた。

明花あきる :
「! ────────はい」

 ふわりと、零れ落ちた微笑みと、応える礼だけを残して。
 彼女は、最後に赴くべき場所へと踵を返した。

明花あきる :
 母様への報告ののち。
 彼女が帰りしなに立ち寄ったのは、明花家の領地の一画にひっそりと影を落とす、墓石の一群だった。

 旧くから続く名家というだけあり、そこに並べられた墓石の数は多い。そのうちの一つ、まだ比較的真新しいものの一つへと近付いて、彼女は足元に掃除用具を置く。エルから借り受けてきたものだ。
 いつもの衣裳──血まみれになった昨日のものは流石に破棄した。見た目は変わらずとも、今纏うものはおろしたての一枚である──の袖を捲り上げて、彼女は静かに、掃除を始めた。

明花あきる :
 手向けられている花を慎重にどかし、線香の灰を捨てる。
 埃や落ち葉を舞い上がらないように丁寧に箒で払い退けて、あらかじめ汲んでおいた水で雑巾を濡らす。
 表面の汚れを綺麗に拭い去ってから諸々を元に戻し、次いで持参した花を傍に挿し、新しい線香を取り出して指先で火を灯す。
 軽く振って、やがてけむりが立ち昇った。

明花あきる :
 ……毎日、手入れされているのだろう。彼女が掃除する前からさほど目立った汚れは無かったが、それはそれ、心の問題だ。弔いなどと、そもそもが死者のためというよりは生者のためのもの。

 物言わぬ石の前に、あきるは静かに跪く。手を合わせて、目を閉じて。
 そして、開いた。

明花あきる :
「……悪かったな、ジジイ。昨日はそれどころじゃなくてよ。テメェを無視して帰っちまったこと、怒んねェでくれや」

 訪れたのは、言うまでもない。明花冬三朗────六年前に亡くなった、彼女の祖父、その墓だ。
 遺志を継ぐと。決めて、臨んだ。そして、明日を────今日を勝ち取った。
 だから、今日はその報告だ。

明花あきる :
「夜辺甚五郎の封じていたモノ。
 それを狙う、“マスターマインド”天船巴の目論見。
 アンタが、じんに託されて。
 それでもって、解ききれなかった謎。

 ────暴いたよ。
 幕を引いて、ケリを付けた。
 『千秋楽』だ、なァ、じい」

明花あきる :
「でも、まだまだだな。アンタの謎に辿り着くまで、ずいぶんとかかっちまったし……それも多分、私一人じゃ、解けなかった。
 ……アンタがもし、生きてたら。ピンピンしてたなら、アンタは一人で────全部、できたのかなあ?」

明花あきる :
 どうなのだろう。分からない。あきるの小さな眼からでは、探偵としての明花冬三朗はいつも、その大きな背中しか見えなかったから。
 大きかった。幼少からずっと背丈があまり伸びないままだった彼女にとって、祖父はとても大きな存在だった。
 陽だまりだった。同時に、実母からの重圧を遮って存分にあきるを甘やかしてくれた、吹雪の中の灯火のようなひとだった。

明花あきる :
 ……でも多分、名探偵「冬将軍」もまた、きっと一人ではなかったのだ。その証左が、夜辺甚五郎だ。

 彼らはいつも共に在った。肩を並べ、轡を並べ。並ぶ道を時たま交差させては喧々諤々に論じ合い、最後にはくゆる煙草の中で酒をかっくらっては豪快に笑っていた。
 その最中、彼らは小さなあきるをしきりに膝に招いては、小さく切ったつまみを食べさせてきたものだ。何度も何度も飽きるほどに聞いた難事件の数々を語られ、うつらうつらと舟を漕ぐ彼女を、抱き上げて布団に寝かせてくれたのもまた、祖父とその親友だった。

明花あきる :
「アンタは、オーヴァードじゃなかったケド。でも多分、アンタにとっての“繋がり”の一つが、じんだったんだろうな。アンタにとっての、『トモダチ』だ」

明花あきる :
「なァ聞いてくれよ、私の『トモダチ』さ。すっげェ馬鹿なんだぜ。でも妙なトコ鋭いの。夕南と喧嘩した時とか、何度かそれに助けられた。

 ……ホントに馬鹿なんだよ。なんでンなモン、持ってくかなって呆れたし……今でも馬鹿、阿呆、って怒鳴ってやりたい気持ちでいっぱいだ。
 怒鳴ってやれば、よかった。

 ケド、怒鳴ったってやるんだろうなとも、思ってる。だからせめて、……止められなかった分、私が手を掴んでてやらねェとな。放っとくと、ドコ行ったモンだか分かんねェし。
 全く、世話の焼けるヤツだよ」

明花あきる :
「世話が焼けるつったら、夕南だ。じんが連れてたあの橙色のガキだよ。アイツは……うん。一丁前に大人みてェな面して、痛いトコ隠すクセばっか上手くなりやがった。

 業腹だよ。見せてみろって何度言ったって聞きゃしねェ、男ってのァ何奴も此奴もああいうモンなのか?

 アンタも、何でもないみたいなカオして、────ぽっくり逝っちまうしよ」

明花あきる :
 少しだけ、喉がつっかえる。
 目尻に水分が浮かびあげかけて、振り払うようにして、慌ててぶんぶんと首を振った。

明花あきる :
「……思ったより、『トモダチ』ってのァ、簡単だったんだな。難しく考えることなんざ必要無かった。手を掴みたかったら、それはもう『トモダチ』でイイんだ。多分。

 だから私、掴んだよ。痛かったケド、倒れなかった。気絶したりしなかった。ちゃんと解放した。私のほむらで、やりきった。

 母様にはトーゼンって顔されたけど、でもアンタは、────褒めてくれっかなァ」

明花あきる :
 じんには、怒られそうだけど。
 でも、多分、アンタは褒めてくれるよな。世間様での評判とは随分異なって、私の前でのアンタはずいぶんと孫にべったりな、いわゆる「爺馬鹿」ってヤツだったんだからよ。

 ……アンタが可愛がってくれた「孫娘」とは、もう服も口調も、まるっきり変わってしまったケド。
 その大きな掌は、「よくやった」と、私の頭を撫でてくれンのかな。

明花あきる :
 ────けれどもう、自分は、
 その大きな手に縋るだけの、小さな子供ではない。

明花あきる :
「そう、子供でも人形でもないって、母様、ちゃんと認めてくれた。私のこと、一人の人間として。
 母様が礼をするって、そういうコトだよな。私、ずっと見てきたから分かるよ。あんなでも、こんなでも、親娘だから」

明花あきる :

 だから。


明花あきる :
「歩いてくよ。ちゃんと自分で。

 アンタの道の続き、私が継いで、行けるところまで行ってみる。

 それでもって、探すよ。“自分”をさ。

 『千秋楽』の名前に相応しい、
 
  ミリオンダラー
 “ 値千金 ”よりも価値のある、

 そんな、“私”を」

明花あきる :
 ポシェットから、使い込まれた手帳と、自分のボールペンを取り出す。
 それでもって書き込まれた最後のページを開き、チェックを付けた。

 幕引きできなかった、祖父の代わり。祖父が解けなかった、唯一の謎。
 【夜辺甚五郎を狙うモノ】────これでようやく、名探偵「冬将軍」の物語は幕を閉じたのだ。

明花あきる :
「なれば、今度は名探偵『千秋楽』の番。冬から秋、逆行してるなんてェのはとんだ勘違いだ。
 季節は巡るモンだろ。冬が終わって、春が来て、夏が過ぎて……そんでもって、天高く謎めく実りの秋のご到来」

明花あきる :
          アッチ
「だからよ。テメェは彼岸で、じんと仲良く酒盛りしてろよな。
 コッチ
 此岸のことァ、私がなんとかするからさ。

 安心しろって、テメェの孫なんだからよ」

明花あきる :
 立ち上がり、ふっと顔を上げて、きっと多分彼岸があるだろう方角に、気丈な微笑みを向けてやる。
 大丈夫だ、任せろ。泣き虫だったテメェの孫は、こんなにもう、強い女になったんだぜ、と。

明花あきる :
「じゃァな、ジジイ。また来るよ。今度は、季節の折にな」

明花あきる :
 その凛を見せつけるようにして、彼女は掃除用具を抱え直し、墓地を後にする。

 しようとした、その時。

明花あきる :

 Prrrrrr


明花あきる :
 閑な墓地には似つかわしくない、機械音のコールが鳴り響く。
 バケツを足元に置いてからスマホを取り出し、耳に当てたれば。

明花あきる :
「明花だ────殺人事件? 怪死ね……オーケー、話を聞こう。場所は。……ン、分かった。この後すぐ向かうさ、ちょうど今、二件片付いたトコなんでな」

明花あきる :
「────あァん? オイオイ、私を誰だと思ってンだ。

 この身を明花あきる、名探偵『千秋楽』だぜ?」

明花あきる :

「全部のペテンもトリックも丸裸にして────────

 景気良く、幕引きといこうじゃねェの!」


GM : というわけで、名探偵が見事にキメたところで今日はしまいにしましょう。

GM : 明日は~~~~

GM : choice[メイド,ありちゃん,うらきち] (choice[メイド,ありちゃん,うらきち]) > ありちゃん

GM : ありちゃんから

<エンディングフェイズ④/東雲亜梨花/あたらしいいちにち>

GM :

<エンディングフェイズ③/あたらしいいちにち>

GM :  ──後に夕南から通達が出されたと思われるが、東雲亜梨花は本日付でP市に転属。
 しばらくの間は、ここで頑張ってもらうということとなった。

GM :  表向きは出向に伴う、経験の蓄積のためとなっている。
 ……が、前本支部長も、夕南支部長も、そして貴女も知っての通り、監視の意味合いも兼ねている。

前本不亜音 : 『ぜーんぜんいいんですよぅ。最悪お偉方をこう、ちょっとこうすれば──冷ちゃんがねぇ、心配しちゃうからねぇ』

 朗らかに笑いながらビデオ通話で亜梨花に話しかけているのは、報告を受けた前本不亜音だ。
 P市の因縁の解決に、大変ご満悦のよう。

東雲 亜梨花 : 「へへ~──? あ、冷ちゃんにはお手紙書くからねってまた言っておいて!」

ゆ~なさんへの報告も、報告書もなんとか……あきちゃんや影路くんに手伝ってもらって(泣き落とした)完成させたぼろぼろの顔だけど達成感でにこにこしながら支部長にも報告しまし……た!

お偉いさんがどうなるかはよくわからないけど、優しい支部長のことだから優しく説得するんだろうそうなんだろう。うむうむ。

「糸香ちゃんもね、ちゃんと先生が見てくれて一緒にいてくれるって。みんながかかわってくれるならすごく安心だな。

 ねぇ、支部長」

前本不亜音 :

東雲 亜梨花 : ふふ

前本不亜音 : 半角じゃなかった

前本不亜音 : 「はい?」

東雲 亜梨花 : 「私、頑張ったかな」

前本不亜音 : 「ええ、それはもう、とっても頑張りました」

東雲 亜梨花 : 「えへ……」

東雲 亜梨花 : 「じゃあこっちでも頑張るからね。また夏休みにかえれたらいいな! 支部長も体には気を付けてね」

東雲 亜梨花 : 支部長からは他になにかない?

前本不亜音 : 「たまには顔見せてくださいね~~~~」

前本不亜音 : これで支部長からは終わりかな。

東雲 亜梨花 : じゃあ元気よく手を振りながら通話を終えます。
ばいば~~~~~い

東雲 亜梨花 : ノシ

GM : では、ビデオ通話がきれます

東雲 亜梨花 : 「……はふ」
後ろに倒れこんでたたみにごろりんちょしよう

東雲 亜梨花 : GM!もちさくはいまどちらに?

望月/朔 : お電話終わったー・ワ・?って来ます。

東雲 亜梨花 : 「もっち~~~! うんちょうど今終わったとこ!」

望月/朔 : 「すまぶらやろすまぶら。わたしルキナ使う・ワ・」

東雲 亜梨花 : 「よ~~し私のセフィロスに勝てるかな!」

東雲 亜梨花 : シュバッと起き上がって、あ、ちゃんと電源もシャットダウンしてもっち~と一緒に今に行きます。でっかいテレビがある部屋

東雲 亜梨花 : で、移動中に

望月/朔 : 「>ワ<」

望月/朔 : 1d100 朔のスマブラ。高いと強い (1D100) > 2

望月/朔 : おわり

東雲 亜梨花 :

東雲 亜梨花 :

東雲 亜梨花 : 1d100 (1D100) > 50

東雲 亜梨花 : よし

望月/朔 : 1d100+10 望月(この前勝ってたので追加+10) (1D100+10) > 35[35]+10 > 45

東雲 亜梨花 : 「……あ! おやつもってこっか!冷蔵庫なにかあるかな」

望月/朔 : 「プリンがいい! 朔は?」

望月/朔 : "羊羹"

望月/朔 : 「羊羹だって・ワ・」

東雲 亜梨花 : プリンと羊羹ありますか? 何で判定したらいいかな

東雲 亜梨花 : 「いいね~~~」

望月/朔 : ここは和風支部なので1d10振って5以上出したらあると思います。

東雲 亜梨花 : 1d10 <戸棚を開ける> (1D10) > 8

望月/朔 : ありました。

東雲 亜梨花 : あった! 押収します

望月/朔 : 「>ワ<」

東雲 亜梨花 : 羊羹はなんだか菓子箱の裏にひっそりと置いてあったけど遠慮なく持っていきます

望月/朔 : "今日から此処住みになったんだし、もらえるものはもらっていきましょう"

東雲 亜梨花 : 「いいものみっけ! 朔ちゃんのようこそお祝いパーティーの前座に食べちゃおう」

東雲 亜梨花 : うきうきでお茶と一緒に持って行ってスマブラを始めるよ

望月/朔 : 「そーしよ、そーしよ!」

東雲 亜梨花 : ま~~~私の勝ちですが!

望月/朔 : うらきち来るとしたらこの辺なのかな。

東雲 亜梨花 : あ、じゃあその前に

望月/朔 : 「;ワ;」 接戦ではあった

東雲 亜梨花 : ちょびっとだけ

東雲 亜梨花 : ばちぼこ楽しんでいるとき、ふと思いついたように声を掛けます

東雲 亜梨花 : 「もっち~、朔ちゃん。ここで過ごすの楽しい?」

望月/朔 : 「ん、楽しいよ!」

望月/朔 : "……そうね。楽しいわ。気の休まる時すらなかったから、余計に"

東雲 亜梨花 : 「へへ……そっか。よかった。
私、二人にはうんと楽しんでほしいから。

またいろんなところにも行こうね。海とか、虫取りとか!」

望月/朔 : 「うん! たのしみ!」

卜部影路 : 「……おい東雲、ちょっと良いか」

そんな和やかな雰囲気に水を差すように、どんよりとした瞳をした少年が入り口から言葉を放り込む。

望月/朔 : 「あ、うらきちだ」

東雲 亜梨花 : 「お……? うらきち!」

ぱっと振り返ろう。ちょうどいいところに。
プリンもあるぞ。

卜部影路 : 「うらきち……いや、まあ、いいけどよ」

東雲 亜梨花 : 「今スマブラやってたんだよ。もっち~もまだまだだし、うらきちもどう?」

真ん中を開けてすわれすわれってポンポンするよ

卜部影路 : もうその呼び方定着しちまったな……という顔

東雲 亜梨花 : くく……愛嬌〇になる魔法の名前だよ

卜部影路 : 「いや、俺は……もうY市に帰るしな、最後に挨拶に寄っただけだぜ」

卜部影路 : なる必要はねぇ

望月/朔 : 「もううらきちいってしまうのかー・ワ・」

卜部影路 : 俺は動詞だった……?

東雲 亜梨花 : 「ありゃ……あー、あそうか。うらきちもよそから派遣されてたんだっけ。そういえば、なんで?」

卜部影路 : 「あー……まあ、UGNになるためのテストみてぇなもんだな、ここら辺で騒ぎ起きてるから手伝ってこいって感じでな」

東雲 亜梨花 : そっとお羊羹だけひと欠け進めておこう。ほら口をお開け

東雲 亜梨花 :
 

卜部影路 : 「………」
嫌そうな顔をしながら口を開ける。ここで押し問答しても押し負けるのは見えているので抵抗はしない。

東雲 亜梨花 : よしよし ぐっぼ~い

東雲 亜梨花 : ひょいっ、と口に放り込むよ。
ゆ~なさんとっときの安納芋お羊羹だから美味しいぞ

卜部影路 : 「………甘ぇ」
不味くはない

望月/朔 : (いつの間にか切り替わって食べている)「美味しいわね。ほうじ茶ないの」

卜部影路 : 「自分で汲めよ……ほらよ」
ディメンションポケットから急須とお茶とほうじ茶の粉を取り出す。

望月/朔 : 「ん。ありがと」(そそぐ)

東雲 亜梨花 : う~ん、便利ポケット。うらやま。
で、じぶんもプリン食べながら

「へぇ、そんな大事な試験だったの!?

……でもそれなら大丈夫そうだね。
うらきち、とっても活躍したから」

卜部影路 : 「……別に、まあまあだったろ」

肩を竦める。照れ隠しや謙遜ではなく、本音からの言葉だ。なにせ、結局の所俺は独りでは何も出来ないことに変わりはない。

東雲 亜梨花 : 「うらきちにとってはそうでも、みんなはちがうとおもうよ~~~~

ほら、あれ、なんか戦うときになんかしたでしょ」

あ、そのへんこの間吸収した元ツクヨミでウラミノカタマリさんに確認できます?

東雲 亜梨花 : うらきちが時の棺つかったときの記憶的なあれ

望月/朔 : ウラミノカタマリ自体に統一された自我はないので、代わりに朔が答えてくれます。

東雲 亜梨花 : ザンネン

望月/朔 : 「……あれね」 はぁ、と"利用"しているように見えて、遊ばれていたのではないかと思われるナニカを思い出す。

望月/朔 : ツクヨミノミコトの我が破壊された現在は単なる怨念の集合体なので、言葉が返ってくることはないです。返ってきたら怖い

東雲 亜梨花 : 脳内でうにゃうにゃ恨み言もいってない?

卜部影路 : 言ってたらうるさいからやめておいたほうが良いぜ

卜部影路 : それってぇ!!とか叫ばれても困るだろ

東雲 亜梨花 : それをいうのは特定の妖精なのよ

望月/朔 : ぼそぼそと無数の呪詛めいたものだけは、ふと意識を手放そうとしたときとかに聞こえてきます。

東雲 亜梨花 : ああ、それならよかった。

東雲 亜梨花 : 完全に消えるのもかわいそうだからね

望月/朔 : ただ、内容自体はもはや曼斗羅とか真言とかその辺に連なるものも混じっていたり現代語も混じっていたりなんだりしているので、恨みつらみであっても、内容までは理解できない感じです。

東雲 亜梨花 : ま……マ……

望月/朔 : ありちゃんが理解できたらそれはもう怖い

卜部影路 : 「……まあ、アレくらいはな。運が良かっただけだしな」

東雲 亜梨花 : 「……ふふ、私は感謝しているよ。
助けてくれてありがとね。君のおかげでもっちーと朔ちゃんのところに飛び込めた」

朔ちゃんの頭をもしゃもしゃ撫でよう

望月/朔 : 「(まんざらでもない)」

東雲 亜梨花 : ふふ~

卜部影路 : 「あー………」

感謝されれば、それを跳ね除けるほどの卑屈さも、今はなりを潜めている。だから、言葉を切って、言葉を探す。

「えっとな、あー……」

東雲 亜梨花 : ゆっくり続きの言葉を待ちます

卜部影路 : 「あー……だからな、つまり、その、な」

言葉を探して、なんとかオブラートに包んだ迂遠な言い回しを探す。正直に打ち明けるのは、どうにも――ツクヨミの前に立った時と同じ程度には勇気を必要とした。

卜部影路 :
「ありがとう、東雲亜梨花――俺は、お前の言葉に助けられた」

東雲 亜梨花 :

東雲 亜梨花 : 「わ……は、ふふ……これだけ改まって何を言うかと思ったら…………ううん、そうじゃないか。」

東雲 亜梨花 : 「どういたしまして。

こちらこそありがとう一緒に戦ってくれて」

卜部影路 : 他の誰でもない、『東雲亜梨花』の言葉にこそ、俺は救われた。

こんなこと、もう二度と直接は言ってやる気はないが――誰かの願いを、誰かの想いを肯定する、東雲だからこそ、俺は希望というものの存在を信じることが出来た。

届きはしない、今はまだ。

けれど、それがずっとそこにあることは、もう疑わない。

「――別に、お前のために戦ったわけじゃねぇよ」

こんなこと言っても、伝わってしまうかもしれないけれど、そう言い捨てて顔を背ける。

東雲 亜梨花 : 「も~~~素直じゃないなぁ~~~ほらゆ~なさんのとっておきをもう一口たべな」

もっかい口に羊羹持っていこう

卜部影路 : 「…………ん、これ夕南さんのか?」
えっ、それ勝手に食って良いのか……?まあ、今日Y市に帰るし怒られるとしても俺じゃないから良いか。

もしゃもしゃ

卜部影路 : 「まあ、だからよ――」

ごくり、と呑み込んで続ける。

東雲 亜梨花 : 「戸棚のなんかね、端っこの方にかくしてあったやつ。……ん?」

卜部影路 : 表情を幾分か真剣なものにして、まっすぐな視線を東雲の瞳に合わせてまっすぐに見つめる。

「――一回だけ、何があってもお前の味方をしてやるよ」

たとえ、それがどんな願いであろうと――俺は、ただ一度だけ、東雲の願いを叶えるために力を貸そう。それが全てを敵に回すものであったとしても――東雲自身を傷つけるものだったとしても、だ。

「だから、もしもの時は俺は呼べよ――助けてやるよ」

東雲 亜梨花 : 「────……」

東雲 亜梨花 : 「それは…………」

東雲 亜梨花 : 何があっても、なんて簡単に言うもんじゃないよ。そう、なだめようと思った、けど。

困ったな、真面目な顔でいうんだもんな。

東雲 亜梨花 : 茶化すことも、なんだかやりづらい。
ああほんとに、困ったなぁ。

東雲 亜梨花 : 「…………うん」

東雲 亜梨花 : それだけ絞り出して、きっと未来の、多分数少ない味方を、得た。

東雲 亜梨花 : 「じゃあ~~~~とりあえずまずはゆ~なさんに芋羊羹食べたこと一緒に謝りに行ってくれる?」

卜部影路 : 忘れるな、東雲亜梨花
俺は『お前』に救われた。

『お前』の言葉に、『お前』の在り方に救われたんだ。

「……じゃあな、俺はY市に帰るぜ」

そんなくだらないじゃれ合い――最初はうっとおしいと思っていたソレも――暫くは無いだろうと考えれば、気の迷いだが寂しくなりそうだ。

卜部影路 : あと、夕南さんには叱られたくねぇからさっさと帰るぜ

翠簾野 夕南 : 実は地獄耳で全部聞いてるぞ。

卜部影路 : 俺は無罪です、ハメられたんです

東雲 亜梨花 : 「う、うらきち~~~~~!!!!」

東雲 亜梨花 : 食べたじゃん!アイスも一緒に食べたじゃん!!

卜部影路 : 「――東雲、『またな』」

そう言い置いて、作り出した黒い回廊へと飛び込めばすぐにその姿はその場からかき消える。

東雲 亜梨花 : 「あ~~~~!!!」

望月/朔 : 「あ、私は何食べたいって聞かれたときに羊羹って答えただけなのでパス」 卜部にはひらりと手を振った

東雲 亜梨花 : 「朔ちゃんまで~~~~!!!!」

東雲 亜梨花 : ……、

東雲 亜梨花 : 「──まったく、まぁたかっこつけてくんだから……

『またね』影路くん。
次は私ももっとつよくなってるから」

望月/朔 : こんなところかな。

東雲 亜梨花 : うい

卜部影路 : ああ、満足したぜ

GM : ◇◆◇◆◇

<エンディングフェイズ⑤/卜部影路/次なる路、未解明へと>

GM :

<エンディング⑤/次なる路、未解明へと>

GM : 舞台はY市支部、卜部影路が戻り、テレーズ・ブルムの連絡役という"江藤"に報告書を提出してから、数日経った頃だ。

江藤 : 「結果だけを単刀直入に言いますが、正式にUGNに起用するよう、上に申請しておくとのことでした」

江藤 : 「テレーズさんは顔が広い。推薦は、おそらく簡単に通るでしょうね」

卜部影路 : 「……ありがとうございます」

ぼそぼそと、けれどしっかり顔を見て頭を下げる。

「たぶん、俺のために色々と動いてくれたんでしょうし……」

江藤 : 「ああ、僕への礼は、テレーズさんに会った時にでもとっておいてください。
 ・・・
 職業柄、工作するのは当たり前なので」

 隠しきれない不遜さを垣間見えさせていたり、含みのある言い方をするなどといった不明瞭な部分が目立っているが、江藤も、上司の命令どおりに卜部影路の推薦に一役買っていたのは間違いないだろう。

卜部影路 : 「それでも、俺のために働いてくれたのは確かでしょう……だから、ありがとうございます、です」

江藤 : 「では、素直に受け取っておきましょう」

 微笑んでそう返してから、淡々と、事後処理について説明する。

「Luna-02は凍結保存。
 P市に関しての処理は翠簾野支部長にお任せする形となりました」

卜部影路 : 「……凍結、か、まあ、死ぬよりはマシか」

江藤 : 「死ぬ方がマシな目に合っていたらしいですがね」

 苦笑しつつ、

「FHエージェントであった"Jack pod"に関しては、保護観察プログラムの下に置かれます。
 事実上の遺産<レガシー>所有者となった"アレークト"はP市に転属という形で処理。同時に、危険性が薄くなった"セレーネー/ルナシー"……ああ、望月さんと朔と言えばわかるでしょうか。彼女らも、保護下に置かれます」

卜部影路 : 「……そいつは良かった」

願わくば、もう二度とこんないざこざに巻き込まれないように育ってほしいが――

江藤 : 「まぁ、当分は、あなたの懸念している事項はないでしょう。
 マスターマインドの私兵も撤収済み。自分の私兵が破られた時点で、おそらく見切りをつけているでしょうから。問題は──」

江藤 : 「……O市でも活動が確認された、"EXレネゲイドウイルス"に関連する連中が、P市でも動向を監視していた疑惑があるとのこと」

 それは、キミにとって新しい仕事のはじまりとなるだろう。

江藤 : 「『THE EYE』。UGN、FH、あるいは大戦中の様々な組織が出来上がるよりももっと前の古い時代から、レネゲイドウイルスに関わってきていたと思しき組織。

 ……そいつらが使っている符号と思しきものが、"路地の中にある喫茶店"で確認されましてね」

卜部影路 : 「――今回の事件の裏側には、そいつらがいるかもしれねぇってことか」

江藤 : 「ええ。何を目的としているかは不明ですが、目標としているものならば、検討がついています。
 古き伝承<ロア>、それに連なるレネゲイドの目覚めを、彼らが促している──そうした疑惑さえ、持ち上がっているのです」

江藤 : 「……それは都市伝説という形で世に現れ、世を少しずつ変えていく。
 それは、"カミ"の形を取っている。
 ……ちょうど、それに関する案件が一つ入ってきましてね」

江藤 : 「──■市にて発生した、『霊界へと繋がる踏切』。これが、古き伝承<ロア>にまつわるレネゲイドビーイングが関係しているのではないかとの疑いを持たれています」

卜部影路 : 「――また、面倒くさそうな話っすね」

だが、今回の望月と朔のように――失われることを強制される者がいるのであれば、

「まあ、ぼちぼちやりますよ、それなりにね」

江藤 : 「その返事、待ってましたよ。ちょうど、現地の支部長には連絡済みです」

江藤 : 「報酬は随時、振り込んでいきます。──今後ともよろしく、卜部影路」

卜部影路 : 「――今から内定取り消し、ってわけには……いかないよなぁ」

とりあえず、一旦家に帰って準備をして……と算段を立てておく。詳しい話は、追って告げられるだろう。

――まあ、俺も、負けてられねぇ。少なくともアイツの隣に並べるくらいには強くなっておかねぇとな。

江藤 : では、そんな感じの話をして、江藤とはわかれるだろう。

卜部影路 : ちょっとだけソロるしてもいいか?

江藤 : いいよ。じゃあちょっとマスパ書く

江藤 : ◇◆◇◆◇

江藤 :
「……」

 一人になった時、江藤は誰も周囲におらず、監視カメラもないことを確認する。

江藤 :

 其の姿が、ぐにゃりと変わっていく。
 着ている服も体格も、何もかも。

リチャード公蔵/■■■・■■ :

「──さて。プロフェッサーに、いい土産話ができそうだ」

 それは、やしろ町の一件で活動していた"情報屋"の男。
 あるいは、《THE EYE》に名を連ねる、■■■・■■。

リチャード公蔵/■■■・■■ :   騙 し 合 い
「ジョーカー・ゲームも楽じゃない。
 ……とはいえ、今回の試合は、ひとまず私の勝ちといったところでしょう」

 それは、古代より続く系譜であるのかもしれないし。
 あるいは、世界を裏で動かしていた組織のものかもしれない。
 UGN、FHが出来上がるはるか前、《■■■■■■》と呼ばれていた者たちの末裔──あるいは、"本人"。

リチャード公蔵/■■■・■■ : 「……我らの使命が果たされるまでは、もう少し、観察といきましょうか。
 そろそろ、同志も動きはじめるころでしょうから──」

GM :  その声は誰にも届かないが、しかし、誰かには届いている。
 古き伝承<ロア>をめぐる、日常と非日常の交錯は、まだ、終わらない。

GM : (以上)

卜部影路 : 久しぶりの街を歩く。
少し離れていたとはいえ、そこは見知った街だ。

いつもの道、いつもの風景。その風景が違うものに感じるのは気の所為――ではない。

それは、きっと、この数日でこの街が変わったというわけではないのだろう。
むしろ、その逆で、これまで見えなかったものが見えるようになっただけなのだ。
見ようとしてこなかったもの、感じようとしてこなかったもの、目をそらしていたもの。

空も、道を行く人も、交わされる会話も、世界にはこんなにも様々なものが溢れていたのだと、気付かされる。

ただ、なんとなく、調子は良い。以前よりも、ずっと、この力を上手く振るえる気がする。

卜部影路 :
変わったのは、街ではない。

変わったのは、

卜部影路 :

  ・・・・・・・・
――変わってしまったのは、俺だ。


卜部影路 : 己の掌が遥か彼方にあるように感じる。海の向こうでも、手を伸ばせば届く気がする。

空も、道を行く人も、交わされる会話も、その全てが二次元でも三次元でもなく、四次元的なものとして脳が直接理解する。

調子が良い。調子が良すぎるのだ――世界が薄っぺらな紙の上の絵に感じてしまうほどに、全てを感じている。

卜部影路 : ツクヨミとの戦いの中、確かに手をかけた時の理――その後からだ。
戦いの中で、全力を振り絞る全能感と高揚感だと錯覚していた。
極限状態の中、生存本能が己のスペックを引き上げているのだと勘違いしていた。

――違う。

視点が、視座が変わっただけなのだ。

卜部影路 : これまで、10の能力で10の力を振るっていると思っていた。だが、理解した。理解させられた。はっきりとは理解せずとも、その姿を見ただけで人は大いなる『智慧』を得るという。

それは、得難いインスピレーション。

これまで、どれだけ能力を振るう際にロスがあったのか、分かる。
この世界が、どれだけ脆く穴の多い世界なのか、分かる。
空から己を見下ろす太陽が、星が、彼の者達の視線であると――分かる。

卜部影路 :

今も、背中を照らす太陽へ振り向けば、そこに燃ゆる三眼がありそうな気がする。


卜部影路 : 耳にこびりついているのは、あの哄笑。消え去った刹那の永遠の中、聞こえた気がしたあのクソ野郎の声。

「――せいぜい嘲笑ってろよ」

ひとり、ポツリとつぶやく。

          おどっ
「お前が望むように、道 化 てやる――だから、お前の力を貸してもらうぜ」

それは、宣言。それは、宣戦布告。それは――

卜部影路 :
絶望を杖に、どこまでも暗い迷い路を往く覚悟だ

卜部影路 :
「見てろよ、俺はもう――」

絶望も、苦痛も、悲哀も、全てこの身に刻んで行こう。

「――立ち止まらねぇ」

卜部影路 : 盤外編

<エンディングフェイズ⑥/神々廻京/仕事の終わり>

GM :

<エンディング⑥/仕事の終わり>

黒澤修一郎 : 「資料は、確かに全て揃っていたようだ。前田くん(秘書)にも確認してもらったから、間違いはない」

 あなたには、あなただけの事後処理があった。
 それは、黒澤修一郎より依頼されていた資料の奪還。
 あの日、黒澤秋人が借りていた一室より見つかった資料の内──図書館と、甚五郎関係のもの以外を取り分けた結果、残ったものを提出することになるだろう。

神々廻 京 :
「……数に誤りがなければ、要項はクリアしたということでよろしいですか?」

 ──家宝か。
 この家宝を触らずのものにしたのは、黒澤が抱いていた罪の意識からなのだろうか、
 それとも繰り返されることを恐れたのか、
 それとも今回のことを予見していたのか、
 さだかではないが──……それを、確かめる手段もない。

黒澤修一郎 : 「ああ。契約どおり、成功報酬を渡そう。スイス銀行に振りこみでいいかね?」

 黒澤修一郎が信を置いている人間にしか、このこと、あるいは資料の中身は公開していない。
 秘書である前田にしても、単なる雇われというよりは──遺産相続における調停役の弁護人も兼ねているのだろう。

神々廻 京 :
「……報酬額は、旦那様がお決めになられてください。口座はそこで間違いなく。
 わたくしは、わたくしの仕事にご依頼者が金額を決めていただきます。
 お気持ち料といえばわかりやすいでしょうか」

 己の仕事にどれだけの評価を下すか、それを金というわかりやすい数字で表してもらおうということだ。
 人によっては一銭も払わないだろう、それで構わない。そういう人間だと思うだけだ。

「……しかし、それより一つ前にわたくしは言っておかなければならないことがあります」

神々廻 京 :
「……いえ、2つ。ですね」

「御子息のことについてはお聞きになられましたか?」

黒澤修一郎 : 「なるほど、そういう仕組だったか。
 前金とは別に、300万を用意しよう」

 予め決めてはいたのだろう。
 公開されてしまえば自分達の威信が地に堕ちるのみならず、日本国の大スキャンダルとなる。
 オーヴァード全般に関してこの男が知っているかはさておいて、"奇跡の研究"だなどという世間一般からすれば眉唾ものの内容で、非人道的人体実験が繰り返されていたなどと触れ回られれば、それこそ日常と非日常が曖昧になる危険さえあった。

 故に──。

 ・・・・・・・・・・
「私に息子などいないが?」

黒澤修一郎 :

──禁を犯したものは、闇に葬らなければならない。

神々廻 京 :
「そうですか。これは私の記憶違いでした」

 ──……そうなるはずだ。
 これは別に「家」というミクロ以外にも当てはまる、国という「マクロ」でもこれが当てはまる。
 人はいつでも自分の汚点を隠したがるものだ、そしてそれを取り繕うための嘘を重ねていく。
 
 この男は一生そうなのだ。
 そうある限り、この家も一生そのままだ。
 なぜなら……もう、家がそういうことをする時代は過ぎている。

黒澤修一郎 : 「何か誤解を生むようなことがあったら、すまないね。
 ・・・・・・・・・・・ ・・・・・
 手違いで紛失したものが、戻ってきた。君のおかげだ。そういうことだ」

神々廻 京 :
 ……まあ、酷い言い草だが。
 こうなる以上、彼はもうすでに詰んでいたのだ。
 出奔した時点で。
 接触の方法、機会がもう少し穏便にあればその未来は変えられたかもしれないが。
 彼は選ばれなかった。
 残酷な話だがそういうことだ、そしてそれは変えられるものではない。

 私自身、変えようと思えばできたはずだった。
 それをしなかった。
 ……私が殺したようなものだ。

 自分に言い聞かせるつもりはない。
 こういう結末は想定できなかったわけではないのだ。

「……であれば、質問はもうありません」

黒澤修一郎 : 「よろしい。報酬の方は、後日前田くんから振り込ませよう。煩雑な手続きの諸々はこちらでやっておくから、君は安心して帰るといい」

神々廻 京 :
 最後通告だ。
 だが……私にとっては、大変笑い話だ。
 彼らが必死に守ろうとしているものの内容を私は知っている。
 知っているし、もう一人目撃者がいる。

 そして彼らはそれに気づくことがない。
 細やかな悪戯だ、ほくそ笑んでいるこの男を、ほくそ笑んで見ていよう。

「ええ──お言葉に甘えまして」

黒澤修一郎 : 「お客様がお帰りだ。前田くん、送っていきなさい」

 は、という声と共に、前田と呼ばれた黒いスーツの男があなたを玄関口まで見送るだろう。
 何もなければ、あなたはこの仕事を終える。別の依頼に取り掛かることになるまで放浪の旅を続けることとなるだろう。

 黒澤の一族は、UGNやFHといった諍いを知ることなく、永遠に過去の汚点を守り続けることとなる。
 皮肉にも、それが日本国にとってはある種の安寧を齎しているが──いつまで続くのかは、神のみぞ知る。

神々廻 京 :
 無言の一礼と共に、前田と呼ばれた男に「それでは」と口にする。
 それが最後だ。

 ……ぴしゃりという拒絶の音を耳にして。
 私は、肩をすくめた。
 疲れた──……肉体的には全然だが、精神的に疲れた。
 こういうのが二度続くと、風邪をひきそうになる。

(……彼らには、次いつ会えるでしょうかね)

 奇妙な共闘をした、どこかの友人たちのことを想って、神々廻京はこの家から立ち去っていった。

神々廻 京 :
 ────────────

神々廻 京 :
 ──早朝。

 日はまだ昇り始めたばかり。
 空の色が地へと映し出されて、わたしの視界に水色の街を映し出していく。
 誰もいない街を歩く。
 夜更けは特に誰もいない、よほど早起きをして運動をする人とかいない限り。



神々廻 京 :
 ……。
、  ・・・・・・・・・
 ……今日も眠れなかった。
 わたしは眠ることができない。
 それは体質的な問題ではない、精神的なものだ。
 強引に眠るためには薬でも使わなきゃならないほど、私は眠るという行為に恐怖を抱いている。



神々廻 京 :

 眠る──目を瞑って横になると、聞こえてくるのだ。
 讃える声。
 崇める声。
 
 曰く──神への「捧げ物」だとか。

神々廻 京 :
 かつて私の名前を優しく呼んでくれた母の、狂ったような読経が。
 かつて一緒に遊んだ妹の、狂ったような読経が。
 わたしは、それを拒んだ。
 夜、ずっと聞こえてくるそれが、わたしの心を、耳を、体を、容赦無く侵していった。

神々廻 京 :
苦しい。
 ずっとそれは心に残っているのだ、とんだ呪いを残してくれたものだ。
 死にたかった。
 こんな苦しい思いをするならばいっそ死んでしまえと思うこともあった。
 でも、死ねなかった。

 死のうと思うと怖くなる、私は心のどこかで生きたがっていたのだ。



神々廻 京 :
 ……誤魔化しがいつまで効くのかわからない、
 眠らないということは休めないということだ。

 こうして活動できていること自体が奇跡的なのかもしれない。

 
 だから夜は嫌いだ。
 だから夜明けが好きだ。

 嫌いな夜を吹き飛ばしてくれる、太陽の光が大好きだ。

 わたしはいつも、心に巣食う呪いを忘れるためにウタを歌う──……このハーモニカの音色で。

神々廻 京 :
 ……こうしてハーモニカを吹いていると救われる。
 あの人はいつも、こうしてハーモニカを吹いていたから。
 私もそれに救われたかった。
 今日もそれに救われよう──長い夜は終わった、月は今日も綺麗に輝き、役目を終えて空から消えていく。
 そして夜になって、また光を見せる。
 それで、
 それでいい。

神々廻 京 :
「……ふう」

 少し吹いて──……ふと見上げた。
 色々あった。
 それを思い返して、くすっと笑った。

「……それにしても、夜明けの風来坊か。
 そう呼ばれてるのなんて知らなかったけど、ふふ、気に入ったわ」

神々廻 京 :
 ──────……

神々廻 京 :
「さて」

 京が着いたのは駐輪場。
 目の前にあるのは──愛馬、というには無骨すぎるものではあるが。
 旅のお供であり、わたしがわたしであるための必要なアイテムだ。

「3日? 4日? ぶりくらいですね。元気にしてました?」

 ……夜明けにバイクに話しかけているメイドというのは、明らかに不審人物だ。

神々廻 京 :
「さ──次はどこへ行きましょうか」

 どこでもいい。
 心の命じるままに。
 思うままにさすらい、そして噂されていく風来坊。
 私は──そういう人物だ。
 メイド・神々廻京の奇妙な冒険はまだ続く。

神々廻 京 :

「──────しゅ、っぱーつ!」


      >>

神々廻 京 : 〆!

明花春 : おつかれさまです!

<感想・疑問>

GM : というわけでおつかれさまでした。
《Lunatic moon》はこれにて終了です。

翠簾野 夕南 : おつかれさまでした~~~~~!!!!!!

東雲 亜梨花 : わ~~~~~~

明花あきる : お疲れさん。

神々廻 京 : お疲れ様でした〜!

東雲 亜梨花 : みんなそれぞれのエンディングでよかった

卜部影路 : おつかれ

GM : ~リザルト~
クリアボーナス:10点
セッションに最後まで(ry:1点
良いロールプレイをした:1点
他プレイヤーの進行(ry:1点
セッションの進行(ry:1点
最終侵蝕率経験点:①点
未使用EロイスB:②
合計:14+①+②

GM : ①と②は各々で計算してくださ~い。

翠簾野 夕南 : おれは……18点!

東雲 亜梨花 : え~~~~と

明花あきる : バックトラックフェイズはもうログに追加してあるから、忘れたら見ろよ。

東雲 亜梨花 : えへへたすかり

GM : ここからは雑談と質問タイムになります。何かあったらどぞ。

GM : ついっちゃーでも全然……よい。

卜部影路 : 20点かな

東雲 亜梨花 : うら設定も今ならげろるぜ~~~

明花あきる : これ実際、黒澤のボンボンともっとコンタクトとるルートはあったンかな。主に私か神々廻になるだろうが

卜部影路 : 俺も接触チャンスはあると言えばあったな

東雲 亜梨花 : 私は……14+5+6……?

卜部影路 : まあ、初接触次点でジャームだったし難しそうではあるが

GM : >>黒澤秋人

ありました。
OPシーンで、実際に現場で張り込んでとっ捕まえる選択肢をした場合、何も知らずにやってきたへたくそくんと邂逅することとなります。

翠簾野 夕南 : へーー

卜部影路 : やっぱり一番最初しか難しいか

東雲 亜梨花 : 私もへたくそくんにびんたしたかったな

東雲 亜梨花 : あ~~~あそこか

明花あきる : あー。張り込みなァ、そこからポイントはあったとは

神々廻 京 : 最初かあ

GM : 虚無(かまきーさん)から転移して資料盗んでるわけじゃないってだけはわかっているので、裏口で見張って犯行現場抑えるルートもありましたね。

東雲 亜梨花 : そっちのる~とバージョンもやってみたいな

明花あきる : まァ私の場合、資料優先って言質とっちまったから、あんまし犯人押さえるって方向にいかなかったのもあるな

卜部影路 : 俺としては、ツクヨミ復活の時に死なせちまったのが引きずるな……

GM : ですな。そっちとった段階で、へたくそくんよりかは会長寄りのルートでした。

卜部影路 : 次の卓の中ではずっと引きずると思う

東雲 亜梨花 : へたくそくんのとこにもちさくつれてってちゃんと玉砕させてあげてたらちゃんと振られてたんかな

GM : 振られてましたね(即答)

卜部影路 : どの時点でジャームになったんだ?

明花あきる : ……どうだろうなァ、逆上してそうじゃねェ?振られて諦めるタマかな、アレ

東雲 亜梨花 : まあ、諦めないだろうとは思うけど、その辺ちゃんとルートを辿らせてあげたかったなぁというこころのこり

GM : 振られて自棄っぱちキメて、そこからツクヨミノミコトに操られるルートです(最初のプロット)。
其の場合は、会長は傍観者兼事後処理でした。

翠簾野 夕南 : かわいそうに

明花あきる : 夕南、顔、顔

明花あきる : 可哀想って思ってる顔じゃねェ……

翠簾野 夕南 : あっ! てへへ

明花あきる : ごまかすな

GM : ジャームになったのは、マスターマインドとの接触以降です。

東雲 亜梨花 : 卓前!

卜部影路 : 助けてやるのは無理そうだったか……

GM : 本編開始時点で、ヤバいと思ってるものを盗み出して堂々と盗みに走ってたので、ジャームじゃなければほんとにヤバいやつ。

東雲 亜梨花 : 恋って怖いな~~~

卜部影路 : 力に酔ってる青少年だったらそれくらいは……ありそうだけどな(そっと己の歴史を隠す)

東雲 亜梨花 : じっ

明花あきる : じ。

卜部影路 : 緊急事態だったからノーカウントだぜ

神々廻 京 : まあ、そう言われると確かに彼はすでに詰んでいたのですねえ

GM : 秒で見捨てられたので、コミュは会長寄りとなっておりました(ずずず)。

明花あきる : 獅童ルートに行くのは必然だったって感じだろうなァ。私としては文句はねェケド。

GM : 資料を見つけた時点でやつは詰んでいます。

東雲 亜梨花 : かわいそうに

神々廻 京 : しょうがない子。

GM : ツクヨミ復活の時の特殊部隊の死は、どこであっても変わりません。が、万が一街中で復活していた場合は罪のない一般市民がいっぱい死んでいました。

卜部影路 : 俺の心残りは……まあ、あんまりないな、反省はあるが

明花あきる : 山でよかったな……まだ

神々廻 京 : ツクヨミ、許せねえーッ(テコンダー京)

卜部影路 : 誰が死んでも、それは誰かにとってのバッドエンドなんだよな……

東雲 亜梨花 : あぶねぇ、街中だったらまじできれちらかしてた

翠簾野 夕南 :

卜部影路 : それはそれで見たかった気もするが、またいつかにとっておくか

GM : ちなみに

GM : 支部前で交戦していた場合は尾身かレベッカを対象にとって確定ロルでぶっ貫いてました。あのときのシークレットダイスはそれ。

明花あきる : マ マジか

GM : 山行きになったので、タゲがPCに移ったのですな。

神々廻 京 : オオン

明花あきる : 結構シークレットダイス多かったよな 獅童関係の時とかもそうだけど

GM : 獅童関係のシークレットダイスは、仮面を剥がすか否か。初手で剥がれてたら大惨事だったが、流石にポンコツではなかったらしい。

明花あきる :

神々廻 京 :

GM : 友達とかいい人とかその辺のワードが出るたびに、1d10≧8で振ってました。途中からその必要なくなったから振ってないけど。

東雲 亜梨花 : 糸香ちゃんとまたれいのカッッッフェいけたらいいなぁ

GM : 行けるかもしれませんね。いつかは

明花あきる : アイツの進学した大学に顔を出すのもやぶさかでもねェ。

GM : ちなみに元ネタ通り、部活は弓道部でした。見学したいとか言うと、小ネタが挟まれてたり。

東雲 亜梨花 : もしかして小さなころの夢は看護師では

GM : そうですけど?

東雲 亜梨花 : 医者の方が立派だからって親にすりつぶされるやつ~~~~

卜部影路 : まあ、親はな……

明花あきる : ……まァなァ

明花あきる : やっぱ医学部いくンかな、とりあえずは

卜部影路 : 見てた感じ、俺の親と下手くその親は似た者同士って感じだしな

GM : 医者の方が立派だからと押さえつけてその道だけを用意して専門書も買ってあげていらないものは捨ててあげる親ですね。

GM : ですね。医学部行ってそつなくやりつつ道を探す、というのが獅童の今後となります。

東雲 亜梨花 : 善意の方向性が圧なのよ

GM : 下手くその親は、まぁ根っこは同じでしょう。ただ、世間体のあれやこれやや、ちょっと歴史的によろしくない秘密を抱えているだけで。

明花あきる : 真に子供のためと思ってやってるのがタチ悪ィな。ひっくり返せねェもん

明花あきる : うちはまァ、矜持に賭けて納得させられたからひっくり返せたケド

神々廻 京 : 黒澤家に子供なんていないですわね(白けた目つき)

GM : ダブルクロス世界でも、元ネタでも、ガチモンの毒親の部類なので、まぁ、そこから引き剥がさないかぎりはジャーム化するというのがUGNの判断でした。

東雲 亜梨花 : ダブルクロスだから引き離せてよかったとおもいますます

明花あきる : 実は獅童にも黒澤のボンボンにかかってたみたいな暗示とかかかってたらどうしようなァ、って危惧してたんだよな

GM : 黒澤にかけた暗示よりも、獅童にかかってる暗示は軽めのものなので、西崎先生が除染してくれてます。

GM : なので、今後はマスターマインドの手が伸びることもないでしょう。

東雲 亜梨花 : もともと壊れてた子をあつめてたもんね

明花あきる : 良かった

GM : イエス。元から壊れてて簡単に命令を刷り込みやすい人達です。マスターマインドといえど労力は減らしたい。

東雲 亜梨花 : Mさんが育てた子供より支部長が育てたほうがやっぱ健全につよいんやなって証明できてよかったむん

GM : 前本支部長は、マスターマインドと同じにはならないと教育学に関しては力を入れました。逆に本格的な心理学は敬遠気味だった模様(教育学に必要な部分は学んだが、本格的には履修していない)。

東雲 亜梨花 : おつでした。おやすみ!

卜部影路 : お疲れさん、ここまでありがとうな